( ^ω^)ブーンの魔法学のようです――PerfectStage――
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
( ^ω^)ブーンの魔法学のようです perfectstage のリメイクです。
上記の作者様とは別の作者です。ブーンK最強の魔法学がついにリメイクされました。みなさんどんどんと反応を下さいね。
完成させてから投下しようと思ったのですが、待ちきれないようなのでながら投下になります
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 02:59:40.88 ID:+zIG8B5B0
自分を呼ぶ声に目が覚めた。眠い目を擦りながら起き上がると母親が何か叫んでいるような気がする。
まどろむ意識からぼうとただ視線を空中に彷徨わせている彼は次いで飛んできた声に跳ね起きた。
「朝だって言ってるだろ! はやく起きろよブーン!」
(;^ω^)「ふおぉ!?」
恐る恐る時計を見ると壁に吊るしている制服を掴み取り寝巻きを脱ぎ捨てると、素早く着替えた。
季節は、九月。幼少の頃からの夢であった魔法学校に入学したことが随分と昔に感じられた。
夏休み明けから着用義務になった青色のブレザーに袖を通すと、一階へと駆け下りた。
家中に足音を響かせて階段を降りるといつものようにギコが母親に挨拶をしていた。
僕とギコは幼馴染で互いの家に出入りする程度に相手の両親とも仲が良かった。
僕が現れると二人が僕を見て口を開いた。
(,,゚Д゚)「よっす、おはようブーン」
( ^ω^)「おはようだお」
J( 'ー`)し「朝ご飯は?」
( ^ω^)「食べてる暇がないお」
J( 'ー`)し「またそんなこと言いやがって!」
文句を叫ぶ母親を無視して僕は靴を履いて母親に出発の旨を告げた。
J( 'ー`)し「二人とも行ってきやがれ!」
僕らは返事をすると並んで学校へと歩を進めた。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 03:08:44.77 ID:qbR/K/9d0
ほう……
ほうほう
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 03:11:39.66 ID:qbR/K/9d0
一行一行に文字量というか描写詰めすぎじゃね?
まぁ
>>2の時点で原作超えちゃったけど
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 03:13:59.42 ID:+zIG8B5B0
(,,゚Д゚)「もっと朝早くに起きたらどうなんだ」
( ^ω^)「それ言い続けて何年目かわかってるかお?」
(,,-Д-)「だよなぁ、諦めたよ」
そんなことよりも、とギコが言葉を続ける。
(,,゚Д゚)「お前今日のテストの勉強したか?」
( ^ω^)「テスト? なんだお? それ。魔法学校はテストなんて第四期の終わりにしかないお?」
(,,゚Д゚)「……そりゃあお前、一年間の締めくくりの総テストだろ? 小テストだよ、ネオンのさ」
(;^ω^)「……」
(,,-Д-)「だよなぁ、諦めたよ。もしかしたらお前がネオンの練習で夜更かししてたのかと思った」
( ^ω^)「ギコの『諦めた』は聞き飽きたお」
(,,゚Д゚)「言わせてるのはそっちだろ。で、どうするんだよ、俺はいいけどさツンデレさんが黙ってないと思うぞ」
また怒鳴られるんじゃねえの? そう言ってギコは笑って視線を僕から外した。
僕とギコとツンデレという少女は三人一組の班員で、僕ら個人の成績は班にある程度影響する。
失敗ばかりの僕に対してギコはいつも慣用だった。本当にいい友人だと思う。ツンデレという少女はいつもうるさく面倒であった。
( ^ω^)「まあなんとかなるさ」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 03:26:09.61 ID:P6p6NGh+0
飽きたっつって背中向けて逃亡するんだろwwwww
もしくは眠いからという理由で保守を頼んで消えるとかwwwwww
お前は男の風上に置けない情けない奴だよwwwww
ネオルドまでは絶対に書けないと予想してやるねwwww
腐ってないヒロイズムさんwwwww
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 03:27:27.90 ID:+zIG8B5B0
基本中の基本小さな雷を起こす低級魔法すら満足に唱えられない自分が情けなかった。
ただどうしても僕は頑張れず、いつも夢想ばかりしている。要求する内容に行動が伴っていないと自覚しているのだ。
どんどんと魔法の腕を上げていく周りの生徒を見ると精神的に落ち込み、自己嫌悪の螺旋を回っていた時期があった。
一度僕は、登校拒否になっているのだ。理想と違った現実の自分が大嫌いで部屋に篭って居た頃があった。
無論その頃もずっとギコには迷惑をかけていたはずなのに、彼は毎日僕の家に訪れてくれた。
僕はなんとか気を持ち直して登校を開始した。いつしか、生徒たちの哀れみの視線に慣れてしまっていた。
魔法学校が近づいてくると人が段々と増えてきた。喧騒が大きくなりギコが声をかけられる回数が大きくなっていく。
彼らは決まって僕を見ると「どうしてこんなやつと一緒にいるのだ」という疑問を膨らませた。
ギコは笑顔で応対し、それでもずっと僕の左側についていてくれていた。ずっとずっと、僕は彼に護られないと何も出来ないだろうか。
見上げると上級生が箒やスケートボードに乗って空を滑り、白い尾を残していった。
教室に入ると既に人で溢れていた。他クラスの人間もいるようで、いつもよりも多くの奇異の目が僕に突き刺さる。
僕は窓際一番後ろの席へと座り込んだ。ギコは彼の友人たちの会話に巻き込まれてネオンについて話していた。
ξ゚听)ξ 「ずいぶん浮かない顔ね?」
( ^ω^)「ツンデレさん」
容姿端麗ツリ目で金髪ツインテールに縦ロール、おまけに成績はとびきり優秀。記号化された少女が僕の席へとやってきた。
本人はVIPの国籍ではあるが最近までアニメ・ゲームの発展していないラウンジで育っていたため、フィクションから飛びでてきた存在のようだった。
班員の構成される理由はいくつかあるらしが、その最たる理由が『平等になるように』である。
僕ら班員の成績を見るとツンデレさんは述べたとおりで、ギコも上の下と呼べるほどに成績が良かった。
だとすると、言うまでもなく僕はとびきり劣等な存在であるということだった。チームはよく掛け算に例えられる。僕は、ゼロなのかもしれない。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 03:45:56.50 ID:+zIG8B5B0
ツンデレさんは眉間に皺に寄せて僕を睨んだ。彼女が僕を見る目はいつもそれだった。
「どうしてこんな奴とアタシが組まなきゃならないのよ」そういった目をしていて、やはり僕は慣れてしまっていたのだ。
ξ゚听)ξ「まさかまた勉強してないの?」
返答には窮するしかない。努力もせず才能もない僕には何も言えない。
彼女は小柄であったけれど僕は座っていたため見下ろされる形になる。僕は目線を膝の上にして、ただじいと言葉を待っていた。
(,,゚Д゚)「そのまさかなんだよな、コレが。まあ許してやってよ、慣れちゃったでしょ?」
尖った黒髪が下から現れたかと思うと、僕とツンデレさんの間にギコが立っていた。
友人との会話はもういいのだろうか、僕のそんな心配をよそに、とても気持ちの良い笑顔を彼はツンデレさんに向けていた。
ξ゚听)ξ「はあ……」
呆れたというよりも、飽きた。そういう反応だった。コイツの相手をするのに飽きた。怒る自分に飽きた。
溜め息をついた彼女はギコと何かを話していたが、やがて険しい表情が緩んできて、今はギコと授業について話している。
厳しいとは言わないが連帯責任を採用しているこの学校のシステムが、僕は嫌いだった。自分の劣等性が顕著に現れるから。
ξ゚听)ξ「アンタさぁ、第二期を丸々休んでいるんだから、もっと自分で学習したらどうなの!?」
(,,゚Д゚)「まぁまぁ」
入学した四月から梅雨の時期の六月までが第一期。
学校に慣れ始め暑さに体力と精神力を奪われるが、活動的・開放的になる七、八月が第二期。
そして現在の九月十月十一月が第三期で、残りの凍えるような冬を第四期と呼称されていた。
ξ゚听)ξ 「とにかく! テストは三時間目だから、それまで休み時間を利用して特訓よ!」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 03:53:43.59 ID:+zIG8B5B0
僕は曖昧に頷いて授業が始まるまでただじっと座っていた。
机の横には、細長い布袋が掛けられていてそこには僕の魔法杖が入っている。
一年生である僕らは学校指定のものであったが、二年生になると各自自由になる。
みんな来年に備えているのか、魔法杖を持って帰り家で自主練習をしているらしい。
僕はそんなことをしたことがなかった。僕に気を遣ってなのか知らないが、ギコも持ち歩くことはなかった。
だって俺、練習とか特訓とか嫌いだし。笑いながらそう言った彼が、酷く羨ましかった。
一、二時間目の授業風景もやはり変わらなかった。
僕には理解の及ばないことを周りの生徒たちが次々と問題に対して正解を言い当てていた。
先生は僕の存在に目もくれない。どうせ理解できないとわかっているのだから、指名しないのだ。
( ^ω^)(意地悪に指名されて嘲笑の的になるよりかは、マシか)
そうやって毎日、死んでいるように生きている。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 04:05:50.47 ID:+zIG8B5B0
二時間目が終わると二十分間の休憩時間がある。僕はその時間が大嫌いだった。
特にやることもなく、世間話をする相手もおらず寝たふりをするしかない毎日だったが、今日はツンデレさんが僕の腕を引っ張った。
魔法杖を持たされて、抑止を促すギコも無視して道路標識のようなものを押し付けると、人気の無い校舎裏まで連れて行くと言い放った。
ξ゚听)ξ「ここで練習しなさい。アタシたち以外誰もいないわ」
そう言うとツンデレさんはギコに持たせていた道路標識のようなものを受け取り、地面へと突き立てた。
土とは言え、なんて怪力だ。そう呟いたギコに鋭い視線。ギコはそっぽを向いて口笛を吹いていた。
こうして、僕のネオンの特訓が始まった。
手に持った木製の魔法杖に意識を集中させる、手のひらがじんわりと温かくなる。
標的は、的。イメージは空間を一閃する雷光。腰を落として腕を引き、思い切り刺突する!
( ^ω^)「ネオン!」
弾けるような音がしたので成功かと思い、思わず瞑っていた目を開けてツンデレさんを見る。
( ^ω^)「今出た?」
ξ゚听)ξ「出てないわ。丁度虫が止まったのよ」
(,,゚Д゚) 「虫が死んだってことは出てないわけじゃないんだ、いけるじゃんかブーン」
ξ゚听)ξ「虫が死ぬ程度の電力なんて、電撃殺虫ラケットでも出せるじゃない」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 04:18:42.85 ID:+zIG8B5B0
それから僕は何十回も挑戦してみたが、満足のいく結果は出なかった。
ツンデレさんが溜め息をついている。ギコはただじっと僕を見ていた。何を考えているのだろう。
集中、モーション、失敗。録画された内容を繰り返しているだけのように、なんの変化もない。
ギコがこちらへと歩いてきた、何を言われるのだろうか。見捨てられるのだろうか。そうなったら僕はどう思うだろう?
こんな基礎の域から抜け出ない低級魔法すらきちんと発動できない人間なんて、本当にいるものなんだなあ。
(,,゚Д゚) 「なあ、ブーン。ウィンドやってみろよ」
ウィンドは僕の得意な魔法だった。数少ない扱える魔法の中で唯一失敗せずに発動できる魔法だ。
いいか、ツンデレさんに向けてだぞ、そうギコは言ってまたツンデレさんの隣へと戻っていった。
よくわからなかったが、息を吸い込んで落ち着いてからゆっくりと集中する。
大丈夫。得意な魔法じゃないか。じゃあこれが失敗したら? 魔法学校にいる資格は? そんなものは、元々ないのだろうか。
魔法が扱えない人間は現在、他国からの奴隷など満足に教育を受けられない境遇にあるものだけだった。
僕は今、そんな奴らと同列になるかどうかの土壇場なのだ。
( ^ω^)「……」
思い切り、 杖を振るった。
( ^ω^)「ウィンド!」
杖を向けた先には何も影響は無く、僕が畜生と同列であることが決定付けられた。
絶望が体を覆い被せた突如、ツンデレさんのスカートがめくれあがり水色と白色の縞々パンツが見えた。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 04:21:51.40 ID:si45Lxg40
C
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 04:27:20.49 ID:+zIG8B5B0
(,,゚Д゚)「大成功、だな」
ギコは端正な顔を引き締めて座り込んでいてツンデレさんの下半身をじっと見つめていた。
顎に手をあててまるで鑑定するかのような仕草はとても許される行為ではなく――
ξ////)ξ「な、何をしてるのよッ!」
ツンデレさんの見事な回し蹴りがギコの顔面を捉えた。
大きく、とはいえなかったが、声を出して笑ったのは久しぶりかもしれない。
(#)゚Д゚)「テストの距離はこれぐらいだからな、その感覚忘れるなよ」
この直後に休憩時間終了五分前を告げるチャイムが鳴り、僕らは教室へと戻った。
先生が僕らを魔法を使用しても安全な教室へと誘導する、そして三時間目が始まった。
頑張るなぁwww
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 04:30:31.49 ID:+zIG8B5B0
僕の順番が回ってくるまでの出来事はあまり覚えていない。
当たり前のように全員がネオンを成功させていて、僕の動悸と小さな稲光の音だけが耳に届いていた。
次は僕らの班だ。
一番はツンデレさん。杖を振って、的を射抜いた成功させて当然と言った顔をして僕とギコを見る。
次はギコの順番だった。微かに息を吸い込んで思い切り杖を前に突き出す。特別大きな光と音が発生して、的と粉砕した。
(,,゚Д゚)「よし、頑張れよ」
僕の肩を叩くとギコは怒り気味の先生へと駆けていって頭を下げている。
そうして彼が新しい的を設置した。いつもの気持ちいい笑顔を浮かべている。
僕は集中を始める。手のひらが温かくなる。大丈夫、落ち着いている。
杖が脈動しているかのように、指先の血液の循環がわかる。標的は、的。
カタツムリのように渦巻いて膨らんだすぐ下を握り、さきほどのことを思い出す。ギコ、ツンデレさん、縞パン。
( ^ω^)「ネオンッ!」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 04:41:23.90 ID:qbR/K/9d0
ネオン!
なんかもう懐かしさすら覚えるな
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 04:44:01.41 ID:7uAN83hi0
しえん
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 04:48:34.69 ID:+zIG8B5B0
四時間目は魔学と聖学の勉強をしていたらしい。ツンデレさんとギコがそう目の前で話している。
一口に魔法といっても分類がたくさんあり、得意に扱える種類が個々違うらしい。
最も、いくら適性が無いとはいえ低級呪文ができないなんてことはありえないが。
(,,゚Д゚)「なあ、ブーン」
ツンデレさんが帰ろうとしているのをギコが引き止めると、続いて僕に声を掛けた。
(,,゚Д゚)「昼からもこのメンバーで遊ばねえ? 班員なんだしさ」
魔法学校には給食が週に二日しかなく、給食がない日は昼に全授業が終了する。
午後からは各自自由行動で、午後にいかに鍛錬するかによって他人との差が出来上がる。
( ^ω^)「昼って、どこにいくんだお」
ギコは演出過剰とも思われるほどにニヤリと笑った。
(,,゚Д゚)「学校外れにある、アスラの森さ」
(;^ω^)「勝手に入っていいのかお? 十月――第四期生にならないと立ち入り禁止だって先生が……」
(,,゚Д゚)「大丈夫大丈夫。お前ないつまで人に従ってるんだ早く自立しろ自立」
(;^ω^)「それは自立とは言わないと思うお……」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 04:50:45.91 ID:+zIG8B5B0
(,,゚Д゚)「じゃあ飯食ったら大通りの噴水前でな!」
そういうとギコは帰路につき、僕とツンデレさんが取り残された。
ξ゚听)ξ「悪いけど、アタシはいかないわよ」
( ^ω^)「そ、そうかお。ギコにそうやって伝えておくお」
会話が続かないまましばらく並んであるくと、やがて十字路にさしかかった。
ツンデレさんが、アタシこっちだから、じゃあね、と別れを告げて背を向ける。
僕も家に帰ろうと背を向けると体中を痛みが駆け巡った。振り向くとツンデレさんが笑っている。
ξ゚听)ξ「三時間目見直したわよ。やるじゃない、アンタ。お昼から楽しんできなさいよね!」
( ^ω^)「……」
ξ゚听)ξ「それじゃあ、また明日ねっ!」
体中に残る軽い痺れを感じながら、小さくなっていくツンデレさんの背中を眼で追う。
一つ嘆息してから、僕は歩き始めた。アスラの森でギコと二人きりなのだ、きっと疲れるぞ。
さあ、家に帰って沢山ご飯を食べよう。少しだけだけど、自信がついた午前中だ。今日はきっといいことがあるかもしれない。
女の子の縞パンも見れたし。
( ^ω^)ブーンの魔法学のようです――PerfectStage―― 第一話「落ちこぼれ」 おしまい
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/19(日) 04:52:40.00 ID:qbR/K/9d0
よむほ
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
終わり。