魚の寄生虫:「いける味」 甲殻類の空揚げ、パリパリ「最高」−−大分県水産研究部員
油で揚げたタイノエ
タイノエを食べる福田穣さん ◇アニサキスは“要注意”
ttp://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20100918ddg041040010000c.html 大分県水産研究部(佐伯市)養殖環境チームの主幹研究員、福田穣(ゆたか)さん(53)が
魚の寄生虫を食べてみるという果敢な試みを続けている。「単なるゲテモノ食い?」と勘違いされる向きもあろうが、
「海の魚の寄生虫のほとんどは無害。正しい知識を持ち、必要以上に恐れないで」と福田さんはいたってまじめ。
寄生虫への不安解消をアピールしている。
イタリアには「マカロニ・ディ・マーレ」(海のマカロニ)という料理がある。実は、
小麦粉で作ったものでなく、魚の腹に寄生するサナダムシの仲間が原料なのだ。
日本でも北海道や東北で、この虫をきしめんのように生でつるつる食べる習慣があったという。
これまで約20種類を試食した福田さんのイチ押しが、マダイの口の中に寄生するタイノエだ。
エビやカニと同じ甲殻類。大きなものは5センチある。空揚げにすると「卵がいっぱい詰まった
旬のシャコのような味で、殻ごとパリパリいけて最高」と言う。
挑戦の原点は20年前。「ブリをさばいたら、赤黒く細長い虫がいた」との職場への1本の電話だったという。
線虫の一種で、「その虫なら心配ないです」と答えた。しかし、電話の主は「あなたは食べたことあるの?」と反論。
以来、「何でも自分で試そう」のスタイルを貫く。この線虫もポン酢で食べたが、まずかったという。
「無害がほとんど」とはいえ、イカやサバに見つかる悪名高きアニサキスだけは、
生食だと腹痛や吐き気など急性胃腸炎の症状を起こすため要注意とのこと。
しかし、これも4、5年前、勇猛果敢に2匹を口に入れた。「虫体に傷が付けばすぐ死ぬ」との定説を実証するためだ。
1匹はかみつぶしたものの、もう1匹はツルンと胃へ。幸い腹痛は起こらずホッとしたという。
一連の食体験は、消費者グループなどに養殖魚の安全性を伝える際、披露することもあるという。【梅山崇】
毎日新聞 2010年9月18日 西部夕刊
毎日新聞 猪飼順 「キムチと寄生虫」
寄生虫の卵 感染、ラッキーかも=猪飼順 /東京
鍋物の季節がやってきた。我が家の定番はキムチ鍋。冷蔵庫にあったキムチは、
寄生虫の卵が検出されたと話題の某国製だったが、炒めたキムチを使うのがおいしさのコツというから、
卵があっても問題ないだろう。
子どものころ、野菜を洗っていて「虫がいる」と大騒ぎして怒られたことを思い出した。
行商に来る農家から買っていた野菜は、虫食い跡は当たり前。菜っ葉類を洗うと、
必ずといっていいほど、元気な虫に遭遇したものだ。慣れてしまえば、「虫がつくほどおいしい」と思えてきた。
寄生虫に感染するとアレルギー反応を抑制できるという学説を唱える藤田紘一郎・東京医科歯科大名誉教授は、
自らもサナダムシを体内に共生させていたことで有名だ。
花粉症が抑えられる上に、いくら食べても太らないなどと聞くと、魅力的とすら思う。
とはいえ、さすがに自分から卵を飲む勇気はない。「キムチで感染したら、ラッキーかもしれない」と頭をかすめ、
深夜に鍋を平らげた。感染よりも、まず食べ過ぎに注意すべきかもしれない。
ttp://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tokyo/column/news/20051119ddlk13070232000c.html 引用元:毎日新聞 2005年11月19日