1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
夜。
平沢家。
憂「…………へ?」
憂はその言葉の意味が、わからなかった。
憂「……どういうこと?」
唯「だから! 私ね、あずにゃんとカップルになったんだよ!」
憂「……………………嘘」
唯「ほんとだよ!」
唯「今日、告白してくれたの! 『唯先輩のこと、大好きです』って! 私、OKしちゃったよ」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:41:26.44 ID:TKovOrpC0
............. へ?
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:41:37.74 ID:c7dYnFAc0
唯はえへへー、と幸せそうに頭をかく。
憂(嘘嘘嘘嘘嘘!!! ありえない!)
憂(なんで梓ちゃん? なんで私じゃないの? 告白したって……、私がお姉ちゃん好きなこと、梓ちゃん知ってるはずなのに……)
憂(そうか……)
憂(横取り、された…………)
憂(あの泥棒猫……おとなしそうな顔しやがって……)
憂(………………………………小ざかしい)ギリリッ
唯「憂! 包丁をなんでそんなに強く握り締めてるの!? こわいよ!」
憂「え、ああ。なんでもないよ。それより、ご飯もう少しで出来るから、待っててね」
唯「う、うん……」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:43:01.91 ID:c7dYnFAc0
憂「あ、お味噌汁が沸騰してる! 火止めなきゃ!」
憂は火の元をとめようと――。
唯「今度、デートする約束してるんだー」
ぐゎら ぐゎら ぐゎら …… と、なべの蓋がおちた。
煮えくり返った。
煮えたぎっている味噌汁が、なべの外に出ようとしている。
憂(……………………デート?)
憂(あの女、そこまで手を回して…………)
沸騰しきった味噌汁が、なべの外に押し出される。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:43:37.75 ID:c7dYnFAc0
憂(………………悔しい)
憂(なんで、梓ちゃんが…………)
唯「ごはんまだー?」
憂「…………あ」
ようやく、味噌汁が駄目になっていることに気づく。
憂「作り直さなきゃ…………」
憂ははあ、とため息をついた。
****************************************
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:44:34.18 ID:c7dYnFAc0
翌日、学校
梓「憂、おはよう」
憂「…………………………」
梓「? どうしたの?」
憂「話しかけないで?」
梓「え? 何で?」
憂「…………………………」
梓「あー、わかった。好きな人とられて悔しいんでしょ」
憂は歯噛みした。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:45:14.11 ID:c7dYnFAc0
梓「ごめんねー。うふふ」
憂「…………チッ」
梓「へえ。憂が舌打ちするの、始めてみたよ」
憂「黙れ」
梓「はいはい」
何だか馬鹿にされてるようで、憂は机に突っ伏した。
梓「あら。いじけちゃった?」
憂「……………………」
梓「………………子供みたい」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:46:03.95 ID:c7dYnFAc0
憂「……………………」
梓に殺意を覚える。
その感情を、必死に押しとどめる。
憂(殺しちゃ駄目。お姉ちゃんが悲しんじゃう)
憂(お姉ちゃんが幸せならいいの。梓ちゃんと付き合っても)
憂(お姉ちゃんが、幸せなら……)
憂(…………寂しい)
憂(…………何で、何で、なんでなんでなんで!?)
憂(…………何で、私じゃないの?)
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:46:09.35 ID:qsBsX92U0
まーた憂選手か
, ─┐_ノ ̄\
イ  ̄〉_____厂 ̄\__
厂ヽ/,二二、二二、`\ //\
へ、// . : : : : : : : : . \ヽ \ /ヽ
〈_∠厂. : : : :/ : :/|: : : : : . \丶\厂〉 、
/ 厂/. : : : : :/ | :/ |;ハ : : : : : . \乂 〈⌒〉
乂_,ノ: : : :_;∠ l/ 丿__ト.: : : .厂ヘ l ノ\
〈⌒イ: : l: :厂 ` ´ 〉: : .\人〉 ノ
パ 乂_ 〉: :l:│,= 、 , =、⌒|: : |\〉イ
リ / |: : :|/ , -、ヽ ´, -、 \|: : |: : | :l マジ最悪でしょこのゴキブリ
ポ /′ ; : :八 イ_,ハl l_,ハリ 〉 : |ヘ.:| :|
リ /:/ l/⌒ `ー ' `ー' '⌒|丿l :|
/:/ l: :l : :l// ' // ,'|: : : : : :.\
イ / ,l: : | : :ト、 ー--ヘ / |: : :l : : : : .\
/⌒ヽ |/l /|: :│: : : .丶、 o イ |: : :|: : .\ : .\
,' . : .:l |/l / :l: :/|: : :| '⌒> 、_, イ⌒ |: : :l : : : : \ ⌒
V^,ハ、;ノ ∨ 厶.:≦ミ|: : :|三人 ̄\_厂 ̄人三|: : :|三≧、: : \
/ / / / =三三|: : :|三三\三三三/三三|: : :| 三三 \: : \
, / 广ハ. , ' _=三三三|: : :|三三.冫⌒厂⌒< 三三|: : :| 三三三 ヽ: : . ヽ
| l l l / =三三三三|: : :|三 / 人_人 \ 三|: : :| 三三三三 \: : .ヽ
\ ∨ 三三三三三|: : :|三人_/厂\_人三|: : :| 三三三三三. \
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:46:41.15 ID:c7dYnFAc0
純「おはよー」
梓「あ。純、おはー」
純「おやぁ? 梓、ご機嫌ですな。何かあった?」
梓「えへへへ。ちょっとね」
純「何々?」
梓「ひみつー」
純「えー、教えてよー」
梓「やだー」
憂はその二人の会話を聞きながら、そっと眼を閉じた。
総てが夢だったらいいな、そう思いながら。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:47:15.63 ID:TKovOrpC0
なんかこの憂ちゃん可愛い
あずにゃんも
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:47:18.01 ID:c7dYnFAc0
夜
平沢家
唯「今日はね、デートする日にち決めたんだ」
憂「…………そうなんだ」
唯「うん! 今週の土曜日!」
憂は思い出す。たしか、今日は水曜日だ。あと3日後か。
憂「…………楽しみ?」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:48:00.20 ID:c7dYnFAc0
唯「うん! だって、初めてのデートだもの!」
憂「…………そっか」
憂(お姉ちゃんが、楽しめたらそれで…………)
憂(お姉ちゃんが、お姉ちゃんが、幸せなら…………それ、で…………)
唯「あれ? 憂どうして泣いてるの?」
憂「……へ?」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:48:10.67 ID:PdVZpdLD0
ねえねえ唯梓ってこんなのばっかりしかないよね
もう誰も喜ばないから唯梓っていうカテゴリー毎消えていいよ
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:49:07.58 ID:c7dYnFAc0
>>15 エリだ
憂は目を擦る。
涙が付く。
憂「本当だ。私、泣いてる……」
唯「大丈夫?」
憂「……うん。気にしないで」
唯「う、うん…………」
何で泣いてるのだろう。
憂(お姉ちゃんが幸せなら、笑わなければいけないのに)
本当に、何で泣いてるのだろう。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:49:56.83 ID:c7dYnFAc0
土曜日!
唯は早朝から家を出た。
憂一人が、家に残った。
憂「……暇だな」
憂「お姉ちゃん、楽しんでくるかな」
憂「お姉ちゃん、梓ちゃんと仲良くやれるかな」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:50:41.48 ID:c7dYnFAc0
憂「お姉ちゃん………………」
憂「…………何か、家が広くなったみたい」
憂「お姉ちゃんが、修学旅行行ってるみたいだよ」
憂「…………暇だな」
憂「ういー、アイスー」
憂「………………」
憂「何やってんだろ、私」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:51:23.36 ID:c7dYnFAc0
憂「……………………寂しいな」
呟くと同時、頬に暖かいものが伝った。
憂「…………このごろ、泣いてばかりいるなぁ」
憂「どうしちゃったんだろ、私」
憂「お姉ちゃんが幸せなら、それでいいのに…………」
憂「何で、こんなに悲しいのかな?」
答える声は、もちろんない。
憂の独白は、えんえんと続いた。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:51:56.93 ID:JNK2Q+6kP
どうせ包丁持ち出してヤンデレエンドなんでしょ?
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:52:01.07 ID:YPLrk8u0P
この手のけいおんSS何回建てたら気が済むんだよ
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:52:08.32 ID:c7dYnFAc0
同日、夜
唯「ただいまー! うい!」
憂「お姉ちゃん、お帰り」
唯「じゃあ、荷物ここに置いとくね」
憂「…………え?」
唯「梓ちゃんに誘われたんだよー。明日も休みだし、私の家に泊まっていきませんかって」
唯「じゃ、行ってくるねー!」
憂「ま、待って!」
池沼死ね
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:53:12.04 ID:c7dYnFAc0
>>20 悪いがヤンデレじゃない
>>21 エリのスレってそんなにあったっけ?
憂の制止を無視して、唯は梓の家へ向かう。
ぱたん、と玄関のドアが閉まる音がした。
憂「…………お姉ちゃん」
その呟きは、決して誰にも聞こえない。
唯の置いていった、お土産の入っている袋が、くしゃり、と音を立ててくずれた。
中から出てきたのは、可愛らしい人形。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:53:54.51 ID:c7dYnFAc0
憂はそれを一瞥した後。
思いっきり、蹴り飛ばした。
人形が、玄関と衝突する。
憂は息を荒げる。
憂(お姉ちゃんが、幸せなら…………っ)
憂は壁を殴りつけた。
どめりっ、という音がして、壁が拳大に凹む。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:54:41.16 ID:YPLrk8u0P
エリなんとかじゃなくてけいおんの百合SS立てすぎなんだよ
既出すぎるんだなこれがまた
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:55:07.57 ID:c7dYnFAc0
憂(………………梓ちゃんに、バージンまで奪われるんだね)
憂(もういい)
憂(もうわかった)
憂(こんな家、出てってやる)
憂(もうお姉ちゃんにも未練はない)
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:55:39.44 ID:TKovOrpC0
なんならいちごすれ立てろよ
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:55:57.75 ID:c7dYnFAc0
憂(こんな家、出てってやる!)
憂(お姉ちゃんなんか、もう知らない!)
憂(もう、本当に、知らないんだから!)
完全に、頭に血が上っていた。
憂は何の準備もせず、着の身着のまま家から飛び出した。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:56:54.01 ID:c7dYnFAc0
>>28 姫子の方が好きだ
同日、街中
行くあてはなかった。
ただ、放浪しているうちに、自分の家への帰り道がわからなくなった。
憂(まあ、いっか)
憂(もう、帰らないんだし)
憂(明日、帰ってきたら驚くだろうな、お姉ちゃん)
憂(何しろ、私がいないんだもの)
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:57:41.24 ID:c7dYnFAc0
憂(餓死しちゃうんじゃないかな? あはは!)
憂(ははは…………)
憂(………………はあ)
憂(どこに行こう)
憂のお腹が、ぐうと鳴る。
憂(何か、食べたいな)
憂(あ)
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:58:06.99 ID:5iMh8F9O0
なるほどだから21話で憂が机につっぷしていた訳だ
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:58:17.57 ID:c7dYnFAc0
憂(お財布、持ってきてないや)
憂(どうしよう…………)
憂は自販機の前を通りすぎようと、――――思わず自販機の前で、足が止まった。
憂(飲みたいな…………)
憂(お金、ないしな…………)
憂(私が、餓死するんじゃないかな、はは、そんな)
憂(…………やだよぅ)
百合豚死ね
唯憂厨最近怖すぎだろ…
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:58:51.67 ID:c7dYnFAc0
?「何飲みたいの?」
突然、背後から声をかけられて驚いた。
サイドテールの人が、いた。
桜高の制服を着ている。リボンの色から三年生だ、とわかった。
憂「え?あ、あの?」
?「飲みたいんでしょ?」
憂「あ、はい」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:58:54.71 ID:YPLrk8u0P
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:59:37.12 ID:TKovOrpC0
22わであずにゃん好きんなった
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 19:59:52.16 ID:c7dYnFAc0
>>37 何のことだ?
?「どれ?」
憂「え、いいんですか?」
?「うん。おごりだよ」
憂「え、じゃあ、コーラで……」
?「うん。わかった」
サイドテールの人はお金を入れて、『コーラ』を選択し、下の取出し口からコーラを手に取った。
?「はい、あげる」
憂「あ、ありがとうございます」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:00:41.66 ID:c7dYnFAc0
憂はコクコクとコーラを飲む。
と、視線に気づいた。
憂「何ですか?」
サイドテールの人が、憂を見てくるのだ。
?「え、いや、何か似てるなーって」
憂「誰にですか?」
?「私のクラスのね、平沢唯って子。知ってる? 知らないよね」
百合豚死ね
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:02:00.38 ID:TKovOrpC0
エリ憂?
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:02:06.81 ID:c7dYnFAc0
>>41 レズよりはいいだろ。いや個人の価値観だけど
憂は驚いた。まさか、唯のクラスメートとは思わなかった。
憂「……知ってます」
言うのはすこし、躊躇ってしまった。
?「え、本当?」
憂「はい。だって――」
憂「私、妹なんです」
?「あ、もしかしてういちゃんっていう子?」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:03:02.25 ID:c7dYnFAc0
憂「知ってるんですか?」
?「うん。唯ちゃんがね、よく出来た妹だって、いっつも言ってるよ」
?「へー君がういちゃんかー。なんて漢字書くの? ういって」
憂「憂慮の憂です」
?「へー。あ、私は瀧エリって言うんだ。エリって言ってね」
憂「は、はい……エリ、さん」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:03:44.84 ID:c7dYnFAc0
エリ「エリだけでいいよ、ま、いっか。それより、唯ちゃん家って、こっちだっけ?」
憂「いえ、もっと向こうです。どこにあるのかは、わかりませんけど」
エリ「えー? じゃあ、何でこんなとこに……、道に迷ったの?」
憂「そ、それもありますけど……」
エリ「けど?」
憂「私、家出してきたんです」
エリ「家出!?」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:04:27.56 ID:c7dYnFAc0
憂「は、はい」
エリ「親御さん心配してるんじゃないの?」
憂「いえ。両親はめったに帰ってきませんし……お姉ちゃんもいません」
エリ「泥棒入っちゃうよ」
憂「……いいんです。あんな家」
エリ「駄目だよ。家族ってのは大切にしなきゃ」
憂「……………………」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:05:13.73 ID:c7dYnFAc0
エリ「多少、嫌なところがあってもさ、それを認め合って、そして付き合っていくんだよ。それが家族でしょ」
憂「…………お姉ちゃんが」
エリ「お姉ちゃんが?」
憂は家出した理由を話した。
唯に対する鬱屈と、梓への嫉妬を語った。
エリ「……そんなのが、家出の理由?」
憂「そんなのって……」
48 :
マジレス1IX91w ◆MAJI1IX91w :2010/09/06(月) 20:05:18.36 ID:FdGKJCPhP BE:840726672-2BP(10)
はい
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:05:44.16 ID:gTZrS6fz0
エリマジ可愛い
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:05:48.18 ID:c7dYnFAc0
エリ「そんなのはそんなのだよ。ただの我が侭じゃない」
憂「…………そうかも、しれません」
エリ「お姉ちゃんが――唯ちゃんが幸せならいいんでしょ?」
憂「…………はい」
エリ「なら、なおさら喜ばなきゃ。バージン卒業! ってことでお赤飯でも炊いて上げなよ」
憂「………………」
エリ「少なくとも、憂ちゃんが家出してたら、誰も幸せになれないよ」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:06:28.28 ID:c7dYnFAc0
エリ「皆、悲しむだけだよ」
憂「………………はい」
エリ「家まで、送ってってあげようか?」
憂「…………いいんですか?」
エリ「うん。いいよ」
憂「……ありがとうございます」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:07:24.19 ID:c7dYnFAc0
エリ「気にしないで。まず、桜高に向かおうか、そこから唯ちゃん家に行こう」
憂「…………はい」
エリ「あれ、憂ちゃん泣いてるよ?」
憂「え?」
エリ「ほら、可愛い顔なんだから、泣き顔は似合わないよ」
エリは憂の目元をぬぐう。
やわらかくて、あったかい。そんな指先の感触が、憂の頬を赤らめさせた。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:08:08.06 ID:c7dYnFAc0
****************************************
同日!
平沢家玄関前!
エリ「やっと付いたね」
憂「はい。ありがとうございました」
エリ「いやいや、お礼なんか要らないよ」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:09:06.18 ID:c7dYnFAc0
憂「あの、あがってきませんか?」
エリ「え? いいの?」
憂「はい。何かご馳走します」
エリ「うーん、じゃあ、焼きそばがいいな」
憂「焼きそば、ですか?」
エリ「うん…………駄目?」
憂「いいえ。作れますよ。あ。あがって待っててください」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:09:56.46 ID:c7dYnFAc0
エリ「うん。わかったー」
エリは平沢家に入った。
エリ「…………なんで壁が凹んでるの?」
憂「あ! 気にしないでください!」
エリ「人形も綿がはみ出てるし…」
憂「気にしないでください!」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:11:06.36 ID:c7dYnFAc0
平沢家内!
数分して、焼きそばがエリの前に運ばれた。
エリ「うわー、香ばしい匂い! プロを感じるね!」
憂「ありがとうございます」
モグモグ エリ「うん、味も絶品!」 モグモグ
憂「えへへ」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:11:51.76 ID:c7dYnFAc0
エリ「すごいね、どこかでお料理習ったの?」
憂「いえ。自然と身に付きました」
エリ「へー。才能だねえ」
憂「エリ先輩は、お料理しますか?」
エリ「うん。私は一人暮らしだからね」
憂「そうなんですか?」
エリ「うん。だから、私も自然と身に付いたね」
憂「何のお料理が自信ありますか?」
エリ「焼きそば、と言いたいとこなんだけど……豚肉の洋風旨煮、かな」
憂「何でですか?」
エリ「一番初めに作った料理なんだよ、だからかな」
エリはふと、目を細めた。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:12:26.88 ID:zQTqRSBVQ
昨日梓エリ書いてた人か
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:12:35.90 ID:c7dYnFAc0
数分後
エリ「……、よし、完食! 美味しかったよ!」
憂「ありがとうございます」
エリ「また食べたいなー。今度、来てもいい?」
憂「はい。もちろんです」
エリ「ありがとー。流石、唯ちゃんが出来た妹、と褒めただけあるよ」
憂「…………はい」
気恥ずかしくなった。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:13:46.92 ID:c7dYnFAc0
>>58 今日のA・M3:00くらいに紬も書いたぜ
エリ「じゃ、そろそろ私は帰るかな」
憂「あ、はい! 今日はありがとうございました!」
エリ「いやいやこちらこそー」
そして、エリは外に向かう。
憂は玄関から、エリの姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
また会いたいな。そう思った。
****************************************
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:14:27.72 ID:c7dYnFAc0
翌日、朝!
平沢家!
唯「ただいまー。お泊り、楽しかったよー」
憂「お帰り。どうだった?」
唯「修学旅行みたいな感じだよー」
憂「……あ、あのさ、え、えっちぃこと、した?」
唯は首をかしげる。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:15:14.52 ID:c7dYnFAc0
憂(な、なあんだ。考えすぎだったかぁ)
憂(よく考えたら、付き合って間もないもんね)
憂(でも、良かった)
憂は安堵の息を漏らした。
唯「どうしたの?」
憂「何でもないよ」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:15:57.22 ID:c7dYnFAc0
唯「あ、私ね、朝ごはん食べてないんだ」
憂「あ、丁度良かった! 今出来たとこ!」
唯「え! 何? 今日は?」
あのね、と憂は語を継ぐ。
憂「――お赤飯だよ!」
終わり
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:16:03.49 ID:rJ8cTfn10
これおもってげいを
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:16:18.66 ID:JRm3ryMP0
つまらん
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:16:46.77 ID:c7dYnFAc0
番外編 梓と憂と
教室
憂「おはよう! 梓ちゃん」
憂は読んでいた本から眼を離すと、教室に入ってきた梓に挨拶してきた。
梓「……何よ、憂。気味が悪いほど元気ね」
憂「うん。土曜日にいいことあったんだ!」
梓「あ、その日なら唯先輩と私が……」
だからスレタイにエリ入れろと
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:17:22.92 ID:c7dYnFAc0
憂「うん、知ってるよ」
梓「悔しくないの?」
憂「ううん。むしろ、梓ちゃんたちを応援してるよ!」
梓「……何なのよ、数日前とは別人じゃない」
憂「達観したんだよ」
梓「本当に、何があったの?」
憂「へへ、秘密」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:18:15.15 ID:c7dYnFAc0
と、そこに純がやってきた。
純「おはよー、みんな」
梓「あ、純。お早う。髪切った?」
純「あ、わかる?」
憂「うん、わかるよ。とても似合ってるよ」
純「へへー。ありがとう」
純は鼻を掻いた。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:19:23.24 ID:c7dYnFAc0
>>67 紬のほうは入れたんだけどね…
純「あれ? 憂何読んでるの?」
憂「え、これ? これは――」
憂は本の表紙を見せて、答える。
憂「美味しい焼きそばの作り方って本なんだ」
終わり
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:20:05.23 ID:c7dYnFAc0
番外編 ある火曜日の放課後
唯は梓に、放課後講堂に来てください、と言われていた。
講堂は、放課後は使われない。そのせいか、幽霊が出る、という噂を聞いたことがある。
唯は若干それにおびえながらも、講堂の扉を開いた。
梓がいた。
凛、とした雰囲気を漂わせていた。
梓「――唯、先輩」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:20:55.21 ID:c7dYnFAc0
梓が唯に詰め寄ってくる。
唯「ど、どうしたの? あずにゃん」
梓「私、唯先輩に言いたいことがあったんです……」
唯「な、何?」
梓「はい、それは――」
梓の頬は、柔らかな朱色。
白い肌に美しく、赤が映えていた。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:21:49.91 ID:c7dYnFAc0
なぜだか唯まで、緊張してしまう。
梓は深呼吸をして、そして。
梓「私、唯先輩のこと大好きなんですっ!!」
まくし立てるように、言った。
唯「へ?」
混乱していた。
梓「な、何度も言わせないでください! 私、唯先輩のことが、大好きで仕方ないんです!」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:22:35.96 ID:c7dYnFAc0
唯「それって、つまり……」
ごくり、と唯はつばを飲み込む。
唯「……告白、だよね」
梓「……はい」
唯はなんというべきか迷った。
梓「……駄目、ですか?」
梓が何かを懇願するみたいに、見上げてくる。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:23:25.93 ID:c7dYnFAc0
唯は
唯「いいよ」
明確な意思を持って、答えた。
梓を、かなしませたくなかった。
梓の不安げな表情を、見たくなかった。
唯「付き合おう」
梓「いいん、ですか?」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:24:14.47 ID:c7dYnFAc0
唯「うん。実は私も、……私も、あずにゃんが好きなんだ」
本音だ。一片の嘘のない、事実だ。
梓「…………嬉しいです」
梓は唯に、ぎゅっと抱きついてきた。
唯「あずにゃん……」
唯は梓を、抱き返す。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:25:03.83 ID:c7dYnFAc0
梓「……梓って、言ってください」
唯「え?」
梓「梓って、一度でいいから呼んでください」
唯「じゃ、じゃあ……。私のことも、唯って言ってくれない? 一度だけでいいから」
梓「はい。…………唯、大好きです」
唯はすこし、新鮮に感じた。
唯「私も、大好きだよ。……梓」
そう言って、再び熱く抱擁する。
梓の柔らかさを、心地よく感じていた。
終わり
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:25:45.20 ID:c7dYnFAc0
番外編 ひとりずもう
憂(エリ先輩のために、家で作ってきたお弁当……渡すの、恥ずかしいな)
三年二組の教室の前、平沢憂は葛藤していた。
憂(お弁当、早く渡したいんだけどな……)
憂は教室をちらり、とのぞき見る。
憂(楽しく談笑してるし、邪魔するのもな……)
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:26:22.78 ID:c7dYnFAc0
憂(いや、でも先輩は焼きそばパンしか食べてないから。お腹はすいているはずだ)
憂(だから、渡したほうがいい)
憂(でもなあ。教室に入ったら、お姉ちゃんにも見られちゃうし……)
憂(でも、早く渡さないと、お昼休み終わっちゃうよ)
憂(そうだ、渡さなきゃ! そのために朝早くから起きて、作ったんだもん!)
憂(お姉ちゃんに見つかっても、そんなの気にしなければいいんだ! だって、私はエリ先輩に用事があるんだから!)
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:26:39.25 ID:y6h3WfGW0
乙
ただ、俺は唯×梓憂和の4Pの方ががいいな。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:27:06.30 ID:c7dYnFAc0
憂(………………………………でもなぁ)
憂(はずかしいなあ)
憂(三年生のクラス行くだけでも一杯一杯なのに)
憂(その上、お弁当渡すなんて…………絶対変な人だって思われる…………)
憂(どうしよう…………)
エリ「あれ、憂ちゃん?」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:27:53.78 ID:PdVZpdLD0
まぁでも唯梓作ろうとすると憂を病ませないと面白みがないんだな
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:27:59.03 ID:c7dYnFAc0
憂「うっひゃあ!?」
エリ「あ、やっぱ、憂ちゃんだ。どうしたの? こんなとこで」
憂「あ、あのそれは」(もう吹っ切れて、言ってしまえ!)「え、エリ先輩に、お弁当渡しに
来たんです!)
エリ「え? 渡しに? 私に?」
憂「はい!」
エリ「いいの?」
憂「はい! これどうぞ!」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:28:41.94 ID:c7dYnFAc0
憂はお弁当の小包を渡す。
エリは受け取る。
エリ「ありがとう。味わって食べるよ」
憂「―――はい!」
エリ「………………」じーっ
エリは憂を見つめている。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:29:35.29 ID:c7dYnFAc0
憂「え、へ、何ですか?」
エリ「そうやって赤くなっている憂ちゃんて、可愛いなあって」
憂「え、え、え」
ぼんっ、と憂の顔がますます紅潮する。
エリ「じゃあね。お礼に今度、私も弁当作ってくるよ」
憂「え、そんな、悪いです」
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:30:16.44 ID:c7dYnFAc0
エリ「いいっていいって。」
憂は少しばかり悪いなあ、とか思いながらも。
密かに、エリの作ってくる弁当を期待していた。
憂(エリ先輩のお弁当、どんなのだろう……?)
今からわくわくしていた。
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87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:30:55.16 ID:c7dYnFAc0
エリ「はい。憂ちゃん」
後日、エリ先輩が弁当を渡してきた。
梓たちのところに戻って、弁当をあける。
中身は――。
梓「…………焼きそばだけ?」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:30:59.88 ID:lpw/scMC0
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:31:52.82 ID:c7dYnFAc0
憂「うん、焼きそば、だけ……だね」
憂は、焼きそばのびっしりと詰め込まれた弁当箱を見ながら、エリ先輩らしいなあ、と思った。
焼きそばを口に運ぶ。
憂「美味しい……」
エリ先輩の、味がした。ような気がする。
憂は意識せず、顔を綻ばせていた。
終わり
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:33:34.18 ID:c7dYnFAc0
終わり。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:34:59.73 ID:dGijNTtQ0
唯梓と梓唯の違いが分かりません
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:35:00.97 ID:PdVZpdLD0
>>88 なにこれ?これがエリちゃん?
憂エリさいこおおお!!!
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/06(月) 20:38:29.28 ID:7vy2hB/d0
瀧エリちゃん出すならスレタイに名前入れろとw
風呂上がった
>>94 つ唯「エリちゃん特別編!」
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ゴキブリはやっぱりゴキブリか