夜。
唯は静かに言った。
憂「え? いきなりどうしたの」
唯「何となく、言いたくなったんだ」
唯「毎日毎日、私のためにご飯作ってくれてさ」
唯「お弁当も、日常の世話も、全部やってくれる」
唯「本当に―――ありがとう」
憂「……お姉ちゃんらしくないよ。そんなこと言うなんて」
憂「何かあったの?」
唯「ううん」
唯「何も無いよ」
翌日。学校。
律「おいーっす、唯! おはよー」
唯「あ、りっちゃんおはよー」
紬「あ、律ちゃんおはよう〜」
律「おう、ムギ」
澪「なんだ、律。今日は遅かったな」
律「ああ、ちょっと聡と喧嘩してな」
澪「聡となんかあったのか?」
律「あいつの進路のことだよ」
澪「ああ、中三だもんな」
律「ああ」
紬「大変ね〜」
唯「だ、大丈夫なの?」
律「ん? 何がだ?」
唯「聡君と仲直りできるの?」
律「さあ? いつかできるんじゃないかな?」
唯「い、いつかじゃだめだよ! 今のうちにやっといたほうがいいよ!」
律「あ、ああ。そうだな……って、唯、なんかいつもと違うな? どうした?」
唯「私はこれが普通だよー」
律「そ、そうか」
ガラッ
和「あら、みんなもう来てたの」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 20:30:52.57 ID:7JSemzDEP
U&I最高
律「おう! 和おはよー!」
和「ええ、おはよう」
紬「おはよ〜和ちゃん」
澪「おはよう。和」
唯「…………」
和「唯?」
唯「……へっ、あ、和ちゃん!」
和「どうしたの? 元気ないみたいに見えるわよ」
律「なーんか、朝からキャラ違ったな。何かあったんじゃないのか?」
唯「ううん。ちょっと考え事してただけだよ」
和「………そう」
おわかれだよー
昼休み
律「お、和の弁当うまそうだな。玉子焼きもーらいっ」ヒョイパク
澪「おい、律。手で食うなんてはしたないぞ」
律「いいじゃんいいじゃん」
紬「律ちゃん、私のも食べてみる〜?」
律「お、いいのか!?」
紬「ええ」
律「じゃあ、お言葉に甘えて」ヒョイヒョイパクパク
唯「………………………………」ムグムグムグムグ
和「…………?」
和「唯、調子悪いの?」
唯「え、そんなことないよ」
和「隠さないでね」
唯「隠してなんか無いよ」
和「…………、そう」
放課後
梓「唯先輩、今日こそは練習しましょう!」
唯「そうしよっか」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 20:33:05.21 ID:2WCv25zN0
____
/___ \
/ |´・ω・`| \ うい〜
./  ̄ ̄ ̄ \
| i ヽ、_ヽ
└二二⊃ l ∪
| ,、___, ノ
ヽ_二コ/ /
________/__/´
梓「ふぇ?」
唯「どうしたの? あずにゃん」
梓「い、いや、例のごとく後でいいよとか言いそうだったんで」
唯「勘違いしすぎだよ」
梓「あ、そうですよね……すいません」
律「なー? 唯変だよな」
澪「言われて見れば……でも、別に困らないからいいんじゃないか」
律「まあ、そうなんだけどさ」
紬「え、じゃあお茶は?」
唯「今日くらいはいいよー」
唯「それより、練習を始めようよ」
唯「ね、あずにゃん」
梓「え、はい…」
梓(なんか変だな……)
律「しゃーない。はじめるぞ!」
唯「よし、準備OKだよ、りっちゃん!」
律「よし! 1,2,1,2,3,4!」
ジャーンジャジャジャ
時間半後
律「あー、疲れた!」
紬「いつもにましてハードだったわね」
澪「まあ、こういう日もいいかもな」
唯「やりがいがあるねぇ、あずにゃん」
梓「はいです!」
律「もう6時だし、帰るとするか!」
紬「ええ、いいわね」
梓「そうしましょうか」
律「よし、部活しゅーりょー!」
唯宅
唯「ただいまー唯」
憂「あ、お帰りおねえちゃん」トテチテタテトテ
唯「晩御飯できてる?」
憂「ごめん。私もさっき帰ったばっかなんだ」
唯「ううん。いいよ、たまには私が作るから」
憂「え、ええ!?」
唯「何驚いてるの?」
憂「お、お姉ちゃん、出来る?」
唯「女の子は、それくらい出来なきゃね」
憂「うーん、じゃあ、任せるよ」
唯「ありがとう」
憂(大丈夫かな……、心配だなあ)
数十分後
唯「ういー、出来たよ、豚肉の洋風うま煮」
憂「え! これ作ったの?」
唯「うん。練習したんだ」
憂「ふーん」パクッ
憂「お、美味しい!」ムグムグ
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 20:40:31.26 ID:7S9KEy2M0
憂ちゃん可愛い
唯「当たり前でしょ!」フンス!
唯「あ、そうだ。お風呂入れてくるね」
憂「お姉ちゃん食べないの?」
唯「お腹へって無いんだ」
憂「……そっか」
憂(どこか、調子悪いのかな)
憂「お姉ちゃん、大丈夫?」
唯「? 大丈夫、だよ」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 20:42:14.67 ID:mo0lt1RH0
憂ちゃんかわいい
唯、自室
唯の指が弦を弾いた。
柔らかなメロディが、虚空に消えた。
唯「ギー太……」
唯はギターに頬擦りする。
気が重い。
唯「おやすみ」
唯はギターにささやいた。
唯はそっとギターを、ケースの中に入れた。
唯「早く言わないとな………」
翌日
唯「おはよー」ガラッ
和「あら、唯。早いわね」
唯「そう?」
和「ええ」
唯「そっか……」
和「……、唯、なんかあったの?」
唯「昨日も言ったよね、ないって」
和「嘘おっしゃい。律たちにはわからなくても、私にはわかるわよ」
唯「…………何が?」
和「唯に何かあったってことが」
唯「しつこいなぁ。ないよ」
和「…………、本当のことを言って」
唯「和ちゃんこそおかしいよ。いつもより、疑り深い」
和「私は元来、こういう性格なのよ」
唯「それこそ嘘だね」
和「…………放課後、会えるかしら」
唯「部活終わったあとなら」
和「生徒会室で待ってるわ。来て」
唯「……わかったよ、和ちゃん」
律「ういーっす」ガララッ
澪「おはよ、唯、和」
唯「うん、おはよー」
和「おはよう」
放課後、生徒会室。
唯「こんばんわー」ガラガラ
和「唯」
唯「呼ばれたとおり、来たよ」
和「生徒会役員は早めに上がらせたわ」
唯「ふーん」
和「ここでなら、隠し事をせずに何でもいえるわよ」
和「私と唯しかいないもの」
唯「またそれ?」
和「ええ」
唯「強情だなあ」
唯「だから、私には何も無いよ」
和「正直に言ってよ」
唯「だーかーらー 和「私たち、親友でしょ」
唯「…………、そう言えば、何かを言うほど、私の口は軽くないよ」
和「でも、親友でしょう」
唯「幼馴染ってだけだよ」フン
和「そうかしら」
唯「そうだよ。思い過ごしだね」
和「…………まあ、いいわ」
和はカバンから、二、三枚の写真を取出した。
和「これを見て頂戴」
唯「何こ、―――何で、この写真を」
和「唯のお父さんとお母さん。それと唯が写ってるわね」
和「ちなみに、一昨日デジカメで撮影した奴よ」
唯「…………、ストーカーみたいな真似を…………」
和「ちなみに、これが音声」
和が手にするレコーダーから、音声が流れた。
唯父『じゃあ、憂はこちらがひきとるから』
唯母『わかったわ』
唯『や、やだよ! 憂と離れ離れになるなんて』
唯父『仕方ないだろう。合意の上だ』
唯母『我慢なさい。お姉ちゃんでしょう』
唯『卑怯だよ……、お父さんたちは、』
27 :
マジレス1IX91w ◆MAJI1IX91w :2010/09/03(金) 20:52:03.59 ID:5X497Wa6P BE:960830382-2BP(5)
ありがじっぴきありがとう
唯『私の口から、お父さんたちの離婚のこといわせるなんて』
唯『自分たちから言えばいいのに』
唯『卑怯者!』
唯父『親より、姉の口から言われたほうが、楽だろう』
唯『何だそのとってつけたような理由は!』
唯『言いたくないだけだろう! 汚れ役をしたくないだけだろ!?』
唯『―――――この、卑怯者!!』
そこまでで、和は停止のボタンを押した。
和「はい、終わり」
唯「何で、何で何で何で!」
和「ストーキングは謝るわ」
唯「何で、こんなことを……………っ」
和「一昨日からね、挙動不審になったのは」
和「不審に思ってついていったら、この会話を聞いたのよ」
唯「…………憂には言った?」
和「言ってないわよ」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 20:53:23.77 ID:XOMRk3hDP
口調が
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 20:54:45.84 ID:7i8HTtseP
停止ボタンを押したつもりがスキップして次に録音されてた夜中コッソリ作った自作ラップが・・・
唯「…………そう」
和「言ったほうが良かった?」
唯「まさか。…………誰にも言わないでよ」
和「わかったわ」
唯「あと、絶交だね。見損なったよ、和ちゃん」
和「待ちなさい、唯」
唯「…………まだ何かあるの? 和ちゃん」
和「憂にはいつ言うの?」
唯「直前」
和「それまでは、いつもの唯を演じてるつもり?」
唯は歯噛みする。
唯「何か?」
和「いつ、転校するの?」
和「この、高三の時期に」
和「それとも、憂ちゃんが転校するのか、あるいは住居が変わるだけか」
唯「和ちゃん、人にはね、踏み入れられたくないところがあるんだよ」
和「………そう」
唯「…………もう、話しかけてこないでね」
和「……………………」
唯「最悪。ほんとーーーーーーに、見損なったよ」
唯「ストーカーまがいのことするなんて」
和「…………ごm」
和が何か言うより早く、唯は静かに、生徒会室を出て行ってしまった。
翌日。
唯「おっはよー!」
和「……………………」
律「おう唯! おはよう」
澪「何か元気だな」
紬「何かいいコトあったの?」
唯「何も無いよ〜」
和「……………………」
唯「あ、今日宿題忘れちゃったんだ! 見せて澪ちゃん!」
澪「ったく。しょうがないな」
放課後、軽音楽部室。
唯「あずにゃん! 今日も練習頑張ろうね!」
梓「は、はい!」
律「なーんか、唯変わったなー」
澪「高三なんだし、いろいろあるんだろ」
律「うーん、そんなもんか」
澪「そんなもんだろ」
律「何かさびしいって言うかー」
紬「…………紅茶用意したのに……」
律「ムギなんて、もうここ最近落ち込みっぱなしだし」
唯「早く! 始めようよ!」
唯(今しかないんだから)
律「よし、じゃあやるか!」
唯「おー!」
紬「…………」ハァ
律「ほら、澪も早く!」
澪「ああ!」
澪(なんだか、すこし落ち着かないな)
平沢家
憂「あ、お姉ちゃんお帰り」
唯「ただいま。憂」
憂「ご飯できてるよ」
唯「ありがとう」
憂「ううん。お礼なんか要らないよ。お姉ちゃんのためにしたくてやってるんだもん」
唯「ほんと〜?」
憂「ほんとだよー」
唯「………憂はいい子だね」
憂「えへへ、そうかな」
唯「いいお嫁さんになれるよ」
憂「ありがとう。そういってもらえるとうれしいよ」
唯「うん」
憂「でも、私お嫁さんなんかより、お姉ちゃんの……」ゴニョゴニョ
唯「え? 何?」
憂「う、ううん! なんでもない!」
唯自室
唯「…………早く、言わないとなぁ」
唯「もう時間もないし」
唯「ずっと黙ってるのも、かわいそうだし」
唯「心の準備ってのも大切だろうし」
唯「……………………はあ」
唯「お姉ちゃんになんか、生まれてきたくなかったなぁ」ハーア
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 21:06:16.59 ID:mm/vajrL0
支援
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 21:06:55.21 ID:MV9+i5eZ0
支援
憂「お姉ちゃん、入るよ」コンコン
唯「なーにー? 憂」
憂「お風呂沸いちゃったから、入ってね」
唯「うん」
憂「…………お姉ちゃん、泣いてるの?」
唯「え? 涙でてる?」
憂「ううん。でも、目赤いよ」
唯「うーん、寝不足かな」コシコシ
憂「あ、目、掻いちゃ駄目だよ!」
唯「ごめんごめん」
憂「もう、健康には気をつけてね」
唯「わかってるよ」
唯(本当に、いいこだなあ)
唯(こんなにいい女の子なんだから、幸せになってほしいな)
唯は目を擦った。
翌日、学校
紬「おはよ〜、和ちゃん」
和「おはよう、紬」
紬「唯ちゃんたちは?」
和「まだ来てないみたい」
紬「ふーん」
和「…………そうだ、聞いてほしいことがあるんだけどね」
紬「え? 私に?」
和「うん」
紬「何?」
和「あ、誰にも言わないでね」
紬「うんうん!」
和「実はね、唯、転校しちゃうかもしれないの」
紬「転校!!?」
和「しーっ!」
紬「あ、ごめん…………」
紬(だから、あんなに張り切ってたのかしら……)
和「理由は、…………離婚、なんだけどね」
紬「…………」
和「で、そこでお願いがあるんだけど」
紬「なぁに?」
和「うん、それはね―――」
和は紬の耳元に、口を近づけた。
同日、放課後
唯「ねえ、あずにゃん」
梓「何ですか?」
唯「憂にどこか、変わったところはなかった?」
梓「え、ないと思いますけど」
唯「そっかー」
唯(和ちゃんは憂に言ってないんだね、多分)
唯(言ってくれたほうが、楽かもしれないなぁ)
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 21:13:26.12 ID:mJC+pq8yP
支援
梓「どうかしたんですか?」
唯「ううん、なんでもないよ」
梓「…………」じーっ
唯「ないない! 何もないよ!」
梓「はあ…………」
唯(今日こそ、言おう。離婚のこと、憂に)
唯(…………憂、お姉ちゃん何も出来なくて、ごめんね)
平沢家
唯は、憂を自室に呼び出した。
唯「憂に言わなくちゃいけないことになります」
憂(な、何だろ!? 告白!?)
唯「私も受け入れるまで、時間がかかりました」
憂(恋に? 私への恋に!?)キャー///
唯「お父さんとお母さんが、離婚します」
憂(………………………………へ?)
唯「私たちは、別々に暮らすことになります」
憂「な、何言ってるの?」
唯「言うことはそれだけです」
憂「ちょ、ちょっと待ってよ!」
唯「ん?」
憂「な、何で、どうして?」
唯「どうして? 考え方を変えてみて、どうするかに」
唯「どうして離婚したかではなく、離婚したからどうするか、に」
憂「何? 誰かの台詞?」
唯「私の大好きな本の一節。テルミーって本だよ、あれは名作」
憂「そ、それを言いたいだけ、だよね? 離婚とか、嘘だよね?」
唯「………………………………」
憂「嘘だよね!?!」
唯「……………………ううん」
唯「本当だよ」
唯は憂から目をそらした。
唯「あと数日で、私たちは別れることになるので」
唯「あ、二人とも別の学校に行くことになるから。桜高とは二人ともお別れ」
唯「頑張って」
唯「私も、頑張るからさ」
唯は力なく笑った。
憂「……………………勝手すぎる」
唯「私もそう思うよ」
憂「…………………………………………」
憂「…………いやだ」
憂「ふざけるな! いやだ! お姉ちゃんと離れるなんて!」
唯「私もだよ」
唯「とても辛い」
憂「なら、一緒にいようよ! ずっと、ずっと! お姉ちゃん! ねえ!」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 21:20:42.50 ID:niGOhjKA0
しえんぬ
唯「…………ごめんね」
唯「私にはどうにもできないんだ」
唯「二人で暮らすにも、お金が必要だし」
憂「いやだ!! 私はお姉ちゃんといっしょにいる!! 一緒にいたい!!!」
憂「お姉ちゃん!! 一緒にいよ!?」
唯「わがままは見苦しいよ。高校生でしょう?」
憂「私は! お姉ちゃんがいなくちゃ! 生きてけないの!」
唯「……………………」
憂「お姉ちゃん! 逃げようよ!! 私はあんな親、親とも思ってないからさぁ!!!」
唯「親と思ってなくても、お金は必要なんだよ」
唯「私たちだけじゃあ、食っていけない」
唯「世の中は、そんなに優しくない
憂「じゃ、じゃあさ!」
憂「二人で一緒に暮らそう!! ね!! いざとなったら、体売ればいいよ!!」
憂は笑う。
唯「私はやだよ」
唯「絶対、いや」
唯「第一、そんなことでいつまでも暮らしていけないの。だから――――」
憂「………………………………なんで?」
唯「なんでって……」
憂「やだやだやだやだやだやだ! ぜぇーーーーーーったい、嫌だああ!!!」
憂「お姉ちゃんとはなれるなんて! 死んでも嫌だあああああああああああ!!!!!!!!」
憂「体売ればいいんだよ! お金たくさんもらえるよ! 援助交際して暮らせば!!」
唯「駄目だよ、人間として」
憂「私たち処女でしょ!? 高く売れるよ!!!」
憂「お姉ちゃん可愛いから、何十万は貰えるよ!」
憂「だから、二人で生きよ!」
唯「憂…………」
唯「わかってよ…………」
唯「それに、憂の初めては、憧れの人にささげるべきだよ」
唯「憂には、いいお嫁さんになってほしいんだよ」
憂「ああああ!! とにかく逃げようよ! 二人で暮らそ? ね!?」
憂「離婚したからお姉ちゃんと逃げる! 愛の逃避行!」
憂「ほらお姉ちゃん、準備して! 逃げようよ! これからもけいおん、やりたいでしょ!」
唯「ううん。あきらめたんだ」
憂「あは、何言ってるの!? 私のことよりもギターに熱中してたじゃん!」
憂「大切でしょ!? 梓ちゃんとか、律先輩とか! 別れたくないでしょ!?」
憂「そうでしょ!? お姉ちゃん!」
憂「ねえ!!」
唯「…………もう、覚悟は出来てるんだ」
唯「だから…………」
憂「ふざけるなああああああ!!!!! 私はお姉ちゃんと一緒にいるんだあああああああああああ!!!!!」
憂「お姉ちゃんのお嫁さんになるの! 昔からの夢なの! お姉ちゃん!」
憂「私はお姉ちゃんのためだけに生まれたの!」
唯「憂……………………」
唯「そんなこと、言ってないで…………」
憂「――――お姉ちゃん、私のこと嫌いなんだね!! わかったよ!!!」
唯「!」
憂「もういい! もうわかった! 私だけでも逃げる! お姉ちゃんと一緒に居れないなら! 次点で梓ちゃん!」
唯「憂、気を確かに」
憂「うるさい! 黙れ! 私を捨てたくせにいいいいいいいいいい!!!!」
唯「捨ててなんか、ない…………」
憂「裏切り者! お姉ちゃんは私を捨てたんだあああああああああああああ!!!!」
憂「お姉ちゃんなんか、ああぁあああぁああぁぁああああっっ!!!!」
憂は部屋から出て行った。そのまま、家からも出ていった。
唯「憂……………」
一人残された唯の呟きは、誰にも聞こえなかった。
*
憂(お姉ちゃん、おかしいよ!?)
憂(もういい! 梓ちゃんのところで暮らす!)
憂(梓ちゃんの、ところで…………)
憂は気が付くと、中野家の前に来ていた。
憂「梓ちゃん…………」
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 21:35:21.37 ID:2+fqDUkSO
C
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 21:35:41.19 ID:niGOhjKA0
マジキチ化www
憂(梓ちゃんで、いいのかな)
憂(私、お姉ちゃん好きなのに)
憂(それに、いきなり行っても、迷惑だろうな)
憂(無一文だし、服もないし)
憂(どうしよう…………)
ふと、もう一つの行き場所が浮かんだ。
*
和「憂……………、なんでここに」
和の家の玄関の前には、憂がいた。
憂「よく考えたら、梓ちゃんのことあまり好きじゃなかったんです」
よくわからない理由で、憂は和宅に入り込んだ。
憂「和ちゃん、泊めてくれない?」
和「今日は両親がいないからいいけど……どうしたの?」
憂「お姉ちゃんが、離婚するとか言うんですよ」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 21:37:12.82 ID:mm/vajrL0
俺の所か・・・
和「あら、聞いたの」
憂「…………本当なんですか」
和「ええ」
憂「…………そっか」
憂「さっきはどうかしてたみたいです」
憂「気がついたら、家を飛び出してました」
憂「お姉ちゃんに、謝らないとなぁ」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 21:38:41.10 ID:2WCv25zN0
この唯はただのキモイ唯だな
和「…………そう」
和「落ち着いた?」
憂「はい。……いきなりあがりこんで、ごめんなさい」
和「いいわよ、暇だったし」
憂「はい。それにしても、転校かぁ」
和「寂しくなるわ」
憂「はい」
和「唯、軽音楽部の皆には、言ってないみたいだしね」
憂「和ちゃんにだけ言ったんですか?」
和「まあ、そういう解釈で」
和は気まずそうに頬を掻いた。
憂「意外だなぁ、まず、律先輩とかに言いそうなのに」
和「…………、梓ちゃんに、知られちゃうからでしょうね」
憂「梓ちゃんに?」
和「ええ。梓ちゃんに知られたら、憂の耳にも届くでしょ」
憂「…………多分」
和「ええ。唯、憂には自分の口で告げたかったのよ、きっと」
憂「…………そうかも、しれませんね」
和「ええ」
憂「……お姉ちゃん、そこまで考えて……」
和「おなかすいてるでしょ」
憂「いえ」
その時、憂の腹がぐうううと音を立てた。
和「ふふ、無理しなくていいのよ」
和「お茶漬け、食べる?」
憂「…………はい、ありがとうございます」
和「じゃあ、ちょっと待っててね」
数分後
和「出来たわ。はい」
憂「いただきます」
和「はい、召し上がれ」
ズズズ……
憂「美味しいですね」
和「そう?」
憂「はい」
和「一つ、聞くわよ」
憂「何ですか」
和「ねえ、いつ転校するの?」
憂「…………、五日後、らしいです」
和「転校したい?」
憂「まさか、そんなことありません!」
和「よかった」
憂「…………」
実はね、と和は続ける。
和「紬にだけ、言ったのよ」
和「唯には言うなって言われてたんだけどね」
憂「転校のこと、ですか?」
和「ええ」
憂「…………っ」
和「大丈夫よ、あの子、口堅いし」
憂「…………はあ」
和「紬に頼んでみたの」
憂「何を、ですか」
和「紬の家に、泊めてやってくれないかって」
憂「私たちをですか」
和「ええ。そうしたら、ずっと転校しないですむでしょう」
憂「…………名案ですね」
和「そう? そしたらね、OKされたわ」
和「お部屋、貸してくれるそうよ」
憂「……………………」
和「どう? いまなら、断れるわ」
憂「……………………」
和「断る?」
憂「断ると、思いますか?」
和「いいえ」
和「思いたくないわね」
憂「…………本当に、いいんでしょうか」
和「紬、いい子だから。大丈夫よ」
憂「…………かも、しれませんね」
和「ええ」
憂「ありがとう、ございます」
和「どういたしまして」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 21:49:31.79 ID:niGOhjKA0
困った時のムギちゃん頼み!!
憂「帰ったら、お姉ちゃんにあやまろうっと」
和「そんなひどいこといったの?」
憂「…………はい」
和「私も一緒に行ってあげましょうか」
憂「いいの?」
和「ええ、その時、紬のこと言えばいいしね」
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 21:51:34.76 ID:mm/vajrL0
紬ちゃんまじ天使
憂「…………ありがとう」
和「そんなのに、お礼言われるまでもないわね」
だって、と和は語を継ぐ。
和「私たち、親友でしょう」
憂は、和のその台詞に、はっとしたように目を見開いた。
憂「……はい、親友です、ね」
憂はお茶漬けを食べ終えた。
平沢家
唯「…………憂、和ちゃんまで…………」
和「久しぶりね」
唯「何しに来たの?」
和「怖い顔しなくても」
唯「私を笑いに来たの?」
憂「お姉ちゃん! そんなこと言っちゃ駄目だよ!」
和「いいのよ、別に」
和「それより、一ついい情報があるんだけどね――――」
数日後
憂「お姉ちゃん、起きてよ!」
唯「ういー、もう少し」
憂「何言ってるの? 人様の家だよ!? 早く起きないと、白い目で見られるよ!」
憂(ああ、いつものお姉ちゃんだ)
憂(……和むなあ)
紬「唯ちゃーん。朝ごはん出来たわよ~」
唯「え、ムギちゃん!?」
憂「私たち、琴吹家にすんでるんだから当たり前でしょ!」
唯「そ、そうだった!」
憂「もう、朝ごはん食べに行くよ!」
唯「ういー、まってよー」
タッタッター トテチトタテトテ
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 21:55:07.11 ID:1T3ZPGjRP
二人きりなのに和ちゃんに敬語っておかしくね?
俺が間違ってるか
紬「唯ちゃん、おはよ〜」
唯「ムギちゃんお早うー」
憂「あ、あらためて、お、お世話になります、ムギ先輩」
紬「かしこまらなくていいのよ〜」
唯「そうだよ憂! ムギちゃんは優しいんだから!」
紬「唯ちゃんったら///」
>>92 こまけ(ry
唯「朝ごはんは何ー?」
紬「フレンチトーストよ」
紬「足りなかったら言ってね」
唯「ううん、充分だよ!」
唯「いただきまーす!」
学校
唯「おはよ〜」
律「お、ムギと一緒か! 珍しいな。おはよー」
澪「本当だ、ムギと登校してる唯なんて始めてみた気がする」
唯「へへー」
紬「みんな、おはよう〜」
律「うーっす! ムギー」
そういや憂と和の絡んでるシーンってあったかな?
「真鍋先輩」になるんじゃないかと思ったり
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 22:00:00.96 ID:mJC+pq8yP
原作ね
唯「ねえ、和ちゃん」
和「ん?」
唯「ありがとうね」
和「なんのことかわからないわね」
唯「またまた〜、尽力してくれたの和ちゃんでしょ」
和「話しかけるなって言ったの誰だっけ?」
唯「忘れてよ〜、それに、この前は和ちゃんから、話しかけてきたでしょー」
和「それこそ忘れたわ」
唯「あ、言わなきゃいけないことがあったんだ」
和「? 何?」
唯「おはよ、和ちゃん」
和「……え」
唯「だーかーら、おはよう、和ちゃん」
和「……おはよう、唯」
唯「私たち、親友だね! この前言ったことなんか、水に流せるくらいに!」
和「そう」
唯「あれ、嬉しくないの?」
和「嬉しいけど、ここ教室よ。回りに大聞こえで、恥ずかしいわ」
唯「あ」
律「唯、和と何があったんだ? いや、ナニがあったのか?」
澪「エロ親父か、律」
律「な、なんだよ! 私の父さん知ってるのか!」
澪「ピンクのパンツはいてる父さんか」
律「忘れろ!」
唯「…………気にすること無いじゃん」
和「…………そうね」
唯「まったく。親友じゃないって言われるかと思ったよー」
和「そんなこというわけないじゃない。あ、それと」
唯「? 何?」
和「これからもよろしく、唯」
そういいながら、和は手を差し出してくる。
唯「……え?」
和「親友なんでしょ。これからも」
唯「―――うん!」
唯は満面の笑みを浮かべた。そして、何の躊躇もなく、その手を握り返した。
終わり
親スルーですかww
乙
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 22:09:16.25 ID:2+fqDUkSO
おつ
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 22:09:19.31 ID:hHVXU+l4O
なんか思ったよりあっさりだな
でも唯ちゃんと憂ちゃんが幸せならそれで良い
乙
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 22:17:45.03 ID:niGOhjKA0
これからムギ唯憂三姉妹の日常編が……ないか
おつ!!
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 22:35:47.89 ID:7S9KEy2M0
いい唯憂だった
おつ!!
なんて悪い親だっ。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:18:48.04 ID:FosNSPCGO
乙
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:21:16.31 ID:jX+SBKbe0
おつ
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:33:31.33 ID:Rgtc8zQv0
梨元勝の亡骸とセックスしてえええええええええええええええええええ
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/03(金) 23:47:14.99 ID:MtYvcgb00
乙
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/04(土) 00:05:21.20 ID:Z0PSn/0B0
乙
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/04(土) 01:33:55.93 ID:+e3E9HvbP
乙
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/04(土) 02:50:45.38 ID:ttiCgs0a0
↓大円団AA
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/04(土) 03:00:20.62 ID:haIvWWI8i
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\ / `'‐------- -" `"''"
なんだこの唯ゴミだな
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/04(土) 03:54:59.39 ID:Z0PSn/0B0
|ヽ ,,|,~'i、 .,_ ,ri、 .l゙‐'"'i、 ,, ,i、 ,、 vi、
| k, ヽ广 | | 'l''゙l┘ .`'グ/ |゙l.,ィ |.| )゙l /'゙l″、 r-,、 、 .:c、、
ッ┘`,l゙ ,ノ ヽ ,,,,,`'′ .,/,,,!‐'', ,ノ う゜.| | .,ノ ヽ ,,,,,`'′ |゙l ゙l,ヽ .|゙l ヾi、
゙i、/゙,-'''i、 .く, .,巛 ‘r\ /.'゚_ / ./‐I / | | .〈、,l]゙l `',\ | | ,。 .,i´゙l | | . il゙ ゙l
l゙.l゙ ゙lッ'" ././ | | .,,) ゙l .!/]/ 丿 | .l゙.|、 /丿| | .,,〉.) | ゙l .,リ .`-" .l゙ | .,l〕 .ヽ"
/.l゙ j,i´ l゙,E.,l゙.| `'''′ l゙{ /,,| | ゙l,ヽ .゙l,d,,l゙ | `'''゙ ゙l ゙‐'| ゙l ゙‐'|
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∨ `''ー" ゙'" ヽ ゙l ヽ} `" `
途中までよかったのに微妙だな
そのまんま別れて暮らしてそれからどうしたでもよかったような。
ムギが便利屋すぎる。
まぁ乙。