【論説】 「このままでは政府の法案は国会を通らない」 〜政治は安定が一番…金子秀敏(毎日新聞)
ttp://kamome.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1284003480/ 民主党の代表選挙が大詰めに入った。マスコミの評論は「政治とカネ」に偏っていて、肝心なことを忘れている。
民主党の代表に問われているのは、一にも二にも日本の政治を安定させる指導力だ。
7月の参院選で民主党が大敗した。与党は、参院で多数を失い、衆院も社民党が連立を離脱したために再可決に必要な3分の2の議席を割った。
このままでは政府の法案は国会を通らない。日本の政治は漂流状態にあるのだ。
民主党の代表にとって、政策やマニフェストを議論する前に、国会で多数派をどうやって形成するかが最優先の課題である。
国会がしっかりしていなければ政府は機能しないのだ。
菅直人首相は「政策ごとの部分連合」で対処するという。「その場しのぎの個別取引」にほかならない。野党に部分連合を持ちかければ、
必ず高い取引条件をのまされる。駆け引きのための時間もかかる。そこまで弱った民主党を助けてくれる野党があるものか。
小沢一郎氏は、連立を作りなおすと主張している。幹事長として社民党、国民新党との連立を作った実績がある。
だが、いま社民党を戻したとしても参院の多数はとれない。新たな枠組みが必要だ。小沢氏ならできるだろうと思われている。
本当は、民主党がこの危機を乗りきる最善の策は、代表選を回避して、菅氏が首相を続けることだった。
そうすれば、幹事長に小沢氏というベストの人材を据えられたからである。
民主党が政権を維持するためにいま一番必要なのは、首相の政策力ではなく幹事長の腕力なのだ。
>>359 代表選の前に、鳩山由紀夫前首相が菅首相に菅・小・鳩のトロイカを持ちかけた。議員数で最大の小沢グループ、2番目の鳩山グループが、
少数の菅グループを支えるのだから、菅首相の党内基盤は安定する。小沢氏は党務を仕切り、国会を安定させる。
ところが、菅首相はそれを拒んだ。菅首相を支えているのは、菅グループ、前原グループ、野田グループという少数派連合である。
仙谷由人官房長官、枝野幸男幹事長はともに前原グループだ。
菅首相が支持グループの突き上げでトロイカを拒否したために、代表選は菅と小沢両氏の決戦になってしまった。
「老壮青」という世代交代の視点で見ると、菅小鳩トロイカは「老老団結」である。世代交代を抑えるので安定する。菅政権主流派は「老壮結合」である。
世代交代の原理を内包している。当然、老老団結は目の敵だ。菅首相の支持基盤は安定を望んでいないのである。(専門編集委員)
記事引用元:毎日jp(毎日新聞 2010年9月9日 東京朝刊)
ttp://mainichi.jp/select/opinion/kaneko/news/20100909ddm003070096000c.html