憂楽帳:同志
中国共産党は今でも仲間という意味で「同志」の敬称を付ける。台湾では「同志」は同性
愛者を意味することが多い。特に台北は知る人ぞ知る「同志」に開かれた街だ。偏見は
残るが、比較的オープンに同性愛が語られる。
知人の女性は身近な友人に「同志」が5人いるという。日本人の感覚からすると多い。
実際の比率は統計がないので分からないが、カミングアウトの割合は間違いなく
日本より高そうだ。
90年代に民主化が進む中で、人権擁護の観点から同性愛者の権利が急速に拡大した。
台北市政府は「同志公民運動」の予算を持つ。学校でも偏見打破の教育が進む。
公表しやすい環境が整いつつあるのかもしれない。また、台湾の大半の高校は男女別学。
男性は兵役の義務があり、同性愛に目覚める機会が多いのでは?との意見もある。
台北では毎秋、アジア最大規模の同性愛者パレードが行われる。昨年は外国人を含む
約2万5000人が参加した。「同志」が集うアジアの人権活動拠点。台湾のもう一つの顔だ。
大谷麻由美
ttp://mainichi.jp/select/opinion/yuraku/news/20100908k0000e070073000c.html