1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 00:59:08.76 ID:N/yH+VhvO
和「色々あるけど」
唯「たとえば?」
和「沢山あるから説明するの面倒ね」
唯「えー」
和「ていうかあんた朝から私が働いてるの見てるでしょ?」
唯「ほえ?」
和「……ってあんたは朝遅いから見てないか」
唯「なにしてるの?」
和「明日の朝早めに起きて見に来なさい」
唯「うぃー」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:00:15.18 ID:ZAbSqdF80
和「そうなんだ じゃあ私、生徒会行くね」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:02:00.85 ID:N/yH+VhvO
次の日
憂「お姉ちゃん、大丈夫?」
唯「ううぅ、眠いよ〜」
憂「和さんのお仕事見たいから早起きするって言ったけど」
唯「やめておけばよかったかも」
憂「でもそのおかげで今日は余裕もって学校いけるしよかったんじゃない?」
唯「……そだね」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:06:19.28 ID:sj63sLdJ0
期待
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:06:19.73 ID:N/yH+VhvO
学校前
唯「あれ、校門の前に和ちゃんいるね」
憂「本当だね。なにしてるのかな?」
唯「おーい、和ちゃーん」
和「おはよ」
唯「おはよー」
和「意外ね。まさか本当にわざわざ早く学校に来るとは思わなかった」
唯「えへへー」
憂「ところで和さんは何してるんですか?」
和「挨拶運動よ」
唯「あいさつうんどー?」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:11:12.81 ID:N/yH+VhvO
和「そう。挨拶運動」
和「私たち生徒会執行部が校門の前で率先して生徒に挨拶するのよ」
唯「なんでそんなことするの?」
和「挨拶する習慣を生徒に身につけてもらうためにやってるの」
憂「えらいですね、和さん」
和「まあ挨拶すると単純に朝から活気が出るでしょ?」
唯「へえー地味だね」
和「そんなものよ」
唯「もっとすごいことをしているのかと思ったのになあ」
和「漫画やドラマとは違うのよ、現実は」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:15:37.31 ID:N/yH+VhvO
昼休み
律「前から気になってたんだけどさ、和」
和「なに?」
律「生徒会ってさ、文化祭の準備とかも担当してるんだよな?」
和「ええ。もちろん私たちだけじゃないけどね」
紬「和ちゃんって本当にすごいわよね」
澪「同い年ながら尊敬するよ」
唯「いやーそれほどでもー」
律「お前じゃねえよ。でも和、大変だろ生徒会の仕事」
和「まあね。特に生徒会長になってからわね」
和「まあ曾我部先輩ほどじゃないだろうけど」
律「?」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:21:37.80 ID:N/yH+VhvO
和「律は二年の文化祭のこと覚えてる?」
律「さすがに忘れらない」
唯「私も二年の文化祭は忘れらないよ」
和「いつか軽音部のみんなには話そうと思ってたけど、曾我部先輩、本当に唯たちのために頑張ってくれたのよ」
澪「どういうことだ?」
和「順序立てて話すわね」
―――――
―――
――
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:28:20.05 ID:N/yH+VhvO
「はい、一応チェックしといたから人数分印刷して生徒科の先生全員に出しておいてね」
和「わかりました。全員分の許可が出たらこちらで印刷して生徒に配っていいんですよね?」
「うん、まあ真鍋さんの作る便りだったら二週間後には許可下りるでしょ」
和「…………ありがとうございます」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:34:40.87 ID:N/yH+VhvO
そう言って私は頭を下げた。
私と先生が何の話をしていたのかと言うと生徒会で
発行している便りについての話だ。便りと言ってもそんな立派なものではないが。
薄っぺらい紙一枚に学校での大きな行事や、生徒会活動での呼びかけ、報告を記しただけのものだ。
たぶん七割の生徒はこの便りを見ていない。
唯もそうだ。
しかし、そんな薄っぺらい紙一枚を生徒会から生徒に配布するのにいちいち様々な手間をかけなければならない。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:39:52.61 ID:N/yH+VhvO
まず下書きを書いて生徒会担当の先生のチェックを受ける。
OKをもらったら次は生徒会担当の他の先生に見てもらおう。
それらをするだけで一週間がすぎる。
そしてOKをもらったら清書して再度同じ手順をふむ。
そうして9月の生徒会便りは10月に生徒に出される。
しかし誰も見ない。
たぶん教員も見ていないだろう。
生徒会とはむなしいのだ。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:45:58.06 ID:N/yH+VhvO
「真鍋さん。そういえば講堂の使用申請書は全部そろった?」
和「ええ。だいたいはそろいまし……」
「真鍋さん?どうしたの?」
先生の質問に頷こうとしたが、私は重大なことを思い出してしまった。
軽音部の講堂の使用申請用紙をまだ受けとっていなかったのだ。
和「すみません!今すぐ軽音部から申請用紙を回収してきます!」
珍しく私は焦って職員室を出た。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:49:00.97 ID:N/yH+VhvO
そこで皆さんもご存知のあの場面になる。
講堂の使用申請を私が曾我部先輩に頼み、律も一緒に頭を下げたあの場面。
野球応援やサッカー応援、剣道応援、柔道応援、テニス応援、ラグビー応援、陸上応援
など部活が活躍するイベントの時に忙しいものだろ
あとは生徒会や部室棟増築や自販機導入、原付免許許可、同窓会
体育祭、学園祭、学校見学会、写生会、美術展、Knight Walkingなどのイベントの時に活躍するもんだ
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 01:56:20.65 ID:N/yH+VhvO
恵「わかった。私のほうからなんとかかけあってみる」
ここで私と律、及び軽音部員である唯や澪は安堵して顔を綻ばせた。
しかし、よくよく考えれば奇妙な話だった。
そもそも先生が私に講堂の使用申請書を全部回収できたかどうか聞いたあれは、
もうタイムスケジュールは組み終わっちゃったけどまさか今更申請用紙出してないとかないわよね?
と遠回しに聞いてきただけなのだ。
ちなみに講堂の使用時間は生徒会で組んで、それを後に教員側で微調整していくというスタイルをとっている。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:04:00.25 ID:N/yH+VhvO
桜高はご存知、私立だ。外部の人間も来る。そのため文化祭の規模は大きい。
ゆえに融通が聞かない上に、予定は常にギリギリ。
つまりたかが生徒会長(この言い方はどうかと思う)が
教員にかけ合おうが、今更できてしまったスケジュールは変更のしようがないのだ。
では、なぜ曾我部先輩は講堂の使用申請について引き受けてくれたのか。
実はこれについて曾我部先輩から聞いたのは最近だった。
ちょうど彼女の卒業間近だった。
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18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:09:04.10 ID:N/yH+VhvO
和「まさか先輩が澪のストーカーやってるとは思いませんでした」
恵「ごめんなさい。自分を抑え切れなくて」
和「いや私に謝られても……」
恵「でもね、私、秋山さんをストーキングし続けてよかったと思ってる」
和「いつからストーキングしてたんですか、澪のこと」
恵「一年の終わりあたりからかしら」
和「すごいですね。正直予想以上でした」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:18:27.82 ID:N/yH+VhvO
恵「でもね。秋山さんをストーキングしたおかげで軽音部の力になれたの」
和「どういうことですか?」
恵「覚えてる?今年の文化祭のこと」
和「はい」
恵「田井中さんが講堂の使用許可書を持ってくるのが遅くなって謝ったわよね」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:28:43.76 ID:N/yH+VhvO
和「それで私が頼んだんですよね、使用許可お願いしますって」
恵「でもね。あの時点で実はとっくに使用許可は下りてたの」
和「どういうことですか?」
恵「ほら、私ずっと秋山さんをストーキングしてたでしょ?」
和「ええ、もう聞き飽きました」
恵「それで私、なるべく軽音部の部室も覗いてたから田井中さんが講堂の使用申請してないこと知ってたの」
和「じゃあ…」
恵「そう。だからあなたたちが頼みにきたときにはとっくに使用申請は下りてたの。私が使用許可書を出したから」
和「さすがですね。でもどうしてあんなことを?」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:32:54.76 ID:N/yH+VhvO
恵「もし、真鍋さんが頭を下げてなかったら私、ある条件を秋山さんに出そうとしてたの」
和「どんな?」
恵「軽音部に講堂は使わせてあげるから私に秋山さんを一日貸してって言うつもりだったの」
和「最低ですね」
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22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/29(木) 02:37:03.17 ID:N/yH+VhvO
和「ていうわけだったの」
澪「曾我部先輩には感謝したいが、なんとも言えない気持ちになった」
律「いやまあ文化祭の成功はあの人のおかげだったってことだな」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: