澪「あーダメだ…どうしてもビラビラがはみ出ちゃう」
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
澪「どうしよう……このままじゃ明日のライブに出れない…」
澪「はぁ………どうしたものか……………………ん?」
澪「あっ………ガム……テープ…………」
澪「そ、そうだ!ガムテープがあるじゃないか!!!!」パァァ
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 03:21:11.29 ID:iuUFZUnz0
餃子を包んでるのを想像したのに・・・
3 :
超シャイニングデビルVIPニスト ◆CHoUbw4Uc6 :2010/07/27(火) 03:21:23.31 ID:TpzzlV/p0
パァァ ←これなんだよ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 03:22:12.16 ID:ODUrqwxS0
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 03:22:43.90 ID:UU5tO9qW0
続きまだかよー
澪はオナニーのしすぎだわ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 03:23:47.45 ID:gOixvv4J0
クパァァ
グゥゥ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 03:29:57.29 ID:lzHnpzCq0
バリバリ
澪「よし、これをビラビラに張って、と」
澪「あれ、ちょっとずれちゃった」
澪「上から張るのも勿体無いしな、もう一度剥がして張りなおすか」
澪「ゆっくり剥がしてっても痛そうだし、一気に剥がそう」
バリバリバリッ!
澪「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」
澪「な、なんか取れた!?なんか取れた!?」
澪「あ、ビラビラは無事だ、良かった……良くはないけど」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 03:30:45.11 ID:a4UHgKtCP
よくわからんが支援
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 03:39:14.25 ID:lzHnpzCq0
澪「仕方ない、ガムテは剥がすとき痛いから、別のものでこのビラビラを隠そう」
澪「いや、むしろ……切り取ったほうがいいんじゃないか」
澪「うん、切り取ったほうがいいに決まってる」
澪「えーと、鋏は……、あった。これで切り取ろう」
澪「まずは右側を」
チョキン
澪「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!しししししししししし死ぬ!!!これは死ぬ!!!!!!」
澪「くくくくくくくくっついてえええええええええ!!!!!!イタイイタイイタイイタイイタイ!!!!!!!!!!!!!!!!」
澪「ちちちちちちちちちちちちち、血だアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!り、律ウウウウウウウウウウ!!!!!助けてエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!」
十分後
澪「あー、やっと痛みが和らいだ……、もう血はあまり出てないし、大丈夫かな?」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 03:45:37.73 ID:lzHnpzCq0
澪「でも右のビラビラ、さっき上半分しか切れなかったからな。まだくっ付いてるので、余計ぷらんぷらんしてるし」
澪「うーん、余計ビラビラが目立つな」
澪「どうしよう、うーん」
澪「そうだ、律に電話してみよう」
prrrrr prrrrr
律「どうしたー?」
澪「あ、あのさ、律は股間のビラビラ、どうしてる?」
律「ビラビラ?あたしは特にどうとも……、何で?」
澪「あしたのライブでさ、バニー姿でやるでしょ?」
律「あー、うん。まあね」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 03:49:28.14 ID:lzHnpzCq0
澪「そのときにさ、絶対はみだしちゃうんだよね。ビラビラ」
律「えー嘘だぁ。あたしは大丈夫だぜ?」
澪「きっとビラビラの長さ、大きさにも個人差があるんだよ」
律「かもな」
澪「それで、律ならこんなときどうする?」
律「え、じゃあ、上からなんかを張ったら?」
澪「さっきやったよ」
律「切除」
澪「それもやった」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 03:49:59.07 ID:mW2B2Hqv0
まさかのリョナ
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 03:54:27.25 ID:lzHnpzCq0
律「じゃあもう諦めろよ」
澪「や、嫌だよ!バニーだけでもハズいのに!」
律「じゃあ、明日出なきゃいいじゃん」
澪「は、何、言って」
律「実を言うとさ、澪って大して上手くじゃん?」
澪「え、な、何を」
律「はっきり言って、『放課後ティータイム』にヒツヨーナイって感じでさ」
律「ベースが上手いやつ、あたしの知り合いにいるしな」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 03:58:08.43 ID:lzHnpzCq0
律「そいつ、隣町にいるからさ、女子高校生だし、ライブ出ても、ばれないだろ」
律「いつ言おうか迷ってたんだけど、丁度いいな」
律「そいつ起用したほうが、あたしらの演奏もかなり良くなるし」
律「だから、澪―――」
律「明日、来ないでくれないか」
律「頼む」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:00:53.28 ID:lzHnpzCq0
澪「え、な、何で、そんなこと」
澪「や、やだよ、そんなの、私達今日のために一杯練習してきたじゃん、私達五人で」
澪「そんなこといきなり言われても」
澪「――――絶対、嫌」
澪「何が何でも、私は律たちと、明日、出るよ」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:03:30.38 ID:lzHnpzCq0
律「………そうか、仕方ない、か」
律「紬、聞いたか?」
紬「聞いたわよ、もちろん」
澪「え、何で律の家にムギが」
律「外野は黙っとけ。ムギ、頼みがある」
律「暴力団を呼んでくれ」
もっと早く書け
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:08:58.27 ID:lzHnpzCq0
即興なんだよ
*
澪「――……、嘘、だろ?」
律「あたしは本気だよ。澪、悪いな」
紬「〇〇組にしたけどいい?」
律「ああ、そいつらでいいよ。至急、澪の家に向かわせろ」
紬「わかったわ」
紬「ここが秋山澪の家よ。今から貴方達は、そこに行きなさい。好きにして構わないから」
暴力団のみなさん「はいっ!姐さん!!!」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:12:48.26 ID:lzHnpzCq0
澪「わ、わかった、出ない、出ないから、やめてくれ」
律「もう、遅いよ」
律「丁度、出発したところだ。現在完了形でな」
紬「ごめんね〜、澪ちゃん」
澪「む、ムギ!頼む!もうやめて!!」
紬「私は律ちゃんの言うことしか聞けないよう、調教されちゃったの。だから、ごめんね」
澪「そ、そんな!い、いやだ!お願い、お願い!!」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:13:06.26 ID:MMEqZX9u0
仕方ねーな
ageてやるよ
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:14:34.21 ID:ear0tU6/P
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:15:20.21 ID:z00+NVgO0
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:16:04.35 ID:lzHnpzCq0
紬「あと、十秒」
澪「―――、え」
紬「9、8,7,6,5,4,3,2,1」
紬が「0」と言うと同時に、秋山家の扉をコンコンとノックする音が聞こえた。
「すいません、わたしら、〇〇組ですが」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:22:26.00 ID:lzHnpzCq0
ドゴオゥン!!
強引に玄関が開け放たれた。
ヤクザW「秋山澪おお!!出て来ぃや!!」
ヤクザH「逃れられねぇぞ!!!観念せぇや!!!!!」
ヤクザO「親分!!こっちから女の匂いがします!!」
澪「や、う、うそ、だ」
紬「良かったわねぇ、澪ちゃん」
紬「処女、なくすことが出来るわよ」
プツッ ツーツー
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:23:57.99 ID:MMEqZX9u0
そしてビラビラすげえぞこの女wってなって終わり?
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:28:31.09 ID:lzHnpzCq0
ガチャッ
ヤクザJ「い、いました!この写真と同じ顔―――秋山澪です!」
ヤクザO「よぅし!!!姐さんからは何でもして好いって言われてるんだ!!覚悟せぇや!!!」
ヤクザC「ま、待って下せえ、この女、すげえマンコでっせ!!」
ヤクザV「構わん!!穴がありゃあ何でもいい!!!」
澪「あ……い、や、やめ……」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:33:07.44 ID:lzHnpzCq0
ヤクザN「ぐへへ、現役JKか……一月ぶりだなあ」
ヤクザG「くっせー!こいつのマンコくっせー!!!」
ヤクザO「じゃ、おれは口から」
澪はどさりと、その場に押し倒される。
ヤクザO「歯ぁ、立てんなよ」
ヤクザD「待てよ!俺が先だぞ!!」
ヤクザA「じゃ、おれは尻を」
澪「―――――――ま、待って!!!」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:34:11.33 ID:lzHnpzCq0
澪「わ、私、性病を患ってるわよ!!!!!」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:34:35.83 ID:MMEqZX9u0
ODAww
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:35:00.03 ID:OvEduC2C0
なんと奇遇な
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:42:41.70 ID:lzHnpzCq0
ヤクザH(だからこんなに在日臭いのか)
ヤクザI(あ、あぶねえ!入れるところだった!)
ヤクザV(はっ、甘ぇな嬢ちゃん。そんなの俺だって持ってるよ)
澪「だ、だから、ヤらない方が、身のためよ」
ヤクザA「脅しのつもりかい?そんなんでおじさんたちは、躊躇わないんだよ」
ヤクザT「かまわねぇ、早く、入れちまいな!!」
ヤクザM「お、おい、どうしたI?入れないのか?」
澪「え、う、嘘、やだ、やめ……」
ヤクザI「あ、ああ遠慮しとくよ」
ヤクザM「じゃ、俺が澪ちゃんの処女、もーらいっ」
ヤクザF「おい、アナルは俺のだぞ!!」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:50:57.73 ID:lzHnpzCq0
ヤクザM「ふんぬっ!」
ズボオッ
澪「か………は……」
ヤクザM「おい、E!写真撮っとけ!あとでzipにあげるからよ!!」
ヤクザE「ふひ、それ俺にも下さいよ。JKとマジでやってるヤツなんて、そうそう見れねえ」
ヤクザD「おい、口譲れよ」
ヤクザA「早い者勝ちだ」
ヤクザM「おい、A!お前は穴にでも入れてろ!!」
ヤクザA「あ、そっちにします。ったく、ほら、Mに譲ってやるよ」
澪(くう……、痛いだけで、何も良くない……)
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:56:01.75 ID:lzHnpzCq0
ヤクザM「え、そんな。いい、のか?」
ヤクザA「ああ、アナルのが、俺は燃えるし」
ヤクザM「あ、ありがとう」
ヤクザA(ありがとう、か。何年ぶりに言われたかな)
―――思えばこのとき、俺と、ヤクザMの関係は良くなったんだ。
ヤクザA「いや、礼を言われるまでもない。あと―――」
ヤクザA「俺、お前のこと、嫌いじゃないぜ」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 04:57:21.84 ID:MMEqZX9u0
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□□□□■□□□□□□□□■■□□□□□□■■■■□□□□□□□
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:00:05.37 ID:lzHnpzCq0
ヤクザたちが秋山澪を犯し終わったとき、空には夕日がこうこうと輝いていた。
ヤクザA「なあ、M。今日、飲みに行かないか?」
ヤクザM「お、俺と?Sはいいのか?」
ヤクザA「たまには違った奴と飲む酒ってのも、良いものなんだよ」
ヤクザA「すぐそこに、お気に入りのバーがあるんだ」
ヤクザM「へえ、じゃあ、行ってみようかな。久々にいい日だったし」
ヤクザA「よし、決まりだな」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:05:15.74 ID:lzHnpzCq0
ヤクザAが案内したのは、一軒のゲイバーだった。
ヤクザM「おい、ここ……、ゲイバーじゃねえか」
ヤクザA「何か問題でも?」
ヤクザM「いや、いいけどな」
カランコロンというベルの音が、扉を開いたヤクザAたちを迎えた。
ヤクザA「やあ、マスター。今日はジンでも飲もうかな」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:07:03.01 ID:MMEqZX9u0
眠い
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:08:57.15 ID:lAyADeI30
ひさびさにクレイジーな物書きと遭遇したぜこりゃあ・・・
本物だな
方向性がどこに向かうかわからない
先がまるで読めない、本物だ
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:11:47.57 ID:lzHnpzCq0
八坪ほどのスペースに、テーブル等が所狭しと置かれている。客は誰もいなかったようで、室内には邦楽が静かに流れていた。
マスター「ふん、珍しいね。そんな値の張るもの頼むなんて」
ヤクザA「気まぐれさ。無いのかい?」
マスター「まさか。ここにはたいていの酒が揃ってるよ、お連れさんは何がいい?」
ヤクザM「え、じゃあ…ソルティドッグで」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:13:02.85 ID:CLwY0si90
先がまったくよめなかった
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:16:31.38 ID:lzHnpzCq0
ヤクザA「じゃあ、座ろうか。カウンターにするか?」
ヤクザM「いや、べつのところにしたいな」
ヤクザA「なら、あそこにしよう」
ヤクザAが指差した先は、屋外に置かれた席だった。
ヤクザM「へえ、あんなところにも席があったのか」
ヤクザA「ああ、外側からじゃ陰になって見えないがね。隠れた席なんだ」
ヤクザM「じゃ、そこにしよう」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:22:25.17 ID:lzHnpzCq0
ヤクザM「ほお、なかなかいい席だな。風もいいのが吹いている」
ヤクザA「今日は当たりの日だったな」
ヤクザM「当たり?」
ヤクザA「ああ。湿気が高いと酒がまずくなるし、暑くても酒が温くなる」
ヤクザA「今日みたいにこのくらい涼しい日しか、この席は酒を飲むのに向かないんだ」
ヤクザM「流石。研究してるな」
ヤクザA「伊達に何年も、この店に通いつめてないんだよ」
数分ほどして、ジンとソルティドッグが運ばれてきた。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:23:44.64 ID:WblHHkks0
澪wwwwwww
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:26:07.68 ID:lzHnpzCq0
ヤクザA「まずは乾杯と行こうじゃないか」
ヤクザM「何でだ?」
ヤクザA「お前の童貞が無くなった今日を、祝うのさ」
ヤクザM「な、何でそれを……」
ヤクザA「お前の腰つきを見れば、誰でもわかるよ」
ヤクザMは参ったという風に肩をすくめた。
ヤクザA「じゃあ、乾杯」
ヤクザM「乾杯」
カコン、と静かな音が、夕方の空に消えていった。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:27:52.23 ID:MMEqZX9u0
おやすみ
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:31:00.61 ID:lzHnpzCq0
ヤクザM「それで、何の用なんだ?」
ヤクザA「何がだ?」
ヤクザM「とぼけるなよ、何の用も無くて一緒に酒を飲もうなんてありえないね」
ヤクザA「ありゃ、ばれた?」
ヤクザM「ああ、ばればれだったよ」
ヤクザA「ま、言おうと思ってたんだけどね……少し酔わせてから言おうと思ってたんだけど、まあ、いいか」
ヤクザM「それで、何なんだ?」
空は少しずつ、藍色に染まっていた。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:36:04.17 ID:lzHnpzCq0
ヤクザA「俺には、息子がいるんだ」
ヤクザM「ああ、知ってるよ。確か健一というんだっけ」
ヤクザA「違う。健太郎だ」
まあ、それはいい――、仕切りなおすように、ヤクザAは咳払いをした。
ヤクザA「その息子が、病気を患ってるんだ」
ヤクザM「病気?何の?」
ヤクザA「―――HIVだ」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:41:28.57 ID:lzHnpzCq0
ヤクザM「遺伝か?」
ヤクザA「違う、血液感染だ」
ヤクザA「今、息子は十一なんだがな。三歳のときに、自動車事故にあっちまった」
ヤクザA「病院に担ぎ込まれてな。それで、詳しいことはしらねぇが、血が足りねぇって事になっちまったんだよ」
ヤクザA「でもべつに、珍しい血液型じゃなかった。すぐに輸血されたよ」
ヤクザA「その三年後だ」
ヤクザA「小学校で、注射があったんだ。血に病気が無いかっていう名目でな」
ヤクザA「その検査で、判っちまったんだよ」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:46:36.39 ID:lzHnpzCq0
ヤクザA「病院に文句を言おうとしたが、その病院は三年の間に潰れてさ」
ヤクザA「輸血したって言うデータも、カルテも、何も、全部なくなっちまってんの」
ヤクザA「いや、どうにかすりゃ、みつけられたかもしれねえ」
ヤクザA「でもそのとき、俺達夫婦は凄く混乱しててさ」
ヤクザA「息子の命を救いたい、ただそれしか頭に無かったもんで」
ヤクザA「とにかく別の病院にかけあってみたんだよ」
ヤクザA「どうにかなりませんかって」
ヤクザA「でも、手遅れだった。HIVは三年前から、息子の体に住んでいたんだからな」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:55:58.53 ID:lzHnpzCq0
ヤクザAは自嘲気味な笑みを浮かべた。空はとっくに、夜の闇に覆われている。
ヤクザA「息子の体は、年を経るごとに衰弱していった」
ヤクザA「HIVは血も涙も無かった。ただ淡々と、息子の生気を奪っていった」
ヤクザA「だがな、俺の息子ももう限界らしい」
ヤクザA「大人なら二十年は持つらしい。デマかどうかは知らんがな」
ヤクザA「だが健司は子供だった。症状の進行が特別早いのと相成って、衰弱は加速していっている」
ヤクザA「つい、こないだだ。余命がそんな長くないって言われたのは」
ヤクザA「でも、海外なら、もっと医療技術が発展してる国なら。何とか――」
ヤクザA「何とかもう少し、長く生きさせられるらしいんだ」
ヤクザA「だがな、医者も慈善事業じゃねえ」
ヤクザA「金が―――、金が、必要なんだ」
寝ます。もしよければ保守しといてください。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 05:57:54.84 ID:3HFA4vi10
もはや澪すら出なくなり、謎のヤクザの身の上話が始まりだしたというのに
寝ます。もしよければ保守しといてください。
凄い器を感じる
けいおん関係NEEEEEEEEEE
ただ・・・・間違えちまってるんだよ・・・・・・
息 子 の 名 前 を
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 07:26:10.90 ID:RZMxX3lN0
てか非加熱製剤はもう使われてない件
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 09:28:52.98 ID:IJmhGIFB0
よし保守
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 11:36:22.74 ID:lzHnpzCq0
ヤクザA「だから、お願いがあるんだ」
ヤクザM「そ、そんな大金はないぞ」
ヤクザA「着服、と言う手がある」
ヤクザA「お前は一応うちの組の経理を担当しているからな。お前ほどうちの組の財政に通じたものはいないぜ」
ヤクザA「そこをついて、着服、してくれねえか」
ヤクザA「俺がやると、すぐばれるのは目に見えている」
その言葉を最後に、その場には不気味なほどの静寂が漂った。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 11:40:55.02 ID:lzHnpzCq0
ヤクザM「……いいぞ」
ヤクザA「ほ、本当か!?」
ヤクザM「ああ、だってお前には、さっきの女での借りがあるからな」
ヤクザM「口でやるのを、譲ってくれたじゃないか」
ヤクザA「……ありがとう」
そう言って、二人は目の前に置かれている酒を、一気に飲み干した。
舌触りのいい酒が、滑らかに喉を滑っていった。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 11:51:04.61 ID:lzHnpzCq0
ヤクザAの提案は、ばれることはなかった。少なくとも二人は、そう信じていた。
一度の横領で、百万単位の金が、ヤクザAの懐にしまわれた。
ある日ヤクザAは、息子である健太郎の病室に入っていった。
そこは個室である。八畳ほどの、飾り気のない病室。窓の近くに置かれたベッドのうえで、父の訪問を健太郎は迎えた。
ヤクザA「健太郎。後もう少しで、金がたまる。そしてお前は海外で延命治療を受けられるようになる」
ヤクザA「なあに。心配は要らない。朝の挨拶がグッモーニンになるだけだ」
ヤクザA「おれの同僚のMがな、お前に弾き語りの録音されたテープを送ってきたよ。あいつ、高校ん時、バンドやってたみたいでな」
健太郎「………もう、やめてよ」
ヤクザA「ん、何をだ?」
健太郎「ぼくは知ってるんだ。パパは悪いことをしてお金を稼いでるって」
ヤクザA「だ、誰がそんなことを!デマもいいとこだ」
健太郎「パパこそ嘘を言うなっ!!!」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 11:54:49.61 ID:3QvF3SkT0
何だこれェ
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 11:54:50.30 ID:lzHnpzCq0
健太郎「パパは暴力団なんでしょ!!?」
健太郎「人から奪った金で、ぼくたちを食わしてたんでしょ!?」
健太郎「悪いことをして得たお金なんかで、ぼくは生かされたくないんだ!!!!!!!!」
健太郎「そんなんで生きるくらいなら、死んだほうがいい!!!!!!」
健太郎「ねえ、パパ、この前ここに来たとき言ったよね!!??」
健太郎「何でも好きなこと叶えてやるって、言ったよね!?」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 12:00:23.81 ID:lzHnpzCq0
健太郎「ねえ、ぼくを殺してよ!!!お願い!!!殺してよ!!!」
健太郎「いつ死ぬか判らない恐怖にとらわれる毎日も」
健太郎「罪悪感を背負って生きる毎日も」
健太郎「もう――――――まっぴらなんだ!!!!!」
健太郎「お願い!!!パパ!!!死なせて!!!ぼくのことなんて、ほっといて!!!」
ヤクザA「な、何を言って」
健太郎「ぼくを―――殺してよっ!!!!殺さないの!!??うそつき!!何でもしてくれるって言ったのに!!!」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 12:06:53.86 ID:lzHnpzCq0
ヤクザA「も、もう、寝なさい。きがちがってるんだ。一晩眠れば、落ち着くから……」
健太郎「ぼくはおかしくなんかない!!おかしいのは、暴力団のパパのほうだ!!!!!!!」
ヤクザA「――――――いい加減にせぇよ!!!!」
健太郎「親面するな!!!うそつきのクセにぃ!!!」
ヤクザAは拳を振り上げた。拳骨を食らわせてやろう。灸を据えねばならん。
しかし、ヤクザAは思い直した。ここで俺までもが、冷静じゃなくなってどうする?
ヤクザA「わかった、もう寝なさい。パパはちょっと、頭を冷やしてくるよ」
極めて平然とした口調は、健太郎の「うそつき」と言う呟きを、止めることは出来なかった。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 12:11:01.80 ID:lzHnpzCq0
ヤクザAはその日、病室には戻らなかった。健太郎の侮蔑の視線から、逃れていたかった。
しかし、その翌日。
健太郎の自殺体が、彼の病室から見つかった。首吊り自殺だったと言う。
ヤクザA「マスター、たくさん酒をもってこい!!!!」
その知らせを聞いたヤクザAは、行きつけのゲイバーに向かった。
酒で自分を酔わせて、総てを忘れてしまいたかった。
マスター「なんだい、荒れてるねぇ」
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 12:16:41.52 ID:lzHnpzCq0
ヤクザA「いいから、酒をもってこい!!!」
マスター「何がいい?」
ヤクザA「度数がきつめの奴なら、何でもいいから!!!」
やがて、カウンター席に座ったヤクザAの前に出されたのは、ウォッカトニック、マルガリータ、ミモザetcの数々の酒だった。
ヤクザAは休む間なく、酒を浴びるように飲み続けている。
マスター「ま、うちとしては儲かっていいんだけどね」
ヤクザAにその言葉は聞こえなかった。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 12:24:33.48 ID:lzHnpzCq0
健太郎が死んだ翌日、ヤクザMは組に呼び出された。
組内に入ると、そこには自身に対する殺気がひしひしと伝わってきた。
ヤクザM(まさか、ばれたか…?)
幹部のヤクザQが、静かに口を開いた。
ヤクザQ「手前、組の金横領しとるやろ」
ヤクザM「は、滅相も御座いません。そのようなことは今の一度も」
ヤクザQ「知っとるか?うちん組は、そこかしこにカメラ仕掛け取るんじゃ」
ヤクザQ「死角はどこにもないんだよ」
ヤクザQ「ほれ、見てみぃ」
わっふるわっふる
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 12:28:13.88 ID:lzHnpzCq0
ヤクザQが指差した先で、ヤクザB,N,Mがビデオをデッキにセットしている。
数秒ほどして、TV画面に映ったのは―――周囲を警戒しながら金を盗んでいる現場だった。
ヤクザM「」
何もいえなかった。
ヤクザQ「これが、動かぬ証拠っつー奴じゃ」
勝ち誇ったような笑みを見せ、ヤクザQは鼻息を荒くした。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 12:32:23.24 ID:lzHnpzCq0
ヤクザM「どう、すれば、いいんでしょうか?」
ヤクザQ「まずは、手前を姐さんとこに連れてく。処分はそれからだ」
ヤクザQ「言っとくぞ、お前の味方はいやしねぇぞ」
ヤクザMは、この場にヤクザAがいないことに気付かなかった。
ヤクザQ「じゃ、早速行くか」
窓の外にある数台の黒塗りのベンツ。おそらくそれに乗っていくのだろう。
ヤクザMにはどうしても、その車が霊柩車にしか見えなかった。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 12:42:35.05 ID:lzHnpzCq0
姐さん――紬の家まで行くのは、さほど時間がかからなかった。
すぐに応接室へ連れてかれ、パイプ椅子に座らせられた。
紬は馬鹿でかい窓を背景に、皮のソファにふんぞり返っていた。
紬「で、あなた。どうしてこんなことをしちゃったの?」
紬から放たれる威厳に、若干怯みながら、ヤクザMは弁解するように言った。
ヤクザM「こ、これは、Aのために…」
紬「Aのため?Aも共犯なのね」
ヤクザM「ち、違います!!やったのは僕です!!!」
紬「でも原因はAなんでしょ?共犯じゃない」
ヤクザM「え、Aには、HIVを患った息子がいるんです」
紬「だから?アフリカには今も餓えで死んでる子が何人もいるのよ?生きてるだけましじゃない」
ヤクザM「き、詭弁です!」
紬「お前はそれをマジで言ってるの?そうならソース出せ。琴吹家が総力挙げて潰すから」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 12:48:46.15 ID:lzHnpzCq0
同日、ヤクザの団体が琴吹家に向かった数十秒後。
〇〇組、玄関。
ヤクザA「おい、X、みんなはどこに行った?」
ヤクザX「姐さんのところに……Mさんの着服がばれて、今みんな躍起だッてるんですよ」
ヤクザA「ちっ、折角二日酔いの頭で来たのによ」
ヤクザA「仕方ねえ、俺も行くか」
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 12:55:48.55 ID:lzHnpzCq0
紬「このなかにAはいるの?」
ヤクザQ「い、いません!!」
紬「こうなることを予測して、逃げたのかしら、ね」
紬「まあいいわ。一人ずつ壊していく方が、私は好きなのよ」
紬「Mはどんな悲鳴を上げてくれるのかしら」
紬が舌なめずりをしたと同時、応接室の扉が開かれた。
ヤクザA「あ、姐さん!!Mは悪くない!!」
紬「あら、あなた、Aかしら」
ヤクザA「はい」
紬「ふうん。ま、いいわ。お友達が殺されていくの、そこで見ててね」
ヤクザA「や、やめてください!!!やるなら、俺を――――――」
紬の動きが、ぴたりと止まった。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 12:57:50.77 ID:1qT+zom/0
わっふるわっふる
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 12:59:07.72 ID:lzHnpzCq0
紬「私、そういう自己犠牲心は好きよ」
ヤクザA「お願いします!Mだけは、Mだけは…」
紬「いいわよ、ただし―――――――」
紬「何があっても、逃げないでね」
ヤクザA「Mを逃がしてもらえるなら、なんのそれしき」
ヤクザM「ま、待て!M!」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:02:49.01 ID:oHwTFZLG0
紬ェ・・・
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:03:49.53 ID:lzHnpzCq0
ヤクザA「うるせえ、早く逃げろ」
紬「そうよ〜、逃げたほうが身のためよ」
ヤクザMは躊躇った。しかし、それほど迷うのに時間はかからなかった。
ヤクザM「―――――ごめん」
小さな謝罪を残して、ヤクザMは外へと向かった。
ヤクザA「天国で息子に会えるんだ、それを考えれば」
ヤクザAの声は、ヤクザMが応接室の扉を閉める音によって、聞こえることはなかった。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:11:35.35 ID:lzHnpzCq0
数年のときが流れた。シャバの空気にも、ヤクザM(以下、M)の体は慣れてしまっていた。
Mはホームレスとなっていた。
TO京のホームレス達が食うものに困らないと言うのは、本当だったらしい。
ある程度食料は手に入るし、比較的温暖なので住みやすい。ダンボールの暖かさが丁度いい。
ホームレスの中にも上下関係が当たり前のようにあった。
なりたての頃はいびられたものだが、いまではもう、いびる側だった。
Mは今日も今日とて、食うものを探していた。
ゴミ箱漁りは当たり前。コンビニの廃棄物漁りも当たり前。粗大ごみは宝です。働きもせず、のうのうと生きてられる。
Mはかすかに、ホームレスの生活に幸せを感じていた。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:17:17.57 ID:lzHnpzCq0
※地の文大目になります
ある日のことだ。
新入りがやってきたのだ。
20後半の女であった。髪は絹糸のように細い。それなりの格好をしていたら、キャバ嬢に見える。
女は名前を語ろうとしなかった。
女はどうやら、バイトをやめてここに来たらしい。
わざわざホームレスになると言うことは、職場で相当ないじめを受けていたのだろうか。Mはそう邪推した。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:20:46.98 ID:lzHnpzCq0
Mはその女に興味を持った。
その外見にも魅かれたし、彼女の女性らしさにも好感が持てた。
気がつくと、Mはどうのしようもないほど、女を好きになっていた。
30過ぎのおっさんが、くだらない恋をしただけ―――それだけで、終わるはずだった。
あるとき、Mは我慢できなくなって、女に聞いた。
M「君は、どこから来たんだい?
女はMの問いに、嫌がるそぶりも見せず、答えた。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:27:01.97 ID:lzHnpzCq0
女「私が変わってしまったのは、大学に落ちてからだわ」
女「必死に勉強したんだけどね。その努力をあざ笑うみたいに、合格者の数字の中に、私の数字はなかった」
女「他の友達は受かったんだけどね。いや、もうそのときは友達じゃなかったかな」
女「ママは、浪人するのを許さなかった」
女「だから、働かなくちゃいけなくなった」
女「売女でもしようかと思ったけれど、水商売はするなって言われた」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:27:25.38 ID:1qT+zom/0
わっふるわっふる
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:32:31.19 ID:lzHnpzCq0
女「じゃあ、何ならいいのさって、聞いたんだ」
女「そしたら、大企業の会社ばっかし」
女「高卒の女を雇うはずがないって言ったら、働く気がないなら家から出てけって、ヒスおこして」
女「途方にくれたのよ」
女「じゃあ仕方ない。娼婦だ、ってことで、夜の街で生きることにしたの」
女「でもね、私は水商売をなめてた」
女「あれは戦争よ。女だけの小規模な戦争。私たち娼婦は兵隊。どれだけの人数をおとしたか、で自分達の価値が決まる」
女「私は耐えられなくなって、逃げ出したわ」
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:37:18.12 ID:lzHnpzCq0
女「その後も、職を転々としていたんだけどね」
女「どこでも、あたりまえのように行われる、悪質ないじめとかに私は嫌気がさしたの」
女「もしかしたら、大学入って内定とっても、私は社会でうまく機能できる自信がないわ」
女「私は、生まれてきたときから、負け組みだったのかもね」
女はあはは、と冷たく笑った。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:39:22.22 ID:lzHnpzCq0
女「もしあの時、大学入れて内定をゲットできていても、私は社会でうまく機能できていた自信がないわ」
↑に訂正
女「もしかしたら、大学入って内定とっても、私は社会でうまく機能できる自信がないわ」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:43:12.52 ID:lzHnpzCq0
女「あ、そうそう。私、高校時代バンドやってたのよ」
M「へえ、奇遇だな。俺もだ」
女「何を担当してたの?」
M「ギター」
女「へえ、私はベースよ」
M「バンド名は?」
女はややためらいがちに、言った。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:43:22.04 ID:L4Gy8oUN0
私怨
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:46:59.44 ID:lzHnpzCq0
女「放課後ティータイム、よ」
Mは耳を疑った。なぜならそのバンドは、姐さん―――紬の入っていたバンドと、同じ名前だったから。
M「琴吹、紬」
澪「え?」
M「いや、知り合いがそのバンドやっててさ」
自らの姐だった人物を知り合い呼ばわりとは、俺も出世したな、と一人思った。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:50:43.44 ID:RCBWyaOA0
記号が多すぎてところどころおかしい
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:51:30.29 ID:lzHnpzCq0
Mは思い出した。
この顔かたち、見覚えがあった。
かなり前、まだヤクザだったころ、この女を犯したことはなかったか。
M「ああ、思い出した――秋山、澪だ」
澪「え、なんでその名を…」
M「あんた、昔ヤクザに襲われただろう?」
澪「な、何でそれを…」
M「あのときのヤクザの、一人だからだよ」
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 13:56:15.87 ID:lzHnpzCq0
女は―――澪は咄嗟に身構えた。あのときの恐怖は、未だ心を捉えて放さない。
M「安心しろ、犯したりなんかしねえよ」
澪は警戒しながらも、少し緊張の糸を緩めた。
M「もう、足は洗ったんだ」
そういいながら、Mはかつての旧友、Aのことを思い出した。
おそらくもう、この世にはいないだろう。
だが、自分の命を救ってくれたAの記憶は、生々しく残っている。
Mって処女もーらいって言ってた奴じゃんw
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 14:00:43.15 ID:lzHnpzCq0
>>94 こまけぇことは(ry
M「そんなことより、何か弾いてくれないか。ギターなら、俺も持ってるからよ」
澪「へえ、楽器は持ってきてるのね。私もだけど」
M「青春時代の、思い出だからな」
Mは少し、寂しそうに笑った。
澪「奇遇ね、私と同じ理由よ」
澪も少し、寂しそうに笑った。
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 14:06:32.23 ID:lzHnpzCq0
Mは静かに、弦をはじいた。
柔らかい音色が、虚空に消えた。
暖かい旋律は、一陣の風のように空気を伝播させ、
澪の耳に、強く残った。
M「なかなか、カンが取り戻せねぇな」
澪「ま、何年も弾いてなかったからね」
そこにベースの音楽も加わった。
音楽は激しさを着実に増していく。
どこで拾ってきたのか、背後からはキーボードの音が聞こえた。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 14:12:15.10 ID:lzHnpzCq0
ドラムの音が聞こえる。本当に、どこで拾ってくるのだろうか。
どこか壊れているのかもしれない。音がややスカしている。
キーボードは半音くらいずれている。音楽的のは及第点にも及ばない。
でも、不思議とその音楽は、とても綺麗な出来になっていた。
歌詞はない。言葉の一切ない音楽。それがここにあった。
曲が終わると、ホームレス達観客は、一斉に拍手を送った。
澪は小さな、満足感に浸っていた。
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 14:15:39.21 ID:N+nokOLg0
kiiga
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 14:17:08.55 ID:lzHnpzCq0
澪がある程度ホームレスの生活に慣れた頃である。
「あ、あれ、澪さん……」
聞き覚えのある声が、鼓膜を震わしたのは。
声量は低くなっていて、だけどその声が、聡のものだとわかるまでには、五秒とかからなかった。
澪「久々だな、聡君」
聡「はい、とても懐かしいです」
澪「で。何か用か?」
聡「え」
澪「呼び止めたんだから、何か用があるはずだろう」
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 14:21:13.90 ID:lzHnpzCq0
バイト行って来ます
来れるのは夜になります。
もしよければ、保守しといてください。
落としてもいいです。
乗っ取り奨励
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 14:33:35.93 ID:XXg6mAvs0
>>94 初体験同士の男女がいい雰囲気になってるんだ、何もおかしい事は無い
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/27(火) 14:59:11.14 ID:GCAu+hPT0
ほしゅ
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
精神を加速させろ