1 :
Ch.000 唯「ひゃくものがたり!」:
律「やろうぜ、百物語!」
唯「ひゃくものがたり?」
紬「百物語っていうのは怪談話を100話語るの。それで100話目を語り終わると本物の怪が……」
澪「うわーーっ!」
律「まあ落ち着けって。別に怪談じゃなくていいからさ、とりあえず100話」
紬「どんな事を話すの?」
律「何でもいいよ、昨日の夜ご飯何を食べたとかそんなのでも」
澪「それなら――」
律「もちろん怖い話でも」
澪「やっぱりやめよう」
唯「まあまあ、みんな楽しい事話せばいいじゃん!」
澪「ならいいけど……」
律「そうと決まればムギ、お茶とお菓子を頼む!」
紬「がってん!」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 12:40:37.38 ID:uTztHIdp0
唯「じゃあ1人につき20話だね」
梓「20話ですか。多いですね……」
律「そんなかしこまった話じゃなくていいんだって」
唯「とりあえずやってみようよ!」
紬「誰から話す?」
律「んー……ジャンケンで勝った人からにしよう」
唯「オーケー。それじゃいくよーっ」
唯澪律紬梓「じゃーんけーんポン!」
END
3 :
Ch.001 日和:2010/07/22(木) 12:41:43.77 ID:uTztHIdp0
図書館で勉強ちう
唯「頭が『た』で真ん中が『き』、最後が『ん』……りっちゃんクロスワード難しい」
澪「たぬきうどん……」
唯「おお!」
紬「それどういう食べ物?」
律「丸ごと入ってるんだよ、たぬき」
紬「ほぉ」
澪「全然勉強にならないじゃないか」
律「まあまあ、私ちょっとトイレ」
澪「私参考書取って来る」
えっ?
あれ・・・・?
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 12:46:58.64 ID:uTztHIdp0
紬「ねえ唯ちゃん、たぬきってどんな味なの?」
唯「へ? さっきりっちゃんが言ってた事は嘘だよ」
紬「そうなの?」
唯「そうそう、本当のたぬきそばは掻き揚げが入ってるんだよ!」キリッ
紬「そば? うどんじゃなくて?」
唯「そうだよ〜たぬきはそば、きつねはうどんってね」
紬「狐のうどん?」
唯「赤いきつねに緑のたぬき!」
紬「アカギツネはともかく緑の狸なんて日本にいるのかしら?」
唯「あるある! 日本人なら一度は食べておかないとね」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 12:52:02.24 ID:uTztHIdp0
紬「狸って外国にもいるのかな?」
唯「どうだろー、カップヌードルはノーボーダーだからあると思うけど」
紬「ヌー? ……プードル?」
唯「あっそういえば近所のワンちゃんがうどん食べてたな」
紬「えっ犬が?」
唯「うん、ドッグなんとかっていう塩分が控えめの麺なんだって」
紬「ドッグ……たぬき……きつね……動物も麺を食べるのかぁ」
唯「そうみたいだよ」
律「…………」プルプル
澪「ん? そんなところに隠れて何やってるんだよ」
律「う……あ……」
律「あーーーーーーっ!!」ダダダダダ
澪「うわあっ!」
澪「どこ行くんだよ律の奴……」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 12:58:03.54 ID:uTztHIdp0
澪「あいつ唯とムギの事を隠れて見てたんだよな?」
澪「何かあったのか?」チラ
紬「唯ちゃんは狐のうどんと狸のおそばを食べた事があるのよね」
唯「もっちろん!」
紬「それは人が食べてもおいしいの?」
唯「もちろんだよ〜」
紬「じゃあワンちゃんのうどんは?」
唯「それは食べた事ないやー」
紬「ワンちゃんのはあまりメジャーではないみたいね」
唯「そだね〜私もこの前初めて見たし」
紬「どれも気になるわぁ」
唯「私もワンちゃんのうどん気になるよー」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 13:04:04.50 ID:uTztHIdp0
紬「スーパーに売ってるのかな」
唯「私見たことないや。やっぱりうどんの国にあるんじゃないかな」
紬「うどんの国!?」
唯「近所のワンちゃんの飼い主さんはお土産で貰ったんだって」
紬「いや……でも……それは流石に……」
唯「ムギちゃんは行った事ある?」
紬「ないわね……」
唯「そっかー。もし行く事があったらお土産よろしくね!」
紬「うん、それにその国なら狐のうどんもありそう」
唯「きつねならどこでも売ってるよ?」
紬「えっ!? でも狐ってもっと北のほうにいるんじゃ……」
唯「えっ?」
紬「あっ、意外とメジャーなペットだったのかしら」
唯「やだなあムギちゃん」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 13:10:06.73 ID:uTztHIdp0
唯「きつねは油揚げだよ!」
紬「えっ?」
唯「えっ?」
澪「あーーーーーーっ!!」
紬「!?」
唯「!?」
澪「赤いきつねと緑のたぬきは商品名! うどんの国は香川県! 狐はよくわかんない!」
紬「どっどうしたの澪ちゃん?」
唯「わかった! 澪ちゃんお腹すいたんでしょー?」
澪「あーーーーーーっ!!」ダダダダダ
唯「澪ちゃん?」
紬「いっちゃった……」
END
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 13:12:56.37 ID:hblw7RvCO
子どもの頃は、きつねうどんの油あげを狐の皮膚だと思ってた
11 :
Ch.002 先に行け:2010/07/22(木) 13:16:11.30 ID:uTztHIdp0
学校
唯「はあはあ」
律「くそー数が多すぎる!」
澪「このままじゃあ……」
和「まずいわね」
紬「とにかく校門を出ないと」
梓「……」
律「よし校門を抜けたぞ!」
唯「あずにゃん? 何してるの早く!」
梓「……先輩方は先に行って下さい。私は正門で時間を稼ぎます」
ガラガラガラガラ
澪「梓っ!?」
梓「ここは私が引き受けますから」
唯「な、何言ってるのあずにゃん……」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 13:22:11.31 ID:uTztHIdp0
梓「早く! あまり長くは持ちません」
律「梓……わかった」
唯「りっちゃん!?」
律「みんな行くぞ!」
唯「でもっ」
梓「唯先輩。後から追いつきますから」
唯「あずにゃん……ありがとう」
和「唯急いで!」
唯「……うん」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 13:28:14.12 ID:uTztHIdp0
律「それでムギの家へはどうやっていくんだ?」
紬「電車に乗って三駅!」
澪「駅が見えた……ひっ!」
和「……曽我部先輩」
恵「ここから先へは行かせないわ」
澪「はぅあ……」ブルブル
律「くそ、時間が……」
和「唯」
唯「うん?」
和「先に行って」
唯「和ちゃん!?」
和「ここは私に任せて」
唯「和ちゃん……そんな」
和「梓ちゃんの頑張りを無駄にしたいの?」
唯「う……わかった。でも絶対無理しちゃダメだよ!」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 13:34:12.98 ID:uTztHIdp0
澪「ここがムギの家……」
律「でけえ……」
紬「みんな早く!」
澪「まずい! 追っ手が!」
紬「玄関に入ればひとまずは……」
ガチャ
紬「早く入ってりっちゃん!」
律「……」
澪「……律?」
律「澪! 先に行っててくれ!」
バタン
澪「律っ!? りつーー!」
ドンドン!
唯「りっちゃん……」
澪「……ばかりつ」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 13:38:28.57 ID:KyCtiQPi0
本当に100話完走するのか?
既に面白くないんだけど大丈夫なの?
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 13:40:12.85 ID:uTztHIdp0
紬「この廊下をまっすぐよ」
唯「うん……」
澪「……」
唯「澪ちゃん」
澪「……あ、なんだ?」
唯「りっちゃんの所に戻ってあげて」
澪「えっ……」
唯「ここまで来れば私とムギちゃんだけでも大丈夫だから」
澪「そんなのわからないだろ……」
唯「戻りたいんでしょ?」
澪「う……」
澪「唯、ムギ……ごめん、先に行っててくれ!」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 13:45:13.47 ID:uTztHIdp0
紬「あそこの階段を上れば……」
さわ子「……」
唯「さわちゃん……」
紬「ここは私の出番ね」
唯「ムギちゃん」
紬「唯ちゃん、先に行ってて。階段を上った後扉を開けてまっすぐよ」
唯「……わかった」
唯「ごめ――」
紬「唯ちゃん!」
唯「――え?」
紬「すぐに追いつくから!」
唯「うん……ありがとう!」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 13:50:15.78 ID:uTztHIdp0
唯「この扉を開ければ後はまっすぐ……」
ガチャ
唯「あっ」
憂「お姉ちゃん……」
唯「憂……」
憂「お姉ちゃん……どうしても行くの?」
唯「うん。もう後には戻れない」
憂「おねえ……ちゃん」
唯「……ここで待ってて」
憂「行かないでよ……」
唯「ごめんね」
唯「先に行かないと」
唯「私が……先に行かなきゃ!」
END
何が何だか分からない・・・・
21 :
Ch.003 加速装置への対処:2010/07/22(木) 13:55:20.52 ID:uTztHIdp0
唯「んー……」
紬「どうしたの?」
唯「なんか奥歯に違和感があるんだよね……」
律「甘いもの食べ過ぎて虫歯になったんじゃない?」
唯「痛くはないんだけど……ん……」
唯「んん……カチ」
唯「うおっ! カチって言った!」
唯「りっちゃん歯がカチって言った!」
唯「……あれ、どしたのりっちゃん? そんなスローモーションみたいな動きして」
唯「……」
唯「ねえってばー」ペチペチ
唯「……あれ?」
唯「りっちゃん! りっちゃんってば!!」ベチベチ
22 :
Ch.003 加速装置への対処:2010/07/22(木) 14:00:39.27 ID:uTztHIdp0
唯「ていうかみんなも止まってるように見える……どうなってるの?」
唯「ねえむぎちゃん、澪ちゃん、あずにゃん!」
唯「もームギちゃんまで〜。デコピンっ」パチン
唯「みんなの分のケーキ食べちゃうぞー?」
唯「モグモグ……カチ」
律「ふぶぅぼあっ!!?」
紬「むごぉ!?」
ドンガラガッシャーン
唯澪梓「!?」
梓「律先輩と澪先輩が吹っ飛んだ!?」
23 :
Ch.003 加速装置への対処:2010/07/22(木) 14:05:40.50 ID:uTztHIdp0
澪「……唯、今何かしたか?」
唯「何ってちょっとデコピンしたり……」
梓「デコピンで吹っ飛ぶわけないじゃないですか」
澪「いや。二人を攻撃したっていうのに私には唯が少しぶれたようにしか見えなかった」
澪「ペロ……これは加速装置」
唯「んむうっ」
澪「梓、唯の歯を抜くぞ」
唯「ええっ嫌だよ!」
澪「だって危ないじゃないか」
唯「やだー。カチ」
梓「消えた!?」
唯「こっちだよー」
澪「後ろか!」
梓「……って」
24 :
Ch.003 加速装置への対処:2010/07/22(木) 14:10:40.83 ID:uTztHIdp0
梓「なんで裸なんですか!?」
唯「へ? きゃあ!」
澪「摩擦熱だ! 摩擦熱で服が燃えたんだ!」
梓「なんで人体が燃えてないんですかね」
ガッシ
紬「唯ちゃんつかまえたあ……」
唯「しもうた!」
澪「ムギ! 巴投げだ!」
紬「どすこーい」ポーン
唯「ひゃああ!」
澪「加速装置の弱点は空中にいる間は意味をなさない所なんだ!」
澪「奥歯折りパンチをくらえっ」
唯「げふぅ」
澪「ふう……。唯が空を飛べていたら私達に勝ち目はなかったよ」
END
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 14:13:22.34 ID:gp019YMfO
し
26 :
Ch.004 なまやけ!:2010/07/22(木) 14:16:04.17 ID:uTztHIdp0
一年学園祭
澪「ちょっと唯」
ハスキー唯「あ、澪ちゃーん。やきそば買いに来てくれたの?」
ハスキー唯「ちょっと待ってね〜」
澪「え……」
澪「唯が……料理を作っているだと……」
END
27 :
Ch.005 HTTスタジオ入り:2010/07/22(木) 14:22:04.28 ID:uTztHIdp0
紬「余った部費でスタジオに来ちゃいました〜。この狭さ……いいわぁ」
梓「唯先輩のギターっていいギターですよね。もしかしてシールドも?」
唯「あ、これねー500円だったんだよ!」
梓「……」
律「澪って無駄にスラップ多用するよな。本当は目立ちたかったりして」
澪「そ、そんなことない! あ、お前はなんでツインペダル借りたんだよ」
律「いやーついつい」
唯「あずにゃん! 私この曲コピーしようと思うんだよね!」
梓「そうなんですか……あ。この曲アーム使うみたいですね」
唯「アーム!? 何それどうやるの?」
梓「とりえず唯先輩のギターじゃ無理です……」
28 :
Ch.005 HTTスタジオ入り:2010/07/22(木) 14:28:05.16 ID:uTztHIdp0
唯「ちぇー。りっちゃん私にもドラムやらせて!」
律「おういいぞ」
紬「あっ私も」
梓「私もやってみたいです」
澪「……じゃあ私も」
律「お、おう」
――――――――――――――――
唯「ふ〜いっぱい練習したねえ」
梓「そうですね」
唯「そうだ澪ちゃん! 今日家に泊まりに来ない?」
梓「えっ……」
澪「あ、うん、行くよ」
唯「やったー澪ちゃん大好き!」
梓「くっ……」
29 :
Ch.005 HTTスタジオ入り:2010/07/22(木) 14:33:07.26 ID:uTztHIdp0
唯「それじゃあみんなまたね〜!」
澪「じゃあ」
律「おう」
紬「はーい」
梓「……ちっ」
律「……」
律(バンド内恋愛禁止にしておけばよかった)
END
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 14:36:52.32 ID:KyCtiQPi0
耳袋みたいに怪談もやってほしいな
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 14:37:25.19 ID:rYGS5I7d0
これ百個やるの?
マジ期待
32 :
Ch.006 Best friend:2010/07/22(木) 14:39:37.27 ID:uTztHIdp0
煩く私を呼んでいる。
どうせまた仕様もない事なんだろ。まあ、何かされるよりはそっちの方がましだけど。
呆れ気味に返事をして歩き出した。
こんな事を思っているくせにどうして私はいつもあいつと一緒にいるんだろう。
なんであいつが親友なんだろう。
何かされてもすぐに許せるし、仕様もない事でも一緒にやろうと思える。
今だって呆れている半面どこか楽しんでいる自分がいるし。
一人ではなんでもない事があいつといると楽しいと思えるんだよな。
あいつの頼み事はなるべく受けてやりたいと思う。
私はあいつになら色んな事を頼める。
私が我侭言える。
それはやっぱり親友だからかな。
長い時間を一緒にいて気付いたら私はあいつのことを親友だと思っていた。
それを実感するのは大層な出来事が起こった時でもお互いが言葉で確認した時でもない。
こうして2人で仕様もない事をやっているだけなのにそれがとても楽しいと思える時。
そんな毎日でもありそうな事であいつは親友なんだと思えるんだ。
また呼ばれた。
今度はなんだか嫌な予感がする。
それでもついて行くのは親友だから……なのか?
私はとりあえずゲンコツの用意をして歩き出した。
END
33 :
Ch.007 唯「恐怖症?」:2010/07/22(木) 14:45:41.11 ID:uTztHIdp0
唯「みんなおはよ!」
律「おーす」
紬「おはよう」
澪「お、おはよぅ」
唯「いよいよ修学旅行だね!」
澪「……」
律「そ、そうだな」
紬「そうね……」
唯「?」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 14:50:54.17 ID:h+pqSaP0O
心底つまんね
けいおんSSスレ閉じるのはこの間のカルーア民SSスレ以来だ
35 :
Ch.007 唯「恐怖症?」:2010/07/22(木) 14:51:41.75 ID:uTztHIdp0
唯「うわー私空港に来たの初めてだよ!」
律「そ、そうか……」
唯「どしたのりっちゃん?」
律「…………やっぱり嫌だ」
唯「へ?」
律「私帰る!! 飛行機には乗りたくないっ!!」
唯「ええっ!?」
澪「落ち着け律!」
律「いやだーー! 飛行機だけはカンベンなっ!!」
唯「りっちゃんどうしたの……?」
澪「こいつ飛行機恐怖症なんだ」
唯「そうだったんだ、りっちゃん落ち着いて」
律「いーーやーーだーー!!」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 14:54:59.20 ID:D++B1DA80
テラコング
37 :
Ch.007 唯「恐怖症?」:2010/07/22(木) 14:56:42.77 ID:uTztHIdp0
唯「やったー無事に辿り着いたね!」
律「」
唯「まさか睡眠薬を使うとわ思わなかったよ」
澪「律のお母さんに持たされてたから」
唯「へえ……」
唯「それにしてもこっちの空港はさっきよりも大きいね!」
澪「うっ!?」
唯「どうしたの澪ちゃん!?」
澪「あ……あ……」
紬「これは……広場恐怖症」
唯「何それ」
38 :
Ch.007 唯「恐怖症?」:2010/07/22(木) 15:01:43.26 ID:uTztHIdp0
紬「簡単に言うと何かが起こって人だかりが出来るのが怖いのよ」
唯「……澪ちゃん大丈夫なの?」
紬「わからない……もしかしたら家に帰るまでずっと……」
唯「そんな……」
男性教師「大丈夫か秋山?」
紬「ひぎぃ!?」
唯「ムギちゃん!?」
唯「男の先生が来た途端に……いったい何が?」
39 :
Ch.007 唯「恐怖症?」:2010/07/22(木) 15:06:43.87 ID:uTztHIdp0
唯「やっとホテルに着いた……疲れた〜」
律「うっ……」
唯「どしたのりっちゃん」
律「この部屋狭いな……」
唯「うーんちょっとね」
律「窓、窓開けよう」
唯「えっでもちょっと寒くない?」
律「頼むよ!!」
唯「うえっ、う、うん……」
40 :
Ch.007 唯「恐怖症?」:2010/07/22(木) 15:11:52.75 ID:uTztHIdp0
唯「お風呂だー!」
紬「……」
唯「ムギちゃん?」
紬「私……太ってるよね」
唯「えっそんな事ないよ?」
紬「うう……いやだよう……」
唯「ムギちゃん聞いてる?」
――――
唯「それじゃあおやすみー」
澪「まってくれ!」
唯「へ?」
澪「せめて、せめて豆電球だけはつけておいてくれ……」
唯「まめきゅうけしたい」
澪「た、頼むっ……!!」
唯「う、うん、わかったよ……」
41 :
Ch.007 唯「恐怖症?」:2010/07/22(木) 15:16:53.93 ID:uTztHIdp0
唯「うわー高層ビルが立ち並んでるよ!」
律「……」キョロキョロ
唯「上ばっかり見てどうしたの?」
律「上から何か落ちてこないかと思って……」
唯「え? 大丈夫でしょ?」
律「だ、だめだ……」ガクブル
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 15:17:28.51 ID:gp019YMfO
- ::: ̄ ̄ ̄:::: 、
/:::/::::::::ヽ::::ヽ
r:/::イ::::|:jハ;::ヽ::::\
|/::/│:::|:| |:ヽ:,:|:::,
!l:/ ̄|:::// ̄|:从:|:|::rn
ノ|/ __レヘ::/ __∨ ';|:|::|:i !:从rテ示 ∨ rテ示7 ∨:|::/:|
/:::リ ヒソ ヒソ /:/::/::|
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|:::小、 /:::r'|:::|
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l V !:::rュr勹 フ:/V |:::|
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|/ r)ヘ んr'ノ´ ヽ:::|
l / `⌒´ ({、 |:::|
/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ}! |:::|
43 :
Ch.007 唯「恐怖症?」:2010/07/22(木) 15:21:54.23 ID:uTztHIdp0
唯「うわー高ーい! 遠くまで見えるよ!」
澪「いやあああもう降りるう゛う゛う゛う゛」
――――
唯「うわー面白い草が生えてる」
紬「ひいいいいいい」
――――
唯「あっ犬がいるよ!」
紬「いヤッ!! 怖い! 助けて澪ちゃん!」
ムギュッ
澪「い゛っ……!?」ブルブル
44 :
Ch.007 唯「恐怖症?」:2010/07/22(木) 15:26:54.93 ID:uTztHIdp0
唯「ねえみんな……大丈夫?」
澪「実は私……高所と広場と女性と暗所がダメなんだ」
律「私は閉所と飛行機、それに低いところにいると上から何かが落ちてきそうな感じがして……」
紬「私は男性と動物と植物、それに自分の身体が……」
唯「……」
唯「そ、そっか、みんな大変なんだね……」
唯「あ、バスが来たよ」
ブロロロロ
45 :
Ch.007 唯「恐怖症?」:2010/07/22(木) 15:31:58.72 ID:uTztHIdp0
ブロロロロ
唯「まだ旅館に着かないのかなあ」
唯「……きもちわるい」
律「えっ!?」
澪「うっ……!」
紬「」ブルブル
唯「あ、みんなも?」
澪「いや……実は」
澪律紬「嘔吐恐怖症なんだ」
唯「……」
唯「エレエレエレエレ」
END
46 :
Ch.008 どこにキスを落とす?:2010/07/22(木) 15:36:59.60 ID:uTztHIdp0
唯「あーずにゃーん、むちゅ〜」
梓「ひいぃぃっ!」
律「お前達仲いいなあ」
梓「見てないで助けてくださいよ!」
律「そう言われてもなあ」
唯「おふぉふぉふぉふぉ」
梓「いやあああ口はやめてえええ!」
唯「じゃあどこならいいのさー」
梓「どこでも嫌ですっ!」
唯「ええ〜」
紬「そういえば……」
47 :
Ch.008 どこにキスを落とす?:2010/07/22(木) 15:41:59.83 ID:uTztHIdp0
紬「キスをする場所によって色々な意味があるっていう話を聞いたことがあるわ」
唯「へー」
律「例えば?」
梓(よかった開放された)
紬「手の甲にすると敬愛とか尊敬の意味があるとかね」
唯「へー」
紬「ただこれは地域とか宗教によって随分変わってくるみたいなの」
紬「指先にするキスも国によって挨拶だったり賞賛だったり愛情表現だったりするんだって」
律「へー」
48 :
Ch.008 どこにキスを落とす?:2010/07/22(木) 15:47:02.27 ID:uTztHIdp0
紬「国とか宗教までは覚えてないんだけれど他にもいくつかあるの」
唯「聞きたーい!」
紬「ええと、手だと後は……手のひらは懇願の意味があって」
紬「指の関節にするキスは感謝の気持ち、親指の爪へのキスは誓いの意味があったり」
律「へー」
唯「ほー」
梓「へぇ……」
紬「頬にするのは友好的な挨拶で、額にするのは友情のキスね」
律「あーその辺は海外のドラマとか映画でもよく見るな」
梓「そうですね」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 15:50:45.94 ID:KyCtiQPi0
支援
50 :
Ch.008 どこにキスを落とす?:2010/07/22(木) 15:53:08.67 ID:uTztHIdp0
唯「他には!? 他には無いの!?」
紬「うーんと、瞼の上は憧憬で、鼻にすると悪かったっていう意味になる地域もあるみたい」
唯「もっともっと!」
紬「も、もっと? え、えーと……」
唯「もうないの?」
紬「あるにはあるんだけど……」
律「なんだよ聞かせろよ〜」
梓「あの、私も聞きたいです」
紬「じゃあ……」
51 :
Ch.008 どこにキスを落とす?:2010/07/22(木) 15:59:11.01 ID:uTztHIdp0
紬「足元にするキスがあって」
唯「足!?」
紬「意味は確か……服従」
梓「ふ、服従……」
紬「それから腕と首へのキスは欲望を表してるとか」
律「よ、欲望……」
唯「…………そっか」
紬「あ、肝心なのを忘れてたわ。唇にするキスは愛情ね」
律「あ、あーそれは世界共通かもな」
梓「そ、そうですね」
唯「そうだね、じゃああずにゃん」
梓「は?」
52 :
Ch.008 どこにキスを落とす?:2010/07/22(木) 16:05:12.08 ID:uTztHIdp0
唯「唇にちゅーしようよ〜!」
梓「ぎゃーーーー!」
唯「首でもいい?」
梓「ちょっと! ムギ先輩の話聞いてなかったんですか!」
唯「いいじゃーん」
紬「うふふ」
律「はは……あれ? そういえば澪がやけに静かだな」
澪「」プシュー
律「おーいしっかりしろー」
紬「うふふ〜」
END
53 :
Ch.009 澪「ふふ……私のくしゃくしゃシーツ」:2010/07/22(木) 16:11:15.32 ID:uTztHIdp0
澪「ただいまママ」
澪母「澪ちゃんおかえり。ベッドのシーツ変えておいたから」
澪「もしかしてあのシーツ?」
澪母「そうよ」
澪「やったぁ!」
澪母「澪ちゃん昔からあのシーツ大好きねえ」
澪「だって気に入ってるんだもん」
澪「あのシーツは家にあるくしゃくしゃシーツの中でも一番触り心地がいいんだよ」
澪母「はいはい」
澪「着替えたら早速くしゃくしゃしよう」
54 :
Ch.009 澪「ふふ……私のくしゃくしゃシーツ」:2010/07/22(木) 16:17:24.04 ID:uTztHIdp0
澪「ふふ」ゴロン
澪「ああ……このシーツは寝心地も最高だな」
澪「そして……シーツの端の折り返して縫ってある部分」
澪「これがくしゃくしゃシーツの全てを決める!」
澪「この独特のタオルのような感触がたまらない……!」
澪「あああああぁぁ……」
くしゃくしゃくしゃくしゃ……
澪「ベッドに寝転がりながら手を上げてくしゃくしゃシーツの折り返し部分の端っこを掴む」
澪「ちなみに私は左利きだからこっちを」くしゃ
澪「そして……」
くしゃくしゃくしゃくしゃ
澪「指先でくしゃくしゃしながら端から端へ手を移動させる」
55 :
Ch.009 澪「ふふ……私のくしゃくしゃシーツ」:2010/07/22(木) 16:25:12.67 ID:uTztHIdp0
澪「あ、ああ……やっぱりこのくしゃくしゃシーツの感触は最高だ」
くしゃくしゃくしゃくしゃ
澪「10年来の友だしな……」
澪「あ! 今のでいい詞が閃いたぞ!」
澪「題名はくしゃくしゃ敷布(シーツ)!」
澪「キミを擦るといつもハートドキドキ」
澪「擦るシーツはマシュマロみたいにくしゃくしゃ」
澪「くしゃくしゃ敷布 くしゃくしゃ敷布 くしゃくしゃ敷布♪」
くしゃくしゃくしゃくしゃ
澪「ふふ……ふふふ……くぅ……」
END
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 16:25:35.09 ID:gp019YMfO
2次関数
57 :
Ch.010 唯がいない軽音部:2010/07/22(木) 16:30:33.81 ID:uTztHIdp0
梓「……」
律「……うりうり」ツンツン
澪「やめろ」
紬「……」
律「ほれほれー」ツネー
澪「やめろっていってるだろ!」
律「だってさー」
梓「……」
紬(りっちゃんは唯ちゃんを構えないから澪ちゃんにずっとちょっかい出してるし澪ちゃんはそれにイラッときてるし梓ちゃんは寂しそうだし……何かが足りない)
END
58 :
Ch.011 痴漢!:2010/07/22(木) 16:35:39.29 ID:uTztHIdp0
夕暮れ時のホームは帰宅途中の人で溢れ返っていた。
普段は電車の混雑する時間を避けているが、今日はすっかり忘れていた。
そのくらいカフェでのお喋りが楽しかったのかもしれない。
和は休日を利用して唯と隣町まで買い物に来ていて今はその帰り。
買い物を済ませた後に休憩のつもりでカフェに行ったらついつい話し込んでしまい、
その結果帰宅ラッシュに巻き込まれた。
「和ちゃん今日は楽しかったね」
「そうね、有意義な一日だったわ」
そう言う和の両手には買い物袋が掛かっている。
こんな状態で満員電車に乗るのは気が引けるだろう。
唯と話していると電車はすぐにやってきた。
電車の中にはそこそこ人が乗っている。
これで私達が乗ったらぎゅうぎゅう詰めなのだろうなと和は思った。
「唯、もし逸れてもちゃんと一人で電車から降りるのよ」
「もー大丈夫だよー」
59 :
Ch.011 痴漢!:2010/07/22(木) 16:40:49.69 ID:uTztHIdp0
電車に乗ると和の予想通りの混雑具合だった。
後から乗る人達がどんどん押し込んでくるので和は反対側の扉まで来てしまう。
そして予想通り電車内で唯と逸れてしまった。
忠告しておいて良かったと和は思う。
電車の扉が閉まりゆっくりと発進し始める。
和は首が動く範囲で唯を探したが見つけることが出来なかった。
周りは彼女達よりも背の高い大人が殆どなので仕方がない。
扉に張り付いていては電車の広告も見ることが出来ないので諦めて外の景色を眺めることにした。
ぼーっと外を眺めていると、ふと我に返った。
それからまた外を眺める。また我に返る。
それが三回続いたところで和の中に不安が過った。
一度目は全く気にしなかった。
二度目はさほど気にしなかった。この混み具合だし荷物が当たったのだろう。
三度目に全く同じ部分を撫でられてこれはおかしいと気付く。
三回の確認で無反応だったことでいけると判断したのか、四度目は手の感触だとわかるほど不躾に撫でてきた。
混んでいて後ろを確認することができない上に両手が塞がっていて防ぐ事も出来ない。
恐怖と羞恥が身体を覆う。
和は震える顎で溜息を吐いた。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 16:43:22.94 ID:zDDjoH4f0
唯でしたオチ
61 :
Ch.011 痴漢!:2010/07/22(木) 16:45:55.79 ID:uTztHIdp0
尻を撫でる手は止まらない。
和は声を出そうともしたが、一駅で地元に到着するという事ともし声を出して大事になれば帰る時間も遅くなるし唯にも心配をかけてしまうと思い我慢する事にした。
せめてもの抵抗として身を捩るが効果は無かった。
せっかく今日はいい気分だったのに。
和の気持ちが陰る。
そんな事はお構いなしの不躾な手は次第に撫でる範囲を広げていく。
最初は尻というよりも骨盤を撫でていたのに今は両方の下尻を撫でたり尻の割れ目に指を這わせたりしている。
その行為は留まる所を知らず、スカートの中にまで手を入れてきた。
「ちょっ……やめ……」
流石に声が漏れた。
が、それは誰の耳にも入らない。電車の音の方が大きかった。
和は短くて生地が薄いスカートをはいてきたことを後悔した。
手がいやらしく這いずる度にぞわっとする。
特に尻の割れ目をなぞられると身震いしてしまう。
身体が熱いのか冷たいのか分からないのに冷や汗が出てくる。
「っ……く……」
和は早く駅に着くことを祈った。
62 :
Ch.011 痴漢!:2010/07/22(木) 16:50:56.74 ID:uTztHIdp0
窓からは見慣れた地元の景色が見える。駅まであと少し。
車内にまもなく到着するというアナウンスが流れた。
それを聞いて安堵しかけた時、和の身体がビクンと跳ねた。
左の脇の下を触られて驚いたからだ。
痴漢は背後から右手で尻を、左手は脇の下から胸に手を滑らせていた。
痴漢の左手は大きさを確かめるように和の胸を揉んだ。
「ふあっ……やだ……」
あと少しでここから逃げられるのに。
最後まで最悪な痴漢だ。
電車の速度が落ちて駅のホームが外から見えると次第に恐怖が薄れてきて、代わりに怒りが沸々と沸いてきた。
ここまでいいようにされて悔しかったし、一歩間違えばこの最悪な事態に唯が巻き込まれていたかもしれない。
そう思うとタダでは済ませたくなかった。
痴漢はまだ和の身体を触っている。
和は足を動かして痴漢の足の場所を探す。
電車はゆっくりと停車して和がいる方のドアが開いた。
その瞬間、和は真後ろにいるであろう痴漢の足に向かって思い切り踵を落とした。
「いだあぁっ!」
63 :
Ch.011 痴漢!:2010/07/22(木) 16:55:57.95 ID:uTztHIdp0
(してやったわ。それにしても随分かわいい声ね……え?)
何かに気付いた和が駅のホームに下りて振り返ってみると、そこには涙目になりながら右足を引きずって和についてくる親友の姿が。
「……は?」
「いたたた……」
「何してるの?」
色んな意味で聞いてみた。
「だって和ちゃんが足踏むからぁ……」
「唯、私の真後ろにいたの?」
「そうだよ〜。あ、和ちゃんおっぱいおっきくなった?」
和は目を瞑ってプルプルと震えている。
唯はハッとして必死に和に詫びを入れたが暫く許してもらえなかった。
END
64 :
Ch.012 秘密:2010/07/22(木) 17:00:58.83 ID:uTztHIdp0
部室
律「どしたんだよムギ。さっきから窓眺めて」
紬「……校門の辺りに不審者がいる」
唯「えっ何々? ……え、なんか先生と喧嘩してる?」
澪「……ほんとだ。しかもあれは部外者だな」
梓「大丈夫でしょうか……」
澪「仕方ない。私が行って来るよ」
律「……澪?」
澪「みんなには黙ってたけど私……実は生徒会特務執行部に所属しているんだ」
紬「えっ! 生徒会を影から支えていると噂される幻の執行部……本当に存在していたんだ」
澪「そういうわけだ。ちょっと行って来る」
唯「澪ちゃん頑張って!」
65 :
Ch.012 秘密:2010/07/22(木) 17:06:11.97 ID:uTztHIdp0
唯「あ、澪ちゃんが見えた!」
律「どれどれ……おお、あっという間に取り押さえた。やるじゃん」
紬「……ん? みんなあれを見て! 不審者から触手が生えてきてる!」
唯「ああっ! 澪ちゃんが触手の餌食に……」
梓「……みなさんここを動かないで下さいね。私が何とかしてきます」
律「何とかって……」
梓「皆さんには黙っていましたが私……魔法が使えるんです」
唯「魔法少女!」
梓「その通りです。あ、変身するんで後ろ向いててください」
チロリーン
梓「よし。行って来ます」
唯「あずにゃん頑張って!」
66 :
Ch.012 秘密:2010/07/22(木) 17:11:20.92 ID:uTztHIdp0
唯「あずにゃんが負けた」
律「私が行くしかないか……変・身 ブイスリャー!」
律「私実は改造人間だったんだ。ちょっと行って来る」
唯「りっちゃん頑張って!」
紬「倒した! ……と思ったら巨大化しちゃった」
紬「ここは私の出番ね。私実は宇宙人なの……デュワッ!」
唯「ムギちゃんが巨大化した! 頑張れムギちゃん!」
唯「おおっムギちゃん強い! ……あれ、倒したと思ったら膨らんでいく」
唯「まさか……自爆する気なの?」
唯「……これしか方法はないみたいだね」
澪梓律紬「唯……?」
唯「バイバイみんな」
ピシュン
唯「ごめん界王さま。ここしかなくっ――」
END
67 :
Ch.013 フェノールフタレイン:2010/07/22(木) 17:16:49.18 ID:uTztHIdp0
唯「はあ……いいお湯」
唯「ん……はぁ」ブルッ
唯「……あっあれ? 浴槽のお湯がピンク色に……」
ガラッ!
憂「お姉ちゃん!」
紬「唯ちゃん!」
唯「!?」
憂「やっぱり湯船でおしっこしてたんだね!」
紬「お湯にフェノールフタレインを混ぜておいたのよ。どちらかと言うと速やかに身体を洗い直した方がいいわ」
唯「あう……ばれちゃったか」
憂「もう〜お姉ちゃんてばっ」
唯「ごめんなさい」
END
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 17:18:22.55 ID:+bdp6ODP0
(。♋ฺ‸♋ฺ。)
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 17:21:42.61 ID:92sULwDNO
後87話
70 :
Ch.014 カクテル:2010/07/22(木) 17:21:53.23 ID:uTztHIdp0
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 17:24:51.02 ID:+bdp6ODP0
(。♋ฺ‸♋ฺ。)(先走っちゃった……)
72 :
Ch.014 カクテル:2010/07/22(木) 17:26:54.97 ID:uTztHIdp0
梓「確かに」
唯「ええっ!?」
律「唯にはちょっと大人っぽさが足りない」
唯「そんなあ」
律「澪ちょっと歌ってみてよ」
澪「ええっ……じゃ、じゃあ……
ttp://www.youtube.com/watch?v=3sbl95K5RcE」
紬「確かに」
唯「あう……」
紬「あ、で、でもListen唯ちゃんなら似合うかも!」
律「あーそれはあるな。ちょっと切ない歌詞が合いそうだ。でも澪かな」
梓「そう考えると甲乙付けがたいですね。でも澪先輩です」
唯「しどい……覚えてろよー!」
END
73 :
Ch.015 吐血:2010/07/22(木) 17:31:55.31 ID:uTztHIdp0
律「今度のライブは澪がボーカルやったらどうだ?」
澪「わ、私は無理だよっ」
律「いけるって。んじゃボーカルは澪で決ま――」
澪「ガハァ!」
唯「澪ちゃん!?」
紬「大変! 澪ちゃんが血を吐いた!」
澪「わ、私にボーカルは……むり……」
律「こいつ都合が悪くなると吐血するんだよ」
唯「えっ?」
澪「ガハァ!」
END
74 :
Ch.016 澪「悪夢が終わらない」:2010/07/22(木) 17:38:02.86 ID:uTztHIdp0
澪「寝ようか」
律「そうだな」
澪「律」
律「ん?」
澪「寝るんだからな」
律「わかってますって」
澪「じゃあお休み」
律「お休み」
澪「……」
律「……」
澪「……」
律「……フヒッ」
75 :
Ch.016 澪「悪夢が終わらない」:2010/07/22(木) 17:43:20.13 ID:uTztHIdp0
澪「……おい」
律「なんでもねーよ」
澪「……」
律「……」ゴソゴソ
澪「……」
律「……ヌーブラヤッホー」もみっ
澪「だああああっ!」
律「きゃん」
澪「寝ろよ!」
律「悪かったって。今度こそ本当に寝るよ。おやすみ」
澪「……おやすみ」
律「……」
澪「……」
76 :
Ch.016 澪「悪夢が終わらない」:2010/07/22(木) 17:48:29.14 ID:uTztHIdp0
律「……」コソコソ
澪「……くー」
律「……地震だー!」ユサユサ
澪「うおおっ!?」
律「ぶっひゃっひゃ!」
澪「寝ろって言ってるだろ!」
律「すまん、今度こそ絶対寝る」
律「絶対だ!」
澪「……」
律「……フヒッ」
END
77 :
Ch.017 唯「でふじゃむ!」:2010/07/22(木) 17:53:58.82 ID:uTztHIdp0
唯「みんないらっしゃーい。ゲームしよ〜」
律「おー!」
紬「やるやる」
梓澪「えっ」
梓「今日何の集まりでしたっけ……」
澪「合宿の打ち合わせのはず……」
律「唯ってどんなゲームするんだ? アクアノートの休日とか?」
唯「今やってるのは格ゲーだよ。結構好きなんだ〜」
唯「KOFとかバーチャとか〜」
律「えっと……今やってるこのHIPHOPな方達がバトルしてるのは何だ?」
唯「でふじゃむ!」
END
78 :
Ch.018 澪「私はそんなに魅力が無いか……?」:2010/07/22(木) 17:59:59.67 ID:uTztHIdp0
澪「私はそんなに魅力が無いか……?」
律「えっと……はえ?」
澪「だって、私がどれだけアプローチしても……」
律「いやだから何の話だよ?」
澪「それなのに……二人でいる時は急に優しくなるんだもん……ずるいよ!」
唯梓「へたれー」
律「なんだお前ら!?」
紬「もたもたしてると私が澪ちゃんにコクっちゃうよ!?」
律「え、えー……」
紬「……だめね。撤収」
唯梓「へたれー」
澪「甲斐性なしー」
律「いわれのない中傷とは。いわれのない中傷とは波動拳である」
END
79 :
Ch.019 紬「ティータイムオブザデッド」:2010/07/22(木) 18:07:13.62 ID:uTztHIdp0
このショッピングセンターに来てからどれくらい経ったっけ。
屋上でぼんやりと空を眺めながらそんな事を考える。
いろんなことがあったから随分昔からいるような気がするけれど実際のところは……ええと、忘れちゃった。
覚えているのはここに来た日も今日みたいにぽかぽかしたいい天気だったということ。
いつものように部室でお茶をしていると外から悲鳴が聞こえてきて、窓から外を見るとあちこちで煙が立ち上がっていて、校庭にはゾンビがうろうろしているっていうよくある話。
友達や先生が死んで、殺して、殺されて。
そんな中で私達軽音部の5人が無事なのは不幸中の幸いって言えるのかも。
みんなと協力し合って右往左往命辛々、ショッピングセンターに逃げ込んで立てこもることが出来た。
ここには食料や生活用品もあるし中にゾンビは入ってこられないから立てこもるのには打って付けだったの。
そう考えたのは私達だけじゃなかった。
だから私達以外にもショッピングセンターで一緒に立て籠もっている人達がいる。
その人達と協力しながら今まで何とかやってこられたけど、この先どうなるかは全く分からない。
耳に僅かに届く「ウー、ウー」という呻き声も今では殆ど気にならなくなっちゃった。
多分みんなそう。澪ちゃんだって怖がってないもの。
立て籠もって最初の頃はみんな怯えたり怒っていたり、おかしくなっちゃう人もいたけれど。
最初の頃か……。
ここに来てからの最初に起こった事件て言ったら、やっぱり澪ちゃんのことよね。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 18:12:15.82 ID:KyCtiQPi0
支援
81 :
Ch.019 紬「ティータイムオブザデッド」:2010/07/22(木) 18:14:26.62 ID:uTztHIdp0
ショッピングセンターで迎えた二日目の夜。
私達5人は家具屋のベッドで寝ていたのだけれど、澪ちゃんとりっちゃんがトイレに行ったの。
りっちゃんのトイレに澪ちゃんが付き添う形でね。
ここからは聞いた話なのだけど、澪ちゃんが一人で待っている間に一緒に立て籠もっている大学生の男性の方に言い寄られたらしいの。
言い寄られたというか無理やり……。
どうせ助からないから、とかそんな事を言いながら。
でもそこに颯爽と表れるりっちゃん!
有無を言わさずその大学生にドロップキックして撃退。後日しっかり謝罪させたの。
あぁ、りっちゃんは最高ね。
その後は泣きじゃくる澪ちゃんを宥めてからふかふかのダブルベッドで二人仲良く就寝。
思えばみんなが変わってしまったのはこの事件以降だったのかもしれない。
この事件以降澪ちゃんは変わったわ。
その事件から1週間くらい経った頃、澪ちゃんとりっちゃんがいつものようにベッドで寝ていたのだけれど、暫くして二人でトイレに行ったの。
その帰りが遅かったから私は気になって二人を探しに行ったの。そしたら少し離れたベッドで二人の話し声がして。
好奇心に負けた私は二人の声を聞き取れる距離まで行って……盗み聞きしちゃった☆
正確には覚えていないけれど、要約すると……
「律……私律のことが」
「な、何言ってんだよ」
「私律となら……」
「おっおい、やめ……アッ」
大体こんな感じね。
82 :
Ch.019 紬「ティータイムオブザデッド」:2010/07/22(木) 18:22:03.26 ID:uTztHIdp0
当然澪ちゃん達はそのことを黙っているから、澪ちゃんの心境の変化は自分で想像するしかなかったのだけれど。
この状況と、先日の事件と、寂しさと……きっとそれらが澪ちゃんを変えちゃったと思うの。
そしていつしかそれに答えるりっちゃん。
本人同士が良ければいい、のかな。
本人同士が良ければいいと言えばもう一組。
澪ちゃん達がそういう関係になってから直ぐの事ね。
夜中に誰かの声がして目が覚めたの。
その声の主は梓ちゃん。それもすすり泣く声。
私が梓ちゃんの元へ行こうとした時、今度は唯ちゃんの声がしたから一先ず様子を見ることにしたわ。
唯ちゃんが梓ちゃんのベッドに入って問うと、両親の事を思い出していたとのこと。
そうよね、この状況で両親のことを心配しないはずない。それに梓ちゃんは寂しがりや。泣いてしまうのも無理ないわ。
そうやって話していたら梓ちゃんも落ち着いてきたみたいで唯ちゃんに泣き顔を見られるのが恥ずかしくなったのね。梓ちゃんたら唯ちゃんに背を向けて寝始めたの。
そんな梓ちゃんを見て唯ちゃんが梓ちゃんの背中に抱きつく。
それからたっくさんの元気が出る言葉をかけて、それから……何を思ったのかしら。
「あずにゃんの事、慰めてあげるね」
って言い出して突然……。
その発想はなかったわ。
さらにまんざらでもない梓ちゃん。
死とそれ以上のものを見てきて二人にどんな変化が訪れているのか。
この前の澪ちゃん達の事も思い出して改めて考えたけれど、分からなくなってきちゃった。
今まではそんな事なかったのに。
83 :
Ch.019 紬「ティータイムオブザデッド」:2010/07/22(木) 18:29:55.11 ID:uTztHIdp0
そしてみんなの行動はさらに私を混乱させる。
あれは天気のいい昼下がりの午後。
昼食を取ってからみんなで屋上へ行って日向ぼっこする予定だったのだけれど。
「りっちゃ〜ん重たいよ」
「がんばれーもう少し!」
何故か唯ちゃんとりっちゃんは屋上にダンベルを持って来たの。
それで何をするのか。聞かなければ良かったかも。
「これを落っことして下にいる奴らに食らわせるんだよ」
「ただ落とすだけじゃ詰まらないからな、最初に当てる奴を決めてそいつを狙ってダンベルを落とす!」
「ふんす!」
二人とも本気だった。
彼らだって元々は私達とおんなじ人間だったのに。
二人はそれを知っているでしょ? そんな事を聞いても特に反論しない澪ちゃんに梓ちゃんも。
結局私も二人を止める事はしなかった。
変わっていない私が悪い気がして。
84 :
Ch.019 紬「ティータイムオブザデッド」:2010/07/22(木) 18:41:48.01 ID:uTztHIdp0
寝る前にトイレへ行く途中、二日に一回はギシギシという音と男女の声が聞こえてくる。
ショッピングセンターで私達以外に立て籠もっている人。
姿は見えないけれど、朝たまに顔を合わせるあの二人だろう。
その人たちは元々赤の他人だったらしい。
それに日中はあまり一緒にいるところを見かけないのに夜になるとこうなっているの。
どうしてかと考えて割りと直ぐに見つかる答えは私には理解できないもので……。
そんなことを考えるのはやめてトイレへ。
その帰り道、今度は別の場所から女女の声が聞こえる。
これはりっちゃんと澪ちゃんの声ね。
何故だか溜息がもれて、それからちょっと近付いてみようと思って物陰に隠れながら様子を窺う。
別に見たかった訳ではないけれど、二人はどんな感じなのかが気になった。
息を潜めていると別の方向から足音が聞こえる。
いけない、誰か来ちゃった。
足音がした方を覗く。そこにいたのは何時ぞやの大学生の男性だった。
覗きかとも思ったけれど、彼は近くに来るまで全く気付いていなかったらしい。
二人と一人が同時に気付く。
「あっお前!」
りっちゃんの先制攻撃。また襲いに来たのか、それとも覗きかと、彼に罵声を浴びせる。
彼は必死に弁明している。元々は気の強くない人なのだろう。それがこの状況で希望をなくして、絶望に潰されないように、死ぬ前に……みたいな事を考えてしまったのかしら。傍迷惑な気の迷い、かな。
現に彼とは数回挨拶をしたけれどとてもそんな事をするようには見えなかったし、その数回全てで私にも謝罪をしていた。
それに一人でいるところを良く見る。
85 :
Ch.019 紬「ティータイムオブザデッド」:2010/07/22(木) 18:55:03.00 ID:uTztHIdp0
りっちゃんと澪ちゃんにもそれが分かっていたのかな。
きつめの罵声を飛ばしていたりっちゃんだけれど、澪ちゃんが遮るとあっさり止めた。
彼は一言謝ってその場を立ち去ろうとする。
そこで何を思ったのか、澪ちゃんが彼を引きとめたの。
「貴方も……こっちに来る?」
ぎょっとする私とりっ……りっちゃんは「え〜」と言っただけだった。
澪ちゃんは何を言っているのか分かっているの?
りっちゃん、もっと驚いて、それからもっと否定して。
理解できない。
今までそこにいる三人の事を考えていたけれど、私の考えは全くの見当違いだったのかも。
それから彼と澪ちゃんはいくつか言葉を交わして、彼が踵を返したところで私はこの場から逃げた。
その日は中々眠れなくて、次の日の私達五人は全員寝不足だった。
86 :
Ch.019 紬「ティータイムオブザデッド」:2010/07/22(木) 19:04:16.72 ID:uTztHIdp0
それからこれは先週の割とまともな話。
みんながエンジョイしているように見えるこのショッピングセンター。それにも陰りが見え始めてきていたの。
一向にいなくならないゾンビ。
全くこない救援。
減っていく食料。
そんな中で生活していてみんな気が滅入ってきたのだ。
不意に誰かがここから出たいと言い出す。
当然同意の声が聞こえるけれど、出てどうするというもっともな意見が帰ってきて誰も答える事ができない。
「はぁー……ムギちゃんちの船があればどこにでも行けるのにね」
これは鶴の一声って言うのかな?
とにかくその一言が発端になってあれよあれよと計画が纏まっていったの。
私の家が所有しているクルーザーのある港まで行って、そこからクルーザーで島を目指す。
そこには何の保証もないけれど、それよりも今の状況を打開したい。
軽音部含めみんながその意見だったわ。
私もその計画に同意したけれど少し置いていかれた気分だった。
私の目にはみんな少なからず楽しんでいたようにも見えていたから。
でもそうじゃなかったみたい。
ともかくこの計画の準備は早速始まる。
移動手段の車の確保に武器の確保……。
計画遂行は一週間後。
長い時間を過ごしたと錯覚させるこのショッピングセンター。
出来ればもっと楽しい気持ちで来たかったな。
他にも色々な事があった。それを思い出そうとしたところで屋上の扉が開く。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 19:09:14.33 ID:TdTHXTXEO
早送りできないかな
88 :
Ch.019 紬「ティータイムオブザデッド」:2010/07/22(木) 19:14:21.67 ID:uTztHIdp0
「あっいたいた、ムギちゃーん出発する前にお茶にしようよ!」
振り返ると軽音部のみんながいて、手には各々お茶会に必要なものを持っている。
「今日は天気がいいから屋上でお茶にしようってことになったんだぁ」
自然に笑う唯ちゃんを見ていると呻き声なんか耳に入ってこなくなる。
その表情はこうなる前の日常と変わらないように見えるけれど、本当は違う。
みんな変わってしまった。
そして私は変わっていない。
それが疎外感を感じさせる。
そのことが悲しくて私も変わってしまいたいと思う反面、このままでいたいとも思う。
みんながお茶会をしようって言ってくれて、その代わらない部分に安心しつつ唯ちゃんに返事をする。
「そうね、今日から当分お茶会出来ないかもしれないし今日はガッツリ飲もー!」
「おおー!」
みんなからティーセットやポットを受け取っていつものように準備を始めて。
お茶会の間も私はみんなに気を配る。
いつものように。
変わらないように。
89 :
Ch.019 紬「ティータイムオブザデッド」:2010/07/22(木) 19:20:22.38 ID:uTztHIdp0
今私がしている事は変わってしまったみんなに届くのかな、なんて考えていると
「ムギちゃんの入れるお茶はいっつもおいしーね」
「今日はこれから大変だってのにムギはいつも通りだな」
なんて事を言われちゃった。
嬉しかった。
ふと改めてみんなを見てみると、唯ちゃん以外はどこか緊張しているように見えた。
今みんなの考えている事を予想する。それが合っているのかどうか今の私にはわからない。
以前なら、
唯ちゃんはゾンビの事を忘れてクルージングのことばっかり考えていて、
澪ちゃんはやっぱり怖がっていて、
りっちゃんはそんな澪ちゃんを元気付けようとしていて、
梓ちゃんはそんな先輩達にいつも通りを感じているはず。
みんなが変わってしまった今は何を考えているのか正確に把握できない。
私も変わる事ができたらみんなの考えている事が分かるのかな。
そんなことを考えながらいつもの楽しいお茶会の時間は過ぎていきます。
END
90 :
Ch.020 夜の合図:2010/07/22(木) 19:26:06.55 ID:uTztHIdp0
律「ムギの別荘は居心地いいな」
唯「だね」
紬「みんな〜今日はウィンナーコーヒー入れてみたんだけど」
唯「おいしそー!」
梓「いただきます」
律「たまにはこういうのもいいな」
澪「うん」
ズズッ
澪「!!」
91 :
Ch.020 夜の合図:2010/07/22(木) 19:33:04.67 ID:uTztHIdp0
澪(私のだけクリームが山芋おろしになってる……!)
紬「……」チラ
澪(今夜か……)
澪「ムギ、おいしいよ」
紬「ありがとう♪」
律「ところでさ、どうしてウィンナーコーヒーって言うんだろうな」
紬「あ、それはね……」
唯「よさこい!」クネクネ
紬「!!」
92 :
Ch.020 夜の合図:2010/07/22(木) 19:38:05.17 ID:uTztHIdp0
紬(なんてことっ! まさか唯ちゃんからお誘いがあるなんて……)
紬(どうしよう……ブッキングしちゃった)
律「ムギ?」
紬「あ、ウィンナーはオーストリアのウィーンから来てるのよ」
律「へえ〜」
梓「そうだったんですか……いち、にっ、さん、しっ」
澪「どうした梓?」
梓「ちょっと指の運動がしたくなっちゃって」
唯「!!」
93 :
Ch.020 夜の合図:2010/07/22(木) 19:43:09.55 ID:uTztHIdp0
唯(えっ……どうしよう私もうムギちゃんに合図送っちゃったよ!)
唯(まずい……まずい……)
律「どしたー唯?」
唯「へあっ? なんでもないよ」
律「本当かー? どうせ夜ご飯の事でも考えてたんだろー?」
唯「そんな事ないよー」
律「今日はバーベキューだからなー」
律「……」
律「キャベツうめー!」
梓「!!」
94 :
Ch.020 夜の合図:2010/07/22(木) 19:48:21.50 ID:uTztHIdp0
梓(それはさりげなく会話に混ぜたつもりなの?)
梓(律先輩ってば二日連続だなんて……油断してた)
梓(どっどうしよう……)
澪「なんだよキャベツうめーって」
律「いや美味いじゃんキャベツ」
澪「そうじゃなくて唐突すぎるだろ」
律「うるせーキャベツみたいな胸しやがって」
澪「うるさいっ」
ゴチン
律「!!」
澪「あっ」
95 :
Ch.020 夜の合図:2010/07/22(木) 19:53:30.56 ID:uTztHIdp0
律(ま……まさか澪から誘ってくるとは……)
律(タイミングが悪すぎるぞ澪)
澪(しまったああああああ)
澪(ついやっちゃった……ムギが合図送ってたのに……)
澪(どうすればいいんだ……)
澪律梓唯紬「ああああ……」
澪律梓唯紬(今度から断りの合図も考えておこう……)
END
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 19:57:30.55 ID:HInRXGVqO
山芋おろしはねえだろwww
97 :
Ch.021 市長!:2010/07/22(木) 19:58:34.35 ID:uTztHIdp0
唯「市長になりました!」
憂「おめでとうお姉ちゃん!」
唯「あれ、どうして憂がここに?」
憂「私はDr.ウイとしてお姉ちゃんの街づくりを支える助役になったの」
唯「ありがとー憂」
憂「えへぇ」
唯「ところで何から始めればいいのかな?」
憂「まずは発電所を作ったらどうかな。発電所は火力と原子力があるよ」
唯「オッケーイ」
唯「とりあえず最初だし大盤振る舞いしちゃおう。原子力発電所建てちゃうぞー」
憂「次は住宅地区、商業地区、工業地区の開発だよ。交通機関と電線も忘れずにね!」
唯「まあ適当に……街の外側を工業地帯、真ん中を住宅地帯、中間に商業地帯でいいや」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 20:00:11.31 ID:KyCtiQPi0
ゾンビは脱出まではやらなかったか
宿題くらいやっておいてくれないか。僕は忙しいんだ。
100 :
Ch.021 市長!:2010/07/22(木) 20:03:44.94 ID:uTztHIdp0
憂「警察署と消防署も建ててね」
唯「警察は大事だね! ……あ、警察署建てすぎたらお金なくて消防署建てられなくなっちゃった」
憂「……」
唯「どうしようういー」
憂「と、とにかく町の発展を待って収入を待とう!」
唯「はーい」
唯「……」
唯「暇だな……憂〜お菓子とかないかな?」
憂「あ、うん……」
101 :
Ch.021 市長!:2010/07/22(木) 20:08:48.26 ID:uTztHIdp0
憂「お姉ちゃん収入があったよ!」
唯「やった! それじゃあさっそくカジノでも……」
憂「あ、お姉ちゃん大変! 道路が渋滞してる!」
唯「渋滞くらい仕方ないよ」
憂「駄目だよ! 放っておいたら街の人口が減っちゃうよ!」
唯「ええ……」
憂「あ、お姉ちゃん大変! 道路が渋滞してる!」
唯「さっきも聞いたよ」
憂「あ、お姉ちゃん大変! 道路が渋滞してる!」
唯「……」
ガガガガガガ
憂「ああっ! 道路を根こそぎ破壊してる!」
102 :
Ch.021 市長!:2010/07/22(木) 20:13:50.61 ID:uTztHIdp0
唯「もうこの街に道路はいらない。鉄道だけでいいじゃん」
憂「そんなぁ」
唯「後は遊べるところが多いと楽しいから公園を増やそう」
憂「あ、港と空港の建設を要求されたよ」
唯「ええー大出費だよ!」
憂「でも建設しないと街が大きくならないよ」
憂「でも公害も酷いから注意して建設してね」
唯「……もうここでいいや」
憂「離れ小島!? こんな所まで電線ひくの?」
唯「電線はいいや。一応建設したからいいよね」
憂「ええっ!?」
唯「後は適度に住宅、商業、工業地区を増やしてっと」
唯「暫くはこの調子で行くぞー」
103 :
Ch.021 市長!:2010/07/22(木) 20:18:51.44 ID:uTztHIdp0
憂「こ、こんなので人口が増えるわけ……」
憂「嘘っ!? もう60万人!?」ドビーン
唯「やったあ!」
憂「ど……どうして……」
唯「やっぱり公害と犯罪発生率を最小限に抑えて地価を上げることに成功したからかな」
憂「……えっ?」
唯「そういえばさっきマリオの銅像を貰ったんだけどどこに建てようか?」
憂「あ……好きなところでいいんじゃないかな」
唯「うーん……じゃあ人口が伸び悩んでる過疎地に建設するよ。これでもっと人口が増えるぞー」
憂「もうDr.ウイは必要ないんだね……」
唯「そんな事ないよ」
憂「えっ?」
唯「だってDr.ウイがいないと寂しいじゃない? (ちょっとうるさいけど)」
憂「お姉ちゃん……ありがとう! 市長万歳!」
END
104 :
Ch.022 さわ子「エレベーター」:2010/07/22(木) 20:24:00.67 ID:uTztHIdp0
さわ子「はー疲れた」
さわ子「……今日もエレベーターに乗ろう。最近階段使ってないわね」ポチ
ガー
さわ子「4階……っと」ピッ
さわ子「ふう」
さわ子「……あ、あら?」
ピンポーン ガー
さわ子「なんで5階に? 4階だってば」ピッ
ガー
さわ子「……」
ピンポーン ガー
さわ子「3階についた……なんなのよもう」ピッ
ガー
105 :
Ch.022 さわ子「エレベーター」:2010/07/22(木) 20:29:14.32 ID:uTztHIdp0
さわ子「今度は6階……」ガクガク
さわ子「部屋まで辿り着けない……」ピッ
ガー
さわ子「お願い4階について!」
ピンポーン ガー
さわ子「また3階……どうしよう」
さわ子「そうだ! 階段を使えばいいんじゃない!」
さわ子「これなら確実に4階に行ける!」
タッタッタッタッ
さわ子「やったわ! 私の部屋に着いた」
ガチャ
さわ子「えっ……何この部屋……私の部屋じゃない!」
さわ子「部屋番号も合ってるのに……どうして……」
さわ子「いやああああああああああああああああああ!!!!」
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 20:33:46.04 ID:VW4imTuW0
しえん
107 :
Ch.022 さわ子「エレベーター」:2010/07/22(木) 20:36:08.27 ID:uTztHIdp0
ガタンッ
唯「うひゃあ!」
さわ子「……あ」
紬「大丈夫ですか先生」
さわ子「え、ええ……あ゛ー嫌な夢見たわ」
唯「どんな夢?」
さわ子「エレベーターが私の部屋の階に止まってくれないの。恐怖だわ」
唯「あはは」
さわ子「笑い事じゃないわよ。本当に怖かったんだから」
さわ子「まあ、この恐怖はマンションに住んでないとわからないかもね」
END
108 :
Ch.023 放課後トマランナー:2010/07/22(木) 20:41:47.96 ID:uTztHIdp0
さわ子「マラソン大会の本当の目的は町興しよ」
さわ子「でもそんなことはどうでもいいの」
さわ子「単に放課後ティータイムが人力バトルレースをしたかったのだよ」
さわ子「どんな手を使っても相手より先にゴールすれば勝ち」
さわ子「スリー」
さわ子「ツー」
さわ子「ワン」
さわ子「GO!」
109 :
Ch.023 放課後トマランナー:2010/07/22(木) 20:46:50.38 ID:uTztHIdp0
梓「YYD!」
唯「よっしゃあ!」
澪「はああっ!」
律「おりゃあ!」
紬「……」
さわ子「さあ始まりました校内マラソン大会。先頭を切ったのは2年中野梓、続く2番手は平沢唯、外から秋山澪、こ
れを追って田井中律、後は琴吹紬」
澪「……唯ごめん」
唯「へっ?」
さわ子「おおっと澪ちゃんの裏拳が唯ちゃんに直撃……いや! 梓ちゃんが唯ちゃんをかばった!」
梓「うぎぃ!」
唯「あずにゃん!?」
110 :
Ch.023 放課後トマランナー:2010/07/22(木) 20:51:58.17 ID:uTztHIdp0
律「チャンス! スティックパンチ!」
梓「いたっ!」
紬「コルグトリトンスマッシュ!」
梓「おげぇ!」
唯「あ、あずにゃん! しっかりして!」
梓「ゆ……ゆいあずは……ふめつ……で……ガク」
唯「にゃああああああああん!!」
唯「私あずにゃんの分も頑張るよ!」
111 :
Ch.023 放課後トマランナー:2010/07/22(木) 21:04:57.18 ID:uTztHIdp0
唯「待てー!」
律「もう追いついてきやがった」
律「スティックパンチを食らえ!」
唯「なんの! ミサイルを食らえ!」
バシュウ
律「ぎゃああああああ!」
紬「ぎゃああああああ!」
澪「これでも食らえ!」ブンッ
唯「なにおー!」ドゴン
澪「ぐぷ……」
唯「今がチャンス! Oh Yeah!」
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 21:06:19.80 ID:KyCtiQPi0
シムシティ懐かしいなw
113 :
Ch.023 放課後トマランナー:2010/07/22(木) 21:17:31.42 ID:uTztHIdp0
唯「っていうゲームに出演して下さいってオファーがあったけどどうしよっか」
澪「却下」
梓「嫌です」
律「いいじゃん面白そう!」
紬「アクションでレース! 素敵!」
唯「サンプル品貰ってきたからみんなでやろうよ」
唯「前に出演したアーティストのバージョンなんだってさ」
律「へえ〜さっそくやろうぜ」
紬「私にもやらせて〜」
澪「あっ……私もやる」
梓「ええっ!?」
梓「……」
梓(……私もやりたい)
END
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 21:19:59.29 ID:rYGS5I7d0
塾終わった〜
残っててよかった^^
じゃ支援!
115 :
Ch.024 澪命:2010/07/22(木) 21:29:32.25 ID:uTztHIdp0
唯「あずにゃんのギターかわいいね! ……ん? 何この絵?」
梓「ああ、これは初音ミクっていうキャラです」
澪「痛楽器!?」
梓「あ、澪先輩知ってますよね?」
澪「冒涜だ……」
梓「へ?」
澪「楽器に対する冒涜だーー!」
梓「きゃあ!」
澪「どうせシールかなんかだろ!? 剥がせ! 今すぐ剥がしてしまえ!」
唯「ええーいいじゃんかわいいよ。それにシールなら私も張ってるよ。ほらこれ。Doooraemooooon」
澪「そんな……」
116 :
Ch.025 軽音部の一番長い日:2010/07/22(木) 21:43:05.39 ID:uTztHIdp0
唯「ああ……遂にこの日がやってきてしまった」
澪「今日って何かあったっけ?」
唯「ほら、夏至だよ」
澪「それがどうかしたのか?」
唯「考えてみてよ。今日から段々日が短くなっていくんだよ。つまりもう冬へのカウントダウンが始まっているんだよ」
澪「いやいや……まだ夏だから」
唯「ああ……夏至を過ぎたら今年ももう終わりだよ」
澪「なんでやねん」
END
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 21:44:21.38 ID:rYGS5I7d0
これ今日じゃ終わらなくね?
118 :
Ch.024 澪命:2010/07/22(木) 21:53:08.78 ID:uTztHIdp0
>>115 紬「実は私も〜」
澪「何だよこの沢庵マークは!? KORGとTRITONのロゴの上に貼るとか正気の沙汰じゃないだろ!!」
澪「律! 律はそんなことしてないよな!?」
律「うえっ!? も、もちろーん!」
澪「よかった……みんな、それ剥がそう」
唯梓紬「ええ〜」
律「言えない……スティックにあんな事が書いてあるなんて言えない……」
END
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 21:54:29.23 ID:rYGS5I7d0
澪命って書いてあるんじゃね?
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 21:58:15.24 ID:GVrX8/kl0
ほう
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 22:01:21.39 ID:rYGS5I7d0
つか澪命スティックって売ってなかったっけ?間違えてたらゴメン
122 :
Ch.026 バーコードファイター!:2010/07/22(木) 22:04:03.37 ID:uTztHIdp0
唯「見て見て! 新しいギー太だよ! 名前はダッシュギー太IIタイプD!」
律「また変えたのか。そんなにコロコロ愛機を変える主人公はお前くらいだよ」
唯「どうかな?」
梓「おやびんかっこいいでやんす!」
澪「いいんじゃないか?」
聡「澪姉!」
澪「うわっ聡」
聡「俺は……俺は澪姉のことが……」
澪「ゴメン聡……私実は男なんだ」
澪「だから……」
聡「かまうもんか! 俺は……俺は男の澪姉が好きなんだーーー!」
紬「ア○ルジャスティス!!」
END
123 :
Ch.027 通販!:2010/07/22(木) 22:12:28.40 ID:uTztHIdp0
唯「ハァーイムギちゃん!」
紬「ヤァ唯ちゃん!」
唯「えっと……ムギちゃんは床にコーヒーとかこぼして掃除に困った事はないかな?」
紬「ないです♪」
唯「そっかぁ〜」
紬「……」
唯「……」
紬「……あっ、ありました!」
唯「そ、そっか! そんな時にはこれ! スチームクリーナーだよ!」
紬「まあ、これは一体……!?」
124 :
Ch.027 通販!:2010/07/22(木) 22:22:30.19 ID:uTztHIdp0
唯「これは例えば……びしゃあ」
紬「たいへんカーペットにコーヒーがこぼれちゃったあ」
唯「落ち着いてムギちゃん! そんな時でもこのスチーズクリーンを使えば……」
唯「……あ、あれ? スイッチどこだっけ?」
唯「えっと……これかな」
ガチャ ドサッ
唯「あ……っという間にヘッドの部分が取り外し可能です! 便利でしょ?」
紬「すごいあっというまにしみがとれちゃったこれでめんどうなおそうじもらくちん」
唯「今ならこのチーズクリームがなんと九万……あっ、九千八百円です!」
紬「でもおたかいんでしょう?」
唯「大丈夫! 今回はなんと五百個も用意してあるから安心です! みんな電話の容易はいいかい!?」
紬「すごい、へっどかばーのかえがみっつもついてくるなんて」
唯「今すぐTEL!」
END
125 :
Ch.028 少女の日の思い出:2010/07/22(木) 22:32:06.12 ID:uTztHIdp0
唯「あずにゃんってかわいいよねー」
律「ん、ああ、そうだな……」
唯「む、なんだか歯切れが悪かったよりっちゃん」
律「ごめん。梓は本当にかわいいと思ってるよ。ちょっと昔の事を思い出しちゃってな……」
唯「昔の事?」
律「ああ……聞いてくれるか?」
唯「うん」
126 :
Ch.028 少女の日の思い出:2010/07/22(木) 22:39:34.04 ID:uTztHIdp0
私は子供の頃梓を収集する事に夢中だった。
それこそ今の唯並だったかもしれない。
同じ時期に澪も梓を収集していてな、あいつのコレクションは凄かったし梓の入れ物もぴかぴかしていた。
私の入れ物なんてただの空き箱にサランラップかけただけだったからな。
私と澪は家が近かったから澪に私の集めた梓を見せた事もあった。
……んだけどその時に言われた事が癪に障ったから見せたのは一度きりだったけど。
私が珍しいあずにゃんを捕まえて誰かに見せたかったから澪に見せたんだ。
そしたら「確かに珍しいあずにゃんだ。だけど所々傷がついてる」なんて言うんだよ。
確かにあいつは梓の管理が上手かったけど、そんなことを言われたくて見せたんじゃないっての。
ちなみに当時の澪は非の打ち所がない模範少女だった。
よくクラスメイトからエーミーオなんて呼ばれてたよ。
ある時澪がとても珍しいこげにゃんを羽化させることに成功したって聞いてそれを見せてもらおうと澪の家に行ったんだ。
澪は留守だったんだけどな、同時の私は梓に心奪われた者だったからこげにゃんが見たいっていう衝動が抑えられなくて勝手に澪の部屋に入ったんだ。
それで澪の部屋でこげにゃんを見つけたんだけど、それが凄く欲しくなっちゃったんだよな。
それで……盗んじゃったんだ。
その帰りに澪の母さんと出くわしちゃって、私はとっさにこげにゃんをポケットに突っ込んだんだ。
家に帰ってからこげにゃんを確認したら乱暴にポケットに突っ込んだ所為でこげにゃんはこなごなになっていたんだ。
その時の罪悪感っていったら……。
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 22:51:34.18 ID:92sULwDNO
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 22:53:22.19 ID:urxc5/PD0
>>126 そうか、そうか、つまりきみはそんなやつなんだな。
130 :
Ch.028 少女の日の思い出:2010/07/22(木) 22:59:46.70 ID:uTztHIdp0
そこで過ちに気付いて澪に謝りに行ったんだ。
澪は怒らなかった。
ただ静かに、軽蔑するような眼差しで、
「そうか、つまりお前はそういうやつだったんだな」
それだけ言った。
私がどんなに許してもらおうとしても、私の梓コレクションも全部あげると言っても。
「いらない。それに、律がどんな風に梓を扱っているか今日の一件でわかったよ」
そう言われたよ。
私は自分自身の手で美しい梓も収集する楽しみも壊してしまった。
罪悪感は無くならないし、過ちは取り返しがつかなかった。
家に帰った私は自分で集めた梓をひとつ残らず粉々に潰した。
律「だから今梓を見ても、昔のように収集しようとは思わないんだ」
唯「そっか……」
澪「……おい」
131 :
Ch.028 少女の日の思い出:2010/07/22(木) 23:09:48.05 ID:uTztHIdp0
律「あへっ、澪いたの?」
澪「捏造するな」
唯「えっ?」
澪「こいつ……謝りに来たくせに私が言った事に頭にきて逆切れしたんだ」
唯「えー……」
律「うぐっ……だって澪がぁ〜! 嫌な奴すぎるんだもん!」
澪「ふざけるな! こげにゃん返せ!」
律「澪だってそれで頭にきて私のこと殴ってきたじゃないか」
澪「当然だろ!」
唯「そっか……喧嘩って悪い事だけじゃないね」
律澪「へ?」
唯「こうして今も一緒にいるじゃん!」
律「そうだよな!」
澪「反省しろよ!」
END
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 23:18:44.44 ID:VW4imTuW0
懐かしいな
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 23:19:19.44 ID:KyCtiQPi0
教科書で読んだなw
134 :
Ch.029 筋トレ!:2010/07/22(木) 23:19:24.03 ID:uTztHIdp0
唯「ねえっ!」
唯「私と一緒に筋トレしようよ!」
唯「……えーひとりでやるのは寂しいよ」
唯「お願いっ、一緒にやろ?」
唯「うんとね、腕立てとか腹筋とかスクワットかな」
唯「あ、シャドーボクシングとかしちゃう?」
唯「お風呂で握力鍛えるのもいいね」
唯「とにかく一緒に全身の筋肉を酷使しようよ」
唯「全身筋肉痛計画だよ!」
唯「……いやー……ほら、筋肉痛って」
唯「気持ちよくない?」
唯「あー待って! 帰らないでぇ」
唯「ほら! 筋肉痛のあの痛みってなんだか癖になるじゃん?」
唯「……あれ? なるよね?」
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/22(木) 23:20:19.02 ID:YimEy+spP
唯「ばけものがたり?」
136 :
Ch.029 筋トレ!:2010/07/22(木) 23:29:25.33 ID:uTztHIdp0
唯「それを共有しようじゃないか」
唯「お願い〜一緒に筋トレしようよ!」
唯「じゃ、じゃあ一緒に筋トレしてくれたらマッサージしてあげるから!」
唯「……憂が」
唯「だからお願いっ!」
唯「全身の筋肉という筋肉が痛くなるほど頑張ろうよ!」
唯「さっき言ったのは腕立て腹筋スクワットにシャドーボクシングに握力だけど」
唯「筋トレならなんでもいいよ」
唯「それじゃあ始めよっか」
唯「せーの、ふぐぐぐ……!」
唯「ふぬぬぬ……あ! 筋肉痛になったらまた来るね!」
END
137 :
Ch.030 澪がいない軽音部:2010/07/22(木) 23:40:12.21 ID:uTztHIdp0
律「……」
唯(りっちゃん元気なくてつまんない)
紬(絡みがない……)
梓(澪先輩がいないと練習する流れにならない……)
律唯紬梓「はぁ……」
END
138 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/22(木) 23:50:41.74 ID:uTztHIdp0
2学期の中間テストでまたもや赤点を取ってしまった私は今回も澪ちゃんに泣きついた。
「わかったよ。勉強見てあげるから鼻水拭こうな」
「ありがとー澪ちゃん」
1学期は軽音部のみんなが家に来てくれたんだけど今回は澪ちゃんとのマンツーマンが実現しました。
やったね。ていうか私がそうなるように日にちを選んだんだけどね。
今回は週末に教えてもらうから澪ちゃんには家に泊まっていってもらうんだ。
ああ〜楽しみだよう。あっそうだ、私も色々と準備しないと。ええと、まずはお菓子でしょ、それから呑み物とーお菓子とー……よーし今日の夜に買いに行こう。
私はお泊りに向けて準備を始めた。
139 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/22(木) 23:59:44.03 ID:uTztHIdp0
週末はあっという間にやってきた。
「それじゃあ一旦帰ってから唯の家に行くから」
「うん!」
澪ちゃんと別れて家路に着く。
今日のこれからの事を考えるとドキドキが止まらない。
勉強の事は微塵も考えていなくて、ただ今日の夜にすることだけを考える。
そうしていると心が落ち着かない感じになってくるんだ。
140 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 00:07:07.81 ID:9qNZHb+j0
「おじゃまします」
「澪ちゃんいらっしゃい!」
ついに澪ちゃんが家にやってきた。
それだけで十分なのにお土産までもらっちゃった。
「澪さんありがとうございます」
「あ、憂ちゃん、どういたしまして」
ちょっと歯切れが悪い。
澪ちゃんの視線は憂の左目についている眼帯をチラリ。それから目線を下げた。
私の部屋に通してから少しお話をする。
「憂の目の事言ってなかったよね」
「え、あ、うん。前に来たときからだいぶ経ってるのにまだ眼帯つけてたから……。憂ちゃんに悪い事したな」
「大丈夫だよ。憂は気にしてないよ」
澪ちゃんに憂の目の事をやんわりと濁して伝えた。
141 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 00:18:33.21 ID:9qNZHb+j0
澪ちゃんと勉強している時は私が落ち着きがなくて何回も怒られちゃった。
そんな辛い勉強時間が憂の声で中断される。
「お姉ちゃん晩ご飯出来たよ」
「わかった今行くよ」
「それじゃあ一旦休憩だな」
澪ちゃんの中で晩御飯は休憩時間になってるみたいだけど私にとっては本日の勉強終了の合図だよ。
なんていったってこの後にお楽しみが待っているんだから。
晩御飯を食べた後、私は澪ちゃんに部屋でデザートを食べようと勧めて半ば強引に決定した。
142 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 00:29:50.63 ID:9qNZHb+j0
「このアイスおいしいな」
「実はコレ私が作ったんだよ」
「うそっ。凄いよ唯」
「えへへ」
憂に手伝ってもらったんだけどね。
さてと、そろそろ……。
「澪ちゃんジュース注いであげる」
「うん、ありがとう」
この日のために用意したジュースを注いであげる。
「どう、おいしい?」
「うん、甘くておいしいよ」
「それはよかった」
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 00:37:31.58 ID:NIdX/FM30
支援
144 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 00:39:50.41 ID:9qNZHb+j0
「澪ちゃん知ってる? 目にも利き目っていうのがあるんだって」
「へえ、どうすると分かるんだ?」
「まず両手で小さい丸を作って腕を伸ばします。それで私の机に置いてある人形を覗いて見て。それから片方ずつ目を閉じてみて」
「わかった」
「そうすると自然と利き目に合わせて見ているから片方の目からは人形が見えなくなるはずだよ」
「本当だ、私の場合だと右目に合わせてたみたいだ。左目はズレちゃってる」
「じゃあ澪ちゃんの利き目は右だね!」
「そうだったんだ」
そうかあ。澪ちゃんの利き目は右なのかあ。
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 00:44:12.87 ID:QXl679f9O
なんか怖い話だな
146 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 00:49:59.11 ID:9qNZHb+j0
それから暫く二人で喋っていると。
「――ん? 唯の顔赤くなってないか?」
「え〜そうかな。そういう澪ちゃんも赤いよぉ」
「実はさっきからなんだかポワポワする……」
「あっわたしもだよ〜」
不審に思った澪ちゃんがジュースの容器を手に取る。
「おい、これって……!」
「ジュースだよ? ほら書いてあるじゃん」
『ジュースみたいなお酒』ってね。
「馬鹿、これお酒じゃないか!」
「大丈夫だよ〜」
「何にも大丈夫じゃない!」
澪ちゃんのは私のと違ってトッピングしてある特製ジュースだから大丈夫だよ。
147 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 01:00:01.89 ID:9qNZHb+j0
「……」
「澪ちゃん眠いの?」
「うん」
「寝ちゃっていいよ」
「でも、勉強」
「私は大丈夫だから」
「……」
澪ちゃんは返事をしないで寝ちゃった。
そんな澪ちゃんを笑いを堪えきれずにニコニコしながら見つめる私。
変に思われなかったかな。多分大丈夫だよね。
「澪ちゃん? もう寝ちゃった?」
わざとらしく尋ねて、ついでに身体を揺さぶるけど澪ちゃんは全く反応しない。
うん、完全に寝ちゃったみたいだね。
私は机に突っ伏した澪ちゃんを優しく床に寝かせた。
148 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 01:10:02.69 ID:9qNZHb+j0
イタズラをする前の子供みたいに笑みが零れる。実際イタズラしちゃうんだけどね。
まずは澪ちゃんの綺麗な顔を、特に瞼を凝視した。ちょっと釣り目で澪ちゃんの可愛さが存分に詰め込まれているその部分。うわあ睫毛長い。いいなあ。
さてと、それじゃあ。
「澪ちゃんの綺麗な瞳、見せてね」
澪ちゃん右目の上瞼に生えている長い睫毛を摘んで、捲り上げる。
そこには綺麗で透き通るような、焦点の合っていない瞳。
「きれい……」
この焦点の合っていない瞳はとてもいい。活動していない瞳はどこか不思議な印象で、それから嗜虐心をそそる。活き活きしたいつもの瞳も可愛くて好きだけどね。
至近距離でたっぷり観察してから一旦瞼を元に戻した。
私は急ぐ鼓動を落ち着けながら、澪ちゃんに跨って四つんばいになる。
「今日は味見だけだから。いただきます」
自分にしか聞こえない声で囁いて、再び澪ちゃんの右瞼を開く。
私がこんなに至近距離にいるのに恥ずかしがらずに視線を逸らさない瞳。私が口の中を見せても無反応。瞳に私の舌が触れそうになっているけどピクリとも動かない。
ゆっくりと顔を近づけて舌先で澪ちゃんの瞳に触れた。
149 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 01:22:24.11 ID:9qNZHb+j0
ああ、あまじょっぱい。
正確な味は微かに涙のしょっぱさがある程度だけど。それでも私にはあまじょっぱいと感じられるんだ。
今まで荒い息を抑えながらゆっくり丁寧に扱ってきたけどもうだめ。二舐め目の途中から我慢できずにむしゃぶりついた。
あああああおいしいよ、おいしいよ。
夢中で乱暴にしゃぶっていると、澪ちゃんが小さく唸った。
心臓が止まるかと思ったけど、それで我に返ることが出来た。
いけないいけない、いくら起きないからってこれじゃあ駄目だよ。
冷静になってから改めて澪ちゃんを見返す。澪ちゃんの右目に生えている睫毛と目尻が濡れていて泣いているように見えた。
「ごめんね澪ちゃん、今度は優しくするからね」
濡れそぼった睫毛を引っ張ってもう一度右の瞳を出す。それから今度は優しく瞳の周りを舌先で撫でる。目尻から始めて下瞼をなぞると、私のザラザラした舌先にちくちくする睫毛の感触とつるつるな眼球の感触が同時に訪れる。
ゆっくりとなぞって目頭まで到達したら今来た道を通って目尻に戻る。そうやって何度も下瞼を往復していると不意に舌先に違和感が生まれた。
一旦瞳から離れて舌先を歯茎に押し当ててみると、感触が。
ああ、これは澪ちゃんの下睫毛だね。抜けちゃったのかあ。
その澪ちゃんの睫毛を唾液で包んで飲み込み、眼球の味見を再開した。
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 01:30:09.40 ID:J2IDkpc3P
唯「あら・・・ららぎ君、だっけ?」
憂「あのマウンテンバイクに乗ってる人、お姉ちゃん知ってるの?」
151 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 01:32:25.05 ID:9qNZHb+j0
今度は別のところも舐めたいな。
そう思って澪ちゃんの上瞼を手前に引っ張る。半目になってる澪ちゃんも可愛いよ。
そうして出来た眼球と上瞼の間に私の舌を挿入した。
あんまり強く引っ張ったら駄目だからね。やさしいく、やさしいく。舌先1センチも入っていないけど、このくらいでいいかな。
それから澪ちゃんの眼球と上瞼の間を前後左右に蹂躙する。元々そんなスペースも動く余地も無いけれど、いろいろな方向に舌先を1ミリ動かすだけで私の鼓動は痛いくらいに速くなる。
それを押さえつけながら澪ちゃんと出会ってからのことを考えてみた。
澪ちゃんと最初に出会ったのは4月だから、もう半年になるのかあ。
澪ちゃんは一見クールでカッコいいけど、本当はそうじゃなくてとにかく可愛いんだよね。それに優しいし。もちろんりっちゃんやムギちゃんもかわいいよ。
そんな掛け替えの無いトモダチを手に入れることが出来てよかった。軽音部のみんなに私はある意味惚れちゃったね。そこで思った。高校ではこの子達にしようって。
152 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 01:42:27.49 ID:9qNZHb+j0
でも食べちゃったら勿体無い。だって二回しか味わえないんだから。
その辺の人のを食べてもちっともおいしくない。ていうかまずいと思う。
やっぱり長い時間を一緒に過ごして仲良くなった人じゃないと。私がその人のことを好きになればなるほどその人の眼球は美味しくなるの。だから今回は味見だけ。
と言っても憂のしか食べたこと無いんだけどね。あれは美味しかったなあ。十年来の付き合いだし、何よりお互いがお互いのことを大好きだし。
でもあの時は勢い余って食べてしまったけど、今はすごく後悔している。
我慢できなくて食べてしまったけど今にして思えば後2、30年は我慢するべきだった。10年ちょっとであんなに美味しいんだから、半生分の味は想像もつかないよ。それに左目は憂の利き目だったから余計にね。せめて右目にしておけばよかった。
なんて、澪ちゃんのを舐めながらこんなこと思ってたら失礼だよ。
利き目は最後までとっておくって決めてあるから、今日はあえて利き目の味見。
でも……舐めれば舐めるほど切なくなってきちゃう。どうしよう。
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 01:46:26.08 ID:nwfQHlU6O
雲行きが怪しくなってまいりました
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 01:48:03.24 ID:EUwhRKZs0
: 何 : /:|::',:ト、::::::ヽ、:.\:.:.:.\:.:.ヽ:.:.:\.:.:.:.:.:::.:.:.:.:::.::::_;:-'´ : : :
: が : //:/:::|::',|::'、:::::::::\:.:\.:.:.ヽ:.:.:\:.:..\::::::::::::\、::::\ : : :
: 何 : /!::|::l::::/|:::l:ヽ:\::ヽ:.:\:.:\.:::ヽ:.:.:ヽ:.:.:.:\::::::::::::\ ̄ : : :
: だ : |/l::|::|::|:ト、:::::::::、、:ヽ、:.:.:.:::::::::::::::ヽ::::.:ヽ:.:.:.:.\:.:.:.ヽ:::\. : : :
: か : |::|::/l::|::|r‐ヽ:::::ヽ(ヽー,―\::::::、::::::::::ヽ::.:.::::::.:::::::ヾ. ̄ : : :
: : }//l::|:::|{(:::)ヾ、:::ヽ \!(:::) ヽ,:::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ、 : : :
: わ :. |/l::|::|:::|ヽ==''" \:ヽ、ヽ=='" |:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、::::\
か / ',|::|:::| / `゛ |!::::::::::::::::::::::::::::ト、::ト、_` ゛`
ら l::!::::ト、 '、 _ ||::::::::::::::::::::::::ト:ヽヾ| | ̄ ̄ ̄`ヽ、
な r'"´||',::::', |:::::/l:::::|\:::ト、ヾ | | / / \
い / ll ',::', 、 ーこニ=- /!::/ ヽ:::| ヾ、 ノ ノ / ,イ
155 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 01:52:27.82 ID:9qNZHb+j0
息は荒く、舌の動きも乱暴になってきちゃった。
止められない。
何とかしないと。何とかしないと。別のことで満足しないと。
左手で澪ちゃんの瞼を押さえつつ、肘で自分の体重を支えてみる。ちょっときついけど無理じゃない。少し澪ちゃんに圧し掛かっちゃうや。ごめんね。
空いた右手でスウェットを脱がして私の下半身はショーツのみに。
自分のショーツに右手を這わせながら眼球を舐めた。
ああおいしい、おいしいよ澪ちゃん。私達は出会ってから半年しか経っていないけれどもうとっても仲良しだよね。だってこんなに美味しいと感じるんだもん。
澪ちゃんの事、軽音部の事、それから今のこの状況と澪ちゃんが起きちゃったらどうしようって事と、それからそれから……。
おおよそ考え付く変態的で興奮できる妄想をしながら、眼球を舐めて。
下瞼の中に舌を入れて澪ちゃんに挿入していると錯覚した時、私は果てた。
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 01:54:18.32 ID:go6RjieB0
どうしよう気持ち悪い
157 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 01:59:46.67 ID:9qNZHb+j0
「んっ……あ……はあっ、はあっ」
私が戻ってくると同時に左腕は限界を迎えて澪ちゃんに覆い被さってしまった。
私の身体は汗だくで澪ちゃんに申し訳ないと思いつつも身体を動かす事が出来なかった。
少し休んだ後澪ちゃんから離れて、澪ちゃんを見つめる。
澪ちゃんの目の周りは私の涎でぐちゃぐちゃだった。零れた涙のようになっている。
ごめんね。
あ、澪ちゃんおはよう。良く寝てたね。あれ、覚えてないの? 昨日は――。でもさ、あのジュース美味しかったでしょ? あっ怒らないで。ごめんごめん。え、目に違和感が? それにカピカピしてる? とりあえず顔洗ってきなよ。そしたら朝ごはん食べようね。
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 02:06:33.85 ID:NIdX/FM30
唯は蛇の化物か何かなのか?
159 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 02:09:47.33 ID:9qNZHb+j0
ごめんね。
本当はこんな風になるはずだったけど、私我慢できそうにないや。
せめて利き目じゃないほうにするね。
私は立ち上がってクローゼットの奥から道具を取り出した。
「流石にこれは起きるかもしれないから、もうちょっと強めに寝てもらうね」
そういえば澪ちゃんって注射とか苦手そうだよね。そんなことを思いつつ時間を置く。
次に開瞼器を取り出して澪ちゃんの左目に取り付け。中々上手くいかない。もっと思いっきりやってみよう。よし、これでいいかな。
一通りの準備を終えてから深呼吸。
よし。
外眼筋を切り離してしまえば後はくりぬくだけ。
こんな考えでも何とかなってしまうあたり、私って凄いのかもしれない。
・・・・・・
ところでさっきの市長のお話、元ネタのゲームってなんですか?
シムシティ?
161 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 02:19:48.32 ID:9qNZHb+j0
「すごい……」
眼球ってこうしてみると意外と大きい。
澪ちゃんの可愛くて大きな瞳はさらに大きくなった。
まるまるとしていて、これは本当に、美味しそうだ。
「ふふ……ははは……」
手に持った眼球を舌で舐めた。
色々なしょっぱさがあるけれど、それでも甘いよ。
「くっふふ……っは」
引き笑い。どうしてこんなに笑いが零れるんだろう。
瞳を右手に持って、左手についた液体を舐める。ちょっと固まってきちゃった。
ああやめよう。もう我慢できないからまだるっこしいのはやめよう。
右手の眼球を見据えて。
「いただきます」
大口を開けて放り込んだ。
162 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 02:29:48.18 ID:9qNZHb+j0
んああ、最高だよ。これは最高。きっと最高。
吐きそうになるのを押さえながら眼球を口の中で転がす。
血の味と、なんだかよくわからない味と、涙の味もしてるはずだけど他の味が濃くていまいち感じ取れない。それでもこれがとても美味しい物だって理解している。だから美味しい。美味しすぎる。
直径2.5センチの澪ちゃんは口の中だとより大きく感じられた。
まだ噛まないよ。
口に入れて味を楽しんで少し冷静さを取り戻した。今はとにかく堪能しよう。
粒ガムを口に入れて決して噛まずに舐めるだけ。そんな感じで。
右のほっぺに入れたり、舌でつついてみたり、硬口蓋と舌で圧迫してみたり、甘噛みして澪ちゃんを楽しむ。
いいよ澪ちゃん。澪ちゃん美味しいよ。
それじゃあそろそろ。
右の歯に澪ちゃんの眼球をセットした。
163 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 02:39:48.38 ID:9qNZHb+j0
やっぱり最初は噛みにくい。
少しずつ力を入れていくと、ポロッと歯から逃げてしまった。わざとだけどね。
もう一度歯に固定して力を入れる。ポロッ。
惜しむように何度か遊ばせる。
さて、今度はしっかり舌でも固定したよ。
ゆっくりと力を入れていく。今度は逃げられない。球体が少しずつゆがんでくる。この感触は中々味わえない。こんにゃくゼリーを凍らせて表面が少し溶けた状態かな。……いや、芯がやたら硬いナタデココかな。
そんな事を考えていると、眼球からドロッと液体が漏れた。
来てる、来てるよ。
口内に液体が溜まってくる。
三分の一くらいまで歯を食い込ませたところで本気を出す事にした。
暫く眼球と格闘して、それから。
ぐちゃ。
気が遠くなる気配。
半分にする事に成功した。
164 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 02:49:50.81 ID:9qNZHb+j0
半分になったそれを左右の歯に乗せて再び噛み砕く。
口に溜まった液体を飲み干して、眼球の残骸を吸い尽くす。
最後は筋みたいなものが口に残っただけ。それも丸呑みして食べ尽くした。
「ごちそうさま」
美味しかったよ澪ちゃん。ちょっと勿体無い気もするけど。もう片方は何十年後かに死んだら食べさせてね。
――――――――――――
呼び鈴を鳴らして暫くすると和ちゃんが出てきた。
「どうしたのよ、こんな夜中に」
「ちょっとね。ねえ和ちゃん、眼鏡とって見せて」
165 :
Ch.031 唯「隻眼グルメレース」:2010/07/23(金) 02:59:26.58 ID:9qNZHb+j0
「は? なんでよ」
「お願い」
「わかったわよ、ほら」
和ちゃんの両目をじっくり観察する。何よりも綺麗で、私の人生の目標の瞳だ。
これほどまでの瞳は私の世界で他に無い。だから後25年我慢して、それから私が死ぬ前に世界で一番のこれを食べる。和ちゃんの瞳を想像して強く強く思い残した。
「……? どうしたのよ、変な子ね」
「えへへ、大きく育ってね」
はあ? という呆れたような笑い方をする和ちゃん。
暫く会えないけど、私は忘れないよ。
むしろ忘れようとしても無理だね。
この先どんなに探してもこれ以上のものは見つかりっこない。
忘れられるわけ無いよ。
そんなに美味しそうな瞳。
END
グロイけど何か好きな雰囲気だ
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 03:03:39.65 ID:go6RjieB0
しえん
168 :
Ch.00A tea break:2010/07/23(金) 03:09:52.48 ID:9qNZHb+j0
唯「それじゃあ次は澪ちゃんの番だよ」
澪「」
唯「あれ……どうしたの澪ちゃん?」ガタッ
澪「ひっ!」ガターン
律「イスから落ちるとかどんだけ怖がりなんだよ」
唯「澪ちゃん怪我してない?」
澪「や、やめろぉ〜くるなぁ〜……」ヨチヨチ
唯「あれぇ……」
梓「唯先輩のせいですよ」
律「しっかりしろよ澪〜。次の話で何か言い返してやれよ」
澪「いやぁ……たべ……食べないでぇ……」
律「こりゃーだめだ。ムギ、お茶おかわり」
唯「じゃあ私筋トレしてるね!」
tea break
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 03:41:07.24 ID:X0eJvAv8O
おーーーい
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 04:24:56.50 ID:NIdX/FM30
寝る前に保守
みんなで語り合ってるってことなの?
眼の話の最後のは唯が捕まるって意味?
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 06:07:43.28 ID:nwfQHlU6O
A
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 07:44:15.87 ID:EmLGvYK3O
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 09:39:40.94 ID:nwfQHlU6O
わ
176 :
Ch.032 澪「爆散グルメレース」:2010/07/23(金) 10:08:38.52 ID:9qNZHb+j0
澪「わかったよ。勉強見てあげるから鼻水拭こうな」
唯「ありがとー澪ちゃん」
唯の家
澪「おじゃまします」
唯「澪ちゃんいらっしゃい!」
唯「とりあえずお菓子でも食べよっか」
澪「勉強してからな」
唯「はぁーい……」
――――
――――――――
――――――――――――
177 :
Ch.032 澪「爆散グルメレース」:2010/07/23(金) 10:23:29.89 ID:9qNZHb+j0
唯「『ジュースみたいなお』っていうジュースだよ」
澪「変な名前だな。どれどれ……って!」
澪「『ジュースみたいなお酒』って書いてあるじゃないか! 私達結構飲んじゃってるよ!」
唯「あらまあ」
澪「こんなの飲んだら勉強どころじゃ……ん?」
唯「……」
澪「唯?」
唯「あれ……眠くなってきた」
澪「おいいい」
唯「な、なんで……もしかして私が飲んじゃった?」
澪「どうした?」
唯「しま……った……ぐー」
澪「……寝ちゃった」
178 :
Ch.032 澪「爆散グルメレース」:2010/07/23(金) 10:38:59.44 ID:9qNZHb+j0
澪「おーい唯ー」
唯「……」
澪「起きろー」
唯「くー」
澪「起きる気配がない」
澪「仕方ない。今日の勉強は中止で」
唯「うぅん……」
澪「……」
唯「みお……ちゃ」
澪「うっ……」
澪「はあ……はあ……お、起きないよな」
澪「ちょっと……ちょっとだけ……」
ペロペロペロペロペロペロペロペロ
爆散
179 :
Ch.033 梓「ういーはとーぶ」:2010/07/23(金) 10:52:51.90 ID:9qNZHb+j0
梓「はぁー疲れた……」
憂「お疲れ様」
梓「あれ、憂まだ帰ってなかったの?」
憂「私も用事があったから」
梓「そうなんだ」
憂「一緒に帰れるね」
梓「うん」
ぐぅ
梓「あ……お腹すいちゃった」
憂「ふふ、お菓子あるよ」
180 :
Ch.033 梓「ういーはとーぶ」:2010/07/23(金) 11:13:01.71 ID:9qNZHb+j0
梓「ありがと」
憂「いえいえ」
梓「あー甘さが行き渡る」
憂「甘い物は大事だよね」
梓「うんうん」
憂「梓ちゃんすぐ帰る?」
梓「私もうちょっと休んでから帰るよ」
憂「じゃあ私も」
梓「そっか」
181 :
Ch.033 梓「ういーはとーぶ」:2010/07/23(金) 11:26:35.07 ID:9qNZHb+j0
梓「はぁー……」
憂「……」
梓「……ねえ憂ー」
憂「……なぁに梓ちゃん」
梓「暇じゃない?」
憂「大丈夫だよ」
梓「そう?」
憂「そうだよ〜」
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 11:44:48.90 ID:9LxkI9qA0
sien
183 :
Ch.033 梓「ういーはとーぶ」:2010/07/23(金) 11:49:51.26 ID:9qNZHb+j0
梓「……よかった」
憂「?」
梓「……」
憂「……」
梓「……なんかまったりだね」
憂「うん」
梓「落ち着く〜……」
憂「私も〜……」
梓「……」
憂「……」
梓「ふふ……よかった」
憂「何が?」
梓「なんでもなーい」
END
184 :
Ch.034 澪「ドク」:2010/07/23(金) 12:01:22.43 ID:9qNZHb+j0
2年目合宿肝試し大会にて
唯「澪ちゃんがんばろーね!」
澪「ま、まあ頑張るも何もないけどな」
唯「私はがんばっちゃうよー」
澪「ゆ、唯は怖くないの?」
唯「うーんどうだろ、楽しいかな」
澪「そうなんだ……」
唯「澪ちゃん怖いの?」
澪「へあっ!? そそんなことないぞ!」
唯「……」
澪「うう……」
唯「じゃあ手は繋がなくていいかぁ」
澪「あっ繋ぐ」
185 :
Ch.034 澪「ドク」:2010/07/23(金) 12:11:22.23 ID:9qNZHb+j0
唯「澪ちゃん痛い〜」
澪「あっごめん……」
ガサガサ
澪「ひぃぃぃ!」
唯「いたたた! 大丈夫だよ澪ちゃん」
澪「で、でも……」
唯「私が守ってあげるよー」
澪「唯……」
澪(唯って意外と頼れるんだな……)
唯「……あれ?」
澪「どっどうした?」
唯「道わかんなくなっちゃった」
澪(頼りない……)
186 :
Ch.034 澪「ドク」:2010/07/23(金) 12:22:48.26 ID:9qNZHb+j0
澪「って私の所為でもあるな」
澪「地図見せて」
唯「ほい」
澪「うーんと今居るところが……わからない」
澪「どうしよう……怖いよぉ」
唯「あっ澪ちゃん見てみて! この木って地図に書いてあるやつじゃないかな?」
澪「あっほんとだ。じゃあ今居る場所はここか」
唯「それじゃあ道はこっちだね!」
澪「うん」
唯「早く終わらせちゃおっか!」
澪「そうだな」
澪(やっぱり頼れる……のかも)
187 :
Ch.034 澪「ドク」:2010/07/23(金) 12:31:29.08 ID:9qNZHb+j0
ガサガサガサ
澪「なっ何?」
ユラ……
?「ぅぇぇ……ぁぁ……」
澪「ひょ?」
ユラユラ……
澪「な、何か近付いてくる……!」
唯「どれどれ」
澪「い、嫌だぁぁぁ……」
ユラ……
唯「んんー? ……さわちゃん先生?」
澪「え?」
さわ子「み゛お゛ぢゃぁぁぁぁぁん」
澪「うあわぁ! ……ってほんとにさわ子先生だ」
188 :
Ch.034 澪「ドク」:2010/07/23(金) 12:38:29.42 ID:9qNZHb+j0
澪「それにしてもよくさわ子先生だってわかったな」
唯「えへー」
澪「おかげで助かったよ」
澪(唯のおかげでなんとか乗り切ったぞ)
澪(そういえば前にも唯に助けてもらった事があったな。1年の学園祭とか)
澪(普段は頼りないのに、時々心強いんだよな)
澪(なんていうか、頼りないのに頼れる)
澪(不思議な奴だな)
澪「なあ唯」
唯「ん?」
澪「えっと、あ、ありがと……」
唯「えへー」
END
頑張ってるな
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 12:44:27.28 ID:ow2DiqeuO
うーん
物書きとして許せないんだが
何この幼稚な文章
191 :
Ch.035 律「切れそうで切れない」:2010/07/23(金) 12:45:56.44 ID:9qNZHb+j0
聡「姉ちゃん今暇?」
律「忙しい」
聡「えー漫画読んでるだけじゃん」
律「……何か用か?」
聡「もし暇だったら一緒にゲームしたい」
律「ゲームねえ……うーん……」
聡「無理にとは言わないけど」
律「……わかったよ、やるやる」
聡「ほんと? やったっ!」
192 :
Ch.035 律「切れそうで切れない」:2010/07/23(金) 12:52:58.73 ID:9qNZHb+j0
律「何やるの? デフジャム? バーチャ?」
聡「カービィSDXやりたい」
律「え〜」
聡「嫌ならいいけど」
律「いやまあ、いいけど……なんでこれ?」
聡「……協力プレイがいい」
律「ふーん。じゃあやろうぜ」
聡「うん!」
ピコピコ
聡「姉ちゃんへたくそ」
律「そんなことねーし。マジメにやってないだけだし」
聡「まじめにやってよ!」
律「ボスが出てきたらな」
193 :
Ch.035 律「切れそうで切れない」:2010/07/23(金) 13:00:13.80 ID:9qNZHb+j0
ピコピコ
律「……お前そろそろ寝たほうがいいんじゃない?」
聡「あ、もうこんな時間だ」
律「じゃあ終了〜」
聡「ええ〜……」
律「また今度やればいいじゃん」
聡「やってくれるの?」
律「まあいいけど」
聡「絶対だからね」
律「へいへい。わかったからはやく寝なさい」
聡「わかっってるよ……おやすみ」
律「おやすみー」
律「……何故か断りづらいんだよな。なんでだろ……まあ楽しかったからいっか」
END
194 :
Ch.036 ツープラトン:2010/07/23(金) 13:07:46.55 ID:9qNZHb+j0
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 13:09:09.80 ID:X0eJvAv8O
しえーん
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 13:10:47.72 ID:Iz+qTOpH0
お、おう。
197 :
Ch.037 私のアンプ:2010/07/23(金) 13:14:54.75 ID:9qNZHb+j0
唯「そういえば私のアンプって誰が用意してくれたの?」
澪「学校の備品じゃないのか?」
唯「違うよ」
梓「さわ子先生のアンプでしょうか」
唯「違うよ」
律「ムギが上手いことしてくれたんじゃないの?」
紬「違いまーす」
紬(本当は私のでーす)
唯「これ……誰のアンプなんだろうね」
澪「えっ……」
END
198 :
Ch.037 私のアンプ:2010/07/23(金) 13:22:12.97 ID:9qNZHb+j0
紬「今日はかき氷でーす」
唯「おおおっ!」
澪「すごいな。でもどうやって氷なんか……」
紬「実はこのアンプ冷凍庫なのー」
ガバッ
唯「涼しい〜」
END
199 :
Ch.038 私のアンプ2:2010/07/23(金) 13:26:26.22 ID:9qNZHb+j0
紬「今日はかき氷でーす」
唯「おおおっ!」
澪「すごいな。でもどうやって氷なんか……」
紬「実はこのアンプ冷凍庫なのー」
ガバッ
唯「涼しい〜」
END
200 :
Ch.039 お風呂!:2010/07/23(金) 13:33:01.94 ID:9qNZHb+j0
澪「明日体育か……」
澪「スネ毛剃らなきゃ」
澪「今日は早めにお風呂に入ろうっと」
END
201 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 13:40:02.38 ID:9qNZHb+j0
唯「明日体育か……」
唯「スネ毛使わなきゃ」
唯「今日は早めにお風呂入ろうっと」
カポーン
唯「はー……生きかえるぅ……」
唯「そうだスネ毛使っちゃおう」
唯「すー……はー……」
唯「んんんんん……ハーゲンダッツストロベリー!」
ポンッ!
唯「よしっ! ……おっと、スプーン出すの忘れてた」
唯「ふううう……プラスチックのスプーン!」
ポンッ!
唯「完璧ですっ。いただきまーす」
202 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 13:47:05.24 ID:9qNZHb+j0
唯「あーおいしかった」
唯「それに今のアイスとスプーンでスネ毛はみんな使ったみたいだ」
こんにちは、私です。
最近すごい力を手に入れました。
ずばり……『身体の一部を消費して何でも出来る』です。
『何でも』っていうのは多分どんな事でも出来ると思います。
まだそんなに試してないけどね。
この力はとっても便利だよ〜。
爪を切る必要もムダ毛の処理もする必要もなくなってとってもらくちんです!
唯「はぁ〜いいお湯だった」
憂「お姉ちゃん明日のテストの勉強した?」
唯「テスト?」
203 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 13:55:06.84 ID:9qNZHb+j0
唯「そっかー明日からテストだったや」
憂「えっ、勉強してないの?」
唯「うーん……」
唯(ちょっと爪伸びてるからこれを使おう)
唯「大丈夫! 余裕だよ」
憂「ほんとかなぁ……」
唯「ほんとだよ〜」
204 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 14:02:14.66 ID:9qNZHb+j0
唯「ほらね?」
澪「す、すごい……全教科高得点だ」
律「どうしちゃったんだよ唯ぃ」
唯「ぐふふ。それよりせっかくテストが終わったんだからアイス食べに行こうよ!」
律「いいね!」
紬「いこーいこー」
唯「れっつごー」
205 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 14:10:04.22 ID:9qNZHb+j0
律「なあ唯〜いつもどうやって勉強してるの?」
唯「えっ、それは〜うーん……」
澪「何故そこで考える」
律「お、アイス屋が見えたぞ!」
唯「おおっ!」
律「唯!」
唯「がってん!」
ダダダダダ
澪「おい! まだ赤信号だ!」
律「大丈夫大丈……」
ブロロロロ!
律「いっ!?」
紬「りっちゃん!!」
キキー!
唯「りっちゃーーーん!!」
支援
207 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 14:18:22.82 ID:9qNZHb+j0
澪「!!」
紬「……あ!」
律「……へ?」
私はその時無我夢中でりっちゃんを助けようとして……
気が付いたらりっちゃんを抱えて横断歩道を渡り終えていました。
律「ゆい……?」
唯「りっちゃん大丈夫?」
律「へ、あ、うん。それよりどうなったんだ?」
紬「りっちゃん!」
澪「りつ!」
律「私は平気。唯が助けてくれたみたい」
澪「よ、よかった……このバカ」
律「ごめん」
208 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 14:26:06.87 ID:9qNZHb+j0
紬「すごいね唯ちゃん」
唯「いやーまぐれまぐれ……」
紬「私にもよく見えなかったけどりっちゃんが轢かれると思った瞬間二人がここに……」
律「私にも何がなんだか……超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあなかった」
唯「あ、あはは」
唯(多分超スピードだよ)
律「はー。アイス食べるか」
唯「そうだね……っ!」
澪「どうした? もしかして怪我したのか?」
唯「ううん、大丈夫だよ。ほらアイス食べに行こう」
痛みの原因は左手の人差し指の爪がなくなっていたから。
無我夢中で加減も何もなかったからしょうがないか……。
今度から気を付けよう。
人さし指の爪だけで済んだか…
210 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 14:34:57.24 ID:9qNZHb+j0
この事件以降私は力を上手く使う練習をするようになった。
おかげで咄嗟の出来事にも対処できるようになったしもう爪をなくすことはないと思う。
大抵の事は爪1ミリかムダ毛でなんとかなるし。
紬「あっ!」
唯(ムギちゃんがティーカップ落とした! ほいっ!)
紬「……あら? 割れてない」
唯「ふう」
ベキッ
律「あちゃースティック折れ……」
唯「はぅ」
律「折れ……てない……あれ?」
さわ子「足が疲れ……」
唯「ハッ」
さわ子「……あら?」
212 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 14:43:38.38 ID:9qNZHb+j0
律「いやー平和な毎日だな」
澪「そうだな」
紬「だね〜」
力を使うようになって気付いた事がある。
それは私達の身の回りには危険が一杯あるという事。
ていうか最近増えてきてる気がする。
その度に私が防いでいるんだけどちょっと心配になってくるよ。
私がいないところで何かが起こったりしたら……。
律「唯どした?」
唯「なんでもなーい」
グラッ
澪「うわっ地震!?」
さわ子「けっこう大きいわね」
唯「言ってる傍から……」
213 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 14:50:50.65 ID:9qNZHb+j0
紬「おさまった」
澪「怖かった」
唯「うん」
律「あちゃー、棚から本が落ちてる」
紬「食器は……無事みたい」
律「じゃあティータイム再開で」
澪「のん気だな……」
唯「まあまあ、何もなかったんだからいいじゃん」
澪「まあそうだけど」
紬「そういえば梓ちゃん遅いね」
唯「そうだね〜早く補給したいよ」
214 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 14:58:08.03 ID:9qNZHb+j0
律「梓遅いな」
澪「電話にも出ない」
紬「私ちょっと探してくる」
唯「私も」
ガチャ
唯「あずにゃんのケーキ食べちゃだめだからね」
律「食べねーよ」
紬「きゃあああ!」
唯「どうしたのムギちゃん!?」
215 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 15:06:01.05 ID:9qNZHb+j0
紬「あ、梓ちゃんが階段の下で倒れてる」
律「な!?」
さわ子「さっきの地震で階段から落ちたのかしら……りっちゃん保健の先生呼んで来て!」
律「わかった!」
澪「あ、梓……」
さわ子「目立った傷はないけど…………」
唯「あっ……あ……」
唯(落ち着かなきゃ。落ち着かなきゃ)
唯「……よし」
紬「唯ちゃん?」
唯「ふー……」
唯「あずにゃん!」
216 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 15:15:23.01 ID:9qNZHb+j0
唯(あずにゃんのためなら爪の一枚や二枚どうってことない!)
梓「……ん」
唯「あずにゃん大丈夫?」
梓「あ……唯先輩」
澪「気が付いた!」
唯「痛いところない?」
梓「いえ、特には」
紬「よかったぁ〜」
唯(ふぅ……なんとかなった)
217 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 15:25:56.29 ID:9qNZHb+j0
唯「――っていう事があって大変だったんだよ」
憂「梓ちゃんが無事でよかった」
唯「うん」
憂「今日の地震大きかったもんね」
憂「今テレビでもやってるけど震源地はもっと酷いみたいだよ」
唯「そうなんだ……ん、トンネルで救助?」
憂「トンネルに親子が生き埋めになっちゃてるんだって。子供はまだ3歳だとか……」
唯「あう……」
唯「……ふんすっ」
憂「お姉ちゃん?」
唯「なんでもないよ。あ、憂テレビ見て! 助かったみたい」
憂「本当だ! よかった〜」
唯「それじゃチャンネル変えてもいい? ためしてどすこいが見たんだけど」
憂「いいよ。今日のテーマは……人間の反応速度?」
218 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 15:33:24.32 ID:9qNZHb+j0
律「最近嫌な事件が立て続けに起こるよな」
澪「うん。地震もあったし地球に隕石が落ちそうになったり……」
紬「隕石は軌道修正したらしいけど先日の富士山噴火は怖かった」
律「噴火は半日で止まったみたいだけどびっくりしたよな」
梓「そうですね」
唯「……」
梓「あの、唯先輩」
唯「……え、なあに?」
梓「なんだか元気ないみたいですけど大丈夫ですか?」
唯「大丈夫だよ〜」
澪「それじゃそろそろ始めるか」
唯「……あ、ゴメンみんな。私手ぇケガしちゃってて……」
律「ありゃ、じゃあしょうがないな」
唯「ゴメンね」
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 15:38:14.20 ID:NIdX/FM30
支援
220 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 15:41:14.90 ID:9qNZHb+j0
律「んじゃそろそろ帰りますか」
澪「そうだな」
紬「……あら? あれなんだろ」
梓「何ですか?」
紬「ほら、あのへんの空に……」
梓「何か光ってますね」
律「どれどれ。ん、んー?」
澪「なんだか大きくなってないか……?」
梓「もしかして隕石でしょうか?」
澪「いや、この前の隕石は軌道がかわったはずだぞ」
律「……おい、こっちに落ちてくるぞ」
紬「校庭に落ちる! みんな伏せて!」
ドオォォーーーン
221 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 15:48:33.03 ID:9qNZHb+j0
澪「うわあああ!」
梓「きゃあああ!」
紬「びっくりした」
律「……あ、運動部の奴らが見に行ってるぞ」
澪「や、やめといたほうが……」
律「私に言われてもな……ん?」
律「うそ……隕石(?)の中から人が出てきたぞ」
澪「ええっ!?」
律「ここからじゃ良く見えないな」
紬「……宇宙人かな?」
律「見えるの!?」
紬「うん。それに何か言ってる……」
律「何て言ってるんだ?」
紬「ええと……ピーピーうるさいヒヨコたちに挨拶してやろうかな……かな?」
逃げてぇぇぇっっっ!!!
223 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 15:55:34.46 ID:9qNZHb+j0
宇宙人が手を上げた瞬間、眩い光が広がってきて……
私は咄嗟に力を使った。
冷静に使ったけど欠落が酷い。
向こうの力が強すぎる所為だ。
律「まぶしっ」
澪「なんだ、どうしたん……」
紬「嘘……校庭が……」
梓「消し飛んでいる……」
唯「痛ぅぅ」
律「どした……ってお前手から血が出てるぞ!」
唯「大丈夫大丈夫」
唯「それよりみんなは部室から出ちゃ駄目だよ!」
ガチャ バタン
梓「唯先輩どこに行くんですか!?」
224 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 16:03:10.79 ID:9qNZHb+j0
律「あいつまさか校庭に行くつもりじゃ……」
梓「引き止めましょう!」
ガチャガチャ
梓「あれっドアが開かない!?」
唯「ひどい……校庭がめちゃくちゃ。それにみんなが……」
唯「どうしてこんな事したの?」
宇宙人「ぷぴぃぃぃぃぃぃぃ」
唯「何言ってるかわかんないよ……」
宇宙人「ぷぴいいいい」
突然宇宙人が私に向かって殴りかかって来た。
力を使ってそれをかわす。
宇宙人は驚いているみたいだった。
やっぱりこの宇宙人は……私達を殺そうとしている。
225 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 16:10:30.94 ID:9qNZHb+j0
さっきの宇宙人の動きは恐ろしいほど早かった。
私がかわせたのはほとんど無意識で力を使うことができたから。
何回もそんなことが出来るとは思えない。
こうなったら……
唯「ふんすっ」
身体能力と知覚速度を上げる。
これで宇宙人の攻撃が見えるはず。
宇宙人「ぷぴいいいいい」
唯「ごはぁ!?」
宇宙人のパンチが私のお腹を貫通した。
そんな……何も見えなかった……ていうか痛い痛い痛い死ぬ!
私は必死で貫通したお腹を治した。
左手の小指がすっごく痛いけど死ぬよりまし。
唯「はあ……はあ……」
宇宙人「ぷ、ぷぴい」
なんだか怪しんでるみたい。
まあ普通なら死んでるもんね。
226 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 16:17:39.73 ID:9qNZHb+j0
でもこのままじゃあ私やみんなまで死んでしまう。
もっと身体能力と知覚速度を強化しないと。
こうなったら大盤振る舞いだぁ。
唯「ふんすっ!」
左手がものすごく痛い。
隕石落下の時だって指は使わなかったのに……。
ついでに痛みも消してしまおう。
宇宙人「ぷぷぃぃぃいいい」
来る!
今度こそ大丈夫のはず。
宇宙人が振りかぶる。
見える、見えるよ!
見えればかわす事もできるもんね。
私は宇宙人の攻撃をかわし続けた。
律「なんだ……唯は何やってるんだ」
紬「ど、どうなってるの……」
227 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 16:24:39.81 ID:9qNZHb+j0
この宇宙人さんに説得は無理だね。
仕方ない、人(?)をぶつのは初めてだけどみんなの命が掛かってるんだ。
唯「ふっ!」
当たった!
……あれ、効いてない。
宇宙人「ぷぴ」
意識を刈られそうになった。
また宇宙人の攻撃が見えなかった。
……まだ私はもったいぶってたんだね。
それなら今度こそ。
とりあえず傷を癒して、それから今度は左腕を肘まで使った。
唯「うりゃあ!」
右手で殴った。
宇宙人が転がっていく。
228 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 16:31:46.27 ID:9qNZHb+j0
唯「ど、どうだこのぉ……」
宇宙人は立ち上がる。
ええっ大して効いてない!
なんだか怒らせただけみたいだ。
唯「そんなあ……」
宇宙人「ぷぴいいいいいいい」
宇宙人が右手をかざした。
次の瞬間そこから光が発射されて私目掛けて飛んできた。
避けなきゃ!
いや駄目だ後ろには校舎が……みんながいる。
こうなったら私もまねしてみるしかない。
私も右手をかざす。
唯「ほあっ!!」
出来た!
私の手の平から光が発射される。
やればできるのね。
そして宇宙人との激しい打ち合いが始まった。
229 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 16:38:46.65 ID:9qNZHb+j0
私が光を放出し続けると左腕の感覚がドンドンなくなってくる。
今二の腕の辺りまで……いや、考えるのは止めよう。気持ち悪くなる。
唯「ふぐぐぐぐ……!」
だめだこのままじゃ私の身体がなくなる……一気に力を放出しよう。
唯「ふーんーすー!!」
やった! 勝てる!
宇宙人は私の光に押されてドンドン民家のほうへ……えっ!?
しまっただめだ!
慌てて光を空へ方向転換させた。
唯「はあ……はあ……」
どうしよう……。
民家は無事だけど宇宙人も無事だぁ。
私は左腕に加えて咄嗟に使った右足の所為で上手く立てない。
しかたない。
飛ぼう。
唯「はー……はー……」
私は浮いた。
230 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 16:45:47.63 ID:9qNZHb+j0
宇宙人「ぷぴぃぃぃぃぃぃぃ」
宇宙人が雄たけびを上げながら突進してきた。
有無を言わせぬ力押しだ。
私は満足に使える右手と左足で必死に応戦する。
けど明らかに手数が足りない。
やっぱりさっきの光で倒すしかない。
あ、よく見たら宇宙人も浮いてる。
それなら……!
唯「ついてきなさい!」
私は空高く舞い上がった。
宇宙人もついて来ている。
このまま雲の上まで行けば気兼ねなく光を放出できる。
なんとかなりそうだね。
宇宙人「ぷっぴぃ」
唯「へっ?」
油断した。
足を掴まれた。
百物語ってこんなんだっけ・・・
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 16:46:10.05 ID:4kN8Sz1iO
デルフリンガーさん復活おめでとう
さようならティファニア
しえん
233 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 16:52:52.58 ID:9qNZHb+j0
宇宙人「ぷぴいいいい」
唯「ふぐっ!?」
思い切りお腹を殴られた。
は、吐きそう……。
宇宙人はそこから猛ラッシュ。
足をつかまれたままじゃろくに攻撃を防げない。
ヤバイ……意識が……。
宇宙人「ぷぴいいいいいい」
唯「!?」
宇宙人が私のことを地上に向かって投げ飛ばした。
朦朧とする意識の中で宇宙人が口をあけてそこから光を発射したのを確認した。
唯「げほっげほっ……」
地面に衝突する手前でなんとか体勢を立て直す。
上を見やると巨大な光が私目掛けて降り注いできている。
あんなのが落ちてきたら学校はおろか日本が大変な事になってしまう。
軽音部のみんなが死んじゃう……それだけは嫌だ。
私は右足を諦めた。
支援
235 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 16:59:55.23 ID:9qNZHb+j0
右足を力に変えてそれを右手から……あれ、右手が動かないや。
右手を見ると関節がひとつ増えていた。
痛みを消してなかったら大変だった。
この際吐き気も消しておこう。
右手が使えないなら……これでどうだ。
宇宙人のまねをして口を大きく開けた。
そして口から光を放出する。
唯「んがぁーーーー!!」
宇宙人「ぷぴいいいい」
宇宙人の光と私の光が空中で衝突する。
辺りは激しい衝撃に見舞われてた。
唯「んがーー!」
あごいたいよう。
……。
あ、あれ?
もしかして私押されてる?
236 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 17:07:27.17 ID:9qNZHb+j0
そんな……右足全部使ったのに!
このままじゃ地球にぶつかっちゃう!
そうしている間にも光は着実に地球へ向かってきている。
こっちだって色んなところを使って思いっきり打ち返してるのに歯が立たない。
唯「ん、んあ……」
あごいたいよう。
光はとうとう私の目の前にまで来てしまった。
あ、駄目だ……。
もう駄目だ。
私は光に飲み込まれた。
梓「唯センパーイ!!」
ああ、あずにゃん……ごめんね守れなくて。
私もあずにゃんも死んじゃうんだ……?
死ぬ?
うそ、私もあずにゃんもみんなも死んじゃうの!?
無理無理無理!
死にたくないよ!
死なせたくないよ!
でももう……いやいやこうなったらやけくそだ!
私の身体を光に変えて……
唯「おっしゃああああああ!!」
237 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 17:14:35.96 ID:9qNZHb+j0
私を激しい光が包み込む。
むしろ私が光なのかも?
私は宇宙人に向かって突進した。
私自身が光に包まれて宇宙人の光を押し返す。
宇宙人まで一直線だ。
すっごい早いよ。超スピード。
これで倒す事ができても私は宇宙の果てまで行っちゃうかな……。
いやいや今は宇宙人を倒す事だけ考えなきゃ!
唯「おりゃああああああああお引き取りくださいっ!!」
宇宙人に体当たりした。
私と宇宙人はそろって宇宙に飛ばされた。
宇宙人はそのままどこか遠くまで行ってしまった。
やった……やったよみんな。
みんなを守る事ができた。
でも私は……今身体がどのくらい残ってるのかもわからないや。
みんなにもう一度会いたいよ……。
238 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 17:21:35.77 ID:9qNZHb+j0
律「う……どうなったんだ?」
梓「唯先輩……」
梓「今唯先輩が空に行ったような気が」
澪「校庭に唯の姿がない。それじゃあ本当に……」
紬「唯ちゃんが……唯ちゃんが命を懸けて私達を守ってくれた」
律「唯、ゆいぃ」
梓「唯先輩……ありがとうございます」
239 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 17:28:51.72 ID:9qNZHb+j0
それから1年後。
学校も元通りになりました。
私達はようやくもとの生活に戻れそうです。
梓「こんにちは」
澪「お疲れ」
律「おっす」
紬「お茶入れるね」
梓「ありがとうございます」
みんなはどこか寂しそうにしています。
やっぱりあの時の事を気にしてるんでしょうか。
梓「練習……しましょうか」
澪「そうだな」
紬「そうね」
律「やるか!」
口には出さないけどきっとみんなもう一人のギタリストの事を考えているはずです。
240 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 17:36:38.85 ID:9qNZHb+j0
それが少し嬉しい……えへへ。
みんな心配かけてごめんね。
私はドアを開けて部室に突入した。
唯「平沢唯ただいま戻りました!」
澪律紬梓 「!!?」
澪「あ……あ?」
紬「唯ちゃん!?」
梓「唯先輩!? 死んだんじゃあ……」
唯「えー死んでないよ!」
律「だ、だってお前宇宙に行ったじゃんか!」
唯「いやーあの時は本当に死ぬかと思ったよ」
唯「まず酸素がなくても生きていけるようにして次に髪の毛を使って身体を修復してそれから――」
唯「というわけで随分時間が掛かっちゃったけどこうして戻ってくる事が出来ました!」
律「なんだかよくわからない。お前は人類なのか?」
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 17:42:13.51 ID:nGFRmTF6O
テスト
242 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 17:43:41.03 ID:9qNZHb+j0
唯「むー当たり前だよ」
梓「よ……よかったぁ……」
唯「あずにゃん! 心配かけてごめんねぇ〜むぎゅうううう」
梓「うえええん」
澪「よかった……本当によかった」
私は平和を勝ち取りました。
でも……
さわ子「みんな大変よ!」
唯「さわちゃん!」
さわ子「唯ちゃん!? どうして……!? いやそれより」
唯「それより!? しどい!」
さわ子「聞いて、なんでも北海道が爆発したらしいの!」
律「はあ!?」
唯「……」
243 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 17:50:40.86 ID:9qNZHb+j0
紬「爆発って……爆弾とかですか?」
さわ子「詳しい事はわからないけど北海道が丸々なくなったみたいだからそうかもしれないわね」
澪「そ、そんな……」
私はその原因を知っているかもしれない。
また何者かが悪い事をしているのかも。
唯「私ちょっと見てくるよ」
律「はいぃ?」
唯「私なら何とかできると思うし。それに何とかしないとここも危なくなりそう」
梓「唯先輩……?」
244 :
Ch.040 唯「対価」:2010/07/23(金) 17:57:44.09 ID:9qNZHb+j0
唯「大丈夫大丈夫! 今度はもっと早く帰ってくるよ!」
唯「とうっ!」
紬「飛んだ!?」
澪「あ……アヘ……」
唯「ちょっと行って来るねー!」
それにしても……
私がこの力を手に入れてから嫌な事がたくさん起こるなあ。
なんでだろ?
まあ仕方ない、ちゃっちゃと片付けて早く憂の顔を見に帰ろうっと。
この力があると便利だしみんなを守れるもんね。
……お、青森が見えてきた。
よーしがんばっちゃうぞ!
END
245 :
Ch.041 唯「あずにゃんもミルキーいる?」:2010/07/23(金) 18:05:11.71 ID:9qNZHb+j0
「あずにゃはぁん!」
「うわっぷ!」
「すんすん。あはぁ〜あずにゃんいい匂いがする」
「嗅がないで下さいよ」
今日も早速唯先輩に抱きつかれた。これで5日連続。
まったくもう。唯先輩はいっつもいっつも所構わず抱きついてくるから困る。
おまけに人の匂いまで嗅ぎ出すし……。
そういう唯先輩だってなんだか甘ったるい匂いがするじゃないですか。
この匂いはなんだろう。赤ちゃんの匂いっていうのかな。
甘いミルクのような匂い。
唯先輩らしいと言えばらしいかな。
でもなんだか……お母さんのイメージもあるような気がする。
普段はだらしないけどそれでもやっぱり先輩で、いざという時に頼りになるし。
お母さんのような優しくて暖かい匂い。
唯先輩って体温高めだから余計にそう感じるのかも。
はあ……あったかい。いい匂い。
赤ちゃんぽいけどお母さんのようでもある不思議な匂い。
こうしていると子猫を抱きしめている時みたいに胸がきゅんてする。
……あ。また流されちゃった。
やっぱり私って甘いものに弱いのかなあ。
END
246 :
Ch.042 脳内会議:2010/07/23(金) 18:14:12.40 ID:9qNZHb+j0
唯「うーん……」
和(まだ部活決めてないの?)
唯「あ、和ちゃん」
和(こら、学校で声出して喋っちゃ駄目でしょ)
唯(そうでした)
和(まったくもう)
唯(それで部活なんだけど)
和(そうね……生徒会とかどう?)
唯(ええ〜)
和(まあ唯には向いてないかもね)
247 :
Ch.042 脳内会議:2010/07/23(金) 18:21:45.13 ID:9qNZHb+j0
唯「うーん……」
和(ほら、掲示板に勧誘ポスター貼ってあるわよ)
唯(どれどれ)
唯(けいおんぶ?)
唯(簡単な音楽か……これなら私にも出来そうじゃない?)
和(うんたん♪ うんたん♪)
唯(何それ)
和(軽音部に入った唯を想像してみたんだけど……合ってるんじゃないかしら)
唯(そうだよねっ! よーし軽音部に入るぞー)
和(こうして唯は軽音部に入りました)
248 :
Ch.042 脳内会議:2010/07/23(金) 18:29:04.93 ID:9qNZHb+j0
●ケース1
律「唯ーテストどうだった? 赤点とか言わないよな」
唯「まあまあかな」
律「どれどれ……うわっ高得点だらけ!」
唯「ふふーん」
和(あんた私が言った答え書いただけでしょ)
唯「えへへ」
●ケース2
唯「ねえりっちゃん、部活申請用紙? っていうの出した?」
律「何それ?」
唯「なんかそれ出さないと駄目らしいよ?」
律「そっかー」
249 :
Ch.042 脳内会議:2010/07/23(金) 18:36:30.85 ID:9qNZHb+j0
●ケース3
唯「あと顧問も見つけないとね」
律「顧問か〜」
澪「唯って結構しっかりしてるよな」
紬「そうね〜」
●ケース4
唯「あれ〜Cってどうやって押さえるんだっけ……」
唯「……」
唯「……そうだった!」
チャリラ〜ン
●ケース5
澪「そういえば唯っていつもお弁当だよな」
唯「うん、(和ちゃんが作りたいって言うから)自分で作る時もあるよ」
澪「すごい」
250 :
Ch.042 脳内会議:2010/07/23(金) 18:43:33.08 ID:9qNZHb+j0
●ケース6
澪「唯は進路決めたのか?」
唯「うーん……候補はあるんだけど」
澪「どこ?」
唯「K大」
澪「すごい! 難関じゃないか!」
唯「もしくは未定です」
澪「極端すぎるだろ」
まだやってたのか・・・
252 :
Ch.042 脳内会議:2010/07/23(金) 18:50:44.58 ID:9qNZHb+j0
●オマケース
澪「文芸部に入ろう」
律(えー軽音部にしようよ!)
澪(えー)
律(ちょっと見るだけ、ちょっと見るだけ)
澪(わかったよ)
*
澪「廃部寸前だってな」
律(そんな……)
澪(じゃあそういうことで)
律(待て澪!)
律(あのときの約束は嘘だったのか!?)
律(私がドラム、澪がベースでずっとバンド組もうって……!)
澪「捏造するな! ってか無理だろ!」
紬「……」
253 :
Ch.042 脳内会議:2010/07/23(金) 18:58:16.70 ID:9qNZHb+j0
澪「あっ……いやこれは……」
律(今だ! 勧誘するんだ澪!)
澪(ちょっと黙ってろ!)
紬「あの……」
澪「いや、私は軽音部の……」
律(軽音部に入りませんか軽音部に入りませんか軽音部に入りませんか軽音部に入りませんか軽音部に入りませんか軽音部に入りませんか軽音部に入りませんか軽音部に入りませんか軽音部に入りませんか軽音部に入りませんか軽音部に入りませんか)
澪「軽音部に入りませんか……あっ」
澪「何言わせるんだよ!」
紬「……ぷっ」
澪(ほらー! 絶対変な人だと思われた!)
紬「なんだか楽しそう(な人)ですね。私でよければ入部させて下さい」
澪「へっ?」
254 :
Ch.042 脳内会議:2010/07/23(金) 19:07:10.52 ID:9qNZHb+j0
紬「キーボードくらいしか出来ませんけど」
澪「私はベースとドラムを」
*
唯「私この部に入部します!」
澪紬「わぁい」
澪「なんだかんだであと一人か」
紬「でももうすぐ期限ですよ」
唯「和ちゃんも入れれば4人なんだけど……」
澪(誰?)
澪(律を入れれば4人なんだけどな)
*
澪「人数割れで廃部しました」
END
255 :
Ch.043 波動の構え:2010/07/23(金) 19:14:11.26 ID:9qNZHb+j0
唯「……ムギちゃんを返して」
唯「ハッ!」
「ドンッ!」
唯が律に向かって右手をかざし、気合を入れる。
その瞬間律は後方へ吹っ飛び部室のホワイトボードに叩きつけられた。
律「ごはっ!」
律「……やるじゃん。今度はこっちの番だ」
律は姿勢を低くして唯との間合いを詰める。
律「うらぁ!」
力を込めた右ストレートを放つ。
唯はそれを避けながら距離を取った。
唯「結構早いね……」
律「……それでかわしたつもりか?」
唯「えっ……うっ!?」
唯の左腕がだらんと落ちた。
256 :
Ch.043 波動の構え:2010/07/23(金) 19:21:59.20 ID:9qNZHb+j0
唯「そんな……掠っただけなのに」
律「ドラムはパワーだぜ」
唯「くっ」
律「ムギは返してもらうぞ」
紬「二人ともやめてぇ!」
澪「ふふ、無駄だよ」
澪「これで二人が潰し合ってくれれば手間が省ける」
紬「どうすればいいの……!」
律「次で決める」
律は右腕を引いて力を込めた。
唯「負けないっ!」
唯が連続で右手をかざす。
「ドンッ! ドンッ! ドシュッ!」
律はそれをジャンプや横っ飛びで回避しながら距離を詰める。
その間も右腕の構えは解かない。
律「くらええええ!」
257 :
Ch.043 波動の構え:2010/07/23(金) 19:29:00.01 ID:9qNZHb+j0
ガチャ
梓「やめてください!」
律「!」
唯「!」
紬「あ、梓ちゃん!」
梓「何やってるんですか……」
梓「こんな事やってる場合じゃないでしょう」
梓「みんなで学園祭頑張ろうって言ったじゃないですか!」
梓「それなのに……」
紬「梓ちゃん……」
律「……う」
唯「……あ」
梓「恥ずかしくないんですか!?」
梓「高校生にもなって戦いごっこなんて!!」
258 :
Ch.043 波動の構え:2010/07/23(金) 19:36:00.28 ID:9qNZHb+j0
律「……梓、ありがとう」
唯「目が覚めたよ」
梓「先輩……!」
律「さてと……澪、よくもやってくれたな」
澪「何……まさか幻術が解けたのか!」
唯「あずにゃんのおかげでね」
梓「……はい?」
律「唯、左腕は大丈夫か?」
唯「大丈夫だよ。それにりっちゃんと一緒なら片腕で十分」
澪「舐められたものだな……一瞬で終わらせてやるよ」
律「唯! 力を合わせるぞ! はあああああ!!」
唯「うん! やあああああ!!」
澪「おおおおお!!」
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 19:36:54.39 ID:67EcQUcu0
> Ch.040 唯「対価」
不覚にも感動した…
いくらでも単独スレ作れそうなのに
贅沢なSSだな
260 :
Ch.043 波動の構え:2010/07/23(金) 19:43:00.83 ID:9qNZHb+j0
三人が部室の中心へ向かって駆ける。
そして同時に拳を突き出した。
紬「ドッゴオオオオン!」
梓は頭を抱えた。
END
261 :
Ch.044 澪「お口で説明させていただきます」:2010/07/23(金) 19:51:20.48 ID:9qNZHb+j0
澪「お……お口で説明させていただきます」
唯「よっちゃん……なんだかえっちいよ」
紬「oh……」
END
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 20:11:48.29 ID:NIdX/FM30
基本短いのが多いがよくネタが続くな
263 :
Ch.045 ひとつになりたい:2010/07/23(金) 20:13:34.35 ID:9qNZHb+j0
律「澪、好きだ!」
澪「律……!」
「「結婚しよう!!」」
澪「ちょっと待って律、日本では同姓婚は認められているのか?」
律「……確か駄目だったな」
澪「そんな!」
律「諦めるのはまだ早い! 海外で籍を入れればいいんじゃね?」
澪「なるほど! 確かヨーロッパやアメリカの一部の州で認められてたな!」
律「そうと決まれば……」
唯「ちょっとまって!」
264 :
Ch.045 ひとつになりたい:2010/07/23(金) 20:23:45.27 ID:9qNZHb+j0
律「唯!」
唯「私もりっちゃんのこと好きだよ!」
唯「それから澪ちゃんも!」
律「唯! 私実は唯も好きなんだ!」
澪「唯! 私だって唯も好きなんだ!」
「「「結婚しよう!!!」」」
唯「やったあ! でも3人で結婚できるの?」
澪「確かにどうなんだ?」
律「うーむ……」
紬「ちょっと待って!」
265 :
Ch.045 ひとつになりたい:2010/07/23(金) 20:34:07.21 ID:9qNZHb+j0
律「ムギ!」
紬「私もみんなが好き! それに打開策はある!」
澪「な、なんだって!? 私もムギのこと好きだぞ!」
律「私だって!」
唯「私だってそうだよ!」
「「「「結婚しよう!!!!」」」」
紬「三人婚というものがあるわ」
澪「すごい! 説明が要らないくらい希望がわいてきたぞ!」
律「待て澪! 一人あぶれるぞ!」
唯「一人は養子縁組でなんとか……」
澪「それだ!」
梓「ちょっと待ってください!」
266 :
Ch.045 ひとつになりたい:2010/07/23(金) 20:45:11.57 ID:9qNZHb+j0
律「梓!」
梓「私だって皆さんと何時までも一緒にいたいです! 好きなんです!」
澪「なんだって!? 私もだ!」
唯「もちろん私もだよ!」
紬「オフコース!」
律「こういうことだ!」
「「「「「結婚しよう!!!!!」」」」」
梓「養子縁組もいい案ですが一夫多妻制、又は一妻多夫制というものがあります!」
律「なるほど! その手があったか! みんなパスポートの準備はいいか!?」
澪「どこへ行けばいいんだ!?」
梓「一夫多妻制だとイスラム教国、もしくはアフリカでしょうか!」
紬「流石!!」
唯「いざいかん!」
和「ちょっと待ちなさい!」
267 :
Ch.045 ひとつになりたい:2010/07/23(金) 20:59:50.71 ID:9qNZHb+j0
律「和!」
和「私は軽音部じゃないけどそれでもあなたたちのこと好きなのよ!」
澪「なんだって!? それじゃあ両思いだ!」
唯「両思いっていいよね!」
紬「相思相愛!」
梓「私もペロ!」
律「つまり何が言いたいかというと!」
「「「「「「結婚しよう!!!!!!」」」」」」
和「複婚て素晴らしいわね! でも人数が人数だし困ったわ! オランダに行けば何とかなると思
っていたけど!」
律「ただでさえ6人もいるのにその上全員同姓だからな!」
唯「それでも私達は諦めない!」
澪「意外と何とかなるかも!」
紬「みんな準備はOK!?」
梓「やっt!」
268 :
Ch.045 ひとつになりたい:2010/07/23(金) 21:04:50.09 ID:9qNZHb+j0
純「待ってください!」
梓「遅い!」
律「ぐずぐずするなよ!」
「「「「「「「結婚しよう!!!!!!!」」」」」」」
純「私は事実婚でも構いませんから!」
澪「謙虚! だけど絶対に何とかするぞ!」
唯「私の子供になってもいいのよ!」
和「ドキドキする!」
紬「もはや乱婚!」
律「ついておいでー!」
END
269 :
Ch.046 「唯の旋律を紬いで梓に鏤める。あと澪」:2010/07/23(金) 21:10:48.66 ID:9qNZHb+j0
澪「……」
律「うわっ見るなよ!」
澪「……」
律「なんだよーいいだろ別にー」
澪「……」
律「はいはいどうせ恥ずかしい事してましたよ」
澪「なんで私だけあぶれてるんだよ!」
律「えっ……だって……漢字の意味が……」
END
>>ch45
何という俺得展開。
271 :
Ch.047 純「発想飛び空中離散」:2010/07/23(金) 21:15:55.38 ID:9qNZHb+j0
ピンポーン
唯「はーい」
ガチャ
純「こんにちはー憂居ますか?」
唯「純ちゃんいらっしゃーい。憂なら今飲み物買いに行ってるから先に上がってて」
純「はーいおじゃましまーす」
唯「何か飲み物……がないんだよねえ」
唯「お? 冷凍庫にカップアイスが丁度2つ入ってる」
唯「純ちゃんアイス食べる?」
純「食べまーす」
272 :
Ch.047 純「発想飛び空中離散」:2010/07/23(金) 21:20:58.43 ID:9qNZHb+j0
純「おいひい〜」パクパク
唯「おいひい〜」モグモグ
純「このアイス最近発売したやつですね」
唯「そうなの?」
純「確か前に憂が言ってました。この夏限定のアイスだから一度食べてみたいって」
唯「そっか〜」
純「……」パクパク
唯「……え?」
273 :
Ch.047 純「発想飛び空中離散」:2010/07/23(金) 21:25:58.90 ID:9qNZHb+j0
唯「ゴメンね純ちゃん、わざわざ付き合せちゃって」
純「いえ、私も食べちゃったし……あ、このお店です」
唯「よし、憂が帰ってくる前にアイス買って戻らなきゃ」
純「ですね……あっジャリジャリ君の新しい味が出てる!」
唯「えっほんと!?」
純「あー……アボガド味はちょっとな……」
唯「えー美味しそうじゃない?」
純「そうですかあ?」
唯「おいしそうだよ〜」
274 :
Ch.047 純「発想飛び空中離散」:2010/07/23(金) 21:31:02.21 ID:9qNZHb+j0
唯「アイス談義してる場合じゃなかった」
純「申し訳ない」
唯「憂帰ってなければいいけど」
純「でも憂なら許してくれそうだけどなー」
唯「純ちゃん。憂の怖さをわかってないね」
純「え……」
唯「よし、家まで走るよ!」
純「あっ待って下さーい!」
275 :
Ch.047 純「発想飛び空中離散」:2010/07/23(金) 21:36:02.45 ID:9qNZHb+j0
唯「ついた〜!」
純「はあはあ」
唯「ただいま〜」
純「ただいま〜」
憂「ただいま〜」
純「うおっ!」
唯「うっ憂!?」
憂「えへ、お姉ちゃん達が走ってるのが見えたからこっそり後付けちゃった」
憂「でもどうして二人が走ってたの?」
純(まずい! こうなったら私が時間を稼ぐから唯先輩は早くアイスを冷凍庫に!)チラッ
唯「!」コクン
276 :
Ch.047 純「発想飛び空中離散」:2010/07/23(金) 21:41:02.78 ID:9qNZHb+j0
純「実は――」
唯「実はアイス買いに行ってたんだ!」
純「おいィ?」
憂「アイス?」
唯「実は憂のアイス食べちゃったの! それで買いに行ってたんだ……ごめんなさい!」
唯「純ちゃんは悪くないんだよ!」
憂「お姉ちゃん……」
唯「ひぃっ!」
憂「私怒ってないよ。それにわざわざ買って来てくれたんでしょ?」
唯「うん」
憂「ありがとうおねえちゃん」
唯「うい〜」
純「やっぱり怖くないよ」
277 :
Ch.047 純「発想飛び空中離散」:2010/07/23(金) 21:46:14.61 ID:9qNZHb+j0
唯「憂が許してくれてよかった〜」
憂「ふふ、それじゃあせっかく買ってきてもらったしアイス食べてもいいかな?」
唯「もっちろん! はいこれ」
憂「……?」
唯「ジャリジャリ君アボガド味!」
純「えっ、なんでそれ買っちゃってるの……?」
唯「えっ」
憂「なにこれ」
唯「え、あ……」
純「憂……?」
憂「私が買ったアイスと違うよね?」
唯「あひぃ!? こ、これは……そう! 純ちゃんのオススメで!」
純「!?」
離散
278 :
Ch.048 四八(手):2010/07/23(金) 21:51:14.52 ID:9qNZHb+j0
放課後の部室へ行くとりっちゃんが一人でソファに寝転んでいた。
澪ちゃんとムギちゃんは掃除当番って言ってたっけ。
「おーす唯」
「ういーす」
「今日もいい天気だよな〜」
うん。そうだねりっちゃん。
ていうかりっちゃん、スカートで寝転がってると色々見えちゃうんだけど。
そんなことお構いなしで寝てるりっちゃんはもしかして誘っているんでしょうか。
「なあゆい」
りっちゃんの流し目にドキッとした。
「……何かな」
「暇だしさ……やるか」
「えっ、何を?」
流石りっちゃん。情緒とかないね。
「何、か……じゃあ四十八手とかやってみるか」
「……りっちゃんがやりたいなら、やる」
279 :
Ch.048 四八(手):2010/07/23(金) 22:04:15.16 ID:9qNZHb+j0
「んじゃあ……」
りっちゃんが立ち上がって私の前に来る。
こんな展開でも緊張してきてしまう。
りっちゃんの手のひらがゆっくりと持ち上がって私の胸に突き出された。
律「突き出し!」
唯「むおっ! じゃあ寄り切り!」
律「やるな! 押し出し!」
唯「なんのー上手投げ!」
律「じゃあ下手投げ!」
唯「掛け投げっ!」
律「どすこーい!」
唯「相撲はっ!」
律「国技ですたーい!」
END
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 22:07:59.31 ID:NIdX/FM30
そろそろ折り返し地点か
281 :
Ch.049 ドラマー!!:2010/07/23(金) 22:13:41.12 ID:9qNZHb+j0
澪「きたぞー」
律「おう、まあ座れよ」
澪「何してたんだ?」
律「ん? ちょっとネットサーフィンをな」
律「とりあえず飲み物持ってくるよ」
澪「ありがと。パソコン使ってていい?」
律「おーう」
澪「じゃあさっそく……」
282 :
Ch.049 ドラマー!!:2010/07/23(金) 22:19:03.29 ID:9qNZHb+j0
澪「律のマイドキュメント見ちゃおう」
澪「私の恥ずかしい写真とかないよな……あったら削除しておこう」
澪「……ん、なんだこのファイル?」
澪「『fillin』……フィルイン?」
澪「なんだろ、ドラム関係のファイルかな? ちょっと見てみよう」
澪「……動画が一杯入ってる。そっか、ドラムの動画か。律も頑張ってるんだな」
澪「どれどれ……」カチ
アアーン
澪「いっ!?」
澪「ななななんだよこれ! もしかしてこの動画全部え、えっちな動画なのか……!?」
律「おまたせー何見てんのーうおおおおおおい!!」
283 :
Ch.049 ドラマー!!:2010/07/23(金) 22:25:37.97 ID:9qNZHb+j0
澪「な、なんだよあれ!」
律「見たまんまだよ! ていうか見るなよ!」
澪「だってフィルインって書いてあったからドラムの動画かと……」
律「う……」
律(見られた……あ、まさかあれも!? いや、あれは隠しフォルダだから大丈夫のはず……)
澪「なんですかあれは」
律「Fill‐In>フィルイン>おかず>アレのおかず……なんちゃって」
澪「……」
律「なんだよーいいだろべつにー!」
律「マキちゃんだってやってるかもしれないぞ!」
律「ありえないとも言い切れないぜー。以外にムギとかも」
澪「ねーよ」
END
284 :
Ch.050 律がいない軽音部:2010/07/23(金) 22:31:19.35 ID:9qNZHb+j0
紬「お茶が入りました〜」
澪「ありがと」
唯「あ、今日りっちゃんの分のケーキが余るね!」
紬「食べる?」
唯「やったぁ」
梓「それ食べたら練習しましょう」
澪「そうだな」
紬「そうね」
唯「もちろん!」
END
285 :
Ch.051 IF もしも 1「音楽を志すなら都会or地元」:2010/07/23(金) 22:37:06.95 ID:9qNZHb+j0
唯「夢は武道館ライブ!」
唯「……とは言ったもののいまだに夢を追い続けているのは私だけ」
唯「みんな忙しくなってきてるし仕方ないか。みんなにはみんなの夢があるもん」
唯「でも私は……私だけは諦めないぞ。みんなの希望を背負って羽ばたけ私」
唯「うーん……やっぱり都会に殴り込みをかけに行ったほうがいいのかな」
唯「いろんなライブハウスで演奏したりオーディション受けたり……そういうのは都会に居た方が活動しやすいかも」
唯「それとも地元でもう少し頑張ってみようか」
唯「大学行きながら活動できるし」
唯「うーん……どうしよう?」
A 音楽を志すなら都会だ!……>>Ch.052へ
B 地元で音楽を志す!……>>Ch.053へ
END
286 :
Ch.052 IF もしも 1A「音楽を志すなら都会」:2010/07/23(金) 22:44:40.47 ID:9qNZHb+j0
一袋のポテトチップスと一本の凍らせたチューペット。
これは私の中で祝杯を意味する。
私が曲を作る時は決まってこの山奥のペンションで缶詰になる。
そして曲が完成したら必ず一袋のポテトチップスと一本の凍らせたチューペットでささやかな祝杯をあげる。
今回はアルバム用の曲の製作のためにここに来た。
正直しんどかったけどいい曲が出来たと思う。
新しい事に挑戦しようと思って今までのキャピキャピした路線じゃなくて暗めな曲を作った。
今までとはちょっと違うけどみんなは受け入れてくれるかな。
これが上手くいったら次はどうしようか。
まだまだやりたい事がいっぱいあるんだから。
おおっと。
とりあえず今はチューペットで乾杯しよう。
ちなみにこのアイスをヌンチャクアイスって呼ぶ人もいるらしい。
上手く割れるかな……?
「ふっ!」
よし、綺麗に割れたぞ。これは幸先がいいね。
それでは。
「乾杯!」
一人きりのささやかな祝杯をあげた。
287 :
Ch.052 IF もしも 1A「音楽を志すなら都会」:2010/07/23(金) 22:50:53.44 ID:9qNZHb+j0
単身都会に殴りこみをかけてから何年たっただろう。
地道な下積みおかげでこうして音楽でご飯が食べられるようになった。
ひとつの事に集中できる環境がよかったのかもしれない。
今では作詞作曲も慣れたものよ。ふっふっふ。
私は今間違いなく幸せだ。
夢を叶える事が出来たし毎日大変だけど楽しさとやりがいを感じている。
だけどひとつだけ心残りがある。
地元に残してきたたった一人の妹の事だ。
憂は私がいなくなってからとても辛そうだったと聞いている。
たまに帰った時にはそんなこと感じさせないくらい元気だったんだけど。
そんな憂にも大切な人が出来てひとつになり、私から離れる事が出来た。
とっても仲が良くて私が嫉妬しちゃうくらい。
でも、憂の伴侶は突然帰らぬ人となる。事故だった。
それからの憂は心を病んでしまって見ていて辛い。
だけど私もお父さん達も仕事が忙しくて憂と一緒にいる時間を中々作れなくて。
あの時、いやそれ以前からもっと憂と一緒にいればこんな事には……。
正直心を病んでしまった憂と会う事が怖い。
それでもたった一人の妹なんだから、お姉ちゃんが何とかしてあげないと。
私は決意を固めてポテトチップスの袋を引きちぎった。
明日、久しぶりに憂の様子を見に帰ろう。
曲もとりあえず出来たし憂と一緒にいられる時間は割とある。
私が憂にしてあげられる事が何かあるはずだ。
待っててね、憂。
END
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 22:51:58.63 ID:4kN8Sz1iO
し
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 22:53:03.54 ID:6dyIF+XZ0
おわり?
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/23(金) 22:53:11.22 ID:/IwUil9a0
半分行ったか
支援
291 :
Ch.053 IF もしも 1B「音楽を志すなら地元」:2010/07/23(金) 22:55:47.07 ID:9qNZHb+j0
唯「みんなお待たせ〜!」
澪「お、来た来た」
ライブハウスの前にはもうみんなが集まっていた。
律「おーす唯」
紬「唯ちゃん」
梓「遅いですよ」
唯「ごめんごめん」
律「それじゃみんな揃った事だし入るか」
唯「おー」
今日は久しぶりにライブハウスでの演奏。
私は再結成した放課後ティータイムでバンド活動を続けている。
292 :
Ch.053 IF もしも 1B「音楽を志すなら地元」:2010/07/23(金) 23:00:03.80 ID:9qNZHb+j0
バンド活動って言うと本格的なものを想像するかもしれないけど実際はたまに集まって練習するくらいの趣味の範疇です。
地元で音楽活動を続けていた私だけど上手く行かなくて結局夢半ばで断念しました。
今では小さな会社に就職していて音楽は専ら趣味でやってます。
音楽を趣味として続けているのはみんな一緒で、だからこうして放課後ティータイムを再結成する事が出来たんだ。
半年に一回くらいはこうしてライブハウスで演奏します。
小さなライブハウスで対バンするのは大体身内でお客さんも大体身内。それでもこうしてみんなと一緒に演奏できるだけでとっても楽しい。
私達がライブハウスでやる時は憂や和ちゃんも駆けつけてくれるし。
これはこれで幸せ……かな。
律「――って唯!」
唯「へ? あ!」
律「リハーサルだからってぼけっとしすぎ」
唯「ごめんごめん」
律「それじゃもっかい最初からな」
唯「おっけー! みんな頑張ろうね!」
END
293 :
Ch.054 澪(律「澪(律「澪(律「澪(律」):2010/07/23(金) 23:07:41.37 ID:9qNZHb+j0
律「うひーーーーーー」
澪「そうだな」
ちゃっぷいよう、ちゃっぷいよう。
律「がっし、がっし」
!?
澪「馬鹿」
律「え〜」
むひひい。りーとてってって。りーとてってって。あえあえええええ。
むきゅううううう!
294 :
Ch.054 澪(律「澪(律「澪(律「澪(律」):2010/07/23(金) 23:21:58.66 ID:9qNZHb+j0
もぞるし。
澪「そういえばアレどうだった?」
律「うい?」
澪「私が書いた詞のことだよ」
律「ぬ! ぬーん……」
澪「まだ読んでないのか」
律「えい。ぱらった」
澪「こないだも忘れてたって言ってた」
律「あえ? そうらった?」
いどい! いどいりー……
チューペットって生産やめちゃったよね
296 :
Ch.054 澪(律「澪(律「澪(律「澪(律」):2010/07/23(金) 23:27:05.04 ID:9qNZHb+j0
澪「……」
律「くぁ……みぃ?」
澪「……」
律「メェン」
澪「……」
律「きょおみう。絶対」
澪「……絶対だぞ」
ちぇりーぱい。
みぃちぇりーぱい。
れもん……。
297 :
Ch.054 澪(律「澪(律「澪(律「澪(律」):2010/07/23(金) 23:32:51.58 ID:9qNZHb+j0
澪「なあ律」
律「んえ?」
澪「律はさ、やっぱり私の詞って嫌い……かな」
律「なすて?」
澪「いつも背中が痒くなるって言うし、今も読んでないし」
うぐううう。
さんしょう。
澪「嫌だったら無理に読まなくてもいいよ」
いや゛んんんんん。よんDEEEEEE。
律「……」
298 :
Ch.054 澪(律「澪(律「澪(律「澪(律」):2010/07/23(金) 23:38:25.48 ID:9qNZHb+j0
律「そんなことないのこと」
澪「嘘」
律「ほんこと」
どうだかだかどう。
ちょうせみぃのことふつうんころ?
律「……」
律「みぃすき」
澪「……へっ?」
……あいいいい!?
りーがみぃのことしゅっきりんこ!
りーがみぃのことしゅっきりんこ!
律「し」
澪「え、ああ、詞の話か……」
あせりんこ。
ねつりんご。
299 :
Ch.054 澪(律「澪(律「澪(律「澪(律」):2010/07/23(金) 23:44:12.34 ID:9qNZHb+j0
律「あえ、あふ、よりみちアイス!」
澪「え、今からか?」
律「せえ」
澪「……わかった。いいよ」
律「うえいっ」
澪「そのかわり」
律「むい?」
澪「ちゃんと詞を読むこと」
律「……むるめ」
澪「よし、じゃあ行こっか」
300 :
Ch.054 澪(律「澪(律「澪(律「澪(律」):2010/07/23(金) 23:49:54.82 ID:9qNZHb+j0
律「むえーい」
澪「ふふっ」
りーとあいしゅっしゅ。
りーとあいあいしゅっしゅ。
おふ?
いろイチョウちゃっぷい。
アイスちゃっぷい。
まおけ。
END
301 :
Ch.055 律「澪(律「澪(律「澪(律「澪)」:2010/07/23(金) 23:55:36.34 ID:9qNZHb+j0
律「うひーーーーーー」
澪「そうだな」
寒すぎる。流石11月だ。
なんか暖かくなる方法ないかなー。
とりあえず澪でもからかうか。
寒い時は腕組みすればいいとかなんとか。
律「がっし、がっし」
澪「馬鹿」
律「え〜」
あっさり返されてしまった。
ちょっとだけ期待してたんだけどな。
302 :
Ch.055 律「澪(律「澪(律「澪(律「澪)」:2010/07/23(金) 23:59:07.04 ID:9qNZHb+j0
澪「そういえばアレどうだった?」
律「うい?」
澪「私が書いた詞のことだよ」
律「ぬ! ぬーん……」
あれか……どうしよう。
澪「まだ読んでないのか」
そういうことにしておくか。
律「えい。ぱらった」
澪「こないだも忘れてたって言ってた」
律「あえ? そうらった?」
303 :
Ch.055 律「澪(律「澪(律「澪(律「澪)」:2010/07/24(土) 00:06:28.66 ID:szO+ftHj0
澪「……」
律「くぁ……みぃ?」
澪「……」
うあ……流石にこんだけ先延ばしにされたら怒るよな。
でもなあ。
とりあえず謝るしかないか。
あとは……。
律「メェン」
澪「……」
律「きょおみう。絶対」
澪「……絶対だぞ」
もう読み終わってるんだけどな。
ただあの詞は……なにか、ラブレター的な勢いでしたよね。
304 :
Ch.055 律「澪(律「澪(律「澪(律「澪)」:2010/07/24(土) 00:11:45.79 ID:szO+ftHj0
澪「なあ律」
律「んえ?」
澪「律はさ、やっぱり私の詞って嫌い……かな」
律「なすて?」
澪「いつも背中が痒くなるって言うし、今も読んでないし」
正直に言うと嫌いじゃないぞ。慣れたってのもあるけど。
それに今回の詞は……キた。
ていうかそういう意味合いなんだろうな。
澪「嫌だったら無理に読まなくてもいいよ」
律「……」
もう言っちゃうか。
色々と。
……ぐああ緊張する。
305 :
Ch.055 律「澪(律「澪(律「澪(律「澪)」:2010/07/24(土) 00:16:46.09 ID:szO+ftHj0
律「そんなことないのこと」
澪「嘘」
律「ほんこと」
うああどうしよ。
よ……よし、言うか。言っちゃうぞ。
律「……」
律「みぃすき」
澪「……へっ?」
…………だめだああ!
律「し」
澪「え、ああ、詞の話か……」
逃げちゃったぜ。
あああ顔から火が出そうだ。
許せ澪しゃん……。
306 :
Ch.055 律「澪(律「澪(律「澪(律「澪)」:2010/07/24(土) 00:22:34.80 ID:szO+ftHj0
律「あえ、あふ、よりみちアイス!」
澪「え、今からか?」
律「せえ」
澪「……わかった。いいよ」
律「うえいっ」
澪「そのかわり」
律「むい?」
澪「ちゃんと詞を読むこと」
律「……むるめ」
わかってるよ。
次は絶対ちゃんと返事するから。
澪「よし、じゃあ行こっか」
307 :
Ch.055 律「澪(律「澪(律「澪(律「澪)」:2010/07/24(土) 00:27:54.64 ID:szO+ftHj0
律「むえーい」
澪「ふふっ」
はあ、ドキドキした。
また先延ばしにしちゃったけど、今度は後がないからな私。
あー汗かいちゃった。
てかさっきまでは暑かったけどよくよく考えたらこの時期にアイスは寒いよな。
まあいいか。
END
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 00:28:21.40 ID:+SpVV7/i0
支援
309 :
Ch.056 ドラマニ!:2010/07/24(土) 00:33:28.84 ID:szO+ftHj0
律「あっドラマニの新作出てる! みーおーやろうよ!」
澪「私は見てるだけでいいよ」
律「そう? じゃあ私のスーパープレイをご覧遊ばせ」
律「……みーおー。100円貸して?」
澪「はいはい」
律「レッツプレイ!」
律「……ん? おおお! すごいぞ澪! シンバルとフロアタムが増えてる! ペダルもだーすげー!」
澪「ほら曲選ばないと」
律「ええっと……ん? どうやって選ぶんだ? ここか、いやこっちか?」タカタカ
律「あっ時間がなくなる! うあーどうなってるんだこれ!? ……あ、決まっちゃった」
律「難易度高いやつになっちゃっ……げへえ!? なんだこれむずすぎる!」
律「……あ、終わった」
律「みーおー……」
END
310 :
Ch.057 痴漢!!:2010/07/24(土) 00:40:05.94 ID:szO+ftHj0
紬「はあ……」
澪「どうした?」
紬「実は最近太っちゃって……」
澪「そ、そうか」
紬「なんだかお腹の辺りにお肉が……うっ」
澪「泣くなムギ……元気出そう」
紬「……うん」
311 :
Ch.057 痴漢!!:2010/07/24(土) 00:48:53.87 ID:szO+ftHj0
帰り道
紬「それじゃあ」
唯「バイバイムギちゃん」
梓「失礼します」
紬「……あ、ちょうど電車が来た」
プシュー ガコン
紬(よかった、今日は座れるわ〜)
ガタンゴトン
紬「……」
さわっ
紬「!?」
312 :
Ch.057 痴漢!!:2010/07/24(土) 00:53:55.49 ID:szO+ftHj0
紬(えっ?)
紬(もしかして隣のおじさんが……触った?)
紬(でも眠っているみたいだし)
さわっ
紬(!!)
紬(この人寝た振りしてる……?)
さわさわ
紬(もしかして……痴漢)
313 :
Ch.057 痴漢!!:2010/07/24(土) 00:58:55.61 ID:szO+ftHj0
さわさわ
紬(嫌……こわいよう)
さわさわ
紬(……あら?)
紬(どうしてこの人は私のお腹を揉んでいるのかしら)
紬(寝たふりをしているからどこを揉んでいるかわかってない……?)
紬(まさか胸を触っているつもりで……)
紬「」ブチッ
314 :
Ch.057 痴漢!!:2010/07/24(土) 01:03:56.55 ID:szO+ftHj0
ガタン……ゴトン……
プシュー ガコン
さわさわさガシッ
痴漢「!?」
紬「"お腹の"マッサージどうもありがとうございました」
ギリギリギリギリ
痴漢「ぎゃあああああ!」
プシュー ガコン
紬「……はぁ」
電車の中を見るとお腹を揉んでいた事に気付いて悔しそうにしているおじさんの姿が。
紬「……ダイエットしよう」
そう心に刻んだ今日の夕暮れでした。
END
315 :
Ch.058 澪「ひよこ芋虫」:2010/07/24(土) 01:11:04.86 ID:szO+ftHj0
最初の出会いは中学三年の時だった。
私は律と夏祭りに出掛けて露店を見て回っていた。
露店の一つにくじ屋があって、そこにはいろんな動物が居たっけ。
そのくじ屋ははずれでもひよこがもらえるんだけど当時の私はどうしてもそのヒヨコが欲しくてくじを引いた。
結果ははずれ。つまりひよこをもらうことが出来たんだ。
どこにでも居るような普通の黄色いひよこでとっても可愛かった。
私は早速家に帰ってひよこの寝床を作って世話をした。
時折ピヨピヨと鳴くひよこが愛らしい。
だけど翌日ひよこを見て私は驚愕することになる。
澪「ひ……ひよこの色が灰色に変わっている」
律「うわほんとだ……どうなってるんだ?」
澪「わからない。寝る前までは黄色だったのに……」
澪「ど、どうしよう律!」
律「どうって言われてもな……」
ひよこ「ぴよぴよ」
律「とりえあず水でもあげたら?」
316 :
Ch.058 澪「ひよこ芋虫」:2010/07/24(土) 01:16:26.34 ID:szO+ftHj0
澪「そうだな……」
澪「ほら、水だよ」
律「それにしても……ひよこってこんなにくちばし長かったっけ? 普通の三倍くらいの長さがあるんだけど」
ひよこ「ぴよぴよ……」
ひよこが水に口をつけた瞬間。
くちばしがぽろっととれた。
澪「……え?」
律「ほへ……?」
澪「きゃあああああ!」
律「ええっ! や、やばくないこれ!?」
ひよこ「……」
ひよこは鳴かなくなった。
でも普通に水を飲み始めたので私達は見守る事にした。
317 :
Ch.058 澪「ひよこ芋虫」:2010/07/24(土) 01:22:10.70 ID:szO+ftHj0
律「ケガしてくちばしがとれたわけじゃなさそうだな」
澪「う、うん」
それでもこの異常な事態は十分怖かったけど。
やがて水を飲み終えたひよこに更なる変化が訪れる。
律「ん……?」
澪「ひよこの毛が濡れてる?」
律「え……表面がどんどん濡れてきてるけど……どうなってんの?」
澪「ひっ……」
毛が湿ってきたかと思ったらどんどんゲル状の液体が表面から溢れてくる。
澪「いやあああああ!」
そうしている間にひよこはみるみるゲルで包まれてしまう。
もう灰色の毛もなくなってしまって……しまいにはゲル状の身体が半透明に。
そうしてある程度の形になった時には一体の透明な芋虫がそこにいた。
律「うおおっ……」
律が身震いした。
319 :
Ch.058 澪「ひよこ芋虫」:2010/07/24(土) 01:27:34.02 ID:szO+ftHj0
私は気を失いそうになりながらもなんとかそれを眺めた。
ひよこ芋虫「……」
見たことのない形の芋虫だ。
まず何と言っても身体が透明なのだ。薄い緑と透明。
そして体長十センチ。ひよこの形跡は微塵もない。
元から虫が苦手な私の身体は震えていた。
これが昨日私が欲しがっていたひよこの姿だというのか。
だがひよこ芋虫はさらに私達を驚かせる。
テーブルにおいていたエサを食べ始めるとさらなる成長を始めた。
芋虫に変わった時は十センチ程度だった身体がどんどん大きくなっていき、二十センチになる。
私は恐怖で動けなかった。
ひよこ芋虫がテーブルはら降り始める。
そのスピードは芋虫のそれではなかった。
一瞬で私の足元に移動すると今度は私によじ登り始めた。
澪「ひぃぃぃ……!」
体長二十センチの芋虫が私の身体によじ登ってきた。
それだけでどうにかなりそうだったが、私はじっと耐える事にした。
これは元々私が昨日出会って好きになったひよこなんだ。それを振り落とすなんてことしちゃいけないと強く念じた。
体中を猛スピードで駆け巡るひよこ芋虫。
それを目を瞑って必死に耐える私。
支援
321 :
Ch.058 澪「ひよこ芋虫」:2010/07/24(土) 01:34:01.71 ID:szO+ftHj0
いつの間にかひよこ芋虫は私の頭の上に乗っかっていた。
澪「っはあ……はあ……」
目の届かないところにいるおかげでなんとか我慢できた。
これは私が貰ったひよこなんだから私が育てないと。
この時の私はよくわからない理由でひよこ芋虫を育てる決意を固めた。
律「まじでそいつ育てるの……?」
澪「あ、ああ……」
震えた声で答える。
律「そもそもエサとかどうするんだよ」
澪「えっと、これ」
私は昼食用に作っておいたおにぎりを持った。
頭の上のひよこ芋虫にそれを近づけると……食べた。
律「うお……おにぎり食べるのかこいつ!」
澪「そっか、食べたか……良かった」
気持ち悪い事には変わりないが少しだけ以前の愛着が戻ってきた。
322 :
Ch.058 澪「ひよこ芋虫」:2010/07/24(土) 01:41:24.25 ID:szO+ftHj0
そうやって飼育してどれくらいの時間が経ったのか。
長かったのか短かったのか、あいまいで覚えていない。
気が付いたらひよこ芋虫は体長170センチの透明芋虫になっていた。
時は過ぎて私は高校生になる。
そこで私は命の危険に晒されることになった。
放課後の校舎で私と律とムギ、それにひよこ芋虫は追っ手から逃げていた。
ちなみにこの時にはすでにひよこ芋虫に対する恐怖はなくなっていた。
それでもひよこ芋虫はいつも私を驚かせてくれる。
突然だった。
ひよこ芋虫が変形してヒトガタになったのだ。
色は透明のままだったけど。
あとちょっとひょろい。
弱そうに見えたので戦力には入れない方向で考えたが一応銃は持たせておいた。
暫く校舎を逃げ続けていると私達は追っ手に出会ってしまう。
その追っ手は私達と同年代で、同じ制服を着て、髪を二つの黄色いヘアピンで留めていた。なかなかかわいい。
でも銃を持っている。
しえん
324 :
Ch.058 澪「ひよこ芋虫」:2010/07/24(土) 01:47:26.46 ID:szO+ftHj0
私達は咄嗟に物陰へと隠れて様子を窺う。
だがそこでひよこ芋虫が突然追っ手に向かって突っ込んだ。
ひよこ芋虫と追っ手の銃撃戦が始まる。
ひよこ芋虫は動きが早く普通に強かった。
何発か撃たれたがそれより多く相手に打ち返して勝利した。
その後、ひよこ芋虫は死んだ追っ手に触れた。
何をしているのか疑問に思っているとひよこ芋虫の身体はみるみる追っ手と同じ顔、服装へと返信していった。
澪「なっ!?」
この時は流石に声が出た。
色々頭の整理が追いつかないが、それどころじゃないので逃走再開。
その後も追っ手が現れる。だがひよこ芋虫は強かった。
もうすぐ校舎の外に出られるというところで突然前から追っ手のボスらしき人物が現れてこちらに銃を向けた。
だがひよこ芋虫が速攻でボスに一発入れる。
私達が安堵しかけた瞬間、ボスから三発の銃弾が返って来た。
325 :
Ch.058 澪「ひよこ芋虫」:2010/07/24(土) 01:52:27.76 ID:szO+ftHj0
律とムギが倒れる。多分死んだ。
ひよこ芋虫は足を撃たれて倒れた。
ボスはひよこ芋虫に向かって何発も銃弾を撃ち込む。
それでもひよこ芋虫は数発打ち返して、今度こそ勝利した。
私はボロボロになったひよこ芋虫に近寄って抱き抱えた。
今は少女の姿をしているひよこ芋虫は弱々しく笑ってから目を閉じた。
END
326 :
Ch.059 甘美な酩酊:2010/07/24(土) 01:57:33.70 ID:szO+ftHj0
律「乾杯!!」
唯「いえーい!」
澪「ごくごく」
紬「ごくごく」
梓「くぴくぴ」
和「ごく……え、これって」
HTT「ぷはー!」
和「ねえ律、今みんなが飲んでるのって……」
律「何? ただのジュースだよ。ほれ」
和「どれどれ……『ジュースみたいなお酒』って、ちょっと律!」
律「え〜?」
327 :
Ch.059 甘美な酩酊:2010/07/24(土) 02:04:08.84 ID:szO+ftHj0
律「硬いこというなよーいいじゃん!」
和「良くないわよ。澪も普通に飲んでるってことはお酒だって教えないで飲ませたわね」
律「うひょー!」
和「!?」
律「せーいかい!」
和「ちょっと、もう酔っ払ってるの?」
律「なにい!?」
律「酔ってないよ! 全然酔ってない!」
律「なあ澪!?」
328 :
Ch.059 甘美な酩酊:2010/07/24(土) 02:10:24.54 ID:szO+ftHj0
澪「ぐびぐび……ふう」
澪「えっ何? 私の詞が聞きたいって?」
澪「よーしよく聞いてろよ!」
澪「ときめきシュガー」
澪「……」
澪「りつぅー! 忘れちゃったよー!」
律「細かい事気にするなよ!」
澪「そうだよな!」
律澪「うえーい!!」
329 :
Ch.059 甘美な酩酊:2010/07/24(土) 02:15:25.44 ID:szO+ftHj0
和「……」
和「……あっ、ムギももう飲むのやめたほうが」
紬「え? 美味しいよ?」
和「そういう問題じゃなくて」
和「……ってあんた何杯飲んでるのよ」
紬「10缶くらい?」
和「もう!? 飲みすぎよ」
紬「おいしくってついつい」
和「大丈夫なの?」
紬「何が?」
和(……ざる)
330 :
Ch.059 甘美な酩酊:2010/07/24(土) 02:21:17.36 ID:szO+ftHj0
梓「ちょっと、聞いてるんですか唯先輩!」
唯「聞いてるよ」
梓「私達はもっと練習するべきですよ。せっかくみなさんいいものを持っているんですからそれを生かすべきです。唯先輩だって……」
唯「はいはい」
梓「それにですね――」
唯「あずにゃん、澪ちゃんが呼んでるよ?」
梓「え?」
唯「澪ちゃん、あずにゃんが澪ちゃんとお話したいって」
澪「私の詞が聞きたいって? よーしこっちこい」
梓「何言ってるんですか、今はそんな話じゃ」
澪「ときめきシュガー」
和「……」
331 :
Ch.059 甘美な酩酊:2010/07/24(土) 02:26:17.68 ID:szO+ftHj0
唯「ふう」
和「唯は大丈夫なの?」
唯「まあ大丈夫だよ」
和「意外ね」
唯「……ねえ和ちゃん、キスマークの付け方って知ってる?」
和「はあ?」
唯「私が教えてあげよっか?」
和「あんた……」
律澪「いけー!」
梓「聞いてくださいよ!」
紬「ぐびぐび」
和「……」
和「ぐびぐび」
END
332 :
Ch.060 懐かしい場所:2010/07/24(土) 02:37:33.77 ID:szO+ftHj0
「ただいま」
「おかえり」
久しぶりの我が家へ帰るとお母さんが出迎えてくれた。
「もうすぐご飯出来るから」
「うん、荷物置いてくるね」
二階へと上がる階段もやたら小奇麗な私の部屋も、懐かしいようないつも使っているような不思議な感じがする。
カレンダーを見るとちゃんと5月になっていて少し嬉しい。
ありがとうお母さん。
お母さん、お母さん、お母さん。よし。
今回はゴールデンウィークを利用しての帰省だけど年末やお盆よりもゆっくり出来るかな。
私は高校を卒業してから都会の大学へ進んだ。
今は大学の寮で暮らしている。
こうして地元に戻ってくるのは年に四回くらいだ。
やっぱり実家は落ち着くなあ。
お母さんとお父さんがいるから。
家事も少しは手伝うけど一人でやるよりずっと楽だし。
後は何と言っても久しぶりに律やみんなに会える事が楽しみでしょうがない。
確か律も帰って来てるんだよな。
みんなと会うのは明後日だから明日一日は暇なんだよな。
家にいてのんびりするのもいいけど久々の地元だし散歩でもしようか。
ここ数年まともに地元を歩いてないし丁度いいかも。
行きたい所を考えているとお母さんが呼びにきてくれた。
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 02:40:11.67 ID:+SpVV7/i0
支援
334 :
Ch.060 懐かしい場所:2010/07/24(土) 02:45:08.66 ID:szO+ftHj0
朝起きると自分の部屋の天井が見える。
まだ少しだけ昨日の不思議な感覚が残っていた。
カーテンと窓を開けると外は良く晴れていて絶好の散歩日和だった。
こんなにいい天気だけど暑すぎないしそよ風が吹いてる。この季節は散歩にもってこいだな。
朝食と出掛ける準備を済ますと早速散歩に出掛けた。
いくつか行きたい場所を決めてそれを線で結ぶと大まかな散歩コースが出来上がる。
ちなみに最初の目的地は家からすぐ傍にある律の家だ。
外から眺めるだけだけど。
うん、帰ってきたって感じがするな。
地元を離れてたったの数年、それも年に何回か帰ってきてるはずなんだけど郷愁が……。
まあいいか。
それがあるから散歩してて楽しいんだし。
そんな事を考えていると河原に差し掛かった。
ここで昔よく律と遊んだなあ。
この先の公園でも遊んだし、そのまた先の駄菓子屋でも遊んだ。
駄菓子屋まで行ってみると看板が外されていた。どうやら閉店してしまったらしい。
最後に来たのは何年も前だったな。
一度離れてみるとよくわかる。
地元は思い出の場所だらけだ。
その場所に来れば何かしら思い出す事がある。
それが嬉しい。
良く知る地元だからこそ違いにも気付く。
それがちょっぴり寂しい。
335 :
Ch.060 懐かしい場所:2010/07/24(土) 02:50:09.07 ID:szO+ftHj0
次に目指したのは桜高だ。
元々古い学校だけど今でも現役らしい。
そういえば卒業してからは一度も中に入ってないな。今度みんなで訪問したいな。
さて、ここまで来たら後は商店街を通って帰ろうかと思っていたけど……。
私は桜校の先が気になっていた。
地元にいた時は殆ど向こうへ行ったことが無い。
だから気になる。
うーん……。
どうせ今日は暇だしちょっと探検してみようかな。
何だかわくわくするし。
私の散歩は探検へとグレードアップした。
最初の方は昔マラソン大会で走った記憶のある道だった。
それから暫く歩くと隣町に差し掛かる。
今だと道を歩いてても大体どこだかわかるもんな。
小学生の頃だったら新しい場所に目を輝かせていたかもしれない。
……いや、私一人だったら怖くてここまで来れなかっただろうな。
昔の自分を思い出してちょっと情けなくなる。
あ、律が一緒なら大丈夫そうだ。
……いや、どんどん先を行く律に不安を感じるかもしれない。
どの道駄目じゃないか。
ここは今だから来ることが出来る場所かもな。
336 :
Ch.060 懐かしい場所:2010/07/24(土) 02:55:13.54 ID:szO+ftHj0
はじめて来たのに懐かしい。
こんなおかしな感覚が味わえるのは地元ならではかもしれない。
県を越えて生活しているお陰で私の中の『地元』は範囲が広がったらしい。
そろそろ方向転換しようかな。
あんまり真直ぐ進み過ぎると帰りが大変だ。
あ。
このラーメン屋はうちの近くにもあったな。
昔家族で食べに行った記憶がある。
その系列店みたい。
懐かしいけど一人で入る勇気はないです。
カフェとかだったら一人で入れるけど思い出のカフェなんてないしなあ。
あれ。
この中華料理店見たことあるかも……?
そうだ、昔家族で食べに来た事がある店だ。確か車で来てたっけ。
そっか、こんなところにあったんだ。
子供の頃は車に乗って来た場所は別世界だったから、まさかこんなところにあるとは思わなかった。
もう味は殆ど忘れちゃってるけどこのお店の水餃子がすごく美味しかった記憶がある。
テイクアウトも出来たはず。
閉店さえしていなければ買って行ったのに。
もう食べられないのか……残念だな。
337 :
Ch.060 懐かしい場所:2010/07/24(土) 03:02:03.91 ID:szO+ftHj0
この道を行けば家に着ける。意外と楽しかった探検ももうすぐ終わり。
次帰って来た時もまたやろうかな。
そんな事を考えていると電話が鳴った。
律か。
「もしもし」
『澪暇?』
お帰りとか言えよ。いい感じにたそがれてたのに。
私もお帰りって言ってやらない。
でもまあ。
「暇って言うかどこか行きたい気分なんだけど」
『んじゃ出掛けよう! 準備出来たら家来てよ』
「今外なんだ。駅で待ち合わせにしないか」
『りょーかい! 着いたら連絡な』
「わかった」
少し寂しい気持ちが和らいだ。
ていうかこんな気持ちになるのはもうちょっと先でもいいかもしれない。
私はほんの少し律に感謝してから駅に向かって歩を進めた。
END
338 :
Ch.061 節制!:2010/07/24(土) 03:04:50.70 ID:szO+ftHj0
律「一人暮らしをしてて食費がこんなに掛かるものだとは思わなかった」
律「てか何で先月より2万円も増えてるんだよ!」
律「外食はそんなにしてないし……酒も大して飲んでない……」
律「ってことはそれだけ食べる量が増えたのか?」
律「でも自分でそんなに食べている記憶がない……」
律「やばくね、私」
律「溜息をつきながら私は……」
律「冷蔵庫から牛乳を取り出して飲んだ」
339 :
Ch.061 節制!:2010/07/24(土) 03:06:53.53 ID:szO+ftHj0
律「ゴクゴク……ん?」
律「この牛乳腐ってやがる!」
律「うげ、腹が……」
律「その後私は下痢が止まらず死んでしまった」
END
340 :
Ch.00B tea break II:2010/07/24(土) 03:09:50.21 ID:szO+ftHj0
律「はぁー」
梓「律先輩。今の話を聞いてちょっと話したい事を思いつきました」
律「そう? じゃあ次は梓な」
梓「わかりました。タイトルは」
梓「羽音」
律「やめろ」
梓「え?」
律「マジで澪が泣くぞ」
澪「ん?」
梓「あ、すいませんつい……」
唯「ふんっ、ふんっ」
紬「唯ちゃん筋トレ頑張ってるね」
唯「私が言い出しっぺなのにやらないわけにはいかないしね。それにいい感じに痛くなってきたよ〜」
tea break
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 05:21:28.13 ID:+Rg3735n0
しえん
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 06:39:43.39 ID:x2AeLOA+O
ほ
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 07:19:25.17 ID:f39pBZGiO
さ
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 07:44:30.82 ID:oMbsmkVF0
な
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 08:19:53.39 ID:df/gY9gp0
ま
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 08:59:07.77 ID:XjcahKCh0
は
た
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 09:30:11.63 ID:KJkxjvSb0
谷
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 10:23:26.04 ID:YVScoQvYO
ほ
( `エ´)・・・・・・・
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 11:02:09.26 ID:KJkxjvSb0
>>350 ぞろ目
キタ━━━ヽ(゚∀゚)ノ━( ゚∀)ノ━( ゚)ノ━ヽ( )ノ━ヽ(゚ )━ヽ(∀゚ )ノ━ヽ(゚∀゚)ノ━━━!!
へ ) ( ノ ( )ノ ( ) へ ) へ ) へ )
> > < < < > >
自演だけど
352 :
Ch.061 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 11:36:26.04 ID:szO+ftHj0
紬「ここがお客様用のお部屋でーす」
律「この部屋もでかいなー」
澪「すごい……ん?」
梓「ムギ先輩」
紬「なあに?」
梓「この巨大な布団のようなものは何ですか?」
紬「布団よ〜」
唯「おっきーい!」
紬「この布団でみんなと一緒に寝ようと思って」
律「これ布団なの? 10メートル×10メートルの布団とか聞いたこと無いぞ」
353 :
Ch.061 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 11:39:33.63 ID:szO+ftHj0
唯「じゃあ私はここ!」
律「私はこっちだ!」
梓「ここにします」
澪「……ここで」
紬「私はここ〜」
唯
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
紬□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□律
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
澪□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
梓
律「これって……喋れなくない?」
唯「りっちゃん何か言ったー!?」
律「いや別に」
唯「えー!? 聞こえなーい!」
354 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 11:43:29.75 ID:szO+ftHj0
律「なんでもないー!」
唯「そっかー!」
澪「これはおかしいだろう……」
紬「楽しくない?」
澪「えっ、いやあ、なんだか不思議な気分」
紬「そうよね〜」
梓「なんだろう、ちょっとさみしい」
唯
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
紬□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□律
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
澪□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
梓
355 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 12:03:45.68 ID:szO+ftHj0
律「それじゃあ!」
紬澪梓律唯「おやすみなさーい!」
律「……」
律(……なんちゃって)モゾモゾ
律(こんな布団で寝ることなんてほぼないからな。せっかくだから楽しもう)
律(さーて、とりあえず澪の所までもぐって行ってちょっかい出してこよ)
唯
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
紬□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□律□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
澪□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
梓
356 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 12:29:14.39 ID:szO+ftHj0
律「……へへへ」
律(おっと、わくわくしすぎて声が出てしまった)
律(澪、今行くからな!)モゾモゾ
唯
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
紬□□□□□□□□□□
□□律□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
澪□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
梓
唯(んーまだ眠くない……)
唯(そうだっ)モゾモゾ
唯(あずにゃんにちょっかい出しに行こう)
357 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 12:37:14.15 ID:szO+ftHj0
律(確かこの辺だったよな)
律(あっ)
紬「ふえっ?」
律(これ澪の足だな。さてと、どうしてやろうかな)ニヤニヤ
紬(気のせいかな)
□□□□唯□□□□□
□□□□□□□□□□
紬律□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
澪□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
梓
358 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 12:40:38.61 ID:szO+ftHj0
律(真っ暗でよく見えないな……とりあえず)モニュ
紬「っ!?」
律(おお〜流石みおっぱい。確かな弾力……うらやますぃ)
紬(えっ誰?)
律(……なんだかむかついてきた)モミモミモミモミ
紬「んっ……誰?」
律(あれっ!? この声はムギ?)
律(やべー間違えちゃった。ここは離脱するか。さらばムギ)
□□□□□□□□□□
□□□□唯□□□□□
紬□□□□□□□□□□
□律□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
澪□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
梓
359 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 12:41:57.03 ID:szO+ftHj0
紬(……)ドキドキ
紬(……あれ? いなくなっちゃった。誰だったのかしら)
紬(まだ胸がドキドキしてる……よし、探しに行こう!)モゾモゾ
紬(こ、今度は私も……はふう)
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
紬□□□唯□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□律□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
澪□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
梓
唯(暗くてどこに向かってるのかよくわからないや)
唯(っていうかあずにゃんてどこで寝てたっけ?)
360 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 12:43:19.03 ID:szO+ftHj0
紬(まだ遠くへは行っていないはず)
紬(あ、布団の擦れる音がする……近い)
唯(えっと……もうすぐ反対側に出ると思うんだけどな)
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□紬□唯□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□律□□□□□□□□
澪□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
梓
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 12:58:29.67 ID:df/gY9gp0
なにこれニヤニヤする
362 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 13:02:33.04 ID:szO+ftHj0
紬(いたっ!)
唯(……ん?)
紬(さっそく)ぎゅう〜
唯「ふえっ!?」
紬(この声は唯ちゃん! 私の胸を揉んだのは唯ちゃんだったのね)
唯「んっ……だれっ……あっ」
唯(誰なのっ!?)
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□紬□□□□□
□□□□唯□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□律□□□□□□□□
澪□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
梓
律(確かムギの隣が澪だったよな。うっひっひ)
363 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 13:04:13.11 ID:szO+ftHj0
唯「ちょ……待って」
紬(もうとまらなーい)モミモミモミモミ
唯「やっ……んぁ……」
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□維□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
澪律□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
梓
律(ここだな)
律(これより作戦を開始する)モミ
澪「ひっ!?」
364 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 13:05:17.26 ID:szO+ftHj0
律(あーこれだよこれ。今度こそ澪だ。私がみおっぱいを間違えるわけない)
澪「ちょっ、やめろお〜!」
律(おお……なんという揉み心地)
澪「律か? 律なんだろ?」モゾモゾ
律(うお、潜って来た! しかしばれるの早いな……何故だ?)
澪「……怒るぞ」
律(やばい……澪の「怒るぞ」は既に怒っている証拠だ)
律(とりあえず正体がばれる前に逃げよう! 今なら証拠不十分で不起訴だぜぃ)
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□維□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
津□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
梓
365 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 13:06:29.41 ID:C7WY8S900
みおっぱいwww
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 13:06:33.61 ID:ADHR/nRcO
維w
367 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 13:07:20.64 ID:szO+ftHj0
唯(と……とにかく逃げよう。身の危険を感じる)
紬(……あっ唯ちゃんが逃げちゃう! どうして?)
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□紬□□□□□
□□□□唯□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
澪律□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
梓
律(げっ、澪の奴追って来るつもりなのか)
澪「……」
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 13:08:36.42 ID:XjcahKCh0
名前が合体するSSあったな…
369 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 13:08:37.73 ID:szO+ftHj0
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□紬□□□□□
□□□□□唯□□□□
□澪律□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
梓
唯(うわー追ってきてるよ! っていうか誰なの!?)
紬(どうして逃げるの〜)
唯(と、とにかく地上に! ここから脱出しないと!)
楽しそうだなw
371 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 13:10:22.57 ID:szO+ftHj0
唯(あ、出口だっ!)
紬(唯ちゃんどこかしら?)
ドンッ
紬「あんっ」
律(ムギッ!? しまった挟まれた!)
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□澪律紬□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□唯□□□□
梓
梓「ん? 何だろう布団が……」
なにこれ可愛いww
373 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 13:12:32.61 ID:szO+ftHj0
唯「ぶはあっ!」
梓「うわあっ!」
唯「あれ、あずにゃあん」
梓「何やってるんですか……」
唯「長い道のりだったよ」
梓「は?」
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□澪律紬□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
. 唯梓
律(絶体絶命だ……いや、私はこの状況を乗り切る!)
374 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 13:14:08.39 ID:szO+ftHj0
唯「布団って怖いね」
梓「何言ってんですか」
唯「ひどいんだよ。誰だかわからないけど私の胸をこんなふうに……」モミ
梓「ひゃあ!」
唯「いや、こんなものじゃなかった。もっと」モミモミモミモミ
梓「んあっ、ちょ、やめてください!」
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□律□□□□□□
□□澪□紬□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
. 椎
律(はあーーーー!!)モゾモゾ
澪(逃がすかっ)
紬(ああん)
375 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 13:15:19.83 ID:szO+ftHj0
唯「よいではないかよいではないか」
梓「いやですぅ!」
唯(なんか楽しい)
唯「さあ、私と一緒に」ズリズリ
梓「布団に引き込まないで下さい!」
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□律□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□澪□紬□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□椎□□□
.
律(はっはー! この短期間で習得した高速匍匐前進は誰にも追いつけないぜ!)
澪(どこいった……ん? 右から音がするぞ)
376 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 13:17:07.22 ID:szO+ftHj0
唯「ほーれどんどん布団地獄にはまっていくぞ〜」
梓「はあはあ……」
梓(唯先輩変なとこ触りすぎ……なんだか……)
紬(……あら? 別の方向から布団の擦れる音が)
澪(ゆるすさん)
律(方向転換だーボハハー)
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□律□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□澪□紬□□□□
□□□□□□椎□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
唯「!?」
唯(誰かが近付いてくる! まさかさっきの……)
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 13:17:25.87 ID:KJkxjvSb0
ID:szO+ftHj0いいよID:szO+ftHj0
節制って黒の十三かw
羽音は澪が失神するなw
唯(あずにゃん、名残惜しいけど……さよなら!)サササ
梓「はぁはぁ……ん、あれ? 唯先輩?」
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□律□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□澪□紬□□□
□□□□□□梓□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□唯□□□
紬(いた!)モミ
梓(後ろから!?)
紬(あれっ? この胸は唯ちゃんじゃない)
梓(まだ続けるんですか……)
381 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 14:04:35.60 ID:szO+ftHj0
律(ん、誰かいるのか?)
梓(また回り込まれた……)
梓(こうなったらお返し)モミ
律(うひっ!? 誰だ!?)
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□澪□□律□
□□□□□□紬□梓□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
唯
唯「トイレ」
382 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 14:08:19.58 ID:szO+ftHj0
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□澪律□
□□□□□□□紬梓□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
紬「唯ちゃんいるんでしょ?」
澪「えっ?」
梓「えっ?」
律(ゲエッ、ムギ!)
紬「続きを……って、あれ?」
紬(他にも誰かいるの? なんだかくんずほぐれつしてる気配がする)
澪(さっき私の胸を揉んでたのは唯だったのか?)
梓(続き……? ムギ先輩は唯先輩と何をして……まさか)
383 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 14:10:56.83 ID:szO+ftHj0
律(まだばれていない! 逃げるなら今のうち!)モゾモゾー!
紬澪梓「逃げるな!」
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□律□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□澪□□
□□□□□□□紬梓□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
律(はあっ!)ズサー!
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□澪□□ミ律
□□□□□□□紬梓□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
384 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 14:14:38.88 ID:szO+ftHj0
梓「どこにいった……?」
澪「唯のやつ……」
紬(どうして澪ちゃんと梓ちゃんまで唯ちゃんを探しているの?)
澪(ムギたちもイタズラされたのかな)
梓(私やムギ先輩では飽き足らずに澪先輩まで……)
唯
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□澪紬梓□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□ 律
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
唯「はーすっきりした」
385 :
Ch.062 紬「布団は掛けられた」:2010/07/24(土) 14:17:29.03 ID:szO+ftHj0
唯「おやすみー」モゾモゾ
紬澪梓「あっちか!」
モゾモゾ
唯「ん?」
. 紬唯梓
□□□□□澪□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□律
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□
唯「!?」
律(あー疲れた。もう寝よ)
紬「やっと捕まえた」
梓「ムギ先輩や澪先輩にまで手を出すなんて!」
唯「え……なんのこ――ひゃん!」
澪(律じゃなくて唯だったのか……まあ、お返ししておくか)モミモミ
紬「そんな……私以外にも……」
梓「ちょっと、聞いてるんですか唯先輩!」
唯「ちょっとまっへ、あひゃひゃくすぐったいよう」
紬「ひどいわ唯ちゃん!」
梓「そうですよ!」
澪(あれ、なんだか楽しい)
唯「ちょ、みんなおちついて……あんっ、やめ、なんでーーーー!?」
律「キャベツうめー……zzz」
END
387 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 14:21:23.37 ID:IgQfTkx00
完全犯罪じゃねーかwww
388 :
Ch.063 純「あーっ! ここにあったよ第6巻!」:2010/07/24(土) 14:39:49.42 ID:x2AeLOA+O
あー梓と一緒に音楽やりたい。
よし、梓をジャズ研に引き抜くか。
でもなー……梓は軽音部大好きだしなぁ。
やっぱり私も軽音部に入っとけばよかったかな。
梓が入るとわかっていれば……いや、あの頃は梓の事知らなかったからしょうがないか。
くそーせめて中学の頃から友達だったら今頃一緒にやってたのに。くやしいー。
はぁー。
憂と梓とバンドやれたら面白そうだなー。
バンドじゃなくてもいつも三人で何かやりたい。
はぁー。
それにしても……暗い顔しちゃってまあ。
また軽音部の先輩の事でも考えてるのかな。
これはこれで結構楽しいと思うんだけど。
見た目通り子供っぽいとこあるんだよねーぷふー。
仕方ない、梓の好きそうな事でもやるか。
そうだな……うーん……
梓「雨いつまで振るんだろう……」
憂「せっかくの日曜日なのにね」
梓「うん……」
純「……じゃあ三人でセッションでもしようか」
END
389 :
Ch.064 唯「筋肉痛フェチ」:2010/07/24(土) 14:50:36.76 ID:x2AeLOA+O
唯「……きた、きたきたきたきた」
唯「全身の筋肉が悲鳴を上げてる!」
唯「ふくらはぎ、フトモモ、股関節、腹筋、腰、胸筋、腕、肩、首!」
唯「手のひらは小指球と母指球が」
唯「甘美な鈍痛に見舞われている……!」
唯「ああああ……これだけの箇所が筋肉痛だと動いてなくても痛いよ」
唯「んん……あっ……痛い。だけど指で押しちゃうっ」
唯「いたきもちいよお……」
唯「さてと、そろそろ起きて学校行く準備しよう」
390 :
Ch.064 唯「筋肉痛フェチ」:2010/07/24(土) 14:53:55.78 ID:x2AeLOA+O
憂「お姉ちゃんそろそろ行くよー?」
唯「はーい」
唯憂「いってきまーす」
唯「……あふ」
憂「お姉ちゃん歩き方変」
唯「筋肉痛なの」
憂「大丈夫?」
唯「痛い。でもこの痛みがたまらないんだよ」
憂「そ、そうなんだ」
唯「……あう」
唯「……お」
憂(大丈夫かなぁ……)
391 :
Ch.064 唯「筋肉痛フェチ」:2010/07/24(土) 15:02:30.26 ID:x2AeLOA+O
唯「澪ちゃんおはよー」
澪「おはよう」
唯「澪ちゃーん私筋肉痛になっちゃった」
澪「何かしたの?」
唯「ちょっと全身筋肉痛計画をね……」
澪「なんだよそれ」
唯「というわけで手のひらを揉んで頂けないでしょうか」
澪「まあいいけど」
唯「ありがとー。じゃあ親指の付け根とかを指で押して欲しいな」
澪「こう?」ぐっぐっ
唯「んん〜……いたきもちい……」
唯「あぁ〜いいよぉ澪ちゃんもっと〜」
唯「はぁん!」
澪「おい!?」
392 :
Ch.064 唯「筋肉痛フェチ」:2010/07/24(土) 15:16:33.18 ID:x2AeLOA+O
律「なーにやってるんだよっ!」ドンッ
唯「んあっ!」
律「へ?」
唯「か……肩が……肩の筋肉が……」
律「もしかして痛かった?」サスリサスリ
唯「んっ! あ……りっちゃんもうちょっと強めにさすって」
律「え、こう?」
唯「うんっそう……いいかんじ……いっ!」
律「ゆ、唯さん?」
唯「あ……あはぁ」
律「もうやめてもいいかな……」
ほ
394 :
Ch.064 唯「筋肉痛フェチ」:2010/07/24(土) 15:32:25.49 ID:x2AeLOA+O
唯「はあ……ふう……ありがとりっちゃん」
律「……あ、うん」
和「朝から何してるのよ」
唯「和ちゃーん」
唯「和ちゃんお願い! 腕揉んでくれない? ちょっとでいいから」
和「……何?」
唯「お願い! 揉むって言うか指圧みたいな感じで」
和「別にいいけど」
唯「それじゃあ二の腕の特に痛いここをお願い!」
和「痛いって何? ……まあいいわじゃあ指圧するわよ。はっ」ぎゅう!!
唯「ぎゃあああああああ!」
唯「た、たいむ! 和ちゃん強すぎ! あ、でも……うぐうううう!」
唯「あ……あぎっ……はあ……はあ」
唯「う……あ、ひゃあ」
395 :
Ch.064 唯「筋肉痛フェチ」:2010/07/24(土) 15:37:59.65 ID:x2AeLOA+O
紬「おはよ〜」
唯「ムギちゃんおはよ」
唯「……そうだムギちゃん、私のことをギュッてして欲しいんだけど」
紬「え?」
唯「思いっきりね!」
紬「よくわからないけど抱きつけばいいの?」
唯「そう!」
紬「それじゃあ……むんっ!」ぎゅううううううう
唯「がっ……あ! おおお……」
唯「腕の筋肉が、背中が腹筋が胸筋がおしつぶされるぅぅぅ……!」
紬「唯ちゃんあったかーい」ぎゅううううううう
唯「!? ム゛ギちゃ……ちからつよ……ぐぇあ」
唯「やっぱり……軽く抱きついて……」
唯「あ……いい感じ。ん、うくっ、ああっ」
396 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 15:40:41.75 ID:FHFVkwvU0
並々ならぬエロスを感じる
397 :
Ch.064 唯「筋肉痛フェチ」:2010/07/24(土) 15:42:57.19 ID:x2AeLOA+O
唯「あーずにゃーん」
梓「あ、唯先輩」
唯「ぎゅー」
梓「わああ、廊下で抱きつかな――」
唯「ぬふぅ……くっは」プルプル
梓「はい?」
唯「んおお……あっ! あずにゃんの腕が私の肋骨と腹筋に丁度当たって……んああ」
梓「唯先輩……何を……」
唯「抱きしめれば抱きしめるほど腕の筋肉が悲鳴をあげるうぅぅ……」
梓「は、離れてください!」ぐいぐい
唯「あぐぅ!? そ、そこだめぇ……あっあっあっ」
梓「や、やだやだ離して!」ぐいぐいぐいぐい
唯「あんっ、胸筋はだめえ……腕立てが効いてるからぁ……!」
梓「は、な、れ、て、く、だ、さ、い!」ガス
唯「い゛っ!? あずにゃんの膝が私の内ももにめりこんで……ああっ!」
398 :
Ch.064 唯「筋肉痛フェチ」:2010/07/24(土) 15:51:20.23 ID:x2AeLOA+O
唯「はー……今日はとことん筋肉痛で楽しんじゃった」
唯「明日もまだ筋肉痛かな」ゴロン
唯「んっ……うぎゅう」
唯「寝返り打つだけでこんなに……んっ」
唯「せっかくだからいろんなところ指圧しちゃおう」
唯「ふふ……んっ、んんっ」
唯「あ、あ、あ、ぐぅ……!」プルプル
唯「き、筋肉痛さいこー……!」
END
399 :
Ch.065 憂「マッサージ」:2010/07/24(土) 16:03:25.88 ID:x2AeLOA+O
憂「大丈夫?」
憂「えっ全身筋肉痛!?」
憂「もしかしてお姉ちゃんに付き合って筋トレを……?」
憂「そ、そうなんだ」
憂「うーん……もしよかったら私がマッサージしようか?」
憂「うんいいよ」
憂「あ、でも筋肉痛ってマッサージしすぎるとよくなかったかも……」
憂「わ、わかった。でもちょっとだけだよ」
憂「その前に着替えてくるね」
400 :
Ch.065 憂「マッサージ」:2010/07/24(土) 16:08:22.56 ID:x2AeLOA+O
憂「お待たせ〜」
憂「えっと、薄着のほうがマッサージしやすいかなって」
憂「このホットパンツ気に入ってるんだ〜」
憂「このピチTは純ちゃんが選んでくれたんだよ」
憂「……やっぱり恥ずかしいかも」
憂「そ、そう? ならいいかな」
憂「それじゃあどこから始めようかな……そうだ」
憂「まずは手のひらのマッサージをするね」
憂「手からだったら緊張しないかなと思ったんだけど……ちょっと緊張するかも」
憂「どう? 痛くない?」
憂「えっ、痛くしたらだめだよぉ」
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 16:09:25.40 ID:OfNYfSxlP
支援
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 16:12:44.05 ID:DemGXaXtO
62chが名作すぎる
403 :
Ch.065 憂「マッサージ」:2010/07/24(土) 16:22:00.80 ID:x2AeLOA+O
憂「次はどこがいい?」
憂「足かあ。それじゃあうつぶせになって」
憂「ふとももをマッサージすればいいの? じゃあまたがっちゃうね」
憂「よいしょっと……重くない? ふくらはぎ痛くない?」
憂「それじゃあ……もみもみ」
憂「どうかな。えっ、足の付け根も痛いの? そっか、全身筋肉痛だもんね……」
憂「ええと……指圧でいいのかな。じゃあ失礼して……」
憂「も、もっと上って……お尻?」
憂「あう……こ、この辺かな。え、もっと強く?」
憂「ん……しょ……」
404 :
Ch.065 憂「マッサージ」:2010/07/24(土) 16:41:30.70 ID:x2AeLOA+O
憂「次はどこがいい?」
憂「足かあ。それじゃあうつぶせになって」
憂「ふとももをマッサージすればいいの? じゃあまたがっちゃうね」
憂「よいしょっと……重くない? ふくらはぎ痛くない?」
憂「それじゃあ……もみもみ」
憂「どうかな。えっ、足の付け根も痛いの? そっか、全身筋肉痛だもんね……」
憂「ええと……指圧でいいのかな。じゃあ失礼して……」
憂「も、もっと上って……お尻?」
憂「あう……こ、この辺かな。え、もっと強く?」
憂「ん……しょ……」
405 :
Ch.065 憂「マッサージ」:2010/07/24(土) 16:45:28.17 ID:x2AeLOA+O
憂「次は腰と背中だよ」
憂「あ、でも……お尻痛いのに私が乗っかっちゃったらダメだよね」
憂「え、いいの?」
憂「じゃ、じゃあ……よいしょ」
憂「どうかな、力弱くない?」
憂「うん。このまま背中も指圧するね」
憂「ふふ、よかった〜」
憂「ふ……ん。背中は一通り終わったよ」
憂「次は仰向けになってくださーい」
406 :
Ch.065 憂「マッサージ」:2010/07/24(土) 16:50:36.35 ID:x2AeLOA+O
憂「お姉ちゃんは膝の少し上辺りがすごく痛いって言ってた」
憂「スクワットするとここが一番くるんだって。もみもみ」
憂「あっごめん! もうちょっとやさしくするね」
憂「このくらいかな……んしょ」
憂「お姉ちゃんもそうだったけど筋肉張ってるね」
憂「えっ、股関節?」
憂「あ……う……」
憂「……ど、どの辺り?」
憂「こうでいい……かな」
憂「あんまりやりすぎても痛いだけだと思うけど……」
憂「うん、もうちょっと力弱める」
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 16:54:51.97 ID:+SpVV7/i0
わっふるわっふる
408 :
Ch.065 憂「マッサージ」:2010/07/24(土) 16:55:43.08 ID:x2AeLOA+O
憂「腹筋は何回やったの? IDの数かあ、よくわからないけど大変だったんだね」
憂「おへそから段々上にマッサージしていくね」
憂「うん、それじゃあこの辺りかな? も、もっと下から?」
憂「じゃ……じゃあここから上にしていくね」
憂「そ、そう……」
憂「わき腹も? くすぐったくないかな」
憂「そうなんだ」
憂「あ……痛かった? みぞおちとあばら骨の辺りはやさしく、だね」
憂「へー、足を上げて腹筋するとこの辺が痛くなるんだ」
憂「わあ……あばら骨だぁ」
憂「……あばら骨ってマッサージする意味あるのかな」
憂「それじゃあもう少しマッサージするね」
409 :
Ch.065 憂「マッサージ」:2010/07/24(土) 17:01:23.31 ID:x2AeLOA+O
憂「これで一通り終わったかな」
憂「ん、どこ?」
憂「胸筋……っていうとこの辺?」
憂「どうやってマッサージすればいいのかな……」
憂「えっ! お腹に乗るの? でも腹筋が……」
憂「わ、わかった。痛くしたらゴメンね」
憂「よいしょっと」
憂「それから? 指圧でいいの?」
憂「あ、うん。あんまりぐりぐりはしないね」
憂「ん……このくらいでいいの――あっ」
憂「あ、その……この体勢で向き合ってると恥ずかしい」
憂「も、もうっ。こっち見ないで」
憂「……続けるね」
410 :
Ch.065 憂「マッサージ」:2010/07/24(土) 17:07:55.92 ID:x2AeLOA+O
憂「ふう……お疲れ様でした」
憂「いえいえ」
憂「少しはほぐれたかな」
憂「本当? でも痛いだけだったんじゃ……」
憂「あはは、よかったぁ」
憂「わ、私? 私はいいよぉ」
憂「別にこってるところないし……え、肩?」
憂「う……確かにこってるかも。なんでだろう?」
憂「うーん……それじゃお願いしてもいいかな?」
憂「うん、ありがとー」
憂「あんまり痛くしないでね」
END
411 :
Ch.066 沢平唯:2010/07/24(土) 17:12:06.70 ID:x2AeLOA+O
梓「ああ……新入部員が入らないよぅ」
?「そこのお嬢さん。お困りのようですね」
梓「えっ?」
?「もしよかったら相談に乗るよ?」
梓「……唯先輩?」
?「もうばれた」
梓「でも何だか雰囲気が……それに唯先輩は今年から一人暮らしで大学に通い始めたはず……」
?「実は十二年後からやってきた平沢唯なんだよ」
梓「え……」
?「あー信じてないなー」
梓「唯先輩……三十路になっても苗字変わってないんですね。婿入りですか?」
?「うるさいですよ」
412 :
Ch.066 沢平唯:2010/07/24(土) 17:16:45.35 ID:x2AeLOA+O
?「もうあずにゃんなんて知らない」
梓(どうしよう結構本気で怒ってる……)
梓「あ、あのごめんなさい!」
?「……許す」
梓「よかった……」
?「でもすぐばれたのはつまんないな。せっかく偽名考えてきたのに。沢平唯とか岩平とか」
梓「はあ」
?「いやーそれにしてもグレる前のあずにゃん可愛すぎるな」
梓「なんですかグレるって……」
?「あずにゃんが高校三年の時に軽音部が廃部になってグレちゃったんだよ」
梓「私そんなことでグレません」
?「それが……あ。そろそろ憂が帰ってきちゃう。あずにゃんばいばーい」
梓「行っちゃった……何しに来たんだあの人」
梓「とりあえずグレないように頑張ろう」
END
413 :
Ch.067 通学路:2010/07/24(土) 17:25:17.74 ID:x2AeLOA+O
唯「じゃあこれならどう!?」
唯「
ttp://www.youtube.com/watch?v=hlnYsI1G_Y0」
律「これは……」
紬「唯ちゃんに合ってると思うわ」
唯「ほんと!? やったあー!」
梓「何と言うか、唯先輩っぽい気がしなくもないです」
梓(澪先輩は授業をつまんないとか言うイメージがないし)
唯「いやあ照れるなあ」
澪「自分でふっておいて何故照れる」
律「これで決定でいいんじゃない? 今度のボーカル」
紬「そうね」
律「よーっしそれじゃあ練習するぞー!」
唯「おー!」
END
414 :
Ch.068 体育祭!:2010/07/24(土) 17:30:34.90 ID:x2AeLOA+O
唯「みんながんばろー!」
紬「おおーう!」
律「大丈夫! 私達に負ける要素はない!」
唯「そうなの?」
律「私と澪がいれば負けないぜ!」
律「パワー系の競技もムギと信代っちがいるからな」
律「これは3年2組が全クラストップを狙えるかもしれない」
唯「おお! あーでも憂も頑張るって言ってたよ」
律「憂ちゃんか……確か梓と佐々木さんも2年1組だったよな」
紬「そういえば澪ちゃんは?」
律「あー……ほらあそこ」
唯「体育座りしてる。澪ちゃん応援団長がよっぽど嫌なんだね」
律「まあ目立つからな」
415 :
Ch.068 体育祭!:2010/07/24(土) 17:39:18.91 ID:x2AeLOA+O
紬「みーおちゃん」
澪「うう……ムギィ」
紬「頑張ってね! 学ラン似合ってるよ」
澪「いやだよぉ……」
律「ほーらー、しっかりしろよもー」
澪「あー……」
唯「じゃあ私のチアリーダーの衣装と交換する?」
澪「それも嫌だー恥ずかしいよー……」
唯「えーそうかなぁかわいいよ?」
律「唯に応援団長は向かないだろ」
唯「えーそんな事ないよ」
律「ほらー応援合戦はじまるぞー」
澪「ああああー……」
416 :
Ch.068 体育祭!:2010/07/24(土) 17:45:10.53 ID:x2AeLOA+O
純「おおおお! 澪先輩かっこいいいいい!」
梓「ちょっと、澪先輩は組が違うでしょ」
純「いいのいいの。ほら見てみなよ! 凛々しい……」
梓「確かにカッコいい……」
憂「お姉ちゃんかわいー……」
梓「あ、終わっちゃった……はっ! うちのクラスの応援しなきゃ! 憂も純も戻ってきて!」
純「えー」
憂「つっつい見とれちゃって……」
梓「ほら、憂はパン食い競争の選手でしょ。そろそろ準備しなきゃ」
憂「うん、頑張ってきます」
純「頑張ってね〜」
417 :
Ch.068 体育祭!:2010/07/24(土) 17:50:54.50 ID:x2AeLOA+O
「よーい……」
パン!
純「おおっ憂早ーい!」
梓「流石人並み以上の運動神経……」
梓「ん、あれ?」
純「憂の後ろにぴったり張り付いてる人がいる!」
梓「すごい! ……ん? あれって……唯先輩!?」
純「うそっ!? 唯先輩って足速かったの?」
梓「そんな話聞いたことないけど……あ、憂と同時にパンのエリアに辿り着いた」
純「おおっ! 憂が一発でパン食べたよ! いけー! ……あれ」
梓「……唯先輩の応援してる。憂ー早く早く!」
純「うわー名残惜しそうに走り出した。ちらちら後ろ振り返ってる」
梓「唯先輩はいつまでパン食べてるのよ……」
418 :
Ch.068 体育祭!:2010/07/24(土) 17:56:25.98 ID:x2AeLOA+O
純「おかえり」
憂「ただいま」
梓「憂がのんびりしてるからひやひやしちゃったよ」
憂「ごめんごめん」
純「1位だったんだからいいじゃん」
梓「それにしても憂足速いんだから他の徒競走に出ればよかったのに」
憂「リレーなら後で出るよ?」
梓「……まあ、なんとなくわかったからいいや」
419 :
Ch.068 体育祭!:2010/07/24(土) 18:03:58.39 ID:x2AeLOA+O
唯「お昼だ〜! 私憂達呼んでくるね!」
澪「よろしく」
律「んじゃシート敷くか」
紬「お弁当の用意しなくっちゃ。ちょっと教室から取ってくるね」
澪「あれ、バッグに入れてないのか?」
紬「いろいろ準備してたら量が多くなっちゃって」
澪「色々……?」
律「澪ー手伝って」
澪「ああ」
唯「憂達連れてきたよー」
憂「おじゃましまーす」
澪「いらっしゃ……弁当でかっ!」
憂「皆さんで食べれるようにと思って」
紬「おまたせ〜」
律「おー……弁当でかっ!?」
420 :
Ch.068 体育祭!:2010/07/24(土) 18:10:38.89 ID:x2AeLOA+O
純「げふぅ〜」
梓「純汚い……けぷ」
純「だ……だって……」
律「うおー……動けねえ」
澪「午後はもっと頑張らないと……カロリーが……」
唯「おいしかった〜ごちそうさま」
憂紬「いえいえ」
紬「お茶も用意してあるから」
唯「わーい」
唯「ほぁ〜おいしい……しやわせ」
憂「ふふ」
唯「みんな午後も頑張ろうね!」
律「おおー……うぷ」
421 :
Ch.068 体育祭!:2010/07/24(土) 18:14:50.04 ID:x2AeLOA+O
紬「どすこーい」
唯「やった〜綱引きで優勝したよ!」
律「余裕だったな。これも……」
律「澪の体重が増えたおかげへぇあっ!?」
律「……」
唯「み、澪ちゃん! 次の競技はクラス対抗リレーだよ!?」
澪「あ、そうだった! おい律、いつまで寝てるんだよ」
律「お、お前が言うか」
澪「ほらー早くしろ!」
律「わーかってるってば! んじゃちょっと行ってくるな」
唯「頑張ってねん」
紬「澪ちゃん元気になってよかった。応援合戦で吹っ切れたのかな」
422 :
Ch.068 体育祭!:2010/07/24(土) 18:19:56.96 ID:x2AeLOA+O
律「む、アンカーは憂ちゃんか」
憂「はい」
律「ほほーう、だが勝つのはうちらのクラスだぜ!」
憂「私も負けませんよ」
律「とは言ったものの……澪ー! もっと差を縮めろよー!」
澪「はあっ、はあっ! うるさいわかってる!」
純「はあはあ……やばっ追いつかれる!」
憂「純ちゃん!」
純「憂っ頼んだ!」
憂「うんっ」
澪「律っ!」
律「よーしよくやった澪!」
澪「ほら、後は何とかしろ!」
律「おうよっ!」
423 :
Ch.068 体育祭!:2010/07/24(土) 18:23:27.96 ID:x2AeLOA+O
『最優秀クラスは、3年1組です』
唯「ええ〜!」
律「なんだよー!」
澪「リレーは優勝したんだけどな」
紬「応援合戦もね」
澪「うぐぅ」
律「b」
紬「b」
唯「はあー……疲れたけど楽しかったね」
紬「うんっ」
律「いやぁ疲れたー……もう動きたくねえ」
澪「今日は日差しが強くて汗もかいたし……減ったよな……?」
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 18:26:44.33 ID:+SpVV7/i0
支援
425 :
Ch.068 体育祭!:2010/07/24(土) 18:28:34.41 ID:x2AeLOA+O
憂「おねーちゃーん」
唯「ういーお疲れ」
憂「うん」
純「つがれだ……」
焦「ほらしっかり歩きなよ」
純「ああー……早く帰ってシャワーあびたーい」
唯「私も〜」
紬「それじゃ帰ろうか」
澪「そうだな」
焦「そうですね」
唯「なんか眠くなってきちゃった。今日は一杯寝よう」
律「明日は振り替え休日だしいっぱい寝れるな。てか明日遊びに行こうぜ!」
澪「元気じゃんか」
END
426 :
Ch.069 69:2010/07/24(土) 18:34:28.31 ID:x2AeLOA+O
律「さて」
澪「うん」
律「今日は私が下な」
澪「わかった」
澪「んしょ」
律「……ペロ」
澪「ひゃうっ」
律「ペロペロ」
澪「り、りつ……もっと腰上げて」
律「こう?」
澪「あ、うん。……ペロ」
律「あっ」
427 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 18:36:18.54 ID:IgQfTkx00
焦ってなんだよ
428 :
Ch.069 69:2010/07/24(土) 18:40:01.82 ID:x2AeLOA+O
律「ペロペロポーン!」
澪「ふぁぁぁぁん!」
プシャアアアアアア
律「ぶばっ!?」
澪「あ……ごめん」
律「けほけほ……鼻に入った……あと疲れた」
澪「私も……」
律「いいこと思いついた。お互い横向きになればいいんじゃね?」
澪「なるほど。それでやってみよう」
429 :
Ch.069 69:2010/07/24(土) 18:45:08.33 ID:x2AeLOA+O
律「ん……」
澪「なあ……」
律「うん、足どうしよう」
澪「とりあえずあげておこうか」
律「そうだな。いざって時に避けられるしな。もう鼻で飲みたくない」
澪「ペロペロ」
律「ペロペロ……チュッ!」
澪「はひゃぁぁぁぁ!」ガシッ
律「こら! フトモモで頭をはさむな! これじゃ避けられ……」
プシャアアアアアア
律「ふぶぅ!?」
澪「あははは」
律「こいつ……」
430 :
Ch.069 69:2010/07/24(土) 19:00:33.10 ID:x2AeLOA+O
律「わざとか?」
澪「違うって」
律「……」
澪「……」
律「そういえば誰かに覗かれてるような気がする」
澪「へっ!?」
律「うっそー」
澪「こいつ……」
律「それにしてもこれもいまひとつだった」
澪「私はよかったけど」
律「……。あ、いいこと思いついた」
END
431 :
Ch.070 紬がいない軽音部:2010/07/24(土) 19:17:44.52 ID:x2AeLOA+O
律「まずはお茶飲もうよ」
梓「練習しましょうよ」
唯「だってお菓子がないと頑張れないよ」
澪「頑張れよ」
唯律「今日はお茶で」
澪梓「練習!」
唯律「お茶!」
澪梓「練習!」
唯律「お茶!」
澪梓「練習!」
キーンコーンカーンコーン
『下校時刻になりました。まだ残っている生徒は……』
唯律澪梓「あれっ?」
END
432 :
Ch.071 UFOキャッチャー:2010/07/24(土) 19:27:49.55 ID:x2AeLOA+O
律「苦労したぜ……UFOキャッチャープロの私の財布を空にするとは」
律「ようやく……ようやく澪をゲットする事が出来た」
律「確かに普通に販売しているフィギュアより見劣りするかもしれない」
律「それでも苦労した分だけ愛着が湧くんだよ。私は現地調達派だ」
律「それではご開帳〜」
律「うむ、澪だ」
律「あ、あれ? これスカートが接着されてる」
律「なんでだよ!」
律「……後で剥がすか」
433 :
Ch.071 UFOキャッチャー:2010/07/24(土) 19:33:38.34 ID:x2AeLOA+O
434 :
Ch.071 UFOキャッチャー:2010/07/24(土) 19:41:36.34 ID:x2AeLOA+O
435 :
Ch.072 近未来警察:2010/07/24(土) 19:50:50.35 ID:x2AeLOA+O
唯「072!」
澪「ぶぅー!」
律「きたなっ」
澪「お、お前意味解って言ってるのか?」
唯「それくらい知ってるよ〜。澪ちゃんだって知ってるでしょ?」
澪「へあっ!? ……まあ、うん」
唯「じゃあ言ってみお?」
澪「そんな……恥ずかしい……」
律「こいつ意味解ってないな」
澪「いや、だから……一人で――」
梓「通常の人間の染色質は38くらいなんです! でもその倍近くの染色質72という新しい人類が誕生し始めました! その人達はお互い意志の疎通が完璧で全ての感覚においてすぐれた能力を発揮できるそうです! 072はその数字を表してますっ!」
唯「あずにゃん正解!」
澪「へっ?」
律「チッ」
END
吹いたww
437 :
Ch.073 私がオバさんになっても:2010/07/24(土) 19:55:13.41 ID:x2AeLOA+O
澪「私がオバさんになっても……」
聡「もちろん」
澪「でも若い子の方が好きだろ?」
聡「そんな事ないよ」
澪「そっか、そうだよな」
聡「うん」
澪「私がオバさんになったら聡だってオジさんになってるもんな」
聡「ええっ」
澪「そのうちお腹が出てくるんだ」
聡「それは嫌だなあ」
澪「……やっぱり心配だ」
聡「大丈夫だよ。ずっとこのままでいようね」
澪「ん……うん」
END
438 :
Ch.074 運指!:2010/07/24(土) 20:05:03.03 ID:x2AeLOA+O
澪「梓は指のストレッチ出来る」
梓「出来ますよ。ほら……いち、に、さん、し」
澪「そ、そっか〜実は私出来なくて……」
梓「澪先輩ならすぐに出来るようになると思います」
澪「いやー、それが中々上手くいかなくて……」
梓「でも先輩くらいベースが弾けるなら問題ないんじゃ――」
澪「ああっ! いいこと思いついた!」
梓「うわっどうしたんですか」
澪「梓、左手を出してくれ」
梓「もう一度ストレッチすればいいんですか?」
澪「うん。でもその前に私の右手を梓の左手に重ねる」
梓「へっ?」
439 :
Ch.074 運指!:2010/07/24(土) 20:11:23.69 ID:x2AeLOA+O
澪「ほ、ほら! こうやって手のひらを合わせて一緒にストレッチすればできるかも!」
梓「……そうでしょうか」
澪「と、とりあえずやってみようよ」
梓「わかりました……。それじゃあ行きますよ。いち、に、さん、し……」
ttp://sakurachan.dip.jp/up/src/up17781.gif 澪「ほら! スムーズにできる!」
梓「澪先輩……もしかして最初から出来てたんじゃないですか?」
澪「そ、そんなことないぞ」
梓「……出来るようになったしもういいですよね」
澪「あっ……もうちょっと……」
梓「……」
440 :
Ch.074 運指!:2010/07/24(土) 20:29:42.81 ID:x2AeLOA+O
澪「ほ、ほら! こうやって手のひらを合わせて一緒にストレッチすればできるかも!」
梓「……そうでしょうか」
澪「と、とりあえずやってみようよ」
梓「わかりました……。それじゃあ行きますよ。いち、に、さん、し……」
ttp://sakurachan.dip.jp/up/src/up17781.gif 澪「ほら! スムーズにできる!」
梓「澪先輩……もしかして最初から出来てたんじゃないですか?」
澪「そ、そんなことないぞ」
梓「……出来るようになったしもういいですよね」
澪「あっ……もうちょっと……」
梓「……」
441 :
Ch.074 運指!:2010/07/24(土) 20:35:51.53 ID:x2AeLOA+O
442 :
Ch.075 3択!:2010/07/24(土) 20:45:23.64 ID:x2AeLOA+O
【 唯 】
「寝る前に目覚ましをセットしないとね。何時にセットしようかな」
・明日は早く起きよう
>・普通の時間に起きよう
・出来るだけたくさん寝よう
【 唯 】
「普通の時間に起きよう」
【 唯 】
「おやすみ〜」
【 唯 】
(……ん? 何か違和感があったような……まあいいか……ぐぅ)
443 :
Ch.075 3択!:2010/07/24(土) 20:50:42.36 ID:x2AeLOA+O
【 唯 】
「おはよう憂」
【 憂 】
「お姉ちゃんおはよう。私日直だから先に行くね」
【 唯 】
「そっか。りょうかーい」
【 憂 】
「いってきます」
【 唯 】
「いってらっしゃい」
【 唯 】
(ご飯用意してくれてありがとう憂。いただきまーす)
444 :
Ch.075 3択!:2010/07/24(土) 20:55:21.50 ID:x2AeLOA+O
【 唯 】
「いってきます、と」
【 唯 】
「今日は時間に余裕があるから走らなくて大丈夫だ。のんびり登校するのって久しぶりかも」
【 ? 】
「珍しく早いですね」
【 唯 】
「ん? この声は……」
【 梓 】
「おはようございます」
【 唯 】
(やっぱりあずにゃんだ!)
445 :
Ch.075 3択!:2010/07/24(土) 20:59:28.43 ID:x2AeLOA+O
・おはよう!
・パンツ何色
・無視
【 唯 】
(あっ……これ昨日と同じ……なんなんだろう。とりあえず……)
>・おはよう!
・パンツ何色
・無視
【 唯 】
「おはよう!」
【 梓 】
「はいっ。今日もいい天気ですねっ!」
【 唯 】
(あずにゃんが急に元気になった)
【 梓 】
「ところで唯先輩」
【 唯 】
「なあに?」
446 :
Ch.075 3択!:2010/07/24(土) 21:17:08.21 ID:x2AeLOA+O
【 梓 】
「唯先輩は軽音部で誰が一番好きなんですか?」
【 唯 】
「……」
「……はい?」
【 梓 】
「今日こそはっきりしてもらいますよっ」
【 唯 】
「な……何言ってるのかわからないんだけど」
・ムギちゃん
・澪ちゃん
・りっちゃん
(なにこれ!? ここから選べって事!? そんな……ていうかこの流れで選択肢にあずにゃんがない……)
(そもそも選ぶ前にこの突拍子のない展開についてあずにゃんを問いたださないと)
【 唯 】
「……」
(……あ、あれっ? 喋れない……どうして)
(もしかして選択肢以外は喋れないの……?)
447 :
Ch.075 3択!:2010/07/24(土) 21:23:23.91 ID:x2AeLOA+O
【 唯 】
(あずにゃんゴメン!)
・ムギちゃん
>・澪ちゃん
・りっちゃん
【 唯 】
「澪ちゃん」
【 梓 】
「あ……そ、そうですか。そんな気がしてました」
「やっぱり私なんかじゃ……」
【 唯 】
「あずにゃん……」
(違うのこれはね……ってまた喋れない!)
・ごめんねあずにゃん
・それでもいいなら……
・だからもうかかわらないで
【 唯 】
(しかも何この選択肢!? 私あずにゃんの事……好きなんだけど)
(下は論外として……どうしよう。真ん中でも嫌われるかもしれないけど上も完全に振ってる……)
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 21:27:38.79 ID:+SpVV7/i0
選択肢が理不尽w
449 :
Ch.075 3択!:2010/07/24(土) 21:33:03.43 ID:x2AeLOA+O
【 唯 】
「……」
(あーもー!)
>・ごめんねあずにゃん
・それでもいいなら……
・だからもうかかわらないで
【 唯 】
(本心を言う事が出来ないっていう意味で)
「ごめんねあずにゃん」
【 梓 】
「い、いえ、気にしないで下さい。何の脈絡もなくこんな事聞いてすみませんでした」
【 唯 】
(辛そうな顔してる。私の所為だ……)
【 梓 】
「それじゃあ私先に学校行きますね……」
【 唯 】
「う、ん」
(待って! 待ってって言ってよ私!)
【 梓 】
「さよ……なら」
450 :
Ch.075 3択!:2010/07/24(土) 21:38:53.97 ID:x2AeLOA+O
【 唯 】
(あずにゃん……今すっごく言い辛そうだった)
・さよなら
・さよなら
・さよなら
【 唯 】
(はあ!? 何これ……ふざけないでよ!)
(こんな……こんなのってないよ! あずにゃんの気持ちを踏みにじって……私の気持ちを捻じ曲げて……)
(こんなのやだよ! 私は……私はあずにゃんの事が好きなんだから!)
【 唯 】
「……」
【 唯 】
(何で……どうしてあずにゃんが好きって言わせてくれないの)
【 梓 】
「……」
【 唯 】
(あっ! あずにゃんが行っちゃう!)
451 :
Ch.075 3択!:2010/07/24(土) 21:55:47.21 ID:x2AeLOA+O
【 唯 】
「…………」
(お願い……! たった一言でいいから……好きって言わせて! あずにゃんの悲しそうな顔なんて見たくないよ)
【 唯 】
「……」
(あああああああああ!! すううううううううううううううきいいいいいいいいいい!!)
【 唯 】
「……っ」
(あずにゃん大好きーーーーーーーーーーーーーーー!!!!)
(好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き!!)
【 唯 】
「……っ……ぁ」
(あずにゃああああああああああああああああああああん!!!!)
(私はあずにゃんの事が……)
【 唯 】
「……す…………き」
452 :
Ch.075 3択!:2010/07/24(土) 22:07:55.92 ID:x2AeLOA+O
【 梓 】
「……っ」
【 唯 】
(やった言えた! よーしもっと言うぞー!)
「……す」
「…………き」
【 梓 】
「ぁ…………」
【 唯 】
(あずにゃんも何か言いたそうにしてる! もしかしてあずにゃんも思ったことが喋れないんじゃあ……)
【 梓 】
「……っ……っ」
【 唯 】
(あずにゃんも私に何か伝えようとしている!)
【 梓 】
「……す、き」
【 唯 】
(あずにゃん!!)
453 :
Ch.075 3択!:2010/07/24(土) 22:18:56.58 ID:x2AeLOA+O
【 唯 】
「……ぁ……! ゎ……た、し……も」
【 梓 】
「ゆ……せん…………ぃ」
【 唯 】
「あず……にゃ……が……っ」
(おねがいっ! 私の思いを伝えてっ!!)
【 唯 】
「あずにゃんが大好きっ!!」
【 梓 】
「っ!」
【 唯 】
「やった……あれ、思ったとおりに声が出せる」
【 梓 】
「わ……わたしも……私も大好きです!」
【 唯 】
「あずにゃん……!」
【 梓 】
「唯先輩っ!」
454 :
Ch.075 3択!:2010/07/24(土) 22:26:49.26 ID:x2AeLOA+O
【 唯 】
「よかった……よかったよぅ……」
【 梓 】
「ごめんなさい……私……」
【 唯 】
「いいんだよあずにゃん。これからは私達の思いは全て伝えられるから」
【 梓 】
「はい……はいっ!」
【 唯 】
・さよなら
・さよなら
・さよなら
>
「あずにゃん、大好きだよ」
数年後、フリータイピングで会話をしてフラグを立てるギャルゲーが発売することとなる。
END
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 22:31:37.62 ID:jckel7Xu0
イイハナシダナー
456 :
Ch.076 澪「離れていても」:2010/07/24(土) 22:35:43.11 ID:x2AeLOA+O
エリ「秋山さんと田井中さんって仲いいよね」
あかね「うん、まさに親友って感じだよね」
紬「そうそう」
エリ「信頼し合っているというか」
あかね「ちょっとやそっとじゃ壊れなさそう」
紬「ふむ……こんな感じ?」
――――
――――――――
――――――――――――
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 22:57:09.16 ID:+SpVV7/i0
支援
458 :
Ch.076 澪「離れていても」:2010/07/24(土) 22:59:03.64 ID:x2AeLOA+O
エリ「ねーねー秋山さん」
澪「あ、何?」
エリ「田井中さんが秋山さんの事を――だって。酷いよね」
澪「……そう」
*
エリ「ねーねー田井中さん」
律「なになにー?」
エリ「秋山さんて田井中さんの事――って思ってるらしいよ」
律「……ふーん」
459 :
Ch.076 澪「離れていても」:2010/07/24(土) 23:09:07.00 ID:x2AeLOA+O
律「みーおー部活行こうぜ!」
澪「ああ、ちょっと待ってて」
エリ「ちょっとちょっと! さっきの話忘れちゃったの?」
律「あー、覚えてるけど」
澪「ああ、あれね」
エリ(覚えてる割にはフレンドリーな……いや、表面に出さないだけかも)
律「だってなあ」
澪「そうそう、それはないよ」
エリ「どっどうして?」
律「そりゃあ……」
澪「それは……」
「「こいつがそんなこと言うはずないだろ」」
エリ悪いなw
461 :
Ch.076 澪「離れていても」:2010/07/24(土) 23:17:08.54 ID:x2AeLOA+O
――――――――――――
――――――――
――――
紬「……みたいな?」
あかね「お互い信頼しあっているからこそだね。かっこいい」
エリ「そういうの素敵……なんだけど私悪者すぎるよー」
紬「うふふ。それにいつもお互いの事を思いやっているの」
あかね「おおー」
エリ「そっかー」
和(ムギ……美化し過ぎじゃないの?)
END
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 23:21:19.92 ID:+Rg3735n0
しえん
464 :
Ch.077 律「喧嘩していても」:2010/07/24(土) 23:29:15.17 ID:x2AeLOA+O
エリ「じゃあ二人って喧嘩とかしないのかな」
紬「喧嘩したことなら割とあるみたい」
あかね「喧嘩するほど……って言うものね」
紬「うん、それにいつもすぐ仲直りするし」
エリ「へえ〜」
あかね「きっとこんな感じで……」
――――
――――――――
――――――――――――
465 :
Ch.077 律「喧嘩していても」:2010/07/24(土) 23:35:30.75 ID:x2AeLOA+O
紬「それじゃあ帰りましょうか」
澪「あ、私今日は寄るとこあるから」
律「……」
紬「そ、そうなの? じゃあ……」
澪「うん、また明日なムギ」
紬「う、うん、バイバイ」
律「ムギー行こうぜ」
紬「あ、うん……」
466 :
Ch.077 律「喧嘩していても」:2010/07/24(土) 23:44:00.40 ID:x2AeLOA+O
紬「……ねえりっちゃん」
律「……」
紬「りっちゃんてば」
律「へ? あ、なに?」
紬「……」
紬「……あれ? あれって澪ちゃんじゃあ……?」
律「いいよ行こ行こ」
紬「ちょっと待って。誰かと居るみたいだけど……なんだか様子が」
律「え?」
467 :
Ch.077 律「喧嘩していても」:2010/07/24(土) 23:49:09.37 ID:x2AeLOA+O
澪「……」
エリ1「ねえ、はやく出してくれない?」
澪「嫌だ」
エリ2「ちょっとお金貸してって言ってるだけじゃん」
澪「……」
エリ3「何その目は。3対1でやるつもりなの?」
澪(くそ……あいつさえ居れば……いや、あんな奴をアテにしたくない)
エリ1「もうやっちゃおうよ」
エリ2「そうだね」
澪「くっ……!」
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/24(土) 23:50:52.69 ID:+SpVV7/i0
エリが増えとるw
469 :
Ch.077 律「喧嘩していても」:2010/07/24(土) 23:55:57.02 ID:x2AeLOA+O
律「おらっしゃあ!」
エリ「ぎゃあ!」
エリ2「!?」
澪「り、律……」
律「何してんだよこんな所で」
澪「な、何でもいいだろ! お前こそなんでここに……」
律「とりあえずこいつらを片付けてからにするか」
澪「そうだな」
エリ2、3「なにおーこのー!」
470 :
Ch.077 律「喧嘩していても」:2010/07/25(日) 00:01:58.74 ID:0rANlgxdO
エリ2,3「きゅう……」
澪「……ふう」
律「ま、私達にかかればこんなもんだな」
澪「そうだな」
律「……」
澪「……あ」
律「あ?」
澪「…………ぁりがと」
律「ふふ…………えーなにー? 聞こえないなあ」
澪「だからっ……あ、あ……もう知らないっ!」
律「ちょっ待てよ! 悪かったってばー!」
471 :
Ch.077 律「喧嘩していても」:2010/07/25(日) 00:08:25.30 ID:0rANlgxdO
――――――――――――
――――――――
――――
あかね「とかどうかな?」
紬「いいと思う。でも澪ちゃんはもっと抑え目に……」
あかね「そうなんだ」
紬「うん。あ、そういえば前に喧嘩したときがあってね」
あかね「うんうん」
紬「その時は――」
あかね「わあ〜素敵」
END
472 :
Ch.078 放課後トマラルク:2010/07/25(日) 00:15:23.91 ID:0rANlgxdO
唯「やっほー……ん?」
澪「どうした?」
律「ほらー後がつかえてるんだから早く部室に入って……ん?」
紬「誰かいる」
梓「入部希望の人でしょうか?」
hyde「どうもー」
唯「うおっ!」
澪「き……綺麗な人だな」
律「ハーフか?」
紬「こんな生徒がいたなんて」
梓「中性的で整った顔立ち……」ポヘー
律「ええっと、軽音部に何か御用?」
473 :
Ch.078 放課後トマラルク:2010/07/25(日) 00:23:17.11 ID:0rANlgxdO
hyde「ああうん、ちょっと」
律「チョット待って。ムギ」
紬「はーーい。お茶入れるね」
律「よろしくー」
紬「どうぞ〜」
澪「はやっ」
唯「それでどうしたの?」
hyde「放課後ティータイムってバンドに会いに来たんだけど」
唯「おお、私達に会いに来てくれたのか〜」
hyde「君たちがそうなん?」
澪「そうですよ」
梓(あれ……この人どこかで見たような?)ゴソゴソ
hyde「あ、ムスタング使ってるの?」
梓「あ、はい」
hyde「いいよねームスタング」
つ…つまんね…
475 :
Ch.078 放課後トマラルク:2010/07/25(日) 00:28:07.06 ID:0rANlgxdO
梓(ま、間違いない……この人やっぱり!)
梓「あの! あなたの名前を教えてください」
hyde「……土井です」
梓「あ……下の名前は」
土井「八郎です」
澪「八郎!?」
唯「八人兄弟!?」
律「そこじゃねー。男の名前じゃあ……」
土井「なんちゃってー」
澪「な、なんだ嘘か」
梓「どうもです」
梓(……違うのかな)
476 :
Ch.078 放課後トマラルク:2010/07/25(日) 00:34:19.30 ID:0rANlgxdO
澪「私達に何か?」
土井「そうそう、えーと……あれやね」
梓(一体何を……もしかしてコラボ!? いやプロデュース!?)
土井「君たちにゲームのオファーがいってると思うんだけど」
律「ゲーム?」
澪「もしかしてこの前唯が言ってた……」
紬「人力アクションレースの事?」
土井「そうそれ」
土井「その企画に参加してくれるようにお願いにきたの」
梓「えっ」
唯「もしかしてプロデューサー!?」
土井「いや……ただのファンさ」
梓「わ、私達の?」
土井「あ、ゲームのファンね」
梓「……」
477 :
Ch.078 放課後トマラルク:2010/07/25(日) 00:38:47.73 ID:0rANlgxdO
澪「その件は既に断ったはずですけど……」
土井「どうしても出てもらいたくてね」
土井「そこで……」
律「そこで?」
土井「俺と勝負してもらいたい。もちろんこのゲーム『激突トマラルク』で」
唯「おおー土井さんもこのゲーム出来るの?」
土井「まあね」
唯「やろうやろう!」
澪「おい! 負けたら出演しなきゃいけないんだぞ」
唯「私強いから大丈夫だよ〜」
律「確かに唯が一番上手いよなこのゲーム」
唯「そういうわけで任せてよ!」
土井「じゃあやろうか」
唯「負けないよ〜!」
478 :
Ch.078 放課後トマラルク:2010/07/25(日) 00:47:21.92 ID:0rANlgxdO
唯「まけちゃった」
澪「おいいいいいい!」
紬「土井さん上手い……!」
土井「話になりませんなぁ」
唯「負けちゃったらしょうがない。私達出演するよ!」
土井「ありがと」
澪「そ、そんな……」
律「だーいじょうぶだって。きっと楽しいからさ」
唯「それにしても土井さんうまいなー。コツ教えて?」
土井「じゃあ見本見せるよ。俺の走りをよく見てな」
唯「はいっ」
梓「こうして不本意ながらも私達放課後ティータイムは人力アクションゲームに出演する事となりました。
あの大物アーティストとの競演です。ゲーム内で。ツインライブもやりました。ゲーム内で。ちなみに今ではメンバー全員がゲームの虜です。大物アーティストともゲームで交流しています。音楽的交流はありません。
おっと、これからファンのみなさんとクルージングしながらゲーム大会を行うイベントの打ち合わせがあるのでこの辺で失礼します」
END
479 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 00:54:06.12 ID:0rANlgxdO
梓「こんにちはー」
律「おーう」
目の前にあるごつい4WDから返事が聞こえた。
律「あずさー悪いんだけどそこにあるレンチとってくれない?」
梓「えっと、これかな」
律「サンキュー」
私は車の手前にしゃがみこんだ。
コロコロと台車の転がる音と一緒に車体の下から律先輩の手が伸びてきたのでレンチを手渡した。
どうやら台車に背を乗せて車の下で作業しているらしい。
律「あ、これじゃないや。他のレンチがその辺にあるだろ?」
台車の動く音がして今度は律先輩が顔を出した。
律「……あっ」
梓「あんっ」
車の前でしゃがみこんでいた私の股の間に律先輩が顔を差し込んできた。
480 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 00:58:10.03 ID:0rANlgxdO
梓「ちょ……律先輩何やってるんですか!」
律「何ってレンチ取ろうとしただけだよ」
梓「ひゃああ! 喋らないで!」
短めのスカートをはいていた所為で律先輩の顔が私のパンツに密着してしまっている。
さらに律先輩の口が私のアソコに……。
律「そう言われてもなー。レンチとしか言わなかった私も悪かったな。
私が欲しかったのはコンビネーションレンチっていうやつでレンチの両端に同一サイズのめがねレンチとスパナが付いているものなのよ。仮締めと本締めが一本のレンチで使い分けできるっていうすぐれものさ」
律先輩が喋ると私の身体に振動が伝わってきた。
その振動を一身に受けるのは私の大事な部分。
かつて無い衝撃が私を襲った。
律先輩の声がパンツによって振動を増幅されてなんだかよくわからないけれどそんな感じのはず。
梓「あ……は……」
律「どうした梓?」
小刻みに震える私を気遣って律先輩が私の名前を読んだ。
その瞬間私はじんわりと痺れるような感覚に襲われる。
梓「えっ、何……んはぁ……!」
481 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 01:02:16.90 ID:0rANlgxdO
その感覚に耐え切れなくなって前のめりになる。
律先輩の平らな胸に手をついてしまった。
梓「はあ、はあ」
どういうこと?
さっきよりも激しい感覚……というか快感が。
それはさっきのレンチだかスパナのようなどうでもいい話をしていた時の比じゃない。
もしかして言われた言葉によって快感が変わるのだろうか。
ってそんな事考えてる場合じゃなかった。
梓「律先輩早くどいて……」
律「むしろ私がどいて欲しいよ。動けないっての」
梓「ああっ!」
律「……ん? 梓お前……パンツ濡れてるんだけど」
梓「ひっ、やだ……やだ……んああぁあああああぁぁぁ……!」
言われた瞬間、猛烈な羞恥心と快感に襲われた。
アソコから脳天を貫かれたような激しさで何も考えられなくなる。
だらしない声を発して腰をびくつかせて頭が真っ白になって……。
気付いたら律先輩に覆いかぶさってしまっていた。
482 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 01:05:43.79 ID:0rANlgxdO
律「えーと……何だかよくわからないけどゴメン、大丈夫?」
梓「んひっ、ら、らいじょうびゅでふ」
全然大丈夫なんかじゃない。
かつて無いほどの快感を連続で味わってしまった。
それも段々強くなる快感を。
でも今ので確信した。
何を言われたかによって快感の度合いが違うんだ。
私はヨロヨロと立ち上がると律先輩の元を後にした。
律「おーい……私に用があったんじゃなかったのか?」
梓「ごめんなさい……また来ます」
私はふらついた足取りでホームセンターへ向かった。
483 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 01:10:31.80 ID:0rANlgxdO
私はホームセンターで木の板に車輪が付いただけのシンプルな台車を購入した。
結構な出費だった。
それを抱えて平沢家のチャイムを鳴らした。
唯「はーい」
暫くして出てきたのは唯先輩だった。
憂が出なかったと言うことは家にいるのは唯先輩だけか。
梓「お久しぶりです唯先輩」
唯「あずにゃん! 急にどうしたの?」
梓「突然なんですけど久しぶりに桜高を見に行きませんか?」
唯「桜高?」
梓「はい、だめですか?」
唯「うーん……暇だったしいいよ。ちょっと準備するから上がって待っててね」
梓「ありがとうございます」
484 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 01:12:24.33 ID:kMNstkdE0
4
486 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 01:14:47.21 ID:0rANlgxdO
唯先輩の準備が完了すると私達は桜高へ向かって歩き出した。
唯「桜高か〜久しぶりだね」
梓「はい」
唯「ところであずにゃんは何を持っているの?」
梓「これですか? 詳しくは秘密ですけど桜校で遊ぶための道具です」
嘘をついた。
私は最低だ。
そんな最低な自分の行為に興奮している私が最低だ。
梓「今日は休日だし確かテスト期間中だから生徒は誰もいないと思いますけど」
唯「あ〜テストか。なんだか懐かしいや」
会話をしていると桜高が見えてきた。
梓「まず校庭に行きましょう」
唯「校庭?」
487 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 01:19:07.00 ID:0rANlgxdO
よくわかっていない唯先輩を無理やり校庭に連れて来た。
そして台車を唯先輩に見せる。
唯「台車……だよね」
梓「台車です」
唯「……これで遊ぶの?」
梓「まあまあ、とりあえず仰向けで乗ってみてください」
唯「え、うん……。これでいいの?」
唯先輩を台車に乗せることに成功した。
よし、よし、よし。
梓「そしたら足でこいでみてください」
唯「こう?」
カラカラカラ。
校庭の隅で台車で遊ぶ私達。
いつ誰かに見つかるかわからない。
唯「……お。結構楽しいかも」
梓「よかったです」
梓「じゃあ私は向こうに行ってますから先輩は台車をこいで来てください」
488 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 01:22:22.78 ID:0rANlgxdO
五十メートルは離れただろうか。
台車に寝そべった唯先輩が小さく見える。
あ、動き始めた。
のろのろと台車が発進する。
学校に着いてからずっと怪訝そうな顔をしていたけどちゃんとやってくれるみたい。よかった。
あぁ……もうすぐ唯先輩が私の所へ。
梓「はあはあ……」
まだ数メートルしか動いていない。
じれったい。じれったいけどわざわざ五十メートルも離れたのにだって意味がある。
何事も我慢して手に入れた方がその時の喜びはひとしおだ。
梓「はあはあはあ……」
ああっ、唯先輩コースずれてる。それにスピード遅すぎ。
梓「うくぅ……!」
やっぱりだ。
唯先輩ならじらしてくれると思ってた。
身体が熱くなってきた。
息も苦しい。
早く……はやくぅ……。
489 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 01:22:48.75 ID:3u88gQ7/0
こういうの書いてる奴って家でなにしてんの?
相当暇だよな
ってか人間的に終わってる
490 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 01:26:40.84 ID:0rANlgxdO
あっ。
もう少し、もう少しですよ先輩。
梓「こっちです先輩」
唯「あ……あずにゃん……これ結構疲れるんだけど……はあふう」
梓「あと……あと三メートルですから!」
来る……唯先輩が来ちゃうう。
私はしゃがみこんで唯先輩を迎える準備をする。
梓「もうちょっとですよ……はあ……はあ……」
唯「へえ、はあ……なんであずにゃんが疲れてるの……?」
梓「あ……」
ここにきてスピードを落とすなんて……。
気が狂いそうだ。
もうすぐそこまで来ているというのに。
唯「あとどれくらい?」
梓「はあ……はあ……え? あ、一メートルです」
唯「おっし。とうっ!」
梓「えっ!」
491 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 01:29:52.75 ID:0rANlgxdO
唯先輩は両足で地面を蹴って台車に勢いをつけた。
この距離でそんなスピード出したらどうなるか……予想する前に唯先輩の顔面が私のアソコに着弾した。
ザシュ。
そんな音がした。
梓「んああっ!」
唯「!?」
梓「か……かは……っ」
ぶつかった衝撃で思わずのけぞってしまった。
唯先輩は何が起こったのか把握しきれていないみたい。
梓「先輩……大丈夫ですか?」
さあ、唯先輩何か喋って。
唯「…………え?」
梓「っはぎぃぃぃ……!」
なんてこと。
たった一言、たった一文字の感動詞。
しかしそこからは何もわかっていない唯先輩の無垢さを感じられて、その無垢さを利用して騙している背徳感がむくむくと膨らんでくる。
そこに追い討ちをかけるように羞恥心が流れ込んできた。
唯先輩と接触したことで私のパンツが濡れている事を思い出させられたのだ。律先輩の時にだいぶ濡らしちゃったし今までじらされた事もあってびちゃびちゃ。
さらにパンツが湿った所為なのか振動の強さが倍になっていた。
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 01:30:47.20 ID:1uVI1htj0
わっふるわっふる
493 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 01:34:48.71 ID:0rANlgxdO
梓「っあ……う……」
身体を震わせながら快楽の波に耐える。
まさかここまでの快感が得られるとは思わなかった。
唯「はあ……はあ……」
私が必死に耐えているというのに唯先輩は息を荒くして私に刺激を送り続けている。
ここまで台車をこいで息があがってるから仕方ないんだけど今の私にはそれだけでも致命傷だ。
まずここは耐える事にして次の唯先輩の言葉でイこう。
きっと私の名前を読んでくれるに違いない。何が何だかわからないといった感じで「あずにゃん……?」と。名前の破壊力は律先輩の時に実証済みだ。今の状況と合わされば何倍もの衝撃が私を――
唯「へっっぶしっ!!」
あ――
一瞬でもっていかれた。
メーターが振り切れてしまった。
そんな……こんな時にくしゃみをするなんて……唯先輩のバカ。
もうすぐ来ちゃう。
何がよかったのかわからない。
振動? 衝撃? それともくしゃみが私の琴線に触れたの?
言葉ですらないのに。
くやしい。
こんなのでイきたくない。でももうだめ。頭に靄がかかってきた。
あ、あ、きちゃう、きちゃう、き――
梓「や、ら、あ、あ、あ……んんんんんぅううううううぅぅぅぅぅ!」
494 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 01:41:43.61 ID:0rANlgxdO
唯「――あずにゃんてば」
梓「ひぐっ」
あ……あー……。
漸く戻ってこれた。
ありえないほど気持ちよかった。
けどくしゃみでイったなんて思いたくない。
きっとくしゃみの勢いと濡れたパンツの症状効果だよね。
決してくしゃみなんかでイってしまう自分に酔っていたからじゃない。
唯「あずにゃんどうしたの? 大丈夫?」
梓「あっ! 今は……喋らないで……うあひっ」
腰がいう事をきかない。
何もわかっていない唯先輩の上でビクビクと震えている。
唯先輩は私の事を心配してくれているのにそれが私を余計にゾクゾクさせてる。
梓「す、すいません……唯先輩」
唯「だいじょうぶ?」
梓「ひぎぃ……!」
だいじょうぶ。
なんて濁音の多い言葉なんだ。今の私にはつらいよう。
先輩が優しくするほどに私の快感が増していく。
495 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 02:01:56.44 ID:0rANlgxdO
これ以上気持ちよくなったらどうなっちゃうの。
怖い。
怖いけど……あとにひけない。
もう気持ちよくなることしか考えられない。
もうどうにでもなっちゃえ。
梓「唯先輩……」
唯「どうしたの?」
梓「あんっ……私唯先輩の事が……好きなんです」
気持ちよくなりたい一心で口から突いて出た言葉がこれだった。
確かに唯先輩のことは友達として好きだ。でもそれだけ。
なのに大変な事を口走ってしまった。
唯先輩は何て答えるのだろう。
それを受け止める私のアソコはどうなってしまうのだろう。
今までの関係が崩れるかもしれない。そしたらどうしよう。……そう思うことすら快感に変換される。
唯「え……あずにゃん?」
梓「んん……ふあ」
戸惑った声。
さあ今度はどう返すんですか。
ああ、今必死に考えているんだろうなあ。
それとも思考停止しちゃってたりして。
497 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 02:07:35.19 ID:0rANlgxdO
唯「えっと……ごめんなさい」
梓「あ……っ!」
唯「あずにゃんの事は好きだけど……後輩として、友達として好きなの」
梓「は、あ……んんんん!」
唯「だから、ごめん」
梓「ほぁ……ふぁああ……!」
ああああ振られちゃった。
だけど最高に気持ちいい。
唯先輩の辛そうな声が私のアソコに響いている。
でも足りない……。
梓「そうですか。じゃあ嫌いって言ってください」
唯「え……どうして」
梓「ん、なんとなくです」
唯「……」
梓「ほら、私とは付き合えないんでしょう? なら早く言ってください。私のことなんて嫌いだって――」
唯「そんな事言えるわけないじゃん!!!!」
498 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 02:13:01.89 ID:0rANlgxdO
梓「ひぐうううううっ! ……く、へ、あ……!」
あああああやっぱり唯先輩はずるい。
そんな大声出されたらアソコが壊れちゃいますよ。
唯先輩の思いが湿ったパンツを通過して倍増して伝わる。
今の言葉で全身に電気が走ったみたいだ。
もう……い、く……
唯「あずにゃんのバカ!!」
梓「あひぃっ!? な、なにを……」
唯「さっきも言ったじゃん。あずにゃんの事……友達として好きなの! それなのにいきなり嫌いなんて言えるわけ無いでしょ! 今日のあずにゃん変だよ!!」
梓「ひゃ、ひゃめてぇ……も、もういってるからぁ……! んっ、んぐっ」
唯「普段のあずにゃんならあんな事言わないでしょ? ……もしかして何かあったの?」
梓「はっ、あっ、あっ、あっ……はあっ、あ、な、なんでもないですっ……だからしゃべら、あぁんっ!」
唯「どうしちゃったのあずにゃん……あ、あれ? あずにゃん、なんだかパンツがねばねばしてきてるんだけど」
梓「んぎいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
499 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 02:18:26.70 ID:0rANlgxdO
梓「ひぐうううううっ! ……く、へ、あ……!」
あああああやっぱり唯先輩はずるい。
そんな大声出されたらアソコが壊れちゃいますよ。
唯先輩の思いが湿ったパンツを通過して倍増して伝わる。
今の言葉で全身に電気が走ったみたいだ。
もう……い、く……
唯「あずにゃんのバカ!!」
梓「あひぃっ!? な、なにを……」
唯「さっきも言ったじゃん。あずにゃんの事……友達として好きなの! それなのにいきなり嫌いなんて言えるわけ無いでしょ! 今日のあずにゃん変だよ!!」
梓「ひゃ、ひゃめてぇ……も、もういってるからぁ……! んっ、んぐっ」
唯「普段のあずにゃんならあんな事言わないでしょ? ……もしかして何かあったの?」
梓「はっ、あっ、あっ、あっ……はあっ、あ、な、なんでもないですっ……だからしゃべら、あぁんっ!」
唯「どうしちゃったのあずにゃん……あ、あれ? あずにゃん、なんだかパンツがねばねばしてきてるんだけど」
梓「んぎいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
501 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 02:22:28.96 ID:A3MkePiZ0
大事なことだったのか
502 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 02:25:03.20 ID:0rANlgxdO
――あ、あれ。
私失神しちゃってた……?
うっすら目を開けると唯先輩のジーンズが目に入った。
そっか、唯先輩に倒れこんじゃったんだ。
梓「ぁ……唯先輩ごめんなさい」
唯「あ、あずにゃん起きた? 大丈夫?」
梓「んっ……なんとか」
死ぬかと思った。
もうイってるのに唯先輩が話をやめないんだもの。
それに私の言うバカみたいな事に必死になってくれて、そんな健気な先輩の言葉に加えて……ネバネバって何よまったく。最高。
力が抜けてしまってろくにうごけない。
先輩の口は私のアソコにくっついたままだしどうしよう。
今何か言われたらまた飛んじゃうかも。
梓「唯先輩……ひとつだけお願いがあります」
唯「何?」
梓「私の名前を大声で叫んでくれませんか?」
唯「…………うん、いいよ」
梓「思いっきりですよ? これでもかって言うくらいの大声を――」
503 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 02:30:31.53 ID:0rANlgxdO
唯「ああぁああああああああああああああぁ!!!!」
梓「っ…………っ!」
あ――
声がでな、い……
からだか、ガクガクって悲鳴上げてる……
唯「ずううううううううううううううううううう!!」
梓「かはっ……! あ……が……っ!!」
あ、もう、もうきちゃう。
先輩の叫び声は今までのことばよりずっとすごいよぉ。
きもちよすぎるおなかがひくひくしちゃう。
わたしぜったいだらしないかおしちゃってる。
唯「にゃあああああああああああああああああ!!!」
梓「いぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
唯「んんんんんんんんんんんんん!!!!」
梓「んんんんんんんんんんんん!!!!」
504 :
Ch.079 魔法の言葉を囁いて:2010/07/25(日) 02:34:44.65 ID:0rANlgxdO
あの後再び気を失った私は唯先輩に台車で運んでもらったみたい。
アスファルトのゴツゴツとした振動が心地よかったのをなんとなく覚えている。
今度は憂に頼んで論文を発表してもらおうかな。
とびきり難しいやつがいい。
そんなくだらない事を考えていられるのも唯先輩との関係が壊れなかったからだ。
あの時の私はどうかしてたよ。
もう無茶な事は控えないとなあ。
それともうひとつ。
この経験を通して今までの考え方を改める事が出来た。
それは歌詞の重要性。
私が音楽を聞く時は大体ギターを中心に楽器を聴いている。
ヴォーカルもメロディラインとして聞くから歌詞に重きを置いていなかった。
軽視してたんだ。
だけど、言葉の重みを知ることが出来てからそんな事はなくなった。
歌詞の、言葉の大切さに気がつくことができた。
そこに隠された思いにも。
そう考えると澪先輩の歌詞も捨てたもんじゃない……かも?
バンドは楽器だけじゃない。
素敵な演奏と歌詞に愛を込めれば全身が痺れるような快感を与えられる。
私はそんな音楽をやっていきたいと思います。
END
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 02:38:05.06 ID:1uVI1htj0
イイハナシダナー
506 :
Ch.080 いやーあれは失敗だった:2010/07/25(日) 02:40:07.40 ID:0rANlgxdO
高校生活も残り一年を切った頃、私は一通の手紙をもらった。
手紙には私への思いが綴られていた。
差出人は二年生の後輩、つまり同姓からだ。
手紙を読んでいるうちにふつふつと感情が湧き上がってくる。
なんだろう。
というかそもそもどういう返事を返せばいいのかわからない。
どうすれば。
よし。決めた。
この気持ちを相手にそのまま伝えよう。
そう決心して相手の指定した場所へと向かった。
待ち合わせ場所には赤いタイの学生がいた。
見覚えはない……と思う。
「あの……田井中先輩。手紙読んで頂けたんですね」
「あ、うん」
「ええっと、それで……」
相手が何か言うつもりだ。
ここは私が先手を切ろう。手紙を読んで感じた事をそのまま言うんだ。
そうすればきっと上手くいく。
「気持ち悪いんだけど」
508 :
Ch.080 いやーあれは失敗だった:2010/07/25(日) 02:44:19.07 ID:0rANlgxdO
律「っていったらその子どっかいっちゃってさー」
澪「そらそうだ」
律「それ以降不幸の手紙もらうようになっちゃってさー」
律「いやーあれは失敗だった」
紬「失敗は誰にでもあるよ。私も昔友達から貰った手作りクッキーを食べた時に」
紬「今度もっと美味しいクッキーを持ってきてあげるねって言っちゃった」
紬「それ以来その子がよそよそしくて」
澪「そらそうだ」
紬「いやーあれは失敗だった」
唯「私も自分が遅刻した事を憂のせいにしたら暫く口利いてもらえなくなった」
澪「そらそうだ」
唯「いやーあれは失敗だった」
律「つまりもっとよく考えてから喋れって事だな」
END
509 :
Ch.081 あずビッチ!:2010/07/25(日) 02:51:12.23 ID:0rANlgxdO
梓「澪先輩!」
澪「おはよう梓」
梓「おはようございます!」
澪「朝から元気いいな」
梓「澪先輩に会えましたからね」
澪「あ、う……そういうこと言うな!」
梓「えへへ」
律「えー私は?」
梓「何がですか?」
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 02:53:56.64 ID:ahHqmy/Q0
しえ
511 :
Ch.081 あずビッチ!:2010/07/25(日) 03:07:07.13 ID:0rANlgxdO
律「だからー私に会えて元気出た?」
梓「澪先輩今日も部活頑張りましょうね」
澪「そうだな」
律「……」
梓「それじゃあ放課後に」
澪「ああ」
律「……」
梓「あ、律先輩」
律「なにさ」
梓「ちゅっ」
律「!」
梓「それじゃあ失礼しまーす」
512 :
Ch.081 あずビッチ!:2010/07/25(日) 03:13:21.81 ID:0rANlgxdO
梓「遅れました」
唯「あっあずにゃん!」
唯「ぎゅううううう」
梓「ちょっと! やめてください!」
唯「えっ……」
梓「まったくもう……誰もいないところでしてくださいね」
唯「あ、うん!」
紬「あ、梓ちゃん!」
梓「はい?」
紬「梓ちゃん、部活の後少し残ってもらってもいいかな」
梓「いいですよ」
513 :
Ch.081 あずビッチ!:2010/07/25(日) 03:18:40.08 ID:0rANlgxdO
梓「それでどうしたんですか?」
紬「実は私……えっと……」
紬「やっぱりなんでも……」
梓「ムギ先輩」
紬「はっはい」
梓「私もムギ先輩と同じ事思ってるかもしれませんよ?」
紬「えっそれって……!」
梓「ふふ」
紬「わ、わたし梓ちゃんのことが――!」
梓「嬉しいですムギ先輩……」
梓「くふ」
END
なんという手練
515 :
Ch.082 ゲストコーナー:2010/07/25(日) 03:23:10.94 ID:0rANlgxdO
律「CDTVをご覧の皆様こんばんは!」
律「ほう!」
唯「か!」
梓「放課後ティータイムです」
律「こらぁー! お前はティーだろ」
梓「澪先輩」
澪「ここっ今回の曲は唯が作りました。えっと……この曲のテーマは?」
唯「えっとねーこれは私の妹を思って書いた曲です!」
律「まん」
紬「BOW」クネクネ
澪「ぶふっ……おいやめろ!」
梓「あ゛ー……それでは聞いてください。『U&I』です」
澪唯紬梓律「どうぞっ!」
END
516 :
Ch.083 ゆうれい:2010/07/25(日) 03:28:31.89 ID:0rANlgxdO
ピンポーン
憂「はーい」
ガチャ
澪「こんにちは」
憂「あれ、澪さん?」
澪「今日唯とお泊り会するって話なんだけど……聞いてない?」
憂「えっ!? お姉ちゃん中学の時のお友達の家に泊まりに行っちゃいましたよ!」
澪「ええっ! ちょっと唯に電話してみる……」
憂「おねえちゃあん……」
プルルルル
517 :
Ch.083 ゆうれい:2010/07/25(日) 03:33:07.67 ID:0rANlgxdO
ピッ
憂「どうでしたか?」
澪「うん、唯のミスで本当は来週の日にちを私に教えるはずが何故か一週間早まったみたい」
憂「ご、ごめんなさい!」
澪「憂ちゃんは悪くないよ」
憂「で、でも……」
澪「大丈夫だって」
憂「あ、あの!」
澪「ん?」
憂「澪さんはもう晩御飯食べました?」
澪「いや、まだだけど」
憂「もし良かったらうちで食べていきませんか?」
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 03:39:23.33 ID:ahHqmy/Q0
ぬるぽ
ものっすごい手抜きと無駄に力の入ってるSSが混在してて俺は
それより台車かってきた
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 05:33:42.43 ID:rhx6wKms0
台車の話が発想すごすぎる
1はふだん何考えて生活してるんだ?
522 :
Ch.083 ゆうれい:2010/07/25(日) 05:54:49.98 ID:0rANlgxdO
澪「でも悪いよ」
憂「実は今日お姉ちゃんがお泊りに行くのを忘れててご飯作りすぎちゃって」
澪「うーん……それじゃご馳走になってもいいかな?」
憂「はい! 上がってください」
澪「お邪魔します」
憂「今日も両親は出掛けてますからくつろいでて下さい」
澪「今日もか……」
憂「すぐに準備できますから」
澪「ありがとう」
澪(憂ちゃんと晩御飯か……悪くないな)
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 06:39:51.86 ID:7ulvK4kfO
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 07:02:53.05 ID:7ulvK4kfO
保守
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 08:36:26.56 ID:7ulvK4kfO
まだ生きてるかな
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 09:08:15.84 ID:7ulvK4kfO
保守
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 09:18:01.53 ID:8MJXARfG0
こういうの書いてる奴って家でなにしてんの?
相当暇だよな
ってか人間的に終わってる
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 09:21:10.39 ID:1uVI1htj0
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 09:25:14.87 ID:7ulvK4kfO
>>528 どうせ、すぐに飽きるからほっときゃいい
530 :
Ch.083 ゆうれい:2010/07/25(日) 09:35:38.58 ID:0rANlgxdO
澪「でも悪いよ」
憂「実は今日お姉ちゃんがお泊りに行くのを忘れててご飯作りすぎちゃって」
澪「うーん……それじゃご馳走になってもいいかな?」
憂「はい! 上がってください」
澪「お邪魔します」
憂「今日も両親は出掛けてますからくつろいでて下さい」
澪「今日もか……」
憂「すぐに準備できますから」
澪「ありがとう」
澪(憂ちゃんと晩御飯か……悪くないな)
531 :
Ch.083 ゆうれい:2010/07/25(日) 09:40:34.71 ID:0rANlgxdO
澪「――そしたら梓が張り切っちゃって」
憂「梓ちゃんかわいい〜」
澪「……あ、もうこんな時間か。そろそろ帰った方がいいかな」
憂「あっ……よかったら泊まっていって下さい」
澪「え?」
憂「あ……お姉ちゃんがいないんじゃ意味ないですよね。何言ってるんだろう私……」
澪「そんなことはないけど、私に気を使わなくてもいいよ」
憂「そうじゃないんです、ごめんなさい。ええと……」
澪「唯がいなくて寂しい……とか?」
憂「うう……はい」
澪「……」
澪「ぷっ」
憂「あう」
532 :
Ch.083 ゆうれい:2010/07/25(日) 09:46:34.62 ID:0rANlgxdO
澪「せっかくだし泊まっていこうかな」
憂「いいんですか?」
澪「元々泊まりに来るつもりだったからね」
憂「ありがとうございますっ。お風呂沸かしてきますね!」
澪「ありがとう」
澪(やっぱりかわいいな)
憂「……ふう。もうすぐ沸きますからお先にどうぞ」
澪「じゃあお言葉に甘えて」
憂「どうぞ〜」
533 :
Ch.083 ゆうれい:2010/07/25(日) 09:56:37.76 ID:0rANlgxdO
澪「お先にお風呂頂きました」
憂「……」
澪「憂ちゃん?」
憂「あ、ごめんなさい。ぼーっとしてて……」
憂「そうだ、ベッドはお姉ちゃんのを使ってください」
澪(……まあそうなるよな)
澪「わかった」
憂「私もお風呂入ってきますね」
澪「うん」
澪(仕方ないか)
534 :
Ch.083 ゆうれい:2010/07/25(日) 10:01:15.19 ID:0rANlgxdO
澪「ん……ふわぁあ……」
澪「今何時だろ……8時半か、ちょっと寝すぎた」
澪「……しまった」
ガチャ
澪「おはよう憂ちゃん」
憂「あ、澪さんおはようございます」
澪「ごめんな、私も朝ごはんの準備手伝おうと思ってたんだけど」
憂「澪さんはお客さんだからいいんですよ」
澪(失敗したなぁ)
憂「朝ごはん出来てますからどうぞ」
澪「ありがとう。いただきます」
535 :
Ch.083 ゆうれい:2010/07/25(日) 10:09:49.15 ID:0rANlgxdO
澪「なんだかんだで長居しちゃって悪いね」
憂「そんなことないですよ。それにもうすぐお姉ちゃん帰ってきますし」
澪「そっか」
憂「……」
澪(憂ちゃん横向いたままでずっと時計見てる。やっぱり唯の事が気になるんだ)
憂「……」
澪「……」
ガチャ
憂「あっお姉ちゃん帰ってきた! 迎えに行ってきますね」
トタトタ
澪「……はぁ」
澪(まあ、唯の事を思ってる横顔でも素敵……かな)
END
536 :
Ch.083 ゆうれい:2010/07/25(日) 10:16:36.44 ID:0rANlgxdO
唯「みんな上がって上がって」
律澪紬梓「おじゃましまーす」
唯「外暑かったでしょ。はいこれ」
律「おおーポッキンアイス!」
唯紬梓「ポッキンアイス?」
律「そうそう、これって凍らせて食べることもできるんだぜ」
紬「すごーい!」
律「……って何で唯と梓まで聞き返したのん?」
唯「それってチューペットって言うんじゃないの?」
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 10:19:41.27 ID:kMNstkdE0
支援
538 :
Ch.084 澪「チューペット?」:2010/07/25(日) 10:20:25.36 ID:0rANlgxdO
律「あー、私はポッキンアイス派だな」
梓「私はポキニコって呼んでました」
紬「へ〜色んな呼び方があるんだ」
律「あーそういえばそうだな……なあ澪?」
澪「なっなんだよ」
律「確かお前は……」
澪「ポッキンアイス! 私はそう呼んでるぞ!」
律「嘘付け。こいつ『チュッチュポッキンアイス』って呼んでるんだぜ」
唯「ぷふふふっ」
紬「かわいい」
梓「ふ……くふ……」
澪「な、なんだよいいだろ別に!」
539 :
Ch.084 澪「チューペット?」:2010/07/25(日) 10:24:17.60 ID:0rANlgxdO
唯「つい笑っちゃったけどその呼び方結構聞くかも」
梓「そうですね。私もチュッチュ棒とかチューチューアイスとも呼んでました」
梓「純もチュッチュとかって呼んでましたし」
律「チューチュージュースとかもあるよな!」
唯「和ちゃんは棒アイスって呼んでたよ。憂は私と一緒でチューペット」
さわ子「私はパッキンアイスかか棒ジュースって呼んでたわよ」
澪「そ、そうなんだ……」
澪(自分の中で名前が決まっちゃってるとつい口に出しちゃうんだよな。それで律が笑うから……)
540 :
Ch.084 澪「チューペット?」:2010/07/25(日) 10:27:57.05 ID:0rANlgxdO
律「ほあちゃー」ヒュンヒュン
唯「おおーヌンチャクみたい!」
紬「ヌンチャクアイスね!」
律「そう呼ぶ人もいるらしいぜ!」ヒュンヒュン
唯「私も! ほあちゃ〜」ヒュンヒュン
スポーン
澪「へぶっ」
唯「あ、ごめん」
澪「チュッチュポッキンアイスで遊ぶなー!!」
さわ子「何その呼び方!? ひゃっひゃっひゃ!」
梓「先生笑いすぎですよ! ……くふ」
律「ぶふーっひゃっひゃっひゃ!」
澪「うう……絶対呼び方直してやるぅー!」
END
541 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 10:32:29.88 ID:0rANlgxdO
一袋のポテトチップスと一本の凍らせたチューペット。
これは唯の中で祝杯を意味する。
唯が曲を作るときは決まって山奥の別荘で缶詰になる。
そして曲が完成したら必ず一袋のポテトチップスと一本の凍らせたパッキンアイスでささやかな祝杯をあげる。
今回はアルバムに収録する曲の原型が完成したのでその記念だ。
唯はシングルやアルバムを数枚出してそこそこヒットしていた。
曲調や歌詞の方向性は甘くて楽しくて元気が出るような感じだ。
だが今回のアルバムは違う。
今までの路線ではなくどちらかと言うと切なかったり暗かったりする曲が多い。
これは新しい事に挑戦したいという唯の考えだ。
自分の今まで見せられなかった一面を見せる。
そのコンセプトを元に頑張ってきただけあって彼女にとって渾身の出来だった。
そしてこのアルバムにはもうひとつ新たな取り組みが施されている。
曲ごとにストーリーが設定されており、全体を通して聞くとひとつの物語が現れる。
内容は曲のコンセプト通り暗めな物語だが、痛みを伴う進化というテーマがある。
聞いてくれる人が物語を読むような感覚で感情移入してくれることを狙っているのだ。
と、中々チャレンジャーな作品なので原曲が完成しただけとはいえ唯の喜びはひとしおだった。
唯は祝杯の準備に取り掛かった。
542 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 10:35:36.74 ID:0rANlgxdO
唯がチュッチュポッキンアイスを手に持って力を入れる。
「ふっ!」
チュッチュ棒は綺麗に割れた。
「乾杯!」
唯は満足そうにそれを見つめると二ついっぺんにほおばった。
よく冷えたポッキンアイスが唇に痛みに近い冷たさをもたらす。
唯はそれに耐え切れなくなってアイスを口から出すと中身が口から少し零れた。
「おっとっと」
一見無駄な食べ方だがこの無駄加減が一仕事終えたという事を唯に実感させる。
一仕事終えて飲みに入ったり遊びに行ったりするような感覚なのだろう。
唯が零れたポキニコを拭っていると何かを考えて始めて動きを止めた。
こういう時真っ先に口を拭ってくれる妹の事が唯の頭を過ったから。
「憂、大丈夫かな」
543 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 10:37:24.04 ID:0rANlgxdO
憂。
唯の年子の妹で唯の事が大好き。
唯が都会へ行って音楽活動を始めてからは会う機会が減ってしまい、元々姉が大好きな憂は寂しい思いをしていた。
そんな憂にも大切な人が見つかる。看護師として働いていた憂が仕事場で出会った人だ。
二人が結ばれて籍を入れるのにそう時間は掛からなかった。
ようやく憂も姉離れする事が出来て幸せな家庭を築くことが出来た。
しかしその幸せはあっけなく終わる。憂の夫が事故で帰らぬ人となってしまったのだ。
再び依存していた人物が遠くへ行ってしまった憂は心を病んでしまう。
唯は当時多忙で憂の事を助けてあげられなかった。
会えない日々が続く中で唯は段々憂に会うのが怖くなってきていた。
心を病んで変わってしまった憂と会ってもどうすればいいのかわからなかったから。
それでも唯にとって憂はたった一人の妹。
唯は姉として妹を何とかしてあげたいとずっと思っていた。
「憂……」
唯は思いつめて思案していたが、決意の表情とともに突然ポテトチップスの袋を引きちぎった。
(私は憂のお姉ちゃんなんだから私が何とかしないと!)
それから黙々とポテトチップスとチューチューアイスを食べながら予定を立て始めた。
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 10:38:17.11 ID:ahHqmy/Q0
ポキニコははじめて聞いた
545 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 10:42:56.28 ID:0rANlgxdO
翌日、唯は早々に別荘を後にして平沢家へと向かった。
唯にとっては数年ぶりの我が家である。
唯は久しぶりの実家を眺める。
玄関先やバルコニーの植木は昔のままで手入れが行き届いていた。
憂が手入れしているとしたら……。
思い切って玄関のチャイムを鳴らした。
「はーい」
暫くすると聞き覚えのある声が聞こえた。
それは明るめの声で昔の妹が容易に想像できた。
唯に希望が湧いてくる。
これなら心配する事も無かったんじゃないかと。
「憂、私だよ」
唯も明るい声で返事をする。
「……お姉ちゃん?」
家のドアが開かれた。
そこには昔と変わらない妹の姿。
「ただいま憂」
「お姉ちゃん!」
憂の瞳が喜びで見開かれる。
自分に会えた事を喜んでくれる憂を見て唯まで嬉しくなった。
546 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 11:01:32.48 ID:0rANlgxdO
「憂、いままで会いに来なくてごめんね」
「いいんだよ。それより入って入って」
姉を暖かく迎える憂を見て唯は安堵した。
それから見慣れたリビングへ向かいソファに腰を下ろす。
唯はとてもいい気分だった。
「お姉ちゃん」
「なあに憂」
「お姉ちゃんてば」
「どうしたの憂?」
「お姉ちゃん、お姉ちゃん」
「はーい」
「お姉ちゃん、起きてよお姉ちゃん」
「起きてるよ〜」
「もう、お姉ちゃんてば……」
「……ん?」
547 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 11:07:53.22 ID:0rANlgxdO
「――あ、憂」
「やっと起きたね。お姉ちゃん」
「……え、あれ」
唯が目を覚ますとそこには見慣れた天井があった。
窓からは日が差し込んでいる。
「私の部屋?」
「そうだよ。私が運んだの」
そう言って憂は微笑んだ。
唯は彼女を見た。数年ぶりに会った彼女は少しやつれている様に見えた。夢の中の憂は唯の記憶の中の憂でしかなかった。
「あれ……憂、私どうして自分の部屋で寝てるの?」
「覚えてないんだね……昨日の事」
「昨日の事?」
唯は寝ぼけている頭で昨日のことを思い出し始めた。
548 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 11:12:58.73 ID:0rANlgxdO
「確か昨日は別荘で曲を完成させてから……」
曲を完成させてから憂に会う事を決めた唯は祝杯の後に帰り支度を始めた。
既に暗くなっていたが今日中に実家につけると踏んで別荘を後にする。
それから終電ぎりぎりで地元の駅へ到着して徒歩で家まで向かって、
家の前まで来た唯は後方から来た車に轢かれて意識を失った。
「そうだ……私多分車に轢かれた」
「うん。それでお姉ちゃんが家の前に倒れてたのを私が見つけて部屋まで運んだの」
「そうだったんだ。ありがとう憂」
「いいんだよ。それより身体痛くない?」
「そういえば痛いかも。……特に足が」
「お姉ちゃんの両足ね……骨折してるの」
「……え」
両足の骨折が一番大きな怪我だった。後は打撲や擦り傷等。
唯が両足を動かそうとするが痛みが先行して動かせなかった。
「無理しちゃ駄目だよお姉ちゃん」
549 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 11:16:56.66 ID:0rANlgxdO
「私看護師やっててよかったよ」
唯の怪我の手当ては全て憂によるものだった。
「そっか、憂が手当てしてくれたんだね。でも病院とか行った方がいいよね」
「そうだね。でも暫くは安静にしてたほうがいいよ。痛み止めとか包帯もうちにあるし」
「わかった」
憂に従う事にした唯は痛み止めを飲んでからもう一眠りする。
昼過ぎに再び目を覚ますと憂の作ってくれたご飯を口にした。
その味を昔と比べようとしたが昔の味を思い出す事が出来なかった。
食事をとった後は憂とひたすら会話していた。
憂は唯の話が聞きたいと言って唯に色々な話をせがんだ。
唯は自分がデビューしてからの事を中心に話を進める。
「そうだ、私お姉ちゃんのCD全部買ってるんだよ」
「ほんと? ちょっと照れるや」
「私お姉ちゃんの大ファンなんだから。私はお姉ちゃんのナンバー1のファンだよ」
憂には最後の心の支えがあった。
唯の曲。
それを聞き続ける事で心の傷も癒えたのかもしれない。
唯は憂の心の支えになれていた事が嬉しかった。
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 11:21:03.12 ID:ahHqmy/Q0
あああタイトルうう
551 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 11:21:47.59 ID:0rANlgxdO
「そうだ、憂に新曲を聞いてもらおうかな」
「本当!?」
「うん。本当は自分で演奏したいんだけどまだちょっとね。だから録音したCDを聞いてもらおうかなって」
唯の言葉で憂の表情がみるみる綻んでいく。
「まだ完成したわけじゃないけど一応私の轢き語りみたいな感じになってるから」
「聞く! 聞きたい!」
「私の鞄の中にCDと歌詞が入ってるから」
「うん、それじゃ早速聞いてくるね!」
「あっ聞き終わったら感想聞かせてね」
「は〜い!」
憂は喜んで部屋を出て行った。
それを見送ってから唯は三度眠りについた。
552 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 11:27:12.53 ID:0rANlgxdO
唯が目を覚ますと部屋も窓の外も暗くなっていた。
時間を確認しようを首を傾けて唯はぎょっとした。
「う、憂?」
「……」
そこには憂が何も言わずに佇んでいた。
唯はとりあえず何か喋る事にした。
「あ、えっと、曲どうだった?」
「うん、良かったと思うよ。ただ……」
「ただ……何?」
「……やっぱりなんでもない」
「言ってよ。別に怒ったりしないし参考にしたいからさ」
「……なんだか今までの曲と違ってた」
「うん、今回のコンセプトはね――」
新しい挑戦だという事を話した。
が、どうやら憂は今までの曲の方が好みらしい。
553 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 11:31:28.22 ID:0rANlgxdO
「これが成功したらもっともっと新しい事にチャレンジしようと思ってるんだ」
「でも……悲しい曲ばっかりだよ」
「それは今回のコンセプトだからね」
「……駄目だよ。以前の様な素敵な曲が聞きたい」
唯は面食らった。
憂は元々相手を否定するような意見をこんなにはっきり言う人じゃなかったから。
唯は憂に解ってもらいたくて説明を続けようとした。
「でもね――」
「あんなのじゃ駄目だよっ!!」
突然憂が怒鳴り出した。
「今までのお姉ちゃんの曲は明るくて楽しくて幸せでそれを聞いてる私も幸せだった!」
「なのに今度の曲は暗い曲ばっか! 詩の中の登場人物がかわいそうだよ!」
「私はあんなの認めない! あんなのじゃ私は幸せになれない!」
憂のヒステリックな声が唯を攻め立て続ける。
怒鳴りながらベッドの脇に置いてあった時計を掴んで壁に叩きつけた。
唯にとって憂のこのような怒り方は初めて目にするもので、
驚きと恐怖で声が出せずコンセプトの説明どころではなくなった。
554 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 11:36:52.06 ID:0rANlgxdO
暫く怒鳴り散らしていた憂は突然我に返ったかのように大人しくなった。
「あ……ご、ごめんお姉ちゃん。つい熱くなっちゃって……」
「……私今日はもう寝るね。お休みお姉ちゃん」
「あ、うん」
唯は返事をするのがやっとだった。
憂が部屋を出て行ってから落ち着いて考えを巡らす。
やはり憂は心を病んでしまったのだろうかと。
考えても答えは出ないし正直忘れてしまいたい事だったので唯はさっさと寝ることにした。
翌朝、目が覚めた唯は時間を確認しようとベッドの脇を見やるが時計が見つからない。
そこで昨日の事を思い出し少し憂鬱になったが気を取り直して憂の事を呼んだ。
憂が来るまで部屋を見回してみたが時計の残骸はきれいさっぱりなくなっていた。
コンコン。
ドアのノックと共に憂が部屋に入ってきた。
「おはようお姉ちゃん。昨日はゴメンね。朝ごはん出来てるから後で持って来るね」
「うん、ありがとう」
いつもの憂がそこにいた。
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 11:37:58.37 ID:O+4Fqjod0
なんか怖いぞ
556 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 11:43:02.20 ID:0rANlgxdO
暫く怒鳴り散らしていた憂は突然我に返ったかのように大人しくなった。
「あ……ご、ごめんお姉ちゃん。つい熱くなっちゃって……」
「……私今日はもう寝るね。お休みお姉ちゃん」
「あ、うん」
唯は返事をするのがやっとだった。
憂が部屋を出て行ってから落ち着いて考えを巡らす。
やはり憂は心を病んでしまったのだろうかと。
考えても答えは出ないし正直忘れてしまいたい事だったので唯はさっさと寝ることにした。
翌朝、目が覚めた唯は時間を確認しようとベッドの脇を見やるが時計が見つからない。
そこで昨日の事を思い出し少し憂鬱になったが気を取り直して憂の事を呼んだ。
憂が来るまで部屋を見回してみたが時計の残骸はきれいさっぱりなくなっていた。
コンコン。
ドアのノックと共に憂が部屋に入ってきた。
「おはようお姉ちゃん。昨日はゴメンね。朝ごはん出来てるから後で持って来るね」
「うん、ありがとう」
いつもの憂がそこにいた。
557 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 11:47:39.74 ID:0rANlgxdO
暫くして憂が持ってきてくれたご飯を食べて、薬も飲む。
「それじゃあ安静にしててね。後で病院に行こっか」
「わかった」
「何かあったら呼んでね」
「はーい」
唯は少し安心した。
憂は元々優しい子だから大丈夫なんだと自分に言い聞かせて。
どうしたら憂の心の傷が癒えるかを考えていると急に睡魔に襲われてしまい唯はまた眠りに付いた。
次に目が覚めた時、唯は自分の部屋にいなかった。
558 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 12:03:07.29 ID:0rANlgxdO
だが部屋に見覚えはある。
ついこの前まで缶詰になっていた山奥の別荘だ。
その別荘の二階の部屋で唯がいつも使っているベッドで寝ていた。
「な……なんで?」
答えが見つかる前に憂が部屋に入ってきた。
「あ、目が覚めたんだ」
「……憂?」
「朝ごはん持って来るね」
そう言って部屋から出て行った。
「……また朝ごはん?」
唯が最後に食べた食事から一日が経っていた。
窓から差し込む朝日と遡ったように見える部屋の時計を見て唯にも理解出来た。
だがおかしい。
いくらなんでも丸々一日寝るはずがない。
だとすると……。
そこまで考えたところで憂が再びやってきた。
559 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 12:15:02.39 ID:UtMZwig+P
唯は憂が持ってきた朝食に恐る恐る手をつける。
そうしていると憂がぽつぽつと語り出した。
唯がいなくなってからの話。
勤め先の病院で主人と出会った話。
その主人に新たな生きがいを見出した話。
「あの人がいなくなって気が狂うかと思った」
「そんな時、偶然お姉ちゃんのCDを見かけて……それからずっと聞いてた」
「お姉ちゃんの曲が私の新しい生きがいになったの。なのに」
憂の態度が豹変する。
「あんな曲を作るなんて!」
「やっぱりお姉ちゃんは私の事を捨てるんだね」
「そ、そんなことしないよ」
「これからは今までと違うからね。ここに来てる事は誰にも教えてない。私に何かあったらお姉ちゃんも死ぬんだからね」
唯は視界がぐらつくような感覚に襲われた。
両足の自由を奪われた唯が山奥につれて来れれる。当然今の唯では脱出する事は出来ない。
監禁同然だった。
560 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 12:19:22.09 ID:UtMZwig+P
唯の朝食を片付けてから憂は車に乗ってどこかへ出掛けようとしていた。
唯はその様子を部屋の窓から眺める。
憂の車は以前から平沢家で使われている物だった。
だが、車は前面のバンパーがへこんでいた。
それを見た唯は強く思う。
ここにいたら殺される。
逃げるなら今しかない。
唯は何とか部屋から出ようと考えて、一人ではベッドから降りることも困難な事に気付く。
足が動かない事がこんなにも不便だなんて。
その原因を作った憂に怒りの矛先が向く。
が、今は逃げることが優先される。
まず腕を使って上半身をベッドから下ろし始めた。
上半身とお尻が床に着く。次は折れている足だ。
ギプスでもついていれば多少はましだったかもしれない。
唯はゆっくりと左足を持ち上げるが体勢が悪く腕に力が入らない。
両腕で左足を床にゆっくり下ろしたところで右足がベッドから落ちてしまった。
「あ゛ああああーっ!」
右足に激痛が走る。
両目を閉じて必死に痛みが去るのを待った。
「あ……はあ……はあ……」
額には脂汗がびっしりと浮かんでいる。
それでも憂が戻ってくる前にここから逃げるためには動くしかない。
足を引きずってやっとの思いで辿り着いた部屋のドアには、鍵が掛かっていた。
561 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 12:25:35.51 ID:UtMZwig+P
唯は結局逃げることが出来ず、かといってベッドに登る事も出来ず、床で眠りについた。
次に目が覚めたのは憂に起こされた時だった。
「お姉ちゃん大丈夫? ベッドから落ちちゃったんだね」
「う、憂……」
「今戻してあげるね。痛いけど我慢してね。せーの!」
「うっ……ぐ……!」
痛みを伴いながらベッドに戻された。
「痛み止め持って来るから大人しくしててね」
憂は部屋を後にする。
逃げる事の出来ない唯は憂に従うしかなかった。
562 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 12:32:10.39 ID:1uVI1htj0
タイトルからして嫌な予感がしたがやはり・・・
563 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 12:32:36.42 ID:UtMZwig+P
唯は扉の開く音で目を覚ました。
憂はバーベキュー用のグリルを部屋に持ち込んでくる。
「何それ? 部屋でバーベキューでもするの?」
「そうだね。ほら」
憂がグリルの蓋を開ける。
網の上にはCDと紙が置かれていた。
「私やっぱりこのアルバムは駄目だと思うの。これがお姉ちゃんの考えた物語だなんて間違ってる」
「だからね、お姉ちゃんには作り直してもらおうと思うんだ」
「それにはまずお姉ちゃん自身の手でこの駄作を無かった事にして欲しいの」
苦労して作った曲を燃やしてなかった事にするなんてありえない。
唯は憂の言葉を無視し続けた。
「これはお姉ちゃんがけじめをつけないと駄目なんだよ。お姉ちゃんはマッチに火をつけるの」
そう言って唯にマッチを渡した。
564 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 12:37:46.19 ID:UtMZwig+P
唯はそれを手に取ることなくそっぽを向いている。
「今度は幸せな物語が見たいな」
憂が話しかけながらCDと楽譜と歌詞ノートに油をかけ始める。
「お姉ちゃんがこれを燃やさなきゃ駄目なの。わかるよね」
憂は唯の掛け布団にも油をかけ始めた。
「や、やめて……」
慌てて静止するが憂はマッチを顎で指すだけだ。
仕方なく唯がマッチに手を伸ばす。
躊躇していたが憂が再び布団に油をかけようとしたところでマッチに火をつけた。
グリルに投げ入れられえた瞬間、唯の新しい挑戦と努力の結晶があっけなく燃えかすに変わり果てる。
プラスチックの燃える嫌な臭いが充満する。
パチパチと紙の燃える音と唯のすすり泣く声、それを励ます憂の声が静かに響いていた。
565 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:05:30.37 ID:UtMZwig+P
後日、憂は唯に車椅子とギターとノートパソコンをプレゼントした。
唯に一から曲を作らせるつもりらしい。
憂は唯を車椅子に乗せた。
「ありがとう」
唯は一応礼を言った。
憂は車椅子を押して机の前に移動させる。
机の上にはノートパソコンが置かれていた。
「お姉ちゃんて作詞するときはいつもパソコンを使ってるんでしょ?」
「よく知ってるね」
「雑誌のインタビューに書いてあったよ。私お姉ちゃんのことなら何でも知ってるんだから」
にこやかに話す憂。
「ギー太は車に轢かれた時に壊れちゃったから……これで我慢してね」
そう言ってギターを唯に手渡した。
566 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:07:52.28 ID:UtMZwig+P
唯はそのギターを見つめる。
どこのメーカーかはわからないがレスポールタイプで色もギー太に似ている。
似てはいるがおそらくいいギターではないだろう。性能や音は言わずもがな。
唯は試しに演奏してみた。
「あ……この弦」
「え?」
「私がいつも使ってるのと違うや。これだと私が出したい音色が出ないよ」
「せっかくお姉ちゃんのために買ってきたのに……」
「それなのに文句ばっかり言わないでよ!!」
憂はギターに付属していたミニアンプを唯の足に落とした。
「……っあああ!」
痛みに悶える唯を尻目に憂は弦を買いに出掛けた。
567 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:11:01.13 ID:UtMZwig+P
次の日から唯の曲作りが始まった。
車椅子に乗って机のノートパソコンに向き合って歌詞を考える。
こういう作業は自身の気分が作品の質や作業の進行に大きく影響する。
唯にとって今の状態は最悪としか言いようがなかった。
こんな状況で明るく楽しい曲を作れというのだからなおさら気が進まない。
カタカタカタ。
何かを少し打ち込んではすぐにバックスペースを押して白紙に戻す。
カタ。
f┃
カタカタカタ。
fuck┃
カタカタカタカタ。
fuckfuck┃
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ。
fuckfuckfuckfuckfuckfuckfuckfuckfuckfuckfuckfuckfuckfuckfuckfuck┃
カタ。
┃
568 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:13:30.97 ID:UtMZwig+P
それでも少しずつ曲が出来始める。
憂からたまにダメ出しされることもあったが、唯は適当に手直しして憂の機嫌をとった。
唯にとってここまでやる気の起こらない作曲活動は初めてだ。
だが作らなければ何をされるかわからないので仕方なくやっている。
憂が喜ぶ曲でも唯にとってみればどうでもいい適当な曲でしかない。
それをたらたらと書き綴っている。
そんなある日、憂は車に乗って数日に一度の買出しに出掛けた。
ブロロロロ……
車の音が遠くなったところで唯は部屋のドアの前まで車椅子を進めた。
そこで髪の毛を留めているヘアピンをひとつ外して折り曲げる。
それを鍵穴に差し込んでかちゃかちゃと動かした。
かちゃかちゃかちゃ……がちゃり。
「うっし!」
唯にとってダメ元でやってみるだけの選択肢だったがうまくいった。
唯はドアを開けて一階へと通じる階段まで向かう。
ここからは車椅子を降りなければ先に進めない。
唯は車椅子を降りてゆっくりと階段を降り始めた。
569 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:15:19.97 ID:UtMZwig+P
「はあ、はあ」
汗を滲ませながらなんとか階段を降りる。
それから唯は玄関と反対方向へ這いずりだした。
周りは山と林に囲まれていて公道までは一本道。
この状態では車椅子があったとしても公道へ行く前に憂と鉢合わせしてしまう。
かといって山に入ってもこの足では満足に動けない。
ここでの通信手段は携帯電話を使用していたが自分のはおろか憂のすらどこにも無い。
唯は別の方法で打開しようとキッチンへ向かった。
憂がここで料理をするようになってキッチンに道具が増えた。
唯は包丁を手にとって思案する。
憂にこんな事をするなんて。でもこのままでは自分が殺されてしまう。
「ごめんね」
唯は何かに謝ってから包丁を持って自室へ戻り始めた。
階段を上り始めたとき、
ブロロロロ……
聞き慣れた車の音が唯の耳に届いた。
570 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:21:19.97 ID:UtMZwig+P
瞬間、唯の鼓動が跳ね上がる。
腕を使って一段ずつお尻を持ち上げていく。
「痛っ! ……っく、はあ、はあ」
急ぐあまり足を階段にぶつけてしまう。
それでもこの状況がばれるよりマシと判断して鬼気迫る表情で階段を上った。
何とか階段を上りきり車椅子に座る。
車のエンジン音はもうしない。
憂が玄関を開けるまでに自室に戻らなければ。
唯は必死に車椅子を漕いだ。
ガチャ。
憂が玄関を開けるより僅かに早く唯が自室のドアを閉めた。
「はあー、はあー」
唯は汗だくで、おまけに腕を酷使したせいで力が入らなかった。
かちゃ がちゃり かちゃ がちゃり
憂は帰ってからすぐに唯の部屋に顔を出した。
571 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:24:28.97 ID:UtMZwig+P
「ただいまお姉ちゃん。……どうしたの?」
「あ……」
唯は全身から汗を垂れ流している。
汗の言い訳を用意していなかった唯の顔は蒼白だ。
「大丈夫お姉ちゃん?」
「はあ……はあ……」
唯は何も答えられない。
「お姉ちゃん」
「……っ!」
「もしかして痛み止めが切れちゃったの?」
「そ、そう! 憂、早く薬持ってきて」
「待ってて、すぐに持ってくるから」
憂は薬を取りに行った。
唯はその間に急いで包丁をベッドとマットの間に隠した。
572 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:26:30.29 ID:UtMZwig+P
「それじゃあまた後でねお姉ちゃん」
「うん」
憂が部屋を出て行く。
唯は包丁をいつでも出せる位置に移動させる。
次に憂が来た時に行動するつもりだ。
「……」
唯は頭の中でその時のシミュレーションと憂への懺悔を繰り返していた。
そうして時間は過ぎる。
「――んぁ」
「……えっ!?」
唯が気が付いた時目の前に憂がいた。
いつの間にか唯は眠ってしまっていたのだ。
憂は唯を押さえつけて注射を刺した。
それからすぐ唯は放心状態になり、自分が何をしているのかもわからなくなってしまう。
その後唯は眠ってしまった。
573 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:29:27.33 ID:UtMZwig+P
唯が起きたのは翌日の日が昇ってからだった。
「……」
ぼんやりと天井を眺める。
「……あっ」
ようやく正気に戻ると傍には憂がいた。
憂は何も喋らない。
唯は身体を動かそうとして、それが出来ない事に気が付いた。
ロープでベッドと一緒に縛られている。
異様な雰囲気を感じ取った唯は急いで包丁の隠してある辺りに手を伸ばす。
だが全身をベッドにくくりつけられている所為でベッドの隙間に手が届かない。
必死にもがいていると憂が喋り始めた。
「……探してるのは、これ?」
そう言って包丁を唯に見せ付ける憂。
唯の顔が引きつった。
「お姉ちゃん、この包丁で何しようとしてたの?」
574 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:30:49.52 ID:UtMZwig+P
唯は答えない。
「私がいない間に勝手に部屋から出て……元気いいね」
「でもそれじゃ困るよ」
憂は話しながら何かの準備をし始めた。
「ご、ごめん憂! もうこんなことしないから許して……!」
「お姉ちゃんの足治ってきたのかな。だからこんないけないこと考えちゃうんだよね」
「悪かったから、もうしないから。ごめんなさい……!」
唯の言葉は憂には届いていない。
「い゛っ……!」
憂が唯の足を開かせた。
その動作には怪我人に対する配慮がまるでない。
それからふくらはぎの間に長方形の木箱を置く。
唯の足はロープと木箱の所為で固定されてしまった。
575 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:33:03.94 ID:0rANlgxdO
「な、何してるの……?」
ふくらはぎに置かれた木箱が何をするためのものなのかわからない。
それでも唯の恐怖はどんどん膨らんでいく。
「もうこんなことはしないでね?」
「うん、もうしない! だから……」
「よい……しょ!」
唯の左側に回りこんだ憂は床から巨大な槌を持ち上げた。
柄の部分は1メートル近くあり、錆びて輝きを失った頭部がやたら重そうに見える。
「……え」
唯には何がなんだかわからない。
そんな事お構いなしに憂は槌を振りかぶった。
「せーのっ」
「や、やめてやめて嫌いやごめんなさ――あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!」
槌は野球のスイングのように振られ唯の左足のくるぶしより少し上にヒットする。
足は木箱とロープで固定されていたため、すねの辺りの骨が綺麗に折れた。
唯は自分の左足が折れる瞬間を目の当たりにした。
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 13:34:58.66 ID:O+4Fqjod0
痛いいいぃぃいいいぃ
577 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:35:02.03 ID:0rANlgxdO
「あ……ぐ……っは!」
唯が痛みでもがくが縛られていて上手く動けない。
「……」
憂は躊躇なく唯の右側に回りこむ。
それを確認した唯が本気で哀願する。
「や゛めてっ! お願い、ごめんなさい! 許してえ!」
「んっしょ……!」
先程と同じ要領で右足を折ろうと憂が振りかぶる。
唯はおもいきり目をつぶった。
578 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:39:55.81 ID:0rANlgxdO
カタ。
カタカタ。
カタカタカタカタ。
アルバム製作も終盤戦。
後2曲で完成というところだ。
唯がいつもの様に曲を作っていると憂が部屋のドアを開けた。
「買い物に行って来るね!」
「いってらっしゃい」
憂はご機嫌な様子で、唯はいたって普通に言葉を交わす。
唯が窓の外を見やると憂が丁度車に乗り込むところだった。
お互いに目が合う。
憂は唯に向かって笑顔を向けながら手を振る。
唯は無表情で右手の中指を突き出した。
憂は機嫌よさげに「まったくもう」といいながら車に乗り込み出掛けていった。
579 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:43:49.34 ID:0rANlgxdO
いよいよアルバムも完成間近になり、唯は憂に最後から二番目の曲を聞かせていた。
「……すっごくよかったよお姉ちゃん!」
「そう?」
「そうだよ〜主人公の女の子が頑張ってる感じが素敵!」
「それはどうも」
「……でも」
不穏な空気。
「お姉ちゃんの足が治ったらまたどこかに行っちゃって私の好きな歌を作ってくれなくなっちゃう」
「そんなことないよ。私はずっと憂の傍にいるよ」
「……嘘はだめだよお姉ちゃん」
「本当だよ」
唯の嘘は憂には通じなかった。
それどころか、
「もう、お姉ちゃんを殺して私も死んじゃおうかな……」
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 13:47:55.73 ID:rhx6wKms0
ミザリーこえー
実妹だから余計救われないな
581 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:53:46.19 ID:0rANlgxdO
「……え?」
憂が突然包丁を懐から取り出した。
「そうしよう……お姉ちゃんはもうどこにも行かない」
憂が唯に近付く。
「ま、待ってよ憂! まだアルバムは完成してないんだよ!」
「……」
「じゃ、じゃあせめてアルバムが完成するまで待って! 憂だって最後の曲が気になるでしょ?」
憂が立ち止まった。
「お願い憂、私に最後までやらせて。それからでも遅くないよ」
憂は暫く考えた後、
「そうだね。私もお姉ちゃんの最後の曲聞きたい」
そう言って部屋から出て行った。
582 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 13:56:48.65 ID:0rANlgxdO
それから一週間後。
「出来たよ、憂」
「本当!? やったねお姉ちゃん! じゃあ早速……」
「ふふ、慌てるのはまだ早いよ。ねえ憂。憂は私のナンバー1のファンなんだよね?」
「うん、そうだよ」
和やかに会話が進む。
「それじゃあ、私がいつも曲を作り終わった時に何をするか知ってる?」
「……あ!」
憂がはっとして答える。
「一袋のポテトチップスと一本の凍らせたチューペット!」
「正解。今回のアルバムは憂と作ったからね。一緒に祝杯をあげようよ」
憂が感嘆の声をあげる。
「うわぁ〜! いいのっ!?」
「もっちろん!」
583 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 14:01:43.53 ID:UtMZwig+P
祝杯はいつもリビングでとり行う。
だから唯もリビングまで連れて行ってもらった。
ギー太モドキも一緒だ。
「それじゃあポテトチップスとチューペット持って来るね!」
「よろしく」
楽しそうにキッチンへ向かう憂は先程からとても浮かれている。
「おまたせ〜!」
憂は一袋のポテトチップスと一本の凍らせたチューペットを持ってきた。
「わーいチューペットだ。でもチューペットはもう一本いるかなあ」
「えっ」
「これは一人で一本を食べるから、憂の分もなくっちゃね!」
そう言って憂にウインクした。
「わ、わかった! すぐに持ってくるね!」
憂が大急ぎでチューペットを取りに行っている間に唯はポテトチップスの袋をわざとテーブルの下に落とした。
584 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 14:04:12.28 ID:UtMZwig+P
「今度こそおまたせ!」
「憂〜ごめんポテトチップス下に落としちゃった」
「今拾ってあげるね」
憂が四つんばいになってテーブルの下のポテトチップスに手を伸ばす。
唯は静かにテーブルのチューペットに手を伸ばす。
チューペット、ポッキンアイス、棒ジュース等様々な呼ばれ方をするこのアイス。
憂が頭をテーブルの下から出した瞬間、それをヌンチャクのように振り下ろした。
「ぐっ……!?」
憂の後頭部にクリーンヒット。
唯はうずくまる憂にすかさずギー太モドキを叩きつける。
「お……おね……ちゃ……」
憂は倒れて動かなくなった。
「はっ……はあ、はあ……やった」
唯はこの一瞬を狙っていた。
憂は気持ちの高揚と低下が激しい。
憂にとって高揚しそうな場面でなら油断するかもしれないと読んでの行動だった。
唯はここから出る準備を始めようと考え始める。
585 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 14:08:08.64 ID:UtMZwig+P
その時突然車椅子が倒された。
「あぐっ……!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛お゛ね゛え゛ち゛ゃんんんんんんん!!」
憂が唯にのしかかる。
同時に骨折している部分を手で叩いた。
「ああああっ!」
唯に激痛が走る。
それでも必死になってギー太モドキに手を伸ばす。
「う゛う゛う゛う゛う゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
憂は錯乱して唯の首を締め出した。
「ん……ぐ……!」
伸ばした手がギー太モドキに届く。
唯は再び憂をギー太モドキで殴りつけた。何度も何度も。
憂が動く事はもうなかった。
586 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 14:12:15.97 ID:UtMZwig+P
あの事件から一年後。
唯は社会復帰する事が出来た。
一度は燃やす羽目になったアルバムも作り直して無事に発売された。
「やっほー和ちゃん!」
「唯、久しぶり」
小さなバーで待ち合わせをしていた二人は早速昔話に花を咲かせる。
「それにしても……大変だったわね」
「うん、生きてるのが奇蹟みたいだよ」
「今こうして無事でいてくれて嬉しいわ」
「えへへ。昔さわちゃんが貸してくれたCDの曲みたいな体験だったよ」
「ふうん、じゃあその体験を曲にしたら売れるかもね」
「やめとくよ」
「そうよね」
587 :
Ch.085 misery:2010/07/25(日) 14:15:24.68 ID:UtMZwig+P
「そういえば今日はもう一人呼んでるの」
「えっ誰々?」
「久しぶりに会えるって言うから……あ、来たわよ」
唯が振り向くとそこには懐かしい友人がいた。
「澪ちゃん!」
「久しぶりだな」
「会いたかったよ〜」
「私もだ。半分はファンとしてだけどね」
「そうなの!?」
「ああ、CDやグッズは全部そろえてるし唯が出てる雑誌もチェック済みだ」
「す、すごいね……」
「なんて言っても私は唯のナンバー1のファンだからな」
END
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 14:17:33.33 ID:kMNstkdE0
四円
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 14:19:03.07 ID:O+4Fqjod0
なんか怖くて鬱った
590 :
Ch.086 唯「のどか……ちゃん……」:2010/07/25(日) 14:19:52.14 ID:0rANlgxdO
591 :
Ch.087 :2010/07/25(日) 14:23:06.30 ID:0rANlgxdO
律「はぁー今日もティータイムだっぜ」
梓「律先輩! 先に練習しましょう」
律「そう言うなって。ほれケーキうまいぞ〜」
梓「あ、う」
律「あーん」
梓「……あむ。おいしい……」
律「だよなー!」
澪「梓もケーキに釣られるなよ……」
梓(しまった……澪先輩が呆れてる)
梓(もう……りっちゃんてば……)
律「何だよー?」
梓「なんでもないでふ!」
END
592 :
Ch.087 梓(りっちゃん):2010/07/25(日) 14:26:58.98 ID:0rANlgxdO
律「はぁー今日もティータイムだっぜ」
梓「律先輩! 先に練習しましょう」
律「そう言うなって。ほれケーキうまいぞ〜」
梓「あ、う」
律「あーん」
梓「……あむ。おいしい……」
律「だよなー!」
澪「梓もケーキに釣られるなよ……」
梓(しまった……澪先輩が呆れてる)
梓(もう……りっちゃんてば……)
律「何だよー?」
梓「なんでもないでふ!」
END
593 :
Ch.088 ここにキスを落として?:2010/07/25(日) 14:30:21.42 ID:0rANlgxdO
唯「ちょっと寄り道していかない?」
梓「いいですけどどこに行くんですか?」
唯「そうだなー……こっち!」
梓「脇道に入っただけじゃないですか。この先って確か行き止まりじゃあ……」
唯「いいんだよここで」
梓「唯先輩?」
唯「ねえあずにゃん」
梓「なんでしょうか」
唯「今日の部活の時間にムギちゃんが言ってた事覚えてる?」
梓「ムギ先輩が言ってた事……えっ」
唯「ほら早く」
梓「……キスする場所によって色々な意味があるっていう話の事ですか」
唯「正解」
594 :
Ch.088 ここにキスを落として?:2010/07/25(日) 14:33:13.19 ID:UtMZwig+P
梓「どうして今その話をするんですか」
唯「わからないの?」
梓「それは……」
唯「あの話聞いてたらちゅーしたくなっちゃった」
梓「だからってこんな所で……」
唯「ねえ、いいでしょ?」
梓「うう……」
唯「誰も来ないから平気だよ」
梓「……」
唯「……あずにゃん、手のひら出して」
梓「えっ」
唯「ほーら」
梓「は、はい」
唯「……ちゅ」
梓「ひゃっ!」
595 :
Ch.088 ここにキスを落として?:2010/07/25(日) 14:36:07.81 ID:UtMZwig+P
あずにゃんの手のひらにちゅーしちゃった。
あったかくてぷにぷにしてる。
梓「あ、ちょっと、唯先輩……くすぐったい」
唯「……ふう。手のひらにするちゅーの意味、覚えてる?」
梓「えっと……懇願?」
唯「そうだよ」
梓「あぅ……わかりましたよ。でもちょっとだけですから」
唯「ありがとー」
私はあずにゃんの指関節にキスをした。
これは感謝の気持ちを表してる。
あずにゃんは私の唇をボーっと眺めてた。
唯「んふふ……次はどこにしよっかな」
唯「あずにゃんはどこにして欲しい? それとも私にしてくれる?」
梓「ええっ! そんなこと言われても……」
唯「特にないなら私にして欲しいんだけど」
梓「……わ、わかりました」
596 :
Ch.088 ここにキスを落として?:2010/07/25(日) 14:39:22.31 ID:UtMZwig+P
唯「それじゃあ足にしてもらおうかな」
梓「足……え、足っ!?」
動揺してる動揺してる。
梓「足にする意味って……その、服従じゃないですか!」
唯「そうだよ」
梓「そ、そうだよって」
唯「あずにゃんは誰のもの?」
梓「それは……」
唯「ね? だから足にして?」
梓「こんな所で足なんて……」
唯「あ、そ」
私はあずにゃんのYシャツの袖をまくって二の腕にキスをした。
夏服だから出来るところだね。
梓「そ、そんなところに……」
597 :
Ch.088 ここにキスを落として?:2010/07/25(日) 14:42:25.65 ID:UtMZwig+P
二の腕にキスしながらあずにゃんを抱きしめた。
梓「あっ……」
それから……お尻揉んじゃえ。
梓「いっ! ちょっと……本気ですか」
くふふふ。
もう一押しかな。
唇をあずにゃんの首筋に這わせた。
梓「んっ」
唯「……あずにゃんがしないなら私がしたいようにするよ」
梓「だめですよこんな所で」
唯「あ、やっぱり意味わかってた?」
梓「腕と首へのキスは……欲望って」
唯「せいかーい。というわけで最後までやっちゃおうかな」
梓「だめっ。か、かわりに私がキスしますから許してください」
やったね。
598 :
Ch.088 ここにキスを落として?:2010/07/25(日) 14:44:48.55 ID:UtMZwig+P
唯「それじゃあ……」
私は壁に手をついて右足のローファーと靴下を脱いだ。
……あ。タイツ越しにキスしてもらうのも面白そうだな。
秋が来たらやってもらおう。
梓「うぐ……」
あずにゃん耳まで真っ赤だ。
かわいいなあ襲っちゃうぞ。
唯「ほらーは、や、く。今日は体育なかったから多分大丈夫だよ」
梓「いや、そういう問題じゃなくて……うう」
あずにゃんが渋々しゃがみこんだ。
戸惑いつつも私の足を手に持って、それから足の甲に口づけした。
梓「んっ」
唯「おほ」
あずにゃんを見下ろす形になるんだけど、これはまさに服従って感じがするね。
地面に両膝をついて両手で足を持って、健気にキスを繰り返す。
うあっ。
今身体がぶるっとした。
599 :
Ch.088 ここにキスを落として?:2010/07/25(日) 14:49:42.19 ID:0rANlgxdO
いいよあずにゃん。
もっとしてよ。
唯「ペロペロって舐めてくれると嬉しいな」
梓「……」
あずにゃんは何も言わないけど、私の足にぬるっとした感触が生まれた。
唯「いい子だね」
梓「……ちゅっ」
唯「……ありがとう。もういいよ」
あずにゃんが顔を上げる。
顔はさっきから真っ赤だけどそれに加えて泣き出しそうだった。
あちゃあ……調子に乗りすぎた。
唯「えっと、ごめん」
梓「……あ、あんまりいじめないで下さいよぅ」
おお……胸がキュンってなる。
私は涙声で訴えるあずにゃんを抱きしめた。
唯「ごめんね。あずにゃんが可愛くってついいじめちゃった」
600 :
Ch.088 ここにキスを落として?:2010/07/25(日) 14:52:25.80 ID:0rANlgxdO
梓「もう……」
一度あずにゃんから身体を離す。
あずにゃんの鼻に軽く唇で触れた。
梓「……あ」
意味的にはごめんなさいなんだけど。
流石に今はまずかったかな……?
梓「……バカ。ん」
唯「んむっ」
大丈夫だったみたい。
世界共通のキスで返してくれた。
601 :
Ch.088 ここにキスを落として?:2010/07/25(日) 14:56:12.50 ID:0rANlgxdO
唯「そういえば胸にするキスってどんな意味があると思う?」
梓「意味も何も一つしかないでしょう」
唯「そっか。ねえあずにゃん、私の家に寄って行かない? 胸にキスがしたいなーなんて」
梓「もう唯先輩に付き合うのはやめようかな」
唯「ああ〜んそんなこと言わないでさぁ……」
唯「ん?」
梓「どうしました?」
唯「さっきから誰かに見られてるような気がするんだよね」
梓「や、やめてくださいよ……あんなの見られてたら……っ!」
唯「あははは、あずにゃん真っ赤。かーわいー」
梓「一人で帰ります。失礼します」
唯「ああん! 待ってあずにゃーん!」
END
602 :
Ch.089 軽音!:2010/07/25(日) 14:59:02.39 ID:0rANlgxdO
律「はぁーあ」
唯「どしたのりっちゃん」
律「今度立花さん達とカラオケ行く事になったんだけどさー」
律「そうすると私の歌いたい歌が歌えないわけですよ」
唯「苦痛なカラオケだね」
律「例えば90年代のバンドの曲を歌ってごらんよ」
律「そらあもうどんびきですよ」
唯「仕方ないよ。時代だよ」
澪「それに私達でカラオケに行った時は歌いたい放題なんだから一回くらいいいだろ」
律「よくねー。逆に何歌えばいいんだよ」
澪「それは……私最近の曲ってよくわからないし……」
律「今から練習とかやだよまったく」
紬「あの頃が懐かしい……」
603 :
Ch.089 軽音!:2010/07/25(日) 15:00:25.83 ID:0rANlgxdO
律「だよなぁ。シングル2毎同時に出したーとかそんな事で喜んでいたさ」
唯「3枚同時だーとかね」
澪「どうでもいバンドの情報も何故かキャッチしちゃったり」
紬「友達にほぼ無理やり好きなバンドの曲聞かせたり」
律「なんでだよ! 当時はミリオン規模の人気だったじゃないか!」
澪「それをローテクの靴が流行りだしたらエアが入ってる靴がダサイみたいに鞍替えしちゃって」
紬「私達がニッチなだけかも……」
唯「虹色に輝く素敵な瞬間だったのにね……」
ガチャ
梓「みなさん!!」
澪「梓?」
梓「時代だとか流行だとかよく解りませんけど要はカッコ良ければそれでいいんじゃないでしょうか!!」
唯澪律紬「その通り!!」
END
604 :
Ch.090 梓がいない軽音部:2010/07/25(日) 15:04:46.56 ID:UtMZwig+P
唯「りっちゃん苺ちょうだい」
律「やらん。澪から貰いなさい」
澪「だ、だめだ!」
紬「じゃあ私のあげるね。はいあーん」
唯「ありがとう! あーん」
律「澪にもあーんしてやろうか?」
澪「しなくていい」
梓「……」
梓(同級生同士仲いいなあ……)
梓(もしかして私って……)
605 :
Ch.090 梓がいない軽音部:2010/07/25(日) 15:10:41.33 ID:UtMZwig+P
さわ子「あら? 梓ちゃん何してるの?」
梓「あっいえ、別に……」
さわ子「……」
ガチャ
唯「あ、さわちゃん先生!」
さわ子「みんなー梓ちゃんが寂しがってたわよ」
梓「ちょっ!?」
唯「なんだって!」
律「そいつはいけねえなあ!」
紬「梓ちゃん一緒にケーキ食べよう?」
澪「梓、こっちおいで」
梓「う……」
梓「そ、そんなことよりみなさん練習しましょう!」
END
606 :
Ch.091 澪「鼻毛を読む」:2010/07/25(日) 15:13:38.73 ID:UtMZwig+P
澪「律は私のこと好き?」
律「もっもちろん! 世界で一番好きだ!」
澪「じゃあ私の鼻毛食べれる?」
律「なっ!? ……た、た、食べれますとも!」
澪「ふうん。じゃあここに三本あるから食べてよ。それで三本とも消化されることなくうんちから出てきたら……何でも言う事聞いてあげるよ」
律「」
律「あ……あ……? あ、ああ。あーーーー!」
律「ほ、本当だな? やってやるぞ。私は必ず三本とも消化させない。そっちこそしっかり探してくれよな」
澪「安心しろ。私は鼻毛を数えるのが得意なんだ」
END
607 :
Ch.092 IF もしも 2「尾行するなら幼馴染コンビか先輩後輩コンビか」:2010/07/25(日) 15:20:48.08 ID:UtMZwig+P
唯「澪ちゃんりっちゃんバイバーイ」
律「じゃなー」
澪「また明日」
梓「失礼します」
「ゲッヘッヘ。桜校でもレベルの高い部類の軽音部……さあてどっちを尾行しようかねえ」
「やはり幼馴染コンビか……はたまた先輩後輩コンビか……」
「どちらも捨てがたいでござる……ゲッヘッヘ」
「おうふ、早くしないと見失うでござる」
「ゲッヘッヘ」
A 尾行するなら幼馴染コンビ……
>>426 Ch.069 69 へ
B 尾行するなら先輩後輩コンビ……
>>593 Ch.88 ここにキスを落として? へ
END
608 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 15:23:31.70 ID:UtMZwig+P
?「死んだ」
?「俺が先にいっちゃったか……ごめんなばあさん」
?「まあ大往生だったからいいか」
?「さて、次の俺の人生はどんなんだろうねえ」
?「オギャー」
609 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 15:27:34.67 ID:UtMZwig+P
十余年後
澪「うう……緊張するなあ」
律「なんで入学式で緊張するんだよ」
澪「だって……まわりは知らない人ばっかりなんだよ」
律「適当に話しかければ良いじゃん」
澪「それが出来ないから緊張してるんだ」
律「大丈夫だって。適当にパンツ見せとけばみんな話しかけてくるよ」
澪「んなわけないだろ!」
ゴチン
律「ぐへぁ……!?」
ドサッ
澪「えっ、律? 嘘……しっかりしてよ律ぅ!」
律「あいててて……あれ? 俺は……」
澪「よかった! ……ゴメンな」
律「え……か、母さん!?」
610 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 15:28:37.41 ID:UtMZwig+P
澪「はあっ!?」
律「か、かあさーん!」
ガバッ
澪「きゃあ! ちょっと律何言って……」
律「まさか母さんの若い頃に会えるなんて!」
澪「……いい加減にしろ!」
ゴチン
律「ぎゃああああ!」
澪「まったく……先に行く」
律「いてええええ痛すぎる……あ、待ってよ母さん!」
611 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 15:29:35.56 ID:UtMZwig+P
律「おかしい……母さんはもっと優しかったはずなのに」
澪「……本気で怒るぞ?」
律「あれで本気じゃなかったのか……ごめんかあさ、じゃない……み、澪」
澪「何故そこで照れる」
律「だって名前で呼ぶのは流石に……」
澪「まだ続けるのか?」
律「ごめんなさい」
律(まさか母さんの親友が来世だったとは……)
律(しかし母さん可愛すぎるな……まあ子供を生んだ後でもかわいいままだったけど)
律(そういえば初恋は母さんだったようなそうでないような)
612 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 15:30:52.04 ID:UtMZwig+P
一週間後
律「澪ー部活決めた?」
澪「文芸部に入ろうと思って」
律「……あれ? 軽音部じゃないの?」
澪「いや、文芸部に」
律(どういうことだ? 昔から軽音部の思い出は良く聞いていたのに……)
律(もしかして俺……いや、私の記憶がある所為で何かまずい事しちゃったのか?)
律(ま、……まずいぞ。母さんは軽音部が大好きだったはずだ。下手したら母さんの親友が減っちゃう)
律「け、軽音部に入ろう? ね?」
澪「だから文芸部に入るって。ほら、もう入部届け出したし」
律(ま、まずい……どうしようどうしよう)
律「う……うああああああ!」ビリビリ
澪「何すんだよ律ー!!」
律(律さんすいません……)
613 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 15:43:09.30 ID:7ulvK4kfO
最後までがんばー
支援
614 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 15:43:28.61 ID:0rANlgxdO
律「何とか軽音部に入れることに成功したぞ」
律「でもこの先上手くやっていけるんだろうか」
唯「どしたのりっちゃん?」
律「いやなんでもない」
紬「お茶が入りましたよ」
律「サンキュー」
律(二人とも母さんから聞いたことある。優しい人達だな)
澪「……律?」
律「うわあっ! か、顔近いよ母さん!」
唯「母さん?」
律「いや、澪!」
澪「またそれか……」
615 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 15:48:00.27 ID:0rANlgxdO
律(そういえば母さんって人見知りが激しかったんだな)
律(ちょっと引っ込み思案だし……手を引っ張ってあげたくなる感じだ)
律(律さんも同じこと考えてたのかも)
律(いや違うか……私の場合母さんだからほっとけないんだし母さんの記憶どおりにしなきゃっていう思いがあるからな)
澪「ねえ律」
律「んぇあ?」
澪「最近何かあった?」
律「へあっ!?」
律(中身が違う事がばれたのか!?)
澪「何かあるならいつでも相談にのるから」
律「あ……うん。ありがと」
律(母さん……やっぱり優しい)
律(とにかく私が母さんを引っ張っていかなきゃ!)
616 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 15:53:05.90 ID:0rANlgxdO
律(いつも母さんの事を気にかけて早二年)
律(母さんの思い出はこれでいいのだろうか)
澪「律、おはよ」
律「あ、ああ」
澪「……」
律(そして重大な問題が増えてしまった)
律(私は母さんの事が……)
律(いつもそばにいたし、優しいし、元々初恋の人だったし……)
律(でもダメだ! 今は女だし、母さんの思い出を壊してしまう)
澪「律、今日部活終わったら家にこない?」
律「へ、あ、あー……」
澪「いいだろ?」
律「あ、うん……」
617 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 15:56:27.94 ID:0rANlgxdO
澪の家
澪「どうぞ」
律「おじゃまします」
律「……」
澪「……」
律「あ、ええと……めずらしく部屋が綺麗だな!」
澪「なあ律」
律「は、はい」
澪「迷惑かもしれないけど」
律「えっ!?」
律(な、なんだ……!? まさか告――)
澪「律さ、悩んでる事あるよね」
律「……あ、ああそっちか」
澪「そっち? ていうかやっぱり悩んでたんだ」
618 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 16:03:56.75 ID:0rANlgxdO
律(しまった……)
澪「話してくれないかな」
律「……」
澪「もうずっと前からそんな感じだろ?」
澪「話してくれるのを待ってたけど全然話してくれないし」
澪「おせっかいかもしれないけど……たまには私も律の役に立ちたい」
律「澪……」
澪「だ、だめかな……?」
律「う……」
律(やっぱり律は母さんにとってとても大切な人なんだ)
律(それを私が壊すなんてできない。それにもしそんなことしたら澪の子供、つまり私が生まれてこなくなる)
律「ありがと、でももう大丈夫」
619 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 16:08:47.76 ID:0rANlgxdO
澪「……そう」
律(うあ、悲しそうな顔させちゃった。でも本当のこと言えないし……)
澪「じゃあもうひとつ」
律「え?」
澪「律さ……わ、私のこと」
律(えっ!? 今度こそ来るのか――)
澪「き……いや、なんでもない」
律「あ……うん」
620 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 16:20:20.81 ID:0rANlgxdO
律(あれ以来母さんとまともに喋ってないな)
律(なんか避けられてるし)
律(あああどうしよう。母さんの思い出が……)
律(私じゃ律さんの代わりにはなれなかったのか)
律(……あれ、待てよ)
律(確か母さんが父さんと出会ったきっかけって律さんが関係してなかったっけ)
律(このままじゃやばい)
律(でも母さんと話してると自分の気持ちが抑えられなくなる)
律(ぐああああ……私が我慢すればいいんだ私が)
621 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 16:26:16.38 ID:0rANlgxdO
律「はあ……せっかくの夏フェスもこの気分じゃなあ……」
唯「あれ、りっちゃん、澪ちゃんは?」
律「澪なら唯達と一緒にいたんじゃないの?」
唯「私はりっちゃんといると思ってたんだけど……」
律「ちょっと電話してみる」
律「つながらねぇ……」
唯「澪ちゃん大丈夫かなあ」
紬「そういえば夏フェスって薬でナンパで女になりましたなんだよね」
梓「なんですかその偏った知識は……」
唯「あれ、りっちゃんがいない」
622 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 16:35:46.96 ID:0rANlgxdO
律「澪ー! どこだー?」
律(まずい……最悪の事態だけは避けなければ)
律(くそー! 私がついていながら何やってんだよ)
律(本当の律さんならこんなことにはならなかったはずなのに!)
律「澪ー!」
澪「あ、律」
ズシャア
澪「うわっ!」
律「……いたい」
澪「何もないところで転ぶなよ」
律「足痛い」
澪「まったく。テントまで歩ける?」
律「うん……」
623 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 16:36:58.64 ID:A3MkePiZ0
支援
624 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 16:40:05.97 ID:0rANlgxdO
律「……」
澪「……」
律(ぐぅ……どうしよう母さんと気まずい)
律(と、とにかく原因は私にあるんだからここは謝るしか……)
律「澪」
澪「何?」
律「その……ごめんなさい!」
澪「……何が?」
律「いや、その、悩みが言えなかったり態度がおかしかったり律さんみたいにうまくできなかったり母さんの思い出を壊しちゃったり……」
澪「ぷっ、何言ってるのかわかんないよ」
律「お、怒ってない?」
澪「怒ってないよ。それより律の様子がおかしい事の方が心配」
律「……やっぱりおかしいよな」
625 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 16:53:09.14 ID:0rANlgxdO
澪「何が?」
律「私だよ。高校に入ってからおかしいと思わないか?」
澪「ああ……まあ確かに」
律「やっぱり……私じゃ律さんになれないよ……ごめんなさい」
澪「意味わからないよ」
律「澪ごめん……私の所為で澪の大切な思い出が台無しになっちゃった」
澪「え?」
律「本当は今回の夏フェスだってもっと楽しいはずなんだ。でも私の所為で……」
澪「何だかわからないけど私は楽しいよ。みんなや律と来てるのに楽しくないわけないよ」
律「澪……でも最近あれだったしそもそも私は律さんじゃないし」
澪「だから意味がわからないってば」
澪「律は律だろ?」
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 16:55:20.28 ID:mD3ZUSco0
わーい、まだ続いてたー
ワンフェス帰りで支援
627 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 16:57:04.08 ID:0rANlgxdO
律「私は……」
澪「律だろ」
律「……うん」
律(確かに今の私は律でしかない。母さんの子供だったのは前世なわけだし……今の私とは関係ない)
律(そうだよ関係ない。私は私なんだ。どうせ律さんと同じ事は出来ないし今も母さんを傷つけてる)
律(このままでもだめになるだけ。私が母さんに思いを打ち明けてもだめ)
律(だめって言うか私が生まれない)
律(ん、待てよ。私が生まれたらこの世界に私が二人いることになる)
律(でも私の意識はここにしかない。と言うことは生まれてくる私は私だけど私じゃないってことだ)
律(そもそも私が告白しても上手くいくとは限らないじゃん)
律(これは私の人生なんだし、どうせ行き詰るなら……)
律「ねえ澪」
628 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 17:05:45.15 ID:0rANlgxdO
律「もし私が澪の人生や思い出を壊しているとしたらどうする?」
澪「はあ? それは私が律に会ってなかったらとかそういう事か?」
律「まあそんな感じ」
澪「うーん……イラッとするな」
律「ですよね……」
澪「でも、私にとってはこれが楽しいし、律といるのが楽しいんだよ」
澪「……他にも私に言いたい事があるんじゃないのか?」
律「えっ……」
澪「律は考えすぎだよ。律は律だし自分の思ったことをすればいいと思う」
律「……母さん」
澪「好きなのか?」
律「へ!?」
澪「その『母さん』ってやつ」
律「あーいや……」
629 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 17:11:15.34 ID:0rANlgxdO
律「ああー……」
澪「?」
律「もうどうにもならない!!」
澪「うわっ!」
律「か……澪!」
澪「は、はい」
律「すきっだ!」
律(ぐあー言ってしまった母さん律さん父さんごめんなさい)
律(生まれて来れない私もごめんなさい)
澪「あ……えっと……ん?」
律「いえ、だからね……」
澪「私も……す、好きだよ」
律「うそっ!?」
澪「もちろん。……親友だろ?」
630 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 17:22:43.86 ID:0rANlgxdO
律(あれから何年経ったっけ)
律(私と澪は今も親友のままだ)
律(そして今日は澪の結婚式)
律(澪は私の心配をよそにすくすく育ってくれたよ)
律(私は私で自分の人生をエンジョイしてるしね)
律(てか前世の記憶なんて殆ど忘れしまった)
律(覚えてるのは澪が私の母さんだったってことだけ)
律(記憶と一緒に好きの気持ちも忘れちゃったぜ)
律(あの告白が未遂で終わってて良かった)
律(今日は澪を祝福してやらないとな)
律(でも何故かあの父さんであろう人がむかつく)
律(お祝いのスピーチで一発かましてやろうか……なんちゃって)
律(その前に……)
律「澪。結婚おめでとう!」
END
631 :
Ch.093 来世が過去だったら:2010/07/25(日) 17:26:15.90 ID:0rANlgxdO
紬「ねえねえ唯ちゃん梓ちゃん。私ゆいあずのマーク考えたんだけど」
唯「マーク?」
紬「そう。×でいいかなーとも思ったんだけどちょっと露骨な感じだったから」
梓「はあ」
紬「それでは発表します!」
唯「おおっ!」
紬「ゆい( ´∀`)σ)Д`)あず」
梓「……」
紬「どう? どう?」
律「あっはっはー。唯と梓の関係を表してて良いんじゃない?」
澪「……そうか?」
632 :
Ch.094 ×の代わり:2010/07/25(日) 17:35:20.56 ID:0rANlgxdO
律「んじゃりつみおにも何かつけてよ!」
紬「一応考えたんだけど……」
律「どれどれ」
紬「りつ(´ε(○=(゚Д゚ )みお」
梓「あー確かに関係を表してますね。んふっ」
律「いやだーこんなの認めない!」
澪「私もこれはちょっと……」
紬「じゃあみおりつバージョンはどうかな?」
律「あるの!?」
紬「みお( ゚ ‐゚)⊃)`д)りつ」
律「だめじゃーん!」
澪「あ、これいい……」
律「いいのかよ!?」
唯「かわいいじゃーん」
END
いよいよ百か…
胸が熱くなるな
でも最後の話ってゲームだとバグがあr
634 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 17:37:34.68 ID:1uVI1htj0
ここまで黙々と投下し続けていくのは素直に凄いと思う。
どういう精神状態で書き上げているのか
636 :
Ch.095 安全ピン:2010/07/25(日) 17:43:55.95 ID:0rANlgxdO
澪ちゃんとりっちゃんが監禁されました。
同じ部屋に入れられていますが扉の鍵は開いています。
これは監禁といえるのでしょうか。
えっと、りっちゃんは縄で縛られて壁にくくりつけられています。
澪ちゃんは後ろ手に縛られていて、足が自由な代わりに両乳首に安全ピンを留められていてそこから二メートル程の鉄線で壁に繋ぎとめられています。
澪「うぐ……」
律「澪……大丈夫か?」
澪「大丈夫……」
澪「おい律、歩けるか?」
律「縛られてなければな」
澪「よし、ここから出るぞ」
律「どうやって」
637 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 17:46:57.52 ID:b/Mrdzm60
もう3日も書き続けてるww
タフだなぁw
638 :
Ch.095 安全ピン:2010/07/25(日) 17:53:13.60 ID:0rANlgxdO
澪「私が律を助ける」
律「……澪?」
澪「ふー、ふー」
律「な、何するつもりだよ」
澪「う、うう……!」
澪ちゃんは覚悟を決めると後ろ向きに走り出しました。
律「澪っ!?」
そして鉄線が伸びきりそうになった時思いっきり後方へジャンプします。
澪「がっ!?」
両乳首は安全ピンによって引き裂かれてしまいました。
枷がなくなった澪ちゃんは背中を床に打ち付けました。
639 :
Ch.095 安全ピン:2010/07/25(日) 18:00:08.39 ID:0rANlgxdO
澪「うっ……げほっ!」
律「澪!!」
澪「……へ、へいき……うっ」
澪「うああ……痛い!」
律「澪! 大丈夫か!?」
澪「ぎ、あ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーー!!」
澪「あぐぅ……う、ぎゃああ……ひぎぃ!」
律「み……お」
澪「あ……はあ……はあ……今助けるから……いぐっ」
律「無茶しすぎだ……」
澪「こうしないとどうにもならないだろ」
こうして二人は無事脱出する事ができました。
よかった。
END
640 :
Ch.096 松茸になめこが生える話:2010/07/25(日) 18:08:08.84 ID:0rANlgxdO
律「澪好きだ!」
澪「駄目だよ……本当の私を知ったらきっと嫌いになる」
律「な……なんだよそれ! 納得いかない!」
澪「わかった……見せるよ」
シュルシュル
律「な、何脱いでるんだ……?」
律「あ、わ、わかったぞ! どうせ女なのに松茸が生えてるとかそんなことだろ!?」
律「その程度で嫌いになるわけないだろ!」
澪「これを見てもそんな事が言えるのか?」
ポロン
律「!?」
641 :
Ch.096 松茸になめこが生える話:2010/07/25(日) 18:16:45.52 ID:0rANlgxdO
律「な……なんだ……澪のところから松茸が生えている……そこまではわかる」
律「でもその松茸の茎の部分から枝分かれして生えてるなめこのようなものはなんだあー!?」
澪「これも私の一部だよ……。はは、気持ち悪いだろ?」
律「……いや、気持ち悪くない」
澪「いいよ、自分で気持ち悪いと思ってるし」
律「だから気持ち悪くないって言ってるだろ」
澪「そんなわけないだろ! こんな枝分かれしてる松茸なんて男でもいないよ!」
律「……むしろ好都合だっての」
澪「は?」
642 :
Ch.096 松茸になめこが生える話:2010/07/25(日) 18:25:42.94 ID:0rANlgxdO
律「私の鍾乳洞の中身は普通のそれとは違う」
澪「え?」
律「澪のように直接見られるわけじゃないから黙ってようかと思ったけど」
律「私の鍾乳洞は澪のように枝別れしているんだ! それも2本もな!」
澪「なっ!?」
律「どうだ? ここまで聞いたら私達がベストカッポーだってことくらいわかるだろ?」
澪「あ……あ……」
律「こいよ、澪。なめこだろうがしいたけだろうが私が包み込んでやるよ」
澪「りつっ!」
643 :
Ch.096 松茸になめこが生える話:2010/07/25(日) 18:38:48.76 ID:0rANlgxdO
律「ああ……いいぞ、そのまま」
澪「う……あ……」
スポッ
澪「うあっすごい一体感だ! かつてこれほどまでに私を包んでくれる存在があっただろうか!」
律「へへ、だから言ったろ?」
澪「ああ……私と律はベストカッポーだ……」
律「……それに」
澪「え? ……あひぃ!?」
グルン
律「このように後ろからの体勢でも私には2本の枝分かれした道があるから問題ない!」
澪「ひゃ、ひゃああ……しゅごいよりちゅぅぅ……」
?「ちょっと待って!!」
644 :
Ch.096 松茸になめこが生える話:2010/07/25(日) 18:48:30.12 ID:0rANlgxdO
律澪「!!?」
紬「……」
律「ムギ!」
紬「私だって……りっちゃんの事が好きなの!」
律「……さっきの話聞いてたんだろ? ならわかるよな」
紬「聞いてた。だからこそ私はりっちゃんにふさわしいと思った。これを見て」
ポロン
澪「なっ!」
律「これは……ムギの松茸の茎から左右になめこが生えている!!」
紬「そう……私もなめこが生えているの。それも2本もね」
645 :
Ch.096 松茸になめこが生える話:2010/07/25(日) 18:57:18.61 ID:0rANlgxdO
律「……ゴクリ」
澪「……律?」
紬「りっちゃんは生まれてこのかた完璧に満たしてもらったことはないでしょう?」
律「……」
紬「私ならそれが出来る」
律「あ……あ……」
澪「りつ!?」
紬「りっちゃんだってわかってるでしょ? それが私以外には出来ないってことを」
律「う……」
紬「……」
グイ
律「あっ、ムギ待って」
紬「待たない」
澪「いやああああ!」
646 :
Ch.096 松茸になめこが生える話:2010/07/25(日) 19:06:32.61 ID:0rANlgxdO
律「がっ?!」
紬「はぎゅ!?」
律「な……なんて圧迫感……そして充実感……!」
紬「すごい……よし!」
グルン
律「あひっ、後ろから!?」
紬「私だって出来る! どう?」
律「は、あ、し、幸せだよう……」
澪「そんなっ」
紬「私も……満たされている……」
澪「うう……りつぅ……」
?「澪ちゃん……」
?「澪先輩……」
647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 19:10:39.56 ID:1uVI1htj0
カオスになってきた。
648 :
Ch.096 松茸になめこが生える話:2010/07/25(日) 19:14:33.65 ID:0rANlgxdO
澪「唯! 梓!?」
唯「私を問答無用でふったのにはそんな理由があったんだね」
澪「いやっ見ないで!」
梓「大丈夫ですよ。私はそれでも澪先輩が好きです」
澪「え……?」
唯「それ……見せて」
澪「お、おい、二人ともやめ……」
唯「私は松茸を食べるからあずにゃんはなめこをお願い」
梓「わかりました」
澪「な、なにを……」
唯梓「「せーのっ、あむ」」
澪「かはっ……! こ、これしゅごいぃ……でも、でもぉ」
唯「今この瞬間が幸せなら。むぐ」
梓「それでいいんじゃないでしょうか。ちゅぽ」
END
649 :
Ch.097 MIOON CHILD:2010/07/25(日) 19:19:47.22 ID:0rANlgxdO
最初に澪と出会ったのは幼少の頃のよく晴れた夏の日。
廃工場で友達とかくれんぼをしていた私は日陰に身を隠している澪を見つけた。
「お姉ちゃん何してるの?」
澪は虚ろな目で私を見返した。
その瞳の透き通った青色は南国の海を連想させる。
私はそれに釘付けにされた。
「……何も」
その言葉でようやく我に返った私は澪を質問攻めにした。
この時点で澪に惹かれていたんだと思う。
とても綺麗な澪の事が気になってしょうがなかったんだ。
澪はめんどくさそうにしていたけれど質問には答えてくれた。
私はそれが嬉しくてどんどん澪に話しかける。澪はめんどくさそうに返事をする。
それがとても楽しい事のように思えて。
この日から私は毎日廃工場へ通い始めた。
その甲斐あってか私と澪はひと月で仲良くなれた。
最初はぶっきらぼうだった澪も普通に会話してくれるようになった。
私の中で澪は既に友達になってた。澪もそう思ってくれていたはず。
せっかく友達になったのだから澪と遊びに行きたい。
そう思って澪を誘うんだけどいつも断られちゃったんだよな。
何回も断わられるからある時理由を聞いてみることにした。
「昼間はちょっと無理なんだ。そうだな……律がもう少し大きくなったら夜に遊ぼう」
この時は理由を教えてくれなかったけど、後々解らされた。
650 :
Ch.097 MIOON CHILD:2010/07/25(日) 19:32:31.73 ID:0rANlgxdO
澪と出会ってから数年後。
漸く一緒に出かける事が出来た。
澪は誰かと出掛けるなんて何年振りだかわからないと言って喜んでいて。
今は私以外の友達は居ないとも言っていた。
何とかしてあげたいと思って私と同じ高校へ行かないかと誘う。
澪は首を振った。
学校は朝からなんだから澪が行けるはずないか。
「ありがとう律。でも私は今のままでも楽しいぞ」
そうは言うけど友達はたくさん居たほうが楽しいに決まっている。
いつか何とかしてあげたいと思った。
高校に入ってからもずっとその事を考えていた。
高校に行けないのなら私の友達を紹介するのはどうだろう。
私の所属している軽音部の二人なら仲良くなれるんじゃないかな。
さっそくその二人に会わせたい人がいると言ったら快くOKを貰えた。
後は澪に言うだけだ。
それで澪の友達が増えると思っていたのに澪はあっさり断った。
「な、なんでだよ!」
「いや、私は……律だって解ってるだろ」
「でも……」
「ごめんな、せっかく私のためにしてくれたのに」
「でも……もう連れて来ちゃった!」
651 :
Ch.097 MIOON CHILD:2010/07/25(日) 19:43:21.68 ID:0rANlgxdO
「は?」
澪の綺麗な顔が崩れる。
結局澪は私の強引な手によって友達を増やす事になった。
澪は私と同い年という事にしておいた。
ちょっと発育が良すぎるけど疑われなかった。
私は澪に友達を作ってやったという達成感でいっぱいだった。
澪も喜んでくれているはずだった。
けれど澪の顔は浮かない。
「嫌だった?」
「あ、いや……嬉しいよ。でも……」
でも。
その先の言葉を聞いて自分の浅はかさに気付いた。
あの二人と澪は後何年友達でいられるのか。
結果は十年以下だった。
澪は容姿の変わらない自分に対して疑問を持たれる前に親交を絶つと決めていたから。
私達が大学を卒業する時に澪は自分から別れを告げて、それ以来あの二人に会う事はなくなった。
社会人になっても二人と親交のある私は辛かった。
澪はもっと辛いのかもしれない。
それ以来私は澪に友達を紹介しなくなった。
今でも高校時代の友人の話が出る事があるけどその度に私は謝ってしまう。
そうすると澪は、
「律が居るから大丈夫だよ」
って言ってくれた。
652 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 19:44:06.02 ID:ahHqmy/Q0
653 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 19:47:54.00 ID:DE/qf2TvO BE:2329503168-2BP(1001)
先に言っておく
ごめん
654 :
Ch.097 MIOON CHILD:2010/07/25(日) 19:49:15.90 ID:0rANlgxdO
じゃあ私が居なくなったら澪はどうなるの?
また一人になってしまうの?
そう聞くと澪は毎回「大丈夫だよ」と言う。
何が大丈夫なんだろう。
「だから大丈夫だって」
話す気はないらしい。
「それより律は運転に集中すること」
私がお金を貯めて買ったオープンカーの助手席から澪が小言を言う。
買ってから重大な失敗に気付いたが時既に遅し。
この頃は週末になると夜のドライブへと繰り出していた。
目的地は毎回バラバラだけど、海へ行く事が多かった。
澪は海が好きだから。
「海といえば海から見る朝焼けはすっごく綺麗だぞ」
「私だって見たことあるよ。だいぶ昔だけど。」
「えっそうなの!?」
「今じゃ見れないけどな。昔の話だよ」
「そっか」
655 :
Ch.097 MIOON CHILD:2010/07/25(日) 19:54:22.96 ID:0rANlgxdO
「でもまた見たいな。朝焼け」
「おいおい」
「冗談だよ。こうして夜ドライブしてるだけで私は楽しいし」
車で色々な事を話す。
澪が昔の話をすることもあれば私の今の生活が話題になる事もある。
「そういえば前に話したよな? この前銀行に行ったらってやつ」
「ああ、律が一目惚れした話だろ」
「いや、まあ、そうだけど」
澪に相談に乗ってもらう事もある。
656 :
Ch.097 MIOON CHILD:2010/07/25(日) 20:03:36.55 ID:0rANlgxdO
澪に相談すると大抵の事は上手くいく気がする。
昔から澪は頼りになった。今の仕事も澪に相談して決めたし。
だから今回も上手くいく気がする。
「上手くいくも何もゴールしただろ」
「いやいや、ここから第二の人生がスタートするんだよ」
「そっか。律、おめでとう」
そう言ってくれた澪の表情はお母さんが披露宴で見せたような表情だった。
「ははは、私の妹みたいななりのくせに」
「うらやましいか? 若いだろ」
「実際はおばさんってレベルじゃないけどな」
「うるさい」
私達の関係は変わらないし、澪も変わらない。
変わるのは私だけ。
「なあ澪、これからもよろしくな」
「うん」
657 :
Ch.097 MIOON CHILD:2010/07/25(日) 20:09:40.16 ID:0rANlgxdO
澪がいつまでも出会った頃のままだから私と出歩いてると親子にしか見えない。
ちょっと前までは私の娘が大きくなったらこんな風に出掛けたいなんて言っていたのに気が付いたら私の娘の方が澪より年上に見えるようになった。
娘を澪に会わせたのは二回だけ。小さい時に一回、高校生の時に一回。
なんだか娘が二人いるみたいだ。
でも澪からしたら私なんてまだまだひよっこなのかもしれない。
私と澪の見た目はまだ年の離れた親子だよね。まだおばあちゃんじゃないよな。
なんて思っていたら娘が結婚して実の孫が出来た。
「律もおばあちゃんなんだな」
「そうみたい」
「もう少しでひいお婆ちゃんかもな」
何十年も先の事を「もう少し」って言えてしまう。それが澪。
でも実際にひいお婆ちゃんになってみると「もう少し」という表現は正しかったと思えた。
そのくらい時間の流れが速く感じた。
私が若い頃乗っていたオープンカーはうん十年前澪にあげた。
今では澪が運転席で私が助手席。
オープンカーだけど私を乗せてくれる時は毎回幌を着けてくれている。
オープンカーの意味がないかもしれないが老体には色々ときついので助かる。
相変わらず海を見に行く事が多いが温泉旅行にも行ったりした。
祖母孝行に見られようが何だろうが私と澪にとっては親友との思い出旅行だ。
大きい旅行はその温泉が最後だった。
658 :
Ch.097 MIOON CHILD:2010/07/25(日) 20:19:55.98 ID:0rANlgxdO
もう少し。
私の寿命は澪にとってどれだけの時間だったのだろう。
私にとっての全ては澪にとっての「少し」だったのだろうか。
「どう?」
「どうって……少しじゃないよ。律と過ごした時間は私の全てだよ」
「そうかい」
全ては言いすぎだろう。
澪には私と出会う前の気の遠くなるような時間があるだろうに。
そういえば澪は私が居なくなったら……。
昔そんな事を聞いたことがあった。
でも答えは得られなかった。
「澪」
「なんだ、律」
「私がいなくなったら、澪はどうするの?」
「……」
「今更隠さなくてもいいてば」
「……多分私もいなくなる、かな」
659 :
Ch.097 MIOON CHILD:2010/07/25(日) 20:24:23.56 ID:0rANlgxdO
やはりそうか。
なんとなくだけど解っていた。
「こんなこと言ったら律に怒られそうな気がしてさ」
「今更怒らないよ」
「そっか。ところでさ、この前律のひ孫に会ったんだけど」
「へえ」
「律に似てて人懐っこかった」
「そりゃ良かった。てことは話したの?」
「うん、割とたくさん話した。来年高校生だってな」
「めずらしい。澪が友達作るなんて」
「うるさいな。あと律に似て綺麗だったよ」
「澪がそれを言ってもなあ」
「いいだろ別に。律は綺麗だって」
「はいはい。でもあの子が二十歳になるまで生きたかったなあ。ねえ澪、あの子の世話してやってよ」
「……律にそんな事言われたら断れないじゃないか」
660 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 20:29:02.74 ID:1uVI1htj0
支援
661 :
Ch.097 MIOON CHILD:2010/07/25(日) 20:33:27.99 ID:0rANlgxdO
「この後は律の車で夜通しドライブしてから朝焼けを見るつもりだったのに」
「……朝焼けを見ながら?」
「その予定だったけど……まあわかったよ。二十歳までな」
「ああ……ありがと……な」
「まったく、律は出会った時から強引なところがあったよな」
「勝手に友達を作らされたりしたし」
「振り回されたなあ……でも楽しかったよ」
「律に会わなかったらと思うと怖いよ」
「ありがとうな」
「……さて、久々にオープンカーをオープンカーにするかー」
「それで新しい友達を乗せてやろう。夜限定のドライブになるけどな」
「じゃあそういうわけだから」
「律……バイバイ」
END
662 :
Ch.098 青色のタイ:2010/07/25(日) 20:41:18.54 ID:0rANlgxdO
梓「お疲れ」
後輩「お疲れ様です。飲み物入れますね」
梓「ありがと」
後輩「それにしてもこの部活変わってますよね」
梓「うーん、そうかもね」
後輩「思ってたよりまったりした部活で」
梓「部員が集まったらもっと本格的にやるから覚悟しておいてね」
後輩「はい」
ガチャ
後輩2「こんにちは〜」
梓「お、来た来た」
梓「お茶あるよ」
後輩2「ありがとうございます!」
663 :
Ch.098 青色のタイ:2010/07/25(日) 20:49:09.11 ID:0rANlgxdO
梓「それ飲み終わったら勧誘手伝ってもらうね」
後輩2「はーい」
梓「えーと、あれはどこにやったかな……」ゴソゴソ
後輩「梓先輩何を探してるんですか?」
梓「あった、勧誘はこれ着てやるよ。好きなの選んでね」
後輩「え……え? これは……」
梓「ウマだよ」
後輩2「このブタ……前に外にいたのってもしかして梓先輩ですか……?」
梓「うん」
後輩2「わ、私は制服のままで……」
後輩「私も……」
梓「ダメダメ、これ着て勧誘しなきゃ」
もうすぐか
665 :
Ch.098 青色のタイ:2010/07/25(日) 20:56:25.68 ID:0rANlgxdO
後輩「来ませんね新入部員」
梓「あと一人なんだけどな……」
後輩2「何か作戦とかないんですか?」
梓「ええっと……行き倒れ作戦、とか」
後輩「行き倒れ……?」
梓「あ、いや、とにかく多くの人にビラを配ろう!」
後輩2「はーい」
666 :
Ch.098 青色のタイ:2010/07/25(日) 21:03:24.05 ID:0rANlgxdO
後輩「やっぱり来ませんね……」
梓「うーん……今日はもう無理かな」
後輩2「最近着ぐるみつけて勧誘してるだけのような……」
梓「言われてみれば……。よし! 今日は練習しよう」
後輩「練習って始めてかも」
梓「えっそうだっけ……そうかも」
後輩2「お茶と勧誘しかしてなかったですもんね」
梓「でもやる時はキッチリやるからね!」
後輩「はい!」
後輩2「はーい」
梓「今年からは厳しく行くんだから!」
END
667 :
Ch.099 毎日がエブリデイ:2010/07/25(日) 21:11:03.01 ID:0rANlgxdO
唯「次の授業なんだっけ?」
和「次は体育。早く着替えちゃいさない」
唯「はーい」
律「澪ー早く校庭行こうぜ」グイグイ
澪「ちょっと待ってまだスカート脱いでない」
紬「ほらほらはやくぅ」グイグイ
澪「ああもう……」
668 :
Ch.099 毎日がエブリデイ:2010/07/25(日) 21:17:07.64 ID:0rANlgxdO
純「……」ボヘー
梓(……何時まで校庭見てるのよ)
純(もうすぐ澪先輩の番だよ)
梓(ちょっと純、前見て!)
純(今澪先輩が飛ぶんだから邪魔しないで)
さわ子「鈴木さーん?」
純「は、はいぃ!」
さわ子「もうちょっと授業に集中しててね」
純「すみません……」
梓(だから言ったのに)
純(ああっ、澪先輩の背面飛び見逃したぁ……)
梓「……」
669 :
Ch.099 毎日がエブリデイ:2010/07/25(日) 21:22:54.74 ID:0rANlgxdO
憂「授業中何見てたの?」
純「澪先輩!」
梓「……校庭で唯先輩たちが体育の授業受けてた」
憂「そっかー」
梓「次私達も体育だよね」
純「えぇー移動教室からの体育とかありえないよ」
唯「うい〜!」
憂「お姉ちゃん〜!」
唯「あずにゃーん!」
梓「ちょっ! 唯先輩砂だらけじゃないですか!」
唯「あ……ごめん抱きついちゃった」
梓「もうっ」
670 :
Ch.099 毎日がエブリデイ:2010/07/25(日) 21:30:06.54 ID:0rANlgxdO
さわ子「ふぅ」
さわ子(あっづい……疲れた)
さわ子(でもでも〜今日は花の〜金曜日〜)
さわ子(ビール、ビール、B・E・E・R・beer!)
「山中先生も出前取ります?」
さわ子「はい、ビー」
さわ子「ビビンバ丼ってありましたっけ?」
671 :
Ch.099 毎日がエブリデイ:2010/07/25(日) 21:34:40.43 ID:0rANlgxdO
澪「あれ、ムギ今日はお弁当じゃないの?」
紬「一度購買で買いたくって」
律「よーし私もついていこう」
紬「でもりっちゃんお弁当でしょ?」
律「甘いなムギ。購買は素人が気軽に買いに行ける所じゃないんだぜ!」
紬「なんと……!」
澪「ここの購買は大丈夫だから」
律「じゃーちょっくらいってくる!」
唯「いってらっしゃーい」
唯「……和ちゃんの今日のお弁当なーに?」
和「チキンライス」
支援
673 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 21:48:17.51 ID:FxtLXKzj0
がんばっテ!!
674 :
Ch.099 毎日がエブリデイ:2010/07/25(日) 21:50:34.89 ID:0rANlgxdO
梓「部活行くね」
憂「うん。また明日」
純「じゃねー」
憂「純ちゃんは?」
純「私も帰る」
憂「一緒に帰ろ〜」
校長「……」
純「あっ校長先生だ」
憂「さようなら」
純「さようなら」
校長「さようなら」
純「……なんか校長先生って緊張しない?」
憂「そうかな?」
675 :
Ch.099 毎日がエブリデイ:2010/07/25(日) 21:56:15.34 ID:0rANlgxdO
律「私も唯に対抗して必殺技を習得したぞ!」
唯「な、なに〜!」
律「見よ! ダブルスティック回し!」クルクル
唯「おおっ!」
律「ドヤ?」
唯「く……こうなったらあずにゃん!」
梓「な、なんですか」
唯「あずにゃんの必殺技を見せるときが来たよ」
梓「私そんなの持ってません」
唯「あずにゃんダンスだよ! おしりふりふりするやつ!」
梓「楽器関係ないじゃないですか」
紬「あごでキーボード弾きマース」
676 :
Ch.099 毎日がエブリデイ:2010/07/25(日) 22:03:51.34 ID:0rANlgxdO
唯「ただいまー」
憂「おかえりー」
唯「憂!」
憂「何?」
唯「憂にも必殺技が必要だよ」
憂「必殺? ナニソレ?」
唯「うーん……とりあえずおしり振ってみて」
憂「ええっ!」
唯「さあさあ!」
憂「……こ、こう?」フリフリ
唯「どうでしょう解説の中野さん?」
梓「見てるほうが恥ずかしいですね」
憂「きゃあああ!」
677 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:03:58.07 ID:1uVI1htj0
100話終わったら何が起きるのか
なんだっけ百物語でバグがあったゲームって
679 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:05:48.36 ID:+goNS7/kP
680 :
Ch.099 毎日がエブリデイ:2010/07/25(日) 22:10:35.14 ID:0rANlgxdO
唯「ごめんね、わざわざ家までCD取りに来させちゃって」
梓「いえ」
憂「そうだ、梓ちゃんご飯食べてく?」
梓「えっでも」
唯「いいねえ! お願いあずにゃん」
梓「……お願いします」
唯「やった!」
憂「早速準備するね」
梓「手伝うよ」
唯「私も!」
憂「それじゃあ………………お姉ちゃんのお部屋のお掃除を……」
唯梓「あ、うん」
682 :
Ch.099 毎日がエブリデイ:2010/07/25(日) 22:17:09.83 ID:0rANlgxdO
憂「もう寝よっか」
唯「そうだね」
憂「じゃあ……」
唯「憂待って。明日お出掛けしない?」
憂「わぁ〜行きたい!」
唯「やった〜楽しみ〜」
憂「私も〜」
唯「それじゃあ憂」
憂「お姉ちゃん」
唯憂「おやすみ」
END
683 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:17:42.66 ID:Al/MrRmT0
ついに最後の話か…!
684 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:18:06.74 ID:ezQwMyxr0
これが終わった後に何かが起きる・・・
685 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:18:43.89 ID:7ulvK4kfO
胸熱
686 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:22:53.88 ID:CeLTozD20
しえん
いよいよか…
688 :
Ch.100 春への憧れ:2010/07/25(日) 22:24:29.84 ID:0rANlgxdO
「はあ……」
窓の外を見ていたら溜息が出ちゃった。
四月上旬春真っ盛り、外は気持ちのいい真っ青な晴れ模様。
おまけに今日は休日でいい事尽くめのはずなのに。
外の天気がいいほど私の気持ちが沈んでくる。
外の明るさを感じたくて部屋の電気は消したままだ。
だけど窓から差し込む光だけではこの部屋は暗い。
「はあ……」
でも机から春を眺めるのをやめない。
だってずっと見ていたくなるいい天気だもん。
wktk
690 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:28:22.88 ID:zu/C9hItO
あと少しか
691 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:29:57.62 ID:rRGYmR7+0
がんばれ
692 :
Ch.100 春への憧れ:2010/07/25(日) 22:31:27.27 ID:0rANlgxdO
私は春が大好きだ。
舞い散る桜と青々とした緑と水色の空。色鮮やかな景色がとっても綺麗。
暖かい日差しと気持ちのいいそよ風。一年で一番過ごしやすい季節。
どれをとっても最高だよ。
だけど私は毎回春を楽しめていない。
去年は高校受験の年だったから四月は不安で仕方がなかった。
今年は高校に入学したのはいいけれど新しい環境に手一杯で春を満喫する余裕がない。
おまけに部活も決めてないし。
ということで今年もダメだった。
気が早いかもしれないけれど毎年の経験からしてもうダメ。
来年の私はどうしているだろう。
今みたいに部屋の中で春に恋焦がれているのかな。
それともあの天気に負けないくらいの何かが私の心を満たしているのかな。
どちらになるかは今から一年間の私次第。
まずは部活を決めなくちゃ。
それから……それから……とにかく頑張ろう。
頑張って来年こそは春を楽しみたい。春を思いっきり感じたい。
私の春への憧れは今年も続く。
END
意外とアッサリだったな
694 :
Ch.101 唯「ひゃくものがたり!!」:2010/07/25(日) 22:34:04.72 ID:0rANlgxdO
律「やっと終わった〜」
唯「ムギちゃんお茶おかわり〜」
梓「最後までいきましたねっ! ……あ。百物語始めてから全然練習してない」
澪「今から……は無理か」
紬「もう暗くなっちゃったし練習は明日からかな」
律「いやー何だか達成感でお腹一杯だわ」
唯「そうかなぁ。私はお腹空いてきたよ」
律「とにかく今日はもう帰ろうか」
梓「そうですね。明日から気持ちを切り替えて頑張りましょう」
695 :
Ch.101 唯「ひゃくものがたり!!」:2010/07/25(日) 22:40:28.17 ID:0rANlgxdO
律「唯もよくネタ尽きなかったな」
唯「憂にもお話を考えてもらったんだ」
梓「えっ」
澪「えっ」
梓(どの話だったんだろう……)
澪「……」ブルブル
紬「あ、あのっ!」
唯「ムギちゃん?」
紬「私用事があるからこの辺で……」
唯「バイト?」
紬「ちょっと……また明日!」
唯「どしたのかな?」
696 :
Ch.101 唯「ひゃくものがたり!!」:2010/07/25(日) 22:45:09.75 ID:0rANlgxdO
紬「……よし、みんな行ったわね」
紬「……」
紬「ゲッヘッヘ」
>>607 Ch.092 IF もしも 2「尾行するなら幼馴染コンビか先輩後輩コンビか」 へ
唯「ふふっふ〜」
梓「とうしたんですか?」
唯「いやぁちょっといい話が聞けたからさ」
梓「そんなのありましたっけ……?」
唯「私にとっては、だけどね」
唯「……あずにゃんにとってもそうだといいな」
梓「何か言いました?」
唯「なんでもなーい。それよりあずにゃん」
唯「ちょっと寄り道していかない?」
697 :
Ch.101 唯「ひゃくものがたり!!」:2010/07/25(日) 22:48:19.21 ID:0rANlgxdO
律「ずっと話ばっかりっていうのも身体が鈍って駄目だな」
澪「うん」
律「あーでも……百話語り終えると隠された百一話目が現れるっていうのなかったっけ?」
澪「も、もういいだろ!」
律「もしくは実際に……」
澪「怒るぞ!」
律「まあ終わっちゃったしもういいか。明日からは練習頑張ろう」
澪「そうだよ」
律「というわけで」
唯「ひゃくものがたり!」
THE END
698 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:48:25.42 ID:DE/qf2TvO BE:2038315076-2BP(1001)
なんと
699 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:49:20.47 ID:kMNstkdE0
ここまでやる根性はすげーな
乙
700 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:51:14.67 ID:rRGYmR7+0
おつ!
よくここまで出来たな…
701 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:52:03.35 ID:A3MkePiZ0
乙
さて読み直すか
703 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:53:58.06 ID:9ki6oPvqO
乙
書きためてあったにしてもすげーな……
704 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:54:11.01 ID:rhx6wKms0
画像もあるしAAもあるし、
かなり楽しめたよ乙
乙
よく描き切ったな、凄いわ
706 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:56:39.69 ID:1uVI1htj0
巨大布団の話とミザリーのオマージュがかなり面白かった。
乙。
707 :
ch.000 唯「ひまじんぶれいかー?」 :2010/07/25(日) 22:57:29.30 ID:DE/qf2TvO BE:679438272-2BP(1001)
和「そうよ」
和「生徒会が忙しくて仕方がなかった時期に、田井中さんを見て思ったの」
唯「ほうほう」
和「ヒマジンなんか死ねばいいって」
和「そしたら身に付いてたのよ」
ごめん
708 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 22:58:11.03 ID:mn9DDXnf0
企画としては大成功だな
またやってくれ
SSアンソロジーみたいなノリでもいいかもな
>>702-703 一人で書いてたわけじゃないようだけども
709 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 23:00:13.62 ID:+goNS7/kP
おもろかった
唯「へー、なんか凄そうだねぇ」
和「ありがとう。で、私の右手に触れると」
唯「はい」
和「ヒマジンだと大変な事になるからやめてって言おうと・・・」
まだ読み終わってないけど乙
712 :
ch.000 唯「ひまじんぶれいかー?」:2010/07/25(日) 23:06:04.35 ID:DE/qf2TvO BE:2378034277-2BP(1001)
唯「ふぇ?なんともないよ?」
和「よかった・・・唯は今勉強も部活も楽しくてしょうがないからかもね」
和「私の右手に触れると、「つまらない」「やることがない」と思ってる人たち。つまりヒマジンが作り出した物は全て壊れてしまうの」
唯「ぉお!さすが和ちゃん!!」
和「それと・・・もしヒマジンが触れてしまうと、精神が破壊されたり、最悪肉体が破壊されちゃって」
律「おぅ何やってんだー!はいたっちかぁ?」
パァーン
唯「りっちゃぁぁぁぁぁん!?」
また何か始まってるのか?
714 :
ch.000 唯「ひまじんぶれいかー?」:2010/07/25(日) 23:13:41.74 ID:DE/qf2TvO BE:2183909459-2BP(1001)
和「えっ」
唯「りっちゃん!りっちゃぁぁぁん!!」ガラ
澪「えっ」
唯「・・・澪ちゃぁぁん」
唯「澪ちゃん・・・りっちゃんが・・・りっちゃんがぁ・・・」
ID違うし1と別人だろ
716 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 23:17:45.39 ID:8z/y0QIPO
乙
澪「・・・りつ?」
澪「おい律・・・何やってんだよ」
澪「そういう悪ふざけ、よくないぞ」
澪「ほら・・・部活始まるぞ・・・」
澪「ねぇ律・・・イヤだよ律・・・」
和「あ・・・」
澪「りつぅぅ!」
唯「りっちゃぁぁぁぁぁん!」
和「私のせいじゃ・・・私のせい・・・」ダッ
澪「・・の・・・は」
唯「みお・・・ちゃん?」
澪「のどか・・・どこに行ったの・・・」
澪「なんで・・・出て行ったの・・・?」
澪「律をこんなにしたの・・・和なの・・・?」
唯「・・・」
澪「・・・っ!!」ダッ
唯「澪ちゃん!!」
紬「唯ちゃんどいてっ!!」
唯「ムギちゃんっ!!」
719 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/25(日) 23:28:00.66 ID:CeLTozD20
乙でした!
紬「私が治してみるわっ!!」
唯「ムギちゃんが?」
紬「えぇ」
紬「私は元々、能力者を止めるためにこの学校に来たの」
紬「本当は唯ちゃんが能力者なんだと思ってたんだけど・・・」
唯「何・・・何言ってるの・・・」
紬「とにかく澪ちゃんを止めて!!」
紬「今の澪ちゃんに、和ちゃんは危険だわ!!」
唯「!!」ダッ
梓「えっ」
憂「今出てきたの・・・お姉ちゃん?」
和「私・・・田井中さんを・・・」
和「私がっ・・・私が?」
和「ううん・・・違うわよ・・・」
和「私のせいじゃない・・・」
和「ヒマジンだったから・・・」
和「そう、だから悪いのよ・・・」
和「私解放してあげたの!!」
和「私のおかげで、田井中 律は!!ヒマジンから!!」
和「解放されたのっ!!」ザッ
澪「和ぁっ!!」
和「・・・澪」
722 :
ch.000 唯「ひまじんぶれいかー?」 ◆1oKmZSIAF. :2010/07/25(日) 23:40:00.75 ID:DE/qf2TvO BE:970626645-2BP(1001)
澪「どうして・・・」
澪「どうしてなんだよぉっ!」
澪「友達っ・・・じゃ・・・なかったのかよぉ!!」ボロボロ
和「澪・・・ごめんね」
和「仲良かったものね、幼なじみで」
和「田井中さんがいない人生なんて」
和「― つまらないわよね?」
唯「澪ちゃんっ!!」
澪「ぁ…………ぅぁ………」
和「あぁ・・・唯。」
梓「澪・・・先輩・・・」
和「あら、梓ちゃん」
梓「そんな・・・澪先輩・・・」
和「そう・・・あなた澪ちゃんの事尊敬してるんだっけ・・・」
唯「っ!!やめて和ちゃ・・」
和「ごめんね梓ちゃん」
和「軽音部・・・もう二度と演奏できないの」ガシッ
梓「ぁ………ぃゃ………」
和「そんなのつまらないわよね?」
梓「唯せんぱぁい!!」
唯「あずにゃんっ!!」
ズギュゥゥゥゥン
和「ふふ・・・」
唯「どうしてだ・・・」
唯「どうしてなんだよぉぉぉぉ!!」
和「!!」
和「っ!!・・・電気?」
唯「ぁぁぁぁぁああ!!」
ドッゴォォォォン!!
和「これは・・・金属製のピック・・・それに電気・・・」
和「なるほど、"超電磁砲"ってわけね・・・」
和「でも残念、私のヒマジンブレイカーはヒマジンの作り出したものなら全て無効化してくれるの」
唯「ぁぁぁぁぁああ!!」パリパリ
和「それでも向かってくるのね・・・なら」
和「その幻想をぶち殺す」
バチッ
和「!!」
憂「・・・」
和「貴様っ・・・」
和「何故だっ!!」
憂「私はお姉ちゃんのシスターだよ?」
憂「お姉ちゃんに出来て私に出来ない事なんてないんだからっ」
和「そんな事はどうでもいいっ!!何故お前の電気が私に届く!!」
唯「ういどいてっ!!そいつ殺せないっ!!」
憂「ダメだよお姉ちゃん、このまま戦ってもお姉ちゃんじゃ勝てないよ」
憂「だから一旦退がるの。お姉ちゃんさえいれば私は」パリッ
唯「はぁぁぁぁぁ!!」
憂「お姉ちゃんっ!?」
和「へぇ、電気を体に流して・・・肉弾戦ってわけ?」
和「でも・・・」ズギュゥゥゥゥン
憂「お姉ちゃんっ!!」
和「ふふ・・・これであなたに勝ち目はないわよ・・・」
和「さっき私に攻撃が届いたの、お姉ちゃんが居たからよね?」
和「唯がいなくなった人生なんてつまらない、そうは・・・っ!!」ズギュゥゥゥゥン
和「なっ・・・に・・・」
憂「っ!!」
和「何故っ!!私の体が崩れていくっ!!何故だっ!?」
憂「・・・あなた、思ったんじゃないですか」
憂「お姉ちゃんが・・・軽音部がいない人生なんて・・・」
憂「つまらないって」
和「!!」
そうか
自業自得ってわけか・・・
和「・・・ごめんね、唯」
ズギュゥゥゥゥン
727 :
ch.000 唯「ひまじんぶれいかー?」:2010/07/26(月) 00:09:45.82 ID:1TaxOONHO BE:3106003788-2BP(1001)
紬「憂ちゃん・・・」
憂「ムギさん・・・」
紬「ダメなの・・・りっちゃん戻らないの・・・」
紬「だから・・・お願い憂ちゃん・・・」
紬「どうしてこうなったのかわからないけど・・・」
紬「私の最後の力であなたを過去に戻すわ」
紬「だから、原因を探して・・・」
紬「このセカイを・・・助けて・・・」
憂「お姉ちゃん」
憂「帰ろう」
728 :
ch.000 唯「ひまじんぶれいかー?」:2010/07/26(月) 00:16:42.16 ID:1TaxOONHO BE:970626645-2BP(1001)
皆さんこんばんは、平沢 憂です。
私とお姉ちゃんは紬さんの力で、桜高校入学前まで戻ってきましたっ。
あの惨劇の事を覚えているのは私だけです。
それにしても超電磁砲を撃てるようになるなんて、やっぱりお姉ちゃんは天才です。
一般人の和さんの脳みそをちょっと電気でいじっただけであんな力が出たのです。
お姉ちゃんをいじればもっと凄かったかも。
でも和さんをいじったのはちょっと失敗、せっかく作って来たお姉ちゃんが壊れてしまいました。
今ではクラブも勉強も両立していたお姉ちゃんはみる影もありません。
でも、無意識に電気を使って学習してるみたいで好きな事には天才的です。
やっぱりお姉ちゃんは凄いっ。
あの眉毛も毎回役に立ってくれてます。
さぁ、今度のお姉ちゃんはどんな風になるかな?
お姉ちゃんはまた、桜高校に入学します―。
end
729 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/26(月) 00:18:04.16 ID:RIbGK6k1O
>>1にはまた書いてもらいたいな
こんなに批判が無いのも珍しかったしな
楽しかったよ乙
731 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: