何でこんなの書いちまったんだ
黒歴史だわ
みんなもあるよな?調子に乗っちゃうときって
〜一夏のラビリンス〜
プロローグ
いつものように・・・・・・時は過ぎていった・・・・・。
でも・・・・・・・俺は、あの日から変われたのだろうか・・・・・・・・・。
あの日・・・・あの夏の日から・・・・・・・・・。
半数が・・・で埋まってるんじゃないのか
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 23:43:01.43 ID:iY803LqcO
もっと調子に乗っていいよ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 23:43:05.69 ID:ng4YtFUs0
中学の頃は・・・をつければいいとか考えてたんだよ、きっと
徐々に投下していく
まぁ需要ないと思うけど
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 23:43:46.89 ID:ng4YtFUs0
第一章
「う〜ん、だいぶ暑くなってきたな〜」
梅雨のじめじめした感じもなくなり本格的に暑くなり始めてきた・・・・・。
しかし、今年の夏は本当に暑い・・・・。
でも、もうすぐで夏休みだ!
夏休みだと思うと嬉しくて待ち遠しかった。
っと、ふと急激に視界が暗くなり頭に強い衝撃が走った。
「いたっ」
「きゃっ」
いけない、どうやら人にぶつかったようだ・・・。とりあえずこちらに非があったのだから謝っておこう・・・。
「ごめん、大丈夫?」
「ぁ、はい。大丈夫です。こちらこそ本当にすみません。こっちに引越してきたばっかりでよそ見してたから・・・・」
その娘は容姿からは俺とは同じくらいに見えないが、態度とか大人しくどこか懐かしい雰囲気がした・・・・。
まじで・・・が多いんだけど
どんだけだよorz
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 23:44:45.39 ID:JuyqLTpD0
展開が急すぎだな
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 23:46:34.71 ID:ng4YtFUs0
「あの・・・・どうしました?」
「いや、何も・・・・」
俺は彼女の懐かしい雰囲気に見とれてしまっていた。
「あ〜そういえばさ、俺の高校に転校生が来るって話があるんだけどさ・・・それって君のことかな?」
俺は何となく気恥ずかしくなり、適当なことを言ってごまかした。でも、さすがにこの娘が高校生なわけないだろうと、ちょっと後悔した。
「え、どうしてわかったんですか?私、高校生に見えます?」
俺は呆気にとられて反応ができなかった。自分の言ったことが当たったからではなくこんな幼い娘が高校生だとは思わなかった・・・
確かに雰囲気とかは大人っぽいとは思ったが俺よりも遥かに小さい身長だったので中学1年生くらいかと考えていた。
だから、俺はびっくりしてしまいしばらく何も反応できなかった。
「あの、本当に大丈夫ですか?さっきからぼ〜っとしてるけど・・・」
「あ、ああ・・・大丈夫・・・暑さのせいだよ」
俺はにっこり笑ってごまかしておいた。何となくここで中学生だと思ったと口走るのはかわいそうに思えた。
「あ〜まぁ、そうなんだ・・・じゃぁ、楽しみだな〜転校してくるの・・・君みたいな可愛い娘が来るんだからさ」
「え、そ・・・そんなことないですよ・・・・」
彼女はだんだんと声が小さくなっていった。よほど恥ずかしかったのだろう・・・。
これ以上いじめてはかわいそうだと思ったのでここら辺でやめといた。
とりあえず、何かしらのライトノベルやらギャルゲを参考にしていた
文章が変なのは見逃してww
ちなみに結構長いから途中で放棄するかも
手打ち辛い
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 23:48:21.86 ID:9s36ykGp0
やめろ、こっちが恥ずかしい
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 23:49:57.00 ID:ng4YtFUs0
>>8 俺だってはずいわwww
しかし、原稿が紙媒体
あの頃はワープロで打ってたわ
1枚印刷するのに1分かかるっていうね、糞ワープロwww
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 23:50:37.88 ID:ng4YtFUs0
「君の名前何ていうの?教えてくれないかな?俺は・・・蓮美 柚木(はすみ ゆずき)。よろしくな」
「あ、はい!私は秋月 秋奈(あきづき あきな)ですっ!」
彼女はとびっきりの笑顔で答えた。俺はその笑顔にドキリとした・・・・。
彼女は実際可愛いのだが、この笑顔は反則というぐらいに俺に眩暈を起こさせた・・・。
かったるい・・・・・。
今年の夏は実にかったるいと思ったが・・・・でも、こういう夏もいいかな・・・。
「あ、でゎ、私はこれで失礼させてもらいますねっ。さようなら」
彼女は踵を返し来た道だと思われる方向に歩いていく・・・・。
俺は無意識に「あのっ!また、逢えますよね?」っと聞いていた。
しかし、彼女は振り返って何も言わずただ微笑んで大きく手を振るだけだった。
しかし、俺は彼女にまた逢えると思った・・・。確信があるわけはじゃないが何となく・・・そう思えた。
尋常な暑さじゃないのと、嬉しくて浮かれてたのがいけなかったのだろうか・・・・。
でも、あの出会いは・・・・俺にとって、とても大切なものでありそれは同時にとても・・・・
とても、哀しいものでもあった・・・・。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 23:51:12.18 ID:yYjS/96o0
これはワロタ
わっふるわっふる
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 23:52:45.61 ID:ng4YtFUs0
>>11 わっふるすんなよwww
笑われるの覚悟だけどさ、期待されると死ねるwww
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 23:53:53.68 ID:ng4YtFUs0
第二章
ミ〜ンミ〜ン
セミの声がうるさいほど響いている・・・。
もう、夏は来たんだなっと感じさせるものだった。
「しっかし、本当に今年の夏は暑いよな・・・・」
まぢで暑い・・・・早く買い物を済ませたい・・・・。はぁ〜これだから一人暮らしは楽じゃないよな。
「あ〜まぢで暑い・・・・アイス食いてぇ・・・・」
しかし、俺にはそんな贅沢品が買えるほど余分な金は持ってきていなかった。
財布を見てみると、今日の買い物分のお金がぎりぎり入ってるというとこだった。
親に仕送りしてもらっているのだが、健全な高校生一人の食費は意外と多く、いつも仕送り前になると財布とにらめっこをしているのだ。
「はぁ〜・・・・アイスが食えないとわかると余計に食いてぇ・・・・」
俺はそんなことを思案していた・・・・。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 23:54:09.20 ID:tCa4ZR460
とびっきりの笑顔、とか
いたずらっぽい笑顔、って一時期よく見たけどどんな顔なんだろな
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 23:55:25.03 ID:ng4YtFUs0
>>14 どんな顔なんだろうな?
俺もわかんねえ
絶対ライトノベルの影響www
あの頃は天国に涙はいらない読んでたからその影響が大きいのかも
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:04:33.94 ID:SqlXznhc0
荷物を抱えてて前が見えなかったのがいけなかったのか、それとも、曲がり角は一時停止をすれば良かったのか・・・
俺は、曲がり角を曲がったときに思い切り、人とぶつかり荷物を道路に撒き散らしてしまった。
まぁ、もう起きてしまったことはしょうがない。俺はどこも怪我はなかったのだけど、ぶつかってしまった相手・・・少女は、道路に横倒れになっていた。
俺は、起こそうとしたがいつかのTVで頭を打ったときは起こさないほうが良いということを思いだし、仕方なく、自分のひざに少女の頭をのせた。
暑い・・・。自分のせいとはいえ、この暑い中、自分のひざの上ですうすうと気持ちよさげに寝息を立てて、
気を失ってる(眠ってる?)少女の顔を見てるとこのまま置いていってしまおうかと思ってしまった。
でも、それはさすがに気が引けたのでいたずらで許してあげることにした。
そのいたずらは・・・これぞ最強!!くすぐりだ!(最強かは知らないけど)。
「こちょこちょ」
なんとなく、擬音を口で言ってしまった。やってるときはいいけどし終わったあと冷静になってみると恥ずかしいものだ。
少女はむずかゆそうにもぞもぞと動いて、吐息を漏らすとうっすらと瞳をあけ、しばらくしてぱちぱちっと、目を見開いていた。
「ひゃぁぁっ?!」
少女は自分が俺のひざの上で寝てると気づくと声を上げて立ち上がり顔を赤くしていた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:08:15.72 ID:SqlXznhc0
「すみませんすみません!!・・・っと、私何してたんですか?」
彼女は謝ると自分が今、どういう状況に立たされているか知らないようだった。
だから俺は少しからかってやろうと遊び心が芽生えた。
「急に君が抱きついてきたんだよ。」
すると、彼女はさきほどよりも真っ赤にしてうつむいてしまった。
「え、えと・・・あの・・・その・・・」
しまった、ちょっと度がすぎたか?この子は純粋らしい。しかし、はっとしたような表情を浮かべた。
「って、そんなはずはありませんよ!私は見ず知らずの人に抱きつくような女の子じゃありませんよ・・・って、蓮美さん?!」
彼女は俺を知っているようだった・・・けど、俺は知らない・・・っというか忘れてる?
まずい・・・ここで知らないなんて言ったら怒ってしまうだろう・・・。
「えっと・・・確か・・・うん、あのときのだよね?」
「そうですよ・・・こうして、ぶつかるのも二度目・・・運命かもしれませんね・・・」
ぶつかったのが二回目・・・っということは一度はぶつかってることになるよな・・・。
・・・ん、もしかして・・・
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:08:57.08 ID:SqlXznhc0
「秋奈・・・・か?」
その一言にぴくりと彼女は反応した。
「もしかして・・・今まで忘れてたんですか・・・・?」
彼女は俺の微妙な一言に気づいてしまったようだ。どうやって誤魔化そう。その思考で頭を埋め尽くされていた。
「ひどいです・・・私の名前・・・忘れてたなんて・・・・」
彼女はうつむき、体を震わせていた。
やばい・・・。直感的にそう感じていた。
「ま、まさか・・・俺が名前を忘れるわけないだろ?」
俺はあたふたと弁解した。
そんな俺を横目に秋奈はふふっと、笑いをこぼしていた。
「あはは・・・嘘ですよ、蓮美さん。でも、名前を忘れられてたのはショックだったなぁ・・・」
彼女はふぅっと頬を膨らまし、上目遣いで見ていた。
女の子の上目遣いというのはドキッとするものがあるが、この秋奈も例外ではなかった。
「わ、悪かったって・・・・」
「私、そういう人きらいですよ・・・」
秋奈はそっぽを向き、近くにあったガードレールに腰を腰掛足をぶらぶらさせていた。
「・・・しょうがない、何でもひとつ言うこと聞いてやるから・・・・」
秋奈がぱぁっと顔を明るくさせた。
「ほ、ほんとに?!じゃ、じゃぁ、もう夏休みは入いりましたよね?だったら、夏休みの間
私と大体は一緒にいてくれません?私、転校してきたばかりだから・・・。」
俺の悪い予感とは裏腹に俺にとっても良いものだった。
俺もお年頃、女の子と夏を過ごしたことのないものにとって嬉しいことだった。
「あぁ、いいよ。でも・・・明日は無理かな?ちょっと予定があってな。電話番号を教えるよ。」
そうして、俺は彼女、秋奈に電話番号を教えるとそれぞれの帰路へと歩いていって、
さようならを言おうとして俺が振り返ると、秋奈はもうそこにはいなかった・・・・。
その夜、秋奈と電話して今度の木曜日に会うことにした。
このとき、場所は良かったのだけれど時間の約束をするのをすっかり忘れていた。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:13:45.81 ID:SqlXznhc0
第2章まで終了だが、需要あんまりなさそうだなwww
研究中の暇つぶしに打ち込んでたけど存外大変だわ
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:15:23.61 ID:Fppnwdx20
スキャンしてzipでくれ
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:18:38.06 ID:SqlXznhc0
>>20 こんなの読みたいのか?ww
駄作すぎるし、見てるほうが恥ずかしいだろ・・・
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:19:50.71 ID:SqlXznhc0
第三章
じりりりりりっ。
「ん・・・もう、朝か・・・」
けたましい音が俺の耳元に届いた。
うるさいっ。・・・・でも、起きないと。
俺は朝が弱いほうじゃないけど起きるのは多少辛く起きるのがやっとだった。
俺は朝の身支度もまもなく、家を飛び出していた。
この前、会う約束したのはいいけれど時間を決めるのをうっかり忘れてしまっていた。
電話をすればよかったのだけれど電話するのはかなりの勇気を必要としたので何度もためらった結果、結局は電話ができなかったのだ。
秋奈からの電話もなく今日の木曜日になってしまったというわけだった。
「はぁはぁ・・・」
駅前に着いた。しかし、彼女の姿はない。駅前の大きな時計を見ると今の時刻は10:48。
午前中に待ち合わせの時間なら10:00に来るのが常であろう。
しかし、彼女の姿がないとなると帰ってしまったか、午後に待ち合わせと思い込んでいるのか。
多分、前者ではないと思う、いやそう思いたかった。
俺は仕方なしに、ベンチに座り自販機で買った紅茶を啜っていた。
急に俺の視界が遮られ、後ろには人の気配がするのを感じられた。
ここから会話に意味不明なスペースがあるんだが、何か意図があったのかな?
忠実に再現したいと思う.
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:21:00.59 ID:SqlXznhc0
「だ〜れだ」
そんなまぬけな声が俺の耳元に聞こえた。まぬけというかどこか間の抜けた声。そんな声が俺は嫌いじゃなかった。
「秋奈だろ?」
俺は即答して言った。
「すごいすごい!どうしてわかったの?って、遅刻ですよ・・・柚木さん・・・。」
「遅刻って・・・大体にして時間なんか決めてなかったろ?」
そんなことは知りませんっと彼女はぷいっとそっぽを向いてしまった。
機嫌が悪くなる女の子は性質が悪くなんともかったるいものだと感じられた。
でも、こういうこともたまにはいいかなっとも俺は思うのだけれど・・・。
「わかったよ。何でも聞くから・・・な?」
「・・・じゃぁ、今日一日ずっと付き合ってもらいます」
「げっ、まぢでか?」
「イヤなら別にいいですけど」
彼女はそうは言ったものの顔はうつむき曇り空。そのうち雨雲となって大雨にならないか心配だった。
「わかったわかったから。今日一日付き合うから・・・・な?」
彼女の顔は、ぱあっと明るくなりさきほどの曇り空から晴天。なんともおもしろい。そう思った。
「じゃぁ早く行きましょうよ♪」
「お、おいっ待ってくれよ。」
半ば強引に引っ張れる俺だがそんな彼女と過ごすこの瞬間はとても心地いいものだった。
でも・・・でも、何で俺なのだろう。そんな気がどこか心の中で思っていた。
そんなことを考えていたからだろうか。俺の顔は心地良くないように思えた。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:24:07.27 ID:SqlXznhc0
「ねぇ、柚木さんこの服とか私に似合ってると思いません?」
「あぁ、そうだな。」
「・・・・っと、あっちの服もかわいいですね♪私試着しちゃおうかな・・・」
「あぁ・・・」
「・・・っ、もういいです!」
彼女は俺を突き飛ばすし街の人ごみのほうへと駆けていった。
俺はすぐさま追いかけるが人ごみとあってなかなか追いつけなかった。
彼女も同じようでなかなかと前へ進めないらしいく俺との距離は離れていなかった。
「待ってくれよ、どうしたんだよ!」
俺は大きな声を出すことに躊躇したが半ばあきらめに近い感じで秋奈を呼び止めようとした。
「なんでもないですよ!関係ないです・・・。ただ急用を思い出しただけ・・・きゃっ」
彼女はふとっ、立ち止まった。しかし、彼女は人ごみに押され転んでしまった。
俺はすぐさまというわけにはいかなかったがどうにか人の波を掻き分けて秋奈を抱き起こした。
「だいじょうぶか・・・?」
「はい・・・ありがとうございます」
秋奈は無事だったが、何とも気まずい雰囲気だった。俺はこういう雰囲気は好きじゃないし確かに俺が悪かったのも事実だった。
それよりも、秋奈にこんな顔をさせておきたくはなかった。
だから俺は自分の恥ずかしさを抑え勇気を振り絞った。
もうやだ死にたい
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:24:33.30 ID:EOFVf1q20
だから、木曜日は午前2時から墓地で秋奈を待った。長丁場を予想して、缶コーヒーを13本持っていった・・・・。
深夜の空気の冷たさは、まるでアイスピックのように、人間の肌に突き刺さる。俺はコーヒーをがぶ飲みして、それに耐えた・・・・。
眼の前に積まれた空き缶が8本目を数える頃、遠くの山の端が白っぽく光り始めた。
清少納言が言っていたのはこれのことか、と思った。
さらに1時間が過ぎて、俺はついに座り込んでしまった。
寒さは、心にさえも突き刺さる。絶対的だと思っていた俺の恋心が、早くも悲鳴を上げ始めた・・・・。
そしてどこかで鶏が鳴いた。通俗的な意味での、一日の始まりである・・・・。
空気はすでにすみれ色になっていた。気の早い小学生が、駆け足で目の前を通り過ぎる。
頭巾をかぶったおばあさんが、腰を曲げてこちらに会釈をする。
東から日の光があたり、すみれ色の空気が逃げていく。
凍えきった身体が、少しだけ生気を取り戻したように思えた・・・・。
俺は生きている。何故だか、そんな当たり前のことに感動した。
そして俺は、自分の中に失いつつある小さな輝きを見つけた。
失いたくないと思っていたのは、さっきまでの自分で、今はもはや、そんなものどうでもよかった・・・・。
俺は、秋奈を忘れた。
よく晴れそうな、ある夏の朝であった。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:25:42.75 ID:SqlXznhc0
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:26:41.46 ID:Sv51gpZ10
こ れ な ん て エ ロ げ ? ?
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:30:05.26 ID:SqlXznhc0
「あのさ、悪かったな。俺、秋奈の話ちゃんと聞いてなかったし楽しそうにしてなかったよな。・・・ちょっと考え込んでて、ほんっと悪いな」
俺は苦笑いをい浮かべてぽんぽんと軽く秋奈の頭に手を叩いてくしゃっと頭を撫でた。
「こっ、子供扱いしないでくださいっ!」
ぱしっと手をはねのけられた。
「・・・こちらのほうこそ、すみませんでした。私、今日、本当に楽しみにしててそれで・・・」
秋奈はしゅんと子犬みたいに縮んだようにうつむいた。ふぅと息をついた俺はどこか嬉しかったのかもしれない。
「ほらほら、そんな顔しない。今日一日付き合う約束したろ?」
「・・・はい・・・」
「ほら、もっと嬉しそうにする」
「・・・はいっ!」
秋奈はあのときのように、ドキっとさせるものではなく、子供じみたそれでいてこっちにも幸せをくれるような笑顔をみせた。
そうして俺たちはこの日みんなが楽しむようなそんな普通の日を過ごした。
でもそれは俺にとっては新鮮なもので、また秋奈もそういう風に感じてるようだった。
そうして、俺たちはこの日を境に互いに積極的に一緒に遊びに行くようにした。
それは本当にありふれた日常。
そんな中俺は秋奈に抱く疑問を日に日に薄れていった。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:36:03.49 ID:SqlXznhc0
第4章
夏休みが始まってもう一週間経つ。
俺は例年通りに昼間からごろごろしたり、友人と遊びに行く毎日を送る予定だった。
けど、今年は違った。
彼女、秋奈と過ごしていた。
そう、あの出来事以来俺たちは頻繁に会うようになった。
俺たちは互いに裕福っていうわけでもないのでただただ商店街でウィンドウショッピングとか町の中を散策するということをしていた。
そして今日もまた俺たちは遊びに行く。
でも、今日はいつもとは違い、海へ行く。
それは、秋奈が「せっかく、夏なんだから」という提案からだった。俺はかったるいと思ったが秋奈の期待に溢れている顔を見ると断りきれなかった。
いつしか俺は秋奈の喜ぶ顔を見たいと思い始めてきていた。
「しっかし、暑いな・・・。それにしても、今日は珍しいことに秋奈が先に来ていないなんてな」
いつも、俺は待ち合わせには遅れてくるから秋奈が先に待ってるということがしばしばだった。まぁ、今日は俺は待ち合わせの時刻よりも早めに着てるってこともあるんだろうけどあの秋奈が遅刻するとは思わなかった。
「ってか、秋奈はいつもこんな暑い中待ってたのか。もう少し早く来るように心がけよう」
そう反省してみた。実際に本当に暑い。まだ、駅の改札口だからいいものの、秋奈はいつも炎天下の中で待ってる。
「あ〜なんで気づかなかったんだろうな・・・」
「何がですか?」
「うわっ」
俺は突然声が返ってきてびっくりしてしまった。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:40:04.30 ID:SqlXznhc0
「いつ、来たんだ?」
「えっと、柚木さんがぶつぶつと独り言を言っていたところからです」
俺って独り言多かったんだな。改めてそう思った。自覚していたのだけど、他人に言われるとどうも癪に障る。だから独り言はなるべく控えるようにしようと思った。
秋奈の手には自分の三分の一くらいのバスケットを持っていた。結構楽そうに見えるが相当重いだろう。
「そのバスケットどうしたんだ?」
「これですか?これは、お弁当ですよ。今日はいつも通り出てこられたんですけどちょっと来るのに時間かかっちゃって」
「まぁ、気にするな。いつも俺が遅刻してるわけだし。ほら、早く電車に乗るぞ」
俺は秋奈からバスケットを奪うと先に買ってあった切符を秋奈に渡し改札を通り駅のホームに出た。ちょうど電車も着たところですぐに乗ることができた。
夏休みにもかかわらず、人はまばらで難なく席に座ることができた。
「すみません、バスケット持ってもらって。それに切符も」
「気にするな。俺にとってはこんな重さなんともないしさ、切符はほら、毎回待ち合わせに遅れてくるから」
「はい・・・」
そんな会話をやりとりしたあと、ふと会話は途切れた。どことなく秋奈は疲れてるようだった。話しかけるのは酷なので仕方なしに窓の外を眺めていた。
ここら辺は割りと都会でほどよく田舎というところで窓の外は畑やら田んぼやらが見え、いくつかの緑も見られた。
電車に乗ることは久しぶりでこうやって窓の景色を見るのはとてもいい気分だった。
秋奈のところを見ると、すぅすぅと寝息を立てて寝ていた。
俺は海へ着くまで窓の景色と秋奈の飽きない寝顔を堪能した。
しばらくして、電車は目的地に着いた。
電車を降りると潮の香りが漂ってきた。
「すみません、柚木さん。寝ちゃって・・・」
「これ、作るのに朝早く起きたんだろ?」
バスケットを秋奈にほうに向けた。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:40:45.06 ID:SqlXznhc0
「そうですけど・・・」
「じゃぁ、別に文句はないからさ。落ち込むな」
俺は秋奈の手を取ると駆け出した。
「ゆ、柚木さん?!」
「時間もったいないって。早く海に行こう」
「は、はい。でも・・・そのっ!」
秋奈は下を向きつつ駆けていた。
「ん?どうしたんだ?」
「いえ、何でも・・・」
海に着くまで終始俺は疑問を抱えて、秋奈は下を向いたままだった。
海へ着くと俺たちは着替えるために一旦別れた。自分のほうは着替えはすぐ終わったのだけれど秋奈のほうがまだ終わってなかった。
どこかのマンガにあったように、女の子の着替えは長いと、実感させられた。
ようやく、秋奈は着替えが終わったようでパタパタと擬音がなりそうな駆け足で近づいてきた。
秋奈の水着姿は凹凸が少なかったが素直に綺麗だと感じた。
やっぱり女の子は違うと。
そんな秋奈に俺は少し見惚れてしまっていた。
「す、すみません。遅くなって・・・」
「あ、あぁ・・・」
ぜぃぜぃと少しばかり息を切らせている秋奈をよそに俺は気のない返事しかできなかった。
「あの、やっぱりこれ、似合いませんか・・・?」
「い、いや。そんなことない・・・」
「ありがとうございます」
秋奈は嬉しそうな微笑んだ。そんな中俺はただ照れてるのを隠すばかりだった。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:41:25.53 ID:SqlXznhc0
俺たちはそれからしばらく、海に入って泳いだり二人でビーチボールで遊んだり。
普通のカップルがするようなことをして遊んでいた。
しかし、ふと、俺はどうして秋奈とこんなところに、また、どうして秋奈は俺とこんなことしてるのだろうと思った。
俺は、楽しいから。ただそれだけ。秋奈も同じなのだろうか?俺といて楽しいから?それとも、俺じゃなきゃ・・・?
そんな疑問がよぎったが、今日はそんなことを考えたくないのですぐさま忘れることにした。
「ふぅ、疲れたな」
「はい、だいぶ遊んじゃいましたしね。お昼ご飯も食べないまま」
「そうだな・・・」
俺たちは互いに少し笑った。
「じゃぁ、何か食べよう。さすがにこんなに身体を動かして遊んだのは久しぶりでお腹が減ったよ」
「私もです。じゃぁ、早速遅めのお昼ご飯にしましょう」
そういって秋奈は持ってきたバスケットからシートを取り出し適当な砂浜に広げた。
もう日が傾いてきた頃だからさほど暑くはなかった。
「あぁ、準備ができました。どうぞ、食べてみてください」
「お、おいしそうだな。いただきます」
バスケットから色とりどりの色々な食べ物を出した。その中でもやはりお弁当の定番である玉子焼きを俺はいただくことにした。
「もぐっもぐっ。・・・ん、おいしい!」
「ほ、ホントですか?!良かった〜」
ほっと秋奈は息を吐いた。
秋奈の作ってきた料理はどれもおいしく、またどこか懐かしい味付けを思い出した。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:44:45.72 ID:SqlXznhc0
「しかし、こんなにおいしいのは久しぶりだよ」
「そんな、大げさですよ。でも、柚木さんは一人暮らししてるから自分では料理作らないんですか?」
「一応は作るけどな。こんなにうまくは作れないよ。けど、どうして俺が一人暮らしって知ってるんだ?話したか?」
「え、えっと、話しましたよ。柚木さん、健忘症ですか?気をつけないとダメですよ」
秋奈はあはははと笑った。
話した覚えはない。けど、本当に健忘症かもしれない。
最近、気づいたことなのだけれどある昔のことを思い出せなくなってるのも事実だから。
だから、俺はさほど気にしなかった。
お昼ごはんを食べ終わると終電ではないけど、この時間になると1時間に一本しか電車が通らなくなってしまうために俺たちははやばやに帰ることにした。
今日一日とても疲れた。でも、それ以上に楽しめた一日となった。
またこうしていく中で俺は、いや、俺たちは互いに惹かれあってたと思う。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:45:33.02 ID:SqlXznhc0
やっと4章終わった
疲れるな、結構
全13章くらいあるんだが・・・1章1章が長くなってくるwww
こんな内容ない小説書くとかアホか
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:47:06.88 ID:EOFVf1q20
恋というものについて、幾分か客観的に考え始めたのは、その日からであった・・・・。
世に溢れるどの歌も、恋が何か特別な力を持つかのように語っている。
未完成の自我で、いわば裸のまま、そうした未知の生理現象を予告され続けた若者は、世間の期待する通りの恋愛をし、あるいは世間の期待を裏切るような恋愛をする。
俺も、そのような若者のひとりであった・・・・。
しかし、秋奈とのランデヴーが俺を変えた。
恋には、力などない。
恋心など、寒さにすら負けてしまうのだ。
考えてみれば、当たり前のことではないか。恋人と会えなくたって死ぬことはないが、寒ければ人は死ぬのだ。
弱弱しいにも関わらず、一種神秘的な色合いを帯びた名状しがたい現象に、人が付けた総称。
それが、恋だと思った・・・・。
そんなもののために、人は争い、憎み合い、時には殺し合い、そしてそんなものが、世界経済の原動力となる・・・・。
くだらない。と吐き捨てると同時に、俺にはある好奇心が芽生えた。
世間のいう恋心って奴は、どれほどの犠牲に耐えうるのか?
俺は実験を始めた・・・・。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:54:33.04 ID:SqlXznhc0
第五章
夏の日差しも暑い中俺はコンビニへと向かっていた。
よほどのことと、ミネラルウォーターを買うとき以外あんまり利用はしない。
今日はミネナルウォーターを買いに来た。
ここはほんの少し都会なので水道水は飲めるもののおいしいとは言えなかった。
それにうちの実家のある田舎は井戸水で水はおいしかった。実家に住んでるときはわからなかったがこっちに来ておいしさがわかった。
こっちに来てからというものの多少の痛い出費も我慢してミネラルウォーターを買うのだ。しかし、水は意外と重いのでこの近くのコンビニで買わなきゃいけなかった。
俺自身は裕福ではないのだけど実家は少しばかり余裕があるから足りなくなったら頼めば追加してくれる。
けど、そこまでは世話をかけられないし、本当にやばかったらアルバイトをすればいい問題だから。
炎天下。今日の体感温度50℃のように思えた。
多分それぐらいに暑い。
早く、コンビニへ。
そう思っても気だるく足が思うようには動いてくれない。
そんな中俺は思いがけない・・・というわけではない人物に出会った。
「こんにちは」
「あぁ、こんにちは」
クラスメイト(友達ではないのだが)の仲では良く話す女子生徒、鈴海 彩乃(すずみ あやの)だった。
彼女はどちらかというと物静かなほうだった。いつも本を読んでいてあまり友好的っというわけでもない。
そんな彼女と俺の出会いはとても単純で廊下で急いでいた俺と彼女、彩乃がぶつかったのだ。
それをきっかけに俺は彩乃と知り合い、俺から話しかけるようになった。
「今日はどうしたんだ?」
「あ、えと・・・本を図書館に返しに・・・」
見ると、彼女は紙袋にいくつもの本を入れていた。中々に重そうなほどに。
「図書館って、学校の?でも、学校ってこっちの方向じゃないだろ?」
「あ、いえ・・・学校の図書館のものは全部読んでしまって。それに学校のほうは夏休み期間は貸し出し禁止です。事前に長期貸し出しがあるはずだけど知らない・・・?」
「あ、いや。俺は本はあまり読まないからな。それよりもじゃぁ市立の図書館に行くのか?結構遠くないか?」
「遠いけど・・・色々な本を読みたいから・・・」
彼女は俺の質問攻めに少し困ったような仕草をした。何となく、俺が彼女をいじめているみたいで嫌だった。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:55:13.82 ID:SqlXznhc0
「あ、じゃぁ、今日は出会った記念に俺がその本を持って図書館まで付いていくよ」
「いいよ・・・それに、この本は私が借りたんだから責任をちゃんと持たないと」
「ほらいいから、貸しな」
「あっ・・・」
俺はそういって半ば強引に彩乃から本の入った紙袋を奪い取った。ずっしりと重かった。
「蓮美くんって、強引なところあるよね・・・」
「あはは・・・でも、こんな重いものをよくこんな暑い中は運ぶ気になったな」
「・・・本を借りてるんだから返しに行くのは当然だよ・・・」
彩乃は俺が、奪い取ったのが気に入らないみたいだった。
「でも・・・ありがと」
彩乃は頬を赤くしてそっぽを向きながらつぶやいていた。
そのあと俺たちは他愛のない世間話をしながら図書館に向かった。俺が向かうはずだったコンビニから歩いて20分の距離にあった。俺は初めてこの図書館に足を踏み入れることとなった。
さすがに市立というだけあって学校とは比べ物にならないほどだった。
彩乃は返却すると、もう、予定していたのかカウンターからすぐさまに本を取り出してもらい貸し出し手続きを施していた。
「なぁ、彩乃。そんなに本読んで楽しいか?」
「楽しいけど・・・どうしたの?」
「いや、さ。変なこと聞くけど、そんなに本読んでて友達と遊んでるのかなって」
「・・・・・・・」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:56:00.97 ID:SqlXznhc0
彩乃は気まずそうな下を向いて話そうとはしなかった。
キュっと唇を結んで。
仕方なしに今度は黙って歩くことにした。もちろん、本は俺が持ちながら。
聞いちゃいけなかったかな。そんなことを思ってちらっと彩乃のほうを見てみた。
どこか辛そうな思いつめてる表情。
どんなことを考えてるのか知りたくなってきた。
いつも、普通に話してるそんな少女は今どんなことを思っているのだろうと。
思いつめてる彩乃の表情は、夕日でもかかっていればドラマのワンシーンに出てくるほど綺麗だと場違いな雰囲気にそう思ってしまった。
それは彩乃が日本人とは違う、瞳の色をしているからだろう。髪も少し銀色に近いからだろう。
ただ、そう思ってるだけだったのだけど、ちょうど俺は彩乃をじっと見つめる姿勢になってしまっていた。
彩乃はそんな俺に怪訝そうに見た。
「何・・・?私の顔に何かついてるの?」
「あぁ、目と鼻が。そういえばさ、彩乃って瞳の色綺麗だな。それってハーフか、それとも日本人じゃないとか?」
「どっちでもないよ・・・いいからさ、早く歩こう」
「あ、ちょっと。彩乃は何も持ってないかもしれないけどさ、俺は本持ってるんだぞ」
「そんなの知らない・・・」
何となく、そのときの彩乃は哀しげだったけど、どこか、楽しそうだった。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 00:58:40.98 ID:kxmSQdogO
もうわかったよ
眠らせてあげて君の歴史を!
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:00:27.64 ID:SqlXznhc0
俺たちは、その後、コンビニに寄って水を買うと彩乃はここでいいと言うのを遮って彩乃を送っていくことにした。
ミーンミンとセミの鳴く声がした。
何となく、夏が本当に来たんだなって実感させられる。
黙って歩くその姿は、どことなく、意味ありな恋人同士にも見えなくもなかった。
でも、そのとき、最悪な展開があった。
ちょうど、俺と彩乃が別れとなるアパートの前に秋奈がいたのだった。
「あっ、柚木さん。おかえり。どこ行ってたの・・・?」
秋奈のトーンがだんだんと小さくなっていくのがわかった。
彩乃は理由がわからずにただ俺と秋奈の顔を見ていた。
「えと・・・蓮美くん、この人は・・・?」
「・・・・・・・」
俺は、ただ、呆然とするしかなかった。でも、何で呆然とするしか・・・何も話せないのかわからなかった。別に秋奈と付き合ってるわけでもなかったのに。
でも、今まさにこの状況はやばいとしかわからず、どうすることもできなかった。
彩乃は返事が返ってこない俺に対してどうしていいかわからず困っていた。
微妙な沈黙が辺りを包み込む。
唐突に秋奈が沈黙を破った。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:01:12.42 ID:P+n3eP8i0
でも中学のときにこんだけの量書けるってすごくね?
俺とか数ページ書いて終ってたわ
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:01:35.80 ID:SqlXznhc0
「あ、私、柚木さんに対した用事ないんだ。だから、その、お邪魔・・・でしたね。それじゃ柚木さん、また・・・・っ」
秋奈は振り返ると全速力で走っていってしまった。
「彩乃、悪い、俺、あの子追いかけるから・・・!」
「あ・・・うん。ばいばい」
状況が飲み込めない彩乃は呆然と立ち尽くしていたと思う。
でも今はただ秋奈を追いかけたかった。何となくだけど、秋奈が落ち込んでるような気がしたから。
俺は夢中になって追いかけた。
でも、もうすでに出遅れた俺は秋奈に追いつけるはずもなかった。
秋奈が行きそうなところも検討もつかずただ途方に暮れるしかなかった。
「くそっ!」
俺は、何でこんなに悲しんでいるか、何でこんなに苛立っているからわからなかった。
ぽつぽつと、流れる滴と、空から降ってくる雫でもうどっちがどちらかわからなくなっていた。
多分、その両方であったと思う。
俺は強い夕立の中ただ立ち尽くすしかなかった。
何も行動を起こせなかった自分に対して情けなかったから。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:02:43.64 ID:SqlXznhc0
>>41 まだまだ序の口なんだぜ・・・
厨二パワー全開だったからな、製作期間一ヶ月とかだ
5章終わり
もう辞めたほうがいいかな、つまらないしwww
44 :
からあげ ◆unuy.KSOJg :2010/07/08(木) 01:24:39.41 ID:gFiK94XgO
こういう苦行を見ると支援してしまう
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:26:42.66 ID:SqlXznhc0
溜まったけど投下すべきなのか?
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:27:30.35 ID:y2MZMXkHO
支援しよう
構わん続けなさい
47 :
からあげ ◆unuy.KSOJg :2010/07/08(木) 01:36:17.23 ID:gFiK94XgO
投下が終わった時達成感みたいなものがあるかも分からんね
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:43:22.18 ID:SqlXznhc0
第六章
その日、俺は寝込んでいた。
あの日雨に打たれて熱を出してしまい寝込んでいたのだ。
多分、うなされているのは熱だけじゃない気がしていた。
熱でうなされているのはいいのだけれど、結構な高熱で立つのさえままならなく風邪薬を飲むのがやっとだった。
食べる料理も作れなく困っていた。
何もできなかった神様が罰を与えたのかもしれない。
アパートには俺ともう一人いたんだけど、その人は今海外に旅行中だった。
なのでこのアパートには実質8部屋あっても使われているのはこの今住んでる部屋だけだった。
不意にこんこんという音がドアから聞こえてきた。
誰が来たんだろう。
そう思いながら辛い身体をどうにか起こしてカギを外した。
そこにいたのは、彩乃だった。
「えと、昨日は何かゴタゴタしてたみたいだから・・・一応、今日お礼に来たんだけど・・・」
「あ、あぁ・・・そうなのか・・・ありがとな・・・」
普通に話してるだけなんだけど、立ってるだけでも辛く今こうしている中、早く横になりたかった。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:45:20.17 ID:SqlXznhc0
「って、蓮美くん・・・?大丈夫?辛そうだけど・・・」
「平気・・・少し熱出ただけだからさ・・・」
そうは言うものの、もうふらふらで今にも倒れそうなくらいだった。
「あのさ、来てもらってすぐ悪いけど、ちょっと横になりたいから・・・」
「えっと・・・図々しいけど・・・私が少し看病しようか・・・?」
「いい・・・悪いし。それに風邪移るよ・・・」
「その・・・いいから、早く寝てっ!」
普段の彩乃からは信じられないほどの強引さだったために俺は黙って彩乃の行動を見届けることしかできなかった。
「朝ごはんは食べたの・・・?」
「いや、食べてないんだ。っというよりも作る元気が出ない・・・」
「じゃ、じゃぁ、台所借りるね・・・材料は適当に使うね・・・」
「おっけ、いいよ・・・俺はできるまで寝てるから悪いけど出来たら起こしてくれ・・・」
「うん・・・」
彩乃はテキパキと作業をこなしているようだった。いつも家事とかやってそうなくらい上手に料理していた。
横目でそんな彩乃を見ていたら、急に彩乃が振り返りふと、目が合ってしまった。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:48:25.56 ID:SqlXznhc0
「えと、ちゃんと寝てなきゃダメだよ」
彩乃は少し、照れているみたいで赤くなっていた。
そんな彩乃が少しばかりかわいいと思った。
でもそれと同時に嫌悪感が湧き出た。
秋奈を悲しませてしまってるかもしれないというのにこんなことを思う自分に。
それでも、今、弱っている自分に優しく接する彩乃を愛しく思えてしまう。
それに、不思議と彩乃の声を聞いていると穏やかになる・・・。
何だろう。この気持ちは。打ち消したい。でも、打ち消せない。
もう、どうしようもないのかもしれない。
そんなことを思ってると、料理ができたのか、彩乃はトレイを持って布団の敷いてあるこの部屋に来た。
俺は起き上がろうとしたのだが
「ダメです。病人なんだから・・・身体だけ起こして。そのっ・・・私が、食べさせるから・・・」
彩乃は言い切ると下を向いて恥ずかしそうにしていた。
多分、精一杯の勇気だったんだろうと思った。
それにそんなことを健気にしてくれる彩乃の好意を恥ずかしさという理由で断るのはかわいそうな気がした。
だから甘んじてその好意を受け取ることにした。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:49:33.07 ID:SqlXznhc0
「うん、わかった。でもさ、あーんなんて俺は言わないからな」
「そ、それは・・・っ。私も言わないよ・・・」
何となく恥ずかしさのあまり、彩乃をいじめてみた。するともうこれ以上にないくらい真っ赤な顔でうつむくばかりの彩乃だった。
「えと、それじゃ・・・おかゆだけどいいよね・・・?」
「あぁ、病人食の定番メニューだな。実はさっきからお腹減ってたんだ。早く食わせてくれ」
「あ、うん・・・じゃぁはい」
彩乃はおかゆの入った小さい鍋を片手に木できたスプーンを俺のほうに差し出した。
やるとは言ったもののすごく恥ずかしく中々素直に食べることができない。
不安そうな彩乃の顔があった。
それを見た俺は何とか恥ずかしさを振りほどくと俺は意を決してパクっとおかゆを食べた。
「もぐもぐ・・・。うん、おいしいよ!」
「ほ、本当に・・・?良かったぁ・・・」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:50:40.27 ID:SqlXznhc0
彩乃は安堵の息を吐いていた。
彩乃の作ったおかゆは本当においしかった。それ以上に彩乃の気持ちがひしひしと身体中に伝わり心が温まるようだった。
今の俺にとってその温かさは泣きたくなるほど優しく、また、痛いほど辛いものだった。
そのあとは黙々と食べることに集中していた。何となくこの気恥ずかしい雰囲気にどちらとも話しかけられなかったから。
やがて食べ終わり彩乃は洗い物を済ますと俺の布団のそばに座った。
「悪いな、彩乃。色々させちゃって・・・」
「ううん、病気のときはお互い様・・・。それに、昨日のお礼もあるから・・・」
「そうか、ありがとうね」
「そ、それにね、私は、蓮美くんといると安心するから・・・」
「えっ・・・」
俺は言葉を失った。
何を言われたのかもわからないのかもしれない。色々考え事したいけど急に言われて熱があるから全然考えられなかった。
「その、私もう帰るね。これ以上いて、風邪悪化させると悪いから・・・。おかゆ、まだ残ってるから夜に食べてね。じゃぁ・・・」
彩乃がドアを開け走っていく音が聞こえた。
俺はこの日もう何も考えたくはなかった。
これ以上考えると自分はどうしもうもなく最低な人間だってそう思えてしまう気がしたから。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:51:30.69 ID:SqlXznhc0
第七章
目を閉じてる瞼の裏側に日が当たるのを感じた。
「う・・・・」
熱を出して、数日が経ったがまだ身体はだるかった。
しかしそう何日も寝ているわけもいかなかったし、部屋にこもってばかりではよけいな考え事をしてしまう。
俺はとりあえず、久しぶりに外に出て、気分を変えることにした。
しばらく街をぶらぶらと歩き、ちょうど昼時の時間帯になったのでちょうどよいファーストフード店に入ることにした。
「いらっしゃいませー」
店の入るとそんな声が飛び交っていた。簡単にハンバーガー一個と飲み物を注文して窓際に座ることにした。
周りからは色々な雑談などが聞こえてきてざわついていたが俺は、これからどうすればいいか考えていた。
秋奈に会うべきなのか。
でも、こんな気持ちで会っていいものなのか。俺にはわからなかった。
それにまだこの気持ちが本当なものなのかもわからない。
ただ言える事は二人とも大切に思うこと、楽しく思えたこと。そればかりだった。
同じ考えがぐるぐると回る中、俺はふと窓の外を見た。
そこには、秋奈と見慣れない男としゃべっている姿だった。
何となく、目をそらしたかったが、気になって見入ってしまった。
よく見ると、秋奈は相手のことを快く思ってない様子で、また困っているようだった。
俺は慌てて、店を出ると秋奈の姿を探した。
秋奈に話してる男が特徴的で容易に見つけることができた。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:52:13.24 ID:SqlXznhc0
「なぁ、別に昼飯ぐらいいいだろう?」
「えっと、その私・・・」
案の定、会話の内容はナンパのようだった。
俺は今、秋奈と会いたくない気分だったが困ってる時に放って置けるほど無関心ではないので助け舟を出した。
「秋奈、何してるんだ?」
「え・・・?柚木さん・・・?」
「あぁ?何だお前は?」
秋奈に声をかけてた男は長身で結構な威圧感を持ち、俺は少し怯んだ。
しかし、躊躇をしている暇もなかったので恥ずかしさを振り払った。
「秋奈は・・・俺の女なんだけど?」
さも、当然の言ってみた。内心、結構恥ずかしかった。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:53:35.01 ID:SqlXznhc0
「ちっ、男いるのかよ、しけたぜ」
そう捨て台詞を残し男は去って行った。
「秋奈、大丈夫だったか?」
「あ、はい・・・。あ、ありがとうございました・・・。」
秋奈は照れくさそうに下を向いた。
俺はそんな仕草をされよけいに恥ずかしくなった。
でも秋奈はそんな仕草もすぐになくなり、逆に、悲しげな表情を浮かべた。
「あの、迷惑かけました。それじゃ、柚木さんっ・・・」
秋奈はそう言い残すと立ち去ろうとした.。っが、俺は何故だか反射的に秋奈の手を掴んでいた。
「秋奈!待ってくれ・・・」
「いや・・・」
張り詰めたような弱弱しい声だった。俺はその声と秋奈の苦痛を浮かべる表情を見て居た堪れない気持ちになった。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:56:06.62 ID:SqlXznhc0
「いや、俺は絶対に離さない・・・っ」
秋奈は俺の手を振り解こうと必死だった。俺はさっきよりも強く秋奈の手を握った。
「・・・痛いっ、離して・・・ください・・・」
秋奈の声は、今にも消え入りそうな声だった。秋奈の手を掴んでないとそれだけで、消えてしまいそうな、そんな感じがした。
「ごめん、でも俺はこの手を離してしまうと一生後悔するようなそんな感じがするんだ・・・」
「・・・わかりました・・・。柚木さんは、強引・・・ですね・・・・」
秋奈は仕方なしといった感じで諦めたようだった。少し、秋奈の顔はさきほどと同じように悲しげだった。
俺はこんな子をこんな思いにさせてるのだと改めて思い知らされた。
俺には、この子に何ができるのだろう。話したいとは思ったけど実際何を話せばいいのかわからない。
あの日のことをちゃんと説明するべきなのだろうか。でも、俺は彩乃を好きなのかもしれないし、秋奈を好きなのかもしれない。
その心はまだはっきりしていなく、どう説明していいかわからないし、こんな気持ちで話したところで秋奈の悲しみを拭えるのか不安だった。
でも、俺は今秋奈と話すしかない。そう思えた。
「ここじゃ、話づらいし公園に行かないか・・・?」
「・・・はい・・・」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:57:03.27 ID:SqlXznhc0
公園に向かう途中でも、俺たちは並ぶわけでもなく、微妙な距離感を保っていてそれは俺と秋奈の間にある壁みたいだった。
それに、会話もなく、秋奈はただうつむくばかりで沈黙が流れるしかなかった。
この時点で俺はもう、気がめいりそうで今にも逃げ出したい気分にかられた。
でも、辛いには秋奈だって同じだ。いや、俺以上に秋奈は苦しんだのかもしれない。あれこれと深く考え込んでいたのかもしれない。
その証拠に秋奈の顔には少しやつれているように見えた。
やがて、公園に着いた。しかし、俺たちは向かい合ったまま沈黙を敗れないままただただ、俺は秋奈を見るしかなかった。
どう話を切り出していいかわからなかった。
「秋奈・・・ごめん・・・」
俺は、まだ何を話していいのかわからず、また意味もわからないでただ謝ることしか俺にはできなかった。
秋奈は何かを考え込んでるようでなかなか口を開こうとはしなかった。
「いいんですよ・・・。私が・・・私が勝手に柚木さんに期待して、勝手に傷ついたんですから・・・。」
秋奈の声は震えていて、その声はもう、悲しみしかなかった。
「違うんだ・・・秋奈、あいつは・・・」
しかし、俺の声は秋奈の叫びに近い声で打ち消された。
「何が・・・何が違うんですか・・・っ!この前何か・・・この前何か・・・っ、一緒に仲よさそうに歩いてたじゃないですか・・・っ」
がんがれ!応援してるぞ
俺も読んでるから!!縦に
59 :
からあげ ◆unuy.KSOJg :2010/07/08(木) 01:59:01.39 ID:gFiK94XgO
|・∀・)
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 01:59:53.96 ID:SqlXznhc0
秋奈の声はこだまし、なお一層俺の心を締め付け幾度も逃げ出しそうになった。でも、俺は何とか踏みとどまることができた。それは何故だか自分でもわからなかった。
でも、この状況をどうにかしたい。その一心だと思うし何よりも今は秋奈を悲しませたくないという思いでいっぱいだった。
「秋奈・・・。あいつはただの・・・クラスメイトなんだ。あのときはちょうど一緒の帰り道だったから・・・それで・・・」
俺のそれは何か言い訳じみていて自分でも嫌気がさすほどだった。
「違くないです・・・っ。私に・・・私にもう、何も期待させないでくださいよ・・・。もう、私にはかまわないでくださいよ・・・」
「秋奈・・・」
秋奈はもう、どんな優しい言葉を言おうと受け付けなそうで、逆に、その優しい言葉はより秋奈を傷つけるだけだと俺は感じた。
「秋奈・・・。今までどんなに苦しんだのか、辛い思いをしたのか俺にはその苦しみを感じることはできない・・・。それに、謝ったところで何もできない・・・。でも、俺は・・・っ」
「知った風な口で言わないでください・・・っ!」
俺は、微笑みかけるよう秋奈に言った。
「もう・・・我慢、しなくてもいいんだ」
「えっ・・・?」
秋奈は、驚き戸惑っている面持ちだった。
「もう、我慢しなくていいんだ・・・。俺に言いたいことや、したいことしたっていいんだ・・・。わがまま言ったっていいんだ・・・秋奈・・・」
秋奈は身体を震わせて、ポタポタっと滴が落ちるのが見えた。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 02:00:57.27 ID:SqlXznhc0
「柚木さん・・・・っ、そんな優しいこと・・・言わないでくださいよ・・・。辛いです・・・。私はまた、勘違いしちゃいますよ・・・うぅっ・・・」
秋奈は嗚咽をを堪えるようにして、泣いていた。
「それでも、やっぱり・・・嬉しいです・・・っ。そんなこと、言われて、辛いけど、それでも・・・嬉しいですっ・・・」
俺はそっと秋奈を抱きしめた。
「私・・・っ、柚木さんが離れるのが嫌だったんです・・・っ。私は柚木さんと、一緒にいたい・・・・です・・・っ」
嗚咽を漏らすのを我慢して、どうにか言葉を紡いでいる秋奈だった。
「私は・・・柚木さんのことが好きだから・・・っ。私は、柚木さんのことが好きだったから・・・っ」
俺は、秋奈のその『好き』という言葉に深く胸に突き刺さった。俺はその言葉に今、答えられないし答える資格はなかった。この揺れ動く気持ちは一体どっちが本当なのか俺にはまだわからなかったから・・・。でも俺は、今だけは秋奈のことだけを考えてやりたかった・・・。
秋奈を見てたらいつの間にか俺も涙を流していた。この涙はただ単に同情なのか、
それとも今俺がしている最低な行為が悔しくて泣いているのかわからなかった。ただ、この秋奈の純粋な思いに触れた俺は、自分を最低な人間であると思わされる気がした。
けどそれでも、このままずっと秋奈を抱きしめていたい。そんな思いが湧き上がった・・・。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 02:01:38.17 ID:SqlXznhc0
「えへへ・・・柚木さんに、恥ずかしいところをまた、見せちゃいましたね・・・」
「ああ、そうだな。目が真っ赤だしな」
もうと、秋奈は言ってそっぽをむいた。でも、その表情にはもう悲しさはなく少し微笑んでいるように思えた。
俺はそんな秋奈を見て、安心し、また微笑ましくも思った。
「だけど、これって柚木さんのせいなんですけど・・・・・?」
「あ〜・・・でも、すっきりしたよな・・・」
「はい・・・」
秋奈はふぅと深呼吸を一息つくと、決心したように言った。
「柚木さん、私は・・・さっきも言いましたけど・・・柚木さんのことは・・・っ、好き・・・ですから・・・・そ。それじゃまた・・・」
秋奈は逃げるようにして公園から立ち去っていく行った。
秋奈が残していった言葉は今の俺には重くのししかかった。
確かに、今日あって秋奈のことを好きかもしれないって思った。でも、これはただ単に流されただけの感情かもしれない。ましてや、彩乃への気持ちも同じなのかもしれない。
俺は自分の気持ちが考えれば考えるほどわからなくなっていった。
だから俺はとりあえず彩乃に会うことに決意した。
この日、俺はなかなか眠りに就けず、考えだけが俺の中にうずまいていた。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 02:02:20.00 ID:SqlXznhc0
7章まで終了
ちょっとでも縦でも読んでくれる奴がいるなら投下し続けるぜ
しかし酷すぎる文章で泣いた
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 02:03:11.97 ID:SqlXznhc0
第八章
頭が痛い。
まだ、風邪を引いているのか、昨晩色々考えて寝ていないせいなのか・・・。多分両方なんだろう。
しかし、そんなことは言ってる場合じゃなかった。
俺は、今日彩乃に会う決心をしていたから。
会って話しをする。何でもないただの世間話を。それは、俺の気持ちを確かめる一番いい方法だと俺なりに考え抜いた結果だった。
でも、俺は彩乃の家くらいは知っていたが肝心のケータイの番号ならいざ知らず、自宅の番号までもわからなかった。
でも俺にはある確信があった。
そう、図書館に行けば会えると踏んでいたので俺は会館時間である時間を知らない俺は早めに家を出た。
早い時間といっても、外は照りつく太陽で肌が焼けそうだった。
今年の夏は例年にないくらいの暑さで最近は嫌気をさしてきた。夕方になると夕立も多くなるし。
「しかし、暑いのもそうだけど、俺はこれからどうすればいいのかな・・・」
俺はいったい何をすれば、どんな行動を取ればいいのか見失っていた。秋奈のこと。彩乃のこと。
何が正しくて何が間違っているのか。どちらを選べいいのか。その前に俺の気持ちはどうなのか。
考えれば考えるほど深みにはまるし、第一俺にとってふたりはかげないもので、比べられるものでもなかった。
だから俺は愚痴のひとつでもこぼしたくなった。
いっそのこと、全て忘れられたらそれはそれで楽なのだろうと思った。
でも、逃げるわけには行かなかった。
何故ならそれは、自分だけ傷つかずに彼女たちだけを苦しめてしまう行為だったから。
今の行為でさえ、秋奈を傷つけた。これ以上うやむやであるならいつかは彩乃だって傷つけてしまうかもしれない。
だから俺は、自分の気持ちに決着をつけるためにこれから彩乃に会う決心を固めたのだった。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 02:03:53.27 ID:SqlXznhc0
そんなことを考えていうと図書館へ着いてしまった。
あの時、彩乃と帰った帰り道は会話はあったものの、二人ともよそよそしくときどき会話が途切れたものだし、
俺自身そのとき、彩乃のことを意識しすぎていたため、時間が長く感じられたものだった。
図書館に着いた俺は、広い館内をぐるっと一周、見てみたが、結局は彩乃の姿は見つけられなかった。
まだ、着てないのか。
そう思い俺は適当な本を取り出し、椅子に座り読み始めた。
なかなか、おもしろかったのだが、普段本を読まない俺にとっては睡魔に襲われるのは時間の問題だった・・・。
「・・・・」
「・・・蓮美君っ。」
「・・んんっ・・・」
「蓮見君・・・っ!起きて・・・・」
「・・・ん?・・・あぁ、彩乃か・・・どうしたんだ・・・?」
俺はまだ、寝ぼけている頭をぽりぽりとかいた。
どうやら、本を読んでいる間に俺は寝てしまっていたようだった。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 02:04:38.21 ID:SqlXznhc0
「私は、本を借りに来たんだよ・・・そうしたら、蓮美君を寝ているのを見かけたから・・・。一応図書館では居眠り禁止だよ・・・」
「あぁ、そうなのか・・・。悪かったな」
彩乃はその両手には相変わらずというのか、本を抱えていた。
「今日も、たくさん借りたんだな・・・」
「・・・うん。蓮見君は・・・何しに来たの・・・?」
「あ、俺は・・・彩乃と話でもしようかなって思ってな・・・」
「そう・・・なんだ・・・」
彩乃はうつむいて何やらごにょごにょと言ってるようだったが小さくて聞き取れにくかった。
「えと・・・とりあえず、図書館では静かにしなくちゃいけないから・・・」
「そうか・・・じゃぁ、とりあえず、図書館を出るか・・・」
「はい・・・」
俺は立ちあがると彩乃と図書館を後にした。
「うっ・・さすがに暑いな・・・外は」
外に出ると、図書館の涼しさは嘘のように外はさきほどよりも照り照っていた。
図書館にいたものだから、その暑さはよけい暑く感じた。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 02:05:33.26 ID:SqlXznhc0
「そうだね・・・。じゃぁ、どこに行こうか・・・」
俺と彩乃はその場で立ち往生してうんうんうなって考えてみたが双方ともいい考えが浮かばなかった。
「ファーストフード店とか、ファミレスとかでもいいんだけど・・・静かなほうがいいか・・・?」
「そう・・・だね・・・。我侭だけど、静かなほうがいいかな・・・」
そうなると・・・あそこしか思いつかないな。
「外で悪いけど、公園でいいか?あそこなら、日陰でしかも、結構涼しいからさ、いいと思うんだけど?」
「うん・・・蓮美君がそう言うなら・・・そこでいいよ・・・」
そういって、彩乃は歩きだそうとした。
「ちょっと待った!」
「え・・・?」
俺は彩乃を呼び止めた。一つ気になることがあったから。
「あのさ、俺たちって友達・・・だろ?だったら、苗字じゃなくて、名前で呼んでくれないか?」
「え、えっと・・・柚木・・・君・・・?」
「そう、それでいいよ」
俺は微笑んで彩乃の隣に並んだ。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 02:06:13.55 ID:SqlXznhc0
「さて、早く行こう。こんな炎天下の中ずっと立ってるのもきついからな・・・」
「あっ・・・うん・・・」
俺たちは再び歩きだした。
この炎天下の中だったが、彩乃の顔はどこか嬉しそうだった。
また、いつかのようにまちまちな会話をしながら歩っていた。でも、そんなことが俺にとって嬉しいものと感じることができた。
そして公園に着くと、さきほどよりもだいぶ涼しく、静かなのでちょうどいい場所だった。
俺はベンチに座ると、手招きをして彩乃を座らせた。
「あぁ、涼しくて静かでいいな・・・」
「そうだね・・・柚木君は・・・その、この公園にはよく来るの?」
「あ・・・?そうだな、結構来るよ」
この公園に来ると心が穏やかになる。
それは、こちらに引っ越してきてすぐにこの公園を見かけたときに感じたままだった。
だから、引っ越してきた日からもう、ここの公園はお気に入りの場所ともなっていた。
「柚木君はこういうところが好きなの・・・?」
「まぁ、静かなところは基本的に好きだよ・・・。図書館は、本がいっぱいあるし、俺には場にそぐわないからあんまり好きじゃないけどな」
「そうなんだ・・・。私も、静かなところは好きだよ・・・」
何となく、俺は気恥ずかしくなって、彩乃と目をそらした。
何となくだけど・・・彩乃のこういうところ好きかもしれないとそう思った。
彩乃は、行動こそ大胆ではないが彩乃の言う言葉は俺の心を揺さぶる、そういう言葉だった。
それに彩乃は日本人離れした顔立ちで、美人というよりは綺麗というそんな感じの顔立ちだった。
だからよけいに俺は彩乃のちょっとしたことに惹かれるのかもしれない。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 02:06:57.99 ID:SqlXznhc0
「よく・・・さ」
「何・・・?」
「ここに来て、考え事とかしてるんだよ・・・。ちょうどいいしさ・・・。今度から彩乃もさここで一緒に和まないか?」
あははっと俺は冗談めかしてそんなことを口走っていた。
「それ・・・いいかもね・・・」
でも、何故だか彩乃は悲しい顔をしていた。
俺は何故だか気になった。でも、そんないきなり聞くのは失礼だし、踏み込んではいけない領域のような気がした。
だから、俺は当たり障りのないことを聞こうとした。
「彩乃ってさ、俺以外の誰とよく遊んだりするんだ?」
「あっ・・・」
彩乃の顔はよけいに沈んでしまい、何かとても言いにくそうだった。
俺は、そんな彩乃とはつゆ知らず、さらに深く入り込んでしまった。
それが彩乃を追い詰めるとは知らずに・・・。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 02:07:49.21 ID:SqlXznhc0
「そういえば、彩乃ってさ、クラスでは本ばかり読んでるけど、クラスの人とは話さないのか?まあ、俺とは話してるけどな」
「あの・・・その・・・私は・・・っ」
彩乃があたふたと何か言いたそうにしているのがわかった俺は、彩乃の雰囲気を感じ取り、冗談めかすのはやめようと思った。
「その・・・私は・・・クラスの人とは・・・あまり、親しくないの・・・っ。柚木君は知らないと思うけど・・・私、クラスの大半には無視・・・されてるから・・・・」
「えっ・・・・?」
俺は耳を疑った。彩乃が無視されてる・・・?どうして・・・?こんなにもいい子が・・・。
それよりもその事実が今のいままで知らなかった自分が情けなかった。
一番近くにいれたと思っていたのに。それただの勘違いだということを思い知らされた。
「その・・・私はさ、クォーターって言ったよね・・・。この瞳と髪の毛の色違うでしょ・・・?」
彩乃話す声は悲しげだった。
「私はね・・・お母さんに似た、この瞳も髪の毛の色も好きなの・・・でも・・・」
ぎりっと歯を強くかみ締める音がこちらまで響いてきそうだった。それほどまでに悔しかったのだろう。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 02:12:12.14 ID:alT3w/pIO
完結するのか?いまどのくらいまで進んだ?エロはある?
しかしよく中学でこんなにも書いたもんだ
たとえ・・・が多くても書けるってのはすごいな
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 02:22:52.09 ID:alT3w/pIO
月島雫だって書いてたよ
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 03:09:51.47 ID:SqlXznhc0
規制テスト
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 03:10:52.35 ID:SqlXznhc0
「その、クラスのみんなはね・・・。この瞳と紙の毛の色・・・気に入らないみたい・・・なんだ・・・。
でもね、私はちゃんと説明したんだ・・・。でも、それでもダメだった・・・。どんなに・・・どんなに説得しても・・・誰も私を聞き入れてくれなかった・・・」
次第に彩乃の瞳からは涙が溢れていて、その声もだんだんとかすれてきた。
「だから、私は本を読んでるんだ・・・。最初は好きじゃなかった・・・。本当は、みんなと遊びたかった・・・。
でも、外国以外で、私とまともに話してくれる人なんて、柚木君以外・・・いなかった・・・」
はぁっとため息をつくと彩乃は俺を眼前に捕らえるとにこっと涙を流しながら微笑んだ。
「だからね・・・私は本という空想の世界にしか逃げるしかなかった・・・。そこはね、慣れてくるととても気持ちのいい世界なんだ・・・
でもね、私しか意志がないから・・・それは本当に寂しい世界だったんだよ・・・・。
でも・・・ね、柚木君が、手を差し伸べてくれたから・・・。私は寂しいって思うことが少なくなってきたんだよ・・・・」
彩乃は決心したかのように、うなづいた。
「だから私は・・・そんな柚木君とは、ずっと・・・ずっと友達でいたいって思うし・・・それに・・・っ」
一瞬間を置いて、彩乃は言った。
「それに・・・多分、柚木君のこと・・・」
彩乃は首を横に振って
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 03:11:32.64 ID:SqlXznhc0
「ううん、何でもない・・・。ずっと友達でいて・・・くれるよね・・・・?」
「あ、あぁ・・・」
俺はただうなづくことしかできなかった。
彩乃の言いたいことがわかってしまったから・・・。
「ありがと・・・。私はもう、帰らなきゃいけないから・・・・じゃぁね・・・・」
「あぁ・・・・じゃぁな・・・・」
俺はただ彩乃を見送るしかできなかった。
何も言ってやることはできないし、それに彩乃は何も望んでいないはずだから。
そう、ただ俺と友達としているということ以外。
それに・・・どうすればいいんだ・・・俺は。
二人の少女の答えを聞いた俺はどうするべきなのかよけいにわからなくなっていった。
多分、振り続ける雨はより一層激しさを増したばかりなのかもしれない。
ちょうど、今のような夕立のように。
ザアアァー
今日も、夜遅くまで雨は降り続いた。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 03:12:13.22 ID:SqlXznhc0
完結はしている
ただエロはない
規制ついてて書き込みできなかった
一旦家に帰るからID変わるわ
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 03:16:32.42 ID:alT3w/pIO
べつに私は出版関係の者ではないんですけど、よかったらお答えください。
自分でこの作品を面白いと思いますか?
見所をひとつかふたつ、教えてもらえますか?
>>79 >>1だけど
当時書きたいと思ったものを書いたんだと思う
今見るとただの恥ずかしい作品だなっとは思った
ネタになると思って投下しただけだからな
見所は・・・支離滅裂な恥ずかしい文章を読んで死にたくなるところ、くらいしかおもいつかねえwww
第九章
あれから眠りに就いたのはいいけど俺は寝付けなく、俺は何度も目を覚ましていた。
時計を見るとまだ3時。あたりはまだ薄暗く、肌寒い感じがした。
外に出ると、さっきまで振っていた雨が嘘のように、漆黒の空に星がきらきらと瞬いていて、幻想的だった。
その星を見ているとどこか吸い込まれそうな感じだった。
しばらく、その星を眺めたあといくあてもなくただぶらぶらと公園に歩いていったのだった。
そうして公園に着いた俺はベンチに腰掛けた。
辺りは昼間と同じく、人はいないが、昼間とは違う、どこか寂しげな感じが不気味に思えた。
「はぁ・・・こんなにも星は綺麗だって言うのにな・・・」
本当に綺麗であり、また、それらは誰かしらの心の中のように輝きまぶしかった。
そんな儚く光り続けているその星は俺にとってまぶしいくらいだった。
今の俺はそんな星にさえ、かき消されてしまうほど、弱く映った。
俺はどうしたいのだろう。
ただ、その考えが最近、ずっと頭の中から離れなかった。
どちらかを選べないのではなく、選べられるものでもない。
でも、そう。決めなければいけない。
自分に決着をつけるという意味では。
いったいどれほどの時が経ったのだろうか。
あの輝いていた星たちはだんだんと見えなくなり始めていた。
そして、うっすらと青みがかかる空が見えてきた。
でも俺はまだ立ち尽くしたままで
まだ、何もせずに座り込んでいた。
それは、歩くことを諦めてしまったかのように。
でも、そうじゃない。
ただ、座っているのは
諦めたわけじゃない。
この胸の中にうずまく、心の葛藤を見つめているだけ。
でもやっぱりただ座っているだけかもしれない。
俺はまだ全然、あれからただ考えるだけで何も結論などでていなかったのだから。
アパートに戻って、部屋に入り布団にまた潜った。
何も考えたくはないし
もうどうせ結論など出るはずもなかった。
だって俺は二人とも好きなのだから――――
目を覚ますともう、時計は昼をまわっていた。
身体がだるいのは最近よく眠れないからだろう。
だいぶ、自分の身体にも負担がかかってきてることがわかった。
どちらも大切でどちらも好き。
その思いは消したくなかった。
でも、それは彼女たちにも、俺にも悪いとわかっている。
それに、彼女たちを傷つけてしまう一番の原因はやはり、こういうことなのだから。
だから俺は決めたんだ。
まだ、迷いはある。
でもいつまでもそう悩んでもいられない。
だからもう、迷わないんだ。
あの人にもらった勇気を。
かの人にもらった決意を。
俺は思い出したから。
俺はバカだ。
多分世界一のバカなんだと思う。
それと同時に自分でもうらやむくらいの幸せものなんだって思えた。
俺の中にいた人はあの人だったから。
だから俺はもう進むだけ。
そのために今日は長い眠りを。
安らかに眠りを。
永遠に欲するように。
ただ、眠りたかった――――
どうか
このまま
ユメで終わればいいのにと
心の奥底では願ったのかもしれなかった。
第十章
俺は気づいた。
本当に誰が好きなのかを。
気づいたというよりは、決意したと言ったほうが良いけどでも確かに好きだと言える。
今まで決められなかった理由。
それはどちらも失いたくはないという自分の弱さだった。
でもあの人にもらった勇気で。
かの人にもらった決意で。
どうにか断ち切ることができたし、何となくだけど、自分の気持ちをちゃんと考えることができるようになった。
それは、自分の力だけじゃなく。
それは、俺自身の強さだけでもなく。
そう、これはあの人とかの人の強さでもある。
それは多分もう決まっていたんだ。最初から。
でもまだ、決意が鈍るところがある。
本当にこの決意でいいのかどうか。
もし、『間違い』だったとしてもそれは俺にとっては『正解』だし、俺は絶対に『正解』だと信じてるから。
あの人に、伝えられた思いも俺にはあるから。
今度は俺が伝える番だった。
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 03:30:16.40 ID:N9dBf+FY0
「でも・・・どうやって言うべきなんだろうな・・・」
俺は告白というものに慣れていないせいじゃなく、いや、慣れていないのだろうけどどんな顔して言えばいいのかわからない。
多分今、告白したところでこんな曇った顔見せられない。
だから俺はあの人を呼び出す前に一つ、決着をつけることに決めた。
「それにしても、何だか、これから告白するみたいに緊張するな・・・」
俺は別にこれから告白をするわけでもないのに関わらず、緊張していた。
緊張すると言えば当然なのだろう。
だって、かつては好きと思える相手と会うのだから。
今と多分どこかで好きで、会ってしまえば決意が崩れそうになるかもしれない。
でも、それでも乗り越えられたら俺は本当に決意できたと胸を張って言えるに違いなかった。
「柚木君、ごめんね・・・遅くなって・・・」
「あぁ、いいよ。こっちは気軽に待ってたからさ」
ようやく、目的の相手は来た。
「ここに入るのちょっと緊張しちゃって・・・私って、こういう店あんまり来なくて・・・」
「へぇ、そうなんだ。俺はよく来るんだけどな・・・。あ、もしかして、騒がしいからあんまり好きじゃないとか?」
「うん・・・ちょっとね・・・」
彼女は、肩をすくめてそう答えた。
彼女・・・彩乃が騒がしいところはあまり好きじゃないということは予測できたけど、
待ち合わせ場所を外にするのは暑いしかといってすでに目的の場所に待ち合わせてしまったら、
そこまで行く間の会話がなくなってしまうため嫌だった。
俺は、その目的の場所ではもう、決意したことしか話さないともう、決めていたから、だから俺は敢えてこの場所を選んだ。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 03:31:52.71 ID:N9dBf+FY0
「彩乃は・・・昼食べたのか?」
「あ、ううん・・・食べてない・・・」
「じゃぁ、ここで食べるか・・・?」
「うん・・・でも、何食べていいかわからない・・・」
「う〜ん、よし、じゃぁオードソックスにハンバーガーで」
「うん、それでいいよ・・・」
俺は席を立つと、ハンバーガー二つとポテトなどを注文して、席に戻った。
「買ってこなかったの・・・?」
「注文してきたんだよ。ここじゃ、中で食べるときはちゃんと持ってきてくれるんだぞ?」
「そうなんだ・・・ここでは、自分で持ってくるのかと思ってた・・・」
彩乃はしきりにめずらしそうに店内をあちこちと見回していた。
「彩乃、そんなに店内がめずらしいのか?」
「うん・・・入ったことなかったから・・・こんな感じなんだって」
「彩乃は外食とかはしないのか?」
「するよ・・・でも、レストランとかそういうのしか行かないの」
「でも、ファミレスだって同じ感じだろ?」
「私は、ファミレスとか行ったことないから・・・」
「じゃぁ、レストランって・・・」
俺は、レストランといえば、ファミレスという等式が成り立つ中、彩乃のいうレストランとは異なりそうだった。
実は彩乃って・・・・。
そうこうしてるうちに注文のものが届いた。
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 03:33:12.35 ID:N9dBf+FY0
「ほら、これがハンバーガーだぞ」
「それくらい、知ってる・・・。こういうところでは食べたことないだけで、食べたことはあるもん・・・」
彩乃は膨れた感じで、むっと怒ると俺から奪うようにハンバーガーを取った。
そして、ゆっくりと包みを開けると、上品というよりは、のんびりした様子で食べていた。
俺は彩乃に合わせる感じで、彩乃の食べる姿を鑑賞しながら食べていた。
何となく、何となくだけど、こういうのも悪くはないと思ってしまった。
その後、俺たちは食べ終わったあと、店を出て、目的地のあの公園へと向かっていった。
俺は何となく、あの公園が一番いいと思い、最初からあそこでつげると決意していた。
何故だか、あの公園だと気持ちが落ち着けてちゃんと伝えられる。そんな気がした。
今日も、暑いけどこうして一人ではなく二人で話しながら歩いているといつもよりは涼しく感じた。
「柚木君、これからどこに行くの?」
「あの公園に行こうと思ってるんだけどいいか?」
「私はかまわないよ・・・あの公園好きだから・・・」
「それは、良かったよ」
今日は色々と話した。
いつもは途切れ途切れの会話が絶えずに。
それはこれから、大切なことを話すのにごまかそうとするように。
互いに。
そして公園に着いた。
俺はふぅっと息とついた。
着いてしまったという気持ちが多いのだろう。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 03:34:00.41 ID:N9dBf+FY0
「とりあえずさ、座ろうか」
焦りを隠すために座ることにした。
ここに来たら、もう、後には引けない。
けどそんな臆することじゃない。
普通のことなんだから。
でも、その言葉を言ってしまったら何故か、後悔してしまうかもしれないと考えてしまった。
「やっぱり、ここはさ、涼しいよな。なのに、何で誰も来ないんだろうな」
本当に静かだった。あるのは、風で鳴る、葉の擦れ合う音だけ。ここはとても幻想的な場所だ。住宅街の中にあるにも関わらず。
「最近は、みんな公園で遊ばないから。それに夏だし・・・家の中でエアコンかけて涼んでるはずだよ・・・」
確かに最近は家にはエアコンがあるのは当たり前で、そこで涼んでいるという可能性もあった。
というよりもそれしか考えられるのはなかった。
「俺が子供の頃は外で遊んだんだけどな・・・」
「そうなんだ・・・。私は遊んだことないや・・・」
「あっ・・・」
そうだった。
彩乃は確かいじめられてて、遊んだことがないんだっけかな。
俺はこういう時、どんな顔すればいいのかわからない。
よくいうのは、気にしないようにするっていうのがあったけど、俺は気にしてしまう。
「別にね、気にしないで。私には、お母さんとお父さんがいたから。今は、少し忙しくてどっちもいないけど・・・
昔は、私のために遊んでくれたから、乏しい子供時代を送ったってわけじゃないんだよ?」
ガンガレ
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 04:04:52.87 ID:N9dBf+FY0
俺のためにか、必死で説明してくれている姿があった。
何とも、それが嬉しかった。
それで俺は決心した。
ずっと『友達』でいようって。
「なぁ、彩乃・・・」
「んっ・・・?」
ささぁっと、葉の擦れ合う音が聞こえる。
妙にヒグラシの声もうるさく聞こえる。
俺の額からはうっすらと汗がにじみ出る。
咽もからからで。
目眩もかすかにする。
深呼吸をひとつ。
そして俺は言った―――――
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 04:06:09.77 ID:N9dBf+FY0
「俺たち、ずっと友達でいられるよな」
「・・・うん」
一瞬、音は全てなくなったように思った。
けど、すぐに音は聞こえ、時は流れた。
言ってしまった。
その事実が今、目の前にあった。
「あ、あの、ごめんね。私、これから家に帰って色々しないと・・・」
「あ、あぁ、もう夕方だしな・・・」
「うん、だから・・・じゃぁ・・・」
彩乃は俺に背中を向け、ゆっくりとゆっくりと歩きだした。
俺も反対側を向いた。
そしてまた、俺も彩乃と向かった出口とは反対の方向へと歩いた。
でも俺は立ち止まった。
くるりと、向きを戻すと彩乃のほうを見た。
もう、いない。
本当は・・・好きだったのかもしれない。
大好きだったのかもしれない。
「俺は・・・うっ・・・」
俺は、嗚咽を漏らし、泣いた。
久しぶりに泣いた。
何のために泣いたのかわからない。
止めようとしても止めどなく流れる涙だった。
でも、それでも、この空は雲一つなく晴れていた。
もう、曇るものはなにも残されてはいなかった。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 04:07:49.82 ID:N9dBf+FY0
第十一章
外は晴れやかな天気だった。
それは自分の心を象徴するものなのだろうか。
確かに心の中はすっきりとしたそんな気分だった。
けれども俺は後悔をしているのかもしれない。
もう後には戻れない。
これが正しい選択なのかどうか俺には知る由もない。
だから後悔してるのかもしれない。
二人を好きになってしまったということに俺は自分自身に苛立ったいた。
しかしそんなことをしても何も変わらない。
だから俺はもうとことん自己中になろうと決意した。
俺がしたいようにすると。
たとえ、自分にとって悲惨な結果になってしまおうと残された道は、自分のやりたい道はこれしかないのだから。
「とは言ったものの、どうすればいいんだろうな・・・」
俺は昨日と同じようにして人を待っていた。
来てくれるのだろうか?
いや、来てくれると信じるしかないだろう。
もし来てくれなかったとしても今日だけじゃない。
明日だってあるし明後日だって。
ずっと待ち続ける。彼女が耐えてきたように。
俺の優柔不断で彼女を傷つけてしまったことに俺は後悔してるから。
だからずっと待つと決めた。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 04:08:30.67 ID:N9dBf+FY0
「だけど、何で俺ってこう重要な日だと早く来るんだろうな。どうでもいい遊びに行く日とか遅いし。普通は逆なんじゃないか・・・?」
こっちのほうが都合がいいのだけど、普通よくあるパターンとしては後者なのではないだろうか。
こんな日だと帰ってマイナスの方向へと考えせざるをえないくなる。
それにこの待っている時間がとてももどかしく感じられ嫌だった。
約束の時間まであと30分。
まだまだ時間はある。
何してるんだろうな・・・と窓の外の雲を眺めていた。
「はぁ・・・」
「ため息なんかついてどうしたんですか?」
「うわっ」
突然の声に俺はびっくりしてしまった。
だって誰も声をかけるとは思わないだろ?いや、いるかもしれないが普通は予測はしないと思う。
それに予想外というかまだ予定よりもだいぶ早い時間にもかかわらずにこの待っている相手は来たのだ。
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 04:09:15.98 ID:N9dBf+FY0
「秋奈・・・結構早かったんだな・・・」
俺は正直この時あまり良い顔は決してしていなかったと思う。
だけどこの秋奈の顔を見ると少し安心できるそんな感じだった。
自然と微笑むことができた自分に驚いた。
絶対に良い顔はできない思ったのに。
この子はすごい力を持ってるのだなと思えた。
知らず知らずのうちにこんなにも惹かれていることにも俺は驚かずにはいられない。
それにこの子は先刻あんなことがあったにもかからわずにこんな笑顔ができるなんて思いもしなかった。
「はい、早く来ることはもう常識ですよ?」
「それって当然のことなのか?」
「はい、そりゃもちろんですよ」
得意気に話す秋奈を横目に俺はこれから秋奈よりは早めに来ようと心に刻み込んだ。
「で、柚木さん。これからどこに行くんですか?」
「いや、特には決めてないけど・・・」
えぇーという甲高い非難の声がファースト店の中に響いた。
お願いだからなるべく注目をあびるようなことはしないで欲しかった。
でも、これは俺が悪いのだろうか?
3点リーダが中黒な時点で
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 04:11:14.49 ID:N9dBf+FY0
「自分から、しかも久しぶりに誘っておいて・・・それはないですよぉ・・・・」
元気いっぱいだった秋奈はしおれた花みたいにへなへなと倒れこむように椅子に座り込んだ。
子供がせっかく遊園地に行く約束してたのに駄目になったようなそんな感じに。
「はぁ〜ぁ・・・せっかく遊びに行けると思ったのに・・・遊びに行けなくはないですけど・・・」
非難がましい目でこっちを見ている。
周りのお客もさきほどの大声とオーバーアクションな秋奈の行動に今も見ている。
これでは何だか一方的に俺が悪いようなそんな感じになっている。
何だか居た堪れない雰囲気だけど別に関係ない。
「・・・こうして、居れるだけでいいしな・・・」
ぼそぼそっと秋奈に聞こえるか聞こえないかの声で。
えっ?と頭に疑問符をつけたかのように俺の顔を覗き込む。
「今、何て言ったんですか・・・?」
ちゃんとは聞こえなかったのだろうけどかすかに聞こえていたのか、心なしか秋奈の顔は少し赤みかかっていた。
それにもう一回言えって言われても恥ずかしくて言えない。
秋奈の顔を目の前にしてなら尚更に。
秋奈に聞かれないようにそしてさりげなく伝わるように言うのが目的なのだから。
「とにかく、どこか歩こう。歩いてるだけでも楽しめるだろ?ちょうど店も開き始める頃だからさ」
席を立ち強引に秋奈の手を引っ張る。
少し戸惑い気味の秋奈をよそにおれはぐいぐいと外へ出る。
こんなにも青い空が広がってるのだから外へ行かなきゃ損である。
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 04:14:29.26 ID:N9dBf+FY0
「それよりも、柚木さん。さっきのって何なんですかー?」
「さっきのって、何?」
しらばっくれた。もう、途方にもないくらいに。
「もう・・・ですよ・・・」
はぁっとため息をつく秋奈だったが、次の瞬間にはもう笑顔で満ちている顔があった。
これで良かったんだってかすかにだけど自信が持てるになってきたのだった。
外へ出ると活気が溢れていた。
たくさんの人たちで街は溢れててどこもかしこも人。
さすがに夏休みになると人は多いものだと関心してしまう。
店内に入ろうにも人が多すぎて入れないという状況のところがほとんどだったので本当のウィンドウショッピングとなってしまったのは言うまでないくらいだった。
「あの、柚木さん。つまらなくありません?」
「いや、別につまらなくはないけど・・・?」
そうですかと、ぽつりこぼすとうつむいてしまった。
俺、楽しそうにしてなかったかな。
ちゃんと相槌とかうっていたし、ちゃんと楽しそうに。いや、心から楽しんだりしたけれど。
秋奈がさきほど聞いてきたそれは秋奈が俺に対するいたわりなのかもしれないと気づいた。
「まったく、俺は俺自身楽しんでるんだからさ別に気にすることはない」
「ですけど・・・普通、こんなのじゃ楽しいはずなんか・・・」
ペシっと秋奈の額をたたくとあぅと悲鳴をあげ軽くやったはずだから痛くはないはずなのだけれど演技なのか叩かれたところをさすっていた。
「す、すみません。でもですよ・・・?」
「でもも、何もない。俺はさ、秋奈と話してるだけでも楽しいんだ。秋奈以外だったらこんなウィンドウショッピングなんて楽しくはないさ・・・」
「えっ・・・」
それから秋奈は終始無言。ってわけじゃないけれど、口数は少なくなっていた。
楽しい時間はすぐに過ぎてしまうというのは本当らしくただブラブラと話してウィンドウショッピングをしていただけなのにいつの間にかもうお昼を過ぎていた。
本当、秋奈といると時間の感覚を忘れてしまいそうになる。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 04:16:21.56 ID:N9dBf+FY0
「もう、昼を回ったんだな・・・。しかし早いよな時間が過ぎるのって」
「そうですね・・・確かに今日は早く感じたかもしれません」
「あぁ、本当に。楽しい時間は早く過ぎるってあれは本当なのかもな・・・」
「はい・・・私は柚木さんと居たからだと思います・・・」
「秋奈・・・」
熱く潤わせているその瞳に俺はどきっとするものを感じた。
この雰囲気は何とも心地よいものだけれど苦手なものを感じた。
どう対応すればいいかわからない。
こんな経験は初めてだし。
「秋奈・・・俺は・・・」
ごくりと唾を飲む音がすごく鮮明に聞こえた。
言うなら今しかない。
けれどこんな場所では言いづらいのもある。
うまい具合に静かな場所という展開にはならないみたいだ。
なったらそんなには苦労はしないのが現実。
「秋奈、ちょっともうちょっとだけ歩こう・・・」
「あ、はい・・・良いですけど・・・」
秋奈は不思議がって俺のほうを向いた。
確かにいきなり脈絡もなしに歩こうと言われても困るだろう。
それでも構わず歩きたかった。
できればあの場所で。
そう、あの公園で。
あそこは俺の決意を固めてくれるから、俺のこの弱い意志を。
それにあそこは不思議と何故か誰も近寄らない不思議な場所。
だから昼間でも静かだからちょうどいい場所なのだ。
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 04:18:04.42 ID:E7QQyFT9O
せめて3点リーダにしろよ
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 04:18:36.91 ID:N9dBf+FY0
「よし、着いた・・・」
本当にこの場所はいい。
風も吹いてるいるし。
何て心地よい場所なのだろうか。
俺にとっての最良の場所だ。
「ここで何するんですか・・・?」
「まぁ、とにかく座ろう」
俺は秋奈を手招きして隣に座らせた。
「俺さ、ここ最近ずっと悩んでいたんだ・・・」
「え、どういうことですか・・・?」
秋奈のほうへ向きふっと笑いをこぼした。
そうでもしないとこの胸が押しつぶされそうな気がしたから。
秋奈の顔を見て少し元気が出たような気がした。
これで少し勇気が出たかもしれない。
公園という場所と秋奈という強い存在をうけて俺は今ここにいる。
「俺は・・・この数日ずっと悩んでいたんだ・・・。秋奈を苦しめてたこととかさ・・・」
その後、俺は今まであったことを鮮明に話した。
包み隠さずに。
本当は内緒にしていればいいことなのだろうけれど、俺には内緒にしてこのまま秋奈と付き合うとかそういうことはできなそうになかったし、秋奈に悪いという気持ちがあったから話す決心をしたのだ。
秋奈は神妙そうに話を聞き、ときおり相槌をうち、それでも黙って俺の言葉に耳を傾けててくれた。
本当は苦しいのだろう。
もう、聞きたくないのであろう。
それでもちゃんと耳を傾けてくれるその秋奈に姿勢に俺は涙ぐんだ。
秋奈が泣いていないのに俺が泣くわけにはいかないので我慢した。
本当にありがたいと、心の支えとなってくれてるとこのときに本当に実感できた。
最後のほうには泣いていたかもしれない。
けど、全部言いたいことは言えた。
秋奈も聞いてくれた。
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 04:19:40.90 ID:N9dBf+FY0
「最後に・・・聞いてくれ、秋奈・・・」
目じりから零れ落ちる涙でもう目の前は何も見えなかった。
「もう、いいです・・・柚木さん・・・」
不意に眼前に迫る黒い影に気づいた俺だが目の前が見えなかったせいか避けられなかった。
そう思ったときに微かに唇に何か触れたような気がした。
それはとてもやわらかくて、優しいもの。
俺はそれがなんなのか理解する前にもう秋奈を抱きしめていた。
「こんな・・・俺でも許してくれるのか・・・?」
「はい・・・いいです。だって私も・・・っ」
ぎゅっと強く抱きしめた。
そこには何も言葉などいらぬように――――
ただ、そう。
明日から更に暑くはなりそうだったのは多分気のせいじゃないと思う。
ガンガレ
秋月秋奈てどんだけオータムガールよ
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 08:09:11.10 ID:Fppnwdx20
スキャンしてzipをだな
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 08:50:37.65 ID:N9dBf+FY0
悪い寝てた さて投下していくか
規制かかりすぎw
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 08:51:17.78 ID:N9dBf+FY0
第十二章
最近、秋奈と一緒に遊びに出かけていた。
あの後からもちょくちょくと遊びに出かけていたから今日は別に特別とかそんなものじゃない。
ごくありふれた午後の休日。
そんなありふれた日が俺にとってとても大切で幸せだった。
これが一生続くのかとずっと信じてやまなかった。
そして今日もまた、他愛のない一日が始まる。
朝、寝ぼけている頭を無理やり起こして思いっきり背伸びをした。
気持ちのいい朝だ。ほんと、ここ数日はちゃんと寝れてなかったし、朝の目覚めも悪かったけれど今日はすこぶる気分がいい。
これもちゃんと答えを見つけたからだろうか。
秋奈を苦しませていないという事実もあるからかもしれない。
ただ、一つ気になるのは彩乃・・・。俺は彼女を突き放してしまったのかもしれない。けれど、まだ友達という領域で踏み込めるのでどうにかなるだろうと俺は高をくくった。
悩むことはたくさんあるかもしれない。
けれどそれは今までに比べるとはるかに楽だと思う。
もうはっきりとしたものが、あるのだから。
時計を見る。
少しやばい時間帯かもしれない。
いや、待ち合わせの時間には余裕で間に合うと思う。
けど、この前に心に決めたことを早くも挫折するという事態に訪れている。
これまでは何とか俺のほうが早く着いていたがそれでもぎりぎりという結果が多かった。
それというのも、秋奈も対抗してきて今では1時間前は常になっていた。
一時間前というのはさすがにということで一応収集をつけたもののそれでもやはりまだどちrたが早く着てるかを競うようになっていた。
今日は遅刻かなとぼやきながら支度をすばやく終わらせて家を出て行ったのである。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 08:51:58.19 ID:N9dBf+FY0
「はぁ、はぁ・・・」
息を切らせて待ち合わせ場所に来たときにはもう秋奈は着いていた。
どこか勝ち誇った顔で嬉しそうにしていた。
久しぶりに秋奈が先に来たからだと思う。
面白くはなかったが秋奈の顔を見ているとそんなこと、どうでもよくなってくるのも事実だった。
「今日は私の勝ちですね。どうですか、これが私の実力です」
自信満々に胸を張っていた。
子供か、秋奈は。と少々呆れ気味に苦笑を浮かべた。
でも、微笑ましいとも思える。こんな純粋というか、子供?な子はそうそういるもんじゃない。
一緒にいて疲れないし、逆に疲れが取れるのかもしれない。
「今日はどこに行く予定なんですか?」
今日は俺に考えがあると先日秋奈に言っておいたのだ。
別にいつも目的を決めてるわけじゃないけれど今日は新聞の勧誘のときにもらっておいた遊園地の入場券をもらっていた。
入場券だけ、乗車券は別に取られるので行くのをためらったけれど、秋奈を喜ばせてやりたいという気持ちが勝ってしまったのだ。
今月の財布の中身は多分、恐ろしいことになるかもしれない。
「実は、ここに遊園地の入場券があるんだ。ここから少し遠いけどそこでいいか?」
「あ、はい。別にかまいませんよ。でも遊園地ですか。すっごく久しぶりな感じがします。昔両親に連れて行ってもらったきりですよ」
ふふっと笑いをこぼす秋奈はどこか嬉しそうな面持ちをしていた。
そしてさりげなく、俺の手を握った。
恥ずかしいからやめて欲しいと思う反面に嬉しく、俺からも握り返した。
こういうのを多分バカップルとかなんとか言うのかなと内心つぶやく。
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 08:52:40.80 ID:N9dBf+FY0
「じゃぁ、バスに乗るぞ」
「はい!」
秋奈の声が気持ちよく響いていた。
バスに揺られること数十分。
途中、早く起きすぎたのか秋奈はすぅすぅと寝息を立てて寝てしまった。
前にこんなことあった気がする。
いたずらで鼻をつまんだりしていた。
苦しそうに息をする秋奈。
そして、手を離すとまたすぅすぅと寝息を立てる。
その仕草を何度も繰り返し楽しんでいた。
俺も眠くなってきたが俺も寝てしまっては乗り過ごしてしまう可能性があるために俺は寝れないでいた。
ようやく目的地に着いた頃には半分俺は寝てて危うく乗り過ごしそうだったのは言うまでもなかった。
「本当に寝ちゃってすみませんでした・・・」
「いいって、気にすることないよ」
さきほどから秋奈も謝ってばっかりだ。確かこんなことも前にあったような。
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 08:55:13.63 ID:N9dBf+FY0
「もう、本当にいいよ。まったく、秋奈は謝ってばっかりだな。前にもこんなことあったろ?」
「でも、本当に悪いって思ってますし・・・」
意外に秋奈も頑固なところがある。
うん、じゃあ何か罰を与えてやればいいのか?
とは言ったものの何をさせようか。
・・・何も思いつかなかったりするしな。
辺りを見回すと人はあまり見られない。
というのも、遊園地の周辺は街中ではなく、郊外の農村に作ったところなのだ。
だから遊園地以外はそれほど人はいない。
バス停のところは人はいるものの。
それだから俺は少し邪まなことを思いついた。
だって今まで一回だけだぜ?
まぁ秋奈だからと我慢していたけれど俺も一応は健全な男であるから。
そういうわけで適当な罰を思いついた俺の顔は多分にやけているのだろうなと心で苦笑する。
「じゃぁさ、秋奈。悪かったと思うなら少しだけ目をつぶってくれないか?」
「えっ、な、何でですか・・・?」
少し困った顔を浮かべ愛想笑いなのか少しあははと声を漏らしていた。
それでも俺は強制的ではないけれど少し強引に秋奈の目をつぶらせるとそっと軽く口付けをした。
恥ずかしくなった俺はすばやく秋奈と離れると先に歩き始めた。
最初の数レス読んだけど、俺が中学の時に書いた小説よりはるかにまし
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 08:56:50.81 ID:N9dBf+FY0
「ちょっと待ってくださいよ・・・」
秋奈がとことことついてくる。
その顔は多分赤いのに違いないだろう。
秋奈は黙って俺の手を取り繋ぐとえっちなんですからと一言。
「でも・・・少し嬉しかったです」
秋奈がうつむきながら恥ずかしそうに言うので俺は更に全身が熱くなるのを感じたのだった。
遊園地の中に入るとどれだけ人がいるんだと思わせるほどに溢れかえっている。
親子連れ、カップルなどさまざまな人たちがいる。
俺たちもその中の一人なのだけど。
「うわーすごい、すごいです」
瞳を輝かせてはしゃいでいた。
「そんなに嬉しいのか。そんなにはしゃいで」
「だって遊園地ですよ?」
いや、わかるけど。
秋奈ほど喜ぶのはせいぜい小学生なくらいなものだろう。
俺はどちらかというと冷めていたほうなので小学校高学年ですでにそういう感動などなくなっていた。
その感動を秋奈は感じることができる素直さに羨ましくもほほえましくも感じ取れた。
「人が本当にいっぱいだよな・・・」
「そうですね、夏休みだけあって多いです・・・」
何に乗るにしてもかなりの時間が必要に思えた。
俺は気が重くなった。
だけど秋奈と一緒ならまた、並んでる時間でも楽しめるのだろうなとどこか思っていた。
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 08:59:29.42 ID:N9dBf+FY0
それから俺たちは乗り物に乗ることにしたのだけれども、やはり長時間待つことを強いられた。
けれど、その待ち時間でも楽しくすごすことができた。
多分、それははたから見れば、バカップルに見えてしまいそうなのだけれど、俺たちが楽しいのだからいいだろう。
何だか主観と客観の違いなんだろうなと思い少しおかしくなった。
他人のバカップルぶりには頭に来るのだけど自分たちではどうでもよくなる。どうでもよくないのだけれど、客観的立場よりはものすごくどうでもいいようになるようだ。
俺たちはまず、定番中の定番、ジェットコースターに乗ることにした。
俺はどっちかというと、こういうもののほうが好きだしどうせならと思ったのだけど、秋奈が怖がっていた。しかし俺は秋奈の言葉を耳に入れず、無理やりジェットコースターにつき合わせた。
そのジェットコースターはこの遊園地の目玉でありまた雑誌でも紹介されるくらい有名なので、案の定怖いじゃ済まされないくらいのものだった。
ジェットコースターから降りた俺ですらもう、足元はふらふらで気持ち悪かったがそれよりも秋奈がぶるぶると地面に座り込んでしまうくらいのものだった。
これは悪かったなと少し反省したけれど、それからも絶叫系を制覇するべく秋奈を付き合わせた。
そのたびに嫌ですと首を横に振るのだけど、その抵抗も虚しくというよりは仕方ないという風に付き合ってくれていた。
ところどころには秋奈が乗りたいものもちゃんと行った。
けど、秋奈は精神的に子供なのか、それとも女の子ならこういうものが好きなのか、メリーゴーランドなどどこかメルヘンチックなものに乗りたがった。
俺は恥ずかしくて一緒に乗ることは避けたかったけれど俺もここは仕方ないと思い一緒に乗ったりした。
そんな風にして俺たちはどんどん幸せな思い出を心に刻みつけていった。
そんなことをしているとあっという間に日が暮れてしまっていた。
最後に俺たちは観覧車に乗ることにした。
これこそ恋人たちが乗る最後の乗り物だろうと俺の頭のなかで決まっていた。
秋奈にも異存はなかったから迷わず乗ることにした。
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 09:02:12.27 ID:N9dBf+FY0
もう、観覧車に乗り込むときには二人ともクタクタに疲れ果てていた。
夕日が差し込むこの観覧車の中はとても幻想的にも見え、また、秋奈がどことなくいつもより大人っぽく見えるのはどうしてだろうか?
それはこの夕日の魔力によるものなのか、それとも秋奈がもとからこんなにも大人っぽかったのか。
多分前者だと思うけれど、本当に今の秋奈はいつもと違って大人っぽく俺の心をよりいっそうどきりとさせるものがあった。
俺はばくばくいう心臓を抑えながらどうにか平常心を保とうとするが何故かどうにもできなかった。
しきりに何か話そうとするが何も話せなくなり下を向くばかり。
秋奈はというとよく様子を見れなかったからなんともいえないが疲れて話しかけてくるという気の利いたことはできなそうだった。
仕方なしに俺のほうから話題を作らなきゃいけない。けれども、全然そんなことはできそうにもなかった。
不意に観覧車はもう半分を過ぎようとちょうど頂上まで到達しようとしていた。
何のために観覧車に乗ったかわからない。しかし、この幻想的な空間では何も話せなくなって当たり前だと思う。
こんなにも大人っぽい秋奈はいつもとギャップがありすぎるのだから。
俺は顔を上げ、秋奈をほうを向いた。
一瞬、俺の中に何か走るものを感じた。
それを衝動と呼ぶものなのか知らない。
けど、俺は次の瞬間、ほんの一瞬だけれども強く秋奈を抱きしめていた。
ガタっと少し揺れる観覧車。
驚く秋奈の顔が見える。
この時間はどれほどだったのだろうか。
一秒かもしれない。
一分かもしれない。
俺にはもう何もかもがわからなく、ただ秋奈を強く抱きしめていた。
もう、二度と秋奈と会えないようなそんな予感が頭の中をよぎってしまったから。
涙があふれそうになるこの気持ちになったから。
これは多分、この幻想的な世界のせいだと責任転嫁をしてしまいそうになる。
そして、俺は秋奈を離すとまた、同じように黙って座り込んだ。
何がしたかったのかわからない俺は困惑している。
何故あんなことをしたのか。
自問自答を繰り返すほか何もなかった。
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 09:04:20.81 ID:N9dBf+FY0
「えっと、柚木さん・・・?どうしたんですか、突然・・・」
「・・・いや・・・」
ただ、一言そんなことしか言えなかった。
今この胸の中にある思いは不安以外の何もなかった。
「もう、本当柚木さんってえっちなんですね・・・」
そんなのんきなことを秋奈が言うのだった。
俺はふっと笑みをこぼすとほんの少しだけ胸が軽くなった。
これも秋奈の不思議な力なのだろうか。
「悪かったな、えっちで・・・」
少しふてくされた口調で。
秋奈もどこか幸せそうに笑う。
でも、嬉しいですとこぼす秋奈。
本当に幸せだ。
本当に・・・。
だからお願いします。
どうか、この幸せを永遠に――――――
俺たちはそのあと疲れるなかバスに揺られて街に戻ってきた。
危うく寝過ごすところだったけれど街でそのバスは終点なので助かった。
もし終点じゃなかったらどこの街に行くのやら。
そんなわけで今日はとても楽しく有意義な一日だった。
しかし、俺の目的はまだ終わってはいない。・・・はずだ。
そう、今日俺は、秋奈をこれから自分の家に誘おうという計画を実行しようとしていた。
俺も健全な男子ですよ?ここで誘わなかったら次の機会は海の果てより遠し。例えがわかりづらいけれど。
とにかく、俺は誘う。
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 09:05:14.07 ID:N9dBf+FY0
他にも理由はある・・・今日何となく不安になってしまったのだ。
俺はどことなくこれから起こることは悪いことなんだと予感してしまったから。
今、俺たちはどこへ行くでもなく別れるのが惜しくて歩いていた。
何気ない会話を交わして、この幾万もある星を見て。
本当にどこへでもいる恋人のようなそんな感じで。
俺は深呼吸して立ち止まると、秋奈も同じように立ち止まって、どうしたのですか?と聞き返してきた。
もう覚悟を決めて俺は言った。
「なぁ、秋奈。俺の家に来ないか・・・?」
どくどくどくどく。
心臓の鼓動はかなり早く、耳に聞こえるくらいに大きかった。
秋奈は一瞬考え込むようにして戸惑っていた。
やはり女の子であるのだから考えているのだろう。
俺は不安だったけれど、秋奈の小さくつぶやく声で安心した。
いいですよ・・・と、一言だった。
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 09:07:31.24 ID:N9dBf+FY0
そうして俺たちはアパートに着いた俺たちはぎこちなかった。
けれどそれは恥ずかしさのためにあるものだった。
しんと静まり返った部屋。
明かりをつけないとこんなにまでも不気味なものなのだろうか。
俺は秋奈が不安がっていると感じそれをなくしてあげることに精一杯だったの覚えている。
そのあとのことはよくは覚えていない。
ただ、記憶にあるのは
「愛しています」
と、その言葉だけが脳裏に残っている。
確かな事実としてこの日、俺たちは交わったのだった。
本当の意味での安心を得たと同時に俺はまた
拭いきれないほどの不安をここでもまた、確信してしまったのだった・・・。
それはつかの間の幸せだということに気づかされるようにと・・・。
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 09:09:46.55 ID:N9dBf+FY0
12章終了
>>103 ありがとう、がんばるぜ
>>104 中学の俺に言ってくれw
きっと名前考えるのがめんどくさかったんだぜ
>>105 スキャナをだな、持っていないんだ
>>111 そう言ってくれると嬉しいが
中学だから許されるレベルだなw
いや許されないのかorz
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 09:11:06.69 ID:N9dBf+FY0
どこから話せばいいのかわからない。
何故こんなことになってしまったのか、誰かに教えて欲しいくらいだ。
もう、涙が枯れるまで、枯れてもまだ嗚咽していた俺は何を得たのだろうか。
この夏に、あの子と過ごしたこの夏に。
俺はちゃんと強くなれるのだろうか。
俺は前に進めるのだろうか。
そんな自信、今の俺にはない。
だってもう彼女は存在はしないのだから―――――
最終章
ちゅんちゅんとなく、すずめの声。カーテンを開ければすがすがしいほどの青空と気分を高揚させる涼しい風。
何もかもが全てを祝福してくれるようなそんな感じなのに。
なのに、それでも俺は、憂鬱だった。
幸せなはずなのにもかかわらず何もやる気はしなかった。
その原因は、最近、秋奈と全然連絡が取れなくなってしまったのだった。
あの日から、俺は秋奈と会ってもいなければしゃべってもいない。
次の日の朝、置手紙を残しいなくなっていたからだった。
用事がありますので、帰ります。
さようなら。
と。
それは、今になって考えれば別れの言葉だったのかもしれない。
あの日、本当は俺と会う最後の日で、だから俺の家に来たのかもしれない。
ということは、もう秋奈はこの街にいない可能性も考えられる。
何故ならば、秋奈はケイタイを持っていないために自宅へかけるのだがその電話がもう通じなくなっている。
そのことが明らかになったときはもう何が何だかで何も思いつかなく何も考えられなかったけれど今の俺なら分かる気がする。
もう、この街には秋奈はいないのだと。
何の連絡もなしに秋奈はいなくなった。
何の手がかりもない俺はこれからどうすればいいのだろうか。
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 09:13:07.27 ID:N9dBf+FY0
やることはあるかもしれない。
けれどもやる気が出ないのだ。
どうすればいいという考えだけが渦巻く。
秋奈がいなくなったというその事実よりも俺は何も言わずにいなくなってしまった秋奈にショックを受けていた。
もし、別れるということをちゃんと告げていてくれればまだ、こんなにも落ち込まず、悲しまずにいられたのかもしれない。
いや、もし告げられていたとしても俺はこの悲しみからは逃れられないのだろう。
秋奈がいなければ俺は何もできないから。
彼女が俺にとって全てだったような気がするから。
あの平凡な日常が毎日輝いていたから。
「秋奈・・・」
俺の声は虚しく響くだけ。
何もできない、何も変わらない。
もう、どうしていいかわからなかった。
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 09:14:18.90 ID:N9dBf+FY0
「何もできないんじゃなくて、する気がないだけなんだ・・・」
そう自分の言い訳につっこみをいれた。
そう、何もできないのではない。
する気がないだけ。
俺は無理やりに体を起こすと外に出かけることにした。
どうやらこんな状態にもかかわらずにお腹はすくものなのだ。
とりあえずファーストフード店に行こう。
何気なく歩く街中ではイチャつくカップルがいた。
それは依然の俺たちのようでイラついてしょうがなかった。
俺が街へ出たくなかった理由のひとつだった。
本当に俺たちは平凡だったのだと思えると同時に苛立ちが沸いてくる。
周りのことを意識しないようにすればするたびに俺の苛立ちはつもる。
何故苛立つのだろうか。そんなこと今考えてもしょうがない。
苛立つ俺に露店の偽者と思えるほどの値段で売っている小物などを勧めてくる人がいた。
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 09:16:33.73 ID:N9dBf+FY0
ただただ苛立ちが増えるばかりで面倒なので、しょうがなく、ペアリングを買うことにした。
ただメッキを施してある安物の指輪だということに気づいていながらも。
苛立ったまま俺は店内へと足を運んだ。
俺は注文した、ハンバーガーとフライでポテトを頬張り青い空を見ていた。
何日か前にも見ていた青空。
あれからどれくらいの月日が流れたのだろう。
たった一週間とちょっと。
それだけで人間はこんなにも変わるものだと俺は苦笑した。
変わるというよりも気分が変わっただけなのかもしれない。
っと、不意に街の様子を見る。
どこか見覚えがある顔があった。
誰だかを思い出そうと懸命になった。
・・・あき・・な・・・?
秋奈?!
目の前に秋奈がいる。
どうして?どうしてなんだ・・・。
連絡が取れないはずの秋奈が何故こんなところにいるのだろうか?
家を追い出されたのなら俺の家にくればいいものの、多分、
秋奈は俺のところに来なかったのだから俺には会いたくないのだろうと思ったけど、それよりも俺が秋奈に合いたいという気持ちが完全に勝っていた。
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 09:17:21.48 ID:N9dBf+FY0
もうすでに食べてしまっていたハンバーガーのトレイを戻すと見失わないように秋奈を追いかけた。
外に出たときはどこにいるかわからなくなってしまっていた。
けど、歩いてる方向からしてあっちのほうだと予測した。
いなかったときはこの街をくまなく探すまでだ。
俺はすぐさま向かったと思われる方向へと走った。
けど、見つからなかった。
思いつく場所を全て探したつもりだった。
秋奈と思い出のある場所は全て・・・。
もうあたりは夕闇だった。
何も見えなくなってくるその時間帯になったとき、俺は一つの希望を見出した。
まだ、あの公園を探してはいない。
秋奈と一緒に行ったあの公園。
俺のお気に入りの場所。
何で今まで気づきもしなかったのか。
それはまるで忘却の魔法にでもかかったのようだった。
そんな非現実的なことあの魔法使いの話でしかないけれど・・・。
俺はその小さな希望を抱え大急ぎで駆け出しあの公園へと向かった。
息が苦しくなるのを省みずひたすら走る。
足が千切れそうになっても走り続けた。
ようやくついたその公園はもう暗闇で誰がいるかわからない。人がいるのかさえもわからなかった。あたりには一つも街灯なんてないのだから。
俺は切れる息を整えて公園のほうへとゆっくり歩き出す。
緊張しているのとどこか、その公園の漆黒はぞくっとさせるほどのものがあったから。
公園のちょうど中央に来てあたりを見回した。
けれど期待を裏切って誰もそこにはいなかった。
いったいどこにいるんだ・・・秋奈・・・。
オチがきになる
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 10:11:08.99 ID:N9dBf+FY0
「・・・ず・・き・・ん」
どこかで声が聞こえるような気がして俺はあたりを見回した。
その声は俺がどんなに望んだかわからない声だったから。
でもどこにもいない。
「秋奈・・・秋奈なのか、どこにいるんだ・・・」
必死に見回す俺。
ここには隠れる場所などどこにもない。
あんなに小さい声のなら近くにいるはずなのに、誰もいない。
「柚木さん・・・こ・・す」
確かに今度は俺の名前を呼んでいるのがはっきりと聞こえてきた。
どこにいるんだ。
俺の気持ちは焦るばかりで、見つけることはできない。
もう胸の中は秋奈に会いたいというその一心だけだった。
「柚木さん、ここです・・・」
ふっとあたりが暗くなった。
そこには最初から何もなかったように。
何の光も通さないような、そんな闇しか俺の周りにはなかった。
そうして、声がしたほうからはうっすらと秋奈が出てきた。
「秋奈・・・っ!今まで・・・どこにいたんだ・・・?」
俺の声は多分かすれていただろう。
泣いていただろう。
それほどまでにも秋奈に会えなかった日々は辛かっただろうか。
もう二度と離したくない。
そんな気持ちがよぎる。
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 10:12:01.74 ID:N9dBf+FY0
「すみません・・・柚木さん・・・。事情があって・・・」
「事情・・・?」
こくりと秋奈も悲しげにうなずいた。
そしてゆっくり目をつぶると決意をしたかのようにうんとうなずつくと俺を見据えた。
その瞳はどこまでも遠くそして強く見えた。
「柚木さん・・・私は・・・柚木さん・・・っ」
けれども秋奈は何かを言おうとすると双方の瞳からあふれる涙でその言葉が打ち消されていった。
俺は静かに秋奈を抱き寄せる。
少しでも不安を拭ってあげるように。
「秋奈・・・俺がいるから・・・」
「は、はい・・・・」
嗚咽を漏らす秋奈を抱きかかえながら俺は静かに涙を流していった。
秋奈から伝わってくる悲しみは何なのだろうか。
今の俺にとってはこれだけでも辛すぎるのに秋奈が背負っているものはどれほどのものなのか想像もつかない。
秋奈は少しずつだけど平常心を保ってきた。
「柚木さん、私もう柚木さんとは会えないかもしれない・・・っ」
そこまで言うとまた秋奈はさきほどよりも大きく声を上げ泣いた。
自分で言葉を発したことによってそのことが本当なのだと自分自身で感じてしまったのだろう。
また俺もその言葉を聞いて確信したのと同時に言い表せない悲しみが襲ってきた。
俺の涙もさきほどとは比べ物にはなかった。
こんなに涙もろいものなんだなと思った。
けど、ここで俺が泣いては誰が秋奈の悲しみを救うのだ?
俺しかいない。
だから、俺は今だけは泣かないようにしなくてはいけない。
流れるな涙を必死に止めて秋奈の頭を撫でた。
「どうして、もう会えないんだ・・・?この街から引っ越すのか・・・?」
首を横に振る秋奈。
涙と嗚咽を堪えるのに必死でなかなか言葉で表すことはできなかった。
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 10:12:42.00 ID:N9dBf+FY0
「私は・・ぁ・・・・っ」
俺は黙って優しく微笑みかけると秋奈も安心したようにまだ、嗚咽はしているけれどもさきほどよりは治まっていた。
秋奈はすぅっと深呼吸をした。
そして、一番最初に見せたあの強い瞳に戻っていた。
「私は・・・もう、この世には存在してはいないんですよ・・・」
「えっ・・・?」
何を言っているのかわからない。
存在していない?
実際目の前にいるし、温もりだって感じている。
なのにどうして?
あの時だってちゃんと秋奈を感じた。
なのにどうして存在がないといえるのだろうか。
「信じてもらえないと思いますけど私、もう死んでる存在なんですよ・・・っ」
ぽろぽろと零れ落ちる涙。
「ははっ、そんなの嘘・・・だろ・・・?」
首を力なく横に振る。
愕然とした。
信じられるものではない。
けれど秋奈が嘘をついてるようにも見えない。
嘘でないこともわかってる。
この身体に感じてる感触で。
「本当に死んでいるのか・・・?」
もういちど訊ねる。
ゆっくりとそれを強く肯定するかのように縦にこくりと首を振った。
ははっと力なく笑った。
何でだろう、せっかく幸せを掴んだと思ったのに。
俺は・・・・。
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 10:13:22.65 ID:N9dBf+FY0
「もう、二度と会えないのか・・・?」
こくり。
もう、秋奈は何も言わなかった。
いや、何も言えなかった。
ぽろぽろと流す涙。
嗚咽を抑える姿。
それが何もかもを肯定する。
色々と聞きたいことがあった。
けれどもそれらは全然、些細なこと。
多分、もう時間は残されていないのだろう。
だから俺は一つ提案を思いついた。
「なぁ、秋奈。今から結婚式を開こう」
「え・・・?どうして・・・・?」
何故今そんなことをしなければならないのか。
それは俺にもわからない。
けれど何か秋奈がいたという証が欲しかったのだった。
「いいですけど・・・指輪とかありません・・・」
「あっ・・・そっか・・・」
指輪がなければ始まらない。
確かに。
指輪は二人が永遠の愛を誓う時に必要なものでありとても重要なこと。
悪態をついた俺はポケットの中に手を入れた。
かちゃり。
何か金属音がする音がした。
これは・・・確か・・・露店で買った・・・。
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 10:14:15.46 ID:N9dBf+FY0
「秋奈!指輪・・・あるんだ・・・今日たまたま買った、指輪が・・・」
「え・・・」
「ほら、これ、ペアリング!これでできるよ・・・」
「・・・はいっ!」
俺たちは早速準備に取り掛かった。
とはいってもただお互いに指輪を持って見詰め合うだけなのだけれど。
言葉は全然知らないので愛を誓うだけの儀式となる。
「汝、秋奈は柚木を夫として永遠に愛することを誓うか」
「は・・・ぃ・・・」
秋奈はもう泣いていた。
俺も泣きたかった。
けれど泣かない。
そう決めたから。
「ほら、次は秋奈の番だよ・・・」
「な、汝・・・ゆず・・きは・・・秋奈を・・・妻として、う・・・ぐ・・・、永遠に、愛することを誓います・・・か・・ぁ・・・」
「はい」
俺は自信を持って返事をする。
そして次はいよいよ指輪交換である。
「では、永遠の愛の証として指輪をお互いに交換せよ」
どこかぎこちない言葉。
だけどこれで十分。
向かいあう俺たちは互いに指輪を交換した。
自分の思いを込めて。
そして、次の儀式に移ろうかというそのとき、秋奈の身体から光の玉が出てくるのが見えた。
俺たちは驚いたが、それにもかまわず続けた。
「で・・・は・・・次に、お互いに・・・ひくひくっ・・・、口付けを・・・かわしなさ・・・ぃ・・・」
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 10:14:55.82 ID:N9dBf+FY0
秋奈は涙をよりぽろぽろと流す。
その悲しさともう消えてしまうという実感に俺も泣いていた。
そしてゆっくりと近づくお互いの顔。
もう触れるか触れないかで、秋奈からの光の玉が出る量が急激に多くなる。
そして、微かにだけれどちゃんとこの唇に残る感触があった。
けど、目を開けたときにはもうすでに秋奈の姿はどこにもなかった。
そしてあたりを包んでいた、漆黒の闇もどこか失せてしまっていた。
もう、秋奈はいない・・・。そんなことが頭のどこかで理解できた。
でも、ちゃんと存在した。
この身体で、この記憶に秋奈は存在している。
けれども、この悲しみは埋め尽くせない。
「あき・・・なぁ・・・・っ、うっ・・・ううっ・・・」
俺の悲痛の嗚咽がただただ、公園から聞こえるだけ。
それはもう二度と秋奈とは出会えないのだと思わせる。
「秋奈・・・秋奈ぁぁぁぁぁぁっ・・・・」
俺の声は虚しく木霊するだけだった。
こうして俺の不思議な一夏の哀しい物語は幕を閉じた。
俺はこの日から何もできなくなってしまった。
秋奈を失った喪失感に付きまとわれ、何もできなくなってしまった。
けれども秋奈にこんな姿を見せても喜ばないことはわかってる。
だから、少しでも俺は元気に振舞うようにがんばった。
だってもう夏休みもあける。
こんなことで落ち込んでたりしていられないし何よりも気が重くなるほどの宿題もいっぱい残されている。
でも、もう少しだけ。
秋奈のことに浸ってもいいだろ?
それが俺の―――――
俺は変われたのだろうか・・・?
あの夏のあの日から・・・
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 10:15:45.18 ID:N9dBf+FY0
エピローグ
「う・・・うん・・・・」
強い朝の日差しが俺の顔を照りつける。
まだ眠気がある俺には厳しいものだった。
けれどももう今日で夏休みも終わり、始業式が始まる。
だから俺は嫌々布団から這い出る。
もう9月に入るというのに、まだ残暑は厳しかった。
まったく本当に勘弁して欲しいものだ。
だけど、この青空だけは気分がいいので残暑が残ってるのはそれはそれで良いかもしれない。
それに・・・秋奈のことをまだまだ思い出せそうだから。
俺はまだ、秋奈のことで整理ができていないかもしれない。
よく落ち込むこともまだある。
けれど俺は強くなると決めたのだ。
それは秋奈の分も。秋奈が存在したことを示すために。
それが俺の唯一の生きる糧であるために。
だから俺は辛い過去を捨てるつもりはない。
過去を背負い、未来を生きる。
それは弱いという意味ではなく本当に強いという意味であることと信じているから。
こんな考えができるようになったのも全て秋奈のおかげだな・・・。
俺は変われたのだろうか。
あの日、あの夏の日から。
俺にはわからない。
そんなことを考えていると、学校にはつきものの坂道の前へ来た。
憂鬱になる。
今度からは毎日またこの坂道を登らなければいけないのだと思うと。
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 10:16:36.99 ID:N9dBf+FY0
そんなことを考えていると、学校にはつきものの坂道の前へ来た。
憂鬱になる。
今度からは毎日またこの坂道を登らなければいけないのだと思うと。
「柚木くん・・・おはよ・・・」
おっとりとした、とは言いがたい声で挨拶してくるのは誰でもない彩乃だった。
「お、おはよ。彩乃から話しかけてくるなんて珍しいな」
ちょっと恥ずかしそうにしている彩乃だった。
「えっと、二学期からは少し勇気を出してみようって決めたから・・・。」
「お、そっかそっか。偉いな彩乃は」
わしゃっと髪を撫でた。
その行動に嫌がるように離れる彩乃。
ちょっとショックだった。
「髪、乱れる・・・。嬉しいけれど・・・。んと、いつまでそこにいるの?遅れるよ・・・」
「ん、あぁ、わかってるよ・・・」
俺は微笑んでいた。
あ、笑うことができている。
俺もまだまだいけるのだなと感じることができた。
暑い日差しの中俺はこの坂道を一歩一歩力強く登る―――――
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 10:18:29.60 ID:N9dBf+FY0
俺は変われたのだろうか・・・
いや、変わってないと思う。それが俺なのだから。
もし、変わったとしたのなら心の持ちようとでも言うべきなのだろうか。
「柚木くん・・・早く・・・」
「わかったよ・・・」
俺は笑みを浮かべながら返事をした。
それに俺は落ち込んでる暇なんか全然ないのかもしれない。
だって、こんなにも
忙しく、楽しい毎日が待っているのだから
だけどな、それで秋奈を忘れることはないと思う。
だって今もこの左手の薬指には
光り輝くものがあるのだから
いつか、本当にそう思える人と出会えるまでは―――――
〜Fin〜
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 10:19:14.48 ID:N9dBf+FY0
挙げ終わった・・・
何かクソオチで済まない
何か質問とかあればできる限り答えていく
とはいえ誰も質問ないかw
今日の夜には消えるクソスレだったけど見てくれた人はありがとう
秋奈は最初から死んでたの?
死因とか、裏設定はあるの?
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 10:28:42.86 ID:Q9Li6YWx0
全俺が泣いた
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 11:06:52.25 ID:KEMgZRmVO
☆
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 11:17:47.34 ID:N9dBf+FY0
>>135 もう覚えてなかったりするんだよな
多分思いつきなんだと思う
最初から別れる構想はあったんだけど
死因とかそこら辺考えてない
すでに死んでいたっていうのも某鍵ゲーからのパクりだしな、確か
ありがちな後付後付で書いてた気がする
本当に自己満な小説だったから突っ込まれると色々イタイw
>>136 こんなので泣けるとか有難い話だな
当時泣きゲー(笑)にハマってた俺が書いたから多分狙いは感動系だったんだろうな
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 11:22:29.63 ID:Ph0CEnmMQ
俺が小学生の時に書いた小説は行方不明になったまま今だに出てこないしにたい
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/08(木) 12:30:26.17 ID:9ICZdLCM0
おいついたとおもったらおわってた
こんど暇な時全部読むんだからね!
142 :
からあげ ◆unuy.KSOJg :2010/07/08(木) 12:56:53.70 ID:gFiK94XgO
今起きたけど、スゲーな
綾乃とは進展あるの?
あとペアリングは付けっぱなしで綾乃に勘違いされない?
144 :
>>1 ◆EZhnkW6cPU :2010/07/08(木) 13:53:14.26 ID:SqlXznhc0
今更酉つけてみた
うまくついてるかな
>>139 出てこないほうが身のためだw
>>140 完結してた奴だからな
書き写すだけなら簡単だ
考えるのは苦行だけどな
>>141 有難いがそれまで残ってるかな
ドキュメント形式であるんだがうpったほうがいい?
>>142 文章量だけなw
とはいえエロゲ、ギャルゲに比べたら少ないほうなんだぜ・・・
シナリオライターすげえ
>>143 進展考えたけど上手くいかなかった
綾乃とはいい友達関係で居たかったけど、綾乃のほうは・・・って展開を考えてた
指輪で嫉妬したりしなかったり、そこからドラマを生ませるためのフラグだったんだと思ったww
まぁうまく書けなかったけどな
期待の新人がいると聞いて