唯「不条理だよね」
平沢唯が小学生の頃だった
夏休みが始まる前、プラスチックの小さな箱と、真っ黒い土、そして朝顔の種を先生にもらった
「毎日欠かさず観察して絵日記を書くのよ」
担任の先生はそういった
「唯。ちゃんとかきなよ」
一番仲の良い女の子がそういった。
平沢唯は毎朝早くに起きて、小さなジョウロで朝顔に水をあげた
朝顔は薄紅色の花をたくさん咲かせた
朝顔が枯れたのは夏休みが終わる二週間前だった
平沢唯は朝顔が枯れて茶色くなっても絵日記を詳細に描き続けた
夏休みが終わって絵日記が完成すると、彼女はその干からびたものを家の前に捨てた
和は久しぶりに平沢家を訪れた。中学校までは毎日一緒に遊んでいたのに、高校に入ってからめっきり二人でいる機会はなくなっていた。
けれどもそれは和にとってどうでもよかったし、唯が新しい仲間とともに笑っている姿を遠くから見守るのは幸せだった。
和(あの唯が心を許せる人達が現れるなんてね…)
平沢唯は純粋すぎた。唯はまわりの人間を省みることはほとんどなく、いつも自分の中の世界を中心に生きていた。それはかわいらしく言えば「マイペース」、言い方を変えれば「自己中」になるのかもしれない。
事実、唯は今でも憂の事を全く考えることなく家で自分のことばかりやっている。家事を手伝わずにギターの練習とか…
そんな唯だが、和は好きだった。和は唯のような人間には生涯二度と出会えないと感じていたのかもしれない。
ほう
憂「和さん。お久しぶりです。どうぞ上がって下さい」
玄関で憂が丁寧に和を迎えた。玄関には、唯と憂の靴しかなかった。和は唯達の両親を見た記憶がほとんどない。
和「おじゃまします。唯は?」
憂「お姉ちゃんなら二階にいますよ」
和「そう。寝ているかしら」
憂「そうですね、ちょっと確認してきます。和さんは居間でお待ちください」
憂は和を居間に案内し、お茶を出してから階段を登って唯の部屋へ行った。
窓の外の紫の空に、沈んでいた明星がちらりと浮かんできた。
唯「お久しぶり、和ちゃん」
和「唯、元気にしてた?」
憂に連れられて、唯も下におりてきた。憂は一礼して家の奥へ引っ込んだ。
唯「うん。心配しないで。和ちゃんこそ、明日は期末試験でしょ?」
和「そうよ」
唯「入試も近いんだから、頑張ってね。今日はありがとう」
唯は私服だった。いつもの可愛らしいTシャツを着て、先程まで寝ていたのか髪に寝癖がついていた。
目元をこすり、唯はしょぼりとしていた目をぱっちり開けた。目にかかった髪をかきあげ、にっこり微笑む姿は昔どおりの唯だった。
梓「どうしたら苦しみから解き放たれるのでしょうか?」
唯「支えなくよるべのない深い海に入って誰が沈まないんだろうね、あずにゃん。」
梓「どういう意味ですか?」
唯「さあ?なんとなく、思い出したフレーズだよ。一人じゃどんなにもがいても沈んじゃうよ」
梓「……」
唯「……」
梓「唯先輩」
唯「あずにゃん」
さわ子「梓ちゃん。これは大事件よ」
梓「……」
中野梓は職員室の奥にある広い会議室に呼び出されていた
長いコの字型の机の一番奥にはナマズ顔の老年の男が座り、その右には下品なピンクのスーツを着た女、左には頭皮の禿げ上がったメガネをかけた男が座っている
両側の机には、それぞれ七人程度の教師が座っていた。ある者は手元の資料をペラペラめくり、ある者は梓をジロジロ見ていた。梓は何人かの教師を知っていた。そして奥にいるのが校長と教頭だということも知っていた。
中山さわ子は一番は端の、一番梓に近い席に座っていた。
中野梓は真ん中に立たされていた。イスすら準備されていなかった。
梓(…ひどい仕打ちですね)
唯「四方を欲深くて醜悪な人間に囲まれて、あずにゃんは耐えられる?」
唯「まず、背筋をぴんと伸ばして、一番大切な人の事を考えて」
唯「それでも心が折れそうになったら、あの方の事を考えて」
唯「あずにゃん。私のことが好きなら裏切らないで」
唯「奴らに真実を伝えないで」
唯「ムギちゃん」
唯「けど直立する恐怖に耐えられる人間なんていないから」
あーめん
「一体あの音楽室で何があったのかな?」
数学教師がそう梓に尋ねた
梓「わかりません」
「君は何も見なかったのかね?」
梓「はい」
「そんなことはないだろう。で、何か変わったことはあったのか?」
梓「わかりません」
梓は終始黙秘を貫いた。律や澪や唯がどう対応しているのかは、あの事件以来別室に隔離されているので知る由がなかった。だから梓はとっても不安になった。けれども唯のため、自分は黙秘を貫こうと考えていた。
「梓ちゃ…中野さん。事は重大よ。琴吹さんのご両親は事件の真相解明を望んでいる。そして」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 16:23:08.71 ID:D6Hmh8pdO
糞面白い
確実に犯人には制裁が行われるだろう
―中野梓に対して公開された秋山澪の証言@―
秋山澪は終始嗚咽を交えながら、声を搾り出すようにしてあの日の出来事を語った
『あの日、私たちはいつも通り練習をするために音楽室に集まっていました。HRが終わって三十分も経っていない時刻だと思います。この時、ムギも何も変わりありませんでした。
私達は練習前にいつもムギの持ってきたお菓子とお茶で短いティータイムをやっています。その日もムギが持ってきたカステラをみんなで食べていました。
私と梓がそろそろ練習を始めようとみんなに提案した時でした。音楽室の扉が開いて、生徒会長の真鍋和さんが入ってきました。
和は、私達に各部活動の部長が集まって会議する日だといいました。そうして律は音楽室から出ていきました。お茶の時間は伸びました。』
amen
―中野梓に対して公開された秋山澪の証言A―
『四人で他愛のない話をしていた時、唯が私に「澪ちゃん、エリザベスは?」といいました。私はどうやらベースを教室に忘れていたらしいのです。
こんな事滅多にありません。私はとても不安になって、すぐに音楽室を出て、教室にベースを取りに行きました。
この時までムギはいつも通りでした。私はここまでしか知りません。
この時点で音楽室にいたのは、唯と梓です。
音楽室に戻ると、三人ともいました。律はいませんでした。
ムギは涎を垂らしながら、つま先立ちをして、音楽室の真ん中でぐるぐる踊っていました。その時、訳の分からぬ言葉で私に喋りかけました。
「かふーと、か、かる、えすき、くすーく…」
その言葉の意味は今でもわかりません』
「証言をしてくれたのは秋山さんだけだわ。琴吹さんも秋山さんには寛大な処置を下すそうよ。学校としても秋山さんの不利にならないよう配慮するわ」
梓は澪がまさか自分たちを売るような真似をするとは思わなかった。これは全て事実だった。澪が出ていく前、そして戻ってきたときに音楽室にいたのは確かに紬と唯と梓だけだった。
それは事実だが、それを伝えれば唯と梓が圧倒的に不利な状況に追い込まれる事くらい想像できるはずだった。
「うーん。琴吹さんの力は大きいのだよ。彼らが私達の学校について悪い噂を流せば、来年から生徒は誰も来なくなる」
「だが我々が事件の真相を解明して彼らに報告すれば、彼らはそのような事をしないのだそうだ」
古典教師が独り言のように呟いた。
「娘さんを気狂いにした犯人、彼らはそれを求めている。逆に言えば、その人以外は何も制裁を受けないということだ。」
「さよう。真実を証言すれば、君の安全は保証する。無事卒業もできる。」
ナマズ顔の校長が重たい口を開いた。梓はその粘つく声色に嫌悪を覚えた。
梓「私は何も知りません」
梓は終始、黙秘を貫いた。それが幸せだったのかは後になってみないとわからないだろう。
しかし、この時点で梓は唯を愛していた。
夕立のようにそれは唐突にやってきた。
教員による取調べは二日に及んだが…
―三日目の朝、中野梓はついに拷問される―
五、六人の教員が梓の監禁されていた独房に入ってきた。
「おい、こいつ好きにしていいんだろ」
「ああ」
服をやぶかれ、梓は羽交い締めにされた。
「本当の事を証言しろ」
何度か教員は優しげに梓に問いかけた。それでも梓は口を割らない。
だからだろうか。しばらくしたら、奥のほうで教員たちがくすくす笑い始めた。
「おい、沙蚕だ」
「へ、へ、へ」
周りの教員はげたげた笑い出した。誰かが奥から大きな壺を荷台で運んできた。その茶色い壺は小さな洗濯機くらいあった。
火箸をその中に突っ込み、教員は何かを取り出した。梓が見たこともないような大きな虫だった。
色は禍々しい濃青色で体長は30cm、太さは5cmはあり、無数の足がうねうね動いていた。
梓「む、むかで…」
「ムカデじゃない!!」
教員は叱責した。彼は生物教師だった。
「コイツはゴカイだ。ムカデは節足動物のCentipedeに属するが、この子は環形動物のPolychaetaの仲間なんだ!」
「どのくらい違うかわかるか?え?勉強不足の学生め!」
「確かにな、従来の旧口動物の系統発生的に考えれば、節足動物は環形動物から派生したと考えられていたんだがなぁ」
「最近のrRNAの塩基配列に基づいた研究では、奴らはぜんぜん違うってことがわかってきたんだよ!」
「そもそもな、ムカデやクモやカブトムシとかの節足動物は大体脱皮するんだ。」
「それに対してゴカイやミミズの環形動物は体のサイズを増やして成長する。」
「脱皮という機構はなぁ、生物の歴史の中でたった一度だけ出現した偉大な進化なんだ!」
「だから節足動物はどんな環境でも広がっていき、今では地球上の王だ!
「一方環形動物は奴らのカゲに隠れてこそこそ生きている。畜生め!」
「けどな、奴らだって立派な進化の産物なんだぞ!ゴカイとムカデの違いは、ヒトデと人間の違いくらいあるんだぞ!」
「それくらい系統的に隔たってるんだ。一緒にするな!決して一緒にするな!この子の気持ちも考えろ!」
「お前だってヒトデやウニと一緒にされたら嫌だろ!それくらい生物にはアイデンティティーがあるんだよ!」
「まあまあ先生。授業はこれくらいにして、始めましょうか」
他の教員が生物教師をなだめた。彼はまだ納得いかない風で、何か言いたげに火箸で掴んだゴカイを見つめていた。
教員が梓に近づいていき、口に金具を突っ込んだ。梓の口は決して閉じなくなった。
梓(入れられる…)
腹の底がすっと冷えて、頭から血が引いていくのがわかった。
生物教員は案の定、火箸で掴んだ大きなゴカイを梓の口の中に入れた。その瞬間、金具が外され、二人の教員の腕によって梓の口が力強く閉じられた。
梓「…!!!!」
口の中で柔らかいものがもぞもぞ動き続けた。梓は必死にそれを吐き出そうとした。
舌を舐められる感触と、時々硬いものが内頬を刺す感触が脳をねっとり刺激した。
苦くて生臭い匂いが鼻腔まで登ってきた。
胃の中身がこみ上げてきて、口の中に吐き出しても、決して外には出せなかった。
だんだんといやらしい動きが止まってきて、それはこんにゃくのように柔らかくなりはじめた。
梓は舌を喉にあてて、絶対に飲み込まないように努力した。
手足をジタバタと無我夢中で振り回して、教員の拘束を解こうとしたが無駄だった。
梓「おげげげげげえええ」
不意に口を抑えていた手が解かれ、すぐに梓は嘔吐した。吐瀉物のなかには、青くて潰れて足が何本も外れた虫が転がっていた。
梓「ひぃ、ひぃ」
梓の頭の中は真っ白だった。
「にほんめー」
教員が澄んだ声をあげた。
生物教師は壺の中から今度は黄色いゴカイを取り出した。それも同じ大きさだった。
再び梓の口に金具を入れ、暴れる梓を押さえ込んで火箸につかまれたゴカイが口の中に入れられた。
梓は無理やりそれを噛み砕かされた。西瓜の皮のように生臭く、沢の水のほろ苦い味が味蕾を転がる。
つぶれても、虫は口の中で蠢き続けた。梓は白目を向きながら、鼻を鳴らしてうーうー何かを訴えていた。
でも、教員は教え子の懇願を無視した。口の中にまだいるのに、声があがった。
「さんほんめー」
今度は手のひらにも乗っかるような―先程の比べたら小さい―ゴカイが梓の鼻先に突きつけられた。
色は女子トイレのタイルのような、つるつるしたピンク色だった。
生物教師はこのゴカイにキッスをして、梓の鼻の穴に入れはじめた。左の鼻の穴だ。
なかなか入らないので、他の教師が梓の首を天井に向けるように固定した。
するとゴカイはするるんと、鼻の中に入っていった。
支援
梓はあまりの異物感に、むせび、それでも口を抑えられ、喉の奥でごほごほこもった咳をした。
すると咀嚼で潰されたゴカイの一部が気管支に詰まった。
顔を真赤にさせても、どうしようもなかった。
梓は息苦しくなって、おもいっきり右の鼻で息を吸った。
そして、鼻から息を吹き出した
すると、例のピンク色のゴカイがぽーんと外に出た。
鼻水やら血やらが混じって、それはなお粘ついて見えた
「よんほんめー」
梓(も、もう…まだやるんですか…)
梓(やめて下さい…もう気持が悪いです)
今度のゴカイはさらに小さかった。
教員は力づくで梓を床に押し倒し、まず、尻から座り込ませた。
それから梓の体を回転させ、まんぐり返しの姿勢を取らせた。
今度のゴカイがどこに入れられるのか、それを察したとき、梓はもう頭の中が真っ白に溶けた。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 17:11:20.49 ID:geDuLt9+O
狂っとる
不意に口を抑えていた教員が手を離した。瞬間、二匹目のゴカイの残骸がどろっと梓の口からこぼれた。もう、嘔吐する力は梓に残っていなかった。
ひどい後味だった。口内射精された後、何日も歯磨をしないで、暮らして、朝起きてふと舌で歯の裏を舐めたら、こんなにひどいのだろうか。
梓は必死に声を絞り出した
梓「もぅ…ゃめてぇ…くたざい…で…す」
「だめー」
笑いながらいったのは、音楽教師の中山さわ子教員だった。狂っていた。狂っていた。狂っていた。
梓「全部…いぃますです…いいますから…」
「えーもっと続けろよー」
教員たちはこのショーを楽しんでいた。
下着がずり下ろされた。今度のゴカイは直径3cmもなかったが、いままでのより、とっても元気よく足をうねうね動かしていた。
「どっちだ?」
「どっちなの?」
他の教員が興味津々に尋ねる中、淡栗色のゴカイを指でつまむ生物教師は品定めするように梓のそこを見つめていた
梓の中で、羞恥心はなかった。ただ、これから始まる陵辱に恐怖しか覚えることが出来なかった。
梓(助けて…神様がいるなら、私を救って下さいです…)
生物教師は意を決したように、周りの教員を睨め回した。結論を出し惜しみしているようだった。
「はやくしろー」
後ろのほうで怒号が響いた。それを落ち着いて、静粛に、というように手で制して、生物教師は梓のそこを全員に見せるように体をどけた。
「どっちだ?」
「よし!肛門にいれるぞ!」
小さな歓声が倉庫に響いた
すぐに生物教師は梓の小さな排泄穴に、ゴカイを近づけた。
「力を抜けよ」
梓は失禁した。
というのも、ゴカイが予想に反して肛門に行かず、女性器の方を目指したからだった!
にゃああああああ
「ごほんめー」
素早く掛け声があがった。まだ、例のゴカイが入りきらないうちだった。
生物教師は慌てて壺の中から品定めをした。今度はとっても太いゴカイだった。
「こんどこそ、排泄穴に入れ!」
太いそいつは梓の肛門めがけて一直線、横綱の貫禄を感じさせる。それもそのはず、生物教師は彼に「朝青龍関」と名付けていたのだ。
その体の色は、ものっそい青色だった。
びくびくと梓の体が痙攣した。
決してそれは快楽を感じたからではない。あまりの恐怖が全身の筋肉の痙攣を引き起こしたのだ。
梓は癲癇で引きつけを起こしたように体をよじった。
その時、ゴカイが動いた。
ぶりぶりっと、奥に進む運動をする虫は、一気に奥へ進んだかと思うと
ぶちいっという音を立てて、二匹とも中で潰れた。
教員たちは唖然とした表情でそれを見つめた。
生物教師は涙を流した。二匹のゴカイの最後はあまりにも美しくなかった。
残骸は梓の体の中に残った。それをどうやって、誰が取り出したのかは誰も知らない。
梓(神様…あなたはそこにいないから、私を救わなかったのですね…あの方はどこにいるのです…?)
「あさしょうりゅー!!ことみつきぃー!!」
生物教師は悲しみの咆哮をあげた。ゴカイの名前は基本的に関取のシコ名なのだ。
「ちくしょう、アンタらの応援が足りなかったからだ!!もっと応援してくれよ!もっとこいつらの活躍に期待しろよ!」
しかし、せっかくのゴカイたちがあっけなく潰れてしまったことで教員たちは萎えてしまった。とっととこの茶番を終わらせようという空気が一座に流れた。
生物教師もしぶしぶその空気を読んで、黙って次のゴカイを壺の中から選んだ。
梓(唯先輩…)
「ろっぽんめー」
次はまた、口だった。
今度はもう舌が動かなかった。ゴカイが喉を通り過ぎ、食道をもぞもぞ動いていた。
梓(もう私…)
梓は涙目になりながら力のかぎり嘔吐した。生きた虫が口から飛び出した。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 17:43:23.58 ID:124Q7FHF0
生物教師が阿良々木さんで再生された
「ななほんめー」
梓は体中の筋肉が弛緩して、ぼうっとこれから起こる事をみつめていた。
それはとっても優しい眼差しだった。
梓は神に見捨てられたと感じた。しかし、彼を恨むことも愚痴ることもなかった。
梓の中で、運命をありのまま受け入れようという心が芽生えた
だって、もうこれ以上の陵辱には耐えられそうもないから
―心は燃えていても肉体は弱い―
そんな言葉が記憶の向こうから聞こえてきた
ゴカイはあっさり梓の喉を通過し、食道を抜け、胃に入った。
梓はまた嘔吐しようとしたが、もう虫は出てこなかった。
「やばい。ちゅーぶもってこーい」
こんどは医療器具で胃から虫が摘出された
梓はかひゅーかひゅーと息をつきながら、床にへたり込んだ。
「さて。真実を証言してもらおうか」
「君が話せば後の二人は助かるかもしれないよ」
「もっとも君がご所望とあらば、あの二人にも同じ体験をさせてあげられるが」
「何があったか話して頂戴、梓ちゃん」
梓「ひぁい…」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 17:47:17.62 ID:OGeiYHz50
想像しただけで吐き気するわ
誰得なんだよw
唯「HTTはどう、和ちゃん?」
和「うーん、いつも通りよ。唯がいた時と変わらないわ」
唯「ふうん」
和「あら。寂しいの?」
唯「いや、予想通りだと思ってね。」
二人は居間でビスケットを食べながら話していた。
和「私が介入しなかったことも?」
唯「うん。和ちゃんが罪悪感ゼロで狂った私達を眺めていたのも」
唯「律ちゃんが自分で罪をかぶろうとしたのも、澪ちゃんが律ちゃんを守ろうとしたのも」
唯「あずにゃんが私を売ったのも、ムギちゃんが狂ったのも」
唯「そして全てを忘れて、いつも通りに女子高生しようとする四人も。すべて私の予想通りだよ。」
和「ねえ、唯。ムギと二人きりになった時、何をしたのかしら?」
和「ねえ、唯。校長と教頭と、尋問に参加した教員に何をしたの?」
和「ねえ、唯。あなたは…」
唯「和ちゃん。あなた程度の人間に、私とHTTは理解出来ないよ」
田井中律は中野梓と同じ取調べを二日された後、さらに二日、体育館裏の倉庫に監禁されていた。
三食の飯は支給されていたが、五日目の朝、それは支給されなかった。
律は梓と同じような拷問を加えられる事はなかった。それは秋山澪が律の潔白を必死に証言していたからだ。
教員たちは梓と唯が怪しいと睨んでいた。
しかし、律は尋問されたとき、全て自分がやったことだと証言した。
唯「貴様にはわかるまい!この私の、アイスを通して出る力が!」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 17:57:44.34 ID:124Q7FHF0
唯「日本代表が予選通過したのも予想通りだよ」
和(嘘つけや)
ふむ…深いな
「で、どうやって琴吹紬を気狂いにさせたのか?」
律「あー、えっと、ムギに直接おまえ不細工だなって言ったんだ。そしたらムギの奴大分ショックを受けたみたいでよぉ」
「なら君は不細工だと言われて、制服を脱ぎ捨てて裸で踊りだし、歌を歌いながら校舎内を練り歩くかね?」
律「いやー、私は不細工だからなぁ。けど、ハゲって言われたらそうなるかも」
「……君がその発言を琴吹紬にしたとき、中野梓と平沢唯と秋山澪はどこにいたかね?」
律「澪はトイレだ。唯も突然用事があるとか言って家に帰ったなぁ。梓はそう、私達が練習しないから怒って帰ったよ」
「君の証言には重大な嘘がある。君は生徒会長真鍋和に呼び出されて部長会議に出席してたのではないのか?」
「他の生徒の証言も取れている」
律「あー、会議が終わって部室に戻ったときにムギに言ったんだよ」
「今回の犯人には退学の処罰を与える予定だ。君は怖くないのかね」
律「……学校なんて糞食らえだね」
律は必死に教員達を挑発したが、彼女の嘘はあまりにも下手くそだった。
五日目の朝、律を監禁していた倉庫の鍵は空いていた。
律はまぶしい陽の光を浴びながら、とりあえず外に出た。次に何をするべきかを考えた。
警察に言うか?両親に言うか?どっちも違うとおもった。
澪や唯や梓はどうなっただろう。紬は大丈夫か。ふと、彼女たちのことが心をよぎった。
それでもまず、風呂に入ろうという結論に至った。五日間も風呂に入らないのは生まれて初めてのことだったから。
でもその前に、音楽室に立ち寄ろうと思い、正面玄関に入ると、たくさんの生徒が集まっていた。
そこはとても騒がしかった。
和「あら、律」
和が玄関口で律に話しかけてきた。
律「おい、和。どうしたんだこれ?」
和「詳しくはわからないんだけど、先生たちが自殺したらしいのよ」
律「え?」
和「校長以下、二十人が会議室で並ぶように首を吊っていたそうよ。もう少しで警察が来るわ。ところで、律。そんな汚れた制服来てどうしたの?」
律「…さわ子先生は!さわちゃんは!」
和「さあ。無事だといいわね」
他殺や薬物の痕跡なし!全員同時に首吊り!奇妙な集団自殺
警察は「事件性はないが、これは事件だ」とのコメントを発表
学内いじめが関係か?
女子高教員集団自殺の謎
ゴカイの下りは誰得だが面白い
「中野梓は君が琴吹紬と二人きりになった後、気が触れたと証言した」
「我々は彼女の証言に従い、明らかな証拠を得た」
「君の罪は重い。学校をやめてもらう。そして琴吹さんから制裁を受けるだろう」
唯も梓のように会議室に引き出されていた
唯「へー」
唯「制裁って何?だれが私を苦しめられるの?」
唯「あいつは人民によって辱めを受けたとき、苦しんだの?」
唯「『エリエリレマサバクタニ』の意味は?苦い葡萄酒の味は?」
唯「さわちゃんはなめたことある?先生方は?」
「……」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 18:12:39.28 ID:ptkhkDphO
これは支援せざるを得ない
唯「律ちゃんはまだ自分で罪を背負おうとしているんだね」
唯「愚鈍であるが故に活動的になれるよ。このフレーズ知ってる?」
唯「あずにゃんは裏切ったね」
唯「まあ、仕方が無いよ」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 18:16:18.70 ID:1wmzwGu70
書き溜めイイネ
「何が言いたい?」
唯「時刻はもう朝の五時」
唯「さわちゃん。最後に私に話しかけてよ」
「……」
唯「たまらないね」
最後に室内に一礼して唯は会議室を後にした。
唯「ところで和ちゃん。今日は何のよう?」
和「そうそう。忘れるところだったわ。ムギと梓ちゃんがあなたに会いたがってたわよ」
唯「え?」
和「二人に頼まれて、私はここにやってきたの」
和「玄関の前にさっきからずっといるけどどうする?」
唯「それじゃ、会ってくるよ」
和「そう。じゃ、ここでさよならね、唯」
和「今まで長いこと一緒にいたけど、全然退屈しなかったわ」
そういって和はポケットから小瓶を取り出した。中には透明の液体が入っていた
和「これで私もおしまいね。ばいばい、唯」
唯「待ちなよ、和ちゃん」
唯「そんなに簡単に死ねると思ったら大間違いだよ」
唯「さあ、入った入った」
玄関の前には紬と唯が立っていた。
唯がドアを開けるなり、紬は地べたにしゃがみこんで土下座した
紬「許してください、許してください」
唯「なにを?」
紬「私のお父さんとお母さんを許してください、許してください」
梓「唯先輩……その体…」
何とも引き込まれる話である
唯は制裁を受けた体になっていた。
唯「それでも苦しくないよ。あずにゃん。」
梓「そうですか」
梓は紬の後ろに一歩下がって直立していた。
その瞳は唯のに負けず、澄んでいた。
梓は紬を見ずに、じっと唯のを見ていた。
唯「ムギちゃんのパパとママは今何をしているの?」
紬は額を地面にこすりつけながら答えた
紬「お父さんはずっと部屋で地団駄を踏んでいます。かかとの皮膚が破けて、骨が露出しても、地団駄を踏むのをやめません」
紬「お母さんは舌を伸ばして鼻につけようとしています。ずっとです。まるで白痴です」
唯「そんな人生も悪くないと思うよ」
紬「いいえ。私たちは、学校を卒業して、立派な社会人になって、税金を収めて、結婚して、家庭を作り、財産を蓄え、教養を深め、穏やかな心で老後を迎え、後ろに道を譲り、幸せに死ななくてはいけません」
唯「それがムギちゃんの正常?今のパパやママの生き方は異常?」
唯「私は憂」
唯「私は唯」
唯「しかし私は"C-"」
唯「生き方はムギちゃんに任せるよ。目的なんてなくていい。幸せなんてどこにでもある」
唯「ただ、自分に正直にね」
唯「ムギちゃんの求めているものはどこにもないから、正直にね」
紬「うん!唯ちゃん!」
紬はこすりつけていた頭をあげた
紬「私、コレラ患者のように下痢を垂らしながら町をあるくのが夢だったの〜」
紬「わーい、わーい」
唯「気狂いだね、でも悪くないよ。そもそもみんな気狂いの本質を下らない教えで隠しているだけだろうから…」
紬が駈け出していなくなった後、梓はそのままの場所でじっと立っていた
唯は梓と目があった。
梓「唯先輩、私は間違っていると思います」
唯「なんで?どんな気狂いでもいいじゃん。私達がそれを否定するなんておこがましいよ」
梓「けど、言葉では説得出来ないんですけど、唯先輩の考えは間違っていますよ」
唯「あずにゃんは、あいつらに犯された時どうだった?」
梓「……」
唯「私はどうでもよかったよ。だって、私の体なんて別に私のものでもないし。私の心だって私のものじゃないし」
唯「所有格なんて不要だよ。意義が無意味になることが、人間の成長だって、だれかが言ってた。私の意義なんてもう無くなるから」
唯「どうしてあの方は復活したんだろ」
唯「意味が無いとしたら、意味なんてないのに、なんで復活なんてしたんだろ」
唯「あずにゃん。けど私は生きるよ。どうでもいいけど、だからこそ生きるよ」
梓「あなた、気持ち悪いから死んで下さい」
お・わ・り
乙
ああ最後までよく理解できなかった
今日の午前中ですけどね、街の大型本屋に行ったんです
宣伝で悪いんですが、表表紙を前に出して、『悪童日記』が売りだしてあったんです
ハヤカワ文庫から出てましたね、アゴタクリストフので、訳者は覚えてません
買ってずっと読んでましたすると、頭にイメージが湧いたんです
読んだ人はわかるけど、その小説は双子が主人公なんですって
唯と憂みたいじゃないですか!
すぐにPCをつけて、つくってみました。
ぱーっと思いついた他の小説のフレーズを入れてですね、不条理を描こうとしたんです
うん…結論からいうと良くわからん
あずにゃんの拷問シーンは、カミュのシーシュポスの神話的なものにしたかったんです
ふと、部屋を見ると、コバエが沸いてまして、これは昨日食べたバナナの皮を放置してたからですね
あ、虫だ。と思いました。きっとみんな気持ち悪がってくれるぞーってね。
それで描いてみたんですが、あずにゃんの拷問シーンを描いてて興奮してしまいましてね
いや、射精しちゃったんです
すると、不条理とかよくわからなくなって、頭にわいた結末のイメージがどんどんズレていきました
本当なら、りっちゃんの拷問シーンも、唯と憂の本性も描こうと思ったんですけど、もうあずにゃんだけで私はお腹いっぱい
あれは俺得の内容でしたね
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 18:59:35.10 ID:8CAHVhUq0
なるほど、つまり一番の気狂いは
>>1だったと・・・
とりあえず乙
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 19:00:52.23 ID:gvyBfIHa0
まさにオナニースレ
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 19:02:07.31 ID:R6WrK1Qs0
射精してるしな
とりあえずゴカイで抜いた
ありがとう
>>1 個人的に唯は言霊使いかと思ってたんだが・・・
これで最後ですが、なんかエヴァンゲリオン的結末になって自分でもがっかりしてるんです
支離滅裂ですが、解説いたしますと、
あずにゃんに不条理を味あわせて
りっちゃんに自虐的な主人公のイメージを与えて、自分の身にも降りかかった不条理を独白させようと思ったんですよ
対して澪ちゃんはりっちゃんを一途に守ろうとして、でも最後は裏切っちゃうユダの役、
ムギちゃんはただの狂人にしようとしたんです
唯はクトゥール神話の化物の役でした。
いや、不条理なんてこんなもんだよって感じにしたかったのに、糞
インスピレーションがわいたらまた書きます
こでもれから膨大なレポートを書かなくっちゃ。
御飯食べて寝ろよ
ばいばいね
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 19:09:55.06 ID:b1fH0wm20
驚いたぜ・・!
ここまでつ・・・つまらないとはな・・・・!!
やだこのスレ怖い
「まあバスに乗ってた人は全員死んだんですけど。」
思い出した
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 19:17:46.77 ID:Ului6WZoO
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 19:25:26.80 ID:bUpF2GLO0
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 19:57:33.70 ID:29rRXvA90
理解しようと試みた俺は狂っていたのか
いずれにせよ
>>1乙
ばいばい
むづかしいね ぢんせいって
SS最高傑作、乙
なんだろう・・・これはこれで凄まじい才能を感じる・・・!!
乙
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