この時期になるとセミが可愛すぎてヤバい

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「なあ」

セミ「ｶﾅ？」

俺「誰お前」

セミ「ｶﾅ、ｶﾅｶﾅ」

俺「まあお前がセミなのは分かってるさ。なんでさっきから俺の肩で鳴いてんの」

セミ「ｶﾅﾅ、ｶﾅｶｰﾅ」

俺「ここが気に入ったとか言われても困るのだけれど」

セミ「ｶﾅｶﾅ♪」

俺「なんだこいつ」

なにかつらいことがあったの？

ひきこもってるとこんなこと考えるのか…

セミがこの時期に鳴いてるとかどこの田舎だよｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「夕方だってのになんだよこの暑さは」

セミ「ｶﾅｶﾅｶﾅ♪」

俺「別にお前が鳴いてるからって暑さは紛れねーよ」

セミ「ｶﾅ…」

俺「そんな顔するなよ…」

セミ「ｶﾅっ」ﾌﾟｨｯ

俺「面倒くせえこいつセミのくせに」

俺「機嫌とるか」

ﾃｯﾃｸﾃｯﾃｸ

>>4えっ

――林道

俺（家まで遠回りになるが…）

俺「ほら、このへん樹液が出てる木がたくさんあるぞ」

セミ「ｶﾅ!!」ﾌﾞｰﾝ

俺「肩の荷が降りたわい」

セミ「ｶﾅｶﾅ♪」ﾁｭｰﾁｭｰ

俺（可愛いっちゃ可愛い…のか？
いや、なに考えてるんだ俺。相手はセミだぞ。しかも鳴き声を発するのはオスだけだぞ）

セミ「ｶﾅｶﾅｶﾅ〜♪」

俺（行くか、この隙に）

ﾃｯﾃｸﾃｯﾃｸ

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「」ﾃｯﾃｸ

ｶﾅｶﾅ

俺「」ﾃｯﾃｸ

ｶﾅｶﾅ

俺「」ﾃｯﾃｸ

セミ「ｶﾅｶﾅ」

俺「ついてきたよ…」

セミ「ｶﾅ♪」

俺「気に入った？　俺を？」

セミ「ｶﾅ♪」

俺「」ﾃｯﾃｸ

勅使河原乙

セミを捕まえようとして小便的なもんをかけられた時は殺意がわく

セミでオナニーしてた人？

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「さて、とうとう連れて帰ってしまったわけだが」

セミ「ｶﾅｶｰﾅ♪」

俺「どうすりゃいいの？」

セミ「ｶﾅ」

俺「飼えって…お前横暴だな。それに俺にゃセミの飼育経験なんて皆無だぞ」

セミ「ｶﾅ…」

俺「分かった。分かったからそんな目で見るな」

セミ「ｶﾅ…」

俺「分かったなんとかする。お前の寝床と餌は最小限なんとかしてやんよ」

セミ「ｶﾅ!!」

俺「セミの居候一匹増えたからなんだ！　貧乏学生なめんな！！」

セミの寿命は・・・いやなんでもない

>>10あの人はセミ一筋だけど俺は猫やトンボでもしちゃうからバイセミニストってとこだな


ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「虫かごはないから代わりに止まり木っぽいものを用意するとして…うちに棒状のものなんてあったかな？」

セミ「ｶﾅ…」ｼﾞｰｯ

俺「俺のリトルボーイはお前が止まるには小さすぎるんだごめんな」

セミ「ｶﾅｶﾅ♪」ﾋﾟﾄｯ

俺「ギターか…どうぞ要らないから」

セミ「ｶﾅ♪」

俺「寝床はそれでいいとして、餌は果物の皮で問題ないよな…」

俺「つーか俺も腹減った…そろそろなにか作るか」

あいつら結局「ヤらせて〜ヤらせてぇ〜」って言ってるだけだからね？

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「コンビニの冷やし中華ごちそうさま」

俺「さてお前のご飯だけれど」

セミ「ｶﾅ♪」

俺「もったいないけど、田舎から送られてきたスイカ切るか」

セミ「ｶﾅ!」

俺「露骨に嬉しそうにするね君」

セミ「ｶｰﾅｶｰﾅ♪」

俺「そうかい楽しみかいちょっと待っててね」

ｻｸﾘｻｸﾘ

いか娘を思い出した

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「んまいな」ｼｬｸｼｬｸ

セミ「ｶﾅｶﾅ」ｼｬｸｼｬｸ

俺「ん、種」ﾌﾟﾍﾟﾍﾟ

セミ「ｶﾅｯ」ﾌﾟﾍﾟﾍﾟ

俺「なあ」

セミ「ｶﾅ？」

俺「さっきから気になってたんだけどさ」

俺「なんでセミが食うスイカが人間サイズなの？」

セミ「ｶﾅ？」

今日一匹潰したわ

セミ「ﾏﾅｶｰﾅ♪」

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「いやね、当初は俺が食った後の残り皮をやろうと思ったわけ」

俺「けどなんだお前、人間様みたいに本体をシャクシャク食って、プペペと種を飛ばしやがって」

俺「なんでシャクシャクなんだよその小さなストロー状の口でどうやって食ってるんだよ擬音的にはチューチューだろ」

セミ「ｶﾅｶﾅｶﾅ」ｼｬｸｼｬｸ

俺「ご都合主義なセミだなおい」

俺「さて、俺も食いますｋ」

セミ「ｶﾅｶﾅ♪」ｼｬｸｼｬｸ

俺「二個目食べたきゃ言えばいいのになんで勝手に俺のを食うかなクソッタレが」

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「名前つけますか」

セミ「ｶﾅ!」

俺「つっても名前つけるなんて生まれてこのかた未経験だぞ」

俺「こう、字画とか気にしたほうがいいのかね」

俺「いや、相手はセミだ。パッと思いついたものをつけよう」

セミ「ｶﾅｶﾅｶｰﾅ♪」ﾜｸﾜｸ

俺「よし。じゃあお前の名前は今日から>>23だ」

ここまで読んだがやはり理解できない

おまんこ姫

これはひどい

俺虫の中でＧと並んでセミ嫌いだけど可愛く見えてきた

セミを友達の背中に付けたりして遊んだわ

ｶﾅｶﾅｶﾅ

俺「お前は今日からおまんこ姫だ」

セミ「ｶﾅ!!」

俺「嬉しいか、よかったな」

俺「じゃあ改めて今日からよろしく、おまんこ姫」

セミ「ｶﾅ♪」

俺「セミとの二人暮らし…ゴクリ」

俺「分かってるさ、相手は雄だよ」

俺「いや雄だからおまんこ姫ってどうなのよさ」

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「寝よう」

セミ「ｶﾅ」

俺「ところで、寝る時もギターの上でいいの？」

セミ「ｶｰﾅﾅ♪」ﾌﾞｰﾝ

俺「俺の枕の…傍だと」

セミ「ｶﾅｶﾅｶﾅ♪」

俺「お前がよくても俺はよくないのですが」

セミ「ｶﾅｰｶﾅｰ」ｚｚZ

俺「セミっていびきかかねーだろ」

俺「……俺が寝返りうったらあなたペシャンコですよー」

俺「……俺の髪にベタついた体液がついたら泣いちゃいますよー」

セミ「ｶﾅｰｶﾅｰ」ｚｚZ

俺「聞く耳なしか」

俺「おやすみ、おまんこ姫」

――翌朝

セミ「ｶﾅｶﾅｶﾅｶﾅｶﾅ」

俺「うﾞぅーー」

セミ「ｶﾅｶﾅｶﾅｶﾅｶﾅ」

俺「う゛ぅ゛ぁーー」

セミ「ｶﾅｶﾅｶﾅｶﾅｶﾅｶﾅｶﾅｶﾅｶﾅｶﾅ」

俺「っるせえ！」

セミ「ｶﾅ♪」

俺「鳴き方から察するにひぐらしだろうけど、ひぐらしって朝にはあんまり鳴かないだろ」

セミ「ｶﾅｶーﾅ」

俺「ご都合主義なセミだこと」

ｶﾅｶﾅｶﾅ

俺「おはよう、おまんこ姫」

セミ「ｶﾅｶﾅ」

俺「朝ごはん…なにしよう。スイカでいいか」

セミ「ｶﾅ♪」

俺「分かってる多めに切り分けてやるから俺のを勝手に食うんじゃないぞ」

セミ「ｶﾅ」

俺「その前に麦茶飲みたい」ｺﾞｷｭﾘｺﾞｷｭﾘ

セミ「ｶﾅｶﾅ」ｺﾞｷｭﾘｺﾞｷｭﾘ

俺「突っ込まんぞ」

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「んめぇ」ｼｬｸｼｬｸ

セミ「ｶﾅ」ｼｬｸｼｬｸ

俺「これ食ったらちょっと出かけるけど」

セミ「ｶﾅ!」

俺「一緒に連れてけってか？いいのかい、外は危険がいっぱいだぜ」

セミ「ｶﾅ」

俺「じゃあ一緒に行くか……っとその前に」

俺「あ、もしもしｶｰﾁｬﾝ？うん俺。スイカ美味しかったよありがとう。あと十個くらい送ってくれよいや百個はいらないうんありがとう楽しみにしてる」ｶﾞﾁｬﾘ

俺「行こうか」

セミ「ｶﾅ♪」

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「暑ぇ」

セミ「ｶﾅｶﾅ」

俺「ああ、病院行くのよ」

セミ「ｶﾅ？」

俺「うん、お察しの通り病気持ち。けっこう重いやつだ」

セミ「ｶﾅ…」

俺「ところでお前らって、外に出てからどれくらい生きるの？」

セミ「ｶﾅｶﾅ」

俺「ほぇー。長生きなのか、意外と」

医者「これこれこういうわけだから薬はあれこれであるから」

俺「あーはい、どもっす」


俺「うんそういうわけだ」

セミ「ｶﾅ…」

俺「一ヶ月だったな、野生下でのお前らの平均寿命」

セミ「ｶﾅｶﾅ」

俺「よっしゃ、把握」

俺「競争しようぜ、どっちが長生きするか」

セミ「ｶﾅ？」

俺「先にくたばったほうの負けだ。そうだなもしお前が勝ったら…冷蔵庫の中のスイカ食べ放題」

セミ「ｶﾅ!!」

俺「…ほう挑戦的だな。こうくると俺も負けられぬぞ」

セミ「ｶｰﾅｶﾅｶﾅ」

俺「霊長類ナメんな！　長寿大国ナメんなよ虫ヤロウ！」

なにこの一週間のトゥルーラブ

落ちは死ぬんだろ？でもわかってても泣くよ俺

セミとか絶滅しろよマジで…

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「ふぃー疲れた」

セミ「ｶﾅぁ〜」

俺「なんでずっと俺の肩で休んでるお前が疲れるかな」

セミ「ｶﾅｶﾅ」

俺「セミのくせに暑さ耐性ないってどうなってんだ」

セミ「ｶﾅぁ〜」

俺「昼ごはんはまだ早いと思いますが」

セミ「ｶﾅっ」

俺「きゅうりならありますが？」

セミ「ｶﾅ」

てかセミの腹ってダニだらけだよね

ひぐらしって夏の終わりごろに鳴くんじゃなかったっけ？

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「」ﾊﾞﾘﾎﾞﾘ

セミ「ｶﾅｶﾅ」ﾊﾞﾘﾎﾞﾘ

俺「」ﾊﾞﾘﾎﾞﾘ

セミ「ｶﾅｶﾅ」ﾊﾞﾘﾎﾞﾘ

俺「なあ」

セミ「ｶﾅ？」

俺「突っ込み待ちだったりする」

セミ「ｶﾅ？」

俺「セミがきゅうりをﾊﾞﾘﾎﾞﾘってどないなっとんねーん」

セミ「ｶﾅｶﾅ」ﾊﾞﾘﾎﾞﾘ

俺「うめえなきゅうり」ﾊﾞﾘﾎﾞﾘ

俺「…なにこれつまんね」ﾊﾞﾘﾎﾞﾘ

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「暑いな」

セミ「ｶﾅｶﾅ」

俺「暇だな」

セミ「ｶﾅｶﾅ」

俺「大学、やめなきゃ良かったかな」

セミ「ｶﾅｶﾅ」

俺「まあ大学行っててもぼっちだったけどな」

俺「……そうだな、そういう最後の過ごし方も楽しいかもしれん」

セミ「ｶﾅ？」

俺「人間相手じゃなくても、セミと過ごす最期ならそれはそれで楽しいかもしれんと言ってるの」

俺「死ぬ前にお前と思いで作って死ぬから、そのつもりでな、おまんこ姫」

セミ「ｶﾅ!」

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「夕ご飯の準備だ」

セミ「ｶﾅ」

俺「病人にコンビニ弁当ばっかりは良くないので創作料理に挑戦してみようと思います」

セミ「ｶﾅｶﾅｰ」
ﾋｭｰﾊﾟﾌﾊﾟﾌｰ

俺「無理してそんな音出さないでいいよ？」

俺「しかし、何を作ろう」

セミ「」

俺「油ものだけど、めちゃくちゃ美味い料理がある」

セミ「ｶﾅ？」

俺「フフン、まあ見ててごらんよ」

まさかな・・・

最初にｶﾅｶﾅｶﾅ…てついてるの見るとなんか昔読んだ扇風機SS思い出す

俺「まず米を炊き上げる！」
ﾋﾟｰｶﾞｼｮﾝ

セミ「ｶ､ｶﾅ！」

俺「次に大量の油を鍋に沸騰させる！！」
ｼﾞｭﾜｰｸﾞﾂｸﾞﾂ

セミ「ｶﾅ!?」

俺「そこに冷蔵庫にあるもん適当にぶち込む！！！」
ｶﾞｼｮﾝﾋﾞｼｬﾝﾄﾞｶﾝﾆｬｰﾝ

セミ「ｶ､ｶﾅｶﾅｰ!!」

俺「上がってきたら油ごと炊飯ジャーの中の米にぶち込む！！！！」

セミ「ｶﾅｰ!!!!」

俺「マヨネーズとケチャップとソースをあるだけ全てかけきって」
ﾋﾞｭｰﾋﾞﾁｮﾝﾊﾞﾁｭﾝ

俺「完成だ」

セミ「だめだこいつ、早くなんとかしないと…」

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「さあ、実食の時間だ」

セミ「ｶ､ｶﾅ…」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

俺「まず俺から一口」
ﾓｯｼｬﾓｯｼｬﾓｸﾞﾓｸﾞ

俺「最高だ…」

セミ「ｶﾅ……」

俺「まずこの何か知らない物体A、大量の油との絡まり具合が丁度よい」

俺「次にこの物体B、マヨネーズとの相性が抜群だ」

俺「そしてこの物体C、素材本来の味が出ている」

俺「ご飯と油、そしてその他調味料との組み合わせや量も丁度良い」

俺「こう、頭の中がハイになる感じが素晴らしい料理だ」

セミ「ｶﾅ…」

こんなにぶっ飛んでるのはNHKにようこそ以来だ

ｶﾅｶﾅｶﾅ……

俺「どうした？見てるだけでは腹は膨れんぞ」

セミ「ｶ､ｶﾅｶﾅ…」ﾌﾙﾌﾙ

俺「ほら食え、美味いぞ」

セミ「ｶﾅｰ」ﾌﾞｰﾝ

俺「あ、こら逃げるな」

セミ「ｶﾅｰ!!」ﾌﾞｰﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

俺「捕まえたぞおら」

セミ「ｶﾅｰｶﾅｶﾅｶﾅ!!」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

俺「大丈夫、セミが食っても死にはしないよきっとほらお前大食いだし」

俺「さあ、いざ食せ…」

セミ「ｶﾅｰ!!!!」
ﾊﾟｸﾘﾝﾁｮ

セミのお腹側ってどうしようもなくグロテスク

セミ「!!!」

セミ「ｶ､ｶﾅﾅ､ｶﾅｶﾅﾅ」

セミ「ｶﾅ､ｶﾅｶﾅｶﾅﾅ」

セミ「ｶﾅｶﾅｶﾅﾅ､ｶﾅｶﾅﾅ!!!」

俺「その様子だと、気に入ってもらえたようだな」

セミ「ｶﾅｶﾅ」

俺「お前に喜んでもらえて本望だよ」

俺「けどこれ食うと寿命が縮まるんだよ、かなり…ｵｳｪｯ」

セミ「ｶﾞ、ｶﾞﾅﾞ…」

俺「お、おい大丈夫か！」

おい　セミの命ってそんな持たないだろ　おわかれも近いな

胸が熱くなるな…

ごめんここまで保存して寝る中途半端でごめん
SSよりも小説のほうが本職なので、いつかノベライズしてまた上げてやる
まあ明日これのこと覚えてたらスレ立てていいでしょうかおやすみ

乙
口笛もそこそこがんばれ