1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
▽読み手の方へ
・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい
▽保守について
・創作に役立つ雑談や、「お題:保守」の通常作投下は大歓迎です
・【!】お題:保守=ただ保守するのも何だから小説風に保守する=通常作扱いにはなりません
▽規制されている方へ
・
>>1から辿って行けるまとめ板に、規制者スレがあります。
そちらの方に投下していただければ、心ある人が転載してくれます。
▽その他
・作品投下時にトリップを付けておくと、wikiで「単語検索」を行えば自分の作品がすぐ抽出できます
・ただし、作品投下時以外のトリップは嫌われる傾向にありますのでご注意を
▲週末品評会
・毎週末に週末品評会なるものを開催しております。小説を書くのに慣れてきた方はどうぞご一読ください。
wiki内週末品評会:
http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?%BD%B5%CB%F6%C9%CA%C9%BE%B2%F1
「なぁフルシチョフ、私の時計を知らないか?」
「すぐに探し出しますスターリン同志!!」
翌日
「 フルシチョフ、昨日はすまなかったな。時計は家に置き忘れていただけだったよ」
「手遅れです同志。すでに5名逮捕され、全員自白しました」
第220回週末品評会 『取扱注意』
規則事項:6レス以内
投稿期間:2010/06/26(土) 00:00〜2010/06/27(日) 23:30
宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外になります。
※折角の作品を時間外にしない為にも、早めの投稿をお願いします※
投票期間:2010/06/28(月) 00:00〜2010/06/29(火) 24:00
※品評会に参加した方は、出来る限り投票するよう心がけましょう※
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/27(日) 13:56:38.41 ID:A6NoUrpN0
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/27(日) 13:59:13.39 ID:227GZ5SB0
>>3 それ、フルシチョフじゃなくてベリヤ(秘密警察的なトコの長官)だから。
どうでもいいけど、フルシチョフってゴッドファーザーのクレメンザと重なるよなw
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/27(日) 14:02:30.60 ID:c/KZJ8DD0
イチオツ
7 :
【転載】:2010/06/27(日) 14:15:20.13 ID:JVd2e9+70
名前: ◆Lq1ieHiNSw :10/06/27 01:37:35 ID:n1Te+K1H
品評会作品投下します。
8 :
【転載】DRUg PeOPLE 1/4 ◇Lq1ieHiNSw:2010/06/27(日) 14:16:17.16 ID:JVd2e9+70
その日は二日酔いで朝を迎えた。
目覚ましの音で眠りから醒め、そして居間から聞こえるテレビの音で完全に意識は覚醒した。
しかし頭は痛み、体は重く、だが仕事に行かなければならないので無理矢理身を起こした。
顔を洗い歯を磨き、冷蔵庫にあった梅干を一粒口に入れるとほんの少しだけ気分がすっきりとした。そして
着替えを済ませて準備を整えた。仕事は今重要な局面を迎えている。上手くいけば昇進だって夢ではない。妻
と子の為にも私は頑張らなければならない。
朝も早いので私は静かに家を出て、そして会社に向かったのだった。
電車の座席に座り一息ついて、なんだが昨日の記憶がはっきりしていないことにようやく思い至った。どれ
だけ飲んだのかすら覚えていなかった。酒は好きだが、記憶を失うまで飲むのはやはりよくないだろう。ほど
ほどにしておかないと。そういえば、おぼろげだが昨日妻と口論をしていたような気がする。きっと飲みすぎ
たことを怒られたのだろう。そういえば、誰と飲んでいたのだったろうか。そもそも昨日、酒なんて飲んだの
か? そんなことすら思い出せないのは少し変だ。でも二日酔いのようなこの頭痛は一体。
……今後はしばらく酒を控えておこう。
そして会社に着くと完全に頭は仕事モードへ切り替わっており、その日も一日懸命に働いた。
※
帰り道、電車に揺られているといつしか眠気が込み上げてきた。
海面の波にたゆたうかの様な心地よさは、私を夢の世界へと誘った。
そして夢は扉を開いた。
山間の村のような場所で、数人の子供達がボールを投げ合って遊んでいる。ボールの大きさは丁度人の首ぐ
らいで、言わばドッヂボールのような遊びをしている。
私はそれを遠巻きに眺めていた。なんとなく加わりたいような、でもそれを言い出すのが恥ずかしいような。
いい歳をした大人であるはずの私がそんなことを思っていると、子供達の一人が声を掛けてきた。
「どこの子? 一緒にやる」
「いいの? うん、やる」
快く返事をした私の声音は妙に高く、まるで子供のようだった。
9 :
【転載】DRUg PeOPLE 2/4 ◇Lq1ieHiNSw:2010/06/27(日) 14:16:59.12 ID:JVd2e9+70
そして子供達の輪に加わり、ボールを投げる私の肩に力はなく、まるで子供がボール投げるかのよう……。
実際に私は自分の体が子供になっていることに気付いた。いや、体だけじゃなく脳も、心も子供になってい
た。その私の中に、客観的に己を見ているもう一人私がいて、それが夢を見ているこの大人の私であった。
何度かボールを投げているとあることに気付いた。ボールを投げると、回転するボールから何か汁が飛び散っ
ているのだ。そしてさらに気が付いた。投げる前には必ずボールをキャッチしている。その時に、服にボール
から出た汁が付着していた。その汁は血液だった。ボールから血液が出ていた。
奇妙に思ったので、次にボールをキャッチした時よく観察してみた。しかしやはり何の変哲もないただのボー
ルであり、だから気にするのをやめてまたボールを投げた。すると回転しながら宙を進むボールと一瞬目が合っ
た。やはり、顔だった。
「ねえ、あのボールは一体何?」
「え? 君の首だけど?」
私が隣にいた少年に尋ねると、返ってきたのはそんな答えだった。
また次にボールが手元に来たとき、もう一度よく調べてみた。一見するとやはり普通のボールだったが、角
度を変えて見てみると、そこには目があった。口があった。鼻は切り取られてなかった。そして首の断面から
汁が垂れていた。その顔は、間違いなく私のものだった。
では今私の首の上にあるものは?
「おーい、早く投げろよ」
少し離れた場所にいた少年がそう急かしたので、私は慌ててボールを投げた。しかし慌てていたものだから
手が滑ってしまい、ボールは彼の胸元までは飛んでいかず、地面をバウンドしながら転がっていった。
「もう、ちゃんと投げろよな」
そう言ってその少年は、足元まで転がってきたボールを爪先で勢いよく蹴った。蹴られたボールは小気味良
い音を立て、再び私の元へ返ってきた。しかしその時、先程よりも多量に汁を撒き散らしていた。
「あ、蹴るなよ!」
隣にいた少年が言う。そして手元のボールを確認してみると右目の部分が抉れており、そこから血液と爛れ
た肉片が流れ出していた。
「あーあ、蹴っちゃ駄目だってあんなに言ったのに。もう使い物にならないや」
「ああわりい、ついうっかりやっちまったよ。次はちゃんと注意するからさ」
すると、不意に私の右目に痛みが走った。痛烈な衝撃で顔が熱くなる。
「ねえ、今僕の顔、どうなってる?」
10 :
【転載】DRUg PeOPLE 3/4 ◇Lq1ieHiNSw:2010/06/27(日) 14:17:40.51 ID:JVd2e9+70
私はまた隣の少年に尋ねたのだが、
「あ、もうそろそろ帰らないと。早くしないと首が狩られちゃうよ」
そう言い出すや否や、他の子供達共々走ってどこかに消えてしまった。
一人残された私は、自分も家に帰らなければという思いに駆られ急いで走り出した。
しかし私は家に帰らず、気付けば人気のない丘にいた。その丘の中心には一本だけ木が立っており、木には
大きな実が幾つも生っていた。しかし木のサイズに対して実が大きすぎるような感じがあり、気になったので
よく近づいて見てみることにした。
すると、ある程度予測していたことなのだが、木には首が生っていた。
そして私は、夢を見ている私の意志とは裏腹に子供の私は、おなかが空いていたのでその首を一つ木からむ
しると食べ始めた。頭頂骨の辺りを齧ったのだが骨は意外にも柔らかく、まるでウェハーズのようにサクサク
と軽快な音とともに食べることができた。そして骨の下からはドロドロに煮詰まったような脳味噌が姿を見せ、
濃厚で芳醇な香りが鼻腔を掠めた。首を逆さに持ち変えて脳味噌を飲むと、柔らかな脳味噌と脳漿が混じった
それは宛らリゾットのような風味であった。その味を堪能していた時だった。
「なにしてるの? 早く家に帰ってきなさい」
少し遠くで母の呼ぶ声がした。ほとんど反射的に首を投げ捨て、私は丘を下った。
丘の下には木製の小屋があり、きっとそこが私の家だったのだろう。子供の私はそのことを知っていたよう
で、迷わず扉を開き中に飛び込んだ。
しかし小屋の中は静かだった。灯りは少なく、そこかしこに闇が横たわっていた。そして小屋の中を進むと
一際暗い場所に着いた。だが子供の私は電灯のスイッチの場所を知っていたようで、壁にあるそれを押すと室
内が一気に明るくなった。その部屋はどうやらキッチンのようで、コンロや調理器具が並べられていた。そし
て調理台の上にはまな板が置いてあり、そのまな板の上には首があった。首は綺麗に直立しており、どうやら
断面は平らに切られているみたいだ。きっとこれを切った人は首を切るのが上手いのだろうなと思った。断面
からは血液が溢れ出しており、それがまな板に染みるように広がっていた。なんだか赤い花が咲いているよう
に思えた。そして肝心の死体の顔は、私の妻のものだった。
「おかえりなさい」
「ただいまお母さん。今日のご飯はなに?」
しかし私は妻をお母さんと呼び、さらに首だけの妻と会話をした。
もう寝ろ。休め。
11 :
【転載】DRUg PeOPLE 4/4 ◇Lq1ieHiNSw:2010/06/27(日) 14:18:54.10 ID:JVd2e9+70
夢を見ている私がそう言った。声は出なかったが、妻に語りかけた。
そして妻の瞳を手の平で閉じてやり、私もその場で横になった。
そこで私は目覚めた。
夢の中の情景は異常なまでに明瞭とした質感を持っており、内容も含めて薄気味悪いのだが、しかしどこか
体の芯に沁みるような、なんとも不思議な心地がした。
そして気付けばもう家からの最寄り駅に着いていて、私は慌てて電車を降りた。
駅からは駐輪場に停めていた自転車に乗って家に帰った。この時間ならもう夕飯はできており、妻と子供が
私を暖かく出迎えてくれるに違いない。二人は毎日私が出勤するときは玄関先まで見送ってくれ、帰宅すると
また玄関まで駆けつけてきてくれる。私は幸せな家庭を持ったと自負している。
五分もすると家に着き、自転車を停めて私は玄関を潜った。
しかし妻も子供も出迎えてくれず、不審に思いながら屋内へ入ると、横たわる二人の姿が目に飛び込んだ。
首と胴体に十センチほどの隙間があり、髪と衣服を乱して横たわる私の妻。頭蓋が潰れ片方の眼球が飛び出
した状態の私の息子。
乱れた部屋に散布した血液。充満する鉄のような臭い。
気が動転しそうになるのをなんとか堪え、私は勤めて冷静になろうとした。そして私は警察へ電話をし、事
情を伝えた。
電話を切り、再び妻と子に目をやった。おぞましいまでの惨状に目を背けたくなる。
静まり返った部屋の中で、テレビから流れる音だけが虚しく響いていた。
一体誰が。
誰が?
ああ。
そうか。
<了>
12 :
【転載】:2010/06/27(日) 14:20:08.14 ID:JVd2e9+70
◆Lq1ieHiNSw :10/06/27 01:41:33 ID:n1Te+K1H
以上です。
スレ立ったら転載お願いします。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
>その日は二日酔いで朝を迎えた。
共感した。
そこしか読んでないけど。