1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
渋谷・・・多くの人が行きかい、多くの人生がすれ違う。
交わることはほとんどない。人は多いが1人になれる場所。
俺、野原しんのすけは今日も仲間と渋谷をぶらついていた。
高校は行ってない。行く理由も行かない理由もない。ただ何となく。
夢、希望、目標、そんな言葉には飽き飽きしていた。
俺は生きたいように生きたい。楽しく毎日を過ごしたい。
だけど未来に光は無かった。
そんな煮え切らない毎日の中、俺はあいつに出会った。
暗く深い目をしたあいつ。
あいつは・・・俺の半身なのかもしれない。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:12:08.79 ID:u61yVhi7O
せめて埼玉がよかった
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:14:30.54 ID:vA5XSoSt0
俺達チームSBTはナンパに失敗してイライラしてた。
いつもなら1時間も粘れば2〜3人は引っ掛けられたのに。今日は3時間成果なし。
チームSBT・・・渋谷防衛隊の略。別に渋谷を守ってる訳でも守りたい訳でもない。
ただ昔を思い出し何となく名づけた。人数も決まっていないしルールも何も無い。
適当に集まって、適当に遊んで、適当に帰る。それだけの関係。
それでも仲間といえる関係が心地よかった。
「しんちゃん、もう今日は無理みたいだからご飯食べて帰ろうーよー。」
こいつは佐藤マサオ。臆病で泣き虫だが、幼稚園時代からの仲。
特に意識もせず気付いたらずっと一緒にいた。
ちなみに高校へはマジメに行っており、いつも遊ぶのは夕方からだ。
「あ?ここまで来て諦められるかよ。帰りたきゃ先に帰れ。」
俺はイライラしながら言った。
「えぇ・・・、ボーちゃんはどうする?まだナンパするの?」
マサオは何とか自分の意見に賛成してくれる奴を探している。
「・・・やる。」
こいつはボー。いつもボーっとしてるけど、昔に比べてマシになった。
怒らせると怖い。以前ボーは信号無視した車に轢かれた事があった。
全身打撲の状態だったが走って自分を轢いた車を追いかけ、20kmほど行った所で車を捕まえた。
運転手を川に投げ込み車をひっくり返し、そのまま歩いて救急病院に行ったという。
他に日系ブラジル人のミゲルと、パンクロッカーのシド。本名は知らない。
こいつらは渋谷で出会った仲間。
しんちゃんって優等生に成長するのかと思ってたぜ…
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:19:32.14 ID:vA5XSoSt0
「万引きだー!!!」
センター街の入り口あたりで叫び声が聞こえた。
声のする方を見ると人ごみを掻き分けるように1人の男が逃げるように走って来た。
ボサボサの髪、汚いジーンズにヨレヨレのネルシャツ。手にはたくさんのCDを抱えていた。
こいつが万引き犯か・・・。
俺はこちらへ走って来た万引き犯とすれ違い様に足をかけ転ばせた。
ハデに転ぶ万引き犯。飛び散るCD。すかさずシドが万引き犯の腹に蹴りを入れる。
万引き犯は呻きながらうずくまった。
別に万引き犯を退治したい訳じゃない。ただ憂さ晴らししたかっただけ。
「おい、そいつ押さえつけろ。」
俺はみんなに言った。
みんなは俺が何しようとしてるのかわかったのか、
万引き犯の両手足を押さえつけた。俗に言う顔面サッカーボールキック。
顔面を蹴ろうとした瞬間、万引き犯と目が合い俺はためらってしまった。
その隙をついたのか、もがく万引き犯。
「ギャッ!!!」
ミゲルの悲鳴。思わずみんな手を離してしまった。万引き犯の手にはカッターナイフが光っている。
万引き犯は起き上がり走り去った。
「ね、ねぇしんちゃん、今の万引き犯の顔見た!?」
慌てるマサオ。
「あぁ・・・。風間・・・だった。」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:21:20.67 ID:LDB48Gx20
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:22:14.45 ID:ijXije830
パステルしんさん思い出したwww
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:23:17.28 ID:vA5XSoSt0
*風間君のターン
渋谷の雑踏・・・よどんだ空気、吐き気がする。
しかし1人になりたくない僕は渋谷に来てしまった。
それなのに孤独は拭えない。
僕、風間トオルは家出をして渋谷に来た。
もうあの家にはいたくない・・・。あんな親・・・。
僕はやることも無くただブラブラしていた。
そんな時、1人のギャルに声をかけられた。
「やだ、もしかして風間君?風間君でしょ!?何やってんのー?」
濃いメイク、ハデに盛った茶色い髪、キャミソールのワンピース。
誰だ?ギャルに知り合いなんていない。
「・・・あ、あの、誰・・・?」
僕は口篭った。
「やーねー、超ウケル。私よ、わ・た・し・。ネネよ。久しぶりね!」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:27:04.29 ID:NKo6Hxqc0
寝ようと思ってたけどあと10分待ってやる
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:30:02.13 ID:vA5XSoSt0
ネネちゃん。幼稚園の時の友人。最後に会ったのはいつだろう?少なくとも5年は会っていないはず。
濃いメイクでわからなかったが、確かに笑顔に当時の面影があった。
「え・・・?ネネちゃんなの!?か、変わったね・・・。」
僕は驚いて呆然としながら言った。
「ネネー!早くカラオケ行こうー。あれ?誰?友達ー?」
別のギャルが近寄って来た。ネネちゃんの知り合いのようだ。
「やだ、友達じゃないよ!昔の知り合いだって。」
ネネちゃんはもう1人のギャルに言った。・・・もう友達じゃないのか。あんなに仲良かったのに。
「だよねー。こんなダサ男と友達だったら引くわー。アハハ!」
悪気の無い悪口。下品な笑い。
ムカついたけど、それを口にするほど勇気はない。
「じゃあね、風間君。私カラオケ行くから。それとも風間君も来る?」
ネネちゃんの無邪気な笑顔。相変わらずカワイイ。膨らんだ胸、むき出しの太もも、
俺は唾を飲んだ。女の子とまともに話したのは久しぶりだった。
「・・・う、うん。行こうかな・・・。」
ほのかな期待。
「アハハ、冗談だよ!だって風間君お金持ってるの?」
ネネちゃんは笑いながら言った。
「え?・・・あんまり持ってない・・・かな。・・・2000円くらい。」
「ウケる!そんなんで私達と遊ぼうなんて無理だから。
うーん。でも、そこの店でCD10枚パクって来たら遊んであげてもいいよ?」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:33:55.82 ID:vA5XSoSt0
「え?・・・パ、パクるって万引きして来いって事?そ、そんなのできないよ!」
万引きなんてした事もしようと思った事も無い。
「ふーん。じゃあ無理ね!バイバーイ。」
ネネちゃんは振り返って行こうとしている。
僕は・・・どこにも居場所がない・・・。春日部にも・・・渋谷にも。
そんな気がした。
「待って、・・・や、やって来るよ!」
ネネちゃんといれば何かが変わる気がした。変えたかった・・・。
ネネちゃんは勝ち誇ったような悪戯な笑顔で手を振る。
僕は大型CDショップへ駆け出した。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:37:29.98 ID:vA5XSoSt0
*しんのすけのターン
「ミゲル大丈夫か?どこ切られた?」
風間に切られたミゲル。腕を押さえていた。思ったより血が出てる。
「あぁ、傷は大きくないが血がとまんねぇよ。くそ!あの野郎・・・。」
ミゲルはキレている。こいつはキレると何しでかすかわからない。
「シド、悪いけどミゲルを病院に連れてってやってくれ。
俺達はさっきの万引き野郎探してくるから。」
万引き野郎・・・風間。あいつ何で・・・。
「わかった、任せとけ。・・・行こうぜ、ミゲル。」
俺達は2人を見送った。
風間・・・幼稚園は一緒だったが、風間は小学校、中学校と私立へ行った。
たまに街で会うくらいの仲。最初は会えば一緒に遊んだりしたが
そのうち風間は俺達、公立組を見下し始めた。中学の頃は声をかけても無視された。
『僕はキミ達とは違う』風間の言葉が甦る。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:41:57.77 ID:vA5XSoSt0
「マサオ、ボー、お前ら明日学校だろ?帰ってもいいぜ。」
俺は2人に言った。
「ぼ、僕も行くよ!風間君に何があったか知りたいし・・・。」
「・・・行く・・・。」
2人とも真剣な顔つき。
「・・・場合によっちゃ俺は風間をぶちのめすかもしれねぇ。それでも来るか?」
ルール無用の俺達でも仲間がやられた落とし前はつける。
「うん。だからこそ行くんだ。しんちゃんがやり過ぎないように見張らなきゃだし。」
「・・・行く・・・。」
2人の決意は固いようだ。
俺はこの2人がいつも一緒にいてくれたから一線を越えずやって来れた。
・・・ありがとう。心の中でつぶやく。
「よし、とりあえず道玄坂の方に逃げたみたいだな。行こうぜ!」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:43:14.07 ID:Qsq/30ZXO
この間のドラえもんとサザエさんの人か。
私怨
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:48:59.11 ID:vA5XSoSt0
*風間君のターン
僕は大型CDショップに入る。CDなんてほとんど買った事無かった。
とりあえず人がいない棚を見つけ適当に10枚盗ってシャツの中に隠した。
大丈夫・・・見つかってない。
このまま店を出れば・・・。店の出入り口に差し掛かった。
ビービービービー!!
警報音。
驚いてCDを全部落としてしまった。
何でこうなる・・・。
「すいません、お客様・・・。」
近寄る店員。
僕はCDを拾い走り出した。捕まりたくない。
店を出る。ネネちゃんは見当たらない。
「万引きだー!!!」
後ろからさっきの店員の叫び声が聞こえた。
俺はがむしゃらに走り出す。
邪魔だ、どいてくれ。通行人にぶつかりながら。
1人の若者とすれ違う瞬間、何かにつまずいた。
腹への衝撃・・・蹴られた。押さえつけられる。
1人の若者と目が合った・・・しんのすけ・・・何で。
僕はガムシャラに暴れ、気が付いたら家から持ってきたカッターナイフを握っていた。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:51:17.37 ID:aE2Y0koHO
風間ェ・・・
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:53:57.12 ID:vA5XSoSt0
どこをどう逃げただろう・・・わからない。
何でしんのすけがあんな所に・・・わかるはずもない。
僕は何をしてしまったんだ・・・。万引きなんて。
「風間君。見ーつけた!」
いつの間にかネネちゃんが1人で後ろに立っていた。
「・・・ハァハァ、ネネちゃん、一緒にいた友達は?」
思いのほか息があがっていた。
「んー、さっきバイバイしたよ。ところでさ、風間君なかなかやるじゃん!
隠れて見てたけど面白かったよ!」
面白い?こっちは死ぬ気でやったのに・・・。
「フフフ。とりあえずさ、こんな所にいたらお巡りさんに見つかっちゃうから
2人でカラオケ行こうよ!私が奢ってあげる!」
ネネちゃんは笑っている。俺は変われるだろうか・・・。この子悪魔に変えられてしまうのだろうか。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:57:57.31 ID:vA5XSoSt0
*しんのすけのターン
俺達は2時間ほど風間を闇雲に探した。
「ねぇしんちゃん、風間君いないね。他のSBTのメンバーにもこえかけて
一緒に探してもらおうか?」
渋谷駅近辺。マサオは早くもヘタレている。
「・・・ダメだ。俺達だけで見つける。」
他の奴に見つけられたら何されるかわからない。
「うーん、でもいないねー。もう渋谷から出ちゃったのかな。」
マサオが言う。・・・確かにその可能性の方が高い。
「・・・ハンズ。」
ボーが急につぶやいた。
「あ?ボー、何か言ったか?」
俺は聞き返す。
「ハンズの方・・・。」
「ハンズ?東急ハンズか・・・よし行ってみよう。」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 00:58:19.40 ID:yJL8qSJo0
ザッピングしまくりだな
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:00:50.77 ID:Qsq/30ZXO
渋谷なんてわかんねーよwww
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:05:51.43 ID:vA5XSoSt0
*風間君のターン
僕とネネちゃんはカラオケの個室に入った。
カラオケなんて入るの何年ぶりだろう。
「・・・ネネちゃん、CD途中で落としちゃって・・・これしか持ってこれなかった。」
1枚のCD・・・キャロル・キングの『Tapestry』。邦題『つづれおり』
「キャロル・・・キング?うーん私知らなーい。
・・・あ、この『YOU'VE GOT A FRIEND』ってのだけ知ってるや。」
『YOU'VE GOT A FRIEND』・・・邦題『君の友達』
ネネちゃんは足をプラプラさせながら興味無さそうに言った。
有名な曲だ。僕だって知ってる。
「まぁいいや。ねぇねぇ風間君。さっき私の事エッチな目で見てたでしょう?」
ネネちゃんはテーブルに肘を付き胸の谷間を強調しながら上目遣いで言った。
「え?・・・そ、そ、そんな事無いよ。」
嘘。本当は見ていた。
「そんな事言って今も私のおっぱい見てた!風間君のエッチー。フフフ・・・見たい?」
ネネちゃんは笑顔でワンピースのすそを持って捲りながら言う。
淡いピンクのショーツが見えた。
「・・・あ、ネ、ネネちゃん・・・。み、み、見えてる・・・。」
僕はどうしていいかわからない。何かいけない事をしてるように思えた。
「・・・フフフ。風間君もしかして童貞?ねぇ、いい事してあげよっか?」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:06:38.97 ID:oV4eBGpNO
面白い
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:11:15.55 ID:vA5XSoSt0
ネネちゃんは僕のペニスをしゃぶっている。
すでに1回ネネちゃんの顔に射精したが、ネネちゃんは気にせずまたしゃぶりだしたのだ。
いやらしい音が部屋に響いていた。
2回目の射精。今度は口の中。ネネちゃんは飲み干した。
「どう気持ち良かった?」
ネネちゃんは顔に付着した精液を拭きながら聞いてきた。
「あ、う、うん。・・・気持ち良かったよ。」
僕は始めての快感に興奮しながら言った。
「ねぇ、もっと気持ちいい事したくなーい?」
ネネちゃんは僕の隣に座って僕の耳元で囁く。
「・・・もっと・・・気持ちいい事?」
精液の匂いがする暖かい吐息でまた勃起した。
「そう。・・・もっと気持ちいい事。」
ネネちゃんは自分の胸を僕に押し付け
僕のペニスを触りながら聞いてきた。
「し、したいかな・・・。」
僕は情けない声で言った。
「じゃあ、ネネのお願い聞いてくれる?聞いてくれたらスゴイ事してあげる。」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:15:12.23 ID:oV4eBGpNO
いや、面白いんだから書き貯めといとけよ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:15:28.27 ID:vA5XSoSt0
*しんのすけのターン
俺達はセンター街を抜け東急ハンズの近くまで来た。
「何でボーちゃんはハンズの辺りが怪しいと思ったの?」
マサオはボーに聞いた。
「・・・お腹空いた・・・。」
ボーちゃんはお腹を押さえて答える。
そういえばこの辺にボーの好きなカレー屋がある。
・・・そういう事か。
「ちょっと、ボーちゃん!!真剣にやってよ。・・・でも僕もちょっとお腹空いたかも・・・。」
マサオが笑って言った。
「2人とも・・・メシは後だ。あれ見てみろ。」
俺は2人に向かって指を差す。
「あれ?ネネちゃんじゃない?・・・一緒にいる人は・・・。」
マサオが驚いた顔で言った。
「あぁ・・・。シドだ。」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:16:09.59 ID:Qsq/30ZXO
今夜も寝れなそうだ。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:19:25.46 ID:fhFsW0hhO
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:19:40.85 ID:vA5XSoSt0
「何でシド君がネネちゃんと?」
マサオは声をひそめて言った。
「さぁな。ネネの奴、最近渋谷でデカイ顔してやがる・・・何か臭うな。」
ネネ・・・俺達とは中学まで一緒だった。中学の時1度だけ付き合った事があったけど
反りが合わず1ヶ月で別れた。最近渋谷で良く会うが、挨拶程度でほとんど会話してない。
「あれ?2人別れて別々の方へ行くみたいよ?どうする?」
マサオは2人を交互に見ている。
どうする?今は風間を探すほうが先決だ・・・。
「・・・あれ・・・。」
ボーがシドとネネの後ろの方を見ている。
風間だ・・・。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:22:44.13 ID:vA5XSoSt0
風間はシドとネネの後ろの建物の影に隠れて2人を見ている。尾行か?
シドとネネは別れて別々の方向へ歩き出した。
シドはパルコ方面へ。ネネは渋谷駅方面へ。
風間は・・・シドの後を付いてパルコ方面へ行った。
「何で風間君がシド君を・・・。さっき蹴られた恨みかな?」
マサオはオロオロしながら言った。
「いや・・・そんなんじゃないだろ。・・・マサオ、ボー、2人でネネの後を追え。
俺はシドと風間を追う。・・・定期的にメールくれ。」
俺はそう言いながら風間の後を追った。
「わ、わかった。気を付けてね!」
マサオの方を向かず手だけあげて返事した。
嫌な予感がする・・・。やけに空気が重たい。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:24:44.98 ID:o0/RxbOg0
私怨
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:27:45.42 ID:vA5XSoSt0
*風間君のターン
「・・・わかった。」
僕はネネちゃんの話を一通り聞いて了解した。
「ホント!?さすが風間君ね!大好き!」
そう言うとネネちゃんは僕の首筋にキスをし蛇のようにチロチロ舐めた。
ゾクゾクした。・・・大好き。そんな事言われたの何時ぶりだろう。
頭がボンヤリする。
僕とネネちゃんはカラオケボックスを出た。
「じゃあ風間君、よろしくね!何かあったら携帯にかけて。」
ネネちゃんは僕に手を振りながら言った後、俺の耳元に近づき
「うまくやってくれたらネネのアソコは風間君の物よ。」
そうつぶやいた。悪戯な笑顔。
「・・・う、うん、がんばってみるよ。」
僕はネネちゃんの20メートルくらい後をついて行った。
スペイン坂と書いてある辺りでバンドマンン風の男とネネちゃんが落ち合う。
あの男がシド・・・。
どこかで見た事ある・・・確かさっきしんのすけと一緒にいた男。
僕のこと覚えていたらどうしよう。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:31:35.54 ID:vA5XSoSt0
ネネちゃんがシドと別れた後、ネネちゃんに言われた通り
僕はシドの後をつけた。この人込みなら見つかる事もないだろう。
シドは東急ハンズ近くにあるカフェに入った。
僕は焦った。シドに顔を見られてるかもしれない。
その場合カフェなんて閉鎖的な空間だと見つかる可能性がある。
僕は迷ったあげく近くの雑貨屋で安いサングラスを買い、
着ていたネルシャツを近くのゴミ捨て場に捨てTシャツ姿になった。
カフェに入ってアイスコーヒーを頼みシドが見える席に腰掛ける。
シドはスーツ姿の男と話していた。
シドとスーツの男は10分ほど話した後席を立った。
スーツの男はシドに紙袋を渡し先にカフェを出る。
シドはタバコを1本吸った後に席を立った。
全て予定通り。胸が高鳴る。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:31:57.54 ID:Qsq/30ZXO
さるよけ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:36:44.31 ID:vA5XSoSt0
シドがカフェを出た後、慌てて僕もカフェを出る。
ネネちゃんに言われた計画・・・シドという男の後を追い別の男から荷物を受け取ったら、
どんな手を使っても荷物を奪い取る。奪い取ったらすぐタクシーに乗って原宿に向かう。
原宿に着いたらネネちゃんに電話する。タクシー代はネネちゃんに貰った。
穴だらけの、ずさんな計画。
しかし僕は従うしかない。ネネちゃんの体を・・・愛を手に入れる為。
新しい自分に生まれ変わる為・・・。
決意を固めて早歩きでシドに近づいた。
僕はカッタナイフの刃を出しシドが左手に持つ紙袋の持ち手を切った。
紙袋が落ちる。シドがこちらを向いた瞬間にシドを車道へ突き飛ばした。
本当はただ転ばせるつもりだった。
力を入れすぎたのか、シドがよろめいたのかわからない。
シドは車のテールランプの流れに飲み込まれる。スローモーション。
感情の無い顔・・・何が起こったか理解できない顔が見えた。
シドの体は車にはじかれ宙に舞った。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:42:24.14 ID:vA5XSoSt0
*しんのすけのターン
風間はカフェの前で店内を見ている。
本人は気付いてないだろうが歩道の真ん中に立ち尽くして目だっていた。
本当に尾行する気があるのだろうか。
風間は踵を返し周りの店を見渡して雑貨屋に入った。
ダサいサングラスを購入しネルシャツを捨てた。
一度会ったシドを警戒しているのだろう。風間が店内に入って行くのを確認してしばらく待った。
さすがに俺まで店に行く訳にはいかない。
携帯が鳴った。マサオから。連絡はメールでしろと言ったのに。
少し迷ったが電話にでる。
「もっしー。しんのすけ?ネネだけどー。」
ネネ・・・マサオとボーは尾行に失敗したようだ。
「・・・ネネ。」
俺は2人に尾行させた事を後悔しながらつぶやく。
「ちょっと、この2人に私を尾行させてどういうつもり!?」
電話の向こうでマサオが謝っているのが聞こえる。
「あぁ、ちょっとしたゲームだよ。ネネこそシドと仲良しみたいだけど、どういう事だ?」
風間の名前を出そうかと思ったけどやめた。計画の無い駆け引き。
腕時計を見ると、風間がカフェに入り10分ほど経っている。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:43:06.48 ID:VkRUqpQC0
sien
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:46:05.46 ID:vA5XSoSt0
「シド?あぁ、あのパンクスね。ちょっと前にナンパされて仲良くなっただけ。」
・・・嘘。シドは俺らといる時しかナンパはしない。
シドと風間が間を置いてカフェから出て来た。俺も後をつけようと動き出す。
心なしか風間の背中が緊張してるように見えた。風間がどんどんシドに近づく。嫌な予感。
「あっそー。・・・わりー。また後で電話かけ直すわ!」
一方的に電話を切り俺は走り出した。風間の奴、何かやらかす気だ。
そう思った瞬間、シドが荷物を落としシドの体が車道に投げ出される。
ドン!!!
鈍い音と共にシドの体が車にはじかれる。
風間はシドが落とした紙袋を拾い上げると走り去ってしまった。
「くそ、・・・風間ー!!!」
俺は叫んだ。しかし通行人の悲鳴や車のクラクションに掻き消され、
風間の耳には届かなかったようだ。
俺はカフェの前に到着し車道に目を向けた。
シドは両足が変な方に曲がり脳が飛び出していた。即死。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:49:45.71 ID:vA5XSoSt0
風間・・・何で・・・何でシドを殺した。
シド・・・いかれたパンクス。喧嘩が好きでバンドに命をかけていた。
キレやすく危ない性格でもあったが、両親を早くに無くし、別々に育った妹の事をいつも気にかける
やさしい面もあった。
・・・しかし嘆いている場合じゃない。
俺は風間の後を追って走り出した。
走りながらマサオに電話する。
「もしもし?ごめんよ、しんちゃん。尾行失敗しちゃ・・・」
「マサオ!!ネネはいるか!?」
俺はマサオの話を遮り叫ぶように聞いた。
「え・・・?もういないよ。・・・どうしたの?」
マサオもただならぬ雰囲気を感じ取ったようだ。
「シドが・・・シドが風間に殺された。たぶんネネは何か知っている。
いいか、マサオSBTのメンバー集めてネネを探せ!」
俺は走りながら叫ぶ。通行人が驚いてこっちを見ているが関係ない。
「・・・え?・・・し、しんちゃん冗談・・・でしょ?」
マサオの間の抜けた返事。
「全部マジだ!!!いいな、ネネを探せ。俺は風間を追う!」
俺は電話を切り走った。どこへ?わからない。でも動いてないと体が、頭が爆発してしまいそうだった。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:50:08.06 ID:3M91uLcKO
支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:52:23.13 ID:d/DxZM8P0
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:52:43.92 ID:TqOpCyID0
iwgp
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:53:27.74 ID:vA5XSoSt0
*風間君のターン
タクシーに乗って原宿へ向かう。
「お客さん、寒いですか?」
タクシー運転手が聞いてきた。
僕の体は震えている。気付かなかった。
シドの無表情な顔を思い出す。
「だ、大丈夫です。」
僕は震えながら答えた。
運転手は不思議そうな顔をしていたが、それ以上何も聞いてこなかった。
原宿にはすぐ着いた。
タクシーを降りてネネちゃんに電話する。
「もっしー。どう?上手くいった?」
ネネちゃんののん気な声。少し震えが止まった。
「う、うん。ネネちゃん今どこ?」
「ここだよ!」
ネネちゃんは僕のすぐ後ろに立っていた。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:56:02.99 ID:lPlMo4wD0
風間が股間にしか見えなくなってきた
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 01:57:45.80 ID:vA5XSoSt0
「風間君どうしたの?震えてるよ?寒い?」
僕はネネちゃんを抱きしめた。いや、誰かに抱きしめてもらいたかった。
「おっとっと、風間君焦りすぎだって!まず例の物見せて?」
ネネちゃんは僕の体を遠ざけ聞いてきた。
「あ・・・ごめん、こ、これ。」
僕は紙袋をネネちゃんに渡す。
これでいいんだろ?早く僕を抱きしめて。
「お、スゴーイ。本当にやってくれたんだ!風間君えらい!愛してるよ!!」
ネネちゃんは袋の中身を見ながら言った。袋の中身が何かは知らない。知る気もない。
ただネネちゃんが欲しかった。愛してるなんて言葉はいらない。
「じゃあご褒美ね。さ、行こう!」
ネネちゃんは僕の手を握って言った。
「・・・どこに?」
僕はネネちゃんの手の温もりを感じながら聞いた。
「ホ・テ・ル」
ネネちゃんは僕の耳元で囁く。背筋がゾクゾクした。
「それともここでする?」
ネネちゃんが悪戯に笑う。
ここが原宿駅の前だという事を忘れていた。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:04:55.28 ID:vA5XSoSt0
*しんのすけのターン
CCレモンホールの前辺りで見た事ある顔を見つけた。
確か前にナンパした女。何回かメシ食った事ある程度の関係。
「ちょっといいか?・・・人を探してるんだけど。」
女は男連れだった。関係ない。
「あれーしんのすけ君じゃん。おひさー。」
女はのん気に答える。
「何だお前?俺の女に何かようか?」
男が聞いてくる。無視した。
「ボサボサ頭でグラサンかけた男なんだけど。たぶん紙袋抱えていると思う。」
俺は思いつく限りの風間の特徴を女に伝えた。
「あー見た見た。ってか、さっきぶつかってった奴だよー。
何か慌ててタクシー乗ってあっちに行ったよ。」
女は原宿方面を指す。タクシーか・・・。
「おい、シカトすんなよ。俺の女と馴れ慣れしく喋んな!」
男が俺の胸倉を掴もうとした。
「やめときなよ。この人SBTのリーダーしんのすけ君だよー。」
女は男の手を止めながら言った。
こういう時に名前は役立つ。
「え、あ・・・。」
男は出した手を引っ込めるタイミングがわからずにいる。
「後でいくらでも遊んでやるから、いつでも来い。」
俺は男に言った後、女に礼を言ってタクシーを拾った。
支援
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:07:32.32 ID:o0/RxbOg0
有名なのかww
流石しんのすけさんだ
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:07:40.25 ID:DAFHqPXqO
C
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:08:12.01 ID:vA5XSoSt0
タクシーの中でマサオに電話する。
「もしもし?ネネは見つかったか?」
俺はマサオが電話に出ると同時に聞いた。
「まだ見つからないけど、
SBTのメンバーがネネちゃんらしき子が山手線で原宿、新宿方面に向かうの見たって。」
原宿・・・風間と同じだ。
「わかった。俺も風間を追って原宿に向かっている。
マサオとボーは一応まだ渋谷を探してくれ。」
俺は電話を切る。
風間、ネネ、お前ら何をしているんだ・・・。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:12:09.90 ID:3OE2jnbNO
もしもしえん
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:12:15.70 ID:vA5XSoSt0
*風間君のターン
僕は新宿のラブホテルに来た。もちろん初めてのラブホ。
ネネちゃんは僕の体を隅々まで舐めた後キスしてくれた。
「ネネは風間君の物よ?好きにして・・・。」
僕は夢中でネネちゃんの胸やアソコを嘗め回し撫で回した。
ネネちゃんは大げさに喘いでいたが演技なのだろう。
僕はネネちゃんと3回交わり
ネネちゃんに抱きしめられながら眠ってしまった。
体の震えは止まっていた。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:18:20.70 ID:vA5XSoSt0
朝、フロントのモーニングコールで目が覚めると
ネネちゃんの姿はなく、1万円札2枚と置手紙があった。
『先に帰るよ。またエッチしようね。ネネ』
僕はまた1人になった。ネネちゃんと一緒にいれると思ったのに。
昨日のシドって人・・・多分死んじゃったろうな。
僕が・・・僕が殺した。
シドの無表情の顔を思い出す。震えはこなかった。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:22:07.85 ID:vA5XSoSt0
行く当ての無い僕は1度春日部に帰る事にした。
衝動的に家出してしまった為、準備してなかったから。
僕は1日のうちに万引きして、人を殺し、童貞を捨てた。
まるで別人になったような気分。
気付くと交番の前を通っていた。
背筋が凍りつく。
お巡りさんは僕の顔を一瞬見たが、すぐ街に目を戻す。
大丈夫。バレてない。
電車を乗り継ぎ春日部に戻った。
何か変わって見えると思った春日部の街は、
何も変わらない、いつもの街並みだった。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:26:38.97 ID:vA5XSoSt0
*しんのすけのターン
俺は原宿駅でタクシーを降りた。
風間の姿もネネの姿も無い。
当たり前か・・・。あやふやな情報で動き過ぎた。
どうする・・・。原宿を探し回っても見つけられる可能性は低い。
一度渋谷に戻ってマサオ達と合流しよう。
考えがまとまった瞬間、意外な人物を視界にとらえた。
「まつざか先生・・・?」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:26:50.11 ID:Ut45mzHhO
428と雰囲気似てるな
支援
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:28:37.76 ID:Qsq/30ZXO
ネネちゃんビッチwww
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:31:21.93 ID:vA5XSoSt0
まつざか先生は俺を見ていた。
「ひさしぶりね、野原しんのすけ。」
まつざか先生・・・幼稚園時代の先生。卒園後も何度か会った事はあるが
もう何年も会っていなかった。
「・・・まつざか先生・・・こんな所で何してんだ?」
最近渋谷で遊んでいるネネと会うのはわかるが、
風間やまつざか先生とこんな場所で会うのは偶然と思えない。
「ちょっと用事があってね。それにしてもアンタいい男になって来たじゃない?」
松坂先生は話を逸らそうとしている。
「用事?コソコソ俺の後追う用事か?」
鎌をかける。先生の目が一瞬鈍く光った気がした。
「バレてたの?まぁアンタをっていうより、シドって男、今は風間君を追ってたのよ。
途中でアンタを見つけたからバレないようターゲットをアンタに変えたって訳。」
まつざか先生はあっさり答えた。
「目的は何だ?ネネは・・・風間は何を企んでいる?」
俺は情報が欲しかった。
「アンタ・・・これ以上この件に首を突っ込まないほうがいいわよ。」
まつざか先生は真剣な顔で言った。
「・・・ババァに心配されるほどガキじゃねーよ。」
これ以上の情報は無理か・・・。
「ガキが調子に乗んないの・・・。そうそう、いい事教えてあげる。吉永先生ね・・・死んだわよ。」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:32:50.74 ID:QA17EMpN0
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:37:32.37 ID:vA5XSoSt0
「あ?・・・何言ってやがる。冗談だろ?」
頭が真っ白になった。
吉永先生・・・幼稚園時代の担任。良く叱られたが卒園後も俺達の事を気にかけてくれた。
特に俺が高校に行ってない事を心配してくれた。そういえば1年くらい連絡が無い。
吉永先生・・・嘘だろ・・・。
「冗談な訳ないでしょ?・・・私だって信じられなかったけど。」
まつざか先生は遠くを見つめながら言った。
「・・・葬式は?」
俺は呆然としながら聞く。
「家族だけでやったらしいわ。アンタみたいなガキの知らない裏の世界があるの。
わかる?アンタはこれ以上関わらない方がいい。ガキの遊びじゃないの。」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:40:43.14 ID:vA5XSoSt0
俺はまつざか先生と別れ渋谷へ戻った。
マサオとボーと合流して、これまでの事を報告し合う。
シドの事、まつざか先生の事、吉永先生の事。
マサオとボーの方はネネの携帯の番号を入手したらしい。
俺達はとりあえず今日は解散して渋谷を後にした。
俺は東横線で中目黒へ向かう。
春日部には半年ほど帰ってない。
中目黒にあるアパート。
合鍵でドアを開け部屋に入る。
「おかえり、しんのすけ。」
桶川竜子がパジャマ姿で出迎えてくれた。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:46:04.79 ID:vA5XSoSt0
*風間君のターン
僕は自宅があるマンションへ帰って来た。
家出して1日。でも荷物を持ってまた家を出るつもりだ。
どこへ?わからない。ここ以外のどこか。
僕は自宅へ入る。
「トオルちゃん!?どこへ行ってたの!?」
ママが鬼の形相で言って来た。
「・・・ママには関係ないだろ?」
僕は自室に入り荷物をまとめながら言った。
「まぁ!何て口の利き方なの!?不良にでもなっちゃった!?
とりあえず今から学校行きなさい!!昨日休んだ分取りかえなさいと。」
ママは早口で捲くし立てる。
「うるさい!!もう僕の事は放っておいてよ!!」
僕は怒鳴った。
「トオルちゃん!!もうお父さんも死んじゃって、ママにはトオルちゃんしかいないの。
トオルちゃんは頭がいいんだから東大に入って、いい会社入ってたくさんお金を稼ぐのよ。
そしてママと2人ずっと幸せにくらしていきましょう。」
ママは喋りながら興奮している。
「僕は・・・そんなの、うんざりなんだよ!!もう家を出るから!じゃあ。」
僕は一方的に言って自宅を出ようとした。
「うちのトオルちゃんは本当に良い子なの。ママ思いで良い子。逆らわない良い子。フフフ」
ママは目を見開き笑っていた。右手に竹刀を。左手にロープを持って。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:50:30.83 ID:vA5XSoSt0
しんのすけのターン
「・・・どうした?しんのすけ。顔が真っ青よ。何かあった?」
竜子は心配そうに聞いてきた。俺は竜子を抱きしめた。
桶川竜子・・・昔は、ふかづめ竜子と名乗り埼玉紅さそり隊という不良グループをやっていた。
その後、更生して大学へ行き今は恵比寿でOLをしている。
1年ほど前に渋谷で偶然再会。俺達は意気投合して、再会したその日に寝た。
今は、ほぼ同棲状態で俺はいわゆる竜子のヒモとして生活している。
俺は竜子を愛していない。多分、竜子も同じ。お互い足りない何かを補う為に一緒にいる。
たとえ一時の止まり木だとしても、俺達はお互いを必要としている。
「・・・竜子・・・俺・・・今日、色んなモノを無くしたよ。」
俺は泣いていた。大声をあげ。
竜子は何も言わず抱きしめてくれた。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:50:35.67 ID:rmfIUt+H0
試演
寝れなくなっちまったぜ
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:53:28.87 ID:vA5XSoSt0
翌日、目が覚めると竜子は出社するところだった。
「悪いな、しんのすけ。起こしちゃった?」
いつもと変わりなく接してくれる竜子。うれしかった。
「・・・もう行くのか?会社休んで、今日は一緒にいてくれない?」
俺は思わず言ってしまった。そんな事言うつもりなかったのに。疲れてるのか。
「ハハハ、そんなの無理だよ。でも・・・なるべく早く帰ってくるから。」
竜子はそう言ってキスしてくれた。
「わりー。何か気弱になってた。気にしないでくれ。
・・・今日は帰って来れるかわからないから・・・先に寝てていいよ。」
俺はそう言って布団を被った。恥かしかったから。
俺はしばらくウダウダした後に、渋谷へ向かった。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:56:20.71 ID:noFIGfu8O
最近IWGPにはまった俺には最高だ。支援
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 02:58:11.07 ID:vA5XSoSt0
*風間君のターン
僕は電車に乗り渋谷に向かっていた。
昨日の事を思うと渋谷へ行くのはマズイ。
でもネネちゃんに会いたい。渋谷に行けば会える気がした。
自分から電話すればいいのだが、そんな勇気無かった。
もし電話に出てくれなかったら僕は・・・発狂してしまいそう。
けっきょく何も変われない自分。
渋谷を適当に歩いたがネネちゃんには会えなかった。
当たり前だ。僕は・・・何してるんだろう。
意を決して携帯を手にする。
僕は変わったんだ。生まれ変わったんだ。
ネネちゃんに電話する。
1コール・・・2コール・・・3コール・・・
「もっしー!風間君なーにー?」
ネネちゃん・・・僕は踊り出しそうなほど嬉しかった。
クレしんssに目覚めたんだけどどっかにまとめられてないかな
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:03:06.65 ID:vA5XSoSt0
「・・・もしもしネネちゃん?今、どこにいるの?」
僕は笑顔で聞いた。
「んー?今ね・・・友達にドタキャンされて1人で渋谷のカラオケだよ。
あー、もしかして風間君もうヤリたくなっちゃった?」
ネネちゃんは笑いながら言う。
「そ、そういう訳じゃ・・・僕も今渋谷なんだ。い、行っていいかな?」
僕はただネネちゃんと一緒にいたいだけ。
「もう、言ったでしょ?ネネのアソコは風間君のモノよ。いつだって自由に使っていいんだからね。
昨日のカラオケだから。203号室。早く来て。私火照っちゃって、もう待ちきれないよ・・・。」
ネネちゃんは甘えたようなセクシーな声で言う。
僕は体温が上がった気がする。
「す、すぐに行くから・・・待っててね!」
僕は走り出した。ネネちゃんに早く会いたい。抱きたい。抱かれたい。
今ならマラソン選手より早く走れる気がする。
昨日のカラオケに入って203号室へ飛び込んだ。
ネネちゃんの姿は無く、別の人物がいた。
「し、しんのすけ・・・。」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:08:16.68 ID:vA5XSoSt0
*しんのすけのターン
俺は渋谷へ着くと昨日マサオから聞いたネネの電話番号へかけた。
「もっしー。だーれー?」
ネネ、のん気な声。
「俺、しんのすけだ。今からちょっと会えないか?」
「しんのすけー?何でアンタと会わなきゃなんないのよ?」
ネネはアクビしながら言う。
「ちょっと、話したいことがあるんだ。」
イライラしてきた。
「何?まさか告白!?イヤン。どーしよっかなー。」
さらにイライラしてきた。
落ち着け。ネネを捕まえられればこっちのものだ。
「ふざけるなよ、ネネ。・・・昨日シドが死んだ。」
俺は冷静に言う。シドの顔を思い出す。
「ふーん。いいよ。アンタどうせ渋谷でしょ?
待ち合わせはロフトの所のカラオケでいい?」
ネネはまたアクビしながら言った。
「あぁ、わかった。すぐ行く。」
ロフト前のカラオケ。5分もあれば着くな・・・。
シドが死んだ事知ってたのか?
「おっけー!じゃあ私ちょっと時間かかるから先入ってて。
部屋番号わかったらメールしてね!アドレスは******@****.ne.jpだよ。」
俺はアドレスをメモしてカラオケへ向かった。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:11:47.12 ID:vA5XSoSt0
俺は203号室に入ってネネに部屋番号をメールした。
頭の中を整理する。
ネネ・・・シドと知り合い。昨日シドと会った後に山手線で新宿方面へ向かう。
風間・・・ネネとシドを尾行し、2人が別れた後はシドを尾行。殺害。シドの紙袋を奪い、その後タクシーで原宿方面へ。
シド・・・カフェで誰かから紙袋を受け取り、風間に殺される。紙袋の中身はいったい・・・。
まつざか先生・・・風間を尾行。その後、俺を尾行。何か知っている。裏の世界・・・。ヤバイ匂いしかしない。
吉永先生・・・裏の世界に関わって死亡。
考えていると部屋のドアが開いた。
ネネ、意外と早かったな。
ドアの向こうには風間が立っていた。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:15:19.49 ID:vA5XSoSt0
俺は混乱したが、風間を捕まえられるなら良し。
逃げようとする風間を捕まえ、部屋に引きずり込みドアを閉めた。
「よう、昨日は万引き邪魔しちゃって悪かったな。風間・・・いや、殺人犯。」
俺は風間の胸倉を掴んで言った。
「し、しんのすけ・・・ネネちゃんは?」
風間は怯えた表情で言う。
俺は一発腹を殴った。
「さぁな。俺もネネにここに来いって言われた。2人して騙されたんだろ?
ていうーかよ、お前何したかわかってんのか!?」
俺は怒鳴った。防音のカラオケなのがありがたい。
「み、見てたのか?・・・僕は殺すつもりは無かったんだ。」
風間は震えている。
「殺すつもりは無くてもシドは死んだ。あいつは俺達の仲間だったんだ!」
俺はさらに怒鳴りつける。
「・・・ごめん。」
風間は泣き出してしまった。
「おい、風間。泣いてんじゃねーよ。悪いと思うなら全部話せ。ネネの事。シドの事。全部な。」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:16:27.25 ID:Qsq/30ZXO
私怨
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:19:01.00 ID:xZcGkNkC0
早く書け
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:19:07.50 ID:vA5XSoSt0
俺は風間から全て聞いた。
「・・・そうか。」
俺はつぶやいた。
けっきょく新たにわかった事は、ネネが体を使って風間を操った事くらい。
「風間、お前はネネに騙されてるんだ。」
俺は震えてる風間に言った。
「・・・そ、そんな事無い。ネネちゃんは僕の事愛してるって言ってたんだ!」
風間・・・バカな奴だ。
「じゃあ何でここにネネは来ない?何で俺とお前を鉢合わせにさせた?」
多分ネネにとって風間はもう邪魔者でしかないんだろう。
「きっと・・・きっと何か理由があったんだ。・・・そうに決まってる。」
このまま言い争っても仕方ない。
「わかった。直接ネネに聞こう。ネネを探しに行くぞ。」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:23:07.77 ID:vA5XSoSt0
俺達はカラオケを出た。
ネネに電話かけたがでない。当たり前か・・・。
マサオに電話。
「・・・もしもし?しんちゃん今授業中だよ。」
マサオはコソコソ話している。
「マサオ、風間を捕まえた。学校終わったらすぐボーと渋谷に来い。次はネネだ。」
マサオとボーは同じ高校に通っている。
おそらく来れるは夕方だ。
「本当?わ、わかった。・・・しんちゃん、風間君の事殴ったりしたらダメだよ。
ちゃんと話を聞いてあげてね。じゃあ、後で。」
・・・もう遅い。すでに一発殴っている。
「・・・しんのすけ。シドって人の事・・・。僕は本当に殺す気は無かったんだ。」
風間が怯えながら言った。
「わかってる。・・・いや、本当はまだお前が憎い。でも・・・今はやるべき事があるからな。
とりあえずは目を瞑ってやる。ただ、おかしなマネしたら俺は何するかわかんねーからな。覚えとけ。」
風間だって俺にとっては仲間だ。2人の距離が空いても、風間がどう思おうと
それを忘れた事は無い。俺は風間と会い、話し、風間を憎みきれないでいた。
「わかってる。ありがとう、しんのすけ。」
風間が話していると警官が2人近寄って来た。
「ちょっと君。風間トオル君だね。話があるんだが。」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:25:13.40 ID:vA5XSoSt0
警官・・・昨日の万引きか、シドの事か。
くそ・・・こんな時に。
俺は風間を横目で見た。
風間は暗く深い目をしていた。
・・・昔の俺と同じ目を・・・。
「風間君、君のお母さん・・・風間みね子さん殺害の容疑者として君に逮捕状が出ている。」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:25:18.05 ID:FFLdogNO0
続きが気になってねれねぇよ
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:26:35.31 ID:vA5XSoSt0
見てる人いたらさるよけお願いします。
少し書くスピードあげるんで
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:28:44.87 ID:xZcGkNkC0
おもしれえ
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:30:01.76 ID:vA5XSoSt0
「ど、どういう事だ風間?・・・お前何したんだ!?」
俺は驚愕した。風間は震えながら真っ青な顔で黙ってうつむいている。
それが真実を物語っている。
「君のマンションの住人が、返り血を浴びカッターナイフを持って
自宅から飛び出し逃げる君を目撃している。その住人が風間みね子さんの死体を発見したんだ。」
若い方の警官が熱弁している。
「余計な事言うな。・・・風間君、とりあえず話を聞かせてもらうから
警察署まで来てもらうよ。」
年配の警官が若い警官を手で遮りながら言った。
「ぼ、僕がやり・・・ました。」
風間が言った。どんな理由で母親を・・・。
俺は暗く深い目をした風間を放って置く事が出来なかった。
昔の俺と同じ目だから。俺は・・・仲間がいたから救われた。
風間が警官の方へ歩み寄った瞬間に
俺は年配の警官を足払いで転ばせ、その勢いのまま若い警官へ回し蹴りを放った。
「風間!逃げるぞ!!」
俺は風間の手を取り走った。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:33:41.81 ID:vA5XSoSt0
俺と風間は近くのデパートで適当に服を買い着替えた。
気休めにしかならないが。
そのままデパートの屋上に向かう。
「・・・しんのすけ。何で僕を連れて逃げたんだい?」
俺のコーディネートした服・・・風間には似合わない。
「まぁ、何となくな。お前の目を見てたら昔を思い出した。俺と同じような目をしてたなって
それより風間、どういう事だ?お前本当に・・・。」
俺は風間にさっき買った缶コーヒーを渡し聞いた。
「あぁ、本当だよ。今朝・・・ママを殺したんだ。」
風間は語り出す。
風間の話によると、8年ほど前に風間の父親が病気で亡くなった頃から母親がおかしくなったという。
元々、いわゆる教育ママだったがそれに拍車をかけ、風間に依存するようになった。
風間が少しでも成績を落としたり逆らうと、ロープで縛られ竹刀で叩かれる。
熱湯をかけられたりトイレの便器に顔を突っ込まれたりもしたらしい。
今でもロープを見ると体がすくんでしまい抵抗できないそうだ。
「そんな事が・・・。」
俺は絶句した。そんな過去があったのか・・・。
暗く深い目の理由がわかった。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:38:23.21 ID:vA5XSoSt0
風間は泣いていた。母親を殺した恐怖か、母親を無くした事にか、わからない。
「・・・しんのすけは家に帰ってないのかい?」
風間が涙を拭きながら聞いてきた。
「あぁ、俺は・・・出来損ないだから家族に嫌われてるんだよ。
妹のひまわりが優秀だからな。俺の出来の悪さが際立つんだ。」
俺が帰らなくても連絡1つ寄こさない家族。俺がいなくなってせいせいしてるんだろう。
「しんのすけの家族が?そんな風に思えないけど・・・。」
風間は不思議そうに言う。
「それに両親とも不倫してるんだ。」
事実。家族は崩壊しかけてる。
「僕が言える立場じゃ無いけど、それって・・・逃げてるだけだろ?」
真剣な目付きの風間。
「まぁ、そうかもな。でもホント、お前に言われたく無いわ。」
俺達は笑った。この状況で。似た環境の2人だから。
俺達は時間も警察も忘れ語り合った。
今までの時間を取り戻すかのように・・・。無邪気に。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:38:56.34 ID:tMWfLvM6O
C
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:40:01.48 ID:9NYFdb7IO
C
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:42:03.33 ID:XcQGGoCdO
支援
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:43:19.30 ID:vA5XSoSt0
「風間、お前SBTに入れよ。楽しい思いさせてやるぜ。マサオもボーもいるし。
まぁお前がカッターで切ったミゲルにはボコボコにされるだろーけど。」
俺は笑って言った。
「いや・・・僕には無理だよ。ついて行けそうにないや。ミゲルって人には今度謝り行くよ。
それにしても・・・しんのすけは変わったな。」
風間は俺をマジマジ見ながら言った。
「俺がか?どこが?別にそんなつもりねーけどな。」
俺は生きたいように生きて来た。
「どこって・・・変わってないトコの方が少ないと思うけど・・・
昔は自分の事『オラ』とか言ってたし。語尾は『だゾ』とか付いてたし。」
風間は笑ってる。
「あぁ、喋り方は意識して変えたんだ。変わりたかったんだよ。新しい自分に。」
そんな事しても変わらないのに。
「そうなんだ・・・。俺も変わりたい。ネネちゃんに会って変われると思ってた。」
風間は遠い目をして言う。
「すっかり話込んじまったな。そろそろ行くか。麗しのネネ姫を探しに。」
俺達は腰をあげた。
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:45:39.38 ID:vA5XSoSt0
俺達はマサオとボーがそろそろ来ると思い渋谷駅に向かった。
歩いてる俺達の脇に黒いベンツが横付けする。
あきらかに堅気の雰囲気がしない。ベンツのドアが開いた。
「しんのすけ、風間君・・・久しぶりだね。車に乗りなさい。」
ベンツに乗っていたのは、俺達が通ってた幼稚園の園長、高倉文太だった。
「ちっ・・・組長かよ。今忙しいんだ。後にしてくれ。」
俺達にはやる事があるんだ。
「おい、しんのすけ。お前まだ園長先生の事を組長って呼んでるのかよ。失礼だろ。
・・・園長先生、ご無沙汰してます。」
律儀な風間。
「風間、このおっさんは本当に組長なんだよ。俺も最近になって知ったんだがな。」
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:47:05.63 ID:QA17EMpN0
しんのすけはしんのすけだった
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:50:41.81 ID:vA5XSoSt0
「え?どういう事?」
風間は驚いている。俺だって知った時は驚いた。
「・・・2人は桜田ネネを探してるんだろ?その件について話がある。いいから乗れ。」
組長からの情報。信憑性は高さそうだ。
俺は風間に向かって頷き、ベンツに乗り込んだ。
ベンツは運転席と後部座席は仕切りのような物で遮られていた。
「・・・ほ、本当に組長なんですか・・・?」
風間はまだ信じられないという顔をしている。
「あぁ、ウチの家計は代々ヤクザの組長なんだ。高倉組っていうな。
10年ほど前に先代、つまり私の父が死んで継ぐ事になった。」
俺はこの話聞いた時に腹がよじれるほど笑い、
手下のヤクザに殺されかけたのは良い思い出だ。
「また俺達SBTに高倉組の傘下に入れって話かと思ったぜ。
まぁ、また誘われても断るけどな。」
3ヶ月ほど前にマジで誘われた。
「その件については私はまだ諦めてないぞ。しんのすけ、お前は頭が切れるし度胸もある。
何より人を惹きつける魅力がある。まぁ今日はその話はやめておこう。」
組長は真剣な顔付きになった。
「あぁ、本題に入ってくれよ、組長。」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 03:55:46.63 ID:vA5XSoSt0
「事の発端はウチの組の若頭と、その部下数人が組の乗っ取りを企てている事からだった。
若頭は組の金を使って海外から大量のシャブを日本に持ち込んだ。」
組長は目を瞑り話している。
「おい、組長。話がでか過ぎて見えねーよ。俺達はネネの行方を知りたいだけだ。」
シャブなんて俺達の手では有り余る。
「まぁ聞け。」
組長は冷静に言い、話を続ける。
「シャブは末端価格で10億円ほど。そんな物が出回れば東京は大変な事になる。
ウチの組はシャブを始め覚せい剤は禁止していてな。それが他の組の牽制にもなって
シャブの密輸を全部では無いが、食い止めていた。」
俺は嫌な予感がした。背筋が凍りつく。
「今回日本に入ってきたシャブの7割ほどは組で回収できたが、
若頭が残りの3割を持って雲隠れしてしまった。こいつがなかなか見つからなくてな。
最近になって渋谷にいるらしいとわかった。しかし若頭は尻尾を出さない。
どうやら街のチンピラを運び屋として使い売人に売るつもりだったらしい。」
組長の声には熱がこもってきた。
「そのシャブを途中で盗んだのが風間とネネって訳か。」
俺は組長の話を遮り言った。
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:00:10.35 ID:oV4eBGpNO
面白いんだから書き貯めとけよks
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:00:28.59 ID:vA5XSoSt0
「え?」
風間は目を見開いた。
「そういう事だ。」
組長は頷く。
「しんのすけの仲間のシドという男も運び屋だった。」
そういう事になる。シドは妹と暮らす為に金が必要だった。
「・・・そんな・・・。ネネちゃんは何でシャブなんか・・・。」
風間は呆然とつぶやく。・・・ネネ・・・あいつどんだけ危ない橋を渡ってるのか知ってるのか・・・。
頭が痛くなりそうな話だ。そんな事を考えていると、
ベンツの運転席と後部座席を遮る仕切りがモーター音とともに下がり始めた。
「だから首を突っ込むなって言ったのよ、しんのすけ。」
助手席には、まつざか先生が座っていた。
「話を聞いた以上アンタも風間君も逃げられないわよ?」
まつざか先生は前を向いたまま言った。
「ちっ、最初から逃げる気なんてねーよ。こっちは仲間が死んでんだ。
ところで、まつざか先生は組長の手下って訳か・・・。それであの場所にいた。」
そう、逃げるなんて最初から選択肢は無い。
「あら、それは頼もしい事。1つ言っておくけど、私は組長の手下じゃないわ。愛人よ。」
組長は顔を赤らめ恥かしそうに外の景色を見ていた。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:01:44.85 ID:tMWfLvM6O
なんと
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:03:37.27 ID:ZmuU+uUdO
続きが気になって寝れない・・・
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:03:48.12 ID:vA5XSoSt0
「で?そんな事を話したって事は俺達に何かやらせる気だろ?スケベ組長。」
俺は照れている組長に言った。
「・・・ゴホン。ヤクザにもメンツがある。
このままだとネネちゃんに落とし前をつけてもらわねばならない。」
組長はマジメな顔に戻って言う。
「お、落とし前って何をするんですか?」
呆然としていた風間がネネの名前に反応して我に返ったようだ。
「まぁ、死んでもらう事になる。・・・ちなみに風間君、君もだ。」
組長の目が光った。
「そ、そんな・・・。」
警察に追われ、ヤクザに狙われる風間。
「そこでだ、しんのすけ。お前らの手でシャブを回収しろ。
そうすれば風間君もネネちゃんも殺さない。できるか?」
組長は俺に言った。
「できるか?じゃなくて、やれって言えばいいだろ?どうせ選択肢なんて無いんだから。
ちっ、けっきょく俺は高倉組の手下かよ。まぁ最初からやるつもりではいたけど。」
俺は意味の無い文句を言った。
「若頭一味はこちらで捕らえるつもりだが、あいつらも全力でシャブを取り返しに来るだろう。
万が一に備えてこれを持っていけ。」
組長は銃を2丁渡してきた。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:05:36.06 ID:vA5XSoSt0
「こんなもん使い方わかんねーし、いらねーよ。」
俺は銃を付き返そうとした。
「使い方は簡単だ。セーフティロックを解除して撃つだけ。
使わなければそれでいい。何があるかわからないから持って行け。」
俺と風間はしぶしぶ銃を受け取る。
「ネネチャンがどんなルートでシャブを捌こうとしてるかわからないけど
なるべく早くね。アンタ達、しくじるんじゃないよ。それと軍資金よ。持って行きなさい。」
現金30万円を受け取った。まつざか先生・・・一応は心配してくれてるようだ。
「・・・あれ?・・・く、車を止めて下さい!」
外の景色を見ていた風間が言った。
みんなも外を見る。
「あそこのコンビニ前にいる、ピンクの服の女の子・・・確かネネちゃんの友達だ!
昨日センター街であったよ。」
風間が言った。
ピンクの服の子・・・俺は見た事無い子だった。
「じゃあな、組長、まつざか先生。」
俺と風間は車を降り、ピンクの服の女へ近づいて声をかけた。
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:08:20.15 ID:6OeCWVCE0
>>92 いくら言っても無いもんは無いんだから黙ってろボケ
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:08:27.58 ID:vA5XSoSt0
「・・・ね、ねぇ、君ネネちゃんの友達だよね?僕・・・昨日会ったんだけど覚えてる?」
風間が聞いた。まどろっこしい。
「えー。ネネは友達だけどー、アンタは知らないよー。あ!この人は知ってる!
SBTのしんのすけ君だー!」
女の間延びした喋り方・・・イライラする。
「えーと、昨日センター街で会ったんだけど・・・。何時くらいだったっけな・・・。」
風間は考え出した・・・。
何やってんだこいつ。
「おい、風間。そんな事どうだっていいんだよ!・・・なぁ、俺達ネネ探してんだけど、
どこにいるか知らないか?」
俺は風間に代わって聞いた。
時間がない・・・。
「えー、知らないよー。今日はメールもしてないしー。」
女は興味なさそうに言った。
「そうか。・・・なぁ、ネネの事呼び出してくれない?」
俺は1万円を3枚出して言った。
「なーにー?お金くれんのー?たた呼び出すだけでいいんだったらやるー!」
金で友達を売る。バカな女だ・・・。
しえん
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:12:11.99 ID:vA5XSoSt0
ネネにはパルコの入り口に来てもらう事になった。
怪しまれたら困るので、ピンクの服の女にパルコ前で待っててもらい
俺たちはちょっと離れた場所で様子をうかがう。
一応俺たちはサングラスと帽子を買って怪しまれない程度の変装をした。
20分くらいでネネが来た。ネネもサングラスをかけ変装している。
ネネはギャルの格好には不釣り合いな大きなバックを抱えていた。
あいつ・・・まさかシャブを持ち歩いてるのか・・・。
俺は風間に短く作戦を耳打ちした後、挟み撃ちするようにネネに近づく。
風間がネネに声かけた。
「やぁ、ネネちゃん・・・。」
ネネは少し驚いた様子。
「あ・・・風間君。さっきはゴメンネ!急に用事入っちゃって。」
平気で嘘に嘘を重ねるネネ。俺は後ろから近づく。気付かれていない。
「ぼ、僕・・・その。」
風間はソワソワしだした。早くしろ。
「ふ、ふざけんなよ!!」
風間は急に叫んだ。下手な演技だ。
俺が風間に伝えた作戦。ネネの隙を作れ。驚かせろとは言っていない。
驚かせたら余計にカバンを強く握ってしまうかもしれないのに。
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:15:04.26 ID:vA5XSoSt0
ネネが少し怯んだ。しかしこれ以上はネネに怪しまれてしまう。
俺は仕方なしにネネのカバンを持っている方の腕に軽い手刀を食らわす。
ネネは小さい悲鳴と共にカバンを落とした。
俺はすかさずカバンを拾いあげる。
「あー!!しんのすけ!痛いじゃない!何すんのよー。」
ネネはこちらを振り向き怒っている。
俺は無視した。
「風間、お前もう少しマシなやり方なかったのかよ?冷や冷やしたぜ。
とりあえず場所変えよう。ネネも来い。」
俺は2人の返事も待たずに歩き出した。
「ちょっと待ちなさいよ!!カバン返して!」
ネネがカバンを取り返そうとしてくるが
俺はそれを払いのけカバンを開ける。
・・・袋に入ったシャブが詰まっていた。
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:15:57.44 ID:oV4eBGpNO
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:17:27.18 ID:9NYFdb7IO
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:18:06.25 ID:QA17EMpN0
わーおひさしぶりに低脳なやり取り見たぜ
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:19:02.74 ID:vA5XSoSt0
俺、風間はネネを連れて近くのカラオケに入った。
俺は今までの経緯をネネに話す。
ネネは怒っているようだけど大人しく聞いていた。
「ふーん。それでしんのすけと風間君は一緒にいるんだ。
でもシャブは渡さないわよ・・・。私が苦労して手に入れたんだから。」
ネネは頬を膨らませ言う。苦労して手に入れたのは風間だ。
「ネネちゃん、これがどういう物かわかってるの?
こんなのが東京に出回ったら大変なんだよ。ネネちゃん自身も危ないし。」
風間はネネをなだめる様に言った。
「私には関係ないもーん。それに、これ3億円くらいで売れるらしいから、
私どっか南の島にでも行って遊んで暮らすんだー。」
バカ女・・・。
「お前、これだけのシャブを買い取ってくれる当てはあるのか?」
俺は聞く。
「えー、そんなの渋谷でシャブとかエス売ってる外人に売ったらいいんじゃないの?」
「バカかお前?奴らには奴らの入手ルートがある。これだけの量を買い取ってくれる訳ないだろ!
それに、奴らが3億も持ってると思ってんのか?」
「知らないよ!そんなの。じゃあその入手ルートてやつに売る!」
「そんな事したらお前は日本中のヤクザに命を狙われるぞ!?」
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:19:16.29 ID:oV4eBGpNO
つーか風間死ぬだろこれ
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:22:12.35 ID:vA5XSoSt0
俺たちはしばらく言い争った。風間はオロオロしながら見ている。
何の考えも無しにシャブを盗んだネネ。呆れるほどバカな女だ。
「とにかく、このシャブはお前の物じゃない。組の金で買った物だから組長に渡す。いいな?」
俺はネネに言った。
ネネはまだ何か言いたそうだが、観念したのか膨れっ面をしている。
「それが一番いいんだよ、ネネちゃん。」
風間がネネの肩に手を乗せた。
「うるさい!触らないでよ!!気持ち悪い。」
ネネは風間の手を払い言った。
風間は口を開けたまま呆然としている。
「言っとくけどねー、私は風間君の事を利用しただけなの。
ちょっとやさしくしたからって馴れ馴れしく触らないでくれる?」
ネネは冷たい目で言った。
「そんな・・・。」
風間は今にも泣き出しそうな顔をしている。
「何よ?ヤラせてやったんだからいいじゃん!
本当はアンタみたいな童貞もやしっ子に触られるだけでも嫌だったんだから!!」
ネネは冷たい目のまま怒鳴った。
「おい、痴話喧嘩は後でやれ。今は他にやる事があるだろ?」
俺は2人に言った。
「僕・・・ちょっとトイレ行って来るよ。」
風間は部屋を出て行く。恐らく泣くのだろう・・・。
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:26:01.33 ID:QA17EMpN0
おい外が明るくなってきたぞ
今日遅番じゃなきゃ死んでた
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:26:01.81 ID:vA5XSoSt0
「ねぇ、しんのすけー。」
風間が部屋を出るとネネが甘い声を出しながら擦り寄ってきた。
「2人でシャブ持って逃げない?アンタだったらシャブ買ってくれる人くらい知ってるでしょ?
それでさ、2人でお金持ちになろーよー。一緒に南の島でも行って楽しく暮らそ?」
ネネは自分の胸を押し付け耳元で囁く。
背筋がゾクゾクした。
「ふざけんな。そんな事したら俺達は組長に殺されるぜ。俺はまだ死にたくない。」
楽しく暮らすのは賛成だが。
「大丈夫。しんのすけ頭がきれるし、喧嘩も強いしじゃん。上手くいくって。私達、また寄り戻そうよ。
アンタがこんなカッコ良くなるなら、中学の時別れるんじゃなかった。ネネはー、しんのすけの事好きよ。」
俺達は確かに中学生の頃に少しの間だが付き合ってた。
成り行き。俺はネネとのセックスに溺れていた。
一時といえどネネを愛していた。
「しんのすけ、ネネの体欲しくない?昔みたいにヤリまくろうよ?
アンタ耳が性感帯だったよねー?」
ネネはそう言うと俺の耳を甘噛みした。
「やめろ、現実を見つめろ!!俺達はヤクザに狙われている。
死と隣りあわせだ。金より命の方が大事だろ?わかんねーのかよ!」
俺はネネを突き飛ばし叫んだ。
これ以上バカに付き合いたくない。
気が付くと。部屋の入り口に暗く深い目をした風間が立っていた。
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:29:19.71 ID:vA5XSoSt0
*風間君のターン
僕はトイレで泣いた。ネネちゃんに騙されシドを殺した。
ママを殺した。・・・ネネちゃんを失った。いや最初から僕の手には何もなかった。
警察に追われている。ヤクザに命を握られている。
前にも後ろにも道は無かった。僕は気が付くと震えていた。
『風間、お前SBTに入れよ。』
しんのすけの言葉を思い出す。・・・そうだ僕には友達がいる。
かけがえの無い友達・・・。震えが止まった。
「よし、組長にシャブを届けなきゃ。」
僕は1人つぶやき部屋に戻った。
ネネちゃんがしんのすけに抱き付き、しんのすけの耳元で喋っていた。
「ネネはー、しんのすけの事好きよ。」
「昔みたいにヤリまくろうよ?」
耳を塞ぎたくなる。
しんのすけ・・・。お前ネネちゃんと。
僕は何を信じればいい。僕の居場所はどこにある。
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:30:18.88 ID:+mIIbgTd0
紫煙
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:31:34.06 ID:Qsq/30ZXO
ネネちゃんどんだけビッチなんだよwww
俺のチンコ立ってるけど
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:33:30.61 ID:vA5XSoSt0
*しんのすけのターン
「風間・・・お前戻って来てたのかよ。・・・聞いてたのか?」
風間の様子からすると聞いていただろう。
「・・・聞いてたよ。2人は・・・付き合ってたんだね。
ネネちゃんを・・・す、好きな僕を見て、ネネちゃんに騙される僕を見て笑ってたのかい?」
風間は震えていた。・・・怒りに震えていた。
「風間、勘違いするなよ。俺達が付き合ってたのは中学生の頃だ。今は何でも無い。
それに俺はお前を笑っちゃいない。お前が誰を好きになっても、誰に騙されても笑わない。」
俺は言った。全て真実。
「ヤリまくってたって・・・。ネネちゃんは・・・しんのすけの事だって言ってた。」
風間はまだ震えてる。
「俺達は中学生の頃と言え、愛し合ってた。未来なんて誰にもわからない。別れる事なんて考えてなかった。
今はネネの事をどうとも思っていない。ネネだって俺を利用しようとして、好きなんて言ってるだけだ。」
どうとも思って無い訳じゃない。俺はネネが嫌いだ。
「えー、私しんのすけの事を利用しようなんて・・・」
俺はネネの言葉を遮る。これ以上話をややこしくするな。
俺の携帯が鳴る。メール。知らないアドレスから。本文なし。画像添付。
画像が表示されていく。俺は思わず携帯を落としてしまった。
携帯には頭を撃ち抜かれ絶命しているマサオの画像が表示されていた。
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:35:27.01 ID:GIwWt8l9O
貴重なおにぎりが…
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:35:44.70 ID:QA17EMpN0
あああああああああ
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:35:45.45 ID:9NYFdb7IO
マサオェ〜
マサオォォォォ
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:36:14.62 ID:oV4eBGpNO
マサオのことかーっ
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:36:18.18 ID:xZcGkNkC0
愛ちゃんまだー?
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:36:39.38 ID:7+OzMT7yP
何このウエストゲートパークwwwwwwwwwwwwwwwwwww
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:37:12.52 ID:NdXJRtaDO
眠れない
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:37:30.01 ID:bWxOG6ZUO
なんだかなぁ〜
ネネがビッチとかあからさまなのが素晴らしい
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:37:54.72 ID:Tl/xS5rcO
ほ
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:37:56.70 ID:vA5XSoSt0
「どうしたの?しんのすけ、顔が真っ青だよ。」
ネネが携帯を拾い上げ画面を見る。悲鳴をあげ携帯を投げ飛ばした。
今度は風間が携帯を見て絶句している。
また俺の携帯がメールの着信音を鳴らす。
俺は立ち上がって風間から携帯を奪い取ってメールを開く。
本文:君の友達はご覧の通り。次は誰の番かな?ボー君かな?
ボー君を助けたければシャブを持って、
しんのすけ、風間、ネネの3人で八王子市の***廃工場へ来い。
逃げるなよ。俺達の情報網を舐めるな。
逃げれば、どこまでも追いかけ必ず殺す。
一応言っておくが、警察や高倉組には知らせるな。
高倉組 若頭
-END-
「・・・マサオ。何でマサオが・・・。」
俺は泣いた。マサオ・・・。
「わ、私、行かないからね!」
ネネ・・・こんな時に。頭が爆発しそうだ。
CCCC
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:40:21.90 ID:vA5XSoSt0
「ネネ・・・元はといえば、お前が全て悪いんだろ!?お前が風間を利用してシャブをパクったから・・・。
シドもマサオもお前が殺した!!今度はボーが殺されるかもしれない。俺は引きずってでも、お前を連れて行くぞ!!」
俺は怒りに任せ叫んだ。
「だって、行ったらあいつに殺されちゃうわ!!全員殺されちゃう。あいつはそういう奴よ!!」
ネネ、何を知っている・・・。お前はいったい・・・。
「ネネ、あいつってのは、若頭ってのは誰だ!?お前は何を知っている!?」
俺はネネの胸倉を掴んで言った。
「若頭はね・・・吉永先生の旦那さん・・・石坂純一よ。・・・私は石坂の愛人だったの。」
追いついた
これは久々の支援しまくりんぐ
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:42:04.92 ID:OGKGduJG0
くれしんをここまで鬱展開にさせるなんてすげーな
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:44:33.80 ID:BlXpLABTO
これは久々に期待
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:44:56.81 ID:Ak+wFbwc0
マサオだけに真っ青ってか。
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:45:40.54 ID:vA5XSoSt0
「石坂はね、園長が組長になった時に高倉組に入ったの。
その手腕を買われ、すぐ空いていた若頭のポストに抜擢されたらしいわ。
だけどギャンブル凶でね、若頭の地位を利用してか別の組から借金が2億くらいあったらしい。
けっきょく首が回らなくなり、高倉組に頼る訳にも行かず、
借金のかたに吉永先生を拉致されたらしいの。」
ネネは震えながら話す。
「それで?吉永先生は?」
俺は聞いた。
「シャブを打たれてレイプされ、風俗に売り飛ばされたらしいわ。
それが1年くらい前の話よ。それから・・・吉永先生は・・・自殺したらしいの。
けっきょく借金の事、吉永先生の事が高倉組にバレて、組長が間に入り借金は高倉組が払った。
石坂は・・・その時から狂い出したみたい。私が石坂と出会ったのもその頃。
私・・・ヤクザの世界がカッコ良く思えて石坂にのめり込んだ。」
風間は絶句している。惚れた女がヤクザの女。笑えない。
「でも石坂はドSのド変態だったの。複数人でのプレイや、レイプまがいのプレイ。
それが嫌で私は逃げ出そうと思った。
ちょうどその時に石坂が酔った勢いでシャブの話をしてきたの。
金を使って高倉組を乗っ取り、それを足がかりに裏の世界を牛耳るって言ってた。
私は裏の世界に興味は無いけど、逃げる為にお金が欲しかったからシャブを盗む事にしたの。」
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:46:02.10 ID:7re4C7XO0
最後にドラゴンボール集めてみんな復活してEDだよな?
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:46:17.95 ID:9NYFdb7IO
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:47:37.20 ID:Qsq/30ZXO
おい、マサオは生き返るんだろ?実は死んでないんだろ?
>>129 この
>>1は前に サザエさんもドラえもんも鬱ワールドにしてたwww
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:48:12.79 ID:vA5XSoSt0
全ての点と点が繋がった。
しかしあまりに現実味の無い話に恐怖は沸いて来ない。
いや・・・今は怒りが恐怖に勝っているだけなのかも。
「なるほどな・・・。わかった。でもボーは助ける。
お前にも責任はあるんだ。来てもらうからな。」
俺はネネに言った。
「わかったわよ・・・。行くわよ!行けばいいんでしょ!?」
ネネはしぶしぶ納得した。
「僕は少し・・・怖いな・・・。」
風間は怯えている。
「風間・・・、もう逃げるのはやめようぜ。
それにな、欲しいモノは自分の力で手に入れろ。何としてもな。
それと物事を誰かのせいにするな。待つな。自分は自分にしかなれない。
・・・ネネを守るのはお前だ・・・いいな?」
「・・・わかったよ。僕も行く・・・!」
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:50:31.92 ID:QA17EMpN0
サザエさんは見たわ
暗い話しなのに
>>1の話しは好きだw
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:50:46.00 ID:C2d1Rj8a0
ぼーが怪しい予感
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:51:37.41 ID:BlXpLABTO
しんのすけ△
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:51:54.23 ID:vA5XSoSt0
俺達は電車で八王子まで向かい、タクシーで廃工場の近くまで行った。
もう既に夜も更けている。
俺達は生きて帰れるだろうか・・・。
「やぁ、久しぶりだね。しんのすけ君、風間君。
ネネも・・・大人しくしてれば、こんな事にはならなかったのに。
少し悪戯が過ぎたようだ。お仕置きしないと。」
うっすら灯りのついた廃工場の中に石坂がいた。それと手下と思われるヤクザが5人。
顔を腫らしロープで後ろ手に縛られたボーちゃん。・・・気を失っているのか。
「うるさい変態!シャブは持ってきたわよ。さっさとボーちゃん返しなさいよ!」
ネネが噛み付くように言う。この状況で何という度胸。いや、バカなだけか。
しかし心強いのは確か。
「そうだ。もう俺達はシャブに興味が無い。仲間さえ返してもらえれば十分だ。」
俺は石坂に言う。これ以上誰かが死ぬのは我慢できない。
「フフフ、約束は守るよ。ネネ・・・君がシャブを持ってこっちに来なさい。」
石坂は冷たい笑いのままネネに言った。
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:53:59.87 ID:34pGyPBtO
やっと追い付いた
つC
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:57:29.36 ID:vA5XSoSt0
「待て、ボーを返すのが先だ!」
俺は石坂に言う。
「俺達だって無駄に人を殺したくないんだ。約束は守るよ。
シャブが先だ。さぁネネ、シャブを持って来なさい。」
石坂は言う。・・・人質がいる以上は逆らえない。
「・・・わかった。ネネ頼むよ。」
俺はネネにカバンを渡す。
「まずカバンの中をこっちに見せなさい。」
石坂の言葉。シャブは本物だが警戒しているのだろう。
ネネはカバンの中を石坂に見せる。
「よし、本物のようだな。ゆっくりこっちに来なさい。」
石坂は言い、ネネはゆっくり歩き出した。
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:57:33.40 ID:CJ4jxtF8O
ねねね
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 04:59:41.88 ID:k3Ge7aCW0
くそ!
寝れねぇwwwww
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:00:40.32 ID:vA5XSoSt0
ネネが石坂の元に辿り着いた。
「さぁ、持って来たよ!ボーちゃんを返してもらうわ。」
ネネは言った。
「ククク、バカな女だね。」
石坂はネネの腕を取り捻ると、そのままネネを後ろから抱えるように
首を押さえ込んだ。
「これで人質は2人。シャブはこっちにある。フフフ、バカな奴らだ。
まともな取引が出来ると思ったか?」
ネネは首を押さえられ、腕を捻られている。
苦しそうに呻いていた。
「て、てめー・・・。」
確かに計画無しでこっちが不利な取引。
それはわかっていたがボーの命には代えられなかった。
「ネ、ネネちゃんを放せ!!!」
さっきまで後ろで震えていた風間が石坂に銃を向け叫んだ。
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:03:57.07 ID:vA5XSoSt0
廃工場に来る前に俺は風間に言った。
「多分、相手は俺達みたいなガキが銃を持ってるとは思わないだろう。
銃は最後の切り札だ。自分が一番ピンチと思うときに使え。」
・・・風間にとって、ネネが捕まった今が一番のピンチが今なのだろう。
「き、聞こえないのかー!?ネネちゃんを放せって言ってるんだ!」
風間は震えながら叫んだ。
石坂の手下が一斉に銃を風間に向かって構えた。
それを石坂が遮る。
「まさか銃を持っているとはね。だけど風間君は状況を理解してないようだ。」
風間が言う。その通りだ。まだ出すタイミングでは無かった。
「う、うるさい!!僕はネネちゃんが助かればそれでいいんだ!!!」
風間はなおも叫ぶ。
「風間君、ネネに惚れているのか?フフフ、この女は俺の所有物だ。
勝手に手を出されちゃ困るな。」
石坂はネネの胸を弄び、首筋を舐めた。
ネネは苦痛か快楽か、わからない顔をしていた。
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:04:55.04 ID:WtJAeBLfP
石阪先生かよwwwwwwwwwwwwww
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:06:04.96 ID:vA5XSoSt0
「やめろ!!ネネちゃんに変な事するな!!本当に・・・う、撃つぞ!!」
風間は泣いていた。
「撃つ?君がスゴイ射撃の名手なら俺に弾を当てる事ができるかもしれない。
しかし、その瞬間に俺の手下に君は殺されるね。ボー君もネネも殺される。」
石坂は言う。その通りだ。風間は興奮して状況を掴めてない。
「・・・うっ・・・」
風間は我に帰ったようだ。だが遅い・・・。
「よし、フフフ。面白いゲームを思いついた。しんのすけ君も銃を持ってるんだろ?」
石坂はこっちに目線を移す。
「あぁ、持っている。」
俺はそう言いながら銃を出した。今さら隠せない。
「風間君、しんのすけ君、どちらが死ぬまで2人で撃ち合え。生き残った方は見逃してやる。
もちろん人質も解放してやろう。」
鬱展開すぎるwww
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:10:03.49 ID:vA5XSoSt0
「な、何でそんな事・・・。」
俺は言う。風間と撃ち合うなんて・・・無理だ。
「言ったろ?ゲームだよ。しんのすけ君、君の噂は良く聞くよ。SBTのリーダー。
かなりのキレ者で度胸も腕もあるんだろ?君が生き残ったら
俺の右腕として使ってやってもいい。」
ゲームだと・・・。こいつはネネの言うとおり狂っている。
「ふざけんなよ!誰がお前の手下なんかになるか。
そもそも撃ち合いなんてできる訳ねーだろ!!」
俺はチャンスを探る・・・無い。絶望的状況。
「そうか、残念だ。だけど風間君はやる気マンマンみたいだよ?」
石坂にそう言われ、俺は風間を見た。
風間は俺に銃を向けていた。
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:12:57.32 ID:esyp8PKt0
支援
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:13:08.97 ID:1PnWdi/p0
こ れ し ん の す け じ ゃ な く て よ く ね ?
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:14:33.50 ID:QA17EMpN0
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:14:35.70 ID:vA5XSoSt0
*風間君のターン
僕は・・・ネネチャンを助けたい。
でも、僕はしんのすけと撃ち合う事なんてできない。
しんのすけの言葉を思い出す。
『風間・・・、もう逃げるのはやめようぜ。
それにな、欲しいモノは自分の力で手に入れろ。何としてもな。
それと物事を誰かのせいにするな。待つな。自分は自分にしかなれない。
・・・ネネを守るのはお前だ・・・いいな?』
僕は・・・僕はネネちゃんを助ける!
今はネネちゃんは僕のこと嫌っているだろう。
だけど・・・いつかきっと。
自分は自分にしかなれない。それなら僕は強い自分になろう。
何としてもネネちゃんを手に入れよう。
そうだろ?しんのすけ・・・。
僕は銃をしんのすけに向けた。
石坂の言葉・・・耳に入らない。
しんのすけは僕の方を見た。
最初は驚いたようだが・・・しんのすけは僕に笑いかけた。
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:14:45.39 ID:/a3GO0nPO
>>152 そういう感じがあからさまなのが逆に言い
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:18:00.93 ID:vA5XSoSt0
「風間・・・それがお前の選んだ道か・・・。」
しんのすけは真剣な表情に戻り聞いてきた。
「う、うん。しんのすけ、ごめん。でも僕はネネちゃんを守りたいんだ!」
僕が・・・僕がネネちゃんを助ける。
「そっか。まぁ他に方法は無さそうだしな。でも俺が生き残るかもしれないぜ?」
確かに・・・その時はしんのすけ・・・ネネちゃんの事頼むよ。
「僕は・・・勝つよ。」
ダメだ・・・負けた時の事なんて考えちゃしんのすけには勝てない。
「石坂、今度こそ約束を守れよ・・・。」
しんのすけは石坂の方を向いて言った。
「風間・・・俺達はいつから・・・違う道を歩き出したんだろうな。
昔はあんなに仲良かったのに・・・。そんな毎日がいつまでも続くと思っていたのに。」
しんのすけは目を瞑って言う。
「僕は・・・しんのすけとは違う。僕は見栄を張って強がって・・・自分が特別だと思っていたから。
だけど特別でも何でも無かった。ただの弱虫だった。
でも僕は・・・しんのすけの事を今でも友達だと思っているよ。」
「あぁ、俺も友達だと思ってる。」
しんのすけ・・・ありがとう。
僕は目を瞑った。・・・自分の心臓の音しか聞こえない。
銃声。僕はまだ撃っていない・・・。思わず引き金にかけた指に力を込める。
鼓膜が破れるんじゃないかと思うほどの銃声。僕は目を開けた。
しんのすけは何故か石坂に向かって銃を構えていた。
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:18:38.50 ID:nWtnlj/z0
まじでくだらん
5/5点
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:22:27.52 ID:vA5XSoSt0
*しんのすけのターン。
「石坂、今度こそ約束を守れよ・・・。」
俺はそう言って石坂を見た。
視界の隅で何か光っている・・・。ボーの目だ。
ボーは目が覚めたようで、俺を見ている。
何かしでかそうとしている時の目。
ボーは中学生の時に、マサオからカツアゲした高校生を追って、相手の高校に1人で乗り込み
30人くらいのヤンキーをボコボコにして無傷で帰って来た事がある。
あの時もあんな目をしていた。
俺は風間の方を向いて話を続けた。
ボー・・・頼んだぞ。チャンスを作ってくれ。
風間が目を閉じた。その瞬間、ヤクザの悲鳴が聞こえた。
俺はボーの方を見る。
ボーは起き上がっていて縛られていたロープを自力で引き千切った。
すでに2人のヤクザが倒れている。
石坂がボーの方に気を取られている。
「ネネ!」
俺は叫ぶ。
ネネは石坂の足を踏みつけ、石坂の腕を振りほどき走り出した。
俺は銃を石坂に向かって構え直した。
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:25:00.47 ID:vA5XSoSt0
俺は石阪に向けて銃を撃つ。銃声。当たらない。もう一発。
石坂の腕が弾けるように曲がった。当たったようだ。石坂は後ろに倒れ込む。
俺の肩にも衝撃が走った。
撃たれたのか?誰に?
俺は倒れながら風間を見た。
風間の銃口から煙が昇り、風間は間抜けな顔でこっちを見ていた。
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:26:37.60 ID:vA5XSoSt0
撃たれた傷が焼けるように熱い、痛い。だけど痛がっている場合じゃない。
風間が駆け寄ってきた。
「し、しんのすけ、ゴメン!撃っちゃった!あー、どうしよう・・・。」
風間は泣いている。
俺は風間に支えられて起き上がると、
すでにボーがヤクザを全員ボコボコにしていた。
「風間・・・大丈夫、気にするな。お前は間違っていない。」
俺は風間に言った。
「ボー、大丈夫か!?」
ボーは手を上げる。足を撃たれたようで座り込んでいたが、とりあえず無事なようだ。
俺は倒れて気絶している石阪に近づく。
殺すつもりは無いが2、3発殴らないと気がすまない。
石阪は急に目を見開くと体を起し、俺に向かって銃を構えた。
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:26:54.29 ID:WtJAeBLfP
*がしんのすけのケツの顔まねに見えてしかたがない
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:27:57.91 ID:CJ4jxtF8O
トオルちゃん何やってんの
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:29:03.24 ID:vA5XSoSt0
「ガキが!!調子に乗るなよ!!」
石阪の瞳孔は開き、叫んだ。
やばい。体が動かない。
目の前に人影。誰?
「あぶない!!!」
風間が叫びながら俺をかばう様に俺の前に飛び出していた。
スローモーション。
ボーが石阪に殴りかかろうとしていた。
しかし、一瞬早く石阪の銃口が赤い火を吹く。
弾かれる様に倒れる風間。
ボーに殴り飛ばされ吹っ飛ぶ石阪。
風間は俺にもたれる様にして倒れていた。胸から血を流して。
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:32:51.29 ID:Qsq/30ZXO
さるよけ
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:36:57.05 ID:Qsq/30ZXO
続き
さるさん?
166 :
書き込み過ぎさるさんが来た。誰か支援よろ:2010/06/21(月) 05:37:53.14 ID:vA5XSoSt0
ボーとネネが走り寄って来た。
「風間!しっかりしろ!!」
俺は叫ぶ。
風間は目を開けた。
「・・・う、しんのすけ・・・ぼ、僕・・・撃たれたの?」
風間は苦しそうに言った。
「ネネ!救急車だ!救急車を呼べ!!」
俺はネネに言った。
「もう・・・む、無理だよ、しんのすけ。・・・ネネちゃん・・・聞いて?」
風間は電話をかけようとしたネネの腕を掴んで言った。
「何?風間君・・・。」
ネネは泣いていた。ボーも泣いている。
「・・・ぼ、僕もう死んじゃう・・・けど・・・僕・・・頑張ったよ・・・
も、もし嫌じゃなかったら・・・僕の事・・・わ、忘れないで。記憶の片隅で・・・いいから。」
風間も泣いていた。
「うん。忘れないよ・・・。ありがとう・・・ね。私の事守ってくれて。」
ネネは風間の手を握って言った。
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:39:43.89 ID:oV4eBGpNO
支援じゃボケ
168 :
書き込み過ぎさるさんが来た。誰か支援よろ:2010/06/21(月) 05:39:48.44 ID:vA5XSoSt0
「しんのすけ・・・僕、つ、強くなれた・・・。だから・・・今度はお前の番だ・・・よ・・・
い、家に・・・家族のとこに帰るんだ。・・・しんのすけなら・・・家族を・・・
も、元に戻せるから・・・家族を・・・支えて・・・。」
風間は口から血を流して息絶えた・・・。
「風間・・・。」
遠くでパトカーのサイレンの音が聞こえた。
銃声を聞いた人が通報したのかもしれない。
「風間君・・・遅かったか・・・。」
後ろから声が聞こえた。
組長が立っていた。
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:40:13.00 ID:k3Ge7aCW0
さーるよけ
ってこまめにしたほうがいいの?
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:40:22.73 ID:Qsq/30ZXO
やっぱりさるさんか
さるよけ
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:42:34.59 ID:esyp8PKt0
支援
172 :
書き込み過ぎさるさんが来た。誰か支援よろ:2010/06/21(月) 05:42:55.86 ID:vA5XSoSt0
「組長・・・何でここに?」
「組のネットワークで情報を掴んでな・・・。しかし少し遅かったか・・・。
すまなかったな、しんのすけ。石阪の動きを掴みきれず、君達にやらせてしまった。
外にまつざか先生が待っている。3人とも逃げなさい。後はこっちで処理する。」
俺とネネ、ボーは組長にこの場を任せ、まつざか先生の車に乗り廃工場を後にした。
組関係の闇医者に治療を受け、それぞれ送ってもらう頃はもう日が昇り始めていた。
俺は中目黒にある竜子のアパートに送ってもらう。
アパートの部屋に入ると竜子は起きて待っていた。
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:44:35.77 ID:34pGyPBtO
支援
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:44:53.61 ID:vA5XSoSt0
「おかえり、しんのすけ・・・ってアンタ怪我したの!?大丈夫!?」
竜子は慌てて駆け寄って来た。
「あぁ、ちょっとな・・・。起きてたのか?先に寝てろって言ったじゃん。」
俺は竜子を抱きしめながら言った。
「うん、アンタの様子が変だったからね。何かあったの・・・?」
「・・・俺は・・・やっと見つけた自分の半身を失った・・・。」
そう言って俺は泣き出した。
「そう・・・。辛かったね。」
竜子はそれだけ言って抱きしめてくれた。
「俺、明日春日部の家に帰ってみようと思う。」
風間との約束。
「・・・じゃあ、途中まで一緒に行ってあげるよ。
明日は仕事休んだから・・・。」
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:47:04.93 ID:QA17EMpN0
竜子って3人組のどれだったか思い出せない
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:47:38.80 ID:vA5XSoSt0
俺は翌日、春日部駅まで竜子に送ってもらった。
久しぶりの春日部。何も変わっていない。
家の前に着いた。
何て言って入ろうか。
迷っていると玄関が開いた。
「しんのすけ・・・おかえり。」
みさえが立っていた。
「色々すまなかったな・・・しんのすけ。」
父ちゃんが立っていた。
「お兄ちゃんおかえり!!」
ひまわりが立っていた。
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:48:41.15 ID:+mIIbgTd0
イイハナシダナー
178 :
ぺぺ ◆SeXD.Q.Nrw :2010/06/21(月) 05:49:24.78 ID:xciLBgpmO
追い付いたしえん
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:49:55.66 ID:vA5XSoSt0
「みんな・・・何で・・・?」
俺は呆然としながら聞いた。
「実はね・・・以前から竜子ちゃんと連絡取り合ってたのよ。」
竜子は俺の知らない間に俺の家族と連絡を取り
家族を諭してくれたという。俺が辛い思いをしていると。
そして俺が自分から家に帰るというまで待っていてくれと言い、
それまで竜子が俺を責任持って預かると言ったそうだ。
今朝、俺が寝ている間に、今日俺が帰ることを家族に伝えてくれたらしい。
「ごめんね、しんのすけ。アナタだけに苦しい思いさせて・・・。」
みさえは泣いていた。
「俺達は自分の事しか考えてなかったよ。お前が家出をして気付いた。
お前に家族の負担を全部押し付けてしまってたんだな。」
父ちゃんも泣いていた。
竜子・・・ありがとう。
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:50:54.26 ID:QA17EMpN0
サザエさんと比べるとすごいハッピーエンドの予感
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:51:45.91 ID:vA5XSoSt0
その後、俺は家族の元に戻り、働きながら定時制の高校に通うことになった。
まだ家族はギクシャクしているが、うまくやっていけると思う。
いや、俺がうまくいく様に支えていこうと思う。風間、俺がんばってみるよ。
八王子の廃工場の件はヤクザ同士の抗争という事になっているらしい。
組長は捕まらずに高倉組の下っ端が捕まったらしいが。あのスケベ狸め。
それから週に1度、俺は中目黒へ通っている。
−END−
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:52:47.05 ID:esyp8PKt0
>>1 ,r=''""゙゙゙li,
_,、r=====、、,,_ ,r!' ...::;il!
,r!'゙゙´ `'ヾ;、, ..::::;r!'゙
,i{゙‐'_,,_ :l}..::;r!゙
. ,r!'゙´ ´-ー‐‐==、;;;:.... :;l!:;r゙
,rジ `~''=;;:;il!::'li
. ill゙ .... .:;ll:::: ゙li
..il' ' ' '‐‐===、;;;;;;;:.... .;;il!:: ,il!∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
..ll `"゙''l{::: ,,;r'゙ < >
..'l! . . . . . . ::l}::;rll(, < Good Job !! >
'i, ' ' -=====‐ー《:::il::゙ヾ;、 ∨∨∨∨.| ./∨∨∨∨
゙i、 ::li:il:: ゙'\. |/
゙li、 ..........,,ノ;i!:.... `' 、 ∧_∧
`'=、:::::;;、:、===''ジ゙'==-、、,,,__ ` '(´・ω・`)
`~''''===''"゙´ ~`''ー( )
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:53:53.07 ID:QA17EMpN0
乙ー
このログは永久保存にしておくわー
次回作も期待してる
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:54:05.54 ID:oV4eBGpNO
で、もちろんスピンオフはあるよな?
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:54:20.28 ID:WtJAeBLfP
しんのすけかっけえな
186 :
ぺぺ ◆SeXD.Q.Nrw :2010/06/21(月) 05:54:50.94 ID:xciLBgpmO
面白かったよ!乙
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:55:15.35 ID:vuYxnkzrO
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:57:35.90 ID:vA5XSoSt0
長くなってしまったwww
今回は前回のようなスピンオフ考えていません。
そしてもう寝ますwww
支援してくれてありがとうございました!!
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:57:56.21 ID:34pGyPBtO
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:58:18.66 ID:3YKETTf6O
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:58:49.40 ID:NDG/QLK90
乙
この安っぽさがたまらんなwww
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:59:28.25 ID:0kY29YPe0
お疲れ
久々にいいSSみた。
とりあえず、保存してバックアップもとっておこう
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 05:59:28.27 ID:k3Ge7aCW0
乙
たのしかった
竜子まじいい女
ありがとう おもしろかったぞ
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 06:01:11.71 ID:Ak+wFbwc0
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 06:04:29.45 ID:vA5XSoSt0
サザエさんはまとめサイトにアップされてました。
サザエさん カツオ26才の夏でググると出てきます。
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 06:12:07.33 ID:AClg+uDsO
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 06:13:04.13 ID:IY1mlk5S0
今読み切った
乙
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 06:15:14.40 ID:uy4fh4KlO
おつ!!
今日から学校だけど寝てないwww
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 06:19:03.41 ID:Qsq/30ZXO
>>1乙!
今回も面白かった!
次回作も期待してるぜ。
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 06:30:44.54 ID:7re4C7XO0
>>197 あの作者だったのか
前作も楽しく読ませてもらったわ
今回も楽しかった!乙!!
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 06:31:00.04 ID:YG1K0GhQO
サザエさんよりこっちのが好き!!
>>1お疲れ様!
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 06:39:54.20 ID:GuC4qzI7O
乙
マサオがあっさり死にすぎてて悲しくなった
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 07:04:48.75 ID:uy4fh4KlO
眠いけど満足
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 07:19:41.20 ID:88eh7xT/0
ハム用
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 07:21:34.91 ID:sXKqGKE2i
面白かった
あいちゃん出てこなかったのが少し残念だったけど乙!
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 07:23:32.30 ID:rhnroOVo0
ふかづめ・・・
おい 何で朝になってるんだよ
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 07:56:02.01 ID:pdE8kY+3O
ほしゆ
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 08:01:46.03 ID:3BB7TDRj0
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/21(月) 08:14:44.67 ID:lc+v8id00
愛ちゃんが出なかった
新之助の恋人かと思ったのに
で、ドラえもんSSkwsk
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
最高だぁ乙