憂「どうして私は憂って名前なんだろう」 唯「なんでたろうね」
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
憂「あの……」
梓「なに?」
憂「えと……」
梓「……」
憂「……」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:02:43.84 ID:+k4hIaH60
人に会うと優しくなれるから
唯:この子だけにしよう
憂:はぁ…生まれちまった…めんどくせ…
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:04:44.44 ID:eutm1jY80
YUI ⇒UI ⇒I
三女は愛ちゃんで決まりだな
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:06:15.56 ID:f/mA4i12O
「なに、私に何か用?」
思わず首を振ってしまった私を、目の前の少女が怪訝そうに見る。
いや、察してよ。察してちょうだいよ!そりゃあ理由がなきゃ話しかけるわけないじゃん!
この私が!この憂鬱の憂を名前に持つ私がっ!
「用が無いんなら私、部活動見学に行きたいんだけど」
ちょっと待って。そう言いたかった。
けれども言葉を発するのも自分の感情を表現するのも苦手な私は、黙って俯くことしかできなかった。
小馬鹿にしたような溜息が目の前でこぼれた気がした。
気のせいだよな?
「用が無いんなら私、行くから」
小柄な女の子が踵を返す。遅れて触覚のようにセットされた二つのお下げが小さく揺れた。
ゴキブリみたいなその二つの触覚、ひきちぎってやろうか?
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:07:23.89 ID:Sky+Ig92O
>>2 娘ができたら憂って名付ける正当な理由ができました。ありがとう
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:08:45.56 ID:f/mA4i12O
自分の名前にコンプレックスを持ってる人というのは、多かれ少なかれいるんだろうけど
私レベルのコンプレックスを抱えてる人間ははたしているんだろうか。
憂。
憂って書いて「うい」と読む。
酔っ払いのしゃっくりみたいだね、と小学生の頃にクラスメイトに言われたことがある。
いや、まだそれくらいならいいが問題は私の名前に使われた漢字だ。
なんだよ「憂」って。ていうかなんでこれで「うい」って読むんだよ。
なんでお姉ちゃんは「唯」ってありきたりながらもまともな名前なのに、私の名前はどうして……。
名前で奇を衒わなくていいんだよ。
つうか絶対に私の両親は「唯」と語呂を合わせたかったから、「憂」なんて名前にしたんだろ。
生理が来たわけでもないのにイライラしてきた。
両親への文句を原稿用紙に換算して四百枚分くらい吐き出したかったが、
生憎、私の両親は日本にいない。今頃は海のはるか向こうでイチャイチャしているだろう。
そのまま帰ってこなくていいぞ。なんなら海のクジラのエサにでもなってしまえ。
……嘘です。無事に帰ってきてください。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:10:26.51 ID:z0GYJJf20
ui≒yui≒yuu
でももし優だったらこんなに人気はでなかったかな
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:12:20.40 ID:f/mA4i12O
せめて「憂」じゃなくて「優」にしてほしかったなあ。
改名ってどうやってするのだろうと考えつつ、校門を出ようとしていると、運動部のものと思われる掛け声が聞こえてきた。
おお、走ってる走ってる。
弾む声。飛び散る汗。青春のかほり。ああ、吐き気がする。
でも、中学時代は部活やってたんだよな、私も。
もっとも部活なんて青春のシンボルは、私にはもう一生縁がないだろうし頑張っている人間を
見ていると自分がミジめに思えるのでさっさと家に帰って夕飯の用意でもしよう。
「あのーハンカチ落としましたよー」
さて、夕飯は何にしようか。確かまだ卵が残ってるし昨日買った豚肉が
「ハンカチ落としましたよー」
豚肉が残ってるので、ピカタでも作るか。今日は気分がノらないし簡単なものの方がいい。
「ハンカチ落としましたよー」
私のようなプリティな声で話かけるならともかく、よくそんなかすれぎみのダミ声で話かけてくるな。
そう思いつつ、無視するのもかわいそうだし、単純にハンカチを回収したかったので振り返った。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:14:49.96 ID:MYDThlGFO BE:1954324894-PLT(13000)
何コレ
C
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:16:18.20 ID:f/mA4i12O
振り返った先にいたのは見るからに運動してます、といった感じの女子生徒だった。
額に髪を張りつかせて鼻のてっぺんに油を浮かべたソイツが、私にハンカチを差し出す。
「はい、ハンカチ」
ムダに爽やかな笑顔を浮かべる女に、まあせめてお礼くらいは言ってやろうと口を開いた。
憂「アリガトウゴザイマス……」
蚊の鳴くかのように掠れてしまった声になったのは私が根暗で内気で人と話すのが苦手だからだった。
まあしかし、こんな見ず知らずの女相手にいちいち礼を言うとは。
私はなんてできた人間なのだろう。
全人類は私の爪の垢を飲むといい。たちまち素晴らしい世界のできあがりだ。
「どういたしまして」
先に述べたように、蚊の鳴くような、というか空気が振動するかどうかもあやしい
小さな声だったのにも関わらず女子生徒はお礼を言われたと決めてかかって、そう言って去っていた。
ああ……馬鹿はいいなあ。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:19:18.94 ID:MYDThlGFO BE:1628604656-PLT(13000)
途中でヤメンナヨ
こういった内心グレー少女とかすげぇ好きなんだヨ
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:20:07.96 ID:f/mA4i12O
Q.平沢憂さんに質問です。お友達はいないんですか?
A.いません。私は人と関わるのが苦手で、いつも休み時間は寝ています。
授業中に先生にあてられたらコンマ一秒で分かりませんと答えます。
人から声をかけられることはほとんどありません。
席替えの際に「平沢さん、席変わって」と頼まれるときぐらいで、基本、私は誰からも話しかけられません。
静かで退屈な学校生活です。
Q.平沢憂さんの趣味はなんですか?
A.それを聞きますか。そうですね、しいて言うなら家事ですかね、ええ。
料理に洗濯、お掃除に会計、専業主婦に必要なスキルは全て会得しています。
でも学校生活にはイマイチ活躍しません。
ところで今日は美味しい納豆茶漬けについての講義だったはずですが?
どうしてこのような不愉快な質問に私は、真面目に答えているのでしょうか。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:21:37.30 ID:UkdCNa7CO
わざわざ人格捩曲げるなら他人のキャラ使わくてよくね?
ましてや地の文だらだら書くならSS板や他のサイト行けばよくね?
ところでスレタイ間違ってね?
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:24:38.61 ID:f/mA4i12O
憂「……ん?」
どういう夢だったかは覚えていないが、とにかくクソ不愉快な夢を見ていた気がする。
どうやら、学校から帰宅して着替えた後、洗濯物を畳んでいたら眠ってしまったらしい。
まだ畳まれていないタオルが、山を形成していた。
ソファーから預けていた身体を起こす。眉間にシワが寄るのが自分でもわかる。
こういうときは、掃除をして憂さを晴らすにかぎる。
洗濯物を畳んで、掃除をして夕飯を作ろう。
お姉ちゃんが帰ってくる前に全てやりきったら自分へのご褒美にポッキーを食べよう。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:26:46.40 ID:OitnrFCLP
>>15 そんな書き込みしなきゃいられなくなるほど腹が立つようなスレを開いちゃったよアッピルかっけえwwwww
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:28:05.29 ID:f/mA4i12O
平沢唯。
私のお姉ちゃん。
私が日の当たらない陰湿な藻だったら、お姉ちゃんはさしずめ、太陽の光を浴び続けるヒマワリと言ったところだろうか。
よく私とお姉ちゃんは似ているとか言われるがそれはあくまで外見に限っての話だ。
中身を見ればそれはもう同じ人間かどうかもあやしい。
明るくて社交的で天然でドジっ娘を地で行く人気者の姉と
根暗で内気で人と話すのもままらないクラスでも空気そのものの妹。
同じ腹から生まれたはずなのに、同じ遺伝子を受け継いでいるはずなのに
どうしてここまで姉妹で差がついてしまったんだろう。
憂「ああ、憂になる……じゃなくて鬱になる」
自分で言ってから自分で後悔した。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:28:05.28 ID:HiYkHZdH0
心理描写が下手すぎますね^^
>>1さんはたぶん、中学生かな?^^
もう少したくさん本を読んだり
他人と関わって経験を積むといいですよ^^
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:32:41.01 ID:f/mA4i12O
ところで今現在の私についてだが、切らした醤油を買いにスーパーまでの道のりを歩いてるところだ。
今日は色々とツイてないみたいだ。
憂「……私にとってツイてる日ってどんな日だろ?」
また、自分で言ってから自分で後悔した。歩く憂鬱とは私のことかもしれない。
どうもお姉ちゃんが帰ってくるまでに、全ての家事を済ますのは無理みたいだった。
それでも無意識に歩くペースは速くなった。少し体温が上がって額に汗が浮かぶ。
今日は春にしてはいささか暑い。
空を見上げれば、私のはるか頭上にある空には雲が立ち込めていた。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:36:30.06 ID:f/mA4i12O
無事に醤油を購入し、スーパーを後にした私は三十分ほどかかって、家に着いた。
憂「……?」
暗くてはっきり視認できないが、それでも玄関の前で誰かがしゃがみ込んでいるのは分かった。
目を凝らすまでもなく、その人物は特定できた。
お姉ちゃんだった。
憂「何してるの……?」
さすがにお姉ちゃんとは姉妹なので、普通に会話することができる。
まあ、それでもやっぱり私の発した声はウサギの鳴き声とそう変わらないんだけど。
唯「あ、ういー」
見て見て、とお姉ちゃんは立ち上がると今まで自分がしゃがみ込んでいた場所を指差す。
黒猫が行儀よく座ってお姉ちゃんと私を見上げていた。
唯憂メインなら支援
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:39:06.00 ID:MYDThlGFO BE:814302353-PLT(13000)
ま
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:40:36.59 ID:f/mA4i12O
しかもよく見たら黒猫だった。
不吉の象徴……背筋に悪寒が走る。
憂「どうしたの、この猫?」
唯「さあ?私が帰ってきた時にはもう玄関の前にいたんだ、この猫」
野良猫の分際で、よく逃げないな。私よりよっぽど度胸があるのかもしれない。
猫以下か、私……。
唯「ねえねえ、憂。この猫さん、ひょっとしてお腹がすいてるんじゃないかな?」
そう言われてみれば、行儀良く座るその姿は、餌を求めているように見えなくもない。
唯「こうして出会ったのも何かの縁だよ。何か餌をあげようよ」
黒猫は不吉の象徴だ。呪われても困るし、ミルクくらいは出してやるか。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:41:48.71 ID:4J8O0IcI0
^p^<いういういー
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:44:05.72 ID:f/mA4i12O
黒猫に皿いっぱいに入れた牛乳を差し出してやった。
黒猫は数秒だけ鼻の先を近づけたがすぐ、顔を背けた。
唯「……飲まないね」
わざわざお腹を壊さないように、温めてやったのに……恩知らずな猫め。
どこかの国では、熱した鉄板に猫を放り込んで、猫がのたうちまわるのを
楽しむという、非常によろしくない遊びがあるらしいが、同じことをしてやろうか、このアホ猫め。
……いやいや、黒猫じゃなくても、そんなことをしたら呪われそうだからやらないよ?
ていうかその前に動物愛護団体から制裁を加えられるか。
唯「ひょっとして猫さん、熱いからこのミルク飲まないんじゃない?」
そういえば、この黒猫は猫なんだから猫舌か。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:44:26.66 ID:HiYkHZdH0
わざわざ元ネタのあるキャラを引っ張ってきて何をするかと思えば、単なるネガ化^^
発想としてありきたり過ぎる上に、感情の描写が子供っぽすぎる(キャラの年相応という意味でなく、ただ幼稚)
しかも、元ネタと全然リンクしない言動に終始しているのでもはやオリキャラ^^
文章力も、発想も、何もかもが水準以下なのにスレ立ててまで恥を晒す根性に敬服します^^
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:46:24.56 ID:f/mA4i12O
違う容器に移し変えて、もう一度ミルクを黒猫の前に差し出した。
え?新しい牛乳を出したほうが手っ取り早い?冗談じゃない。
こんな図々しい野良猫相手に牛乳を出してやってるだけでも、全米が号泣して地に伏してもいいだろう。
黒猫がもう一度、鼻の先をミルクに近づける。
足りない脳みそを必死に使って考えているのか、少しためらってから猫は舌を出した。
唯「おお、飲んだ!」
お姉ちゃんが嬉しそうに声を弾ませた。
不覚にも私まで嬉しくなった。別に猫がミルクを飲んだのが嬉しいんじゃない。
お姉ちゃんが嬉しそうにしたからだ。はい、ここ重要。
一分もしないうちに、猫はミルクから顔を離した。大して料理は減っていなかった。
用は済んだと言わんばかりに、舌舐めずりすると猫はさっさとどこかへ歩き出した。
金を出せとは言わないから、礼ぐらい言えよ。
そんな私の内心を見抜いたわけではもちろんないだろうが、黒猫は一度だけ振り返って鳴いた。
うん、多分礼を言ったわけではあるまい。
去っていく黒猫の背中を、いつの間にか雲と雲の間から顔を出した月が照らしていた。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:49:49.42 ID:f/mA4i12O
唯「うい〜おいしいよ〜」
憂「……うん」
唯「憂はりょーさいけんぼだねっ」
憂「……ありがと」
唯「うんまーいっ」
憂「……そう」
学校にいようが家にいようが私の口数はほとんど変わらない。
お姉ちゃんがひたすらしゃべって私が相槌を打つ。
唯「うーいーおかわりー」
憂「はいはい」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:53:52.34 ID:f/mA4i12O
食事を終え、自分の部屋に入った私はノートを開いた。
ノート。
お姉ちゃんについて綴った私の日記。
家事と同じく日記を書くのは私の数少ない趣味の一つだ。
憂「さて、書こう」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:55:37.56 ID:f/mA4i12O
一ページが自分の文字でびっしり埋まったのを見て私は満足してノートを閉じた。
すでに毎夜の習慣になったこの行為はある意味自慰行為に似ている。
これをしないと寝れないし、日記を付けはじめてから一度も欠かしたことはない。
私からお姉ちゃんへの愛の言霊。
私はお姉ちゃんのことが好きなのだ。
好き。
いちいち下手な比喩なんか使ったところで私の溢れんばかりのお姉ちゃんへの愛は表現できない。
憂「あれ……?」
私ってもしかして最強の萌えキャラじゃないか?
根暗で内弁慶で無口でシスコンでしかも家事万能。ついでに運動も勉強も控えめに見えても上の下というハイスペックぶり。
日本の廃棄食料並にあるアニメにだってこんなカオスなキャラはいないぞ。
お料理番組から昼ドラまで幅広くこなせるオールマイティなキャラ、平沢憂。
しかし、一つ致命的なことを忘れていた。
私はカワイクなかった。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:57:32.15 ID:enQD0eZC0
カワイイヨ
顔はお姉ちゃんと似てると言っておいて可愛くないとか
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 19:59:43.87 ID:f/mA4i12O
お姉ちゃんと私。姉と妹。
ほとんど同じ外見であるはずなのに中身は全然違う。そして中身の違いはそのまま外見に滲み出る。
お姉ちゃんの中身が北アルプスで取れる天然水なら私はヘドロ混じりの河の泥水だ。
きっとお姉ちゃんが産んだ子供はモーツァルトすらもかすんでしまうような神童で、
私が産んだ子供は醜い醜い、それこそヘドロから生まれたベトベトンのような子供だ。
……なんだろう。
起きている時間の分だけ鬱になっている気がする。
ほとんど意味を成していない携帯電話を開く。
もちろん友達がいない私は友達から送られてくるメールを楽しみにしているわけではない。
アラームがきちんとセットされているかをチェックするだけだ。
私はこの手の機械に疎い。もばげー、とか、みくしい、とか異次元の言葉に聞こえる。
まあいいや、寝よう。
鳴りもしなければ光りもしないケータイをベッドに投げる。
おやすみなさい。
憂が唯好きなことが変わらなくてよかった
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:01:37.96 ID:MYDThlGFO BE:3040061478-PLT(13000)
超支援
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:04:07.17 ID:f/mA4i12O
その翌日も私は教室の空気として、学校ライフの一日を終えた。
「憂、今ちょっと時間ある?」
目の前でマリモが二つ浮いている。しかも口を利くとは……なかなかすごいではないか。
取っ捕まえて、今すぐ札幌農学校に明け渡してやろうか。たちまち私は有名人になれるだろう。
「聞いてるー?うーい?純ちゃんだぞー」
北海道に帰れ。
そう言おうとしたが、どうやらマリモじゃなかったらしい。
頭部の左右に、マリモにしか見えない髪のカタマリをひっつけた女は、私と目が合うと品のない笑みを浮かべた。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:08:57.64 ID:f/mA4i12O
「憂は何の部活に入るか決めた?」
まるで十年来のお友達のように話しかけてくるソイツ、鈴木純は私の顔を覗きこんだ。
純「実はさ、私まだ部活決められなくてさ」
なんて馴れ馴れしいのだろう。
確かに中学時代からお互いに顔見知りではあるが、話しをしたことなどほとんどない。
挨拶でさえ交わした回数は五本の指で数えられるほどだ……たぶん。
だいたい私はコイツのことが好きじゃない。むしろ嫌いだ。
うるさいし品がないし。
きっと私みたいな人間のことを陰で馬鹿にして悪口を言いまくっているに違いない。
そのような場面は見たことなんてないし聞いたこともないが、うん、絶対そうだ。
何を悩んでるのかは知らないが、スッカスカの脳みそで何を考えたってムダムダ。
援交でもして警察に捕まってしまえ。ついでに妊娠して一生を棒に振るがいい。
私の心の中の呪詛などもちろん気づいていないマリモ女は更に続ける。
純「そこで私、軽音部の見学に行こうと思って。ほら、たしか憂のお姉ちゃん軽音部に入ってんでしょ?」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:10:38.66 ID:mew2aQwl0
うむ
「うい」って発音がいい
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:13:16.19 ID:f/mA4i12O
思わず眉根に力が入る。なんでそのことを知っているんだ?
まさか私のお姉ちゃんを狙っているのか?そうなのか!?
憂「…………ぁ」
詰問しようとしたが、私は人と話すのが苦手だった。というか喋れない。
人と話そうとすると急に目の奥が玉ねぎをみじん切りしている時の
ようにツーンとなって歯を食いしばらないととてもじゃないが耐えられないのだ。
冗談みたいな話だが私のような人間なら、おそらく分かってもらえるだろう。
純「というわけでよかったら一緒に軽音部見学に行かない?ついでにこれを機会に……」
憂「その、えと……」
純「ダメ?」
憂「き、今日はその、あ……」
純「もしかして用事でもある?」
私は必死に頷いた。はたから見たら首をカクカクさせているようにしか見えないだろうけど。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:17:53.09 ID:f/mA4i12O
情けない、情けないよ……平沢憂!
お姉ちゃんのようにその場の空気を読まずに、人の気持ちも考えずに、ズカズカ聞くのは無理にしても……!
純「そっかあ。まあいいや。ありがと、私一人で軽音部見に行くわ」
鈴木純がそう言って引き上げると私は自分の胸を撫で下ろしていた。
情けない。情けなさすぎて笑えない。
でも。ま、いっか。
どうせ私だし。
うん、今更うだうだ言うことじゃない。
それより愛しのマイシスターのための料理を今日は一段とガンバろう。
ガンバってお姉ちゃんに喜んでもらおう。
憂「と、その前に」
今日は私が日直だ。 日誌をつけよう。
「この三次元のありとあらゆる苦痛と傷と狂気と疲弊と憤怒と畏怖と悲鳴を一身に背負ってくたばるといいにゃん」
略してあずにゃん
って書いてた人かな?
支援!
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:23:52.89 ID:f/mA4i12O
日誌をつけ、日直としての仕事を全うした私はさっさと家に帰ることにした。
今日のご飯は何にしようか。
そういえば、先日購入したフードカッターはまだ一度も使っていない。
せっかくだし餃子でも作ってみようかな。
久々に創作料理に挑戦してみるのも良いかもしれない。
この前の和風出汁と豆腐を使った和風シチューはなかなかお姉ちゃんも気に入ってくれたし、悪くないのでは。
いや、その前にすっかり忘れていたが社会保険組合への試供品の申し込みをしなければ。
お姉ちゃんのために質の良い化粧水と乳液を選ぼう。
きっと喜んでくれるだろう。
たーのしーみー。
ああ、お姉ちゃんのことを考えているとこんな私でも身体がポカポカしてくるから不思議だ。
実はお姉ちゃんは天使なのかもしれない。いや、天使以上の存在だ。
そうだそうだ。日記をつけるのも忘れてはいけない。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:27:01.51 ID:WxbXiR4r0
横に人がいないと憂いているの?
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:28:26.74 ID:f/mA4i12O
帰宅して着替えを済ませた私は少し、休憩がてら日記をつけることにした。
さあ口づけの代わりに愛を綴ろう。
ノートを開く。見覚えのある字が並べられていた。
憂「?」
おかしい。私のノートはお姉ちゃんへの愛の言葉でほとんど隙間無く埋められていたはず。
しかし、これはどういうことだ?
このノートは私のお姉ちゃんへの愛の文字でうめつくされているはずなのに、実際には今日の学校の一日について記されていた。
ま、まさか!
これが噂のイジメ!?
地球に優しくもないかわりに害もない無味無臭のグリーンガス(なんか矛盾してる気がするけど気にしない)
の私に危害を加える輩がいるとは……。
座っていた椅子から立ち上がる。
……予定変更。学校に乗り込む。私を怒らせたことを後悔させてやる!
……でもやっぱ話しあいで解決できるのなら話しあいで解決したほうがいいよね。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:33:36.21 ID:f/mA4i12O
例えば大好きなあの娘に送ろうとした手紙が
何かの間違いで全く関係のない誰かに渡ってしまったなんてことが起きたらどうしようか。
私だったらもう首を吊るなり、屋上から飛び降りるなり、ウォッカを浴びるように
飲んでリストカットするなりして、とにかくこの世から消えて無くなろうと思う。
しかし、今まさに似たような状況が展開されているのだから、私は本気で死ぬことを考えたほうがいいのかもしれない。
手渡されたノートを見て私は顔を恐る恐るあげた。
上げた目線の先には見覚えのある顔があった。
私はこの女のことをきっちり記憶している。相手は私のことを知らないだろうが。
中野サンプラザ。ではなく、中野梓。
昨日、私が何をとち狂ったのか知らないが話かけようとした女。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:38:10.66 ID:f/mA4i12O
そもそも何ゆえ私が日直日誌と日記を間違えたのか。
いや、単純に二つのノートが全く同じもので、しかも両方とも表紙に何も書いてないせいで、
うっかり間違えて、担任に日記を渡してしまったわけだ。
おいおい、ドジっ娘属性までつくとは……このままではお姉ちゃんとキャラが被ってしまうではないか。
さてさて、ではどうして担任に渡ったはずの日記を中野梓は持っていたのか。
担任いわく。
『ノートなら中野さんに渡しておきましたから。
え?なんで渡したのかって言われても。
たまたま職員室に中野さんが来ていたので、平沢さんの机の中にそれを入れておいてもらおうと思ったんですよ』
ということらしかった。
あとで呪ってやる。
帰りにダイソーで五寸釘とトンカチを買おう。写真はたしか学級写真があったはずだだからモーマンタイ。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:41:01.98 ID:f/mA4i12O
梓「そのノートって……」
中野梓が口を開く。
ほほう。
昨日の帰り間際、ゴキブリを唾棄するような目で私を見たことをまさか、忘れているわけではあるまいな。
憎むべき宿敵の名前は全て脳に刻んである。あと半世紀は忘れることはないだろう。
私が心の中で中野梓を血祭りにあげようかどうか迷っていると。
ツインテールを揺らして目の前の中野梓が笑い出した。
なんだコイツは?
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:42:23.80 ID:DQC3/nk20
軽音部の面々が家に来たときとかどうしてたんだろう
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:42:27.60 ID:x30SKCZfO
俺も憂って文字使った名前だぜ
親曰く亡くなったにいちゃんの漢字からとったらしい
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:43:59.64 ID:MdbScfb8O
すばらしい
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:45:29.54 ID:enQD0eZC0
憂ちゃんは名前も容姿も全部カワイイヨー
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:46:09.14 ID:f/mA4i12O
憂「な、なに?」
大和撫子を代表する奥ゆかしい私の声は、ほとんど笑い声に掻き消されていた。
それでも中野梓は私の声を聞き取ることができたらしい。
梓「だってこんな面白い日記書いてるなんて思わなくて……」
そこで言葉が途切れた。遅れてすっかり緩んでしまった口許を強制的にチャックしたかのように結ぶ。
鏡がないので自分がどんな顔をしているのかは確かめられないが、さぞかしヒドイ顔をしているだろう。
ムンクの叫びならぬ憂の叫びだ。
憂「み、見たの……?」
突然南極に放り出されたゴキブリのように中野梓は、ぎこちなさ全開で頷いた。
梓「う、うん」
私は叫んだ。心の中で。
それこそムンクの叫びのように。
いや、ムンクは実際には叫んでいないし、あれは耳を塞いでるだけなのだけど。
梓「えと、気になって見ちゃったんだけどすごく面白かったよ。小説家になれるんじゃないってぐらい」
本気で人間を殴りたいと思ったのは初めてだ。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:51:47.92 ID:f/mA4i12O
梓「本当だよ?冗談抜きで面白いって思ったよ。平沢さん文才あるよ」
ていうか私は勉強だろうとスポーツだろうと家事だろうがなんだってこなせるんだけどね。
コミュニケーション能力だけが圧倒的に欠けているけど。
一向に喋らない私に困ったのか、中野梓は冗談とわざと分かる声でおどけてみせた。
梓「もしかして、そのノートに書いてあることは冗談じゃなくて本気だったりして?」
憂「……」
梓「一日一ページきっちり埋めるなんて、デスノートの魅上照みたいだよね」
褒め言葉のつもりか。ていうか私が魅上だったらお前は真っ先に削除されてるぞ。
憂「…………」
梓「あのーもしかしてなんだけど」
憂「……」
梓「この日記の内容本気だったりする?」
さっきの質問と内容がほとんど同じでありながら今度は恐る恐る聞いているのが窺えた。
なんて答えればいいんだろう?
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:52:30.49 ID:MYDThlGFO BE:1302883946-PLT(13000)
支援
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:55:44.12 ID:n853UDgZ0
今日はこういうの読みたい気分なんだ
紫煙してやる
感謝しろ
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:57:27.62 ID:DQC3/nk20
あずにゃん良い子じゃねえか、良かった
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:57:35.04 ID:f/mA4i12O
憂「……」
梓「えーと本気、なの、かな?」
沈黙する私からどうにかして答を得ようと、中野梓は必死に私の顔を覗きこむ。
私は元来の内気が祟って思わず顔を俯けた。
――多分、それがいけなかったのだろう。
梓「そっか……ごめんね」
もとから低い位置にあった小さな頭が更に低い位置に移動した。
え?何ほざいてんのこの女?
梓「平沢さん、その真剣に書いてるだなんて知らなくて……悪気はなかったんだ」
憂「……」
どうやらこの女は、私が恥ずかしさから顔を俯けたのを、頷いたのだと勘違いしたらしい。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 20:58:41.18 ID:f/mA4i12O
お食事にいっちゃったりしちゃったりします
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 21:05:45.85 ID:Q8a/Gl3l0
書かないと憂ちゃんよ
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 21:16:08.01 ID:MYDThlGFO BE:2605766786-PLT(13000)
超支援
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 21:32:26.20 ID:+pp3ZSsv0
あずにゃん良い子だ…
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 21:33:55.56 ID:pqOPNJhD0
どこでそう思うんだよ
支援
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 21:55:48.57 ID:o2ZvI2vMO
ほ
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 21:57:05.01 ID:f/mA4i12O
保守ありがとう
再開したりしなかったりしたりする
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:00:49.07 ID:f/mA4i12O
憂「…………」
いったいどうしようか。
何とかして誤解を解かないと。
いや、お姉ちゃん好き好き大好きラビューだけど、そんなことが赤の他人に知られたら私の人生は多分終わる。
根暗で内弁慶で空気なシスコン。もはや人間かどうかもアヤシイ。
こうなったらなりふり構っていられない。
場合によってはお姉ちゃんまで害を被る可能性がある。お姉ちゃんにだけは絶対に迷惑はかけたくない。
私はノートを開いてそこに文字を書き殴った。
梓「あ、ごめん。私、友達と部活見に行く約束してたから、行くね」
ちょっと待てコラ。
中野梓の顔前に私は開いたノートを見せた。
梓「わかった。約束する、」
中野梓はオッケーサインを出してすたこらさっさーと去って行った。
ちなみに私がノートには書いたのは言葉は漢字四つ。
『他言無用』
あとになって私は他言無用という言葉では誤解を解くどころか、更に誤解を深めてしまっていることに気がついて頭を抱ることになる。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:05:43.57 ID:MYDThlGFO BE:977162663-PLT(13000)
エンドレス支援
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:06:01.99 ID:f/mA4i12O
会話が苦手な人間というのは、いざ話そうとしても言葉が出てこない。
自分のコミュニケーション能力の無さにうんざりがに。
なんでこんな人間になってしまったんだろう。
憂「はあ……」
唯「どうしたの、憂?」
口から無意識のうちに漏れた溜息は、向かい側でから揚げを頬張るお姉ちゃんにも聞こえたらしい。
心配そうに私の瞳を見つめてくるお姉ちゃん。
やべえ。ちょーかわいんですけど。
むしろこっちからも見つめ返したくなるが、そこは私。
恥ずかしくて目を逸らした。
まあ、見つめすぎてお姉ちゃんの純粋で曇りのない瞳に穴を空けたら一大事だ。
憂「少し、ね。嫌なことがあったんだ」
唯「なに?何があったの憂!?」
身を乗り出すお姉ちゃんもうマジ天使。ネロとパトラッシュみたいに私もヘブンに連れてってほしい。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:06:43.58 ID:enQD0eZC0
うーいーカワイイーー
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:11:21.38 ID:f/mA4i12O
憂「大したことじゃないよ……」
大嘘です。ごめんなさい許してくださいお姉ちゃん。
イエスの踏み絵を踏む瞬間のキリスト教徒のように、罪悪感が胸中にドッと押し寄せた。
唯「ほんとに?」
憂「本当だよ」
唯「ウソじゃない?」
憂「嘘じゃないよ」
唯「うーん」
そこでお姉ちゃんはポンっと手を打った。
唯「よし、今日はお姉ちゃんと一緒にお風呂に入ろー」
どうしたらそのような結論に至るのかは、お姉ちゃんを愛してやまない妹である
私にすら分からないのだけど、まあそんなことは、お姉ちゃんとのお風呂の前ではあまりにもどうでもよかった。
ういぃやっほおおおおおうい!
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:13:46.74 ID:AHMya1YM0
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:15:48.24 ID:f/mA4i12O
憂「いい湯だった……」
お風呂上がりの牛乳を飲みながら私は一人呟いた。
目を閉じれば浮かんでくる。
嗚呼、お姉ちゃんと共に入るお風呂!なんて素晴らしいの!お姉ちゃんの水の滴るツヤツヤの髪!
泡が滑り落ちていくなまめかしい肢体!肉付きのいい思わず顔を挟んでもらいたくなる太股!
なぞりたくなる美しいラインを描く鎖骨!可愛らしい私より小さな乳房!吸い付きたくなる胸の頂きを陣取る桃色のち(以下省略)。
天国ってきっとあんな素晴らしい景色が浮かんでるところなんだろうなあ(遠い目)。
よし、今すぐこの幸せを綴ろう。この溢れんばかりのパトスを書きなぐろう。
というか誰かにこの幸せを伝えたい。
世界は捨てたもんじゃない!
世界は素晴らしい!
素晴らしきこの世界!
すばせか!
おめでとう私!
おめでとうみんな!
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:21:25.99 ID:f/mA4i12O
お姉ちゃんとお風呂に入るという奇跡体験をした次の日の学校。
てっきり反動で何かとんでもない不幸が降りかかってくるのでは、と危惧したが徒労に終わった。
いつも通り、学校の空気としての役目を終えた。
しかし、一ついいことがあった。
新入生のために行われた新歓ライブ。
ギターを掻き鳴らしてシャウトするお姉ちゃんマジロッカー。
かーれーちょっぴりらいすたーっぷりっ!
これで萌えないとかもう人間じゃないぷりっ。
お姉ちゃんと同じ学校に入ってよかった、ていうかお姉ちゃんの妹でよかったぷりっ。
うん。帰ったらすぐ日記をつけよう。昨日の奇跡体験と合わせて今日はニページ書いてしまおう。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:22:59.54 ID:oaZOyFqS0
なんでたろうね
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:24:03.10 ID:PJgr52rjI
C
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:27:02.61 ID:f/mA4i12O
気分がよすぎてモンローウォークして帰宅したくなる。が、奇異の目を向けられるのはイヤなので自粛。
お姉ちゃんのモンローウォークとかならすごく見てみたいけど。
梓「平沢さん」
私の脳内でお姉ちゃんがお尻をぷりっぷり振りながら歩くという薔薇色の光景が一瞬でセピア色になった。
声をかけてきたのはサンプラザ、ではなく、中野梓だった。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:28:03.86 ID:hqgK0uLF0
うっとうしい から
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:32:45.88 ID:f/mA4i12O
梓「昨日のことなんだけど……」
中野梓が今この場で何を話そうとしているのか分かって私は内心で狼狽した。
いやいや、今、この場面で話すな。一応気を使って声のボリュームを小さくしているのだろうが、
そんな気遣いができるならまず、TPOをわきまえろ。
まだクラスメイトが何人も教室に残っているだろうが。
梓「私、昨日少し考えたんだけど」
憂「な、中野すぁん」
私は私の中の勇気を振り絞って声を吐き出した。
梓「?」
憂「少し待って。その話するの」
梓「わかった」
や、やったよ!やったよお姉ちゃん!私、喋れたよ!
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:37:04.58 ID:PJgr52rjI
すぁんwwwwてwww
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:38:29.99 ID:f/mA4i12O
結局、クラスメイトが全員教室から去るのには十分近くかかった。
皆がいなくなったのを確認した中野梓は、私の耳元に唇を寄せた。
いや、今は誰もいないからそんなことはしなくていいんだが……さすが、自ら進んで奇妙な髪型にしているだけのことはある。
梓「それで、昨日の話なんだけどね」
憂「うん」
中野梓が、薄い胸を張った。
そういえばまな板も、古くなってきたしそろそろ新しいものを購入しなければなあ。
梓「冷静に考えたら、お姉ちゃんを好きになるっていうのはダメだと思う」
憂「……」
梓「だってそれって近親相姦でしょ?危ないよ」
この気持ちはなんだろう?
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:40:32.19 ID:M69ENgXQ0
ここにきて大地讃頌
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:45:37.96 ID:f/mA4i12O
梓「今ならまだ引き返せるよ」
憂「……」
さながらドラマのワンシーンのように素敵な台詞をキメた中野梓は、私の目を覗きこむ。
しかも両の頬をがっしり掴んで。
傍から見たらこれ、キスシーンみたいだな。誰かに見られたら誤解されるからやめてほしい。
梓「今ならまだ引き返せるよ」
二度も言うな。
ていうか私は奥ゆかしいことで有名なんだよ。お姉ちゃんに手を出すなんてできるわけがない。
さて、どのような言葉で私のほっぺを両手で挟みこんでるゴキブリ女から逃れようか。
梓「そもそも近親相姦以前に同性なんだよ?レズビアだよ?そんなのダメだよ」
中野梓が悲痛な面持ちで私を見る。ああ、コイツは稀にみる馬鹿だけれど実はスゴイいいヤツなのかもしれない。
「カニさんだよ〜ちょっきちょっき」
その時!
マリモ女が教室に入ってきた。蟹のように手をちょっきちょっきさせて。
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:47:34.20 ID:c8UxAP2X0
マリモから蟹に昇格するのか
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:48:04.15 ID:e4eBT9/B0
なんだこのゴキ
レズビアンバカにしてんの?
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:48:12.52 ID:PJgr52rjI
梓は唯の魅力にとりつかれたのか……
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:49:35.58 ID:M69ENgXQ0
ゴキにそこまで言わせる日記の内容がどれほどアレなのか気にはなる
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:52:20.99 ID:f/mA4i12O
ちょき
ちょき
ちょ……
その時。
鈴木純のちょきちょきが止まった。
唖然とした顔で、私と中野梓を呆然と眺める。
純「い、今の会話……もしかしてマジ?」
どこからどこまで聞いたんだろう。
大ピンチ。だけど不思議なほど私は冷静だった。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 22:55:59.92 ID:enQD0eZC0
レズでもいいじゃないかわいければ
これは更なる勘違いをしたな
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 23:02:17.14 ID:f/mA4i12O
純「『同性なんだよ?レズビアだよ?そんなのダメだよ……』って、あんたたちってそういう関係なの!?」
呆然とした表情はいつの間にか引きつっていた。
梓「……」
憂「……」
ていうか都合よく誤解されやすいところだけ聞き取ってんじゃねえよ。
梓「え?……ち、違うよ!?」
ようやく中野梓がマリモ改め、カニ女の言葉に反応を返した。
梓「平沢さんが好きなのは私じゃなくてお姉さんなんだよ!」
おいいいいいぃぃぃっ!
一番知られてはいけない部分をカミングアウトしてんじゃないか!
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 23:03:19.93 ID:f/mA4i12O
書き溜めが
尽きました
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 23:04:12.97 ID:c8UxAP2X0
マリモからカニに昇格してた
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 23:05:21.23 ID:7wBZ/30cP
即興だろうが書きためだろうが面白ければ問題ない
だからはやく続きお願いします
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 23:05:24.36 ID:DQC3/nk20
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 23:05:36.75 ID:f/mA4i12O
すまん休憩もとい書き溜める
期待してる
今のうちに寝よう 朝まで残しといてちょ
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 23:16:35.29 ID:c8UxAP2X0
がんばれー
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 23:34:41.70 ID:f/mA4i12O
すまん今日は眠いんで書き溜めたのを投下して眠る
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 23:36:02.67 ID:f/mA4i12O
純「お姉さん……それって平沢唯さんのこと?」
梓「う、うん。そうなんだ。平沢さんはお姉さんのことがすごくすごく好きで、お姉さんのことについて毎日毎日、日記に書いてるんだ」
憂「!?」
いやいや、全開にした蛇口みたいに全部包み隠さずカミングアウトしちゃってるけど……ええ!?
昨日の約束は何だったんだ!?
梓「……ってしまった!」
今更、ゴキブリ女は自分のミスに気づいて口許を押さえた。
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 23:41:36.41 ID:f/mA4i12O
純「えーとお……そうなんだ。じゃあ私、ジャズ研行くから」
梓「ち、ちょっと待って!」
私が誤解を解くのを諦めて、首吊り自殺を考えかけたところでゴキブリツインテールがカニ女を引き止めた。
梓「今のは真っ青な嘘!」
真っ青なのは私だ。
梓「本当は平沢さんはバイでどっちでもいけるんだよ。雑食なんだよ!」
人をギャルゲーの主人公みたいに言うのはやめろ。
ついでにバイじゃない。
私は偏食家なんだ。私が愛してるのは世界でただ一人、平沢唯だけだ!
純「そ、そう。へえすごいすごいわーおわんだふー」
ぱちぱちぱちぱちぱちぱち。
鈴木純はカニの分際で拍手しながらムーンウォークして教室から出て行った。
梓「追いかけて、誤解を解かなきゃ!」
私は中野梓に腕を引っ張られながら、鈴木純を追いかけるはめになった。
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 23:42:39.05 ID:f/mA4i12O
それではお休み
また明日
マジメにすまん
105 :
マジレス1I ◆MAJIRESU1I :2010/06/13(日) 23:46:46.45 ID:cuc5RKTj0 BE:960830382-2BP(2076)
しね
イ`
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/13(日) 23:50:43.62 ID:c8UxAP2X0
再開は何時頃になるの
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 00:00:29.51 ID:Pr6TKFSl0
なんで太郎
ほす
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 01:06:56.59 ID:EzIyxno6O
明日の夜7時から再開する
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 01:21:52.14 ID:EzIyxno6O
純「なるへそ」
鈴木純はハンバーガーにかぶりつきながら、私と中野梓を交互に見た。
――結局、あの後私と中野梓は何とか鈴木純を引き止め、誤解を解くことに成功した。
ただし私がお姉ちゃんのことを愛していることや
私がお姉ちゃんへの想いを綴った日記を毎日書いていることなど、全てつまびらかになってしまったが。
梓『その……私のせいで平沢さんの秘密がばれたから……ハンバーガー奢るよ』
純『あ、じゃあ私もついてっていい?』
ちなみにこれは誤解を解いた後の会話である。
正直、赤の他人と食事などしたくなかったし、そうでなくともファーストフードを
積極的に食べようとは思わなかったが、どうしてもと言うので結局私は中野梓と某ハンバーガー店へ来ることになった。
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 01:27:54.19 ID:EzIyxno6O
純「にしても悪いね。私までなんか知らないけど奢ってもらちゃって」
ちゃっかり中野梓に奢ってもらっているカニ女はチキンナゲットを美味しそうに口にほうり込む。
梓「それより平沢さんのことなんだけど……」
憂「なに?」
梓「いや、ほらさっきの話だよ」
近親相姦がどうとかいう話か。
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 01:32:00.64 ID:dBZ8hfTb0
が、ん、ば
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 01:40:38.43 ID:EzIyxno6O
ストローに唇をつける。ジンジャエールに含まれた炭酸に思わず顔をしかめる。
梓「さっきも言ったけどやっぱり近親相姦でしかも、しかも同性愛なんてよくないよ……」
喋っているうちに興奮して中野梓は自分の声が大きくなっていることに気づいて、口許を押さえた。
憂「私は……別にお姉ちゃんになにかしようとしているわけじゃないよ」
あくまで芸術作品を鑑賞するかのように、眺めているだけで十分に幸せなのである。
欲を言えばお姉ちゃんからも私宛てにラブリーなメッセージが届かないものかどうか。
それにしても中野梓にしろ鈴木純にしろ、妙に喋りやすい。
まあ、人間以下としてしか見てないからかもしれないが。
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 01:51:47.96 ID:sC1aGuqO0
レズにゃんはなんでそんなに姉妹レズ否定するの?
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 01:53:06.55 ID:OmI6sTb90
卑怯者だからです
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 01:53:08.14 ID:erL66oAUO
けいおん2期見てないんだけど、
すずきじょんってやつは、実際に人目をはばからずムーンウォークしたり、カニの物真似しちゃったりするクレイジーな感じの子なの?
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 01:56:08.42 ID:DBIOBsonO
そうだよじょんはとてもクレイジーな奴だよ
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 02:00:31.92 ID:erL66oAUO
引くわ
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 02:09:38.11 ID:WsQqD82a0
じょんって誰だよwwwww
ていうかレズにゃんは自分もガチレズの癖にね
諦めんなよ!!どうして諦めるんだそこで!!
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 03:21:19.97 ID:WsQqD82a0
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 04:13:15.13 ID:WsQqD82a0
ほ
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 05:19:08.52 ID:0rm7ionCO
ほ
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 05:29:10.20 ID:NuGG5Ow+0
う〜ん面白い
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 06:23:29.01 ID:KjHTAsHLO
ほーしゅ
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 07:29:12.69 ID:GiITp3ytI
シュッと
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 08:22:33.76 ID:NuGG5Ow+0
うーいーカワイイよ
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 08:25:38.55 ID:EE6s0IYtO
かわ憂
このSS内だと、レズにゃんじゃなくてドジにゃんって感じがするな
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 09:49:00.24 ID:zBu3mmEk0
あ
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 10:32:09.59 ID:GkM7PnAN0
ほ
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 11:31:25.17 ID:g8imI5HTO
ゆ
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 11:32:19.42 ID:w1PQclQCO
い
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 11:34:50.91 ID:K/+Oi+9w0
ういういしくて、いい
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 11:41:36.59 ID:K/+Oi+9w0
ういういしくて、うい
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 11:50:01.97 ID:evehVOHx0
うい あー ざ わーるど
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 12:02:47.65 ID:+QeojcP30
酔っ払ゆい「うい」
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 12:12:25.74 ID:K/+Oi+9w0
ゅぃ「ぅぃー、ぉゃっー」
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 12:21:28.91 ID:zHMzA+vsO
純ちゃんがウザ可愛い
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 12:29:20.49 ID:KmSpSw5w0
キャラの設定がオモロイ!!
ほ
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 13:38:24.13 ID:yQo59aTI0
う
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 14:24:47.84 ID:gzaPyRkC0
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 14:45:21.00 ID:w1PQclQCO
ほ
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 15:43:20.51 ID:6M8Um+1L0
うーいーカワイイよー
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 15:43:27.85 ID:1Ea9bvGEO
も
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 16:40:12.58 ID:6M8Um+1L0
かわ憂
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 17:02:46.54 ID:GUcpE3WG0
5分レス着かなかったら憂ちゃんと結婚できる
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 17:04:17.58 ID:vuDUJ/Ge0
許さない
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 17:09:31.32 ID:BNXyPpAw0
今日中にレスがあったら唯と憂が結婚
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 17:24:03.13 ID:KrnJWAbHO
もうそろそろ約束のお時間ですな
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 18:04:37.97 ID:6M8Um+1L0
むむむ
俺幸せになるよ
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 18:33:02.78 ID:+msEyqrGO BE:1302884238-PLT(13000)
支援
というより保守か
黒魔法で恋するどこぞのネクラ少女思い出したほ
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:00:00.30 ID:+IXa+q6AO
純「んじゃ、おいとまするわ。ごちそうさまー」
店に来て十五分もしないうちに、そう言って鈴木純は帰っていった。
梓「食べるの速かったね」
憂「そうだね」
黙ってほとんど食べることしかしていない私よりもはるかに速い。
ジャズ研がどうとか、カッコイイ先輩がどうとか購買がどうとか。
そんなことを機関銃のように語りまくっていたにも関わらず、どうしてああも速く
食事を済ませることができたのか、いささか謎だったが、まあカニ女のことなど気にしても仕方がない。
私は再びハンバーガーにかぶりついた。
梓「あのさ、一つ聞いていい?」
憂「なに?」
梓「平沢さんってスゴク変な性格してるよね?」
聞いていいと言いつつ、まるで質問になっていない中野梓の言葉に、私はどんな顔をしてしまったのだろうか。
梓「……スゴクじゃなくて少し変な性格してるよね?」
今更訂正しても遅いわ。
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:02:05.41 ID:+IXa+q6AO
再開する
保守感謝!
きたあああ
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:08:31.64 ID:+IXa+q6AO
梓「その、ごめん。私、日本語下手だから……」
憂「……」
梓「……」
憂「……」
降って湧いた沈黙の中で私は少し考えてみた。
自分の性格。
昔からこんな性格だったのかと言うとどうだろう。
別に幼少期からこのような鬱々とした性格ではなかった気がする。私の記憶が正しければだけど。
大人しい性格ではあったが、いちいち自分のことを卑下するような子供ではなかった……はず。
でも気づかないうちにこんな性格になってしまっていた。
もしかしたらきっかけのようなものはあったのかもしれない。
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:08:47.62 ID:KUN82ZbBi
あぁ、なんで俺は仕事数分前にこのスレを見つけちまったんだ・・・しかも再開してるし・・・・・だが支援!
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:10:54.42 ID:g8imI5HTO
きっちり7時なんだなwww
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:12:22.07 ID:clNhKrTu0
. / / / /./ \
. / / / / ,イ/ .! ヽ
l .' . /.彡、! | | |
| l ! /└ ´ | ! .ハ! !
| イ l /___ 、 |ハ / ヾ! ,
,'/ .〈 ! |./└-ミ !_ j /
. // | |' :::::::: ミ>. イ /
// / ! | ,- 、' :::::// / ,,,,,,,,,,, __
/イ /.イ | ト 、 丶 ′ ノl / ‐''´ {)n_
. / _ムニ ¬| l ト、 >- < | !/ i `(;ぅ_
ィ" ィ/ `ヽ‐| '、! ハ!「丶、 |.」′_ .r-!_ ヽ
, ' // .! ヽハ‐! | V nYヘ V !'/==、 r.'´: : :ト、:ヽ }
i / / ' | ハ∨| V.||!lい ∨./ 三ラ i/"ヽ: : |''¬ :\ }
l ! / .! \ |ハト. !'ノトツ .rァ′ _.ニフ .}_,,,,, ∨ ,_ |: ! i"7
ヽイ | \ |/ ∨|i ||レ‐イ l _ノ ノ== =.!ィ| ! ヽ
/ / ! ヽ _ ソ'イ ! ∨ 〈| 、、、 ' 、、、!: |:ト、 }
. l ./ i! __// / ヽ_丿 ! }! , 、 ノ: !l:| .〈
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166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:13:35.98 ID:+IXa+q6AO
思い出せないけど。案外きっかけなどなかったのかもしれない。
もしくは、実は私は過去にとんでもない体験をしてそのショックで、こんな人間になってしまったのかも。
まあ、そんなわけないのだけど。
私は、自分で言うのもおこがましい話だが、記憶力がいいのだ。
私が生まれた時から今日に至るまでの姉妹の感動震撼感無量エピソードを今すぐ語ることだってできる。
うん、記憶喪失の線もなさそうだ。
じゃあなんでこんな性格になったのかという話に戻るわけだが、どうでもいい。
今更この性格が変わるとは思えないし。
梓「やっぱ訂正」
ちびちびとジュースを飲んで黙ってしまった私に
気まずくなったのか中野梓は、無理矢理笑っていると分かる笑顔でこんなことを言った。
梓「変わった性癖してるね?」
口に含んだジンジャエールは相変わらず酸っぱかった。
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:20:56.40 ID:+IXa+q6AO
その後、某ハンバーガー店を後にした私と中野梓は一緒に帰ることになった。
意外と家が近いらしい。
どうでもいいけど。
梓「私、新歓ライブ見たら軽音部に入りたくなってね」
憂「うん」
梓「明日入部届けを出しに行こうと思って」
憂「そう」
梓「そういえば、平沢さんのお姉さんは今日ライブでギターしてた人なんだよね?」
憂「うい」
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:30:18.64 ID:+IXa+q6AO
梓「じゃあ、私こっちだから」
十字路の前に来たところで、ツインテールが振り返った。
梓「バイバイ」
中野梓が手を振ったので、私もまあ、手を振り返してやろうとしたところで、聞き覚えのある声がした。
「うーいー」
嗚呼……この鼓膜を震わすどころか溶かしてドロドロにして変な液体を垂らしてしまいそうになるプリティな声は……
憂「お姉ちゃん」
だった。
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:33:52.19 ID:0ZIMrP5k0
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:35:09.71 ID:KHhoBRHE0
投下開始時間wwwww
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:39:03.01 ID:+IXa+q6AO
夕日をバックに向かって来るお姉ちゃんの笑顔に私は胸をときめかせる。
唯「憂、今日は遅かったね」
憂「うん、ちょっとね」
本当に脳みそが入っているのかどうか、思わず、かっ開いて見てみたくなるくらい頭の軽い女のせいで、いつもより遅くなっちゃたんだ。
とは、口の中に留めておいた。
いやいや、それよりもっとお姉ちゃんに言わなければいけないことがあるではないか。
今日のお姉ちゃんの新歓ライブに震撼した私の感想を言わなければ。
お姉ちゃんの勇姿を見れた感動を伝えなければ。
私が意気込んで、お姉ちゃんに話そうと口を開いた時、
梓「今日のライブすごくよかったです」
誰だよお前。
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:40:36.58 ID:BNXyPpAw0
きたないなさすがあずにゃんきたない
サッカー始まるまでに終わらせないとつながりにくくなるよしえん
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:47:52.78 ID:+IXa+q6AO
いつの間にか私の隣で、私のお姉ちゃんのプリティフェイスを見上げて
ゴキブリツインテール引きちぎってやろうか女が、目を輝かせていた。
唯「?」
お姉ちゃんが、ゴミ捨て場で喋るナマゴミでも見つけたかのように首を傾げた。
梓「あ、すみません。私は中野梓っていいます。平沢さんとはクラスメイトです」
そしてたった今敵になりました。
梓「平沢さんとは今日お友達になりました」
クラスメイトの部分は否定しないが、お友達になった覚えはない。
チーズバーガーで私を釣れると思っているのなら大きな間違いだ。
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 19:55:45.55 ID:+IXa+q6AO
唯「へえ、憂のお友達なんだ。こちらこそ初めまして平沢唯です」
梓「よろしくお願いします」
ああ、さすがお姉ちゃん。汚らわしい泥棒猫女にまで握手を交わすなんて。
後できちんと手を洗ってもらおう。野良猫はどんな病原菌を持っているか分からないから。
そういえば、家のどこかにノコギリがあったな。どこに閉まったのかな?
梓「それで、私、軽音部に入ろうと思うんです」
唯「ホントに!?」
ヤベー。お姉ちゃんの顔が夕日とか関係無しにシャイニングして見える。
泥棒ゴキブリがジャマだなー。
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 20:04:22.97 ID:+IXa+q6AO
梓「本当は今日軽音部にお邪魔する予定だったんですが……」
なぜか一瞬だけ、中野梓の視線が私に移動した。
唯「やっっったあ!やったよーうーい」
思わず後ろに倒れそうになるのを、何とか踏ん張った。
お姉ちゃんが嬉しさのあまり、私に抱き着いてきたのだ。
ベッドの上だったら間違いなく、勢いに身を任せているところだ。
Uh……し・あ・わ・せ・はーと。
中野梓は私とお姉ちゃんを交互に見て、目を瞬かせた。
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 20:04:34.64 ID:KHhoBRHE0
>私が意気込んで、お姉ちゃんに話そうと口を開いた時、
>梓「今日のライブすごくよかったです」
>誰だよお前。
この流れで声出してワロタwwwww
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 20:14:00.71 ID:+IXa+q6AO
……仲いいんだ。
そんな呟きが聞こえた気がしたが
お姉ちゃんに抱き着かれている私には果てしなくどうでもよくて正直そのように聞こえたのかは自信がない。
梓「それじゃ」
私はこれで。中野梓は一礼して踵を返した。
唯「梓ちゃん、またねー」
お姉ちゃんが去っていく中野梓に手を振る。
中野梓が振り返ってもう一度お辞儀をして、それから私の方を見た。
遠くからで、しかも夕日を背にしていたから、泥棒猫女が本当に私の方を見たのかは、分からないけど。
梓「さよーならー平沢さん」
手を振る中野梓の背後の夕日が、不思議とさっきよりも眩しく私の瞳に映った気がした。
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 20:14:28.98 ID:Q2Vo/2YwO
まってましたぜ
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 20:23:26.54 ID:BNXyPpAw0
あずにゃんは憂ちゃんのライバルになるの?
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 20:24:06.26 ID:+IXa+q6AO
憂「……今日は素晴らしい日だった」
日記の最後の締めを呟いて、私はノートを閉じた。
常日頃から犯罪的なまでにカワイイお姉ちゃんが今日は一段とかわいく見えた。
新歓ライブでギターボーカルとして一生懸命頑張るお姉ちゃん。
中野梓が、軽音部に入ると聞いた時の百万ドルの笑顔のお姉ちゃん。
今日も私の作った料理を美味しい美味しいと食べてくれたお姉ちゃん。
私は幸せだ。特に今日は一段と幸せだ。
それなのに。
私は無意識にノートを開いたり、閉じたりしているのに気づいて、手を止めた。
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 20:32:30.87 ID:+IXa+q6AO
落ち着かない。
昔、買った小説のオチがあまりに酷くて半日くらいイライラしていた経験があるが、その時と似たような気分だ。
オチ、つかない。
憂「くだらない」
今のは忘れよう。
それよりも。
私は自分の手の中に収まっている紙切れを開いた。
開いた紙にはアルファベットが並べられていた。
携帯電話のアドレスがそこには書かれている。
いつの間にかノートに挟まっていた紙切れ。
並んだアルファベットたちの下には割とキレイな字で中野梓より、と書かれていた。
どうしよう?
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 20:43:28.89 ID:+IXa+q6AO
携帯電話を開く。お姉ちゃんに連絡する時以外に基本的に出番のない、それを眺める。
開けたり閉めたりを繰り返して、結局私は中野梓のメールを打ち込んでいた。
別に深い理由などない。無視してとやかく言われるのも面倒だ。
そう、それだけだ。
だから、私はメールアドレスを打ち込んでメールを中野梓に送って、すぐ携帯電話を机に投げた。
憂「お風呂に入ろう」
今日も春にしては、暑かったことだし。それに今日は誤解したカニ女を追うのに汗をかいたしね。
お風呂は命の洗濯。身体をキレイにキレイにしよう。
部屋を出る間際、扉を閉めようとして振り返る。
机の上の携帯電話は沈黙したままだった。
そういや合宿中、憂は一人で何して・・・
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 20:48:47.71 ID:+IXa+q6AO
お風呂から上がった私は、すぐ部屋に戻った。
扉を開ける。
部屋の明かりをつけようとして、スイッチを押そうとした指は、そのまま滑り落ちた。
携帯電話が蛍のように光りを放っていた。
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 20:53:50.67 ID:vuDUJ/Ge0
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 21:01:22.30 ID:+IXa+q6AO
中野梓からの返信メールは私の予想を裏切るものだった。
今時の女子高生らしい頭の悪そうな文字が並べられていると思った私は、少々拍子抜けした。
ちなみに分量は結構多かった。
これからよろしくね、という挨拶から今日の自分の失敗によって
鈴木純にまで私の秘密がばれてしまったことへの謝罪の文。他にもどうでもいいことが幾つか。
よくこうも書くことが浮かぶものだと私は感心してしまった。
しかし、これはなんて返せばいいのだろう。
私はメールのやりとりをほとんどしたことがない。絵文字も使ったことがなかった。
結局、お湯に浸かってほてったはずの身体がほとんど冷めた頃にメールを返した。
一言。
おやすみなさい。
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 21:02:11.09 ID:+IXa+q6AO
お食事に行く
保守お願いします
まか
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 21:24:09.64 ID:vbpZYREnO
はんにゃ
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 21:40:27.70 ID:6U0UfCzHO
お願いし
ほ
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 22:07:22.72 ID:BNXyPpAw0
おいまだか
今日中に終わるんだろうな
早くしろ
規制でもどかしい
解除キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/14(月) 22:10:36.23 ID:+IXa+q6AO
保守ありがとう
再開
キター
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
平沢憂の日記から一部抜粋
―――――――――――――――――――――――――――――――――
今日もお姉ちゃんが可愛すぎて生きるのが楽しい。
鈴木純はジャズ研に入っているらしい。うん、果てしなくどうでもいい。
中野梓は初めての軽音部での活動が楽しみだそうだ。やっぱりどうでもいい。お姉ちゃんには手を出さなければどうでもいい。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
お姉ちゃんがエロ可愛すぎて今日も生きているのが楽しい。
中野梓に部活のことを聞いてみた。なぜか浮かない顔をしていた。歯切れも悪かった。
どうでもいいか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――