(#) _ゝ メ)
(メ<_`;)「そ、そんなことより、彼が遅いな」
(メ,,メ゚Дナ)「!」
( ^ω^)「ドクオのトイレ、結構長いお。何か年取って色々しんどいとか」
(メ,,メ゚Дナ)「どっちに行ったんだ」
( ^ω^)「外でやるって、入り口の方に」
(メ,,メ゚Дナ)「……クソッ、迂闊だった……! あんの、馬鹿野郎が!!」
( ^ω^)?
( ^ω^)…
(;゚ω゚)「ま、ま、ま、ままままさか」
(メ,,#゚Дナ)「急いで東区に戻るぞ!!」
紫煙
やった!3丁目が帰ってきた!これでかつる!
支援
※ ※ ※
ひゅう、ひゅう。
隙間風のような音。
この手の音は、どちらかというと冬のイメージがある。
どっかから風が吹いているのかと思ったが、違った。
これは俺の呼吸の音だ。
('A`)「はぁ、はぁ、は、ぜぇ、いやいや……っが、ごほっ」
咳き込み、涎とも痰とも判別しにくい塊を吐き出す。
べちゃりと地面に広がったそれに血は混じってはいなさそうだったが、
病状は既にだからどうしたというレベルだろう。
よろけながら、歩を進める。
まるで死を目前にした老人じゃないか、と思ったが、よく考えなくてもその通りだった。
('A`)「ザマぁ、ねえな」
高まる動悸とは裏腹に、頭だけは異常に冷えていた。
('A`)(西区に入ってから……半日と、ちょっとくらいか)
東区から吹いている風が髭の間を抜けていく。
辺りに猫は見当たらない。が、建築物の向こう側にひしめく気配は何となく感じ取れる。
長居はしていられない。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:26:19.69 ID:NftcIPCD0
どくおおお
ドクオ……
('A`)「と、と」
一歩踏み出した所で、バランスを崩す。
よろめいた体が壁にぶつかり、辛うじて持ちこたえる。
('A`)「…………」
体がついて来てくれない。
あまり悠長にしてはいられないのだが。分かっちゃいるけど動かせねぇ。
('A`)「スイスイ、スーダララッター……」
空を見る。
朝方に小雨が降ったが、今は辛うじて曇天といったところだ。
じめじめとした湿り気が、これでもかと言うほど壁から伝わってくる。
じっと、呼吸を整える。
しばらくして、壁の向こうの気配が緩やかに後退しつつあるのを感じた。
代わりに目の前に迫っていた、派手に気配のデカい物体を、目玉だけ動かして視界に入れる。
('A`)「どうしたんですか、こんなとこで」
▼・ェ・▼「散歩だ」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:28:10.99 ID:Q4KIfPYJO
ああああああああ…
しえん
支援…
('A`)「さいですか。……ゲホ」
▼・ェ・▼「随分とまぁ、なんつうか。ひでぇザマだな」
('A`)「サーセン」
▼・ェ・▼「ゴーグルの女が捕まった」
('A`)「そう、ですか」
▼・ェ・▼「男はまだだ。この意味、分かるな」
('A`)「ええ」
ゆらりと重心をずらし、壁から顔を離す。頬に張り付いた髭が、一本一本はがれていく。
('A`)「ちゃんと覚えてますよ。あんさんとした約束なら」
▼・ェ・▼「やるってのか。もう、ろくに歩けもしないお前が」
('A`)「もちろん」
▼・ェ・▼「勝てる根拠は」
('A`)「無いっす。でも、ケリはつけます」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:30:04.45 ID:M1iQLXfw0
かっこいいな支援
試演
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:31:03.90 ID:e7ZWvzrd0
支援
▼・ェ・▼「他の連中は」
('A`)「一応全員無事です。ですが置いて行きます、今の傷付いたあいつらが戦えば、きっと誰かが死ぬ」
('A`)「すまないけど、乗っけてってくれませんか。全力で走ってきたのに追い付かれちゃう」
▼・ェ・▼「嫌だね。死にかけを連れて行く程酔狂じゃねェし、猫に利用されんのもシャクだ」
('A`)「それを承知でお願いします」
▼・ェ・▼「見返りは?」
('A`)「俺を置いてけばあんたは奴に殺される。連れて行けば、死なずに済む」
▼・ェ・▼
▼・ェ・▼「く、く。はははは。そんなモン、見返りにもなってねえよ。
っつか何だそれ、俺が喧嘩売る事前提なのか。もう良いよ、来たついでだし乗れや」
('A`)「感謝します」
出来る限りしっかりとした足取りで、ビーグルの背中に乗る。
「ほんと馬鹿ばっかだな」と彼が小さく呟いたのには、聞こえない振りをしておいた。
クソ格好いいわこいつら
※ ※ ※
(;><)「だから! こっちのルートで避難を!」
( `ー´)「そうは言いますけどねぇ、こちらにも都合がねぇ……」
( ><)「それは分かりますけど、そこを何とか」
( `ー´)「ギコさんちみたいにでっかい縄張り持ってりゃ、多少ほっぽりだしても何とかなるのかもしれないけど、
ウチはこの通りの狭い縄張りに大所帯ですから、もし火事場泥棒とかされたらたまらんのですよ」
( ><)「いやそれは皆さん同じですから協力をですね、ギコさんも自分の縄張りを避難所として使っていいって言ってるんですし」
( `ー´)「んー……やらしい話、あまりこういう事で彼に借りを作りたくないんですよね」
(;><)「っそ、そんな事言ってる場合じゃないでしょ! 何言ってんですか!」
( `ー´)「おたくのとこの大将だってよくちょっかい出されてたじゃないですか。好き勝手やってりゃ鬱陶しがられるのは当たり前ですよ。ねえ?」
( ><)「…………」
支援
( ^Д^)「おう、どうよ」
( ><)「てんで駄目ですね、危機感ゼロです」
彼らの縄張りの外れで待機していたプギャーと落ち合う。
彼の声色にも期待している素振りはまるでなかった。
恐らく僕の返答も想像通りだっただろう。
( ^Д^)「やっぱ駄目か。ネーノも古いからな……ギコの名前は裏目に出るわなそりゃ」
ネーノはギコが猛烈な勢いで縄張りを広げ始めた頃からの古参だった。彼には相当辛酸を舐めさせられたと聞く。
加えて、未だ彼の縄張りに被害が無いというのも非協力的な態度を後押ししていた。
( ^Д^)「ショボンかドクオか、ミルナが居りゃ、もう少しマシな交渉が出来るんだが」
( ><)「ですね……何とか日が落ちるまでには子供達だけでも避難させたいんですけど」
( ^Д^)「日が落ちるまで、か。……腹、減ったな」
( ><)「すきましたね、お腹」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:36:27.07 ID:M1iQLXfw0
支援
紫煙
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:37:50.80 ID:D50IKXsk0
つまんね落とせ
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:37:52.85 ID:Q4KIfPYJO
気になって寝れねえ
支援!
ネーノの縄張りは小高い丘も含まれていて、僕達はちょうどそこの中腹に立っていた。
この丘の反対側辺りに砂緒神社への階段に繋がる山がある。
丘から見る町並みは物凄い景色とは言えないけれど、いつも視界を塀や建物に遮られている僕には新鮮だった。
空は変わらず、濁った雲と共にどこまでも広がっている。
( ^Д^)「うう、何だかなー何で頑張ってんだろーなァ俺ら」
プギャーはいかにもくたびれた様子で背中を丸めていた。
ぎゅるる、とお腹の音が鳴っている。
( ><)「馬鹿な事言ってないで、どこかしらでご飯食べましょう。ちょっと面倒だけど神社に戻って……──」
( ><)「!!」
( ^Д^)「どした」
(;><)「いや、今あの向こう辺りの、通りの隅に。チラッと奴が。多分、間違いなく」
ほんの一瞬だが、あの姿を見間違っているとは思えなかった。
脳裏に嫌というほど焼き付いているのだから。
(;^Д^)「何だって!?……いや、っちゅうか、真っ昼間だぞ?」
( ><)「……」
( ^Д^)「……」
支援
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:40:07.51 ID:cur9yPUGO
釣りじゃなかったのねっ
支援
支援
顔を見合わせ、合図をするでもなく、二匹して歩き始める。
歩みは次第に、走りへと移り変わっていく。
( ><)「どうしたら?」
( ^Д^)「もし本当に奴が来てるなら、ネーノの縄張りにじき気づくだろう。
俺が先回りして移動してくれそうな奴だけでも強引に引率する、後は勝手に逃げてくれる事を祈るしかない」
( ^Д^)「お前はネーノをぶん殴ってでも連れ出せ。あんな野郎だが東区と仲間には必要だ」
( ><)「了解です」
( ^Д^)「いいか、絶対に奴と向かい合うなよ。ミルナの仇を取ろうとか思うなよ! これフリとかじゃねぇかんな!!」
( ><)「分かってますって」
( ^Д^)「いざとなったらもうネーノとかどうでも良いからさっさと逃げろ、分かったな! あと例の頼む!」
( ><)「はい!」
試演
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:42:10.50 ID:Q4KIfPYJO
やばい逃げて
しえ
立ちはだかる塀を境界に、彼は左に、僕は右へと走る。
走りながら塀の横に転がっていた石ころをくわえ上げ、大きく振りかぶる。
そのまま道路に沿って立っていたガードレールへと、石を思い切り投げつけた。
特有の甲高い金属音が、辺り一帯に響き渡る。
( ><)(……お願いします!)
彼らが既に帰って来ている事を祈りつつ、今はただ走る。
時刻は昼過ぎ。
空は曇天。
自分の胸中にくすぶる物は否定しようもなかったが、そんなものに構う暇は無い。
真面目に恨んだところで仕方がない。
そんな事は、とうの昔から分かっている。
第二十五話 終
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:45:23.45 ID:aI3VwYjt0
乙
きてるぅぅぅぅうぅ
支援
乙!
乙です!!
一番好き
まさかこんなに時間が空いてしまうとは…誰が何してるか間違えて書き直したからだけど…
変わらぬ乙にありがとうです、あ、これは釣りじゃないです。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:49:16.26 ID:Q4KIfPYJO
乙です!
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 00:51:35.38 ID:K86RBiIZP
乙乙
乙でした!大好き!
`・+。*・ (´・ω・`)
。*゚ 。☆―⊂、 つ さあ、ここまで待たせたいいわけを聞こうか
。*゚ : ヽ ⊃
`+。**゚**゚ ∪~
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:03:37.06 ID:iApKIbPbO
おつんちん
>>79 一身上の都合で…ごめんなさい
いや、なんかこう、しっくり来なくて
あと乙もだけど支援もだわね、ありがとね
>>81 帰ってきてくれただけで嬉しい
何年かかってもいいから完結させてくれよ
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:25:17.57 ID:M1iQLXfw0
乙乙!!また読めて嬉しいね
乙っした
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:27:00.31 ID:14+Yu0zmO
乙!
投下ペースは元に戻りそう?
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:28:51.91 ID:e7ZWvzrd0
乙!!!
>>85 ぼちぼちペースは戻したいなぁと思っています。
戻したいなぁと(ry
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 01:50:48.88 ID:vWp5kEgVO
乙様
いつも楽しみにしてるんだぜ
本物だったのか
マジウレピイ