お前等がオペレーターに選ばれました

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
「……う……何処だ……ここは……」

あたり一面暗闇で満ちた部屋で、男が目を覚ました。

「……くそっ……気を失っていたか……」

男は頭に手をやり、二、三度首を振って上半身を起こした。
何の気配も感じられない部屋の真ん中、男の胸元で丸い緑の光がぼんやりと浮かび上がった。

「……オペレーター、聞こえるか?……聞こえていたら、指示をくれ。俺はどうすればいい」

>>3
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 19:08:50.92 ID:26qZgO3c0
セルフディフェンス
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 19:16:46.96 ID:ekg4uUNA0
オペレーターズサイドを買ってくる
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 19:27:02.02 ID:26qZgO3c0
静かに応答を待つ男。
何の応答も無く、耳にはめたインカムを何度も差しなおした。
気の遠くなるような時間の後、埃にまみれた通信機からざらついた音が返ってきた。

「ー!繋がったか!オペレーターズ…サイド?なんだそれは?」

通信機の故障だろうか、コンビを組んでいたオペレーターとは全く違う声が聞こえてきた。

「…混線か……?もう一度聞く、俺は何をすればいい。恥ずかしながら、記憶が少し飛んでいる。おまけに視界はほぼゼロだ」

>>5
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 19:29:06.70 ID:nVseUnsg0
いま自分が何を持っているかわかるか?
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 19:40:11.76 ID:26qZgO3c0
男は身体に怪我こそ負っていないものの、何故そこに居るのか、覚えていないようだった。
耳障りなノイズの後、また違う声が通信機から漏れた。

「了解、確認する」

誰とも判らぬ声に従う不安感からか、男の顔は険しい。
しかし他に頼る者もおらず、彼は手探りと通信機の小さな明かりだけで、自分の持ち物を確認した。

「相変わらず視界が悪くてよく見えないが、どうやら俺は特殊部隊か何からしい」

黒いベストと、無骨なブーツ。
彼の着ている服は、まさにそれだった。
男は大小さまざまなポケットから装備品を一つずつ並べた。

「コンバットナイフに…これは…拳銃だな。弾の入ったマガジンが4つ……2つは空だ」

身体が覚えているのか、手にとった小振りな拳銃を慣れた手つきで確認した。

「待て、ライトがあった……なんだ……ここは……」

手の平に収まる大きさのライトをつけると、黒一色だった部屋に光円が現れ、部屋の全貌が露わになった。
あたり一面瓦礫の山、そして……おびただしい血痕。

「オペレーター、どうすればいい?」

>>7
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 19:45:04.71 ID:nVseUnsg0
音は聞こえるか?
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 19:49:16.25 ID:26qZgO3c0
男はライトで周囲を照らしながら、身を屈め、インカムのボリュームをゼロにした。

「………………」

数十秒間、完全に静止した後、インカムを元に戻した。

「いや、物音はしない。誰も居ないようだ。しかし、壁中に弾痕があるな……それに酷い臭いだ」

>>9
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 19:59:52.55 ID:nVseUnsg0
ガスか?とりあえず移動してみてくれ
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:04:50.94 ID:26qZgO3c0
「いや、血とゲロと、犬の糞を混ぜて放置したみたいな臭いだ……」

男はオペレーターの指示通り、身体を軽く伸ばすと、拳銃をホルスターにしまいこんで動き出した。

「……早く出たい所だが……ん……?」

天井からパラリと、何かが落ちてきた。
男は光円を上へとずらすと、天井にはぽっかりと穴が空いていた。

「……俺はどうやらここから落ちたらしいな。オペレーター、ドアを見つけた。だが鍵がかかってる」

>>11
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:08:59.46 ID:nVseUnsg0
ドアの向こうの音は聞こえるか?
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:13:00.55 ID:26qZgO3c0
「…………」

左耳を壁にそっと押し当てて、男は目を閉じた。

「……いや、相変わらず静かなもんだ。廃墟にも見えるが、どうやら大規模な戦闘でもあったらしいな」

男は入り口に立ち、もう一度部屋を見回した。
椅子や、ベッド、本棚や割れた硝子片、弾痕。
全てが砂埃をかぶり、ボロボロに崩れていたが、どうやらそこはホテルのようだった。

「……テロか?俺は一体……駄目だ、思い出せない。オペレーター、ドアそう頑丈じゃなさそうだ。どうする?」

>>13
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:15:45.43 ID:QqUqFbRn0
蹴っ飛ばせ
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:15:49.90 ID:uzKWgRU10
何かドアを壊せそうなものはないか?
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:16:03.53 ID:nVseUnsg0
蹴破ってみてくれ
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:21:46.78 ID:26qZgO3c0
「オーケー、そういうのは嫌いじゃない」

指示を聞くなり、男は流れるような動きで姿勢を整え、鋭い蹴りをドアに向かって放った。

「おおっと…!」

重い蹴りを受けたドアは、上半分が見事に折れた。
男は勢い余って外に向かってよろけた。

「ゴホッ…!ゴホ……。おい……なんだこりゃ……」

男はゆっくりと目を開くと、目を見開いた。
外は薄暗いライトがストロボの様に点滅していた。
不規則に照らされた廊下は、瓦礫や何かで溢れかえっていた。
開いた隙間から身を屈めて廊下に降り立つと、ドアは鍵がかかっていたのではなく瓦礫で下半分がふさがれていたのだと判った。

「……どうやら少しまともな状況じゃなさそうだ。指示をくれ」

>>17
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:24:01.55 ID:cD/ZfuhL0
電力は来ているのか?可能なら先へ進んでみてくれ
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:24:31.41 ID:uzKWgRU10
そのホテルが一体どういうホテルだったのか、手がかりになるものを探すんだ
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:29:12.72 ID:26qZgO3c0
「あぁ、非常灯のようだがな…暗闇よりはマシな程度だ。なんだ…やけに蝿が多い…それに臭いもきつくなってきた」

男は耳障りな羽音で顔の周りを飛ぶ蝿を、手で払った。

「左は…行き止まりだ。ちくしょう……正直、気味が悪い」

ライトを片手に、とりあえず男は瓦礫の間を縫うように廊下を進んだ。

「……とりあえず歩いているが……まだ状況がつかめない」

>>20
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:34:07.46 ID:cD/ZfuhL0
建物の全容を知りたい、とりあえず歩き回ってくれ。くれぐれも慎重にな
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:42:41.35 ID:26qZgO3c0
「了解。言われなくても俺は記憶喪失だぜ。慎重にもなるさ……」

自嘲気味の笑いを漏らすと、男は再びライトを構え歩き出した。

「やはり戦闘があったのは間違いないらしい、そこらじゅうに弾痕と血の跡だらけだ。薬莢もな」

男がブーツの先で床に転がる金色の薬莢を蹴飛ばすと、からからと乾いた音が響いた。

「待て、これは……オペレーター、パンフレットを拾った。ホテルの簡単な地図もある。どうやらここは三階のようだ」

口にライトをくわえて、男は擦り切れたパンフレットを眺めた。

「……!……オペレーター、臭いの原因は恐らく……これだ」

ゆっくりとライトを向けた先には、黒い山があった。
その山の下からは粘度のある液体が広がっている。
そして、その山を形作る殆どは、男と同じ服装をした肉の塊だった。

「………くそ……俺は……どうすればいい…」

>>23
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:46:41.46 ID:cD/ZfuhL0
彼らの死因を特定してくれ。あと彼らは身分を証明するものを持っているか?
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:48:01.38 ID:6tvZxwMB0
パンフレットに印などはつけられているか?
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:48:07.23 ID:uzKWgRU10
三階ってことはホテルの上へあがっていく途中で落ちたのか。

嫌だとは思うが彼らの服を漁ってみてくれ
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 20:57:36.08 ID:26qZgO3c0
”今の彼には”見覚えは無いが、男は祈っていた。
恐らく仲間だった、生気のない顔へ向けて。

「オペレーター、声が複数聞こえるな……この際文句は言えない、出来るだけ指示には従う」

黙祷を終え、男は山に近づいた。
空気の動きを感じた羽虫が、一斉に飛び立って嫌な音を立てた。
一番下に横たわっていた死体に近づくと、男はライトを向けて身体を調べた。

「く…どうやら死んでから何日か経っているみたいだ。くそ……なんだ……この傷は……」

恐らく防弾だと思われるベストに、鋭く三つの亀裂が入り、肉が裂けていた。
赤黒い肉の置くに、骨まで見えている。

「…明らかに銃による傷じゃない。熊でもいるのか…?身元を記すものは何も持っていない。非公式の出動だったのかもしれないな」

男はその後幾つかの死体も同じ様に調べたが、どれも似たような傷が原因で亡くなっていた。

「……パンフレットにしるし……あったぞ。鋭いな。地下駐車場にマークが入っている。それから、マガジンを4つ手に入れた」
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 21:20:42.66 ID:cD/ZfuhL0
ただいまお掛けになった通信回線は
部隊が電波の届かない位置にいるか
既に絶命しているため、開きません。
周波数をお確かめになって、もう一度お掛けください
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 21:37:24.04 ID:26qZgO3c0
「……ふざけるなっ…!死んでるのは……見れば判る…」

聞こえてきた声に、男は声を荒げた。
その顔に未だ見えてこない状況と、記憶が戻らない事への焦りが見える。
額には一筋の汗が垂れていた。

「とにかく、俺は地下へ向かう事にする」

一度だけ黒い山を振り返ると、男は再び歩き出した。

「……暗くてよく判らなかったが、よく見れば……あたり一面死体だらけだ…それも、原型を留めてないのもある」

手首らしきものをそっと跨ぎながら、男は階段へ向かった。

「……しかし、何にやられたんだ……オペレーター、階段についたが、一気に降りた方がいいか?指示をくれ」

>>28
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 21:42:46.85 ID:nMTp7no10
銃を構えながら慎重に降りろ
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 21:43:32.13 ID:sWzjsGtX0
隠れながら進め
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 21:49:55.66 ID:26qZgO3c0
「……記憶はまだ戻らないが、俺はこの空気を知ってる……何処かから……見られている」

男はそう言うと、ゆっくりとホルスターから銃を引き抜いた。
トリガーの横にそっと指を沿えて、ライトと交差して構えた。
額の汗が、また一つ増えた。

「階段も相変わらず滅茶苦茶だ……一般市民まであちこちで死んでいる」

男はもう死体には驚かなくなったが、階段に横たわる死体を見て少し立ち止まった。

「……オペレーター。殆どの死体にある特徴があるんだ……。皆一様に背中に傷を負っている。これがどういう事か判るか?」

>>31
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 21:58:35.36 ID:nMTp7no10
すまんコーヒー飲んでた
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 21:59:18.32 ID:nVseUnsg0
とりあえず壁に背中を預けるか
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 22:07:55.85 ID:26qZgO3c0
「……ふ、俺も上手いコーヒーが飲みたいよ。喉が渇いた……水も探さないとな」

男の張り詰めていた表情が、少し緩んだ。
生唾を飲み込むと、男はまた真剣な表情に戻った。

「いい判断だな。不意打ちか、逃げようと背中をやられたかどちらかだ。恐らく、後者だと思うが」

薄暗い階段を降りると、大きな2という字が壁に打ち付けられていた。

「二階だ。水を探したい所だが……お前ならどうする、オペレーター」
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 22:12:28.56 ID:nMTp7no10
パンフレットを見てW.C.の位置を探すだろう
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 22:26:45.21 ID:26qZgO3c0
「なるほどな。水が来ていればいいんだが……」

男はポケットからパンフレットを取り出すと、トイレの位置を確認して歩き出した。

「…二階も同じ様な有様だ。こんな状況で、国はなにをやってる……もっとも、ここが何処かもわからないわけだが」

二度ほど瓦礫に塞がれて遠回りを強いられた男は、やっとの思いでトイレへとたどり着いた。

「……なんだ?物音がするぞ……奥だ……」

男は入り口に背を向けて、ライトを消した。
顔だけをそっと中へ向けと、即座に元の位置に戻った。

「……生存者かもしれない……オペレーター、どうすればいい?ちくしょう、手が震えてやがる」
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 22:33:50.58 ID:nMTp7no10
呼吸を整えてから耳を澄ませるんだ
何者か判断できなければ中を覗け
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 22:35:11.60 ID:saPu/FVG0
支援
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 22:41:41.49 ID:HnbulPkv0
レイヴンじゃないのか…
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 22:43:13.57 ID:26qZgO3c0
「オーケー相棒……」

男は吐息のように言うと、額に銃のグリップを押し付けて深呼吸をした。
耳を澄ますと、奥から聞こえる音は更に大きくなっていく。

―――ズル…

―――ピチャ……

何かを引きずるような音と、水音。
そして。

「ォオオオォァ……アァ゙ァ゙ォ゙……」

「ー!なんだ……!」

地の底から響くいてくるような、嫌悪感を直接刺激される声が聞こえた。

「誰だ……何が居る……!」

喉を鳴らして、男は静かに首を入り口へ向けた。

「ひっ……!な、なんだ……コイツは…!!!」
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 22:46:27.72 ID:nMTp7no10
どうした?
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 22:48:10.51 ID:26qZgO3c0
男が中を覗いた瞬間、計ったように切れかけた蛍光灯が瞬いた。

「バ……バケモノ……!」

シルエットは、人だった。
しかし、人の腹にあたる部分から長い臓物のようなものが垂れ下がり、全身が消し炭のように黒い。
枯れ枝のように皮膚はかさついていて、その顔面に目や口は無く、ぽっかりと三つの穴が開いているだけだった。
衣服のようなものは身に着けておらず、手を前に突き出し、臓物のようなものを引きずりながら歩いていた。

「ど、どうすればいい!オペレーター!!なんなんだこいつは!!!!」

男は叫んだ。
その声に反応したのか、得体のしれない何かは呻き声を上げてこちらへ足を向けた。

「ォ゙……ァア゙ア……ァ゙ァ゙……」

「オペレーター!!!!!」
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 22:49:35.56 ID:cD/ZfuhL0
背中を見せるな!撃て!
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 22:57:55.10 ID:26qZgO3c0
「くっ……!来るな!!!」

男は震える手で銃のセーフティーを外すと、銃口を”何か”に向けた。
そして、男は引き金を引いた。

―――ドンッ!ドンドンッ!!

轟音の直後に、地面に薬莢が三つ跳ねて高い音を立てた。
弾丸を受けた”何か”は踊るようにびくついて、後ろへと倒れた。

「……はっ……はっ……やったか……?」

男はライトを点けると、今自分が撃ったばかりのそれにゆっくりと近づいた。

「……なんなんだ……こいつは……」

明るいライトを受けたそれは、薄明かりの下で見るよりも数倍強烈な外見をしていた。
被弾した所からは、黒いゼリー状の液体が染み出してきていた。

「…オペレーター……奴は動かなくなった……しかしなんだ……こいつは……指示をくれ…」
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:00:12.58 ID:Ekd5XdWf0
周囲の安全を確認した上で調査だ
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:00:48.34 ID:cD/ZfuhL0
確実に止めを刺し、周囲を警戒しろ
そいつは何かを身につけているか?
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:09:13.20 ID:26qZgO3c0
轟音の過ぎ去った今、辺りには不気味な静寂が倍になって返ってきた。
男の荒い呼吸だけが響いている。

「了解……。人間……じゃないな……」

男は死体の顔面と思しき部分に銃を向け、もう一度引き金を引いた。
粉々に吹き飛んだ肉片が飛び散り、辺りには硝煙と下水の様な臭いで満ちた。

「トイレの中にはもう何も居ない。……?まて、なんだこれは……?」

男は冷静さを取り戻したのか、死体の腕の内側に何かを見つけた。
足先で蹴ってからライトを向けると、それはバーコードだった。

「……バーコード……。一体……これは……」

暫く男はしゃがみ込んだまま頭を悩ませていたが、これ以上考えても答えが出ない事を悟ったのか、立ち上がった。

「オペレーター、残念だが水は出ない。というより、出せないんだ」

男が言うように、水道は何重にも鉄線で巻かれ、とてもひねれるような状態ではなかった。

「………ここにはもう何も無い。化け物の死体以外はな。気が狂いそうだ……俺はどうすればいい」
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:10:47.95 ID:cD/ZfuhL0
蛇口撃ち抜けばよくね?元栓止まってなければ出るはず
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:13:13.85 ID:72u73OBE0
弾丸は極力温存し、目立つ行動や音を出す行為は避けろ。
ホテルならば各個室に備え付けの冷蔵庫があるはずだ。食料を補給しろ
その際、部屋の中と背後に気を配るのも忘れるな
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:19:39.10 ID:26qZgO3c0
「…そうだな、この状況で無駄撃ちは避けたい…それに、こうまでして固めているのには、意味があるのかもしれないな」

一度向けた銃口を、聞こえてきたオペレーターの声を聞いた後下げた。

「……オペレーター、俺の頬でも引っ叩いてくれよ。夢なら覚めて欲しいぜ…」

男はため息と同時に、意味の知れない笑いを漏らした。

「瓦礫で入れない部屋もあるが、とにかく二階の部屋を探ってみる」

そう言うと、銃とライトを構え直し、ごくゆっくりとした足取りで廊下に出た。

「……あれ一匹に、皆やられた訳じゃないだろうな……。奴にあんな傷をつけられるような特徴は無かった」

額を汗を腕で拭いながら、男は入れそうな部屋を発見した。

「オペレーター、ここなら入れそうだが……」
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:22:03.78 ID:H6umakqD0
落ち着け。まずは内部の様子を確認するんだ
おまえの推測通り、あれ1体で終わりとは思えない
酷な話だが、いつまた戦闘になるか予測できない

慎重に。クールに行こう
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:22:10.10 ID:saPu/FVG0
支援
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:32:46.26 ID:26qZgO3c0
「了解、今はもう落ち着いた。記憶を忘れる前の俺は、優秀だったらしいな」

―――キィ…

銃を構えたまま、ゆっくりとドアを開いた。
隙間から生臭い空気が漏れて、男は顔をしかめた。

「く……物音はしないが…死体ならあるようだ」

慎重にドアを開ききると、足を止めてライトを部屋の中へと向けた。
強盗にしつこく物色されたような部屋だが、最初に居た部屋と比べれば随分片付いている方だった。

「中に入る……”アレ”の姿は……今の所無い」

ブーツの下で硝子の欠片がみしりみしりと音を立てた。

「しめた……冷蔵庫から水を一本手に入れた。良いアドバイスをありがとう。これで冷えていれば最高なんだがな」

男はカチリと音を鳴らしキャップを捻ると、喉を鳴らして二口ほど水を口にした。

「ふー……生き返った。だが、水は温存する」

多機能のカーゴパンツには、ペットボトルを差すためのホルダーもついていた。
そこに男はボトルをぶら下げて、部屋を物色する。

「う……寝てる所をやられたのか?首が掻き切られている……ん?なんだ?」
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:36:25.67 ID:saPu/FVG0
完成度高いな支援
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:36:53.10 ID:SLRr8xuW0
やっぱりスネークでイメージしてしまう
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:37:06.66 ID:26qZgO3c0
男はベッドサイド、備え付けのテーブルに目をやった。
うつ伏せになっている死体の腕が、そこへ伸びていたからだ。

「……血で……何か書いてある」

木目の机の上に擦り切れた血の跡を見つけた。
それは何かの字のようにも見え、男はライトを向けて目を凝らした。

「………み……ず…?水……?よほど水が飲みたかったのか…?」

死に際のダイイングメッセージとしては、少し不自然で、男は首を傾げた。
不審に思った男は、慎重な足取りは忘れず、部屋の風呂場へと入った。

「……やっぱり……ここもか。オペレーター、ここも蛇口が固められている。どういう事だ?」
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:37:15.29 ID:Os4wBSm80
おもしろいのだが立てる時間ってか曜日が悪かったな
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:38:35.68 ID:nMTp7no10
水が何か重要な役割を果たす可能性がある
地下駐車場へ向かえ
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:38:50.55 ID:LvvjDufN0
水を媒体にして移動するんじゃないか?
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:39:19.35 ID:cD/ZfuhL0
蛇口を固めたのは誰だと思う?
お前たちの仲間かも知れないな
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:40:03.11 ID:72u73OBE0
蛇口を固めている鉄線は人為的なものに見えるか?
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:41:08.06 ID:xub4Nklv0
【オペレータールーム審議中】
    ∧,,∧  ∧,,∧
 ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U (  ´・) (・`  ) と ノ
 u-u (l    ) (   ノu-u
     `u-u'. `u-u'
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:45:19.76 ID:26qZgO3c0
「どう見ても人為的だ。よほど強く締めないと、こうはならない。
それに、随分手際もよさそうだ。お前の言う通り、俺の仲間が……やったのかもしれないな」

男は何度か蛇口をグローブ越しの拳で叩いたが、ぴくりとも動きそうになかった。

「……最初の化け物も、今思えばトイレという水場に居た。水が……何か関係が……」

男はタイルが割れ、ぐらつく便座に腰掛けて暫く頭を抱えた。

「……いや、考えても仕方ないな。とにかく、地下へ向かうとする」

ため息を吐いて立ち上がると、男はまた同じ足取りで部屋を後にした。

「……!……オペレーター……”奴”だ」

男はそう言うと、柱の影に飛ぶように移動した。
大きな動きだったが、音は少しも無かった。
視線の先に、低い呻き声を上げる化け物の姿があった。

「……何かを探しているのか……?どのみち、あそこを通らなければ階段へはいけない……どうする?」
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:45:43.23 ID:72u73OBE0
水を投げつけろ
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:46:53.21 ID:cD/ZfuhL0
ヤツの探し物が気になる
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:47:14.76 ID:nMTp7no10
銃弾で倒せたならナイフでもやれるはずだ
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:47:41.96 ID:H6umakqD0
>>63
いいアイデアだが、なにが起こるかわからない
まずは様子を見るべきと思う。“奴”は移動しているのか?
可能なら追跡を試みるべきだ

その場に留まるようなら先手を打って始末しよう
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:48:33.01 ID:LvvjDufN0
何か水をしみ込ませる物はないか?あるならそれに水を染みこませて投げるんだ。
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:49:15.79 ID:26qZgO3c0
「奴は……ちくしょう、見ればみるほど気味が悪い……。それに酷い臭いだ……何処かへ移動しているようだ」

男はむせ返りそうな臭気に、苦悶の表情で堪えていた。

「………指示が錯綜してるぞ……どれに従えばいい?」

>>80
69中の人:2010/05/11(火) 23:50:14.51 ID:26qZgO3c0
(少し席を外します、すまない)
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:50:33.33 ID:LvvjDufN0
了解。
さてどうする?
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:52:16.87 ID:/mwD0hv10
ヤツが敵だということはまだ分からないぞ
もしかしたら友好的かもしれん
コンタクトをとっってみたらどうだ?
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:53:08.96 ID:cD/ZfuhL0
後ろから強襲し「だーれだ!」の掛け声とともに視界を塞げ
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:54:21.14 ID:mpM3iMBK0
思い切って告白しろ
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:54:29.95 ID:Ekd5XdWf0
【オペレータールーム審議中】
    ∧,,∧、 ∧,,∧ /
 ∧ (´・ω・] (・ω・`D∧∧ /
( ´・ω) U) ( つと/ノ(ω・`[)
| U (  ´・) (・`[) ) と ノ
 u-u (l    ) (   ノu-u
     `u-u'. `u-u'
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:55:03.00 ID:H6umakqD0
話が通じる相手とも思えん
それに、接触感染の危険もある
俺は様子を見て、追跡をかけるという提案に変更はないな

それと、可能なら外の様子を伺うべきだと思う。現在地が把握できなければ
支援の継続も救援の派遣も不可能だ
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:56:32.54 ID:pPQsrZNs0
感染?なんのことだ
あの化物がゾンビとでも言うのか?
馬鹿らしい、NASAやロシアの実験生物ではないのか?
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 23:57:27.79 ID:mk9cUAu/0
携帯は持ってないのか?
持っているなら一旦誰かに通話してみろ
外の様子がわかるかもしれん
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:02:46.79 ID:ZOJUSTep0
kskst
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:03:31.05 ID:XSxQnXLC0
「奴」が先ほど倒したものと同じものなら見たところ目や鼻はなかったはずだが、声という音には反応した
身の安全を確保し、空の弾倉を奴の奥に投げ反応を示すか観察しろ
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:03:35.65 ID:kl321Q4z0
距離を取りながら奴を追跡しろ
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:05:53.90 ID:lHHrLmWZ0
支援
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:07:51.88 ID:4D+mAW080
敵が気づいている可能性も捨てきれない。
無理して追うなよ。そして後ろに注意だ。
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:16:12.56 ID:C9993jNF0
あーあーマイクテスト
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:16:53.52 ID:9R9q8cx60
……

>>1は無事なのか……?
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:18:23.31 ID:nGHiTXxB0
我々に出来るのは彼らを信じる事だ
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:25:44.10 ID:XSxQnXLC0
age
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:25:46.93 ID:MKPwhxVA0
これほどみんなノリノリなスレも珍しいな
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:29:45.68 ID:fX2OHpAQ0
一瞬板間違えたかと思ったがこれはこれで面白い
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:35:23.99 ID:JMHvwkQd0
司令部のシェパード大将がB2の発信を許可したそうだが
まさか、こっちじゃないよな?
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:41:26.51 ID:4D+mAW080
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:52:17.38 ID:SqIZgjoo0
「了解、警戒しながら奴の後を追う」

男は息を吐き、拳銃のグリップに額をつけた。

「これぐらいの距離なら、気付かれないだろう。奴は思ったより歩くのが早い」

瓦礫や柱の影に隠れながら、男は化け物の後を追った。
極力姿を視線から離さないようにしながら、窓や、その他の部分にも目を向ける。

「……窓は……真っ黒だ。夜なのか?それから、俺の通信機器はこのインカムだけだ。さっき確認した」

ずるずると腹を引きずりながら、化け物は奥へ奥へと進んでいく。

「……何処に向かってる…?オペレーター、奴は何かを探しているようだ。このまま追跡を続けるか?」
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 00:53:35.18 ID:C9993jNF0
よし追跡を続けよう
しかし深追いはするな。くれぐれも誘い込まれるなよ
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:00:30.80 ID:SqIZgjoo0
「了解、オペレーター……いや、”オペレーターズ”、信頼してるぞ」

一人きりで廃墟のようなホテルをさ迷う男にとって、オペレーター達の存在は大きなものだった。
顔は見えなくとも、男が冷静を保つには、彼等の存在は必要不可欠だった。

「……オペレーター…どうやら、奴が向かっているのは……”スパ”のようだ」

男は注意深く化け物の動きを観察してから、素早くマップを確認した。
化け物の行く先には地図通りにいけばスパがあるはずだった。
もう一度視線を廊下に戻すと、やはり化け物は、地図をなぞるように曲がり角を曲がった。

「……酷い臭いだからな、風呂にでも入るつもりか?」

男は苦笑いをして、また背を丸め化け物の後を追った。
暫くの追跡の後、予想通りスパに到着した。
荒れ果てたカウンターには、無残な死体が幾つも転がっている。

「…………水……か……。オペレーター、指示をくれ。奴はこのまま中へ入るつもりだ」
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:00:44.42 ID:JMHvwkQd0
まて、手頃な武器を見つけろ
それで奴を攻撃し体を調べるんだ
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:01:20.94 ID:ea9HyQSL0
奴が角を曲がったと思ったら待ち伏せされていた、ということもありうる。
念のため、装備の中にミラーのようなものが無いか確認するんだ。
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:05:29.70 ID:SqIZgjoo0
「武器……か…」

男はオペレーターの声で、辺りを見回した。
すると瓦礫の山から一本、頑丈そうな鉄パイプが伸びているのを発見した。

「……こんなものが効くかどうかはわからんな……移動の邪魔になりそうだ、今は銃とナイフだけで行く」

銃弾を4発も使った相手に、打撃が効くかどうかは判らない。
リスクは犯せない状況であることを、男は直感で感じていた。

「装備はさっきいったものだけだ、どうする?」
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:07:45.82 ID:JMHvwkQd0
言い忘れていたが
空爆申請ができる、上空をAC130が待機している
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:08:19.10 ID:L4BvjidYP
そっと観察しつつ、相手の特徴を見つけよう。
そこから弱点や正体が分かるかもしれない。
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:09:28.23 ID:4D+mAW080
まず周りを確認しろ。
確実に敵の仲間がいないことを確認したら攻撃し、敵の目的を調べろ。
スパには水があるんだろう?ほかの敵がいるかもしれない。2体以上なら退け。
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:17:49.40 ID:SqIZgjoo0
「空爆……?すまない、偶然繋がったお前達にそんなものを要請出来るとは思えない。だが、一応、覚えておく」

今の状況では、支援はありがたい事だったが、彼の言う通り、この通信機はたまたまオペレーターに繋がったのだ。
男は一瞬だけ緩い笑顔を浮かべたが、すぐに真剣な顔つきに戻った。

「…奴は一体だけのようだ……後を追う」

幾つもの死体を跨ぎ、男は化け物の後を追った。
化け物はまるで道を全て知っているかのように、カウンターを抜け、ロッカーを通り、スパへ出た。

「……!……オペレーター……信じられない光景だ……」

男の額から、光る汗があふれ出た。
一体だけだと思っていた化け物が、広いスパの中に、何体もうごめいていたからだ。

「……ざっと見ただけで10以上は居るぞ……待て……何かに群がってる……なんだ…?」

滴る汗を拭いながら、男は見つからないように奴らの群れの中心に目を凝らした。
非常灯の明かりだけで薄暗いが、どうやら奴らが群がっているのは、瓦礫の中に埋もれた配水管のようだった。

「……奴ら、配水管を揺すってるぞ……かなりぐらついてる……オペレーター、どうする?」
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:20:08.11 ID:JMHvwkQd0
水が欲しいのだろうか
様子をみるんだ
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:21:11.62 ID:9R9q8cx60
10体以上だって!?

ちょっと待て……
やっぱり奴らは水が欲しいんじゃないか
その10体はみんな同じような外見をしているのか?
危険な……殺傷能力のありそうな奴はいるか?
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:26:52.26 ID:z9LMOuhP0
奴らは水を得ることで何らかの変化を起こすと思われる!
嫌な予感がする 急ぎそこから離れろ!
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:28:30.52 ID:ea9HyQSL0
もし奴らが水を得て活性化したり、水を媒介に移動した場合、手がつけられなく可能性がある。
急いで阻止するべきだ、目を覚ました時にはすでに2つ空のマガジンを持っていたということは、
記憶を失う前のお前は奴らと交戦して生き残った、ということじゃないだろうか。
現在その化け物を倒し得るのはお前だけだ、最低でも奴らが建物の外に出る事は防がなければならない。
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:29:14.85 ID:SqIZgjoo0
「腐った肉のプールで泳いでるみたいで、鼻がもげそうだ。見た所全て同じだ。”出っ腹”の奴ばかりだ」

男は手の甲で鼻を押さえながら答えた。

「様子を窺ってるが……」

―――ガコッ…!

「ー!パイプが外れたぞ…!だが……水は止まっているのか……噴き出さないな…」

「ォ゙ァ゙……ァ゙…」

化け物達はまるで砂漠で行き倒れた者のように、割れたパイプの穴に向かってひしめき合っている。
すると、奥に溜まっていたのだろうか、コップ一杯分ほどの水が、真下に居た一体にかかった。
その途端。

「アアァァァァオアアアォオオォォオアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」

「……!!!!」

耳をつんざく叫び声。
男の肌は、背中の奥から一気に泡だった。

―――ブシュウゥウウゥウ…!!

「なんだ…!水を浴びた途端……身体から煙りが……!」

水を浴びた化け物は、身体中から白い煙を噴出させて身悶えている。
そして、その皮膚の下で生き物が這うようにゴボゴボと収縮を繰り返していた。
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:31:16.52 ID:JMHvwkQd0
まずいな、水で増殖を行うようだ
急いでその建物をでろ、こちら側で上と掛け合い対策をねる
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:33:12.37 ID:9R9q8cx60
クレイジーだ。こいつで共食いでも始めてくれれば
>>1にはハリウッド・スターの素質がありそうだぞ

慎重に後退すべきだろう
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:33:18.26 ID:C9993jNF0
落ち着け!化け物が何か変調をきたしているなら
すぐにそいつに最大限ダメージを与えその場を離れろ!
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:34:46.84 ID:4D+mAW080
そこから逃げ場はあるな?
なければ確保し変化を観察しろ。増殖か活性化だろうな。
見届けたら少し離れた方がいい。部屋かどこかで態勢を整えろ。
落ち着いていけよ。
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:36:27.83 ID:4D+mAW080
いや、ダメージは与えるな。さっき倒したのと同じ生き物だとしたら40発必要だ。気づかれるな。
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:36:38.41 ID:L6hSRp730
迂闊に攻撃を加えるのは危険じゃないかな?
仕留め切れなかったら敵性の存在と見なされるぜ?
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:38:38.79 ID:SqIZgjoo0
「なんだ……何が起こってる……!」

叫び声を上げたまま暴れる化け物の周りで、群がっていた他の化け物がバタバタと吹き飛んでいた。
その中心に居た奴は、水を浴びた右半身が異常に膨張し、全身の皮が剥けた熊のような外見に変貌していた。
まるでそれ自体が意思を持っているように、周りに居る化け物を攻撃している。

「……水か……奴ら……水で成長するのか……!!」

煙が収まったと同時に、膨張した腕の先から、ぬるりという水っぽい音を立てて、鋭いナイフの様な爪が三本現れた。

「あれだ……あれで皆やられたんだ……!」

「ヴオオオヴォオオヴォオオヴォオオオ!!!!!!」

雄たけびを上げると、化け物は膨張した腕を振った。

―――ビシャ…!

たった一振りで、辺りに居た化け物全てがボロ雑巾のようにぐちゃぐちゃに消し飛んだ。
男の背中に、冷たい汗が流れ、気がつけば身体は震えていた。

「……ど……どうする……どうすればいい……!!!」
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:39:04.98 ID:C9993jNF0
>>110-111
えーだって変態した先が特殊部隊を死体の山に変える化け物かもじゃん
変態前に仕留めとこうよ
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:40:58.30 ID:37gyIXLH0
物音を立てずに逃げろ
刺激させない方がいい
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:41:20.49 ID:JMHvwkQd0
急いでその場を脱出しろ
なるべく外を行け、上空でガンナーが40mm砲の発射準備をしている
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:41:27.86 ID:dHy7g5Oq0
>>113
そのとおりだったみてーですな
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:41:39.37 ID:nGHiTXxB0
恐らく逃げるしかないな
まさかとは思うが乾燥には弱いのか?
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:41:47.43 ID:9R9q8cx60
>>113
どうも手遅れのようだ。そうすべきだったな……

対応策を考えねばならないようだ
退避はしたほうがいいだろう。迅速かつ静かに

…ところで、食堂か調理室みたいなものはないか?
そこに移動すれば次の手を提案できるが
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:43:38.04 ID:C9993jNF0
>>117
そうだねー
熊タイプの生体も死体見てないって事は
変態には制限時間ありかもね
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:44:06.27 ID:9R9q8cx60
>>117
恐らく。というより間違いないだろう
ようするに水分を奪えば弱体化できるはずだ
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:44:26.08 ID:z9LMOuhP0
正面からではこちらがミンチだ 一旦引いて先程の化け物の死体のポイントへ向かうのはどうだろうか
何かヒントがあるかもしれない
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:45:18.00 ID:ea9HyQSL0
間に合わなかった以上、その場を離れて奴を乾燥させる手段を探すんだ、弱体化するかもしれない。
それと腰の水に気をつけろ、奴らが嗅ぎつけてこないとも限らん。
123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:45:32.59 ID:L6hSRp730
ああ、>>113の言うとおりだったみたいだな
乾燥に弱いとするなら塩辺りが効果的なのかね
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:46:29.92 ID:C9993jNF0
とりあえず>>1の識別コードどうにかしようか
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:46:38.51 ID:4D+mAW080
まぁともあれまずは移動だ。周りを確認しつつ静かに逃げろ。
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:47:21.19 ID:9R9q8cx60
>>123
あとは、火だな。手っ取り早いのは
燃料が手に入れば一番早いが…
まあ、腰の水については気にする必要はないだろう

なんでかって?

奴らからしてみれば、人間の方が美味そうな血の塊に見えるだろうさ
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:47:47.46 ID:dHy7g5Oq0
>>122
水に臭いってあるのか?
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:48:37.35 ID:C9993jNF0
>>126いや
足元が滑るほどの血液が放置されてた以上それは無いと思う
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:48:40.85 ID:JMHvwkQd0
まて!
乾燥に弱いかどうかは憶測にすぎん!!
仮に乾燥状態でも奴が通常と同じ活動状態ならばどうする!
今はこの場を逃げさせるべきが先決だ
無闇に交戦は認めん!
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:49:20.97 ID:SqIZgjoo0
「あぁ……ここは……引いたようがよさそうだ……!」

男はオペレーターの声を聞くとほぼ同時に、爪の化け物に注意を向けたまま後ずさった。

「グルウルウルウルルルルルルゥゥゥ……」

不気味な唸り声を上げる化け物は、さきほど自分で殺したばかりの仲間の死体をぴちゃぴちゃと舐めていた。
穴しか開いていなかった顔に、小さな目と舌が出来ている。

「……インスタントモンスターって所か……食堂だな?恐らく一階だ」

男は音を立てないように後ずさると、マップを確認して言った。
落ち着いた顔をしているが、額からは汗が止まっていなかった。

「……全く……こんな事なら何も見ずに倒れておけばよかったぜ……」

男は猫のように背を丸め、音を立てないように階段へと急いだ。

「奴はこの銃じゃ歯が立ちそうにない。何か武器が欲しい所だが……くそ、何処にも無い」

男は横たわる死体の山を目で探りながら歩みを進める。
そして階段に到着した頃、遠くで化け物の叫びを聞いた。

「どうやら食事は終わったらしいな……今から一階に下りる」

131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:51:15.80 ID:9R9q8cx60
>>128
そいつは悪かった。こっちでも交信のログを確認させてもらった
>>1にはできれば食堂へ向かって、燃料、火、または粉末の類がないか
捜してみて欲しいが…ほかのみんなはどうだ?



ああ、あと。ところで、>>1のコードネームだが

“ファースト”でいいんじゃないか? シンプルだろう
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:51:52.67 ID:C9993jNF0
ホテルの一階は身を隠すところが少ない
注意しながら進め

食堂や厨房は水分が多いから、俺はボイラー室か駐車場を目指すべきだと思う
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:53:05.62 ID:4D+mAW080
食堂にも水は通ってるだろうからな。
気をつけて進めよ。
変態前の奴がいたら殺した方がいい。見つけ次第報告してくれ。
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 01:53:08.88 ID:JMHvwkQd0
コードネームは無しでいい


なるべく水場は避けて脱出するべきだ
135エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 02:00:12.40 ID:SqIZgjoo0
滴る汗がやっと引いた頃、男は一階に降り立った。

「……一階は更に酷いな…死体だらけだ」

逃げようとした人々なのだろう、同じ場所に幾つもの死体が折り重なって血の池を作っていた。
むせ返る死臭が辺りに立ち込めていたが、男はもう慣れたのか、反応は示さなかった。

「……こんな時になんだが、自己紹介がまだだったな。俺の名は”エリン”だ。エリックだったかもしれない、だが、確かそう呼ばれていた」

男は立ち止まって、額にグリップを押さえつけて言った。
記憶の一部が戻ったようだった。

「好きなように呼んでくれ、ともかく俺は指示通り警戒しながら厨房へ向かう」

ライトと銃をクロスさせ構えなおし、男はゆっくりと歩いた。
ジャリジャリという音が、どれほど注意しても広いホールに響く。

「……!……出っ腹がいるぞ……どうする?発砲すれば気付かれる可能性もある……」
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:01:47.20 ID:JMHvwkQd0
強行突破だ全力で走り抜けろ 後ろは振り返るな
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:02:07.25 ID:9R9q8cx60
>>134
まあ、それもそうか。野暮なこといってすまなかった


ホールにいるそいつは放置してもいいんじゃないか?
そいつ1体ならスルーしよう
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:02:12.48 ID:C9993jNF0
ヤツらの知覚手段と範囲を知りたい
ヤツら目は見えているのか?嗅覚はあるのか?音に反応するか?
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:03:07.32 ID:ea9HyQSL0
様子を見るんだ、移動するようなら追跡、また変態するようなら発砲だ。
140エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 02:05:28.89 ID:SqIZgjoo0
「強行突破か……嫌いじゃないが、今はまずそうだ。柱に隠れて見えなかったが、もう一体居る」

壁から顔だけを出して様子を窺う。

「視覚はあまり……いや、無いかもしれないな……まずい、こちらに向かってくる!」
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:05:45.06 ID:4D+mAW080
しかし困ったな
変態前の奴等は群れてるから弾を消費するし、
変態後じゃ倒せない。
今はいいが移動時には弾を少しでも回収しておけ。
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:07:11.93 ID:C9993jNF0
薬きょうか何かで陽動できるか?
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:07:19.32 ID:ea9HyQSL0
空のマガジンを遠くに投げろ、視覚が無いなら音のした方に誘導されるはずだ。
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:07:59.84 ID:JMHvwkQd0
一か八かだが・・・
声真似をして奴らの仲間の振りをしたらどうだろうか?
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:08:24.71 ID:4D+mAW080
構えろ!音はたてるな。視覚があるのか見てみろ。
お前が来た方に向かってるんならどうせ喰われる。放置しとけ。
落ち着け、冷静にな。
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:08:37.26 ID:L6hSRp730
視覚が無い、とすると嗅覚や聴覚が優れている可能性が高いか。
>>143の案が良さそうだな。
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:08:57.66 ID:9R9q8cx60
>>142-143
ナイスアイデアだな
まずはそこから試してみよう

変態前の連中なら、動きもトロそうだから、いざというときは
急いで逃げれば追ってきても振り切れるんじゃないか?
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:09:48.25 ID:4D+mAW080
声まねは無理あるし反応が分からんぞ。
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:13:28.46 ID:JMHvwkQd0
エリン、君を採用するときに
履歴書に書いてあった「コージー富田をモノマネバトルで倒したことがある」
というのは、アレは嘘だったのかね?
150エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 02:16:29.73 ID:SqIZgjoo0
「了解、奴らは子供が歩く程度のスピードだ。マガジンを投げてみる」

エリンはマガジンポケットから空のマガジンを取り出すと、ホールの中央、広いスペースに向かって投げた。

―――カーン…!

甲高い音がホールに響くと、前方を歩いていた化け物はゆっくりと首をそちらに向けた。

「…どうやら聴覚はあるらしい。少しびびったが、奴らの前に一瞬姿を出してみた。5mほどだが、気付かなかったぞ」

二体の化け物は音のした方へよろよろと歩いていくと、マガジンの周りをくるくると回っている。

「どうする?奴ら、こっちには気付いていないが……」
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:18:18.11 ID:C9993jNF0
素通りできるなら出口を確認したい。望み薄だが…
出口が塞がっていた場合に避難できるポイントも割り出しておけ
152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:18:26.71 ID:JMHvwkQd0
水割りをください 涙の数だけーーー!!

あいつなんか あいつなんか あいつなんか


飲み干してやるわ  作戦だ
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:19:31.31 ID:9R9q8cx60
>>151
できるならそうしたいが……

そういえばエリン、窓から外の様子は見たか?
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:24:35.39 ID:dHy7g5Oq0
>>149
私のお茶をかえしてくれたまえ
155エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 02:26:21.65 ID:SqIZgjoo0
「素通りか……気持ちとしては、あんな化け物生かしておきたくはないが、仕方ないな」

化け物に気付かれないよう、細心の注意を払いながらエリンは歩を進めた。

「あれは……バリケードか?玄関は一面頑丈なバリケードがはられてる。窓も全滅だ」

ゆっくりと歩きながら、辺りを一つ一つ確認していく。

「おかしいな……」

入り口近くまで来た時、エリンはある事に気がついた。

「……なぁオペレーター、外から来る化け物を防ぎたいなら、バリケードは中に作るものだろ?」

外の見えない窓の窓枠を軽く押しながら、首を振ってエリンは言った。

「……これじゃまるで……外に出ないようにしてるみたいだ」

そう、全てのバリケードも窓に嵌ったプレートも、”外側から”作られていた。

「……よくは判らないが、要するにここは隔離されたみたいだな。この様子じゃ、一階に出口はなさそうだ」

ため息を吐くと、もう一度同じ場所をぐるぐる回る化け物を注意深く観察して、エリンは歩き出した。
156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:26:49.15 ID:ea9HyQSL0
まず一体に的を絞って排除、可能なら一撃が望ましい。
その後、空のマガジンを投げて音に気をとられたところを同様に排除。
だが、もし敵の嗅覚が優れているなら音に惑わされずこちらに向かってくるかもしれない。
しかし、敵の動きは機敏とは言えない、接近してきたとしても敵が単独ならば問題なく対処できるだろう。
157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:27:44.01 ID:PEyJtK13P
>>156
ドンマイ!
158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:28:36.26 ID:ea9HyQSL0
>>157
ありがとう、長くなりすぎた結果がこれだよ!
159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:29:12.42 ID:HP4PvKpY0
例のマップ地下の印が、突入あるいは撤退ポイントなのだろうか。
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:29:25.88 ID:9R9q8cx60
>>156
そりゃあ……つまり……


い、いや。なんでもない。連中に注意しながら進んでくれ。
できれば当初の予定通り、厨房へ

>>158
タイムラグが発生するのはよくあることさ。気にするな
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:30:32.09 ID:C9993jNF0
なるほど。
正確な順番はわからないが
閉じ込めた化け物を殲滅するための部隊だったわけだ。君は

今すぐではないが
脱出か、殲滅か。決断の必要がありそうだな
162エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 02:31:09.82 ID:SqIZgjoo0
「ノロマ相手なら何匹でも……いや、まぁ3匹ぐらいなら大丈夫だが、爪の野郎がうろついてる。でかい音はまずそうだ」

エリンは答えながら、マップを確認して曲がり角を曲がった。
化け物の腹を引きずる音が聞こえなくなった所で、エリンは食堂と思しき場所に着いた。

「途中、またマガジンを2つ拾ったぞ。もっとも、足りるかはわからんが……それで、これからどうすればいい?」
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:31:40.09 ID:JMHvwkQd0
くくく
どうやらエリンはまだ生き残ってるらしいな
データはちゃんと収集しておけよ
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:33:52.31 ID:9R9q8cx60
武器を探そう
連中に有効そうな武器だ

鈍器。刃物。燃料。マッチ。ライター…ともかく火だな
あと食料品がないか探してみるのもいいんじゃないか

>>163
……? なんだ?
聞き間違いかな……
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:36:51.48 ID:L6hSRp730
>>164
ああ、そういえば乾燥に弱いんじゃないか、という話が出ていたな。
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:38:13.55 ID:C9993jNF0
消火器を探せエリン
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:39:37.12 ID:9R9q8cx60
>>165
ああ。恐らくだけど、燃やせば一発なんじゃないかな
延焼したら厄介だが…
>>166の言ってる消火器なんかもかなりグッドだと思う
168エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 02:40:53.73 ID:SqIZgjoo0
「了解、確かに火は有効そうだ。とんでもなく臭そうだが」

厨房に足を踏み入れると、エリンやオペレーターの予想通り”出っ腹”が一匹、水道の周りをうろついていた。

「……奴は一匹か……仕留める…!」

辺りを確認した後、エリンは腰に備え付けられたナイフを逆手に構え、低い姿勢で走った。

「ふっ…!」

―――スッ…!

流れるような動きで、刃渡りの長いナイフは化け物の首をすり抜けた。

―――ドサッ……

氷の上を滑るように、首から上がするすると滑り、床へと落下した。
警戒しながら転がった化け物に近づくと、エリンは長い息を吐いてナイフを収めた。

「……ふー……。頭は弱点らしいな。首を落としたら動かなくなった。こいつがあれば、ナイフは必要なさそうだな」
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:41:00.56 ID:PEyJtK13P
ドライヤー探そうぜ
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:44:14.62 ID:dHy7g5Oq0
>>159
そうだとしたらパンフレットには書かないんじゃないか?
171エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 02:46:00.69 ID:SqIZgjoo0
ドロドロとゼリー状の液体が切断面から流れて酷い臭いを放った。
エリンは顔をしかめながら厨房の探索を続けた。

「消火器は見つからなかったが、消化剤の入ったスプレーを2缶見つけた。後はコンビーフの缶詰だな」

器用にナイフの先で缶詰の蓋を開けると、引き出しから取り出したフォークで口に放り込んだ。

「ん……悪くないな。さてオペレーター、これからどうする?地下へ向かうか?印は隊員がつけたようだが……」
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:48:06.09 ID:C9993jNF0
一回に隊員の遺体が無く、かつ蛇口が塞いであるなら
印は恐らく突入口。行っても意味はないと思うぞ
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:48:13.23 ID:ea9HyQSL0
地下に向かってみてくれ、くれぐれも慎重にな。
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:49:54.97 ID:XRy/2YNB0
化け物はホテルで生まれるから封鎖したんじゃない?
水道は確実に人間が止めたな。向こうが止める理由がないから
とりあえず地下のポイントに行くのがよさそう
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:50:10.27 ID:9R9q8cx60
>>172
それを確認しておくのも悪くはない…と思いたいな
176エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 02:50:17.76 ID:SqIZgjoo0
「……突入口なら、出て行く事も出来るんじゃないのか?どうする、決めてくれ、オペレーター」

>>178
177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:51:00.88 ID:C9993jNF0
じゃあ行ってみようか
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:51:45.10 ID:r9hw8xde0
行こう
179エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 02:55:35.18 ID:SqIZgjoo0
「…了解。なんだか頼りっぱなしだな。感謝している」

エリンは最後のコンビーフを平らげると、水を二口飲んで立ち上がった。
非常灯がゆらゆらと揺れて、不規則な影を作っている。

「……そうだ、オペレーター。ここがもし銃のある国なら、ホテルの警備室に行けば武器があるんじゃないだろうか」

ふと思いついたエリンは、マップを開けて言った。
何匹かの蝿がライトの光に纏わりついている。

「もっとも、撃ちつくしてないかもしれないが……現状の武器じゃ不安といえば不安だ」
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:55:56.07 ID:XRy/2YNB0
”出っ腹”はなんなんだろなー形状が人間に似ているってのも気になるなー
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:58:11.84 ID:NhEXqwdf0
>>180
国が極秘裏に研究していた細菌兵器に感染した……な訳ねぇか
ぶっ飛びすぎだな
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 02:58:28.55 ID:C9993jNF0
銃は恐らく無いな
君や仲間の装備から察するに
武力化した政府ではなさそうだ

とはいえ警備室と配電盤は気になる設備だ。後で行ってみよう
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:00:05.38 ID:9R9q8cx60
>>179
悪くないアイデアだ
寄り道くらいの距離なら立ち寄ってもいいんじゃないか
印のポイントのほうが早そうならそっちかた行くべきだとは思う

>>181
ハッハ。まるで“バイオ・ハザード”だなw
…………。
184エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 03:05:34.78 ID:SqIZgjoo0
「…確かに、特殊部隊にしては装備が軽すぎる気もするな…わかった、先に近い方の地下へ向かう事にする」

警備室へ行くには一度階段を登り、渡り廊下を挟んだ隣の棟へ行かなければならなかった。
エリンはオペレーターの指示に従い、警戒しつつ厨房を後にし、先に地下駐車場へ向かった。

「……俺は一体、誰で何が目的でここに来たんだろうな。何も思い出せない……」

もはや背景にしか見えなくなった死体を跨ぎながら、エリンは呟いた。

「……何故、俺だけが生き残って……」

―――パパパパパ…!パン!パパパパ…!!!!

「銃声…!?」

そこまで言うと、彼の言葉は唐突に聞こえた音に遮られた。
連続で聞こえた銃声は、彼の持つハンドガンのそれではなく、明らかに連発式のものだった。

「オペレーター!生存者かもしれない!地下は後回しで、先に音のしたほうに向かう!」
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:07:24.35 ID:XRy/2YNB0
敵に見間違われないようにな
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:08:16.18 ID:C9993jNF0
気を付けろ!恐らく爪のヤツだ!
消化スプレーは銃で暴発させろ!
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:08:35.21 ID:NhEXqwdf0
現場に着いても戦闘には介入するな
様子を見て危なそうならすぐ逃げろ
命を大事に、だ
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:11:17.36 ID:9R9q8cx60
>>187
ク、クールだな。その通りだけど、
生存者ならなにか情報を掴めるかもしれないぞ
今聞いた銃声は明らかに自動小銃のそれだし、
合流できれば心強い
189エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 03:13:33.18 ID:SqIZgjoo0
「了解!気をつける!何処だ……!……こっちか!」

―――ダダダダダ…!ダダン!ダダ……!

空気を震わせる銃声は段々と大きな音になり、エリンの耳に届いた。
逸る気持ちを必死に抑えながら、辺りを警戒しつつ銃声の元へ急ぐ。

「ォォォア……アァ……!」

「ー!音に集まってきたか……!」

何処に隠れていたのか、一匹、二匹と腹を引きずる化け物が沸いて皆同じ方向へと向かっていく。

「……この先か…!」

皮肉な事だが、化け物の後ろをついていく事でエリンは音の方向を探った。
すると。

「ははははは!!来ぉい!!もっと来ぉい!!ははははははは!!!!!」

―――ダダダダダ!!!ダダ……!!!!

耳をつんざく発射音と、場違いな笑い声。
エリンの後ろ周りで、壁と化け物の身体が音を立てて弾けとんだ。

「オペレーター!生存者だ!……気が触れているのかもしれない…!どうする!」
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:15:18.29 ID:NhEXqwdf0
>>188
しかし他の者が言っていたが爪のヤツだった場合はな……
情報も大事だが自分が死んでは意味がない
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:15:46.93 ID:C9993jNF0
銃を撃てば向こうもこちらに気付くだろう
「腹」をヘッドショットで確実にしとめろ。無駄弾は撃つなよ
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:15:59.72 ID:L6hSRp730
これは…とりあえず身を隠して様子を見たほうが良さそうか?
下手に接触しようとすると撃ち殺されそうだ。
193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:18:55.70 ID:ea9HyQSL0
装備が違うということは所属も違う可能性が高い。
つまり必ずしも味方とは限らない、戦闘が終わるか、
生存者の身に危険が迫りでもしない限り接触するな。
できるだけ発砲もさけるべきだ、自分の身を危険にさらすことになるし、
誤射や兆弾の可能性もある。
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:19:02.39 ID:9R9q8cx60
>>190
まあ、それは一理あるし、
大分現実味を帯びてきているような気がするな

エリン。その生存者を救出できそうな状況か?
あんな風に撃ってちゃすぐに弾切れを起こしてしまう
音で誘引できるなら、弾切れの隙を見計らって連中を誘導すれば、
なんとかできるかもしれない
その生存者の救出を優先するべきだと俺は思う
195エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 03:23:23.85 ID:SqIZgjoo0
「様子を見ろと言っても……!」

―――ダダ…!!ダダダダダ……!!

「ォオォア……アァァァ……ゴォ……」

「はーははははは!ひはははは!おらどうしたぁああ!”実験”は終わってねぇぞ!!はははあははあ!」

異様な光景だった。
柱の影に身を隠すエリンの前で、銃弾が光って飛び、化け物達が肉塊に変わっていく。
しかし、音につられて化け物はその数を増すばかりだった。
仲間の死体をぐちゃぐちゃと踏み荒らしながら、腹を引き摺り銃撃を続ける男に近づいていく。

「…服装から見ると…同業者のようだ…仕方ない、おい!聞こえるか!援護する!」

エリンは柱の影から身を丸めて転がり出ると、男の射線上に入らないように化け物の頭を的確に撃ち抜いていく。

「ははははははは!!いいぞいいぞ!!もっとこおおおおおい!!!」

しかしエリンの声は銃声のせいか男の精神状態のせいか、全く耳に届いていないようだった。

「ちっ……聞こえてないのか…!とにかく制圧する!」

血と、硝煙と、笑い声。
時間にすれば数分の事だっただろうが、彼等にすれば地獄のような光景が永遠と思えるほど続いた。
そして、死体の山を前に、男の銃の弾が切れた所で、それは終わった。

―――カキン!カキン……!

「ははははは!ははは!はは……あ……あぁ?」
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:23:43.60 ID:dHy7g5Oq0
>>193
確かに所属が違う可能性が大きそうだな

戦闘に介入するのは得策じゃないな
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:25:34.43 ID:NhEXqwdf0
既に音は発生した
エリンにも聞こえたならば人外生物にも聞こえたはず
酷な話だが見捨てて逃げろ
下手したら爪のヤツも来るぞ
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:27:26.50 ID:9R9q8cx60
ここまで状況が悪化しちまうなんて
爪の奴が来る前にどうにかできないのか…?
今なら、さっき使った手で連中の注意を引いたり
199エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 03:29:00.45 ID:SqIZgjoo0
「あぁ…?もう終わりかぁ…?へははは……なら一服させてもらうぜ……くっ……くくく…!」

化け物の猛攻、いや、男の猛攻に化け物達は全て死に絶えた。
その数は数十にも及び、辺りの凄まじいほどの硝煙と血の香りで、エリンの嗅覚はもう感じるのを止めていた。
柱の影から男を見ると、巨大に積まれたバリケードの奥で美味そうにタバコを燻らせていた。
固定された銃の下には、金色の山が出来ていて、男の横には何丁もの銃がコレクションの様に並べられていた。

「……オペレーター…男はこちらにはまだ気付いていないようだ。戦闘でマガジンは今入っている一つだけ……どうする…」
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:30:42.80 ID:ea9HyQSL0
奴ら、かなり数が多いようだが……母体がいるんじゃないか?
ともかくそのトリガーハッピーに死なれたら困る、移動するべきだ。
一服は地下とかでやってもらってくれ。
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:32:44.52 ID:dHy7g5Oq0
一服ってことは
マッチかライターが・・・

焚き火かキャンプファイヤーはどうだ?
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:33:06.11 ID:NhEXqwdf0
>>199
気が触れている相手なのだろう?
話は早い、殺して奪い取ればいい
爪のヤツがここにこない可能性はないとは言いきれんし来るまでに説得出来るかわからない
そもそもそいつにすら撃たれる可能性もある
エリン、死にたくなければそいつを殺して銃を奪い取れ
さもなくばそこから立ち去れ
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:33:11.78 ID:L6hSRp730
情報を得られる又と無い機会だが、
言動を見る限りでは気が狂れていても不思議では無い…
逃げる準備はしておいた方が良いかもしれないな。
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:33:47.02 ID:9R9q8cx60
ていうか全滅させちゃったのか?
凄いな
接触……するしかないと思うけど、
気は抜かないでくれよ

しかし……実験なのに撃ち殺すのか?
なんのために? 
205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:36:12.35 ID:C9993jNF0
情報が欲しい
相手の装備は実弾武器だけか?
206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:37:12.83 ID:ea9HyQSL0
いくつも銃を所持していることから
「実験」とは銃の性能テストとかではなかろうか
どうしてここでやってるかは不明だが
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:40:04.31 ID:9R9q8cx60
>>206
とするとやっぱりクレイジーな……

……あ? いや
この状況そのものが?
208エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 03:40:16.25 ID:SqIZgjoo0
「確かに危なそうな奴だが……仲間かもしれない。もしそうなら、俺を覚えているはずだ……俺を……」

エリンはオペレーターの制止を頭では理解しつつも、身体は少しずつ男の方へと向かっていた。
まるで自分の記憶を求めてさ迷う、亡霊のように。

「ふー……これでまた奴らが……ー!誰だ!」

―――ガチャリ…!

未だに緩く白い煙をあげる銃身がエリンを刺す様に突きつけられた。
だがエリンは、その銃がもう弾切れである事を判っていた。

「撃つな!!俺は……化け物じゃない!」

銃のマガジンを引き抜いて、本体と別々に持ったエリンは、両手を挙げて叫んだ。
エリンの姿を見るなり、男のスキンヘッドに浮かぶ真っ赤で破裂しそうな血管がすうっと引いた。
男の顔は見る見る白くなり、口にくわえていたタバコが地面に落ちた。

「あ………あんた……!!い、生きてたのか……!!!!」

予想外にも、男は驚愕の声をあげ、その顔に引きつった笑いを浮かべていた。

「俺を知っているのか!?そっちに行くから、銃を下ろしてくれ!」
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:42:16.18 ID:PEyJtK13P
面白くなってきたな
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:44:04.75 ID:NhEXqwdf0
エリンの正体……
しかし狂った相手が見ただけで正気?に戻るとは何者なのだ?
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:45:10.43 ID:DlKNMWrP0
実はエリン、お前は……………ザァザァザァザァ…………プツッ
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:45:25.31 ID:ea9HyQSL0
なんとなくエリンには生きていてほしくなかったような反応に見えるな。
まるでうまく逃げたと思ってたら、警察に見つかった逃亡犯みたいな……疑いすぎか?
しかし、ミスタートリガーハッピーは精神的にどうこうではなく、その素性が怪しい気がする。
くれぐれも気を抜かないでくれよ……。
213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:45:34.43 ID:9R9q8cx60
どうも思ってたのと反応が違うのが気がかりだなあ
でも、元々知り合いだったってのはありえたのか
話できるようならいいけど
214エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 03:47:46.74 ID:SqIZgjoo0
「……何があるか判らない、一旦そちらの音声を切るぞ。こっちからの声は届く」

小声で呟くと、エリンは耳に手をあて、インカムの音量をオフにした。

「こっちです!早く!早く来て下さい!」

さきほどまでの乱心ぶりとは打って変わって、男はきびきびとした動きでバリケードを開けた。
招かれるままにバリケードをくぐると、中はオレンジ色の照明で満ちた、さながら武器庫のようになっていた。
あちこちにワインの瓶が転がっている。
どうやらワイン貯蔵庫の一部の壁だけを爆破して、塹壕にしているようだった。

「……すまない、恩に切る……。その……君の名は…?」

エリンは暫くスキンヘッドに顎に不精髭を生やした男の顔を凝視したが、記憶の琴線には触れなかった。

「へ……?俺の名はって……”グリンチ”ですよ!グールです!」

目を丸くして叫ぶ男だったが、エリンの顔色は苦い。

「………すまない……実は……記憶が無いんだ……」

「記憶……………」

そう言った後、”グリンチ”と名乗った男は声を詰まらせ俯いた。
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:50:21.34 ID:DlKNMWrP0
実はグリンチもあまり鮮明な記憶がないんじゃね?
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:50:26.11 ID:9R9q8cx60
あれっ、切っちゃうのか?
まあ、エリンなら大丈夫か
217エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 03:53:20.39 ID:SqIZgjoo0
「そうか……そりゃ大変だったな、エリン!」

顔を上げた男は、満面の笑みでエリンの両肩に手を載せた。
部隊の人間とは思えない細い手だった。

「お……俺を知っているのか?」

男の表情の明らかな変化よりも、エリンは自分の名を呼ばれた事に興奮を隠しきれない様子だった。
上ずった声でグールに詰め寄る。

「あぁ、あぁ。知ってるも何も、あんた俺は同じ部隊だ!もっともあんたは……そう……俺の……俺の部下だったがな!」

「俺が……お前の……?」

眉をひそめ、必死になってエリンは記憶の引き出しを探った。
だが、何も思い出せない。
彼がそう言うのなら、そうなのだろうかとエリンは何度も部下という言葉を繰り返して呟いていた。

「そうだ!部下だ!まぁ、こんな状況じゃ上司も部下も関係ないから、俺の事はグール…グールさんと呼んでくれ!はははは!」

耳障りな声で笑うグールの口から、泡になった唾液が地面に落ちた。
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:53:21.92 ID:NhEXqwdf0
とりあえず武器は確保出来たな
ついでに情報も得られる
あー恥ずかしいよ俺
219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:56:09.29 ID:9R9q8cx60
>>218
いや、あらゆる可能性が出てくるにこしたことはないんじゃないかな
正直、取り返しのつかないことになってたことも十分考えられるから


にしても、このグールさんだっけ
ちょっと怪しすぎるんじゃないか?
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:56:14.98 ID:L6hSRp730
そこはかとなく小物臭のする奴だな
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 03:59:18.74 ID:NhEXqwdf0
>>219
しかしこちらで疑ってもインカムは切られているから指示の出しようがない……

とにかく復活したら事細かに聞くしかないな
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:01:07.78 ID:PEyJtK13P
グールさんすぐ死にそうだから守ってやれ
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:01:34.44 ID:C9993jNF0
じゃあ今のうちにグールの嘘を暴く方法を考えようか
224エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 04:02:05.27 ID:SqIZgjoo0
「本当に何も覚えてないのか?」

「あ、あぁ………覚えているのは、銃の使い方や、自分の名前くらいだ……」

「ふーん……そうかぁ……そうかそうか……それで、これからどうするつもりだったんだぁ?」」

グールはエリンの周りを嗅ぎ回るように何度も回りながら聞いた。
彼が言葉を発するたびに、硝煙に混じって酒の匂いが立ちこめてエリンは顔をしかめた。

「それよりも!デカイ爪の化け物が……!」

「あぁ、それなら大丈夫さぁ……」

エリンの心配は、グールのイヤらしいにやつきで否定された。
自慢気に話す彼の説明によれば、爪の化け物は成長して一時間ほどはその場から動かないらしい。
それがどういう理由によるのかの説明までは無かったが、とりあえずはそれでエリンは納得した。

「これに見覚えはあるか?途中で拾ったんだが……」

エリンは説明を聞き終わると、空き瓶でいっぱいの机の上にパンフレットを広げ、地下のマーキングを指差した。

「……こりゃあ……ひひ……そうだ、俺達の突入地点と回収地点だ」

「なに……!本当か!?」

エリンはグールの言葉に飛びついた。
225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:03:18.25 ID:G+Il0upx0
オペレーターズサイドは友人から借りたけど恥ずかしくて結局ちょっとやめて返しちゃった
226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:04:47.65 ID:NhEXqwdf0
グール……様子がおかしいとかそんなレベルじゃあないぞ
227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:05:27.17 ID:DlKNMWrP0
>>225
あのゲームってとうやるの?
228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:06:32.10 ID:9R9q8cx60
>>227
主人公の女の子に、プレイヤーが音声で指示して
行動させるってゲームだった。なかなかの意欲作だったね

にしてもなあ……怪しいは怪しいけど、全部が嘘ではなさそうだね
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:06:54.23 ID:C9993jNF0
そういえばグールは通信機持ってないのか?
230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:07:26.15 ID:l99GzFI10
やっと追いついた支援
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:09:25.58 ID:9R9q8cx60
>>229
いや……持っていないことはないかもしれない

軍用無線っていうのは2種類あるんだ
短いのと、長いのと
232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:11:54.96 ID:DlKNMWrP0
>>228
恥ずかしい理由がなんとなく分かる


そして回収ポイントにとっとと向かうべき
そのときのグールの反応で色々分かりそう
233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:12:09.69 ID:C9993jNF0
>>231なるほど
グールが外と連絡を取ってる可能性はある?
234エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 04:13:23.64 ID:SqIZgjoo0
「俺達の目的とは、一体何なんだ?それに一体こいつらは……!ここで何が…!」

「アーアー……質問は一つずつだぁ」

エリンの方を見ずに、グールは酒瓶に口をつけ、喉を鳴らしてがぶがぶと飲んだ。
口を離すとびちゃびちゃと服に酒がこぼれ落ち、真ん中を空けた黒いベストの中、白いシャツに真っ赤な染みを作った。

「俺達はそうだなぁ……ヒーローだ!正義のヒーロー。そしてあいつらは悪者で、俺達がやっつける!」

「……ヒーロー……」

グールの言葉に、エリンは俯いて何かを考えた。
頭に引っかかる何かを。
しかし答えは出ず、もう一度グールの方に向き直った。

「話はもうやめようぜ、可愛い部下ちゃん。とにかく”生き残らなきゃ”話にならねえ……そこで、だ」

グールは酒瓶を乱暴に机に置くと、エリンの肩を引き寄せた。

「このホテルの屋上にはヘリポートがある……そこにヘリを呼んで、二人で助かろうぜ…」

「本当か!?よし、ならすぐに……!」

「まぁ待て、待て。そのためにはまず通信機が必要なんだ。お前や俺のもってるソレじゃねえ、軍用回線直結のやつがな」

どさりと椅子に腰掛けると、グールは説明を続けた。
なんでも地下の突入口に止めてある車両の中に、その通信機があるらしく、それを取りに行かなければ通信は不可能らしかった。
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:14:20.47 ID:NhEXqwdf0
恐らく隊長……と言うか立場が上なのはエリンだろうな
記憶喪失と分かる前は敬語だったし

それから爪のヤツに関する情報、これは真実かもしれん
銃声はそれなりに響いたはずなのにこちらに来なかったし……

パンフの事はまだ情報が少ないから決められん
236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:16:15.98 ID:DlKNMWrP0
やっぱり回収のタイミングはとっくに過ぎてるのか
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:16:59.91 ID:9R9q8cx60
>>233
わからない。けど、ないんじゃないかな。と思う
恐らくエリンの方がグールより位階が上だから、
俺達と通信できるような、中・長距離用無線を所持していたんじゃないのか、
と推測しているんだけど…


にしても
彼の無秩序な行動と、今の怪しい言動
ポイントのことを知りつつここに居座っている理由
今はヘリポートに行こうともいった
地下には危険なナニかがあるんじゃないか?
重火器で武装しているグール1人でもどうにもならないレベルの危険が
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:23:07.89 ID:C9993jNF0
>>237把握

今欲しい情報は
・ホテルの全容(特に階数)
・エレベータの稼動
・爪への乾燥の効力
・爪以上の形態変化の有無
・スプリンクラー機能の生死(超重要)
こんなもんか。そろそろ眠い
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:24:16.71 ID:NhEXqwdf0
>>237
居そうだな
いや、居るな
でなければ奇襲されたとしてもあの化け物に全滅はしない

と言うか爪のヤツって今は最低二体いるよな……
240エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 04:24:27.97 ID:SqIZgjoo0
「判った…なら二人で……」

「あぁー待て、待て。行くのはお前一人だ」

「な……!」

エリンはグールの予想外の答えに、思わず目を見開いた。
その様子を見て彼はまた酒を口にし、にやついた笑いを浮かべている。

「いいか、ここは唯一の安全地帯なんだぜ、俺が居る限りなぁ。ここを開けて敵に渡しちまったら、もう二度と安心して酒がのめねえ」

「な、何を言って……!」

「なぁに武器はたんまりある。それもピカピカの新品同然のやつがなぁ。ほら、もってけ」

―――ガシャ…!

重そうな音を立てて、黒光りする突撃銃がマガジンが詰まった袋と一緒に床に転がった。

「それに奴らはトロくせえ…お前ならやれるよ、エリン」

「………了解した。じゃあ……行って来る」

これ以上の論議は無駄だと判断したエリンは、床に転がる銃と弾薬を拾いあげると、撃鉄を引いた。

「周波数はチャンネルCの38.6だ。忘れるなよぉ」

エリンは通信機にグールの周波数をメモリーさせると、血の匂いで満ちたバリケードの外へと足を踏み出した。
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:26:31.52 ID:C9993jNF0
エリン聞こえてるか?
聞こえてたら最寄のトイレもしくは鏡のある場所へ行ってくれないか?
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:28:00.96 ID:9R9q8cx60
Cの38.6…か

すまない。ちょっと離れがたい状況だけど、数分だけ席を外すよ
みんながいるから大丈夫だろう

うちの猫がうんちした(実話)
243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:28:57.49 ID:l99GzFI10
グールの言った通り周りを警戒しつつ先へ進め、気を抜くなよ?
244エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 04:31:01.08 ID:SqIZgjoo0
「あーあー……オペレーター、聞こえるか?こちらエリンだ、話は聞いていたな?……そういう事になっちまった」

にやつく笑いを浮かべたまま、バリケードの隙間からこちらを覗くグールに背を向けて、エリンはインカムの音量を戻した。

「……奴の言っている事が本当かどうかは、正直怪しいとは思う。だが今はそれを信じるしか道は無い」

銃の先にライトをマウントすると、何度か動作を確かめてから、エリンは銃を構え歩き出した。
腰を低くし、突撃銃を構えた姿は”慣れ”を感じさせた。

「……ここから地下までは少しあるが……いい物を手に入れた」

エリンはポケットから筒状の物を取り出すと、ホルスターから拳銃を引き抜いた。

「……これでインスタントアサシンの完成だ。よし……久しぶりの指示をくれ、オペレーター」
245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:31:21.25 ID:PEyJtK13P
エリンちゃん夜遅くまで大変ね。お母さんもう寝るから一人でもがんばるのよ
246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:31:57.74 ID:lHHrLmWZ0
寝なきゃ支援
247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:33:43.15 ID:C9993jNF0
エリン、いくつか質問がある
・お前の体にバーコードはあるか?
・現在は非常電源のようだがエレベータは動くのか?
・そのホテルは何階建てだ?
248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:34:39.87 ID:l99GzFI10
地下の突入口へ急げ、くれぐれも気を抜くなよ
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:34:48.47 ID:DlKNMWrP0
FEARS思い出すな
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:37:21.80 ID:NhEXqwdf0
先ずは警戒
爪のヤツは最低でも二体いると考えて行動しろ
(エリンの目の前で変態した奴と他の隊員を殺した奴)
251エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 04:38:45.90 ID:SqIZgjoo0
インカムから聞こえてくる聞きなれた声に、エリンは少し頬を緩ませた。

「…あんたらの声が聞けて安心するとはな。俺はいつから乙女になったんだ。俺の身体に……?待て、確認する」

エリンは銃を肩に提げると、腕や足、見える所は一通り服を捲って確認した。
それが何の意味があるのかは、言わずともエリンは判っているようだった。

「……答えはNOだ、相棒。正直ホッとしたよ……それからこのホテルだが、デカイぞ、20階建てだ」

グールの所から拝借したペンライトでマップを確認しながらエリンは天井を見上げた。
そこから上が見えるわけではないが。

「エレベーターは……丁度目の前にある」

エリンはスイッチまで歩みよると、黒くライトを反射するボタンを何度か押してみた。

「…こっちもNOだ。だが壊れてはいないようだな。安全装置か何かで止まっているのかもしれない」
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:45:47.59 ID:9R9q8cx60
失礼。今戻った
君とまた話ができて嬉しいよ。エリン

にしても、20階か……

ひとまずは、例の示された場所の様子を伺いにいくべきだろうね、やっぱり
なにが潜んでるかわからないから、気をつけて
253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:46:24.91 ID:DlKNMWrP0
とりあえず最寄りの階段から地下に降りろ

そんで駐車場入る前にちょっと休憩するべき
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:47:01.60 ID:C9993jNF0
ありがとう。目的地に向かいつつ警戒しながら聞いてくれ

化け物にバーコードが付いていたそうだが
バーコードと特殊部隊は無関係のようなので
つまりそれはウイルス感染などで広まったものではなく
1体1体手作りされたという事になる
255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:47:22.51 ID:NhEXqwdf0
え……一瞬ときめいちまった

なんて冗談はさて置き、地下へ行くぞ
こんなとこに長くいる意味などない

しかしヘリポートへ行くとなると……二十階だと歩いて登のはキツいな
まぁいいか
地下には何か化け物がいるかもしれない
一瞬足りとも気を抜くな
256エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 04:53:05.67 ID:SqIZgjoo0
「会えば抱きついてキスしたくなるぜ、きっとな」

人格はどうあれ、生きた人間に出会えたせいか、エリンは少しだけ気分が良さそうだった。
どんな状況にあっても、前向きな姿勢を崩さない彼は、記憶の有無に関わらず、”強い”人間に違いなかった。

「了解。幸い、この辺りの腹野郎はあらかた始末したみたいだ……ひとまず警戒しつつ、階段へ向かう」

エリンは息を吐き、銃を額につけると、穏やかだった眼光に鋭い光を戻した。
時折思い出したように一瞬だけ光る蛍光灯の明かりと、白い光線になって伸びるライト。
そして静かな廊下にブーツの重い足音が響いていた。

「……なぁオペレーター。あのグールという男、信用出来ると思うか?」

銃の先で一つ一つ瓦礫の隅まで確認しながら、エリンは言った。

「年甲斐もなく少し浮かれちまったが……ありゃ”ヤバい”奴の眼だった……」

にやついた顔を思い出したのか、エリンは首を何度か振って、前に向き直った。
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:54:55.81 ID:l99GzFI10
今は警戒人物として頭に置いとくのが良いだろう。
258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:56:44.73 ID:DlKNMWrP0
鎌をかけてみたらいい

塹壕?に戻ったら記憶が戻ったふりをしてみたらよさそう
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 04:58:21.63 ID:9R9q8cx60
まあ、まともじゃないというか…腹に一物あるような感じだね
エリンの知らないことをもっと知っていると思う

ところで“年甲斐もなく”ってことはエリンは……
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 05:02:23.78 ID:DlKNMWrP0
オールドスネーク
261エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 05:03:07.98 ID:SqIZgjoo0
「そうだな……どうやら意見は一致しているようだ、相棒」

ゆっくりと歩みを進めていると、インカムに一瞬のノイズの後、グールからの通信が入った。

『あーあー…エリン聞こえるかぁ』

「あぁ…聞こえる。どうした?」

『一つ忠告しておいてやろうと思ってなぁ。化け物は腹の出た奴と爪の奴の他にもいるぜぇ』

うっかり忘れていたという調子で言っているが、エリンは彼が故意に伝えて居なかった事を悟った。
この状況で愚痴を言っても仕方が無いと、ため息をつくだけで反論はしなかった。

「…了解。ちなみに、どういう特徴があるんだ?」

『爪は少し厄介だが……こいつらはもっと厄介だ……何せ奴らは”歩かない”』

「歩かない?それはどういう……ちっ…」

そこまで言うと、グールは一方的に通信を切った。
耳障りなノイズだけが響いて、エリンは顔をしかめた。

「……歩かない…?聞いたかオペレーター。どうやら更に警戒が必要なようだ」
262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 05:04:23.59 ID:DlKNMWrP0
スライムかな?
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 05:06:02.06 ID:C9993jNF0
走る、飛ぶ、這う
歩く以外の移動方法なんていくらでもある
問題は水分を奪い銃で撃つ先方が通用するかどうかだ
惑わされる事は無い。警戒を怠らず進め
264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 05:09:03.85 ID:l99GzFI10
目的の場所に歩かない奴らがいるのかもしれない。それは厄介だな
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 05:09:09.01 ID:cNUx+/580
ちょっと待て俺もしばらく歩いていないから足がむくれてケツも痛いんだ
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 05:09:20.89 ID:9R9q8cx60
また、なんか嫌な感じだね
考えても、“歩かない”だけじゃなんともいえないけど…
>>263の言うように、注意しながら進むしかないだろう



……飛ぶか、あるいは本当に動かないのかもしれない?
いやどうだろうな……
267エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 05:10:38.05 ID:SqIZgjoo0
「さあな、どういう奴かは……会えば判るさ」

エリンは苦い笑いを浮かべて、銃を握る手に力を籠めた。
歩く事数分、警戒の甲斐あってか、何にも会わずに地下への階段へと到着した。

「……さぁ、地獄への階段に到着だ」

エリンが嫌味のように言ったのには、訳があった。
地下への階段は、光源が全く無く、まるでぽっかりと穴でも空いているかのように漆黒の闇で満ちていたからだ。
飲み込まれそうな闇に、エリンは一度生唾を飲み込んだ。

「……あいつが来たがらない訳が判った気がするよ」

光円で闇を丸くくり抜いて、エリンは一歩ずつ歩みを進めた。
こつり、こつり、こつりとやけに足音が反響する。
寒いのか暑いのかも、エリンには判らなかった。
ただ滴る汗が眼に入らぬよう、時折袖で汗を拭った。
268中の人 ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 05:15:35.85 ID:SqIZgjoo0
立てる時間を間違えたと思ったんですが、人が大分いて良かったです。
しかし今日はもう限界かもしれない……
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 05:16:20.18 ID:C9993jNF0
エリン、すまない。
お腹が空いたのでしばらく席を外す
270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 05:17:28.69 ID:9R9q8cx60
実は時間のことは気になっていたところさ
深夜を通りこしつつあるからな…
なにより体調は重要だよ
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 05:17:29.90 ID:l99GzFI10
久しぶりに完成度が高いから最初から見てたけど中々面白い
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 05:17:34.45 ID:L6hSRp730
無理せず休めば良いと思うよ
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 05:18:39.07 ID:C9993jNF0
おおなんだ中断するのか
じゃあ遠慮なく食って寝るとしよう
274中の人 ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 05:20:29.21 ID:SqIZgjoo0
突然降って沸いた話だから、きっとパラレルワールドのエリン本人からのテレパシーだ
もし落ちてたら、また立てますね。エリンが死なないように祈って寝ます
275以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 05:21:24.89 ID:ly6GoTwf0
歩かない=足音がしないでおk?
276中の人 ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 05:22:51.23 ID:SqIZgjoo0
それは実際に出会うか、エリンに聞いてみない事には……
自分は中継しているだけなので……
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 07:54:13.45 ID:NhEXqwdf0
うわっ寝てたし
中断か……
次このスレ見た時は規制であぼん状態なんだろうな
とりあえず乙
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 08:12:26.33 ID:ea9HyQSL0
ああ、中断したのか
>>1
生き残れよ、エリン
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 09:21:32.30 ID:C9993jNF0
おはよう
280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 10:21:53.50 ID:kl321Q4z0
彼の行動履歴をまとめた
オペレーター各員は情報を確認してもらいたい
>>1 記憶を失い目覚める。
>>6 装備を確認。拳銃とマガジン4つ(2つは空)、コンバットナイフ、ライトを所持。
>>8 周囲を確認。壁に銃跡、異臭。
>>10 天井に穴を発見。鍵がかかったドアを発見。
>>12 現在位置はホテルだと予想。周囲は戦闘があったように乱雑。
>>16 ドアを蹴って破壊。瓦礫で溢れた通路に出る。
>>19 廊下を進む。
>>21 弾痕、空の薬莢、血の跡の中を進む。パンフレットを拾う。
現在位置が3階だと確認。特殊部隊らしき死体の山を発見。
>>25 死体の防弾ベストに3つの亀裂を確認。身元を記す物は確認できず。
パンフレットに地下駐車場のマークを発見。マガジンを4つ拾う。
>>27 3階の階段に到着。
>>30 何者かの視線を感じる。一般市民を含む死体の背中に傷を確認。
>>33 2階に到着。
>>35 トイレに到着。物音を聞く。
>>39-43 ”出っ腹”と戦闘。3回発砲して倒す。
>>46 ”出っ腹”に止めを刺す。腕の内側にバーコードを発見。水道は鉄線により使用不可能。
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 10:23:48.64 ID:kl321Q4z0
>>49 入れそうな部屋に到着。
>>52 首を掻き切られた死体を発見。水が入ったペットボトルを冷蔵庫から拝借。二口飲む。
>>55 血で書かれた文字を発見「水」。浴槽は鉄線により使用不可能。
>>62 階段へ向かう途中で徘徊している”出っ腹”を発見。身を隠す。
>>91”出っ腹”を追跡。所持通信機器はインカムのみと確認。
>>93 スパに到着。
>>96 鉄パイプを発見。
>>100 10体以上の”出っ腹”を発見。
>>105 ”出っ腹”の1体が水を浴びて姿を変え始める。
>>112 ”出っ腹”が熊のような外見に変化。
>>130 スパから離れる。2階の階段に到着。
>>135 ホールに到着。死体の山の中で自分の名前が「エリン」だと思い出す。2体の”出っ腹”を発見。
>>150 空のマガジンを投げると”出っ腹”は音に反応。
>>155 ホールから離れる。外側にバリケードを発見。
>>162 食堂に到着。マガジンを2つ拾う。
>>168 ”出っ腹”を発見。首を切って倒す。
>>171 消化剤の入ったスプレーを2つ拝借。コンビーフを食べる。
>>179 水を二口飲む。
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 10:25:04.20 ID:kl321Q4z0
>>184 連続した発砲を聞く。
>>189 生存者が”出っ腹”と戦闘しているのを発見。
>>195 生存者と共闘。
>>199 数十の”出っ腹”を倒す。マガジンは残り1つまで消費。
>>208 バリケードに到着。グリンチ(グール)と接触。
>>217 グールに彼は上司でエリンは部下だと聞かされる。
>>224 爪の化け物は成長して一時間ほどはその場から動かないらしい。
地下駐車場は特殊部隊の突入地点と回収地点だと聞かされる。
>>234 屋上のヘリポートに助けを呼ぶために下の突入口にある通信機が必要と聞かされる。
>>240 グールから突撃銃とマガジンが入った袋をもらう。
グールとの通信はチャンネルCの38.6。
>>244 バリケードを離れる。
>>251 自分の体にバーコードが無いことを確認。エレベーターは安全装置か何かで使用不可能。
>>261 グールから通信。”歩かない”化け物がいると聞かされる。
>>267 1階の階段に到着。光源のない闇の中を進む。
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 11:06:05.68 ID:i6YGKid/0
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 12:13:43.69 ID:9R9q8cx60
そうだ、保守しよう
285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 12:46:53.70 ID:Fzfe0nes0
あげる
286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 13:19:21.20 ID:DlKNMWrP0
ほしむ
287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 14:14:09.83 ID:9R9q8cx60
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 14:29:43.41 ID:r9hw8xde0
ほす
289中の人 ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 14:36:07.16 ID:SqIZgjoo0
続きは夕方以降になりそうです
290以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 14:37:50.34 ID:NhEXqwdf0
>>289
おぉ!
夕方以降把握
291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 15:07:33.06 ID:AJwdvfYu0
残っててよかった
292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 15:07:43.10 ID:dHy7g5Oq0
ho
293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 15:07:58.71 ID:gvzt5+QC0
ほしゅ
294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 15:21:29.09 ID:rCy4PbF60
295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 16:09:05.55 ID:u2l5wkzj0
ほっほ
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 17:03:11.11 ID:4D+mAW080
しゅ
297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 17:18:17.14 ID:Qvtta7KK0
しゅッしゅ
298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 17:36:28.25 ID:r9hw8xde0
ちんちんしゅっしゅっ
299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 17:42:24.05 ID:rCy4PbF60
エリーーーーーーーーーーーン
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 18:13:08.29 ID:4D+mAW080
wktk
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 18:16:01.89 ID:CtcYsIGF0
読んでてワクワクしたのは久しぶり

302エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 18:16:19.27 ID:SqIZgjoo0
「ゴホッ……くそ……本当に何も見えない……」

空気中に舞う埃が光を反射して、暗闇に一本の線が伸びていた。
エリンは銃をあちこちに向けながら、階段をゆっくりゆっくりと降りていた。

「……今までで一番酷い匂いがする……死体だらけだ」

エリンは暗さで全てが把握出来てはいないが、階段を降りる途中から、ありとあらゆる形の死体が転がっていた。
壁にめり込んだ者、半分が無い者。元が何であったかさえ、わからない何か。
人間と化け物のどちらもが入り乱れ、あちこちで濁った臭気を放っていた。

「……オペレーター、地下に到着した。感度はどうだ?聞こえているか?」
303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 18:21:58.34 ID:CtcYsIGF0
多少ノイズはあるが問題ない
304以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 18:22:49.83 ID:rCy4PbF60
ああ、聞こえている
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 18:26:43.24 ID:4D+mAW080
聞こえている。物音はするか?
羽の音とかに注意してみてくれ。
306エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 18:30:52.08 ID:SqIZgjoo0
「オーケー。なら先へ進む。地下はかなり戦闘が激しかったようだな……」

光の中に浮かび上がるのは壁中に刻まれた戦いの跡と黒く変色した血。
エリンは余りの光景に、少しだけ眼を細めた。

「今の所化け物の気配は無い……だが、妙だ」

柱に背中を預けながら、エリンは辺りを見回した。

「…………ここは駐車場のはずだ。それなのに……車が殆ど無い」

か細いライトの光では奥まで見えないほど広い駐車場には、車がごく僅かしか止まっていなかった。
エリンは慎重に辺りを見回しながら、瓦礫と薬莢と死体の間を進む。

「……どういう事だ?あれほどの人が居たというのに……車で逃げられる暇があったとも思えないが……」
307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 18:37:34.59 ID:kl321Q4z0
現時点ではその答えは出せない
先に進め
308エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 18:48:13.54 ID:SqIZgjoo0
オペレーターの声に頷いて、エリンは再度動き出した。

「……それに、今思えば……冷蔵庫の中身も少なかった気がする」

壁や天井、車の中にくまなくライトを当てながら、エリンは呟いた。

「……いや、こんなホテルの厨房なら……もっと食材があってもよかったはずだ……。
冷蔵庫の中身は俺が食ったコンビーフと、萎びた野菜が幾つか入っていただけだった」

こんな奇怪な状況で、不審な点を探せばキリが無いが、エリンの顔色は険しくなっていく。
ホテルの中を歩き回れば歩き回るほど、妙な居心地の悪さは増していた。

「……考えても仕方ないな」

長い息を吐いて、エリンは通信機のチャンネルをグールのものに合わせた。

「聞こえるか、こちらエリン。今駐車場のBエリアに居る。ポイントを教えてくれ」

暫くのノイズの後、あの耳障りな声が聞こえてきた。

『ようエリン、生きるかぁ。そこから真っ直ぐ歩いてカーブを曲がれ。その奥のCエリアに車両があるはずだ』

「……了解。何かあったらまた連絡する」

嫌味な声を、エリンは乱暴にスイッチを押して消した。
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 18:49:56.60 ID:4D+mAW080
そのフロアに爆発の跡とかはないか?
なければ車を調べれないか?弾薬があるかもしれないし情報がほしい。
310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 18:50:50.39 ID:rCy4PbF60
なにか罠があるかもしれない
慎重にな
311エリン ◆hZTQ6i1tlw :2010/05/12(水) 18:58:06.33 ID:SqIZgjoo0
「爆発の後か……手榴弾か何かの跡ならあちこちにある。俺にも残しておいて欲しかったな」

放射状に広がった黒い跡。
その周りには変色した肉の塊が飛び散っていた。

「車か……了解、目の前の赤い車を調べてみる」

ライトを向けた先に、ぽつんと一台だけ止まった赤いセダンにエリンは近づいた。
ゴツゴツというブーツを踏み鳴らす音が広い空間に反響している。

「……う……」

車に触れられる距離まで近づいた時、エリンは顔をしかめた。
それは元から赤かったわけではなかった。
返り血をまんべんなく浴びた、”血の色”だったのだ。
所々に白い部分が見えている所を見ると、元は白い車だったようだ。

―――ガチャ…

「…駄目だ、鍵がかかってる。どうする?」
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 19:00:50.26 ID:4D+mAW080
撃つのは危険だな。何とかしてあけられないか?
というか中に人はいるか?
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 19:03:17.30 ID:rCy4PbF60
仕方がない、フロントガラスを割ってみろ
314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 19:20:12.87 ID:r9hw8xde0
なるべく音は立てないほうがいい。
ガラスを割るのは最後の手段としよう
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 19:50:29.94 ID:L6hSRp730
最後の返事から一時間近く経っているが無事だろうか
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 20:13:15.23 ID:AJwdvfYu0
ま、まさか…
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 20:15:18.24 ID:4D+mAW080
おい、エリン!聞こえるか!
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 20:36:46.55 ID:kl321Q4z0
支援
319中の人@代理:2010/05/12(水) 20:40:58.71 ID:fw4962cN0
規制に巻き込まれました……
悔しいですが落として下さい……無念……
規制が解除されたら、またvipで立てます……
320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 20:45:31.26 ID:9R9q8cx60
なん…だと…
それは残念だ
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 20:46:08.76 ID:L6hSRp730
Oh…
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 20:46:56.76 ID:i6YGKid/0
ひどいはなしだ・・・
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 20:48:17.97 ID:kl321Q4z0
運営め・・・
324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 20:49:11.35 ID:rCy4PbF60
shit
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 20:51:10.09 ID:AJwdvfYu0
クソッ!なんて時代だ!
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 21:01:07.82 ID:4D+mAW080
これ残せないのか?
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 21:04:05.10 ID:Db2WpN8f0
うわ残念
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/12(水) 21:04:58.74 ID:4D+mAW080
あるいはシベリアとかに立てるとか
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
ふぁっきん!