Angel Beats!の天使ちゃんの画像ください

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72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
○月○日
明日はテスト。
会長の仕事が忙しかったけれど、なんとか時間をやりくりして、テスト勉強も一通り終えた。
生徒会長として、みんなに威厳を示さなければいけないから、たくさんたくさん勉強した。

だから、本当はここ数日、少し寝不足気味だ。
万全の体調で臨むためにも、今日は早く寝よう。

○月×日
テストの出来は上々。
自己採点の結果も期待以上だった。
これならば、生徒会長として恥ずかしくない点数が取れているだろう。
結果が返ってくるのが、少し楽しみだ。

そう言えば、今日は嬉しいことがあった。
いつも勝手なことばかりしている彼女たちが、テストを受けに来たのだ。
私の、度重なる努力が実ったのかも知れない。
すこし騒がしかったけれど、あまり目くじらを立てないようにした。
彼女たちはまだ、普通の学校生活というものに、慣れていないのだ。
その証拠に、彼も――音無君と言ったか、彼もすごく不安そうにしていた。
音無君も他の人達も、これからゆっくりと慣れていけばいい。
とにかく今は、彼女たちが分かってくれたことを喜ぼう。

追記
なんだか頬が火照ってよく眠れない。
テストの出来のせいか、彼女たちが来てくれたせいか、それとも……
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 21:50:28.37 ID:XNSMIgrb0
てかなんで天使と闘ってるの?
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 21:50:43.07 ID:XApHq9UR0
○月△日
今日、先生に呼び出された。テストの結果が良くなかったらしい。
そんなバカなと思って生徒指導室へ行くと、先生に、君は全教科0点だと告げられた。
そして見せられた答案は、私の書いたものではなかった。
確かに名前欄には私の名前が書かれていたけれど、その文字も解答も私のものではなかった。
何が起きたのか分からない。
それから、君は何を考えているんだと先生に叱られた。
真面目で熱心な生徒だと思っていたのに、失望したと言われた。
私は、何も言い返せなかった。ショックで声が出なかった。

その後一日、どう過ごしたのかはよく覚えていない。
気づいたら自分の部屋にいて、ぬいぐるみを抱いていた。
明日学校に言ったら、先生にちゃんと説明しようと思う。
一生懸命説明すれば、きっと分かってくれるだろう。
あんなに頑張ったのだ。きっと先生だって……


○月◇日
例のテストについて説明しようと、職員室に行ったら、そのまま生徒指導室に呼び出された。
そこには、何人かの先生が集まっていて、生徒会長としての自覚を問われた。
弁解する余地はなかった。
すでに生徒たちの間で噂が広がっていると言われた。
君には生徒会長の役目は重すぎるのではないかと言われた。
私は、辞任させて欲しいと言った。
そう言うことしか出来なかった。
先生たちは誰も引き止めてくれなかった。
数日中に全校集会を開いて、そこで正式に全校生徒に伝えるとだけ言われた。
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 21:52:54.62 ID:XApHq9UR0
○月□日
今日、全校集会が開かれた。
私は、先生と一緒にステージに立って、全校生徒を見下ろした。
みんなの視線が私を責めているように感じた。
違うとみんなに言いたかった。あのテストは私のものじゃないと。
先生が、本日をもって私が生徒会長を辞任すると言った。
ああ、これで本当に終わりなんだと思った。

気がつくと、私はぬいぐるみと共に自分のベッドで眠っていた。
ここ数日で溜まっていたものを吐き出して、少しだけ気分が晴れた。
私は目元をこすり、起き上がる。
ふいにお腹が鳴った。
そういえば、ここ数日、ろくに食べていなかったことに気づく。
そうだ、あれを食べに行こう。
あれを食べて、うんと熱くなれば、きっと気分も楽になるだろう。
私は制服を整えると、部屋を出る。

食堂の周りには生徒たちの、異常な熱気が広がっていた。
ああ、またやっているのかと思った。
確かガルデモとか言ったか。
生徒たちに人気の、ガールズバンド。
今までは、生徒会長としてそれを取り締まっていたが、今日からはもう、関係ない。
それに少し好都合だと思った。
みんなが演奏に注目していれば、食堂の隅で食事を取る私には、きっと誰も気づかないだろう。
そう、例えば、麻婆豆腐が辛くて、少しくらい涙を流してしまっても。
それに――
それに、食事をとりながら、この歌に耳を傾けてみてもいいと思った。
私はもう、何の責任もない、ただの一生徒なのだから。
一度くらいちゃんと聴いてみたっていいだろう。
私は、少しだけ足が軽くなった気がして、食堂へ足を踏み入れた。