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その週も次の週も表面上は比較的平穏無事に推移した。
澪に届けられる不吉な手紙は相変わらず、続いている。
変化も起きた。
澪が図書館に行くのをやめて皆と一緒に帰るようになった。
唯と律は放課後は澪の家にできるだけ足繁く通うことにした。
しかし澪は紬と梓には、自らが今置かれている状況について一切説明していない。
皆に心配をかけたくないと澪が、突っぱねたからだ。
とにかく澪は気丈に振る舞って、決して自分が陥っている状況を周りに悟らせなかった。
澪が今置かれている状況を知っている人間としては
奇妙な感想かもしれないが、正直言って律は感心していた。
いつの間にこんなに強くなったのだろう――そう思わずにはいられなかった。
昔の澪ならとっくに音を上げて、
律に縋り付いてたとしても全くおかしくなかったはずだ。
澪の変化の理由は、やはり唯に関係しているのだろうか?