澪「唯……?」
澪の表情が不安に曇る。
唯「大丈夫だよっ澪ちゃん。私がついてるからね」
唯の言葉は奇妙な程頼りなかったが
それでも澪には心強く聞こえたのか、少しだけ安心したように胸を撫で下ろした。
澪はまるで唯の動揺に気づいていなかった。
自分のことで精一杯で気づくことができなかったのだろう。
律だけが、今この場で唯の小さな狼狽に気づいていた。
律「でも、誰が澪にそんな嫌がらせをしてるんだろうな?」
律は何気なくぼやいただけのつもりだったが、唯と澪は黙って何も言おうとはしなかった。
二人が黙ってしまったので、律も必然的に口を閉ざすことになった。
――霜が下りたかのような沈黙を打ち破ったのは、律の携帯電話の着信音だった。
律はポケットに突っ込んでいた、電話を取り出してメールを開いた。
紬からだった。メールの内容は――
『澪ちゃんの様子はどう?家にはいましたか?来週は皆で
揃ってティータイムができることを願っています』