律「こころ」

このエントリーをはてなブックマークに追加
33もとに戻ったから続き書く
澪「唯……?」

澪の表情が不安に曇る。

唯「大丈夫だよっ澪ちゃん。私がついてるからね」

唯の言葉は奇妙な程頼りなかったが
それでも澪には心強く聞こえたのか、少しだけ安心したように胸を撫で下ろした。

澪はまるで唯の動揺に気づいていなかった。
自分のことで精一杯で気づくことができなかったのだろう。
律だけが、今この場で唯の小さな狼狽に気づいていた。

律「でも、誰が澪にそんな嫌がらせをしてるんだろうな?」

律は何気なくぼやいただけのつもりだったが、唯と澪は黙って何も言おうとはしなかった。
二人が黙ってしまったので、律も必然的に口を閉ざすことになった。

――霜が下りたかのような沈黙を打ち破ったのは、律の携帯電話の着信音だった。
律はポケットに突っ込んでいた、電話を取り出してメールを開いた。

紬からだった。メールの内容は――

『澪ちゃんの様子はどう?家にはいましたか?来週は皆で
揃ってティータイムができることを願っています』