唯は柔らかな微笑みを湛えて、澪の頬を両手で優しく包んだ。
どこまでも暖かで真摯な言葉に澪の能面のような表情が崩れた。
澪「……っ」
嗚咽を漏らして肩を震わせる澪を唯は、優しくけれども力強く抱きしめた。
律はただ、二人を見守ることしかできなかった。
♪
澪「――先週からなんだ」
ようやく落ち着いたところで澪は改めて、唯と律に向き直った。
その瞳はまだ濡れていたが、それでも澪の表情は幾分か見れるものになった。
澪は机の隣に設置された引き出しを開けて、あるものを取り出した。
唯「これは……手紙?」
澪は小さく頷いた。