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ありがとうございます:
憔悴とまではいかないまでも、澪の顔に浮かんでいるのは紛れも無い心労だった。
唯「澪ちゃん、何があったの?」
澪「……」
どういうわけか、澪は質問に答えようとはしなかった。
律は澪の表情をじっくり窺ってみる。否、じっくり見るまでもなく、澪が何か悩みを
抱えているのは明白だった。
唯はおもむろに立ち上がると、ベッドの正面にある椅子に
腰を掛けた澪の前に、ひざまずいた。澪の手を優しく包み込んで、唯は澪を見上げた。
唯「澪ちゃん、わたし約束したよね?澪ちゃんが困ってたら絶対に助けるって」
澪「……」
唯「澪ちゃんを守ってみせる、って。澪ちゃんの悩みはわたしの悩みでもあるんだよ。
一人で抱えこまないで。わたしが側にいるから」
澪「唯……」