1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:10:30.26 ID:B4Wr3VqQ0
>>1 ありがとう、シベリア大好き!
今日は書けたとこだけ投下します
3 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:12:37.73 ID:B4Wr3VqQ0
続きから投下したいけど、そのまま投下すると流れがつかめなさそうなんで、
前3レスをリプライズしてからやってみる
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:13:55.20 ID:5Wo0bJiB0
支援
5 :
前回の部分 ◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:14:40.01 ID:B4Wr3VqQ0
川 ゚ -゚)
企業や研究団体にそれだけ期待されているということでしょうか。
( ゚∀゚)
ま、そういうこったな。
開拓者として俺達は頑張っているわけさ。
川 ゚ -゚)
――なるほど。
では、そのほかの、研究材料の調達以外にも仕事はあるのですか?
( ゚∀゚)
……あとは、そうだな、賞金首をひっとらえたり、
まあ、色々だな。
川 ゚ -゚)
その賞金首に、そのハンター自身がなってしまっていることもありますね。
( ゚∀゚)
……悪党どもは、な。
川 ゚ -゚)
ハンターの評判が悪いことの要因に挙げられるものとして、
その悪党があまりにもハンターに多い、これに尽きると思うんですが、
いちハンターであるジョルジュさんは、その悪党ハンターについてどうお考えですか?
( ゚∀゚)
………
6 :
前回の部分 ◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:15:58.05 ID:B4Wr3VqQ0
( ゚∀゚)
どいつもこいつもひっ捕らえてやりてえな。
そんで、エムポール(火星警察)から懸賞金をたんまり頂く。
川 ゚ -゚)
なるほど。つまり悪党ハンターの存在を憎んでいる、
できることなら殲滅して、有意義な火星探索をしたい、そういうことですね?
( ゚∀゚)
ああ。
川 ゚ -゚)
ハンターの活動の幅の広さはそれこそ地球のマフィアのそれに匹敵します。
ショバ代を請求したり、暴利な金融業を営んだり、裏カジノを運営したり……
火星のマフィアとも呼ばれる彼らに、ジョル……
( ゚∀゚)
おい、さっきから何なんだテメェは?
黙ってきいてりゃハンターがマフィアそっくりなんて言いやがって。
それじゃなんか、おれもマフィアって言いてぇのか!?
川 ゚ -゚)
そうは言っていないですよ。活動の幅の広さを例えただけであって……
( #゚∀゚)
そんな例えをインタビューに持ち込むんじゃねえよ!!
バカにしてんのか!! ああ!?
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:16:01.96 ID:ISnL5MeL0
支援
8 :
本編開始 ◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:18:59.19 ID:B4Wr3VqQ0
川 ゚ -゚)
………
( ゚∀゚)
なあ姉ちゃん。あんま脅すわけじゃねえが、そういうことは
言うもんじゃねえぞ。ハンターは怒りっぽいやつばっかだからな。
万が一、このインタビューから収入が減ったとなっちゃ、
なにをするか、わかったもんじゃねえぞ?
川 ゚ -゚)
失礼しました。……
川 ゚ -゚)
そう、ジョルジュさんの言うとおりです。ハンターの根回し、復讐は
非常に恐ろしいものがあります。
ここに、それに関しての資料がありますので、今から読みあげましょう。
9 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:21:55.20 ID:B4Wr3VqQ0
川 ゚ -゚)
差出人は、火星案内人であるシベリア・タイガーさんです。
『俺は火星が好きだ。とくにここサイドニアは、夢の溢れる地で、
多くの若者が開拓に突っ走ってる。活気が溢れてるんだ。
なにか新しいことをしよう。そんな気概が、いいリズムになってるんだろう。
だからこそ、おれはコソコソと悪事を働くハンターどもが許せねえ。
火星社会を蝕んでいくだろう。これから火星は発展してくに違いねえが、
それと同時に、ハンターどもは利権だのを手に入れてしまう。
地球のマフィアみたいなもんになるだろうよ。
一年前、おれがふとバーでヲッカを飲んでると、新米のバーテン、こりゃまた若造が、
ヒソヒソ声で耳打ちしてきた。
「お客さん、トランプはお好きですか?」
にんまり顔でこういうんだナ
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:25:14.00 ID:nUqPSoRsO
しえん
11 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:27:09.17 ID:B4Wr3VqQ0
おれはその当時、ハンターは夢を追求する奴らと思ってた。
マーパーツやレアメタルを探してるだけの若造ばっかかと思ってたんだ。
ちなみにいうと、おれは賭け事なら自信あるし、トランプゲームなら大体熟知してる。
そんでおれは「好きだ」と答えたんだが、すると若造バーテンは、「ならどうぞ」と
バーの地下へ向かわせたんだ。
客は俺一人しかいなかったし、若造バーテンは扉に「CLOSE」をかけた。
つまりその日は、バーが完全な賭場になったんだ。
ゲームの内容は「ゲート」だった。これは簡単な遊びで、親が二枚のカードを引く、
子はベッドしてカードを引いて、親のカードの間を通れば勝ちってやつだ。
*……ゲートとは。
子の引いたカードの数値が、
親が引いた二枚のカードの数値の間であるなら子の勝ち。
そうでなければ親の勝ちという、比較的新しいトランプゲーム。
例えば親の引いたカードが「5」と「9」なら、子は6、7、8を引けば勝利。
5か9なら払い戻し。Aから4、10からKは敗北となる。
さまざまなローカルルールがあるので、プレイ前に確認しておくこと。
12 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:31:49.68 ID:B4Wr3VqQ0
そんで、賭場に入るとその広さと人数の驚いた。こんなものがサイドニアの
地下にあったのかと、ちょっとしたカルチャーショックだった。
おれは若造バーテンのいうままに座って、ゲートをやり始めた。
それでおれはそこそこの勝ちを収めた。大勝ちとまではいかねえが、
6000ヴィップぐらい浮いて、まあ今夜の酒代がチャラにはなった。
ふと隣のバカ笑いしてる親父を見ると、80000ヴィップ近く勝ってやがる。
コンチクショウめ。しかしだ、おれはそのオヤジの顔をみて驚いた。
なんと、よくみるとエムポールの敏腕警部だったのさ。
どういうこっちゃ。法律じゃ当然、裏賭博は禁止されている。
だのに容認どころか自分で参加? しかも大勝して大笑い?
いやな予感がして、別の卓を観察してみることにしたのさ。
すると、ある共通点があった。ディーラーの何人かは、見たことある顔だったのさ。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:36:54.51 ID:ISnL5MeL0
おしりぺんぺん!おしりぺんぺん!
14 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:38:53.69 ID:B4Wr3VqQ0
見たことあるディーラーってのは、全員ハンターをやってるやつだったんだ。
おれの卓のディーラーは知らん顔だが、たぶん、ハンターなんだろう。
それに気付いたしゅんかん、おれはとっさに「やばいところに来ちまった」と思った。
ハンター主催の裏賭場。しかも警察容認の裏賭場。
風の噂だと思ってた、ハンター=マフィア説が、急によみがえってきた。
帰ろうとすると、酒を配ってた野郎の一人がきゅうにピッタリとくっついて、
「ここのことはご内密に」なんていう。ふざけんなと睨みかえしてやった。
そのまま俺は帰ったんだが、公表してやる気マンマンだった。
だってそうだろう? こんな賭場、放っておいたらサイドニアはやばいことになる。
だがな、奴らは俺を逃がしはしなかった。交番に行く途中、おれは連中数人に襲われた。
腕を切られて呻く俺に、奴らはいったんだ。次は命を狙うと。
15 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:42:31.50 ID:B4Wr3VqQ0
エムポール(火星警察)にゃ根回しが済んでるとも言っていた。
だから駆け込んでも無駄だってな。そんで、おれは情けねえ、「わかった」なんて口走っちまった。
だが俺は裏賭場の存在はあっちゃならねえと信じてる。
そこで、おれはあんたに託したんだ。この手紙を』
( ゚∀゚)
そんなもん公表していいんか? おお?
そのシベリアなんとかって奴、殺されちまうぞ?
川 ゚ -゚)
シベリアタイガーさんは、c-wang編集部が責任を持って護ります。
当然、わたしも尽くすつもりです。
ライターとして、彼を守り切るつもりでいます。
( ゚∀゚)
やめた方がいい、ハンターなめんなよ?
川 ゚ -゚)
御忠告ありがとうございます。
しかし、裏賭場の存在はわたしも許せません。
彼の名を伏せて、紙面に公開しようと思っています。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:43:29.14 ID:ISnL5MeL0
おしりぺんぺん!おしりぺんぺん!
おしりぺんぺん!おしりぺんぺん!
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:43:32.22 ID:P3s6hBe90
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:44:10.24 ID:ISnL5MeL0
おしりぺんぺん!おしりぺんぺん!
おしりぺんぺん!おしりぺんぺん!
おしりぺんぺん!おしりぺんぺん!
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:45:33.39 ID:L/8rjgcUP
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:45:44.29 ID:ISnL5MeL0
おしりぺんぺん!おしりぺんぺん!
おしりぺんぺん!おしりぺんぺん!
おしりぺんぺん!おしりぺんぺん!
おしりぺんぺん!おしりぺんぺん!
21 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:46:13.01 ID:B4Wr3VqQ0
( ゚∀゚)
姉ちゃんよゥ。アンタまだ若いじゃねえか。そんな命張んなって。
今まで通り、サンドイッチの特集でも組んでりゃいいじゃねえか。
川 ゚ -゚)
私の尊敬するジャーナリストの名は、ヴェロニカ・ゲリンです。
100年以上前にアイルランドで活躍した、女性ジャーナリスト。
川 ゚ -゚)
彼女はアイルランドの麻薬組織について調査をし、
数多の脅しを受けたのですが、決して屈することなく、麻薬撲滅のために奮闘しました。
彼女は麻薬組織に命を奪われてしまいました。
ですが、彼女の死をキッカケに、市民は立ち上がり、
アイルランドの麻薬組織は壊滅していったのです……。
( ゚∀゚)
………
川 ゚ -゚)
か細くっても、勇気さえあれば巨悪に立ち向かえるです。
ジョルジュさん。あなたも悪党ハンターに恨みを持ってるですよね?
ならば一緒に裏賭場撲滅を……
( #゚∀゚)
黙れえええッ!!!
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:47:14.28 ID:ISnL5MeL0
おしりぺんぺん!おしりぺんぺん!
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おしりぺんぺん!おしりぺんぺん!
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23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:47:36.24 ID:P3s6hBe90
マジキチ
24 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:48:52.33 ID:B4Wr3VqQ0
・・ ・・・
ジョルジュはテーブルに拳を叩きつけた。弾みで筆記用具が床に落ちる。
いつの間にか空になっているウォッカの瓶を、威嚇するように窓に投げつけた。
つんざくような音がして、破片のいくつかがクーの足元に降り注いできた。
このフィックス窓の強度は相当のはずなのに。
クーは、目の前の強暴な男の腕力に戸惑った。
川;゚ -゚)「………」
( #゚∀゚)「インタビューなんざ中止だ! その文章、もし載せてみろ。
くっちゃくちゃにしたらァ!!」
川 ゚ -゚)「ということは、やはり嘘なのですね? 悪党に恨みを持ってるなど……」
( #゚∀゚)「うるっせえよ!! とにかく中止だ! てめえ、ただじゃおかねえぞ?」
ジョルジュはクーの襟首をつかんだ。酒臭い吐息にクーは顔をしかめた。
川 ゚ -゚)「わたしに危害を加えるつもりですか?」
( ゚∀゚)「あ? 加えねえよ。売り飛ばしたるから安心しろ!」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:49:40.24 ID:cQGU5MU7O
支援
26 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:53:23.59 ID:B4Wr3VqQ0
クーがにっこりとほほ笑むと、ジョルジュはたちまち困惑顔になった。
彼はまだ気が付いていない。クーの左手がハンドバッグの中を漁っていることに。
川 ゚ ー゚)「へえ、あなたは売春ルートもお持ちなのですか?
その様子ですと、やはりあなたが裏賭博の開帳者なんでしょうねえ」
( ゚∀゚)「……ダルマにしてやろうか? あんた?」
川 ゚ ー゚)「ダルマ? なんですかそれは? トランプゲーム?」
( #゚∀゚)「教えてやるよ、ダルマってのはなァ……!」
そこまで言いさして、ジョルジュもさすがに気がついた。
この会話が非常に危険だということを。相手はライターならば、、、
一瞬、間が出来た。
クーはそのチャンスを見逃さなかった。
とっさの才覚でハンドバッグから取り出すと、窓の方に思いきり投げた。
ジョルジュの割った穴に吸い込まれるようにして、外に飛び出していく。
そのまま放射線をえがいて落下。ジョルジュは唖然とした表情で窓の向こうを見つめている。
( ゚∀゚)「……なんだ今のは」
川 ゚ ー゚)「あれ? お気づきになりませんか」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:53:52.41 ID:P3s6hBe90
支援
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:55:07.48 ID:ISnL5MeL0
おしりぺんぺん!おしりぺんぺん!
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29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 01:55:59.65 ID:ISnL5MeL0
ごめん、オナニーしながらスレ読んでたから変に昂っちゃってて……
もうしないよ、信じてくれ そして、支援
30 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 01:57:55.46 ID:B4Wr3VqQ0
( ゚∀゚)「……おい、なんだよ今のは。おい……」
川 ゚ -゚)「万が一のために仕込んでおいたレコーダーでしたが、
まさかこんな役に立つとは」
ジョルジュの顔がとたんに青ざめた。目線の動きもおぼつかない。
最善の方法でも模索しているのだろう。
クーの口を封じ、証拠を隠滅する方法を。
( ゚∀゚)「………」
川 ゚ -゚)「最近のレコーダーは百階から落ちても平気なんですってね。
仲間の頭に落ちて、彼、気絶してなければいいけど……」
ジョルジュは飛び跳ねるように窓に張り付く、下を眺めおろした。
その隙を狙ってクーはハンドバッグを抱え込んで、扉へ一目散に駈け出す。
( #゚∀゚)「待て ゴラァア!!」
落下先には誰もいない。仲間など、クーのホラにすぎなかった。
ジョルジュは慌ててクーを追いかけた。が、テーブルのそばで、
( #゚∀゚)「痛ってえ!」
ガラス片が、ジョルジュの柔らかい足裏に突き刺さった。
因果応報だとクーは後ろ目でみてから、急いで扉をあけ、渡り廊下に出る。
31 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 02:01:17.18 ID:B4Wr3VqQ0
(>、<トソン「キャッ」
川:゚ -゚)「え!?」
扉を開けたすぐそばに、案内してくれたコンシェール(コンシェルジュからの派生言葉)
の女性が突っ立っていた。防音は完璧らしいので、中の様子までは聞き取れていまい。
どうしてここに居るのか不明だったが、クーは助け舟だと確信した。
川:゚ -゚)「助けてくれ! 襲われている!」
(゚、゚;トソン「え、ええ!?」
コンシェールは戸惑いながらも、開けっぱなしの扉のなかから
男の怒声をきき、状況の危うさだけは理解したらしい。
クーの手をひいて、すばやくエレベーターの方へ走る。
(゚、゚*トソン「えっと、こっちです!」
コンシェールの鋭い掛け声に続いて、ジョルジュの咆哮が響いた。
無我夢中で脚を動かし続ける。見なくてもわかる、ジョルジュはあとを追っている。
乗り切れるか―――
廊下の角にさしかかった、そのときだった。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 02:02:50.58 ID:R2egjW2t0
支援かな
33 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 02:03:45.67 ID:B4Wr3VqQ0
ぬっと、やつれ顔の男が歩いてきた。慌てたように、
(;゚д゚ )「トソン! 助けてくれ、お前じゃないとあの子は……」
(゚、゚;トソン「ミルナさん! こっちこそ助けてほしいんです!!」
その男はホテルの警備員なのだが、クーには知る由もなく、慌てていたけれども、
川:゚ -゚)「暴漢に襲われているんです!!」
(;゚д゚ )「なんですと」
警備員――ミルナは、すばやく奥のジョルジュに目を走らせた。
( ;゚∀゚)「ぐっ………!」
( ゚д゚ )
( ;゚∀゚)、「くそっ!!」
ジョルジュは後ずさりをすると、踵をかえして逆方向に駆けだした。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 02:07:33.43 ID:vXP/kKX80
支援!
35 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 02:08:01.19 ID:B4Wr3VqQ0
(゚、゚;トソン「追いかけましょう!」
( ゚д゚ )
( ゚д゚)「あれってジョルジュ? ハンターのジョルジュ?」
(゚、゚#トソン「そうですよ、さっさとあの鬼畜ぶっ殺しましょう!」
(;゚д゚)「いや、いやいやいや。おれまだ死にたくねーよ」
川:゚ -゚)「"フリ"でいいから追ってください!! お願いです!」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 02:09:35.46 ID:cQGU5MU7O
紫煙
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 02:09:37.45 ID:Or9RrgNT0
支援!
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 02:10:08.60 ID:TOkGsIu70
おっ、続きか。
支援
39 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 02:13:12.35 ID:B4Wr3VqQ0
クーの出す不可解な指示のもと、三人はジョルジュを追いかけることにした。
ジョルジュの走り出した先には螺旋階段がグランドフロアまで続いていて、彼も
その経路を辿るのだろうが、エレベーターで追い越せるか、微妙なところだった。
さらにいうなら、ジョルジュの行動範囲からあまりに離れすぎるのも、
クーの思惑では望ましくないので、なおさら走り続けるしかない。
ジョルジュへの敵意を剥き出しにしている新米コンシェールのトソンを筆頭に、
クーは体力配分を考えてそのすぐ背後、
警備員のミルナは目をつけられたくないという理由で、遠慮したような三番手。
およそホテルの内装にふさわしくない動作だったが、構うよしもない、
通り過ぎるマダムが目をぱちぱち瞬かせたり、ベッドメイクが何事かと
声をあげようとしたが、三人……ジョルジュも含めて四人は、一向に足を止めようとしなかった。
・・
(;゚д゚)「やばいだろこれは……ジョルジュに喧嘩売るなんて……」
川:゚ -゚)「とっくに売っちゃってます! 安心してください」
(゚д゚)「 」
(゚、゚;トソン「ハァッ……ハァッ……!」
40 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 02:19:42.22 ID:B4Wr3VqQ0
* * *
ホテル内はたちまち慌ただしくなった。
とくにグランドフロアでは、フロントマンが客を放ってうろたえていたし、
支配人のメシアも、走り去るジョルジュを見て、苦虫を噛みつぶしたような顔をした。
クーたち三人が正面玄関をぬけて外に出たときは、すでにジョルジュは裏手の方へ
回っていたが、しかし、クーにとっては上出来と言える結果だった。
ことに、自分たちの後ろにホテルマンが何人か、事態を知り駆けつけてくれたのが心強かった。
川:゚ -゚)「ふゥ……」
(゚、゚;トソン「追いかけなくていいんですか!?」
川:゚ -゚)「いや、無駄だよ」
そういってクーは連絡道路の方を指さした。こちらに向かって、一台の黒いセダンがやってくる。
これ見よがしなフルスモーク仕様で、あきらかにまともな人間の乗る車ではなかった。
それはいかにも、ジョルジュのお迎えであった。
クーたち御一行の目前で、乱暴な停車をするそのセダンに、みな息を呑んで、立ちすくんだ。
そうしてジョルジュが走ってき、黒セダンに乗り込もうとする。
手にはペンケースが握られている、まさしくクーの投げたそれであった。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 02:20:25.99 ID:R2egjW2t0
ずっと前に、踊る少女と踊るっての書いた人だっけ?
支援
43 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 02:23:26.96 ID:B4Wr3VqQ0
今にもケースの中身を確かめたそうな
顔をしているが、クーを一瞥すると、ドスのきいた声で、
( #゚∀゚)「――てめえ、ぜってぇ覚えてろよ!
このホテルごと、ぐっちゃぐちちゃにしたるからなァ!!」
捨てぜりふを吐いた。
そうしてそのまま黒セダンごと、ジョルジュはその場を立ち去った。……
・・
・・・
・・・・
砂埃がロビー前で舞った。微風にのって、排気ガスのすえた臭いがする。
そして、残された人々は、ジョルジュの発言に相当のショックを受けていた。
「なぜこのホテルまで標的に入っているのか?」
「そもそも、なにが起きたんだ?」
(;゚д゚)「まじでどうすんだよ」
「ジョルジュは何に怒っているんだ?」
皆が皆、うろたえていた。
しっかり背筋を伸ばして立っているのは、クーとトソンぐらいなものだった。
支援
45 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 02:28:18.10 ID:B4Wr3VqQ0
ざわ・・・ ざわ・・・
(゚、゚トソン「クーさん、奴を捕まえられませんでしたね」
川 ゚ -゚)「え? あ、、、そうだね……」
このコンシェールの熱気は一体どこから来ているのだろう、クーは首を傾げた。
静かに混沌とした場に、総支配人のメシアが厳かにあらわれた。
さすがに息を乱しているが、それでも紳士然とした口調で、
(咒)「スナオリャ様……一体、何があったのですか?」
川 ゚ -゚)「あ、、、メシアさん……」
彼と目を合わせた瞬間、クーの意気はたちまち萎んでいった。
ホテルを混乱させた罪悪感が、いきなり立ち昇ってくる。
シンと静まり返ったなか、クーはぽつりぽつりと経緯を喋った。
インタビュー中にジョルジュが激昂したこと。
なんとか逃れると、そのまま彼を追いかけたこと。……
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 02:30:14.41 ID:R2egjW2t0
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 02:30:21.34 ID:TOkGsIu70
支援
48 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 02:31:54.56 ID:B4Wr3VqQ0
(咒)「……なるほど。ところで、彼、ジョルジュは何かを持って逃げたようですが?」
川 ゚ -゚)「私のペンケースです」
(咒)「ペンケース? 何か、中に重要なものが入っていたのですか?」
川 ゚ -゚)「いえ別に。今は見かけない、消しゴムくらいですかね」
( ゚д゚)「意味がわからん……えっ? 奴は消しゴムが目的だったのか?」
川 ゚ -゚)「さあ? 取られるのが怖いものといったら、証言を収めた音声レコーダーくらいです。
しかしそれはちゃんとバッグの中にあるので、問題ないです」
きっぱりしたふうに言うと、クーはバッグからレコーダーを取り出した。
まさしく、この中にはジョルジュの肉声による、あまたの危険な言葉が収められている。
彼が「中に仕込んでおいてあるのだろう」と持ち去ったペンケースは、なんの仕掛けもない、
ダミーもいいところな代物だから、いまごろ車内で列火のごとく怒っているだろう。
偽物と気付かれないがために、わざわざ大仰な追いかけっこをしたのだが、代償は高くついてしまった。
その責任は取らざるを得ないだろう、クーは頭を下げて謝罪をした。
49 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 02:37:04.01 ID:B4Wr3VqQ0
川; - )「申し訳ありません! 損害請求は甘んじて受けます、全責任は私にあります」
(゚、゚トソン「クー様……」
(咒)「ふむ……」
(咒)「対策費諸々は、相当かかるでしょうな」
川;゚ -゚)、
(咒)「しかし、こうなった以上……火星の現状を知った以上……」
(咒)「クーさん。私も、巨悪に立ち向かいたい思いでいっぱいです」
川 ゚ -゚)「え……」
(咒)「火星を汚されるのは、たまったもんじゃありませんからね」
(゚、゚*トソン「総支配人!」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 02:40:17.03 ID:TOkGsIu70
支援
51 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 02:43:36.10 ID:B4Wr3VqQ0
(咒)「とりあえず、警備を固めましょう」
それだけいって、メシアはさっさと館内へ入ってしまった。
残された従業員たちは、期待と不安でいっぱいの顔をしながらも、
ジョルジュに対する敵意だけは共通していた。
一部はクーへの不満を持っているのも居たが。
川 ゚ -゚)「………」
川 ゚ -゚)「ありがとうございます」
クーは礼をいった。メシアだけにではない、このホテル全体に。
この、不可思議なモノリスめいた黒い建物と、それに勤める方々に。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 02:43:47.66 ID:R2egjW2t0
支援
54 :
今日はここまで ◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 02:46:29.40 ID:B4Wr3VqQ0
・・ ・・
・・ ・・・
・・ ・・・・
そのころ、ドクオはサイドニア製のオートバイクにまたがっていた。
目的地はエデン。
ホテルからかなり離れた距離にある山の通称で、当然、樹木も緑も見当たらない場所だった。
('A`)
高度な文明の遺跡にはふさわしくない、およそ荒れ果てた山なのだが、
まだ採掘は進んでいないので、新発見の可能性も、なきにしもあらずだった。
しかしドクオはそのままエデンへ直行するわけでなく、途中の
カリヨンという、道路途中の休憩所――町から町への一休みなどに使われる――に、
寄ることにしている。
というのも、彼の仲間とそこで合流するつもりだったからである。
名はセントジョーンズという、見た目からして敏腕そうには見えないのだが、
情熱だけはめっぽうある若者で、ドクオは彼に信頼を寄せている。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 02:46:44.80 ID:dwADLwzR0
支援
あとで生ログまとめて読むぜ
56 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 02:48:45.96 ID:B4Wr3VqQ0
本日の投下は以上です
こんな夜中まで支援ありがとう。
そして、改めて代理ありがとう。
>>41 あの作品を覚えててくれている人がいるとは……
たしかもう二年以上前の作品だったかな
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 02:50:25.42 ID:TOkGsIu70
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 02:51:21.09 ID:Or9RrgNT0
乙!
59 :
◆tOPTGOuTpU :2010/04/26(月) 02:53:51.23 ID:B4Wr3VqQ0
次回はいつになるのか未定です
ちょいリアルも忙しいし、次はもう一つの方の現行を投下してから
にしたいんで、、、申し訳ないです。
今作は執筆速いし、その気になればながら投下もするんで、なんとかしたいけど
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 03:02:38.16 ID:R2egjW2t0
>>56 あの作品はお気に入り
たまーにだけど読み返してるよ
何にせよ乙でした
無理せず活動してくだしあ
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 03:07:16.91 ID:B4Wr3VqQ0
>>60 そうなのか……ありがとう、嬉しいです
あの作品はなんか四苦八苦して作ってたなぁ
それではみなさんお疲れ様でした。おやすみん
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 03:08:42.53 ID:B4Wr3VqQ0
あ、忘れてた。
7xさんへ。
前回投下し忘れて、抜けたレスがあります。
申し訳ないですが補充お願いします。
15から16の間で、今から投下します。
63 :
抜けたレス:2010/04/26(月) 03:09:32.19 ID:B4Wr3VqQ0
学者はラウンジで珈琲を啜りながら、地球の情勢を新聞から読み取っている。
やはりもう、地球は限界に達しようとしているようだ。
国連の人間が火星や月に何度も完全移住について交渉に向かっているし、
核がいつ頭上に炸裂するかという恐怖はいまだ拭い去れていない。
('A`)「………」
学者はちらりとフロントの方を横見した。
今日も新しい客がチェックインしたようだ。案内人も付き添っている。
若者で、この火星に夢を見ているような目つきをしていた。
たしかに、ここの開拓は、人類に残された最後の娯楽なのだろう。
夢を見られる、最後の楽園。
('A`)「ハンターにならなきゃいいが……」
その学者――ドクオ・ウツタールは小さく呟いた。
火星の未知の産物、たとえば先住民が残したかもしれない貴重な産物を
ことごとく盗んではブローカーに流す、ハンターと自称する輩には、ほとほと嫌気がさしている。
ドクオは次に、窓の向こうに広がる広大な大地……そして、隅々まで見渡せる蒼空に目をやった。
この美しい火星が汚染されていくのに、あと何年?
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/26(月) 03:10:13.46 ID:B4Wr3VqQ0
では、本当にお疲れ様でした
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙乙