12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/11(日) 23:19:11.09 ID:ZoCg7mOr0
しえん
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/11(日) 23:19:56.85 ID:q3izQl2+0
支援
逃亡かと思った
来てくれてあんがと
15 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/11(日) 23:22:30.80 ID:QSqRK4MdO
そう思うほど格好はいたって清潔
僕は耐えかねて声を掛ける
「あの…」
応答無し
「もしもーし」
応答無し
「美しいお嬢さん」
ん、少し肩が動いた
どうやら最悪の事態は避けられたな
次に僕は肩を揺する作業に移る
「大丈夫ですか?」
すると少女は、これまで倒れ、寝ていたのが嘘のような速度で跳ね起きた
川 ゚ -゚)「なんだ君は!」
少女は突然声を張り上げる
僕は一瞬呆気に取られ、返答する
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/11(日) 23:25:33.87 ID:q3izQl2+0
支援
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/11(日) 23:25:52.25 ID:ZoCg7mOr0
しえん
18 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/11(日) 23:29:52.29 ID:QSqRK4MdO
「なんだと言われても……人が倒れているのに見過ごす輩は居ないと思いますよ」
意味を履き違えたのか、少女はハッとした後に言う
川 ゚ -゚)「そうか、セクハラか」
なんだなんだ、人の良心をなんだと思っている?
「ち、違いますよ!そんなんじゃありません!」
そこはしっかりと否定する
はい、セクハラしてましたとか言う人間はまず居ないのではないだろうかか
川 ゚ -゚)「ふむ」
少女は少し考えてから
川 ゚ -゚)「仕方ない、信じよう」
川 ゚ -゚)「顔を真っ赤にして言われたのでは、少々君が可哀想だ」
川 ゚ -゚)「私もそこまで非道じゃないしな」
この人は一々……
「はぁ……」
諦めのため息が出る
「って、そんなことはどうでもいいです、あなたは何故ここに?」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/11(日) 23:32:54.71 ID:q3izQl2+0
支援
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/11(日) 23:34:05.24 ID:ZoCg7mOr0
しえん
21 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/11(日) 23:35:13.62 ID:QSqRK4MdO
当然の疑問
川 ゚ -゚)「そうくるか」
川 ゚ -゚)「何故……と言われてもな、ただ単純に」
少女は少し間を置き
川 ゚ -゚)「捨てられただけの事だ」
そういいながら悲しい笑みを浮かべる
「捨てられたって……」
僕の同情が嫌だったのか、少女は話を重ねる
川 ゚ -゚)「私にとっては、もうどうでもいいんだ」
川 ゚ -゚)「とりあえずここはとにかく暑い」
そう言う少女は汗で全身がびしょびしょだ
ん……見えそうで見えない
これがチラリズムか
川 ゚ -゚)「どこを見ている愚か者」
川 ゚ -゚)「やはりセクハラか、変質者め」
22 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/11(日) 23:42:10.36 ID:QSqRK4MdO
「ち、違いますよ!」
必死に誤解を解く
川 ゚ -゚)「んま、場所を移そうか」
いつまでも続きそうな問答を断ち切ったのは少女の方だった
少女の提案
確かにここは暑い、その案に乗ろうとするが
「移すのはいいんですが……どこに?」
当然の質問をぶつける
当たり前だ、見るからに一文無しの姿
それに加えて捨てられたと言っている
行ける場所などあるのか?
川 ゚ -゚)「なあに簡単な事だ」
川 ゚ -゚)「君の家に行こうではないか!」
「なん……だと……」
こうして僕は某少年漫画の真似をしながらも素直に従うのだった
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/11(日) 23:47:05.18 ID:OENdM5NFO
しえ
24 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/11(日) 23:47:16.93 ID:QSqRK4MdO
こうして一つの物語が始まる
それは、長いようで短い
そんな話
でも僕にとっては大切な-----とても大切な物語
そんな話のオープニング
EP1/謎の少女
終わり
25 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/11(日) 23:51:13.73 ID:QSqRK4MdO
EP2/秘密
今僕は街を歩いている
なんでかと言うと、不思議な少女の提案で僕の家に行くことになったからだ
川 ゚ -゚)「人と話ながら街を歩くのも久しぶりだな」
少女が突然喋り出す
「はあ」
川 ゚ -゚)「おお!こんな所にデパートができたのか!」
「はあ」
なんとも元気な事だ……と、考えている僕には少女の声は耳に入らない
川 ゚ -゚)「君の家まではどのくらいだ?」
「はあ」
直後、頭に走る衝撃
川 ゚ -゚)「コミュニケーションは大事だぞ、若者よ」
「いてて……なんですか急に」
川 ゚ -゚)「私の問い掛けが聞こえなかったのか」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/11(日) 23:56:02.20 ID:OENdM5NFO
しえん
27 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/11(日) 23:56:31.52 ID:QSqRK4MdO
「なんですかそれ……大体若者って、あなた何歳なんですか?」
川 ゚ -゚)「女性に年齢を聞くなど、言語道断!」
再び頭に衝撃が走る
「いって!」
川 ゚ -゚)「ははは、一々反応が楽しいな君は」
全くこの人は……
それにしてもいきなり殴るなんて!
反論を出そうとした所でふと顔を上げる
そこには真っ赤な夕陽が街を照らしていた
「綺麗だなぁ……」
思わず言葉に出る
川 ゚ -゚)「いきなり告白か」
その呟きが聞こえていたみたいで、盛大な勘違いをされた
「ち、違いますよ!夕陽が綺麗だなぁって言ったんです!」
川 ゚ -゚)「そうかそうか、夕陽ね……」
少々含みのある言い方
28 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:00:09.16 ID:1N2/MGcPO
僕は気になり少女に問い掛けた
「夕陽……嫌いなんですか?」
川 ゚ -゚)「好きとも嫌いとも言えん」
川 ゚ -゚)「ただ、私が幼い頃に見た夕陽は好きだった」
なんだこの違和感は
全身にまとわり付くような、そんな違和感
その正体不明の違和感が気になり、僕は再度質問をぶつける
「何故、幼いときの夕陽が?」
この質問がいけなかった
次に聞いた言葉は、とても衝撃があり
とても悲しい事実
川 ゚ -゚)「その頃の私には」
川 ゚ -゚)「まだ色が見えていたからな」
今、なんて言った?
色が "見えていた" ?
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/12(月) 00:05:33.97 ID:WyMcAEQWO
支援
30 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:05:37.29 ID:1N2/MGcPO
なんだその言い方は
まるで今は
色が見えないみたいではないか----------
「え?」
言葉が反射的に出る
川 ゚ -゚)「昔はな、色があったんだよ」
川 ゚ -゚)「赤、青、黄色、美しい世界だった」
少女の発する言葉は
一つ一つ、とても重い
川 ゚ -゚)「今はもう……何も見えない」
川 ゚ -゚)「見えるのは無機質な、白黒の世界だけだ」
悲しい笑い
僕はあまりにも突然の衝撃にいつの間にか一筋の涙が流れていた
「そんなことって……」
川 ゚ -゚)「なんだ、泣いているのかw」
31 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:10:15.51 ID:1N2/MGcPO
僕も何故泣いているのか分からない、でもそれはどうしても止められない
「泣いて……無いですよ」
すぐに分かる嘘
見え見えの強がりから出てきた言葉
川 ゚ -゚)「そうかそうか」
少女はそれ以上僕が泣いている事については言わなかった
僕の強がりに気を使ってくれたのだろうか
川 ゚ -゚)「私の話を聞いて、ここまで感情移入してくれたのは君が初めてだ」
少女は少し照れながら語る
川 ゚ -゚)「その……なんだ」
川 *゚ -゚)「ありがとう」
この同情は嬉しいのか
だとしたらそれほどまでに傷が付いているということ
「お礼を言われる事なんて……」
お礼を言われて幸せなのか、と聞かれたら間違いなく首を横に振る
32 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:14:36.60 ID:1N2/MGcPO
川 ゚ -゚)「初めて会う人にここまで話すことになるとはな」
その小さな声は僕に届かない
川 ゚ -゚)「さあ、暗い話しはここまでだ!」
川 ゚ -゚)「そろそろ着くんじゃないか?」
少女の言う通り、家までは後数分と言った距離
「そうみたいですね、もう見えると思いますよ」
川 ゚ -゚)「よしよし」
川 ゚ -゚)「やっとこの暑さから解放される!」
心底嬉しそうだ
さっきまでの悲しい笑顔を思い出させない程に、少女は笑っている
「一つ確認ですけど」
川 ゚ -゚)「なんだ?」
「今から行くのは、僕の家ですからね?」
ニコニコしながら歩く彼女に向かって言う
川 ゚ -゚)「なんだそんな事か」
33 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:19:27.71 ID:1N2/MGcPO
川 ゚ -゚)「心配するな、礼儀は弁えている」
「それならいいんですけど……」
川 ゚ -゚)「緑茶」
「はい?」
突如出てきた単語に戸惑いながら聞き返す
川 ゚ -゚)「冷たい緑茶が飲みたいな」
川 ゚ -゚)「茶菓子も付けてくれると有難い」
なんという少女だ
「あの……さっきした話し、聞いてました?」
川 ゚ -゚)「ああもちろん!」
自信満々に言う少女に、僕は本日二度目の後悔をした
EP2/秘密
終わり
34 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:21:24.00 ID:1N2/MGcPO
ちょっとお手洗い行ってきます。
30分からEP3、EP4投下していきます
中々に興味深い
36 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:30:40.91 ID:1N2/MGcPO
EP3/性悪?
「ほら、あそこが僕の家です」
指を向けた先は自分の家
といっても、そこら辺にあるアパートだ
川 ゚ -゚)「なんだ、ただのボロアパートか」
心に傷が付くことを平気で言うな……この人は
「あの、もしかしてあなたって思ったことをすぐ口に出すタイプですか?」
少々嫌味を込めて言うが
川 ゚ -゚)「うん!」
少女には通用しなかった
「もう、いいです……」
諦めよう、恨むなら変な少女に関わった自分を恨むべきだ
川 ゚ -゚)「ああっと、ちょっといいか?」
不意に少女が訪ねる
37 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:34:05.13 ID:1N2/MGcPO
顔を少女に向けながら聞く
「なんでしょうか」
川 ゚ -゚)「そのだな、私の名前はあなたではないぞ」
名前……今更気づく、会ってから随分と立つのに自分は名前さえ聞いていなかった
「じゃあ聞きますよ、今更ですけど」
僕はようやく名前を訪ねる、順番がかなり違う気もするが気にしない
川 ゚ -゚)「名字は素直、名前はクーと言う」
「素直さん、ですね」
どこかで聞いた名前……だが思い出せない
川 ゚ -゚)「名字で呼ぶな、なんか気持ち悪い」
気持ち悪いとはまた随分な言われようだ
「じゃあ……クーさん?」
再度名前を呼ぶ
川 ゚ -゚)「さんとはまた中途半端だな」
川 ゚ -゚)「どうせなら呼び捨て、それが嫌なら様くらい付けてみろ」
38 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:39:12.29 ID:1N2/MGcPO
クー様……ないな、それになんかむかつく
「じゃあクーで」
僕が改めて告げると
川 ゚ -゚)「苦しゅうないぞ」
と、変な返され方をした
全く、さっきからペースを狂わされっぱなしだ
「何時代の人ですかあなたはw」
だが、自然と笑顔になった
川 ゚ -゚)「初めて笑ってくれたな」
こう言われ、クーの前で初めて笑ったことに気づく
なんだろう……この人と居ると、不思議な感じがする
その問題の解答を出す前にクーが喋る
川 ゚ -゚)「さて、着いたみたいだぞ」
どうやら話し、考えている間に到着したみたいだ
「ああ、ちょっと中を片付けるんで待っててください」
39 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:43:19.22 ID:1N2/MGcPO
今入られるとマズイ
中には男の一人暮らしの必需品とも言える本やDVDで溢れている
しかしそんな希望も無惨に砕かれる
川 ゚ -゚)「何を言うか、私と君の仲だぞ」
川 ゚ -゚)「ほんの少し散らかっているくらい気にならん」
うん、ちょっと待て
まず一つ目、いつからそんな仲になった?
次に二つ目、人の家に上がるんだからちょっとは遠慮してもらいたいものだ
勿論それを言葉に出す勇気は無い
「いや、でも今は……」
そんな風に話している間にクーは鍵を奪い中に入っていく
川 ゚ -゚)「なんだ、そんな汚くはないじゃないか」
川 ゚ -゚)「お姉さん感心しちゃった」
もう突っ込む気力も失せてきた
ここまで来たら仕方無い、奇跡的に気づかない事を願う
40 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:46:14.45 ID:1N2/MGcPO
だが、そんな期待も勿論裏切られた
川 ゚ -゚)「む?なんだこれは」
川 ゚ -゚)「貧乳痴女ナースのむふふな診察」
やめろ、わざわざ声に出すな
川 ゚ -゚)「こういうのが趣味なのか?」
開き直るしか無いと直感
「男は皆そういうもんですよ!」
川 ゚ -゚)「分かってる分かってる」
川 ゚ -゚)「それを踏まえた上で、だ」
川 ゚ -゚)「クー姉さんがしてやろうか……?」
僕も年頃の男、そんな風に上目使いで見られたら堪らない
「何……言ってるんですか」
川 ゚ -゚)「私では、嫌なのか?」
「いや、そういう意味では……」
ああもう、僕は何を言ってるんだ
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/12(月) 00:49:08.42 ID:pMYTL0/c0
読んでるぜ支援
42 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:50:27.47 ID:1N2/MGcPO
何故こんな空気にならなくてはいけないんだ
そんな風に慌てていると、クーが突然吹き出した
川 ゚ -゚)「くっ……ふははw」
川 ゚ -゚)「期待したのかw期待したんだろうw」
と、おもしろくて堪らないように言う
「なっ!別に期待なんてしてませんよ!」
内心、期待はしていた
川 ゚ -゚)「無理に嘘を付かなくてもいいぞ」
川 ゚ -゚)「それにしても、貧乳で痴女とはw」
川 ゚ -゚)「これ如何に」
この人の性格は、ずっと掴めそうにない
「クーって、もしかしなくても性悪?」
例えば、こんな風に悪口を言ってみても
川 ゚ -゚)「もっちろん!」
このように満面の笑みで返される
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/12(月) 00:50:57.10 ID:3eVXv6/UO
パンツ脱いだ方がいい?
44 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:54:43.06 ID:1N2/MGcPO
調子が狂うな……全く
そんな僕の悩みも知らず、クーは唐突に告げた
川 ゚ -゚)「うん、それでだ」
川 ゚ -゚)「とっとと緑茶を出さんか」
反論する気力はもう無い
「はいはい、わかりましたよ」
川 ゚ -゚)「氷は3つな」
そんなクーの言葉を背に受けながら僕は冷蔵庫に向かう
僕がコップを準備した所で居間から声が聞こえた
「おーい!テレビ点けてもいいかー?」
あれだけ好き勝手しながら、何故そこは確認を取るのだろうか
僕は「いいですよ」と告げ、緑茶を冷蔵庫から取り出す
居間からはテレビ……恐らくニュースだろうか、キャスターが読み上げているようだ
「「時効が……あれから十五年……」」
途切れ途切れに聞こえる
45 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 00:58:03.36 ID:1N2/MGcPO
「「二人を殺……逃走中……」」
また随分と物騒な事件だな……時効とか言っていたから昔の事件だろうか?
そこで準備が終わり、コップを二つ持ちながら居間に向かう
「お待たせ」
クーはテレビに夢中みたいだ
僕もふとテレビに視線を移す
「「警察は、情報提供を呼び掛けています」」
「「もう一度繰り返します、もうすぐ時効を迎える素」」
そこでテレビは消えた
川 ゚ -゚)「ああ悪い、持ってきていたのか」
僕自信、ニュースにはあまり興味が無いのでクーがテレビを消したのはあまり気にならなかった
「はい、どうぞ」
クーはどこか浮かない表情をしていて、「悪い」とだけ伝えてきた
「何かあったんですか?」
川 ゚ -゚)「いや、なんでも無い」
46 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 01:02:24.09 ID:1N2/MGcPO
川 ゚ -゚)「気にしないでくれ」
そう言われても、見るからに不機嫌そうな顔をされてしまっては気にならない訳が無かった
川 ゚ -゚)「おい!」
「は、はい?」
怒ったような感じでクーが喋る
川 ゚ -゚)「氷が!氷が2つしかないぞ!」
まさか、この不機嫌そうな顔はこれが原因か?
「え……それだけですか?」
川 ゚ -゚)「それだけとはなんだ!」
クーは呆れた口調で
川 ゚ -゚)「全く先が思いやられるな……」
と言った
ん、待てよ
なんかおかしいな……
ああそうか、ここがおかしい
47 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 01:06:27.18 ID:1N2/MGcPO
「先が思いやられるって、クーは関係ないでしょ」
思ったことを伝える
川 ゚ -゚)「ああ、そうか」
川 ゚ -゚)「1つ言い忘れていたよ」
川 ゚ -゚)「私、今日からここに住むから」
僕はただ、固まる事しかできなかった
今日だけでここまで疲れるとは
(はぁ……なんでこんな目に会わなくちゃいけないんだ)
でも心のどこかで
この瞬間が楽しいと感じている自分は確実に居た
EP3/性悪?
終わり
48 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 01:08:51.65 ID:1N2/MGcPO
EP4/メイドさん
さてと、この状況をどうしたものか
目の前には名前しか分からない少女
そして、その少女は今日からここに住むと言っている
「他に友達とか居ないんですか?」
言った後に気付く
友達が居ないから、僕の家に住むだなんだ言っているんだと
川 ゚ -゚)「ああ、ずっと雇ってもらってたんでな」
「雇ってもらってた?」
川 ゚ -゚)「そうだ」
川 ゚ -゚)「住み込みのメイドみたいな物だ」
なるほど……確かにそれじゃ友達もできないな
となると、初めて会ったとき言っていた捨てられたというのは……
「最初に言っていた捨てられたってのは、その雇い主から?」
49 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 01:12:24.18 ID:1N2/MGcPO
川 ゚ -゚)「うむ、この不景気だし仕方無い事だ」
確かに、クーが他に頼る人はいなさそうだ
親…という線も考えたが、状況を考えるになにかしら問題があったのだろう
結果、僕が出す答えは
「仕方無いですね……いいですよ」
川 ゚ -゚)「こっちとしては最初からそのつもりだったがな」
素直に喜べ無いのか、この人は
「ただし、次の仕事が見つかるまでです」
「それと家事、しっかり頼みますよ」
川 ゚ -゚)「御安い御用だ」
確かに、メイド的な仕事をしていたなら任せられる
川 ゚ -゚)「そういえば、君は学生か?」
「そうですよ、大学生です」
川 ゚ -゚)「金銭面は大丈夫なのか?」
この人が真面目に気をつかう事があるなんて、と最初に思う
50 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 01:16:40.17 ID:1N2/MGcPO
「大丈夫です、仕送りもありますしね」
「一応アルバイトもしているんで」
川 ゚ -゚)「そうか、出来る限りの事はするので何かあったら言ってくれ」
真面目だ……仕事中はこんな感じなのか?
「じゃあ早速、今から買い物行くので付き合ってください」
川 ゚ -゚)「少々めんどくさいが分かった、買いに行くのは食材か?」
前言撤回、本性は言葉の端々に見られるようだ
「んー」
「それもありますね」
クーは頭に疑問を浮かべながら聞いてくる
川 ゚ -゚)「他にもあるのか?」
「勿論です」
「着いたら何を買うか教えますよ」
と言いながら立ち上がる
クーは「ふむ」とは言っていたが、頭にはまだ疑問が浮かんでいるようだ
51 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 01:20:32.81 ID:1N2/MGcPO
そして僕が家を出ようとした所でクーが引き止める
川 ゚ -゚)「ああ、ちょっと待って欲しい」
なんだろう?
まさか、やっぱめんどくさいとかは言わないだろう
川 ゚ -゚)「あれだ、私は外で寝ていただろう」
「そうですね」
川 ゚ -゚)「それに加えてこの暑さ、体はベトベトだ」
そういう事か、僕は理解して風呂の場所を教える
川 ゚ -゚)「すまんな、少し待っていてくれ」
そう言うとクーは服を脱ぎ始めた
って、待てよおい
「ちょっと!なんでここで脱ぐんですか!」
するとクーは
川 ゚ -゚)「はははw冗談だ」
と愉快そうに笑う
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/12(月) 01:22:43.39 ID:Oo1G9si4O
しえ
53 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 01:23:07.12 ID:1N2/MGcPO
ほんと、振り回されっぱなしだな……
「勘弁してくださいよ、全く」
川 ゚ -゚)「すまんすまんw」
と言い、クーは風呂に向かっていく
「あ、ちょっと待ってください」
僕はタンスからジーンズとTシャツを手渡す
「同じ服を着てもあれだと思うんで、これでも着てください」
クーは嬉しそうに
川 ゚ -゚)「気が利くな」
と言い残し、手渡された服を持ちながら風呂に向かった
「さて、と」
「流石にちょっと疲れたな」
僕が一時の休息を楽しんでいると
「おーい!」
風呂場から疲れた元凶の声が聞こえた
54 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 01:27:34.29 ID:1N2/MGcPO
風呂に行ってからすぐの事だったので、さすがにまだ服は着ていると思い風呂場に向かう
「なんですか?」
僕が訪ねると、クーは顔だけをドアの隙間から出し
川 ゚ -゚)「覗くなよ」
と、だけ残し風呂に入っていった
「覗きませんよ!」
本っっ当に、なんなんだこの人は……
僕は居間に戻り、読書をすることにした
これだけは言っておくが、断じてむふふな本を読む訳ではない
健全な文庫本というやつだ
僕は再び居間に寝転がる
落ちている本を開き、ページを捲る
だが内容が入ってこない
勿論、原因はあのメイドさんだ
「本当に不思議な人だなぁ……」
55 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 01:31:31.35 ID:1N2/MGcPO
改めて思う
ビルの裏路地で寝ていて、急に僕の家に来ると言った
それだけでは済まず、今度は僕の家に住むと言った
そして、色が-----見えない
(よく……分からない人だな)
名前は素直、クー
やはり何かが頭に引っ掛かる
その正体は中々掴めず、気分が悪い
(ちょっと暇だし、少し考えるか)
何か、変な所はあったか?
性格が悪いのは元々だろう
考えてから少し不謹慎だなと苦笑いする
(緑茶が飲みたい、氷は3つだとか言っていたな)
そして僕は結局、緑茶を作った
飲んだら飲んだで「氷が二つしかない!」とかも言っていた
56 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 01:35:57.25 ID:1N2/MGcPO
待てよ……その少し前だ
クーはテレビを見ていた
内容は確か、もうすぐ時効が来る事件
そしてクーは急にテレビを消したんだった
消す少し前だ、キャスターはなんて言っていた?
確か……もうすぐ時効をムカエルスだったかな
「「もうすぐ」」「「時効を」」「「迎える」」
恐らく単語の分け方はこうだ
残った言葉は
ス
ス……なんだ
クーの不機嫌そうな顔、テレビを消すタイミング
そして、クーの名字
これらが示す答えは----------
57 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 01:40:51.23 ID:1N2/MGcPO
素直……?
まさか、そんな筈は無い
でも、時々耳にするニュース
時々なんかではない、マスコミが大々的に取り扱っていたではないか
今なら言える、昔、丁度十五年くらい前
素直家殺人事件という、一組の夫婦が惨殺される悲惨な事件があったのを
僕は、背中にとてつもない寒気を感じながら
ひたすらに勘違いの可能性を探っていた
EP4/メイドさん
終わり
58 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 01:43:00.33 ID:1N2/MGcPO
本日の投下は以上です。
何か質問等ありますか?
後、貧乳痴女ナースは自分の趣味ですごめんなさい
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/12(月) 01:46:58.07 ID:HFH5ngG/O
60 :
◆t8NYdLxivU :2010/04/12(月) 01:53:17.70 ID:1N2/MGcPO
いつの間にかまとめが!
台詞や地の文の微妙な所をちょこっと修正してます。
それでは本日はこれで失礼
代理、支援、ありがとうございました。
次回は規制されなければ三日後くらいに投下しようと思っています
ではおやすみなさい
今から読む
乙