(,,゚Д゚)は精霊使いのようです

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1 ◆4br39AOU.g
規制解除されてるのになんで総合立ってないんだー
2 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 20:49:05.02 ID:r1IjvYIKO
はじめに

・こんばんは、はじめまして、お久しぶりです
・厨二作品です。
・途中、変な文があったらごめんなさい。
・さるったらすいませんです。

「誰こいつ?」って方はまとめサイト様参照↓

( ^ω^)フェスティバロスwww様

http://boonfestival.web.fc2.com/


それではどうぞ
今日は短いよ!多分!
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 20:49:07.55 ID:T+sFfpfaO
久しぶりぃ
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 20:49:48.22 ID:hmIdqfFsO
(*´Д`)ハァハァ
5 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 20:51:11.09 ID:r1IjvYIKO
〜これまでの主な登場人物&精霊〜

(,,゚Д゚) ギコ=モナルド 人
元素 風
装備 ロングソード 銀の胸当て ダガー
・ツッコミ担当タフネス主人公

技:疾風 ブーメラン 風布 癒しの風 つむじ風 竜巻 圧風 隼斬り 剣ノ舞 風籠


( ^ω^) ブーン 精霊
元素 風
装備 淡緑色のツナギ 風の宝玉の欠片
・ギコの精霊。癒し系白豚型精霊


ノパ听) ヒート=スナオ 人
元素 火
装備 ハルバード 鋼の胸当て
・元気熱血爆発少女。バカ一号

技:火弾 火炎弾 火炎 炎牙 炎爆  肉斬骨断


从 ゚∀从 ハインリッヒ 精霊
元素 火
装備 レザーコート
・ヒートの精霊。いじけて帰省中の男勝りな精霊
6 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 20:53:25.51 ID:r1IjvYIKO
( ・∀・) モララー=S=ファウス 人
元素 水
装備 ダガー 白い服
・脱力系ニート男

技:氷柱 氷塊 氷粒 液化 水蛇 霧蜘蛛 氷結 水壁 凍結 ヒール ダイヤモンドダスト  兜割り
シンクロ 『mode-氷帝』


川 ゚ -゚) クール 精霊
元素 水
装備 水色のドレス
・モララーの精霊。キャラ崩壊注意なヒロイン


('A`) ドクオ=マダチェリー 人(?)
元素 光
装備 ロングボウ ただの服 不細工な顔
・アスパラ童貞

技:隼 影縫い セイントアロー 癒しの光


ξ゚听)ξ ツン 精霊
元素 光
装備 白のワンピース
・ドクオの精霊。ツンデレ
7 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 20:55:17.43 ID:r1IjvYIKO
(´<_` ) オトジャ=サスガ 人
元素 無
装備 魔銃『青龍』 革の鎧
・真面目クール

技:炎砲、氷砲、土砲、雷砲、風砲


( ´_ゝ`) アニジャ=サスガ 人
元素 無
装備 魔銃『白虎』 革の鎧
・変態お兄さん

技:


( ΦωΦ) ロマネスク=スギウラ 人
元素 風
装備 大剣 皮の服
・ロリコン筋肉ダルマ

技:疾風 鬼牙斬 鎌鼬 つむじ風 風斬りノ刃
シンクロ 『mode-緑翼』 『mode-風刃』 『mode-そよ風』 『mode-風神』


从'ー'从 ワタナベ 精霊
元素 風
装備 白のワンピース
・キレる時はキレる天然
8 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 20:57:20.09 ID:r1IjvYIKO
(゚、゚トソン トソン=ツムラ 人
元素 雷
装備 レイピア トライデント ラウンジの兵服
・毒舌絶壁女

技:迅雷 雷撃 稲妻 磁変 トールの雷
シンクロ 『mode-雷神』


<_プー゚)フ エクスト 精霊
元素 雷
装備 なし
・トソンの精霊。バカ二号


( ><) ビロード=F=ラウナジア 人
元素 ???
装備 ???
王子。詳細不明
技:

(*‘ω‘*) ちんぽっぽ 精霊
元素 ???
装備 ???
ぽっぽ!詳細不明
9 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 20:59:23.42 ID:r1IjvYIKO
夜。
町から少し外れると、そこは魔物が蠢く危険な地となる。


そんな夜道を一人、漆黒の衣装にうっすらと赤黒い染みを作った女が歩いていた。



ハハ ロ -ロ)ハ「この町に来るのも久しぶりね」



銀色に縁取られた眼鏡の奥からは感情の失われた瞳が覗く。
ただ、その色はルビーのように鮮やかな赤色していた。


ハハ ロ -ロ)ハ「ヒートは喜んでくれるかしらね。最高のお土産を用意したけど……」



ハハ ロ -ロ)ハ「ふふふ……」


女は再び歩きだした。
闇に溶ける彼女の後方には、魔物の死骸が折り重ねるようにして置いてあった。
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 21:00:46.26 ID:QLqaui+ZO
久しぶりじゃないか!
11 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:01:10.17 ID:r1IjvYIKO









(,,゚Д゚)は精霊使いのようです


第三話  〜おかえりとただいま〜



すれ違い続けた姉妹
   二人は再会した時、何を思い、何を感じるのか……






* * * * * * * *
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 21:01:17.72 ID:R8w0wVOC0
支援
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 21:02:55.74 ID:QLqaui+ZO
これは支援と小踊りするしかないだろ
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 21:03:27.03 ID:J/TN4GYlO
まっていたぞ
15 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:04:17.39 ID:r1IjvYIKO
〜アラマキ孤児院〜


ノハ*゚〜゚)「ふまぁぁい!」


(´<_` )「口に物入れたまま喋るなー」



いつもより、少し賑やかなアラマキの孤児院。
食卓にはいつもより多くの人間が座っている。
その中にはドクオの姿まであった。

どうしてドクオがここにいるのか。
その経緯を説明しよう。

精霊使いの試験が終わった後、村に歩いて帰ろうとしている途中、
偶然ヒートに遭遇してしまい、半強制的に孤児院に連れてこられた。

あまり気が乗らないまま子供達の相手をしていた所、
帰ってきたオトジャ達に変質者と勘違いされ、酷い目に遭わされる。

誤解はすぐに解けて、まずオトジャ達の謝罪があった。
その後、アニジャと個人的な趣味についての論争が始まり、それは日が暮れるまで続いた。

時間ももう遅いから、一晩泊まって行けと言ったのはアラマキだ。
ドクオは遠慮したが、他の三人もそれを薦めてきたので、
アラマキの厚意を受けることにして、現在に至る。
16 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:06:38.59 ID:r1IjvYIKO
しかし実際ドクオが孤児院に一晩お世話になることにした本当の理由は……



( ´_ゝ`)「ドクオ。俺は今猛烈に感動している」


('A`)「俺もだ、アニジャ。なんせ幼女の素晴らしさをわかってくれる男と出会えたんだからな」


( ´_ゝ`)「……だが、幼女はつるぺたであればこそだと言うのをわかっていないのは残念だがな」


('A`)「ロリ巨乳は男の夢だ。お前が夢を追えない男だったことが俺は悲しい」

  _
( ´_ゝ`)

 _
( 'A`)


ξ#--)ξ「あんたらは食事中に変態トークで盛り上がってんじゃないわよ」



……おそらく、アニジャとの論争の決着がまだついていないからだろう。
17 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:08:18.07 ID:r1IjvYIKO
ノハ*゚听)「隙ありィ!」


(´<_`;)「あっ!俺の肉!」


  _
( ´_ゝ`)

 _
( 'A`)



ξ#゚听)ξ「いつまで睨み合ってんのよ!!」




/ ,' 3「ほっほっほっ。今日は一段と賑やかですね」



アラマキは幸せそうに笑っていた。
ヒートやオトジャ達が出て行ってからは一人で食事することばかりなので、
こんなに大勢で食事するのは随分久しぶりだったからだ。
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 21:09:08.84 ID:QLqaui+ZO
よしこい支援
19 ◆U3QO15uZwZQd :2010/04/10(土) 21:10:20.13 ID:r1IjvYIKO
歳を取って感じるのは寂しさばかり。
アラマキはそんな寂しさを紛らわせるために、この孤児院にずっと残っているのだ。

そうしないと、死ぬまで孤独感に苛まれそうだったから。



アラマキはあまり外に出たがらなかった。
外出するのは食糧が尽きた時と、精霊祭の時だけだ。

年齢も明かそうとしなかった。
オトジャ達も、アラマキが言いたがらないので聞かなかった。


だが、オトジャ達はアラマキの年齢にかなり興味を持っている。

今のアラマキは見た目から判断すると70代くらいに思える。

しかし、オトジャ達がアラマキに拾われた時も、今と変わらない70代の老人の姿をしていたのだ。


いくら小さい頃の記憶が曖昧だとしても、10歳も歳を間違えることはないだろう。

そういう点で、彼らはアラマキに疑問を持っていた。
20酉ミスった ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:12:27.88 ID:r1IjvYIKO
('A`)「ところで、アラマキさんっておいくつなんすか?」



だから、ドクオの質問は彼らに取って、一つの疑問を払拭できるかもしれない好機となった。



/ ,' 3「ほっほっほっ。私みたいな老いぼれの歳なんか知った所で何の得にもなりませんよ」


('A`)「いや……少し気になりまして……」



アラマキは少し困ったような笑顔を浮かべただけで、歳を明かそうとはしなかった。
だが、次のドクオの言葉を聞いた時、アラマキの笑顔が一瞬崩れた。


('A`)「俺の村にモナーって名前の老人がいるんすけど、
その人がちょうどアラマキさんと同じくらいの年齢で……」


/ ,' 3「今なんとおっしゃいました?」
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 21:13:38.88 ID:vwQoCV88O
きたぁぁぁぁああああああ
支援んんぬぅぅ
22 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:14:38.89 ID:r1IjvYIKO
('A`)「へ?あの、アラマキさんと同じ……」


/ ,' 3「その前です!」


ノパ听)「?」


オトジャ達もヒートも、こんなに慌てているアラマキを見るのは初めてだった。
そして、アラマキが食いついたワードは



('A`)「あの、俺の村にいるモナーって名前の老人が……」


/ ,' 3「モナー?彼はまだ生きているんですか?」


(;'A`)「え、えぇ。知り合いっすか?」


/ ,' 3「はい……そんなところです」


『モナー』
ギコの祖父の名前であった。
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 21:15:07.65 ID:BhPnZQXO0
支援
24 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:17:01.50 ID:r1IjvYIKO
アラマキの眉間に深い皺がよる。
どうやら、ただの知り合いというわけではなさそうだ。

もっと、ドロドロとした……憎悪のような念が感じられた。
……少なくともその場にいた全員には。


ノハ;゚听)「アラマキ……?」


ヒートが心配そうにアラマキの名を呼んだ。
その声を聞いて、アラマキがハッと我に帰る。

すると、何も無かったようにいつもの笑顔を浮かべ、言った。


/ ,' 3「ああ、すいません。さぁ、食事を再開しましょう」


それ以上は誰も何も聞かなかった。
ただ、食事が終わるまでの間、アラマキは時折難しい顔をしていた。



* * * * * * * *
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 21:19:01.66 ID:P0dP64zsO
支援
26 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:20:04.55 ID:r1IjvYIKO
(´<_`;)「ふぅ……。これくらい痛めつければもう動かないだろ」

ξ゚听)ξ「そうね」



(#)_ゝ#)(##A##)チーン


床には顔に痣を作った兄者と黒焦げのドクオが転がっている。

なぜ二人がこうなったかというと、まず、ヒートが風呂に入った事から始まった。
ここまで言えば後は想像に難くないとは思うが、とにかく二人で覗きをしようとしたのが悪いのだ。

この二人、さっきまで反発しあっていたのに突然協力しだすのだから驚きだ。


(´<_` )「ところで……」


俺は自分の足元にいる精霊に目を向ける。
小さな体に白いワンピース。
振り向いた時、両サイドでクルクルと巻かれている金髪が揺れた。


(´<_`;)「一撃でドクオを黒焦げにした光線も精霊の力か?」


ξ゚听)ξ「そうよ。光の精霊だからって保守的な力ばかり持ってるわけじゃないんだからね」
27 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:22:54.87 ID:r1IjvYIKO
こんな小さな体であんな攻撃を繰り出すのだから、精霊とはすごい生き物だな。
しかし、自分の主人であるドクオにも躊躇せず光線をぶっ放すあたりは恐ろしいものである。


(´<_`;)「ドクオは大丈夫なのか……?」


ξ--)ξ「大丈夫でしょ。あれでも一応精霊使いなんだし、
あの程度の攻撃で死ぬような奴と一緒にいたくないし」


(´<_`;)「ドライだな……」


他の精霊もこんな性格なのだろうか。
いずれにしてもドクオは少し気の毒だ……。

そんな事を考えながら、近くにあるイスを引き寄せ、腰をかけた。

明日からまた旅に出るんだ。
こうやってゆっくり座っていられるのも今のうちしかない。

旅……。
そういえばこれからヒートはどうするのだろうか。
しばらくはここに残るのだろうか、それともすぐにここを出発するのだろうか。

すぐにここを出ていくとしたら、女一人では少々危険かもしれない。
28 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:25:32.78 ID:r1IjvYIKO
最近、世界の至る所に魔物が増えた。
それだけでなく、悪魔の目撃例もいくつかある。

そんな中、一人で旅をしようだなんて、自殺行為でしかない。



ノハ*゚听)「風呂上がったぞ!」


噂をすれば、というやつだろうか。
正確には噂にしていないのだが。


水に濡れ、艶やかに輝いた赤髪。
猫のような目はパッチリとしていて、瞳の奥には紅玉(ルビー)のような朱い輝きが見える。
頬は上気して、淡く紅に染まり、唇は潤っている。
首は白く、細い。
防具を外し、薄着となっている彼女の胸元からは鎖骨が覗き、
その下では程よく成長した胸が強張されている。
腰、尻、脚と美しいラインを描き―――



ノパ听)「オトジャ?」


(´<_` )「……ん?ああ、わかった」
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 21:27:17.55 ID:oj5qMs7TO
厨二と稚拙は違うよね?
もしかして俺の認識が間違ってたのかな?
30 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:28:02.38 ID:r1IjvYIKO
しまった。
見とれてしまっていた。

慌ててヒートから視線を外す。
ヒートは不思議そうに首を傾げていた。


ノハ--)「ふぁ……あ……。今日はもう寝ようかな」


(´<_` )「あ、ああ。そうか」


手を口に当てて、ヒートが大きなあくびを一つ。
その姿には先ほど感じた色気なんて微塵も感じられなかった。


さっきの感情は一体何だったのだろうか。
自分の部屋へと向かうヒートの背中を見ながら考える。

今まで、ヒートとずっと一緒にいた時は感じることのなかった不思議な感情。



(´<_` )(ああそうか。今まで一緒にいる時間が長すぎたんだな)
31>>29稚拙なのは文章 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:30:42.19 ID:r1IjvYIKO
兄妹みたいなものだった。
だから互いを『男』と『女』として見たことが無かったんだ。



(´<_` )(ヒートも女なんだよな……)



自分の妹を愛する兄はいるとしても、
妹に恋愛感情を持つ兄はいないだろう。
自分もその一人だったのだ。













今まで、は。
32 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:32:19.26 ID:r1IjvYIKO
(#)_ゝ#)ピクッ…


ξ゚听)ξ「あら、気がついたみたいよ」


(#)_ゝ#)ドクオ…ドクオ…。ヒーニャンガフロカラデタラシイゾ


(##A##)ピクッ


(##A##)ナンダト…デハ、イマヨクソウノナカニハ…


(´<_` )「……さて、風呂入っt」

≡≡(*´_ゝ`)(*'A`)「「お風呂いってきまーーす!!」」


(´<_`;)「おおぅ!?」


ξ;゚听)ξ「なんて回復力かしら……」
33 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:34:52.28 ID:r1IjvYIKO
<よっしゃー!探せ探せー!

<見つかるかなぁ……やっぱり下の毛も髪の毛と同じ色だよね

<わからん!だが毛が見つからなくても今晩の燃料にはなるぞ!

<どういう意味だ……?

<毛が見つから無ければ……ヒーにゃんのアソコがツルツルの可能性が出てくるじゃあないか!!

<うひょー!!みwwなwwwぎwwっwwてwwwきwwた



ξ゚听)ξ(´<_` )「「……」」


(´<_` )「ツン。頼んだ」


ξ゚听)ξ「えぇ」




<あ、ツン……。え?ちょ、何するやm
34 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:36:59.29 ID:r1IjvYIKO
* * * * * * * *

〜アラマキ孤児院 ヒートの部屋 深夜〜


ノパ听)「……」


今夜は月が綺麗だ。
ギコ達は今ごろ何をしてるのかな。
ギコ達もこの月を見ているのかな。


ノパ听)「ハインは何をしてるんだろう……」


ハインが精霊界へ行ってしまってから、随分経つ。


私は怖いんだ。
このままずっとハインと会えないんじゃないか、
ハインは私の事なんか忘れているんじゃないかって。

ここに来るまでの道の中、夜になる度こんなことばかり考えていた。
悲しくて哀しくて、泣いた日もあった。
35 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:39:05.91 ID:r1IjvYIKO
ハインはいつ帰ってくるのだろう。
どうすれば、また会えるのだろう。


ノパ听)「ハイン……」


また泣きそうになってしまう。
夜になると、いつも独りぼっちだから。

涙が零れないようにもう一度空を見上げた。
まるで私の心の様子を表すように、雲が月を隠してしまった。



《コンコン》

「ちょっといいかしら」


ノハぅ听)「ぇあっ」


突然の来客。
もう夜も遅いというのに誰だろう。

慌てて涙を拭い、ドアを開ける。
そこには酷く疲れた表情のツンがいた。
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 21:41:15.41 ID:UUL6cfh40
VIPでやんな死ね
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 21:41:53.83 ID:4a8TsBh/0
しえん
38 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:41:54.47 ID:r1IjvYIKO
ξ;--)ξ「助かったわ……あなたがいて……」


ノパ听)「どうしたんだー?」


ξ;゚听)ξ「馬鹿二人が羽目を外しちゃって……身の危険を感じたから逃げてきたのよ」



馬鹿二人というのは多分アニジャとドクオの事だろう。

……アニジャならやりかねない、かな。


ノパ听)「じゃあ今晩はこの部屋で寝るといいぞ!」


ξ;--)ξ「恩に着るわ」


トテトテと、小さな歩幅でツンが部屋の中に入って来た。
その姿がハインとダブって見える。


なにかが胸の奥から込み上げて来るのを感じた。
39 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:43:51.73 ID:r1IjvYIKO
ξ゚听)ξ「……突然お邪魔しておいて、こんなこと言うのもなんだけど」


部屋の真ん中まで歩いて行ったツンが足を止めて呟いた。
澄んだ黒い瞳が真っ直ぐ私を見つめている。


ξ゚听)ξ「泣いてたの?悲しい感情が渦巻いてるわよ、この部屋」


ノハ;゚听)「へ……?」


ξ゚听)ξ「今も、あなたの体から悲しみの匂いがプンプンするわ」


ノハ;゚听)「馬鹿な!風呂に入ったのに!」


ξ;--)ξ「そういう匂いとは違うに決まってるでしょう……」


ノハ;゚听)「どういうことだ?」
40 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:45:41.05 ID:r1IjvYIKO
ξ゚听)ξ「アタシ達光の精霊は、人が発する感情の匂いがわかるのよ」


ξ゚听)ξ「喜び……怒り……哀しみ……憎しみ……。
感情にはそれぞれ匂いがあって、それを感じ取る事ができるの」


ノハ*゚听)「光の精霊ってすげーな!」


ξ゚听)ξ「ありがとう。……で?この部屋に残る悲しみについてだけど……
アタシでよければ相談相手になるわよ?」


ノハ;゚听)「あぅ……それは……」


ξ--)ξ「……精霊についての悩みなら、精霊に聞いたほうが早いと思うんだけど?」


ノハ;゚听)「なっ……、私の考えてた事までわかるのか!?」


ξ゚听)ξ「まぁね」(本当はあなたの今の状況から推理しただけだけどね)
41 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:47:24.80 ID:r1IjvYIKO
ノパ听)「そう……か……」



まさか出会ったばかりの精霊に、こんなことを話すことになるなんて思わなかった。

でも正直な所、誰かに話を聞いてもらいたいという気持ちはあったはずだ。

話を聞いてもらって……私はどうすればいいのかを教えてもらいたかったんだ。



私は全部ツンに話した。
ハインの事、仲間の事、旅の事、悪魔と戦った事、ハインを怒らせた事。

包み隠さずに話した。


ツンもそれを真剣な表情で聞いてくれた。



ξ--)ξ「なるほど……、ね」
42 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:50:00.20 ID:r1IjvYIKO
ξ゚听)ξ「アタシ達精霊と、あなた達人間の考え方の相違ね」


ノハ;゚听)「そ、そぉい?」


ξ゚听)ξ「お互いの関係についての考え方が違うってこと」


ノパ听)「私とハインの関係?」


ξ゚听)ξ「そう。あなた達の関係」


ノパ听)「ハインは私にとって家族みたいなもんだぞ!」


ξ--)ξ「……」



ツンが黙り込んでしまった。
私は何か間違った事を言ってしまったのだろうか。
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 21:52:48.09 ID:cq0EPx3zO
そぉい!!
44 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:52:49.04 ID:r1IjvYIKO
ノハ;゚听)「そんな……。で、でも私とハインは全然違うぞ!身長も、性格も……」


ξ;--)ξ「当たり前よ。あなたはアタシとあの馬鹿男を同一視してるの?」


ノハ;゚听)「そ、そうか……。ツンとドクオは全然違うもんな……。
じゃあ、なんで同じって言えるんだ?」


ξ゚听)ξ「心の根っこ、1番深いところが同じなのよ。
その人の本当の心がね……」



本当の心……。
私は、寂しがり屋で弱虫で……

ハインとは全然違う。
ハインはもっと強い心を持ってるんだ。
一人でも生きていける強い心を……


ノハ; )「じゃあ……ハインは私の精霊じゃないかもしれない……」
45ミスった>>42と>>44の間にこれを…… ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:54:22.37 ID:r1IjvYIKO
ノハ;゚听)「ツン……?」


ξ--)ξ「……ヒート。家族っていうのは血の繋がっている『他人』なのよ。
少なくとも、アタシ達精霊はそう思ってる」


ノパ听)「じゃあ……相棒?仲間?」


ξ゚听)ξ「それも絆で繋がっている『他人』よ。ヒート」


ノハ;゚听)「?」



家族でもない。
相棒でも、仲間ですらない。

一体私達はどんな関係だというのだろうか。


ξ゚听)ξ「人と精霊は平行世界に存在する同一の個体同士が契約することができるの」


ノハ;゚听)「同一の……?じゃあ私はハインでハインは私なのか!?」


ξ゚听)ξ「そういうこと」
46 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:56:53.46 ID:r1IjvYIKO
ξ;゚听)ξ「は?」


ノハ; )「ハインは私みたいな弱虫じゃない……。
もっと、強い心を持ってるんだ……だから……」



本当はこんな事有り得ないって思ってる。
ハインは誰が何と言おうと私の精霊なんだ。

でも……もしかしたら、

そのもしかしたらが私の心の中をグルグルと回って、
心の奥にあるモヤモヤした塊を大きくする。



ξ゚听)ξ「そんなことあるわけないでしょ」


ツンが私の傍まで来てそう言った。

わかってる。
わかってるんだけど……。
47 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 21:59:27.72 ID:r1IjvYIKO
ξ゚听)ξ「もっと自信を持ちなさい。あなたはれっきとした精霊使いなんだから」


ノハ )「……でも、私は自分の精霊に嫌われるようなことをしたんだ。
精霊使いとして最低だ……」


ネガティブな考えが心の奥からどんどん溢れてきて止まらない。
自分の心がどんどん黒に染まっていくような錯覚に襲われる。


ξ#゚听)ξ「あなたは悪くないわよ!その程度の事で怒って帰っちゃう奴がいけないのよ!
もし帰ってきたら私が一発ぶん殴ってやるわ!」


ノハ;゚听)「それはやめて欲しいぞ……」


ξ#゚听)ξ「とにかく、あなたにほとんど非はないんだからいつまでもウジウジしてるんじゃないの!」


ノハ;゚听)「ご、ごめんなさい……」


ξ゚听)ξ「よろしい」
48 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:02:13.57 ID:r1IjvYIKO
……なんで怒られたんだろう。
理由はちょっとわからない。

でもそのおかげで少しネガティブな気分が晴れた気がする。

私がこんな状態だったら……ハインも嫌だよね。


ノパ听)「ツン」


ξ゚听)ξ「なに?」


ノパー゚)「ありがとう」


ξ*゚听)ξ「な、何言い出すのよ。私は別に何も……」


ノパー゚)


ξ*--)ξ、「わ、私は寝るわよ!おやすみっ!」
49 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:04:58.96 ID:r1IjvYIKO
そうだ。
いつまでもウジウジしていたらいけないんだ。

間違いなく、ハインは私の精霊……


私自身なんだ。


ならハインだって私に会いたくてたまらないはずだ。
私はハインに会いたくてたまらないのだから。


ノパ听)(ハインは絶対帰ってくる。帰ってきたら……『おかえり』って言ってあげよう)


ノハ--)(ハイン……私は待ってるぞ……)


窓から空を見てみると月が黒雲に隠されていく様子が伺えた。
でも時間が経てばそのうち雲が晴れて、また月は顔を出すのだ。

必ず、顔を出すのだ。



* * * * * * * *
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 22:07:19.21 ID:4a8TsBh/0
しえん
51 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:07:27.83 ID:r1IjvYIKO
〜精霊界 火の山〜


从 ゚∀从「……」

  _
( ゚∀゚)「よう、ハイン。また黄昏れてんのか?
空なんか見ててもなんも面白くないだろ」


从 ゚∀从「うるせー」



精霊界、火の山の中腹。
ハインは空を見上げていた。

精霊界の空には雲も星もない。
夜なら月が、昼なら太陽が一つだけ浮かんでいるだけだ。


从 ゚∀从「……」

  _
( ゚∀゚)「……なぁ、ハイン」

从 ゚∀从「なんだよ」
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 22:08:00.69 ID:ZGMTqRscO
久しぶりだなwww
53 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:09:44.55 ID:r1IjvYIKO
  _
( ゚∀゚)「おっぱい揉ませて?」




从 ゚∀从「何か言ったか?」

  _
(#)∀゚)「……いえ」


いつも通りの、他愛のないやり取りを行う二人。
しかしこんな『いつも通り』の中にも、どこか寂しさが介在していた。


その寂しさの原因は自分であると、ハインはよく分かっている。
分かってはいるのだが、寂しさを取り除くための道に歩みだすことが出来ずにいた。


从 ゚∀从(……ヒート)


別れてから一体どれだけ経っただろうか。
ハインには最後にヒートの顔を見たのが随分昔のように感じられていた。
54 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:12:05.87 ID:r1IjvYIKO
そう、遠い遠い昔の事のように感じられているのだ。


それなのに、ハインの心の中ではヒートの明るい表情があちこちで大きな存在感を示していた。



  _
( ゚∀゚)「ハイン……いい加減、人間界に戻ったらどうだ?」


从 ゚∀从「んー……」

  _
( -∀-)「……」


ジョルジュが小さくため息をついた。

それもそうだ。
今までジョルジュは何度も何度もこのセリフをハインに言うが、
ハインはその度に生返事をするだけ。

そこから先に進むことなんかないのだ。
55 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:14:33.56 ID:r1IjvYIKO
  _
( ゚∀゚)「……ヒートが悲しむぜ?」


从 ゚∀从「……」


ジョルジュの言葉にハインが表情を曇らせた。

その理由には、ヒートを悲しませているかもしれないという気持ちがある。
だが、それよりもヒートはとうに自分の事を忘れていて、
悲しんでいるなんてことはないのではないだろうかという不安の方が大きかった。


少し俯いて、返事をしないハインにジョルジュがさらに声をかける。


  _
( ゚∀゚)「いい加減、戻ってやれよ……ヒートのためにも、お前自身のためにも」


いつもならここでハインはまた生返事を返すだけなのだろう。

しかし、今日は少し違った。
56 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:17:59.38 ID:r1IjvYIKO
从 ∀从「……てめぇは人の気持ちも知らないで……」

  _
(;゚∀゚)「ハイン……?」


ジョルジュに悪態をつくハイン。
強く握りしめた拳はプルプルと震えている。



从 ∀从「……わかるわけねぇか。人間と契約してないお前にはな……」


その言葉の後、二人は何も言わなくなった。
ハインは俯いたまま下唇を噛んでいる。
ジョルジュはそんなハインになんて言葉をかければいいか思い付かなかった。


しばらくしてようやくハインが口を開いた。





从 ∀从「……怖いんだよ。ヒートが俺の事を忘れてるんじゃないかって……」
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 22:19:42.66 ID:vwQoCV88O
ん…?
これ何話目?
58>>57二章の三話です。詳しくはまとめさん参照のこと ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:21:17.91 ID:r1IjvYIKO
  _
( ゚∀゚)「……それ、本気で言ってんのか?」


ジョルジュの声のトーンが下がった。
ハインは拳に更に力を込め、強く握る。
そして、振り返ってジョルジュに怒鳴った。


从# ∀从「本気だよ!怖いんだよ!ヒートに忘れられてたらって思うと……どうしようもなく怖いんだよ!!」


ハインが今まで隠し続けてきた不安。
初めてその全てをジョルジュに打ち明けた。

溜まりに溜まった不安は留まる事を知らず、逆ギレという形でハインの口から溢れ出る。
ジョルジュはハインの心から溢れ出た不安を、その場で全て受け止めた。


ようやくハインの言葉が止まった時、場に再び静寂が訪れた。


  _
( ゚∀゚)「……なんだそれ」


二度目の静寂を破ったのはジョルジュだ。
ハインに一歩、二歩と歩み寄り、ハインの胸倉を掴む。
59 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:24:24.85 ID:r1IjvYIKO
从#゚∀从「な……っにすんだよ!」


ハインがジョルジュの手を撥ね除けようとするが、
ハインを掴むジョルジュの右手に篭った力は並々ならぬ物だった。
強く叩いても、両手で引っ張っても動かない。


  _
(#゚∀゚)「お前……、甘えてんじゃねーぞ」


从#゚∀从「なんだよ!」

  _
(#゚∀゚)「忘れられてたら嫌だから帰れない……?笑わせんな!!」


从#゚∀从「うるせぇ!!お前に俺の気持ちがわかってたまるか!!」

  _
(#゚∀゚)「お前の気持ちなんかどうでもいいんだよ!!俺が言いたいのはなぁ!!」


ジョルジュがハインから手を離し、一歩下がって深呼吸をする。

両の目はハインを睨みつけたままだ。
60 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:26:29.01 ID:r1IjvYIKO
  _
(#゚∀゚)「お前は……ヒートの事を信用出来ないのかよ……!」


从#゚∀从「はぁっ!?」


静かに、
それでいて一言一言に重い何かを乗せてジョルジュは言葉を続ける。


  _
(#゚∀゚)「忘れられてたらどうしよう?
お前はヒートがたったこれだけの時間でお前の事を忘れてしまうような奴だと思ってるのか?」


从#゚∀从「そんなことねぇよ!!ただ……もしもの事を考えると……」

  _
(#゚∀゚)「本当に信用してるのなら『もしも』なんて存在しねぇだろうが!!」


从;゚∀从「っ……」
61 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:28:43.21 ID:r1IjvYIKO
言い返せない。
ジョルジュの言葉がハインの心に深く突き刺さる。


本当に信用してるのなら『もしも』なんて存在しない。


从 ∀从(……まったく。その通りだぜ)


ヒートの事は信用してる。
じゃあ何故自分はヒートの所に戻りたくないのか。


  _
(#゚∀゚)「お前は、ヒートに自分の弱い部分を見せるのが嫌なだけだろうが!!」


从 ∀从(……ああ、きっとそうだ)


自分は弱い存在だから、誰かに弱い部分を見せるのが嫌だった。

あの時もそうだ。
ヒートが一人でキマイラを倒した時。

おいてけぼりにされたのが嫌だったんじゃない。
ヒートを心配して、安心して、泣きそうになって、
そんな自分の弱い部分をヒートに見せたくなかったのだ。
62 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:30:37.35 ID:r1IjvYIKO
三度目の静寂。
ハインの心の中では様々な思惟が混ざりあっていたが、
それでいて頭の中はスッキリしていた。

  _
( ゚∀゚)「……いいじゃないか。弱くたって」


ジョルジュが落ち着いた声でハインに言う。



从 ∀从「プライドの問題さ……。笑いたきゃ笑えよ」

  _
( ゚∀゚)「プライド……ねぇ」

  _
( ゚∀゚)「プライドを持つことは大事さ。
でもよ、プライドの鎧でガチガチに固めすぎるってのはあまりいいとは思えない」

  _
( ゚∀゚)「特に俺やヒートの前では、な」


優しく、諭すようにジョルジュが言葉を紡いでいく。
そこにはもう先ほどの迫力は微塵も感じられなかった。
63 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:32:56.46 ID:r1IjvYIKO
  _
( ^∀^)「そういうもんだろ?仲間って」


笑顔でジョルジュがそう言う。
ハインにはジョルジュのこんな顔を見るのは随分久しぶりのように思えた。
同時に、少しの勇気をもらえた気がした。


从 ゚∀从(……帰ろう)


帰ろう、自分の居場所に。
ようやく決意したハインの姿を見て、ジョルジュもほっとため息をついた。



从 ゚∀从「なぁ……ジョルジュ」


  _
( ゚∀゚)「ん?」


从 ゚∀从「ヒートに会ったら、なんて言えばいいかな」
64 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:35:24.05 ID:r1IjvYIKO
  _
( ゚∀゚)「そうだな……」


  _
( ゚∀゚)「『ただいま』って言えばいいんじゃないか?」



从;゚∀从「えらく簡単だな……久しぶりに会うことになるのに……」

  _
( ゚∀゚)「だけど、それで十分なはずさ」


从 ゚∀从「……そうか。そうだよな」


『ただいま』だけで十分に自分の言葉が通じる気がした。
ヒートなら、きっと『おかえり』と言ってくれるはずだ。


从 ゚∀从「じゃあ……」
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 22:37:28.49 ID:JKqiEVVbO
久しぶりだ!ひゃっほい支援
66 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:37:33.33 ID:r1IjvYIKO



ハインがジョルジュに別れの言葉を告げようとした時だった。



(;火)「ジョルジュさん!!大変です!!」

  _
( ゚∀゚)「なんだ?突然」


(;火)「最近動きのおかしかった悪魔達が……大軍勢で人間界に攻め入っています!!」

  _
(;゚∀゚)「なんだと!?」


从;゚∀从「!」


(;火)「人間界の各地で大規模な戦いが起こっていて、
人間界に行っていた多くの精霊が瀕死の重傷で精霊界に強制送還されています!」


从;゚∀从(ヒート!)
67 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:39:42.14 ID:r1IjvYIKO
  _
(;゚∀゚)「ちぃ……。あいつら、とうとう動き出しやがったか……!」

  _
(;゚∀゚)「ハイン!お前は急いでヒートの所に行ってやれ!」


从;゚∀从「わかった!」


ハインが駆け出す。
ヒートが今のところ無事だというのはハインにはわかっていたが、
いつ危険な事に巻き込まれるかはわからない。

精霊界から人間界に行くのには不規則に時間がかかる。
精霊界には『次元の穴』という場所がいくつかあり、そこを通って人間界に行くのだが、
『次元の穴』の内部では時間の流れがおかしくなる。

時間の流れは遅くなる時もあれば、早くなる場合もあるので、人間界に着くのにどれくらい時間がかかるかわからないのだ。


从;゚∀从(ごめんな……ごめんなヒート……。俺がもっと早くお前のとこに戻っていれば……!)


幼なじみとの別れも落ち着いてできずに、ハインは『次元の穴』へと駆け出した。
ヒートに『ただいま』と言うために。
68 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:41:23.23 ID:r1IjvYIKO
* * * * * * * *

〜人間界 アラマキ孤児院 朝〜


('A`)「お世話になりました」


/ ,' 3「ほっほっ。またいつでも来て下さい」


孤児院の入口では、アラマキがドクオとアニジャとオトジャの見送りをしていた。
ヒートは朝早くに自分の家へと向かったため、その場にはいなかった。


( ´_ゝ`)「一人で大丈夫なのか?」


(´<_` )「なんなら俺達がもう少しここに残ってやってもいいが……」


/ ,' 3「心配は無用です。これでもまだまだ現役なつもりですから」


( ´_ゝ`)「棺桶に片足突っ込んだジジイが何を生意気な事を」

(´<_`;)「バカ!」
69 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:44:07.24 ID:r1IjvYIKO
刹那、アラマキの姿が消える。
それとほぼ同時にアニジャの身体が宙を舞った。

すると先ほど姿を消したアラマキがアニジャより少し高い位置に現れ、
回転を利用した踵を落としをアニジャの鳩尾目掛けて繰り出す。

空中じゃガードすることもままならず、アラマキの踵落としをモロに受け、ものすごいスピードで地面にたたき付けられた。



(;li _ゝ )「ぐぼぁっ!?」


(´<_`;)「学習しない奴……」


/ ,' 3「ほっほっほっ。これで安心できましたか?」


(;li _ゝ )「……はい」


(;'A`)(えー……)


ξ;゚听)ξ(す……すごいわね、このおじいさん……)
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 22:44:48.12 ID:WcOE6gURO
久しぶり
71 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:46:13.95 ID:r1IjvYIKO
/ ,' 3「あなたたちは自分のやりたい事をやって来ていいんです。
子供達の事は私に任せて下さい」


(´<_` )「いや、俺達はアンタの身を……」


( ・`ー・´)「大丈夫大丈夫。俺がいるから」


( ・`ー・´) +キリッ


(´<_` )(うぜぇ……)


( ´_ゝ`)「ガキがでしゃばるな」


( ・`д・´)「ガキじゃねーし。俺もう15だし」




('A`)(ガキじゃねーか……)


ξ゚听)ξ(ガキね……)
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 22:46:44.63 ID:2HA713s6O
久しぶり
渡辺さんキレたことなんてあったっけ?
73 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:48:54.74 ID:r1IjvYIKO
/ ,' 3「ほっほっ。この通り頼もしい子もいますし」


( ・`д・´)「だから子供じゃねーって言ってるだろ?」


(´<_` )「……そうか。でも、何かあったらすぐに連絡を寄越せよ。あと、まさし黙れ」


( ´_ゝ`)「そうだぞ。最近この辺りでも魔物の目撃情報が相次いでるんだ。
あんたみたいな年寄りなんか一ひねりだからな」


/ ,' 3「……ええ、ありがとうございます」



('A`)(なんだかんだ言ってアニジャもアラマキさんの事心配してるんだな……)

ξ゚听)ξ(素直じゃないわね)


('A`)(お前がゆうな)

ξ゚听)ξ(ごめん)
74>>72一回クーのせいで…… ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:50:15.09 ID:r1IjvYIKO
(´<_` )「じゃあ……俺達は行くぞ。じゃあな、ドクオ」


( ´_ゝ`)「またいつか会おう友よ」


('A`)「ああ。……じゃあな」



別れの挨拶を済ませ、それぞれの道へ別れていく。

オトジャ達は再び冒険者として。
ドクオは新たな道を探すために。

この場にはいないヒートは、自分の過去と向き合うために。


そして、この男も……



/ ,' 3「……さて、私も出掛けねばなりますまいな」


( ・`д・´)「えっ?アラマキもどこか行くのか?」
75 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:52:28.98 ID:r1IjvYIKO
/ ,' 3「えぇ。留守番は頼みましたよ」


にっこりと笑って、アラマキがまさしの頭を撫でた。
生気のない、カサカサした手だった。



( ・`ー・´)「おう!留守番は任せておけ!」



彼はまだ幼かったから気づかなかったのだろう。

自分の頭を撫で、笑みを浮かべている老人がもうここに帰ってくるつもりがないということを。



/ ,' 3「じゃあ、行って来ますね」


( ・`ー・´)「いってらっしゃい!早く帰って来てな!」


/ ,' 3「はいはい。わかってますよ」
76 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:54:43.74 ID:r1IjvYIKO
老人は笑顔で自分を見送る子供に言葉を返す。

子供はその笑顔の中の悲しさに気づかず手を振り返す。




/ ,' 3(モナー……。奴は必ず私が倒します。この私の命に換えてでも……!)



老人は死地へと歩く。
遠い昔の因縁を解消するために。




丁度その頃、サロン国の城周辺で悪魔の目撃情報があったという。



〜続く〜
77 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 22:57:33.88 ID:r1IjvYIKO
終わり終わりー……


本当は一話に纏める予定だったのだけど……
二回も書き溜め消えたらテンション下がりますよね……

一応質問あればどうぞ
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 23:01:03.16 ID:5uw165IPO
乙、おかえり

まとめ休止っぽいな
引き取り手探さないとな






あと、勉強がんばれよwwwwww
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 23:01:15.29 ID:QLqaui+ZO
話以外の質問は大丈夫なのかい?
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 23:03:11.30 ID:XzZM5SCCO
終わってた 乙
81 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 23:03:52.84 ID:r1IjvYIKO
>>78
フェスティバロスさんは休止なんでしょうか……?
勉強は頑張ります……

>>79
VIPではまずいのでは……
受験の結果ならブログに書いてありますが
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 23:05:14.90 ID:QLqaui+ZO
ブログやってんのか
まあいいや、ききたかったのはそれさ
どうやら…そうか…って感じよね

83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/10(土) 23:09:44.19 ID:JKqiEVVbO
乙!

次の投下はいつ頃?
84 ◆4br39AOU.g :2010/04/10(土) 23:11:48.84 ID:r1IjvYIKO
>>83
一週間以内に投下できたらいいかなと思ってます
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします

( ・`ー・´)←コイツ既視感あるけど誰だっけ