('A`)ドクオはBrigade Projectにカラサワをぶち込むようです
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :
2010/04/02(金) 03:03:54.04 ID:Yl3zxaUl0 立て
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:04:33.13 ID:6ZOVBWex0
krsw
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:07:55.07 ID:Yl3zxaUl0
地球規模の大規模な災害から数百年後、人類は「レイヤード」と呼ばれる巨大地下都市の中で「管理者」と呼ばれる存在の元復興を遂げていた。 企業間の抗争すら管理者の掌の中ともいわれる状況の中、唯一自由であった存在が、レイヴンであった。 “レイヴン” 彼らは“アーマード・コア”通称ACと呼ばれる全長約10mの人型汎用戦闘兵器に乗り込み、 企業や管理組織、時にはテロ集団からの依頼を受けて幾多の戦場を駆る傭兵達の総称である。 管理者が破壊されてから数年。 人類は企業の提唱した「Brigade Project」(地上開発プロジェクト)によって新しい世界の発見を急ぐとともに、地上の開発計画を行っていた。 その過程で、ある未踏査地区の調査中、調査部隊が謎の機体と衛星砲の攻撃によって全滅するという事態が多発し、 以後、その区域はサイレントラインと呼ばれることとなった。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:08:46.77 ID:Yl3zxaUl0
だが、時代の折り目に天才は現れる。 ある伝説的レイヴンの活躍によって、一人の科学者の願いと共にその危機も葬られた。 時は流れ、10年の歳月の中でかつてサイレントラインと呼ばれていた未踏査地区も、新資源発掘区域とその呼称を変える。 そして拮抗する三企業は、貪るように、旧世界の技術を飲み込んでいった・・・ 人類は滅びの遺産を飲み下して、何処へ向かおうとしているのだろうか。 ('A`)ドクオはBrigade Projectにカラサワをぶち込むようです
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:10:34.84 ID:Yl3zxaUl0
「レイヤード」北工業地区、大手三大企業が一角「キサラギ」その下請け小企業【VIP重工】。 その工場内部を一機、灰色の中量級二脚ACが駆け回っていた。 『右方向。熱源反応多数、ミサイル接近』 CPUからの合成音による警告が告げられる。 レーダーには計6発の小型ミサイルが急速に反応を近づけているのが伺えた。 「ん」 ACは高速機動を保ったまま、右にやや旋回し迎え撃つようにその機体を正面に向ける。 肩側面と胸の中央に備えられたミサイル迎撃装置がすぐさま迫る2つのミサイルを迎撃する。 「よいせ」 ピッピッピッ、電子音と共にロックオンサイトに高速で4機のミサイルがロックされた。 右腕に携えられたライフルが連射され、巨大な薬莢がガラガラと強化コンクリートの床に散乱し、 それと共に連続した爆発音が響く。立ちこめる粉塵を引き裂くように現れた一機の小型ミサイルがACの右肩に被弾し小爆発が起きた。 右肩から煙りを燻らせながらACは一度急旋回して速度を殺し、停止した。 『すごいなドクオ、午前の分と合わせても計7割の迎撃率だ』
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:15:07.60 ID:Yl3zxaUl0
今度はCPUからの合成音ではなく、耳元のインカムからの通信が入った。 (;'A`)「いや主任、このFCSが凄すぎるんですよ。やっぱりロックオン速度が尋常じゃなく速いです」 FCS とはFire Control System(火器管制装置)の略称だ。 その名の通り、ACやMTが銃器やブレードなどの火器類を運用するために必要不可欠な装備であり、 【VIP重工】が兼ねてから開発に力を入れている分野でもある。 『そうかそうか!』 音声からだけでもマイクの向こうで主任が上機嫌に頷いているのが分かった 。 『次は模擬戦だ。ミルナ君が搭乗したビショップを出す、それを撃破してくれ』 ('A`)「りょ、了解」 間もなくして演習場の耐火シャッターが開かれ、逆脚二脚の上にガトリング砲とミサイルポッドを搭載した旧式MT【ビショップ】が現れる。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:19:28.26 ID:Yl3zxaUl0
『システム戦闘モードに移行します』 COMの戦闘モードが立ち上がる。 『準備はいいかドクオ』 ミルナからの通信だ。 (;'A`)「はい」 『そうか、なら』 舌を噛まないように気を付けておけ! 通信が切られるや否やバックブーストで跳躍後退したビショップから雪崩のようなミサイルの雨が降り注がれた。 (;'A`)「うおおおおおおおおおおおぉっ!なんじゃこりゃあああああああっ!」 Act01 –システム起動- 『防御力低下。テストモードを終了します』
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:23:47.48 ID:Yl3zxaUl0
【VIP重工演習区画、休憩所】 (;'A`) フイー VIP重工のロゴの入ったパイロットスーツを着込んだ細身の青年。 彼の名はドクオ・ウッダシェルノゥ。 今年で20歳を迎えるVIP重工の若きテストパイロット社員だ。 男にしては少し長い黒髪を後頭部で縛り付け、疲れた顔で煙草に火を付けている。 (;'A`) y━・ スゥ ( 'A`) y━・~ プハー (*'∀`) ニコヤカー ちなみに童貞である。 ( ゚д゚ )「きめえwww」 ('∀`) ('A`)「なんだオッサンかよ」 (;゚д゚ )「しかし、そこまで笑顔が気色悪いと俺も心配になってくるぞドクオ」 ('A`) カノジョ?ナニソレオイシイノ? (;゚д゚ )「いや、どちらかというと顔面がイレギュラー過ぎて排除される恐れがだな・・・」 (;'A`)!「そこまで!?」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:26:31.10 ID:6ZOVBWex0
支援
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:27:06.90 ID:Yl3zxaUl0
( ゚д゚ )「クックック、冗談だ」 喉を鳴らして笑うこの男の名はミルナ・クウォッジ。 ドクオと同じくロゴの入ったパイロットスーツを着ている。 年齢は30代半ばといったところか、もっともミルナ本人がそのあたりハッキリとしないでいるので正確な年齢は定かではない。 特徴的な赤い三白眼に仏頂面。撫でつけた黒髪にはちらほらと白髪が混じっている。 ミルナもまたVIP重工のテストパイロットである。 しかしドクオがACのテスターであるのに対し、ミルナはMT専門のテスターである。 MTとはマッスル・トレーサー(Muscle Tracer)の略称であり、大手三大企業の2社ミラージュとクレスト・インダストリアルが共同で開発した汎用作業機械の俗称だ。 レイヤードの歴史の中で軍事用としてのMT需要が普及し、そこからより汎用性を重視したパーツの換装というコンセプト(コア思想)が生まれた。 それが旧世界の技術と融合し現代としてはほぼ最強の人型汎用戦闘兵器アーマード・コアが生み出される。 つまりMTとはある種ACの母体というべき兵器なのである。
11 :
>>9 アザス :2010/04/02(金) 03:31:36.97 ID:Yl3zxaUl0
( ゚д゚ )「それで、新型FCSはどうだった?」 ('A`)「んー、少なくともAC仕様は難しいかな」 ( ゚д゚ )「そうなのか?先日までは特に問題はなさそうだったが」 ('A`) y━・~「模擬戦がなぁ・・・」 (;゚д゚ )「模擬戦?あ・・・」 個々の戦闘能力ではACに為す術のないMTだが、ACに比べコストパフォーマンスに優れ、企業やテロ集団の主力として用いられている。 またMTのバリエーションは廉価モデルから高級モデル陸海空と多岐に渡り、ある意味では開発に縛りのあるACと異なり、MTはその性能を先鋭化させやすい。 そのため一部のMTは限定的にACを凌駕する性能を誇る場合がある、のだが (;゚д゚ )「また、やり過ぎてしまったか?」 そう、ミルナが駆っていたビショップは型落ち寸前の旧式MTなのだ。例えドクオのACの装備が低火力のライフルだけだったとしてもACを単機で撃破するなど本来ありえない事だ。 MT単機に撃破されるACの評価など考えるべくもない。 ('A`)「いや違う違う、安心しろよオッサン。単にFCSに問題があったってだけの話しだよ」 (;゚д゚ )「なんだそうか」 そしてそれはひとえに、このミルナという男のあまりにも並はずれた技量を意味していた。 ミルナもそれを聞いて安心したのか、ポケットから煙草を取り出してライターに火を付けた。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:38:22.61 ID:Yl3zxaUl0
('A`) y━・~「オッサンが出るってだけで最近は主任も対AC戦あたりを視野に入れてるって」 ( ゚д゚ )y━・~「ふう・・・そうか、で、何が問題だったんだ?」 ('A`)「ああロックオン機能が敏感過ぎんだよアレ、ミサイルで弾幕張られるとチラチラ火器の自動標準が引っ張られて敵機本体への射撃の邪魔になるんだよ。 機能特化した護衛MTへの配備なら良いかも分からんけどACにはちょっと向かなそうだな」 ( ゚д゚ ) y━・~「ロックの優先順位を固めてみるのはどうだ?」 ('A`) y━・~「固めるとAIに若干のタイムラグが出るだろ?そうすると緩急入り乱れた実戦で、あのミサイルロックがスムーズに機能すんのは、やっぱ難しいだろうなぁ」 その場合はミサイルのみの迎撃でも今の状態を維持するのは困難な事にドクオは思えた。 ( -д- ) y━・~「なるほどな、開発とは奥が深いものだな」 ('∀`) y━・~「ハハッまったくだよな」 そう言ってドクオは休憩室のミラージュ製液晶テレビのスイッチを入れた。 『この番組はグローバルコーテックスと、ご覧の各社の提供でお送りします』 ('A`)「お!今始まるとこかラッキ!」 画面にはレイヴン統括企業グローバルコーテックスの主催するアリーナが映し出されている。 ( ゚д゚ )「・・・アリーナか、お前も好きだな」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:39:52.54 ID:Yl3zxaUl0
('∀`)b「あたりきよ!別にレイヴンじゃないけど仮にもACを手掛けてンだ、そうじゃなくても男の子はみんなACとACのガチバトルが大好きなのさ!」 ( ゚д゚ )「ククッ、そうかも知れんな」 v('∀`)「それに今日はAランカーのクラスマッチ!wktkするってもんだよ!」 ( ゚д゚ )(さっきから顔面が熱暴走してるなこいつ、きめぇw) まずは挑戦者からアリーナへの入場が始まる、 蒼い鋭角的フォルムの軽量二脚。両肩に背負われた小型ロケット砲、しかし何より特徴的なのは両腕のデュアルブレード。 司会が吠える。 『男だ、いや女性だ!しかしそれでも漢だ!A−3ランカー剣豪『エクレール』嬢の駆るAC『ラファール』だァ!ああん!ぶっといデュアルブレードをねじ込んで欲しいのぉぉぉ!』 『ワアアアアアアア!!』 (*'∀`)ハアハア「エクレールたぁぁん!」 (;゚д゚ )(駄目だこいつら、早く何とかしないと) そして迎え撃つように画面正面に現れた防衛者。 両肩に追加弾倉、右に高火力バズーカ左にグレネードを携えた深緑の中量二脚。 A−2ランカー『カラードネイル』の駆るAC『グラッジ』。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:41:49.16 ID:6ZOVBWex0
ブレ機でカラードネイルに挑んだ悪夢が蘇る……
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:44:07.11 ID:Yl3zxaUl0
( ゚д゚ )(カラードネイル・・・) かつてのA−2ランカー『ゼロ』に家族を皆殺しにされたカラードネイルは復讐を胸にレイヴンとなり、8年前ついにゼロに挑戦を果たす。 挑戦前、カラードネイルがエンブレムを四本の爪で0を掴んだデザインから、その爪で0を砕いたモノに変更した事からも両者の対戦は俄然話題を呼んだ。 初対決、カラードネイルはあと一歩という所でゼロに敗北を喫する。 対戦はそれからも幾たびか行われたものの、結果は常に拮抗した状態からのカラードネイルの敗北であった。 二人の決闘はしばし続くものに思われていた。 しかし、レイヴンとしての宿命か、あるミッションを受けたゼロが死亡した。 珍しい話ではない、皮肉だが逆に考えればこんな時代で復讐に手が届く距離までゼロが生きていた事はカラードネイルにとっては幸運だったのかもしれない。 それからのカラードネイルは、何処か魂が抜かれたように連敗を喫し、一時はC−2までその順位を落とした。 だが、ある日エンブレムを突然元のデザインに戻したカラードネイルは怒濤の勢いで順位を上げA−2へと返り咲く。 「まるでゼロを観ているようだ」 観衆は言った。A−2という順位、ゼロのAC『クラッシング』に似た機体構成、戦闘スタイル、そして四本の爪に握られた“0”。 彼が、何を想いそこに立っているかは本人にしか知り得ない事である。 『おおっと!ラファール背後をとられた!』 (;;'A`)「ぬおおおおおぅっ!」 だが 『すかさずクラッシングの爆炎豪雨がラファールにふりかかるぅうぅぅぅっ!!!ああっ!』 その日から、カラードネイルがA−2の座を明け渡した事はない。 『ワアアアアアアア!!』
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:46:01.47 ID:YdrvAEF70
支援
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:47:46.26 ID:Yl3zxaUl0
「久しぶりに飯でもどうだドクオ、奢るぞ?」 定時を迎え、いそいそと帰宅の用意をしていたドクオの背中にミルナがそう呼びかけた。 ('A`)「あれ?オッサン今日は警備の方は休みなん?」 ( ゚д゚ )「今日は阿部の当直だ」 (;'A`)「ああ、阿部さん帰ってきたんだ」 阿部高和はVIP重工と長期契約を交わしているレイヴンだ。 しかし、先月のアリーナ防衛戦で下位ランカーの『ロードオブダウン』と対峙した際、対戦者の射突式ブレードを見て何を思ったか 「良いこと思いついた、お前俺の尻の穴に射突しろ」 と旋回しながら腕部を真っ直ぐ腰と垂直にし、自らの重量級ACの尻を突き出した。 ミルナと共に、先ほどのように休憩室でアリーナを観ていたドクオは今でもそれが如何に悪夢の光景であったかをハッキリ覚えている。 『ふざけやがってぇぇぇっ!!!』 激昂する対戦相手 ジャコン、ガツン!ジャコン、ガツン! ケツに強烈にぶち込まれる射突式ブレード。 『おうっ!イイ!イイジャナ、うっ!』 大音量で響く阿部の喘ぎ声、アリーナは静まりかえっている。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:48:58.16 ID:Yl3zxaUl0
やがて興奮が限界に達したのか阿部の重量級ACに装備されたマシンガンと投擲砲がフルオートで発射された、 それがあろう事かロードオブダウンの機体に全弾命中している。 『くそうっ!くそっ!うう・・・ぐぞぅ』 爆炎に包まれながら必死に射突するロードオブダウン。その音声から、ドクオは彼が泣いている事が分かった。 『・・・ミソォ、クッ・・・みそぉ!』 味噌とはいったいどういう意味なのか、 ロードオブダウンの罵声と阿部さんの喘ぎ味噌が合わさって、アリーナに木霊する 「くそみそ」。 やがて両者の機体があらぬ姿勢で小爆発と炎に包まれて大破する頃、 アリーナの医務室は気分が悪くなった観客でいっぱいになっていた。 レイヤードを震撼させた放送事故である。 阿部は重傷だったようだが、搬送された如月中央病院の担当医曰く妙に満足気だったらしい。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:54:09.50 ID:Yl3zxaUl0
( ゚д゚ )「そういえばあの時の対戦者、レイヴン辞めたらしいな」 (;'A`)(ファンレター書こう、頑張って下さいってファンレター書こう!) ( ゚д゚ )「それでどうだ?何か予定でもあるのか?」 ('A`) ヨテイ?ナニソレ?ワカラナイ・・・ワカラナイ ( ゚д゚ )「まあ、ないだろうなwww」 ('∀`)b「オッサンの奢りなら行くに決まってンだろ、この高給取りめ!」 レイヴンと比べれば決して多い金額ではないが、 卓抜した腕を持つミルナはMT警備としては破格の給与を会社から支給されていた。 ( ゚д゚ )b「まwwかwwwせwwろwwイレギュラーww」 ('A`)b 「・・・すまん」 「うん
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:54:15.14 ID:6ZOVBWex0
まごうことなき放送事故だなwww
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 03:55:40.39 ID:Yl3zxaUl0
レイヤード北西区画、シティ「ラウンジ」繁華街。 中華料理店【王大人】 (:`ハ´)「チョイナチョイナチョイナ!ホアッチャー!アッチナー!マジナベアッチナー!」 二人が向かったのは工場からさして遠くない北西区画の中華料理店である。 就労後の工業地域の人間で店内は混み合っていた。 カウンターを挟んで向こうの厨房では料理人が忙しなく中華鍋を振るっている。 ( ゚д゚ )「今日も混んでいるな」 ('A`)「いつものことっしょ」 二人は今し方席を立って会計を済ませていた客のテーブルに腰を下ろした。 すぐさま紺色のエプロンを着けた女性店員がメニューを持ってやってくる。 川*`-´)「いらっさいアル!あ、ミルナさんいらしゃいアル!今日もいい男アルね!今テーブル片づけるヨ!」 ('A`) オレモイルヨー 川 `-´)「昨日特番でドクオそくりの生物兵器見たヨ!親戚カ?」 ('A`) オイ、マジカヨ、ユメナラサメ… (;゚д゚ )「と、とりあえず生2つ!」 川*`-´)「はいナ!」 テーブルを片付け終えると店員は一度店の奥へと消えていった。 ('A`) (;゚д゚ ) ('A`)「いっぱい食うぞ、俺」 (;゚д゚ )「ああ!食え!いっぱい食うんだ!」 『ワイワイ・・・ガヤガヤ・・・』
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:01:18.19 ID:Yl3zxaUl0
(*'∀`)「オッサンと会ってからもう一年になんのか〜w」 あれからしばらく、べろべろに酔っぱらったドクオは顔を上気させて四皿目の餃子をつまみに酒を煽った。 ( ゚д゚ )「早いものだな・・・」 それに比べてどうやらミルナはかなりの酒豪らしく、ドクオと同じ量の酒を口にしているのだが微塵も酔いを感じさせない。 (*'∀`)「ホントだよ〜、最初はこのオッサン大丈夫か?って思ってたけどあっちゅう間に俺の方が奢られてんだもの〜、立場変わりすぎwww」 ( ゚д゚ )(1年か・・・) 1年は、こうも短いものか。ミルナはふと、そう思った。 二人が出会ったのは、北工業地区をさらに北に進んだレイヤードの壁面に位置する倉庫街の一角だ。 企業連が積極的に開発を進める区画とは反対方向であり、レイヤードの中では治安の芳しくない地区でもある。 納品に向かっていたドクオの車両が、道の真ん中に行き倒れていたミルナを見つけ、なんやかやと世話を焼いている内結局は自ら勤めているVIP重工に就職させてしまった。 ( ゚д゚ )「ククッまったくだw」 (*'∀`)「いや〜行き倒れの癖にMT乗れるなんて最初は、嘘臭せぇwワロスwとか思ってたけどアンタ何処の達人ですか?wレイヴンですか?wあんたレイヴンですか?www」 ( ゚д゚ )「レイヴンはMT乗らんわwww」 (*'∀`)「俺もwレイヴンになれたらww彼女出来ますかwww」 ( ゚д゚ )「それは無理www」 (*'∀`)「なぜだ!・・・ww」 そう言ってドクオはテーブルに突っ伏してしまった
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:03:14.53 ID:YdrvAEF70
支援
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:03:32.60 ID:Yl3zxaUl0
( ゚д゚ )「やれやれ」 川 `-´)「アイヤー、ドクオ今日も見事に潰れたネ」 ( ゚д゚ )「ちょうどよかった、姉さんお勘定を頼む」 川*`-´)「はいナ!」 ミルナは席を立ってレジへ向かった。 川*`-´)「今日も沢山飲んでくれてありがとアル!」 ( ゚д゚ )「こっちこそ、いつも旨い飯をありがとう」 会計を済ませると、少し伏し目がちに女性店員が呟いた。 川 `-´)「ミルナさんも、ドクオも、ずっと常連さんでいて欲しいアル」 ( ゚д゚ )「心配しないでも、余所に浮気はせんよw」 川 `-´)「・・・違うアル」 ( ゚д゚ ) ? 困惑するミルナを尻目に、彼女は視線を厨房前のカウンター席に向けた。 川 `-´)「あの席、長谷川さんの指定席だたアル」 客で賑わう店内で、その端の席だけがひっそりと空席になっている
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:06:29.15 ID:Yl3zxaUl0
( ゚д゚ )「・・・マルタ爺さんに、なにかあったのか?」 川 `-´)「死んじゃたアル」 ( ゚д゚ )「っ!」 マルタスニム長谷川はこの店に古くから通い続ける常連だ。 クレストの下請けで長年働いている昔気質の技術者で、ミルナもドクオも兼ねてから面識があった。 ( ゚д゚ )「・・・爺さんが、・・・そうか」 川 `-´)「工場、レイヴンに襲撃されたらしいアル。長谷川さん調整中のラジエーター避難させてて逃げ遅レタ」 ( ゚д゚ )「レイヴン・・・」 川 `-´)「最近、企業の小競り合イまた増えてきタ・・・こんな時代アル、仕方ないって分かってるアル、でも」 でも、分かってても 、 川 -)「・・・やりきれないヨ」 普段は快活な表情を曇らせた彼女の切れ長の瞳が、少し潤んでいるように見えた。 (* A )「死なねぇよ、ウップ」 ( ゚д゚ )「!ドクオ、起きてたのか」 ( A )「俺達は死なない、例えレイヴンが来ても武装集団に襲撃されても衛星砲に工場がぶち抜かれても、どうにか逃げ出して、ここに飯を食いに来る!うっ、ごめん、ちょっとオッサン厳しい。とても」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:09:39.66 ID:Yl3zxaUl0
力尽きたようにフラフラとミルナの肩に寄りかかるドクオ。 (;゚д゚ )「おい、大丈夫かお前」 (*'A`*) ウイーップ (;゚д゚ )「・・・・・・」 川 -)「酒気帯び全開の赤ら顔の酔っ払いが格好付けてモ全然格好良くないアル」 (;゚д゚ )「面目ない」 川 -)「でも」 川*`ー´)「ドクオにしては上出来アル」 (゚д゚ ) (*'A`*) スピー ファー ブルスコー ( ゚д゚ )「ククッ!そうだな。違いない」 「フフフッ」 「ククッ、ハハ!」 (*'A`*) アアン エクレールタァン スピー
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:10:19.28 ID:6ZOVBWex0
支援
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:11:21.60 ID:BEfJ45uUO
支援
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:13:09.18 ID:Yl3zxaUl0
地上都市 中央区画【グローバルコーテックス】本社 【???】 会議室程度の無機質な部屋。薄暗く照明を調節された室内で、二人の男が対峙していた。 大仰な椅子に座った男は机に肘を乗せ、慣れた動作で葉巻の先を落としそれに火を付けた。 ( ,_ノ )y━・~「モララー・トリスタン、いやカラードネイルか。どちらで呼べばいい?」 ( ・∀・)「要件は依頼だろう。貴様如きに馴れ馴れしく名を呼ばれる謂われはない」 モララーと呼ばれた青年。彼はそう吐き捨てて壁に背中を預けた。 「なるほど、道理だ」 男は葉巻に口を付け、一拍置いて紫煙を吐き出した 。 ( ・∀・)「・・・悪趣味な部屋だな」 窓もないその部屋に、所狭しと散乱する資料の束、旧世界の遺物のレプリカ、ミニチュア。 ( ,_ノ )y━・~「なあカラードネイル。こうやって旧世界の遺物を掘り起こしていると分かることがある、それは無人兵器とレイヴンの闘争の歴史だ」 ( ・∀・)「・・・」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:15:41.15 ID:Yl3zxaUl0
( ,_ノ )y━・~「多くの旧遺物がそれを示している。 大き過ぎる力は細かに調律された平和な世界に不要だと、遺産は私にそう語りかける。 一番最近の事で言えば管理者がまさにそれだ。 そして、その管理者が築き上げてきたこの都市は人類にとって、優しい、揺りかごのようなものだ」 (#・∀・)「この世界が優しい?ハッ!笑わせるな!」 男は激昂する青年を尻目にクツクツと喉を鳴らして笑った。 ( ,_ノ )y━・~「フフッ優しいさ、それを考えれば10年前のあの事件も私にはまるで母の愛のような途方もない優しさを感じてしまうがね」 ( ・∀・)「10年前・・・サイレントラインか」 ( ,_ノ )y━・~「ハッ人の口からその言葉を聞くのは私でもひどく懐かしいよ。なあカラードネイル?思えばあの頃に比べて随分と世界は変わったと思わないか?アリーナにしてもそう、あの頃の君はまだアリーナでもCクラス以下の有象無象だった」 ( ・∀・)「馬鹿にしてくれる」 ( ,_ノ )y━・~「そう勘ぐらないでくれ。あの頃、メビウスリングは王座奪還に燃えていた、 フォグシャドウは縦横無尽に困難な依頼をこなしていたし、 ゼロは生きていて君は彼への復讐の為に銃を握っていた。 当時にしてみればあの凡庸なリトルベアなんて下位ランカーが、今のアリーナでB−2を誇っているなんて想像だに出来なかったよw」 (#・∀・)「俺は世間話をするつもりは・・・!」 ( ,_ノ )y━・~「そしてチャンピオンがいた」 ( ・∀・)「!」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:17:39.16 ID:3UR7vlk90
がんばレイヴン
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:17:53.06 ID:Yl3zxaUl0
( ,_ノ )y━・~「君も彼と何度か相対したことがあるだろう?彼は優秀なレイヴンにしてあまりに圧倒的な、アリーナの王だった。彼が頂点に君臨していたのは時間にしてみればほんの僅かなものだったろう、だが、当時を知るものは今でもチャンピオンと聞けば彼を思い浮かべる」 ( ・∀・)「・・・ナイトウッド・ブーン・ホライゾン」 ( ,_ノ )y━・~「今から君に依頼するのは8年前、ゼロが成し得なかった任務だ」 ( ・∀・)「!まさか!?」 ( ,_ノ )y━・~「依頼内容の詳細は追って通達する」 「良い返事を期待しているよ、カラードネイル」 青年が去り、部屋は奇妙な静けさを取り戻した。 ( ,_ノ )y━・~「やれやれ、いつの時代も鳥達にはこの揺りかごは狭すぎるようだ」 立ち上がった男は、青年が寄りかかっていた壁の近くに置かれたACの頭部パーツのレプリカを撫でる。 その色は、血のように紅い。 ( ,_ノ )y━・~「皆が皆、自らの力をわきまえずその身に釣り合わない不相応な高みを目指す。あの男にしてもそうだ、死んだ人間を追いかけて天国まで飛んでいこうとでもいうのか?・・・ハハッ」 空虚な嘲笑が室内を震わせた。男は誰もいない筈の、自らの席に向き直る。 _、_ ( ,_ノ` )y━・~ 「【ナインボール】、お前の目に、この世界の鳥達はどう映る?」 机上に開かれたPCのデスクトップが、答えるようにぼんやりと光った。 NEXT
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:22:19.54 ID:6ZOVBWex0
ナインボール……だと……?
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:23:43.99 ID:Yl3zxaUl0
とりあえずここまでが一話です 続いて2話を投下しますが、皆さん援護射撃ありがとうございます! つかID:6ZOVBWex0高機動過ぎじゃない?マジOBトッツキカッケェンすけど
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:25:20.28 ID:8g/RKvCc0
この文はまさか… 支援する
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:27:00.20 ID:Yl3zxaUl0
人類が地球規模の大災害を逃れ、【管理者】と呼ばれる、ただひとつの管理機構と幾つかの企業によって均衡が保たれた【レイヤード】と呼ばれる地下世界。 人類が、全て管理され予定された生活を営むようになって数世紀。 企業の勢力均衡を保つため生み出された【レイヴン】と呼ばれる傭兵が管理者を破壊して三十数年。企業が提唱するBrigade Project[地上再開発計画]の下、人類が再び地上を目指した時代。 それでも多くの人々は地下の暮らしから抜け出すことは出来ず、暮らしはレイヤードと共にあった、そんな時代。 だが、人々は確かに知っていた。そこに空が在ることを。 かくして運命の歯車が鈍色の機体を軋ませ始める。 ('A`)ドクオはBrigade Projectにカラサワをぶち込むようです
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:30:21.14 ID:6ZOVBWex0
とっつきなどまともに扱えないぜ 支援
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:31:41.35 ID:Yl3zxaUl0
【レイヤード北工業地区【VIP重工】第三会議室】 室内ではドーナツ状に組まれたを長机を挟んでVIP重工の技術者達による意見交換が盛んに行われている。 議題は先日の模擬テストで問題が発見された開発中の新型FCSに関してだ。 そのFCSには今回VIPの社運を賭けた新技術が搭載されており、 その為会議は一見殺気すらも感じられそうな緊迫した空気を醸し出していた。 (;'A`) (うーん、気持ち悪いし頭痛いよう・・・) そんな中ドクオは、先日の酒が残した頭痛と孤独な格闘を繰り広げていた。 (#´・_ゝ・`)「目標補足動作はこれ以上の単純化は出来ません!なんですか、 貴方はこれ以上システムを原始化させて小石でもロック出来る仕様にしろとでも言うんですか!?」 ( #´ー`)「んなこた誰も言ってネーんダーヨ! このままじゃ優先順位の思考ロスを稼げねえからそっちでどうにか最適化を図れないかって聞いてンダーヨ!?」 (#´・_ゝ・`)「同じ事です!今回のFCSが目標の高速補足を従来のものより1,5倍最適化を図れているのは 新技術に加えてとことん必要最低限まで他機能の収縮を行ったからこそです! それに補助AIの思考順位に関してはそちらの領分でしょう!?」 ( #´ー`)「こっちだって同じダーヨ!そりゃまあこっちだって削れる部分は削るし 今日VRテストモードでドクオ君に試作2号のサンプルをテストしてもらったとこダーヨ! おい!言ってやれドクオ君!」 (;'A`)「あ、はひ。戦闘自体は昨日よりも幾分かスムーズになりましたけど、 逆にミサイル自体を補足する精度はかなり落ちましたね。やっぱりロックが追いつけていません」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:36:16.42 ID:Yl3zxaUl0
VRテストとは、コンピューターにプログラミングされたデータを元に、仮想空間で実戦さながらの状況を作り出すシステムの俗称だ。 しかしそれも万能という訳ではなく、極めて限定された条件の下行われる実験となる。 実戦テスト等で事前に問題を細分化しておかなければ実際の使用感を演出する事は難しい。 ドクオがそう言うや否や研究員達からはドクオに向けて質問が怒濤のように押し寄せる。 (;'A`)「えっと!あnそkvn」 (;'A`)(うおおおおおおおそんなにいっぺんに来られても何言ったらいいか分からんし頭いてえええええええええ!) その喧噪を引き裂くように、一人の男がドクオの隣りの席から腰を持ち上げた。 (´・ω・`)「・・・ふむ、なるほどね」 (;´・_ゝ・`)「しゅ、主任」 主任と呼ばれたこの下がり眉の優男は、ショボン・リップソルド。 年齢はまだ三十を迎えたばかりという若年社員でありながらこのVIP重工開発部で総合主任を勤める若き逸材だ。 その発言力は彼より一二回り年かさのある研究員達を席を立つだけで黙らせる事からも伺える。 (´・ω・`)「君たちはシステムを一つ先鋭化させる事にとらわれ過ぎているように思える。 分かっているとは思うが、残念ながら今の状況では先日までのコンセプトで仕上げる事は 我が社の地力からして困難を極める・・・つーか無理だろ?ぶち殺すぞ」 研究員達はうなだれるようにギリギリと怒らせていた肩を落とした。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:38:53.35 ID:8g/RKvCc0
支援
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:41:24.02 ID:Yl3zxaUl0
(´・ω・`)「FCSの思考ルーチンを遠近中距離で3分割する。 ミサイルロックを先鋭化させた遠距離を基盤に大型目標の接近によって事前にAIの分割作業を済ませる。 中距離に関してはまだ私も構想段階だが、近距離戦に関してはミサイルロックを完全に凍結させて完全な高機動戦のみに絞る。 勿論レーダーとの兼ね合いも問題になるだろうし、なにより従来のFCSよりは遙かに重量のあるものになると思うが・・・」 (´・ω・`)「これこそ業界革命じゃないか?」 『・・・・・・ざわっ・・・ざわざわ』 ( *´ー`)「なるほど!その手があったんだーヨ!」 (*´・_ゝ・`)「そうなると我々はそこまでのルートの最適化を計り直さねば・・・」 ( *´ー`)「サイズの縛りがなくなったんなら今まで以上にミサイル迎撃機能も強化が見込めるんだーヨ!」 (*´・_ゝ・`)「主任!中距離の構想なのですが・・・!」 (´・ω・`)「おいおい君たちw待ってくれよ、重量の拡張にしたって勿論限度はあるぞ」 ショボンの提案により新型FCSは新たな段階へと進んだ。 会議室も先ほどと比べ騒がしい事には変わりはないが、 剣呑さがほぐれ、研究員達の表情からは次世代機への新構想への期待感がありありと伺えた。 (*´・ω・`)「それにだ、中距離戦のプログラムに関しては、阿部やACテスター達の意見を中心に少しづつ身の振り方を決めていこうと考えている」 ショボン自身そんな彼らを見て悪い気はしないらしく、 平静を装いつつにやける表情を隠しきれないようだ。 (´・ω・`*)「ドクオまずは現段階での君の意見を参考程度に聞いておきたい。 先日の模擬戦や今日のVRテストを思い出してみてくれ!」 (; A )「も・・・模擬戦、V・・・R?」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:42:09.39 ID:XfuJFztw0
AC大好きだから支援
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:45:20.95 ID:Yl3zxaUl0
ちなみに (´・ω・`*)「そうだ!模擬戦やVRだ!」 (; A )「・・・・・・うっ」 (´・ω・`*)「う?」 VRによるバーチャル空間での訓練は、酷く ( A )「オゲパァッ!ゲッフ!オロロロロロ・・・・・・ゴプ」 ビチャビチャ… (´ ω ` )「」ビチャン…ポタ… 酔い易い。 ポタン… Act02―VIP重工― 「おいてめぇ、ちょっとケツ貸せよ」 「ちょ、ちょちょ、すみ!すみませ主任っ!?主任っ!?」 「オラ、仮眠室行くぞ」 「ちょっ待って!?誰か!?タスケ・・・!」 バタン 「これは・・・」 「ネーヨ」 ( ・ e ・)「・・・・・・」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:47:40.39 ID:Yl3zxaUl0
【VIP重工演習区画、休憩所。】 ( A ) (;゚д゚ )「ど、どうしたドクオ?いつも以上に顔が死んでるぞ」 ( A ) ホメテクレヨオッサン…ミサオハ、マモリヌイタンダゼ…? (;゚д゚ )「み、操?」 ( A ) サイショハショッパクテ、サイゴハスゴク…ニガカッタ… (;゚д゚ )「・・・そうだ!アリーナだドクオ!今日もそろそろアリーナの時間だぞ!」 ドクオの全身から放たれている負の空気から逃げだそうとしてか、 単にドクオを思ってか、今日はミルナがテレビのスイッチを入れた。 『この番組はグローバルコーテックスと、ご覧の各社の提供でお送りします・・・』 ・ ・ ・
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:47:50.77 ID:8g/RKvCc0
支援して寝る 明日も残っていますように
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:48:04.34 ID:6ZOVBWex0
支援
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:48:17.99 ID:t3zgGTj+0
顔文字AAでアーマードコアSS… 2007年のあれを思い出すな…
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:50:59.27 ID:Yl3zxaUl0
・ ・・かち、こち・・・かち、こち・・・ ・ 【レイヤード中央区画【中央第三アリーナ】登録ランカー控え室。】 ・・・かち、こち・・・かち、こち・・・かち、こち・・・ 胸に当てた彼女の手の中で、懐中時計がゆっくりと、しかし確実に時を刻む。 ・・・かち、こち・・とくん・・かち、こち・・とくん・・・ そのリズムは、染み込むように、彼女の心臓の音色と合わさっていく。 やがて彼女は機械的な、それでいて何処か温もりを感じる調律された世界に、一人潜っていく。他に音はなく、彼女と懐中時計だけの世界へ。 深く青い海を、彼女は知らない。しかしそこは深海と良く似ていた。 淡い水泡の様に、普段は朧気な記憶達が、そこでは確かに呼吸をしていた。 ― お前が遅刻しないなんて珍しいな ― かち うるさいな ― そう、恐い顔をするな。冗談じゃないか ― こち ・・・・・・ ― ディリー、大丈夫だ ― とく『コンコン!』 「ミス・ディリジェント、間もなくお時間です」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 04:52:16.91 ID:Yl3zxaUl0
不意に掻き鳴らされたノック音が室内の静寂が割り、彼女は深海から引き揚げられる。 「・・・・・・」 「ミス?」 「ああ・・・」 彼女は席を立つ。 「・・・・・・時間通りだ」 手の中で、懐中時計はゆっくりと時を刻む。 それはあの頃から寸分も早さを違えず、彼女とあの頃を遠ざけていく。 ― ディリー、大丈夫だ・・・お前なら ― (#゚;;-゚)「・・・うん」 彼女は今日も、遠ざかっていく時間を握り締める。 ・ ・ ・
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:02:01.97 ID:6ZOVBWex0
支援
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:02:37.56 ID:Yl3zxaUl0
【VIP重工演習区画、休憩所。】 『電化製品はコジマが安い!!』 (*'A`)「ディリジェント様カッケェェェェッ!!」 アリーナ戦が終了し、ドクオは興奮冷めやらぬ様子でコマーシャルに向かい雄たけびを上げた。 ( ゚д゚ )「うむ、確かに正確な射撃だった。華はないが、 大艦巨砲主義の【アイアンマン】を相手に完全に戦略で圧倒していたな」 ミサイル搭載武器腕と高性能レーダー頭部を装備し、機体をダークブルーで統一した中量級四脚AC『タイムテーブル』。 ランク自体はC−5の【ディリジェント】だが、元来企業からの依頼に重点を置いたレイヴンであり。 アリーナに出場すること事態が非常に珍しいその実態は謎に包まれている。 アリーナでは不戦敗が多く見られ、実際の実力はBクラスでも充分通用すると囁かれている。 (*'A`)「良いもん観たわぁ、やっぱアリーナは最高だなオッサン!畜生ナマで観てぇ!」 謎というのはそれだけで、人を惹きつけるものである。 ( ゚д゚ )(こいつ案外タフだよな・・・) 『臨時のニュースです』 ('A`)「ん?なんだろ」 『レイヤード北区画を中心に、活動を続ける治安維持団体【ラウンジ】が今回近年の犯罪悪化に伴い、 民間の自警団としては初の試みとなるACの導入を決定した事が明らかになりました』
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:04:44.23 ID:Yl3zxaUl0
( ゚д゚ )「ほう、ラウンジと言えば確かお前の友達のトコじゃなかったか?」 ('A`)「ああ、うん。って、あっ!」 『 _ ( ゚∀゚) 』 (;'A`)「ジョルジュだ・・・」 ( ゚д゚ )「そうそう、彼だ」 『初のレイヴン以外のパイロットとなる自警団副団長ジョルジュ・フィッツジェラルド氏が搭乗する 機体【イングラム】はミラージュ社の量産型ACを基調とした各社の・・・』 ('A`)「・・・・・・」 ( ゚д゚ )「ん? どうした?」 ('A`;)「いや、何か知り合いがテレビに出てるのって落ち着かなくない?」 ( ゚д゚ )「? いつも阿部が出てるじゃないか」 (;'A`)「まあ、それはそうだけど」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:06:26.83 ID:Yl3zxaUl0
『 _ ( ゚∀゚) エーオホン…オッパイ! 』 (;'A`)「・・・」 (;゚д゚ )「・・・」 『 _ (;゚∀゚) ア、ヤベ!マチガエタ!? 』オイ、カメラトメロ (;'A`)「・・・・・・」 (;゚д゚ )「・・・・・・・・」 『し、失礼しました。えー、ラウンジの発足は10年前のB17区画の高速道路上で起きました、レイヴンによる一般市民の大量虐殺事件を発端とし、市民自身による積極的自衛手段として・・・』 「これは、確かに、落ち着かないな」 「・・・・・・」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:12:32.70 ID:Yl3zxaUl0
【レイヤード北区画、第四倉庫街】 レイヤード全体の消灯が済んだ深夜未明、 頼りない街灯が倉庫が立ち並ぶ一帯を薄く照らしている。 普段から一部の人間を除いて人の行き来が少ないこの地域には、 現時刻人の気配はほとんど感じられない。 「いいんですか?今頃そちらは大忙しなのでは?」 ( ・ e ・)「ええ、ですから早めに切り上げたいと思っているところです」 「ハハッこれは手間をとらせますね、それで開発の方は?」 ( ・ e ・)「方向性が大きく変わりました。より、革新的なモノに」 そう言って男は一束の書類を手渡した。 受け取った男はそれを流し読むようにしてパラパラと目を通した。 「・・・・・・なるほど、これは確かに」 ( ・ e ・)「読み終えたら処分を」 「いつも通り、ですね?」 ( ・ e ・)「・・・ええ」 一心不乱に書類をめくっていた男が、不意にバツの悪そうな面持ちで彼を一瞥した。 ( ・ e ・)「なにか?」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:18:18.77 ID:Yl3zxaUl0
「いえ、私が言うのもおかしな話しですが、辛くはないのですか?事が完遂したとしても貴方は」 ( ・ e ・)「裏切り者、ですね」 「・・・ええ」 ( ・ e ・)「覚悟の上です。今のキサラギのVIPに対する評価はあまりにも偏っています。これまでの貢献に対して、それはもう目に余るものがあります・・・」 「・・・」 ( ・ e ・)「彼等には、もっと陽の当たる場所で生きる権利と実力があります」 「確かにそうかもしれません。分かりました、書類の処分はお任せ下さい」 書類を小脇に抱えた男がそこを去ろうとする際、彼は深々と頭を下げた。 ( e )「VIPを宜しくお願いします」 「ノンさん・・・任せて下さい。ミラージュは貴方がたを歓迎しますよ」 「ああ、構想は頂戴した。確かに革新的なシステムだ」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:19:48.17 ID:6ZOVBWex0
ミラージュのジャイアニズムはヤバい
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:22:03.22 ID:Yl3zxaUl0
『・・・宜しいのですか?』 「惜しい人材達だが仕方がない、彼の独断にVIP重工そのものが動くとは思えない。 ただでさえあの区画は昔気質の技術者が多い」 『・・・同業者として私は、彼が愚かに思えても、嫌う事が出来ません』 「私もだよ、だが、黙っていることも最早ままならない状況だ。 これには市場を動かす力がある。その作り手達もまた、同じ事だ」 知ってしまったからには、動かねばなるまい 「卑しい仕事だと思うかね?」 『いえ、卑しいというなら、私も同じ穴の狢です』 「・・・そうか。では」 『レイヴンを』 「頼むぞ」 「VIP重工、潰すには惜しいが・・・これも時代か」 携帯を切った彼は、レイヤードの夜に独りごちた。
58 :
>>56 ああ、よかった人がいるw :2010/04/02(金) 05:28:25.42 ID:Yl3zxaUl0
【VIP重工、演習区画】 『後方熱源反応多数、ミサイル接近』 コクピットに鳴り響くCPUの電子音。 旋回、跳躍した中量級ACが次々と迫るミサイルを撃墜する。 『熱源消滅』 (#'A`)「オルァッ!次ぃ!」 『前方熱源反応多数』 ショボンが新型FCSの新構想を切り出してから2週間。 VIPでは昼夜問わず技術者達によるプログラムの改良やテスター達による模擬戦、 VR訓練が文字通り寝る間も惜しんで行われていた。 『ドクオ、S−2の使用感はどうだ?』 ('A`)「今の時点では開発当初の使用感にかなり近いです!」 『よしOKだ!次はソニーの乗った【フィーンドNB】を出す!遠近中だ分かってるなゲロ野郎!?』 (#'A`)「イエッサー!了解しましたでありますサーッ!」 ドクオはFCSが現時点かなりの速度で実用化に耐えうるモノへと進化しているのを身をもって感じていた。 その感覚は研究員達にも伝染し、VIP社内は近年例を見ない男臭いテンションに満たされていた。 前方の耐火シャッターが巻き上げられ、背中に大型ブースターを装備した5m程の人型MT【フィーンドNB】が現れる。 紅い鋭角的なフォルム、肩のミサイルポッドが展開し輝る。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:31:07.74 ID:Yl3zxaUl0
『いっくぞぉぉぉゲロォォォォッ!』 通信と共にフィーンドNBの大型ブースターが点火し、高速機動を開始した機体は 上空からドクオの搭乗するACの真上から小型ミサイルをばら撒いた 。 (#'A`)「来いやぁぁぁぁ!」 中量級ACはバックブーストから後方に緊急後退、 地面にそのまま激突したミサイルの爆煙を掻き分け方向転換に成功した2発のミサイルが飛び出す。 (#'A`)「見えてんだよォ!」 引き付けるように構えられたライフルからミサイルに向かって弾丸が連射される。 ミサイルを撃墜した照準はそのまま、上空のフィーンドNBに向け掃射され被弾した機体が鈍い音を上げて跳ねる。 『――ッ!やるじゃねえかドクオォ!まだまだイくぜぇッ!?』 (#'A`)「オオヨ!」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:32:57.35 ID:Yl3zxaUl0
(#´・ω・`)「Yes!!!良いぞドクオ!その調子だ! 」 演習場の上部、模擬戦を強化硝子を挟んで見下ろす形でショボンはマイクに向かって声を荒げた。 (;・ e ・)「掴んでます!掴んでますよね主任!?」 (#´・ω・`)「ああ!完成が見えてきたぞコリャ!」 o川*゚ー゚)o 「フィーンドNB!装甲がもう限界です!」 (´・ω・`#)「オッケェきゅーちゃん!ドクオストップだ!」 『了解!』 く(´゚ω゚`)/「イクゾおんまぇるぁぁぁぁっ!!バックアップだあああぁぁっ!!」 「「「「「合点承知ぃぃぃっ!!!」」」」」 部屋中が振動するような男達の掛け声と共に、硝子に張り付いていた面々はそれぞれの持ち場へと飛んでいく。 (・ e ・;)(やっぱり、こいつ等はもっと上に行ける!行けるんだ!) ノンは自分の判断の正しさを確信していた。 (#´・ω・`)(イケル!今回のFCSはキサラギも舌を巻く傑作になる!) ショボンはこのFCSに技術者としてのカタルシスを感じていた。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:35:13.69 ID:6ZOVBWex0
ヤバいこのFCSで大仏とかレビヤたんに挑みたい
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:35:41.80 ID:Yl3zxaUl0
【VIP重工 演習区画、休憩所】 (#'A`)「アリーィィィッィイッナ!」 (;∴゚ з゚ )y━・~ 「ドクオ、テレビ観る時くらいソレどうにかならないのか?」 ('A`#)「ンゥゥゥ無理ィィィッ!!!」 ドクオは自分が携わる役割の重要性と、その充実感にこの仕事が始まって以来の高揚を感じていた。 (;∴゚ з゚ )y━・~「・・・外で吸ってくるわ」 【VIP重工 機体整備室】 ( ゚д゚;)「ふう、最近MTの損傷が激しいな」 o川;゚ー゚)o「回転が速いですしね!でも何より皆あのFCSに凄い期待してるんですよ!」 ( ゚д゚;)「暑苦しい程にな、モンキーを頼む」 o川*゚ー゚)o 「どうぞ!ふふっでも、やりがい感じちゃいますよね?」 ( ゚д゚ )「ククッ、違いない」 ミルナは初めての経験を、戸惑いながらも心から楽しんでいた。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:36:58.54 ID:Yl3zxaUl0
そう (;∴゚ з゚ )y━・~「ふぅ、あいつテンション高過ぎだろ」 全ては、順調過ぎるほどに進んでいた (∴゚ з゚ )y━・~「まあ、でも」 ソニーはレイヤードの夜空を仰いで小さく笑った。 (∴ ー )y━・~「気持ちは分からぁな」 (∴゚ з゚ )y━・~「ん?」 この時までは (;∴゚ з゚ )y━・~「輸送・・・機?・・・AC!?なんd」 『ぐしゃんっ』 (∴ з )「 」 『ディリジェント、目標地点に到達。ミッションを開始する』 NEXT
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:39:15.66 ID:6ZOVBWex0
AC戦krswじゃなかったktkr
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:41:44.03 ID:kH/ZqruG0
面白い
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:48:25.94 ID:Yl3zxaUl0
ふう疲れた こんな遅くまで、つか朝まで支援ありがとうございます! 第三話を投下したいんですが、ちょっぴり仕事の用意があるので1時間ほど空いてしまいます。 つか字ずれ多いし、長台詞読みにくいですね。改善します。 よろしければここまでで、感想や突っ付きどころを射突していただけると嬉しいです!
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:56:38.01 ID:XfuJFztw0
続きが楽しみで寝れないんだけど
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 05:57:24.55 ID:6ZOVBWex0
乙! 面白かったぜレイヴン、ACが題材ってのも良いものだ 保守したいが眠る……眠ってしまう……
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 06:04:45.24 ID:6ZOVBWex0
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 06:23:53.42 ID:6ZOVBWex0
捕手
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 06:44:31.64 ID:XfuJFztw0
ほっしゅ
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 06:46:09.93 ID:6ZOVBWex0
まずいもう限界だ寝る ラスト保守ヴン
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 07:01:33.95 ID:XfuJFztw0
レイヴン応答せよ
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 07:03:43.24 ID:Yl3zxaUl0
遅れてすまない 今日最後のミッションを開始する
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 07:04:45.84 ID:Yl3zxaUl0
『坊主、恐くないのか』 鉄の巨人が燃え盛る町並みの中で、その少年を見下ろしていた。 「燃えてる、父さん」 『ああ・・・そうだなァ、お前の親父は綺麗だ』 「綺麗・・・?」 『どんなもんも、燃えてる時は綺麗だろう』 少年は見つめる、紅く染まる世界を 「・・・・・・・・・」 うん、綺麗だ ('A`)ドクオはBrigade Projectにカラサワをぶち込むようです Act03-灼海-
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 07:06:12.33 ID:Yl3zxaUl0
【VIP重工】 『緊急事態発生、緊急事態発生、職員は速やかに避難して下さい。繰り返します・・・』 戒厳令は鳴り響く、何処かで誰かが叫んだ、明滅する非常灯、何かが焦げる匂いがする、 爆発、連続した巨大な銃声、破砕音、あれは悲鳴か 「「なにがどうなっているんだ!?レイヴンだ!馬鹿な!?何でうちみたいな小企業に!? 誰か助けてくれ、足が・・・。デミタス!?オイ待てよお前ら!!『ぐああああああああああ!』 なんでこんな事に。警備はどうしたんだ!?主任は・・・、まだ演習区画でデータを、 急げ、あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」 ( ; ー )「ハッ・・・ハッ・・・ハッ・・・」 逃げ回っていた一人の男は、予備格納庫の備品収容スペースのドアをスライドさせた。 o川;゚ー゚)o「ひっ、ネ、ネーヨさん」 どうやら先客がいたらしく、男はたたらを踏んだ。 ( ;´ー`)「ハァ、ハ・・・キューちゃんかぁヨ。良いとこ隠れるね、センス良いんだーヨ」 o川;゚ー゚)o「そ、そんなトコに居ちゃ駄目です!早くネーヨさんも中に!」 ( ;´ー`)「ハハハ、優しいんだーヨ君は・・・でも」 所狭しと備品の敷き詰められた空間は彼女一人でも狭すぎる程だが、 もう一人程度ならば入れない事も無い。 しかしネーヨは困った様に笑って、自分のふくよかな腹部をつねった
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 07:07:38.30 ID:Yl3zxaUl0
( ;´ー`)「こんな事ならダイエットしとくんだったーヨ」 o川;゚ー゚)o「え」 そう言ってネーヨは勢い良くドアを閉めた。 「ちょ、ちょっとネーヨさん!?」 ( ´ー`)「あんま声出しちゃ駄目だーヨ。俺は他をあたるから、キューちゃんはそこで大人しくしてるんだーヨ?」 「・・・・・・ネーヨ、さん」 遠ざかる彼の背中に、彼女の声は届かない。 ( ;´ー`)「ハッ・・・ハッ・・・ハッ・・・、ハハッ」 少し格好付け過ぎたか、走る度腹が揺れる自分のような中年がやっても滑稽なだけだったな。 煙が立ち込める演習区画への連絡通路を疲弊したネーヨが腰をかがませながら進んでいた。 ( ;´ー`)(こんな中途半端な所に残っているのは俺くらいだろうヨ) 逃げるにも、隠れるにも、ここは不向きだが今のネーヨにはこの先に用があった。 先ほどまで自分を満たしていた恐怖は、怯える彼女を見て不思議と薄れた。 彼は鬱屈した、ともすれば優しすぎる友に問わなければならない事があった。
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 07:10:30.83 ID:Yl3zxaUl0
( ;´ー`)「ノン・・・お前なのかーヨ・・・――」 ガシャンッ!!!! 通路の窓硝子の澄んだ破砕音が、彼の呟きを書き消した。 そこから壁を砕き、重い駆動音を響かせた漆黒のACの巨大な頭部が覗き込んでいた。 ACのサーチライトが、彼を狂おしい程にくっきりと通路に照らし出した。 ( ; ー )「くっ・・・!」 『研究員だな。FCSの所在の確認を求める』 頭部に設置されたスピーカーから淡々とした女性の声が響く。 硝煙の鼻をつく香りが漂うそれは、ドクオや阿部の乗っているACとは全く異なる威圧感を纏ってネーヨを竦み上がらせた。 『貴方のこの場での生命を保証しよう』 事務的な呼びかけに籠もる有無を言わさない力関係に、彼はまるで自分が虫けらにでもなった様な錯覚を覚える。足が震える。虫けら。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 07:11:56.91 ID:Yl3zxaUl0
( ;´ー`)「・・・ハハ」 確かに戦車すら容易に捕食する鳥達を前にして生身の自分など虫けらに過ぎないかもしれない。 現に返答次第では自分を迷いなく殺すであろうレイヴンの声からは、その殺気すら感じられない。 虫けら。路傍の石。 だが、そう思うと、何故だかネーヨは笑ってしまった。 『返答を』 ( ´ー`)「・・・・・・シラネーヨ」 次の瞬間放たれた弾丸が、通路ごと彼を粉々の肉片に変えた。 『・・・・・・』
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 07:13:09.54 ID:Yl3zxaUl0
【キサラギ 機密整理部】 「おい、何見てんだ」 「【スネイクチャーマー】の資料映像」 「何年前のだよ、あいつもう10年前に死んでんだろ」 「だけどウチの火炎放射機のお得意さんだった、見といて損ないし、それに」 「それに?」 「今日こんなの見つけた」 「・・・なんだこれ、インタビュー?」 『ザー・・・ザザ・・・ガッ―、名前は――・・・ヨハン・フレデリック・・・――、スネイクチャーマーだ』 砂嵐の混じる荒れた画面の中央、パイプ椅子に座る一人の男が映し出されていた。 『――俺は今、化け物を育てている』 【VIP重工 演習区画上部 モニタリングルーム】 (#´・ω・`)「回収作業を急げ!くっ!?よりによって阿部の非番を狙って来たか!」 室内では最低限残された古参の研究員達によってFCSのデータ回収が行われていた。 (;・ e ・)「・・・・・・」 (´・ω・`#)「ノォォンッ!ぼさっとしてんじゃねぇっ!?」 (;・ e ・)そ「す、すいません!」 呆然と立ち尽くしていたノンに対しショボンの鋭い活が飛んだ。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 07:15:09.23 ID:Yl3zxaUl0
(´・ω・`)「聞こえるか、ドクオ」 『・・・はい、主任』 備え付けられたスピーカーから、階下のテストACに搭乗するドクオの声が響く。 その上ずった声からはドクオの隠しようも無い動揺が感じ取れた。 (´・ω・`)「落ち着いて聞いてくれドクオ。時間はあまり無い」 『・・・はい』 (´・ω・`)「恐らく襲撃者達の目的は我々の新型FCSと見て間違いはないだろう。阿部は幸いにもすぐにつかまったが到着までは早くとも10分はかかる。自警団も同様だ」 『は、はい!』 (´・ω・`)「だがその間にも襲撃者はここに到着するだろう」 『・・・』 (´・ω・`)「今、試作機はお前のACに搭載されているものだけだ。お前は速やかにACごとここから避難しろ」 『・・・!そんな俺だけなんて主任達はっ・・・!?』 (#´゚ω゚`)「時間がねぇつってんだろうが!?少し黙らねぇとかっぴらいたその口にまた俺の肉棒で栓すんぞガキが!?」 『ちょっ!?』 (´・ω・`)「いいか、ドクオ。これは命令だ。お前みたいなペーペーにこのショボン様に対する拒否権はない」 『主任・・・・・・』 (´・ω・`)「それに俺達だって別に死ぬ気はない。つーか死ぬかよ、ぶち殺すぞお前」
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 07:16:01.87 ID:Yl3zxaUl0
(´゚ω゚`)「そうだろお前ルァァアァッ!!!!」 「「「「 たりめーだっっっ!! 」」」」 こんな状況にありながら、残された男達は普段と変わらない雄雄しい叫びを上げる。 マイクの向こうで、ドクオの小さな笑い声が漏れた。 『みんな・・・、了解しました!皆絶対に死なないで下さいね!』 (´・ω・`)「当然だ、急げドクオ」 『はい!!』 階下の演習場を脱出する灰色のAC。男達は一度作業の手を止めてそれを見送った。 (´・ω・`)「・・・行ったか」 |;;;;;;;|:::: (へ) ,(へ) |シ 「我ながら良い社員達を持ったものです」 (;´・ω・`)「・・・社長、ええ、まったくですよ」 |;;;;;;;|:::: (へ) ,(へ) |シ 「ふふふ、生きて帰ったら皆で高級ソープでも行きましょうか」 「「「「 いやっっっほう!!!! 」」」」 (#´・ω・` )「てめぇら仕事しろやぁぁっ!!!!」 青筋を浮かべたショボンの怒声で、再び室内に緊迫した空気と、喧騒と、忙しない回収作業が帰ってくる。 (´・ω・` )「・・・ん?・・・ノン?」 そこからは一人の優秀な研究員の姿が忽然と失われていた。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 07:17:20.10 ID:Yl3zxaUl0
【インタビュア】 『――あいつを拾ったのは、レイヤード南西区画の高級住宅街だ』 『あの日の俺はテロ組織の依頼を受けた、払いが良かったからな』 『内容はミラージュの庇護下にあるあの地域を使った企業への見せしめ・・・、まあなんだ、俗に言う虐殺ってやつだ――』
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 07:19:26.60 ID:XfuJFztw0
支援!
支援
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 08:01:59.03 ID:M/0I77Tl0
しえ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 08:32:30.45 ID:aJXmhklbQ
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 08:55:18.39 ID:oky1IWSJ0
あげ
90 :
規制されたんでPC移動しました :2010/04/02(金) 09:08:00.01 ID:Yl3zxaUl0
tes
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:10:13.30 ID:oky1IWSJ0
92 :
さるってそういう習性だったのか :2010/04/02(金) 09:13:58.37 ID:Yl3zxaUl0
【VIP重工 開発区画 予備格納庫】 敷き詰められた備品の隙間で彼女は一人膝を抱え、震えていた。 爆音と悲鳴が、遠くで木霊している。その都度暗い室内は小刻みに振動し、天井からはパラパラと埃や細かなコンクリート片が落下する。 o川; ー )o「・・・!・・・もうヤダよ・・・」 襲撃当初ミルナは整備中のMTばかりが置かれた機体整備室を後にし、他の整備担当の男達にキュートを預けて警備部までMTをとりに向かった。 しかし整備班は突如壁を突き破って現れた白い二脚ACに襲撃され、散り散りになってしまった。 去り際に見てしまった、あの巨大な鉄塊に踏み潰される同僚の姿。 o川; ー )o「ひっ!」 彼女は血が滲むほどに強く自らを抱きしめた。 あの時、彼は、確かに「助けて」と言っていた。 o川; ー )o「ごめんなさいごめんなさいごめんあさい・・・うぐ、ひっく」 溢れ出す涙を拭う事も忘れて彼女はさらに強く自身を抱いた。 こうしていなければ自分がバラバラになってしまいそうで恐ろしかった。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:16:13.97 ID:Yl3zxaUl0
o川; ー )o「ね、ネーヨざぁん・・・どうして行っちゃたんですかァ」 あの時彼が付いていてくれたなら、どれだけ心強かっただろうか。 「「助け!たすけ!ぎゃあぁぁぁああぁぁっっ!!!!」」 『タタタタタタッ!』 o川; ー )o「ひぃっ!!!」 今の絶叫と、発砲音は、今までと比べようもなく近かった。 『――――♪――♪』 o川; ー )o「なに、この音・・・?」 ズン、ズン 不可解な音は、巨大な振動と共に、すこしづつ近付いて来る。 細かなコンクリート片が、それに合わせて、パラパラとキュートの頬を撫でる。 o( д;川o「・・・・・・・・・・・っ!?」 反射的にキュートは扉を背にし、頭を抱えてうずくまった。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:20:38.49 ID:oky1IWSJ0
しえん
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:22:35.08 ID:oky1IWSJ0
したことがえんm
96 :
>>91 ただいま。そしてありがとう :2010/04/02(金) 09:22:44.37 ID:Yl3zxaUl0
音は、振動は、次第に明瞭に重厚に、その距離を詰めて行く。 ズン、ズン 『――フン♪フフン♪』 o( д;川o「・・・歌ってる、の?」 ズン! 一際大きく部屋が揺らぎ、振動が止まる。 o( д;川o「ひっ」 『・・・・・・』 o( へ;川o「・・・・・・」 『――見ぃつけた』 o( д;川o「キャアッ!!!」
97 :
>>91 ただいま。そしてありがとう :2010/04/02(金) 09:23:47.77 ID:Yl3zxaUl0
次の瞬間、扉は轟音と共に壁もろとも引き剥がされた。 ガタガタと震え、逃げる事はおろか立つこともままならない彼女を見下ろす純白の巨兵。 紅い単眼のカメラアイが、暗がりに滑らかな曲線を描いた。 o川 ;д;)o「あ、ああ・・・」 『生体センサーって、ホント便利』 ACの右肩に備えられたチェインガンの銃身が軽快な駆動音を立てて高速回転を始める。 「誰か、助けて」 ―――タタタタタタタタタタタタッ・・・
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:24:11.48 ID:oky1IWSJ0
しえん
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:25:25.11 ID:oky1IWSJ0
しえん
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:26:46.34 ID:oky1IWSJ0
支援
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:27:26.08 ID:Yl3zxaUl0
【インタビュア】 『簡単なヤマだったよ、MTがゾロゾロ出てきたが揃って燻製だ』 『相手も一匹、レイヴンを飼ってたようだが名前も思い出せねぇ下位ランカーだ』 『MTの燻製の他に焼き鳥が一品加わっただけの話しよ、笑わせるぜ』 『その帰等中だ、道の真ん中にガキが立ってやがった』
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:28:32.34 ID:oky1IWSJ0
支援
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:28:53.71 ID:Yl3zxaUl0
【演習区画付近 VIP重工敷地内】 噴煙を巻き上げてVIP重工が燃えている。 灰色の中量級ACが敷地外を目指して高速で移動していた。 (;'A`)「くそ!もう、メチャメチャじゃねぇか」 ここがあのVIPだと言うのか、ドクオの脳裏に辛酸なめあった同僚達の顔がよぎる。 彼等は無事だろうか、無意識の内にドクオはACのアクセルを緩め立ち止まってしまった。 (; A )「皆・・・」 『それに俺達だって別に死ぬ気はない。つーか死ぬかよ、ぶち殺すぞお前』 (; A )「 」 『『『『 たりめーだっっっ!! 』』』』 (#'A`)「・・・うん、行こう!俺は俺の役目を果たす!」 その時、遠ざかっていく演習場の一角からけたたましい爆音が上がった。
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:30:06.68 ID:oky1IWSJ0
支援
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:30:19.31 ID:Yl3zxaUl0
( A ;)「!!」 『いいか、ドクオ。これは命令だ。お前みたいなペーペーにこのショボン様に対する拒否権はない』 (; A )「・・・・・・」 ショボンがドクオを行かせたのは若い彼の命だけを思ってのことではない、 今日までのVIPの魂ともいえる次世代FCS、ドクオが託されたのはVIPの未来そのものだ。 ドクオもその事は充分過ぎる程に理解している。だが ( 'A`)「ハァ・・・・・・また、しょっぺぇのかな」 充分過ぎたとしても、それでも尚、今の彼の意思を曲げるには充分ではなかったのかもしれない。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:31:22.33 ID:oky1IWSJ0
支援
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:32:50.72 ID:Yl3zxaUl0
('A`#)「レイヴンがなんぼのもんじゃい!!!」 ブースターが火を噴き、機体は演習区画目指して鋭く旋回する。 普段は閉じられた後背部のハッチが開き、そこに内蔵された大出力ブースターが 機体内部のジェネレーターからのエネルギーを収束し、機体の背に蒼い光が膨らんでいく。 ('A`#)「童貞を!!」 OB(オーバーブースト)クレスト製ACのコアに標準装備されている超高機動用巨大ブースター。強烈な燃費の悪さを犠牲に、瞬間的にだが従来のブースターでは在り得ない超高速機動を実現した クレスト・イン・ダストリアルの傑作的機動システムだ。 ('A`#) 「舐めるなぁぁァァァアァァアァッッッ!!!!!!!!!!」 蒼い俳炎を翼のように背負い、灰色の弾丸が戦場へと撃ち出された。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:36:46.44 ID:Yl3zxaUl0
【VIP重工 開発区画 予備格納庫】 タタタタタタタン!タタタン! 『あぁん!?』 白い軽量級ACは突如、側面から掃射されたガトリングに被弾し、右肩を跳ねさせる形で僅かに傾いだ。 ACが伺った方向に佇む、全長7mほどの逆脚MTビショップ。見れば、格納庫内には他にも三機の人型MTが重厚なボディアーマーを身につけバズーカを構えている。 o川 ;ー;)o「嘘・・・」 涙で顔を濡らしながら呆然とするキュートに向かって、ビショップから音声が発せられる。 『すまない、遅くなった』 o川 ;ー;)o「ミ、ミルナさん!!」 『今助ける』
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 09:41:24.90 ID:+zUVf2aqO
支援
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:00:04.44 ID:Yl3zxaUl0
持ち直したACの銃口がビショップへと向けられ、チェインガンの弾道が空気を裂いて殺到する。 しかし本来MTを一瞬で鉄屑に変えるはずの弾丸は空を切り、格納庫の壁にビシビシと穴を穿つ。 『あ?』 標的を見失ったレイヴンの真上。 弾道を予測していたミルナのMTがその死角からガトリングを連打した。 『おお!?』 照準を目標に固定したまま宙空で機体を捻ったビショップは、そのまま速度を殺す事無くACの背後に着地 今度はACの背面に向けて絶え間なく弾丸が撃ち込まれ、 被弾した機体装甲が火花を散らしながら鈍い音を立てて周囲に散乱する。 『なんで!?MTがそんなに動・・・!?』 背後に向けて旋回を試みたACの肩口目掛け、ガトリングとは比べ物にならない衝撃が続け様に爆ぜる。
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:01:46.92 ID:Yl3zxaUl0
『うおっ!』 『俺達も忘れてもらっちゃ困るぜ』 カメラアイが視認した先で抱えられた砲身から煙を上げる三機の重層人型MT。 猶予なく新たな砲撃が発射される。 『なんだいなんだい?やべぇな、こりゃ・・・マジで、ん?』 気が付けばガトリングの掃射が止んでいる。 前方MTのバズーカ砲に対し回避行動を行おうとしたパイロットは、背筋に粟立つものを感じ迫る弾幕の中に自ら身を投じた。 『ハハハハハハハッなんだありゃ!?』 容赦なく機体を痛めつける砲撃の豪雨の中、パイロットは先程まで自機の立っていた位置を夥しい数の小型ミサイルが通過するのを視認した。 ミサイルの一群はそのまま直進を続け壁面に連続して衝突、爆発を繰り返し、その衝撃は格納庫全体を強く揺さぶった。 次の瞬間逆脚を畳んだビショップがブースターを全力で展開させ立ち込める爆煙の中にその身を眩ませる。
シエン
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:06:04.85 ID:Yl3zxaUl0
MTの弾幕を跳躍して回避したACは、上空から煙幕に目掛け右腕の高火力マシンガンを乱射する。 ACの着地とともに宙を舞っていた薬莢が澄んだ金属音を上げて床に散らばった。 『・・・・・・ハ、ハハッ!』 煙が晴れた時、そこにはビショップの姿はなく。 直径5mほどの巨大な穴が、壁面にポッカリと開いていた。 『ヒャハハハハッ!!勝ち逃げたぁ、やりやがる!色男め!』 キュートも同様にその姿を眩ませていた。 『なんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんなんだよあのMTはっ!? ハハハハハハハwwあー・・・燃える、燃えるなぁ・・・追っかけようか、やべぇな惚れちまいそうだw』 『行かせると思っているのか?』 棒立ちでその場に立ち尽くすACを三機の重層MTが取り囲んでいた。 『手負いの鳥がいつまでも飛んでいられると思うなよ』 『・・・・・・邪魔するなよ虫けらが』
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:08:58.55 ID:oky1IWSJ0
ドクオがkrswを手に入れられる日は来るのか?
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:09:59.38 ID:oky1IWSJ0
支援
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:12:11.09 ID:Yl3zxaUl0
【インタビュア】 『―――専門家が言うには、脳の構造がそもそも異常だったらしい』 『それでも本来なら、なんら普通の人間と変わりない筈だった、だが、はっはは―――』 『幼少時の致命的な精神負荷』 『俺のアートが!あいつを起こしちまったらしい。そういう点では俺達は同類だったのさ』
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:15:12.92 ID:Yl3zxaUl0
その時ACは不可解な動きを見せた。 いや、実際にACに乗った経験のある者を除いてその特異性に気付く者は少ないだろう。 乳白色の二脚ACは、両肩のチェインガンを、同時に展開し、マシンガンを構えた。 『20秒だ、せいぜい美しく』 燃えて魅せろよ、虫けら 左腕部で金色のブレードが妖しげに瞬いた。 『――――脳の使用領域が凡人の三倍、そいつを強化人間にするなんて』 燃えるだろう? NEXT
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:22:16.14 ID:oky1IWSJ0
支援
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:23:24.02 ID:PaW8/0300
乙 前にシベリアのレイヴン短編投下した人?
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:25:05.43 ID:+zUVf2aqO
乙 続き気になるぜ
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:26:28.62 ID:oky1IWSJ0
乙ん
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:35:47.29 ID:Yl3zxaUl0
本日の投下は以上です。 こんな時間まで長らくお付き合い頂き誠に『メルツェェェェル!』有難うございました! 『AMSから光が逆流する・・・』 つかID:oky1IWSJ0さん本『うあぁぁぁああぁぁ!!!』当に助かりました! 『てこずっているいるようだな・・・尻を貸そうか』 次回の投下は早ければ月曜、遅くとも来週中には『これで・・・イイ///』 本当にたくさんの支援ありがとうございました! 夜中からずっとコジマを耳から直接注入してるので拙者は今頭が『オレハ・・・ナニカサレタヨウダ』 もうすぐ仕事なのですが、それまでに質問やkannsou突っ込みどこを射突して頂けたら嬉しいです///
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:38:56.79 ID:oky1IWSJ0
VIP重工は全滅?
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:39:31.48 ID:Yl3zxaUl0
>>119 いえ、ブーン系は今さっき童貞喪失したばかりです
つか本当は投下しようとしてた日にあの短編が先に投下されていらっしゃたので
乗り遅れたorzって感じでした
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:42:46.56 ID:Yl3zxaUl0
>>123 それは次回書ききる予定ですので
その時はどうかひとつw
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 10:50:05.35 ID:Yl3zxaUl0
それじゃ仕事いってきます! 今日は本当にありがとうございました!
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 11:12:47.01 ID:oky1IWSJ0
乙
おつー
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 13:13:19.84 ID:6ZOVBWex0
乙 残っててよかったぜ
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 14:30:36.27 ID:oky1IWSJ0
あげ
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/04/02(金) 14:31:45.51 ID:oky1IWSJ0
誤爆した・・・
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :
2010/04/02(金) 15:49:40.75 ID:BCBCPLkdO 乙