1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
【AM0:00 真鍋 和】
澪「は……?」
部屋の外からは、原付の走り去る音が聞こえる。
十二月の寒空の下を走るのは、なかなか堪えるだろう。
私は原付なんて乗った事はなかったが、なんとなくそれが予想できた。
風も吹いているようだ。
窓ガラスは子供が何かを訴えるように、がたがたと泣いている。
いや、面白半分に私を煽っているだけかもしれない。
壁時計が0時を回ったところで、私は澪に告げた。
電話越しに聞こえてきた澪の声は、予想通り意味不明といった様子だ。
澪「ごめん和。よく聞こえなかった」
二度言うのはさすがに恥ずかしい。
一度目ですら、言葉と共に自分の尊厳が漏洩していく感覚に襲われた。
私は豪胆な性格ではないが、良識は持っているつもりだったから尚更だ。
だが、話の内容を飲み込んでもらえないと、澪に相談している意味がない。
時計の秒針はお構いなしに時を刻んでいる。
和「唯と一緒にいると……エッチな気分ていうのかな……そういう感じになるの」
しばらく澪からの返事はなかった。
澪がこの手の話を苦手としているのは重々承知の上だ。
きっと澪は今、私の言葉を反芻し、どろどろになるまで噛み砕き、何とか消化しようと必死になっているのだろう。
右耳に押し当てた携帯電話のスピーカーから澪の声が聞こえてきたのは、時計の長針がかちっと音を立てて動いてからだった。
澪「えーと……えっちな気分ってのはつまり……どういう事?」
和「自分でもよくわかってないんだけど……」
澪「うん」
和「唯ってよく抱きついてくるでしょ?今まではなんとも思わなかったんだけど、最近はそうじゃなくなってきたの」
澪「うん」
和「もっと唯に触りたい……とか……キスしてみたいとか……」
そこでまた澪は、私の言葉を理解するために黙ってしまった。
>>3 サンクス
微妙に変更点があるからとりあえずこのまま投下していきます
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 00:08:13.30 ID:fzSyI2rc0
唯「私の命もあと数分か」
澪から電話がかかってきたのは、まだ時計が午後11時台を指していた頃だった。
二十分程、世間話をした後に、澪は切り出してきた。
全く自覚していなかったが、ここのところの私は浮かない顔をしていたらしく、それを心配して電話したのだと澪は言った。
恐らく受験で悩んでいるとでも思ったのだろう。
澪は何かあるなら私に相談してくれと言ってくれた。
しかし、どうやら私の悩みというのは、澪の予想の範疇から大きく外れていたようだ。
私はこの事を誰かに話すつもりはなかったが、自分一人でこれを飼い慣らせるほど、私のケージは大きくなかった。
私はベッドの上で丸めた膝の上に握り拳を作り、澪の返事を待たずに話し始めた。
和「澪に話したっけ?ちょっと前から私の家で唯に勉強を教えてるの。
最初は唯の家でだったんだけど、あの子どうも自分の部屋だと集中できないみたいで」
澪はまだ黙り込んだままだ。
和「それで私の部屋で勉強を教えてたんだけどね、唯はいつもの調子で抱きついてくるし、私はこんな調子だし、どうしていいかわからなくて。
それがストレスになってたのかな。澪は、律と一緒にいてそういう事ない?」
澪「ないよ」
それはそうだろう。
同性の友人に欲情する人間なんてそうそういるものではない。
それくらいわかっていたが、私が普通じゃないという事実に認め印を捺されたような気がして、ショックだった。
それくらい、澪ははっきりと否定した。
私は聞こえよがしな溜息をついてから、また喋り始めた。
和「やっぱりそうよね。それが普通よね。私、どうしちゃったんだろう。」
澪「あ、ごめん。えっと……和が変とかじゃなくて、うーん……今の話は私もちょっとびっくりしたから」
ちょっとどころじゃなさそうだけど。
澪「そういう人ってさ、和だけじゃないよね?実際世の中にはけっこういるみたいだし」
澪は困惑しながらも、私を気遣ってくれている。
しかし、慰めは解決にはならない。
和「ねえ、どうしたらいいと思う?」
澪「和はどうしたいの?」
和「わからない」
澪「えっと……唯と付き合いたいんだよね?」
和「わからない。付き合いたいってわけじゃないと思う」
澪「え?唯の事好きなんだよね?」
和「好き……とも少し違うと思う」
そこが厄介だった。
これが単なる恋愛感情だったら、相手が同性という事を除けば、普通の恋愛と同じように悩めばいいだけだ。
しかし、私の場合は、恋愛感情という大義名分を通さずに、性欲がまず動いている。
私が唯に抱いている感情は、恋愛よりももっと原始的で、本能的だった。
そのくせ下手な恋愛よりも私を揺さぶっていた。
頑張れ
澪「つまり、恋愛じゃなくて……単純に唯と、え……えっちな事したいってこと?」
和「うん。そういう事だと思う」
澪が私に幻滅し、軽蔑し、見放しても、私は澪を恨まない。
今の私は、言ってしまえば、欲望の赴くままに女性の身体を触る痴漢となんら変わらない。
ただ、実行するかしないかだけの違いだ。
澪「それは……良くないと思う」
和「私もそう思う」
澪「唯の事が好きっていうなら、難しいかもしれないけど私も応援できるんだけど」
和「好きとはやっぱり違うと思う。
私も中学の時は好きな男の子がいたけど、あれとはぜんぜん違う」
澪「だったら和が我慢するしかないんじゃないか?」
澪は決して人を甘やかすような子ではない。
私もそうだ。
だからこそ、澪の言葉は理解できたし、同時に手厳しくも聞こえた。
和「うん……そうよね」
澪「我慢できそう?」
和「……自信ない」
私が弱音を吐くなんて初めてかもしれない。
これまでも年相応の悩みはあったが、それを吐露するのを抑えるだけの分別も備わっていた。
しかし、今の私はそれが機能していない。
そんな私が、唯に対する情欲をこの先も抑えられるとは思えなかった。
澪「いや、そこは我慢しないと唯が可哀想だろ?」
和「わかってるけど……」
澪「だったら」
和「わかってるけど自信がないの……」
澪はまた黙り込んで、言葉を探しているようだった。
さるよけ
和「だって唯ったら、こっちの気も知らないで手を握ってきたり、抱きついたりしてくるのよ?
唯が何もしてこなければ我慢できると思うけど、今のままじゃ自信ない……」
私はまた溜息をついた。
自分の息が、受話器越しに聞こえてくる。
少し嫌みっぽかったかなと後悔した。
和「ごめんなさい。頭じゃわかってるんだけど」
澪「いや、気持ちはわからなくはないけどさ。
私も、ダイエット中にみんながお茶してると、我慢できなくてケーキ食べちゃうし」
澪はそう言って笑ったが、私は笑い返せなかった。
澪「和、相当参ってるんだね……」
和「うん。相当ね……」
私は隠さなかった。
友達に欲情しているなんて事を話してしまった以上、今更何を隠しても意味はない。
私という人間をいくら取り繕っても、とっくにそれは綻びているのだ。
澪「もしかして、他の女の子を見てもそうなっちゃうの?」
和「それはないわ。唯にだけよ」
今のところは……と言いかけて、私は言葉を切った。
澪に無用な警戒心を抱かせたくなかったし、実際、唯以外に欲情した事はなかった。
それはこれからも変わらない。
その事に何の根拠もなかったけれど。
澪「そう。じゃあ一時的なものなんじゃない?
私たちの年頃って、ホルモンバランスとか……そういうのが乱れやすいみたいだし。
よくわかんないけど……」
和「それならいいんだけど……。
でもその一時的なものが通り過ぎる前に、どうにかなってしまいそうで怖いのよ……」
このペ0スだったら確実にさる喰らっちまうな…
PCの人に聞きたいんだけど、「」内の2行目ってずれてないで収まってる?
やだ/// ペ0スだなんてハシタナイ///
ペースですペース
ズレてるけど別にいい
澪「じゃあ、唯と少し距離を置いてみたら?
唯が可哀想な気もするけど、それくらいしかないんじゃないか?」
それはもうやってる。
唯が私の部屋で抱きついてきても、私はなるべく構わないようにしていた。
しかし、唯は唯だ。
そんなのどこ吹く風で、腕を絡めてくる。
和「もうやってるわ。でもさっきも言ったけど、唯はそんなのお構いなしなの。
勉強は自分でするようになってきてるけど、くっついてくるのは相変わらずよ」
澪「唯のあしらい方は、和が一番よくわかってるはずだけど」
和「……どうやってたっけ、私」
ここのところ、私は明らかに唯に甘い。
以前の唯は、私か憂に頼りっきりだったため、私は時に心を鬼にして唯を突き放していた。
それが唯のためだと思っていた。
しかし、今の唯は自立の道を歩み始めていた。
そのため、私に頼る頻度は下がっていた。
私はそれを嬉しく思う一方で、寂しいとも思っていたのだろう。
私の劣情の出所はきっとそこだ。
それがどういうわけか、性欲に変わってしまっているのだ。
これが私の自己分析だった。
今の私には、唯を軽くあしらう事なんて出来なかった。
澪「それなら、もういっそ唯に打ち明けちゃったら?」
和「私はあなたを見ていると、いやらしい気持ちになる……って?」
澪「いや、そこはもっと他の言い方で……ドキドキするとかそういうので」
ドキドキ?
私が唯に抱いている感情は、そんな可愛いものじゃない。
確かにものは言いようで、その言い回しを使っても嘘にはならないのかもしれないけど。
澪「案外、唯は喜ぶかもしれないよ。チューするくらいなら平気かも」
和「私がそれ以上の事をしようとしたら?」
澪「それ以上って……どうかな……。さすがに拒むかもしれないな」
和「そうよね」
澪「私が唯だったらな。でも、私と唯は違うから。
貞操観念だっけ?私はちょっとそのへんが堅すぎるのかもしれないし。
子供なのかな、私」
それも言い方の問題だ。
和「子供じゃないわ。しっかりしてるのよ澪は。私よりずっと」
澪「唯はそのへんどうなんだろうな。
私よりはガチガチじゃなさそうだけど」
和「最後の一線は守る子だと思う。羞恥心やプライドはまるでないけどね」
澪「じゃあやっぱり、チューするくらいで和が止めればいいんじゃないか?」
和「それも自信ないわ……」
澪「和らしくないよ」
和「私もそう思う」
とりあえず私が我慢すれば、根本的な解決にはならなくても、その場しのぎにはなる。
ただ、その我慢の糸が脆すぎるのだ。
澪の提案に対して我慢できないの一点張りな私は、唯よりもよっぽど子供だった。
澪「明日も唯に勉強教えるの?」
和「うん」
澪「明日は我慢できそう?」
和「多分まだ大丈夫だと思う」
澪「辛いかもしれないけど、そうやって我慢していくしかないんじゃないかな」
私は何も答えなかった。
「我慢できない」なんていうのは、つまるところ、「我慢したくない」というだけの事だ。
私が澪に求めていたのは、我慢せずに問題を解決する方法の提示だった。
そんな神懸かり的な方法なんて、どこにも存在しない事くらいわかっていたが。
澪は私の沈黙からそれを察してくれたようだった。
澪「そんなに……えーと……唯としたいの……?」
和「……うん」
____________
<○√
‖
くく
さるは俺がなんとか食い止めるから
お前は早く前回までの分を投下するんだー!
澪「唯の何がそんなに……あー……そそられるんだ?
私は毎日一緒に部活してるけど、そういうのは全然……」
和「それが普通だと思うわ」
澪は困ったように笑った。
和「唯の声とか、匂いとか、感触とか……唯が纏っている空気とか……そういうのにそそられてるんだと思う」
澪は何も答えなかった。
和「ごめん。不潔よね」
澪「そんな事ないよ。高校三年にもなって、そういう話もできない私が子供なんだよ、きっと」
そこまで言って、澪は何かを考えるように黙り込んだ。
そしてゆっくりと、子供が親にイタズラの告白をするように、話し始めた。
澪「あの……そういう時ってさ……自分で処理する人もいるみたいだよ……」
澪が何を言っているのか理解するのに、数秒かかった。
自慰の事を言っているのだとしたら、澪も今、随分恥ずかしい思いをしているのだろう。
それを押し殺してまで解決策を考えてくれている澪には、頭が下がる。
実際、悪くない案だった。
和「でも私、それ、した事ないわ……」
澪「私だってないよ……」
和「……それをしていれば、唯と一緒にいても我慢できるのかな?
前みたいに気兼ねなく、唯を甘えさせてあげられるのかな?」
澪「わかんないけど……私にはもうそれくらいしか思いつかないよ……」
和「わかった。ありがとう。試してみる」
澪「ねえ、私今、すっごく恥ずかしい事言ってるよね?」
和「そうね」
澪「うぅ〜…」
和「私も大概だけどね」
そう言って、私と澪は苦笑した。
さっきはつい調子に乗りました。すんません
微力ながら、さるよけ支援
澪「どう?ちょっとは元気になった?」
和「うん。ありがとう澪。こんな時間まで変な話しちゃってごめん。
電話代大丈夫?」
澪「いいよそんなの。それに、変な奴にはもう慣れてる」
そう言って笑い合った後、また明日と言って、私達は電話を切った。
ずっと携帯電話を押し当てていたせいで、右耳が疼いた。
壁に目をやると、時計の針はすでに午前1時を回っていた。
何かが解決したわけではなかったが、澪が話を聞いてくれた事は、袋小路に追いつめられていた私にとって救いになった。
そこから抜け出すための活路が自慰行為というのは、我ながら情けなくなったが。
私は早速ベッドに潜り込み、唯の事を考えた。
自分でもどこで見知ったのかわからなかったが、それのやり方は心得ていた。
私はショーツの上からゆっくりと指で恥部をなぞった。
外を吹く風は、私を嘲るように、窓ガラスをしつこく揺らしていた。
【AM1:12】
____________
<○√
へ‖へ
へへ…力虚しくさるっちまったかな……すまねぇな……
ペシャ!
____________
【AM06:47 秋山 澪】
カーテンを開けると、風はまだ吹いていたが、電線の揺れが小さい事から幾分か弱まっているとわかった。
今日のところはお役御免になった目覚まし時計が鳴る前に、私はアラームを解除した。
箪笥から下着を取り出し、ハンガーで壁にかけていた制服を抱えて、私は自分の部屋を出た。
階段を降り、脱衣所に入ってパジャマ脱ぐと、長い髪がぱちぱちと静電気を起こした。
磨りガラスのドアを開けて浴室に入ると、冷えきった空気が肌を刺した。
蛇口を捻って少したつと、シャワーヘッドから勢いよく流れる水が熱を持ち始めた。
私はそれが十分に温まった事を手で確認すると、頭からお湯を浴びた。
昨夜の和の話は、私にとって大分刺激的だった。
和を軽蔑したり、幻滅したりする事はなかったが、和という女の子に対する私の見方は大きく変わってしまった。
私は犯罪の片棒を担がされたような気がして、朝までまどろむ事もできず、一晩中ベッドの中で、和が私に言っていた事、私が和に言った事を思い返していた。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 00:55:57.85 ID:Dr540xAc0
しえん
我ながら恥知らずな提案をしたものだ。
それを受け入れた和も和だ。
まさかそこまで切羽詰まっていたとは思いも寄らなかった。
髪と身体を洗い、浴室を出て、バスタオルで全身を拭き終わると、私は下着をつけた。
また少し胸がきつくなっている。
律や唯は羨ましがっているが、今の所、胸が大きくて得をした事などない。
せいぜい、水着が栄えるって程度だ。
シャツを着て、制服のジャケットを羽織っても、胸の膨らみがよくわかった。
衣服で覆い隠してもなお、自己主張をやめようとしないこの胸が、私はなかなか好きになれなかった。
男の人、もしくは和みたいな人にとって、この無用な膨らみが魅力的に見えるというのも理解に苦しむ。
いや、和は胸の小さい唯に夢中になっているんだから、やはり胸の大きさなんてステータスにはなり得ないのではないだろうか。
私は部屋に戻ると、ドライヤーで髪を乾かした。
下品な胸と違って、私はこの髪をとても気に入っていた。
小学校の頃だったか、律が綺麗と言ってくれた髪だ。
それで騒がれたのは不快だったが、褒められた事は素直に嬉しかった。
ママに呼ばれて台所へ行き、朝食を済ませ、テレビのニュースをぼんやり眺めていると、インターホンのベルが鳴った。
私は通学バッグを肩にかけ、マフラーを巻き、玄関で靴を履き、家のドアを開けた。
律「おっす。おはよう澪」
澪「おはよう」
今日は当たりだ。
小学校で仲良くなって以来、律とはよく一緒に登校していたが、毎日というわけではなかった。
いい加減な性格の幼なじみは、私の家に寄ったり寄らなかったり……要は気まぐれで登校しているのだ。
学校を休む時は一応私に連絡してくるが、それもまちまちだった。
私の日常に賑やかさを与える律無しの登校は、寂しいとまではいかないが、どこか物足りない。
今みたいに寒い時期は尚更だ。
それはiPodで埋められるものではなかった。
そのため、律が私の家に寄ってくれた日は、私にとって当たりだった。
私が毎朝律の家に寄ればいいだけの話だが、それが出来るほど私は素直な子に育たなかった。
澪「いってきます」
律「おばさーん!いってきまーす」
しえん
律「うぅ……さっみいいいぃ……」
信号待ちの最中、律は私の隣で身体を小刻みに震わせた。
律「おでこ出してるから余計に寒いぜ……」
澪「じゃあ出さなきゃいいじゃん」
律「これが私のアイデンティティなんだよ。トレードマークなの!」
信号が青になり、私と律は横断歩道を渡り始めた。
私のほうが身長は高い。
歩幅も私のほうが大きい。
横断歩道の白線を基準にして見比べると、それがよくわかった。
律「なんだよ。ジロジロ見て。そんなに私の脚は艶めかしいか」
澪「え?あ……いや、別に」
律「はぁ……?」
幼なじみという点において、和と唯、私と律の関係は共通している。
これから和の悩みを私が軽減させてあげるために、私は律を観察してみる事にした。
私が唯の立場だったら、どう思うんだろう。
つまり、律が私を色情を以て見ていたら。
律「みお〜?どうした?
なんか今日変だぞ?うんこ我慢してんの?」
私は律の変化にあまり鋭くなかったが、律は私の変化に敏感だ。
その上でからかってくるからタチが悪い。
律の頭を小突いてから、私は答えた。
澪「うーん……昨日よく眠れなかったから、頭がぼーっとする」
律「私はお前に殴られて、頭がガンガンするんだけど……」
さるよけ
出庫
頭をさすりながら、律は言った。
これがいつもの私と律だ。
この律が、何かのきっかけで私に欲情したら……どうだろう、多分、律は和みたいに悩まないのかもしれない。
やらせろ! とでも言って襲いかかってくるのだろうか。
いや、それは違う。
律は強引なところがあるけれど、最後には気を遣うタイプだ。
じゃあ甘える感じで迫ってくるんだろうか。
それも違う気がする。
甘えたところが無いわけではないが、最初に意地を張って、喧嘩になって、仲直りして、それからようやくほんの少しだけ甘える程度だ。
結局のところ、私が知っている律は、「私を友達として見ている律」であって、「私に欲情している律」ではない。
それはもはや違う人間だ。
律が欲情したらどう迫ってくるかなんて、幼なじみの私といえど想像不可能だ。
という事は、唯も「唯に欲情している和」は知らないわけだ。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 01:09:44.72 ID:Dr540xAc0
支援
律「そうそう、私さ、昨日センターの過去問やってたんだけど、英語8割いったんだぜ!
すごくない?」
澪「へえ〜。すごいな。頑張ってるじゃん」
私は8割5分が当たり前になっていたが、ここでそれを言うのも野暮なので、黙っておいた。
律「へへ〜。おかげさまでなんとか一緒の大学に行けそうだな!」
たまにこういう事をしれっと言うところが、またタチが悪い。
私はたちどころに嬉しくなってしまい、それを顔に出さないように努めなければならない。
胸のあたりがむずむずする。
口を開いたらにやけてしまいそうだ。
頭がふわふわして、言葉に詰まる。
律「お?ははっ!澪が照れてるぞ〜!」
さすが、私の変化に敏感なだけあって、それもあっさり見破られてしまった。
澪「バカッ!」
私は照れ隠しで律の頭を小突いた。
さっきよりも強く。
こういう事は念入にやっておかないと、すぐにまた律は、私が尻尾を振りたくなるような台詞を連発する。
たまったもんじゃない。
また信号は赤だ。
立ち止まった私と律の前を、車が何台も通り過ぎていく。
律「いてて……。これじゃせっかく覚えた熟語も飛んじゃうじゃん……」
そう言って口を尖らせながらぶつぶつ言っている律は可愛い。
可愛い……そう、私が律を可愛いと思う事は、ある。
だがそれは決して性欲ではない。
恋愛感情でもない。
それでも、もし律が私に欲情したら……どう迫ってくるかは置いといて……それが私の知らない律だとしても、もしかしたら私は受け入れてしまうかもしれない。
律との縁がぷっつり切れるよりは、そっちのほうがマシだ。
小学校で知り合って以来、私の人生の大半は、律と共有していて、律によって決められていた。
もちろん、最終的に自分の行く先を決めるのは私の意志だ。
しかし、常に律が殿を務めていてくれたおかげで、私は安心して道を進む事が出来た。
風が少し強くなった。
律「おい澪。ぼーっとし過ぎだって。唯じゃないんだからさぁ。
ほら、もう信号青だぞ。行こうぜ」
そう言うと律は私の手をとって、横断歩道を小走りで渡った。
私の冷たい手を引く律の小さい背中は、不覚にも頼もしく見えた。
律は冬の風をものともせず、道を闊歩している。
律が私に欲情して、私と律がそういう関係になったとしても、結局それはいつもそうだったように、まさに今そうであるように、律に新しい道を示してもらうだけの事で……特別な事ではないのかもしれない。
さるよけ
じゃあそれを受け入れたとして、私は律とそういう事ができるだろうか。
律とキスしたり、互いの身体を触り合ったり。
……なんだこれ。
私にしては随分過激な事を考えてるな。
徹夜明けの、論理も倫理もなくなっている頭じゃなかったら、とっくに卒倒してそうだ。
律が私の身体を触る事は……まぁよくある。
ふざけて胸を揉まれた事もある。
そのたびに、私が律を叩いてやめさせる。
しかし、私が今仮定している状況は、律は真剣に私を触り、私も律を止めずに律の身体を真剣に触るというものだ。
無理だ。
無理無理。
恥ずかしい。
恥ずかしい?
じゃあ恥ずかしさを取っ払ったらどうなる?
嫌ではない。
触ってほしいとは別に思わないが、触られて嫌だとも思わない。
やはり私は、受け入れてしまうかもしれない。
律が、私が恥ずかしい思いをしないように配慮してくれるという条件つきで。
私でさえそうなのだから、羞恥心のない唯なら、あっさり和を受け入れるのかもしれない。
私は律に手を引かれたまま、教室に着いた。
律「おーい。いつまで握ってんだよー」
いつの間にか私は、子供が母親の手にしがみつくように、律の手を握っていた。
私は慌てて手を離した。
律に抱かれる自分を想像しながら手を握っていたなんて、いくらなんでも寝ぼけ過ぎだ。
暖房がよく効いた教室に、人はまだまばらだった。
私はその中に和を見つけた。
唯の姿はまだない。
今頃は憂ちゃんと仲良く登校中なんだろう。
澪「おはよう和」
私はマフラーを外しながら挨拶した。
和「おはよう。
昨日はごめん。ちゃんと眠れた?」
支援
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 01:23:49.25 ID:dxJb4q6e0
支援
澪「ん……ちょっと寝不足。でも気にしなくていいから。
和こそ大丈夫?」
そこまで言ったところで、私は昨夜自分がした提案を思い出して恥ずかしくなった。
和「うん。おかげさまで」
ばつが悪そうに、和は答えた。
どうやら本当に実行したらしい。
律「む?澪さーん、なに赤くなってるんですか〜?」
澪「うるさい!なってない!」
さっきまで律を使っていやらしい妄想を展開させていたくせに、和が昨夜していたであろう事を思い浮かべたら、私の頭はあっと言う間にフリーズしてしまった。
和「澪、昼休みにまたちょっと話したいんだけどいい?」
週番だった和は、黒板の端に「12月14日」と、今日の日付を書きながら言った。
昼休みまでに私の頭が熱を冷ましてくれていれば何の問題もない。
が、今ここで和の申し出を断る事もできなかった。
澪「うん。いいよ。私も昨日の事で話したい事があるし」
和はありがとう、と答えた。
そこでその話題は打ち切られ、私と和と律は世間話を始めた。
少しして、教室に入ってきたムギもそれに加わった。
唯が教室に姿を現したのは、ムギが来てから5分程経ってからだった。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 01:27:21.00 ID:iq9sl6Jg0
しえん
俺は和ちゃんがオナニーしたのを澪に向かって公言したとしても澪を愛せるよしえん
唯は教室に入ってくるなり私たちのほうへ寄ってきて、バッグを肩にかけたまま輪に入ろうとした。
和「唯、先にバッグ置いてきたら?」
唯「あ……えへへ、そうだね」
なるほど、そう言って笑う唯は確かに可愛い。
が、やはり欲情はしない。
和は特に変わった様子が無いけれど、今も胸の内はドキドキしているんだろうか。
バッグを置いた唯は、和の隣で再び私たちの輪に加わった。
私たちの会話の内容のほとんどは、受験に関するものだった。
ちょっと前まで受験の仕組みすらわかっていなかった唯と律も、今では当たり前のように、赤本だ偏差値だ判定だという言葉を口にしている。
もしもしえん
不意に、何かに気づいたのか、ムギがそわそわし始めた。
なんだろうと思い、ムギの熱い視線の先に目をやると、会話をしながら唯が和にすり寄っている。
そのまま唯は和に抱きつく格好になり、和はそれを意に介さない様子で私たちと会話を続けている。
私はとっさに目を逸らした。
こういう光景は見慣れていたはずだが、和の事情を知ってしまった今、正視に堪えない。
不快ではないが、得体の知れないぬったりとした背徳感が、私を覆った。
自分が世界一道徳に悖る人間に思えた。
私の考え過ぎかもしれないが。
律はそんな私に気づいたようだった。
でもそれも、私の考えすぎかもしれない。
【AM8:19】
【AM11:52 田井中 律】
唯「えーっと……カノッサの……う……なんだっけ……」
二限目の授業中、私が頬杖をつきながら世界史の資料集をぺらぺらめくっている横で、先生に当てられた唯は必死で教科書をめくりながら答えを探している。
屈辱な。
カノッサの屈辱。
今のお前も屈辱だけど……いや、唯に限って屈辱なんて事はないか?
和「唯、屈辱だよ」
和が声を潜めて、唯に答えを教えた。
唯「和ちゃんひどいよ……。そりゃ確かに屈辱だけどさぁ……」
律「ぶふっ!」
教室で笑いが起こった。
先生も吹き出した。
和は呆れたように頭を抱えている。
澪とムギは苦笑いだ。
唯だけが何もわからないといった顔をしている。
席に着いた唯は、和に説明されて、ようやく状況を把握したらしく、気恥ずかしそうに頭をぽりぽりと掻いている。
放課後シェーンタイム
世界史は嫌いだった。
英語、国語、数学なら、理屈で考えればまあ答えは出る。
生物も、理屈で考えればそれなりになんとかなる……時もある。
世界史はそうもいかない。
物事を暗記している事が大前提だ。
目下、受験勉強で最も私を苦しめている科目だった。
それでも、世界史の授業自体は嫌いじゃなかった。
私は世界史の資料集に載っている、遺跡やら絵画やらを眺めるのが好きだったからだ。
退屈な教科書と違って、これは読む人を楽しませる作りになっている。
今日、私の目に留まったのは、「曼陀羅」とかいう、仏教系の絵図だ。
人間の魂が、現世と天国と地獄をぐるぐる回っている絵。
生前の行い次第で、天女になったり、犬畜生になったり、人間になったりするらしい。
天女になったらもう安泰……と思いきや、そうでもないらしい。
天女もいつかは枯れる、とここには書いてある。
天女ねえ。相当美人さんなんだろうなぁ。
このクラスが一つの世界だとして、天女っぽいのは……まぁ澪だろう。
幼なじみの欲目があるのかもしれないけど、あいつは見た感じ女として完璧だ。
すぐ殴る事を除けば。
もちろんそんな事は、いくら口数の多い私でも、本人には言わない。
言う事があるとしたら、からかうついでだ。あぁ、小学生の時はしょっちゅう言ってたっけな。
JRバステック
ムギも天女かなぁ……。
私と唯と和は人間ってところだろう。
犬畜生ではない……と思いたい。
あ、唯なら犬畜生っていうか、ワンコっぽいかも。
そんな具合にアホな事を考えてる間に、授業は終わった。
授業が終われば、もう資料集なんぞに用はない。
私はさっさと机の上を片づけ、バッグから弁当を取り出して、意気揚々と唯の席へ向かった。
なんでかわからないけど、私も澪もムギも和も、昼休みは決まって唯の所に集まって弁当を広げるようになっていた。
唯には人を引き寄せる妙な力があった。
もしかしたら、唯は犬どころか、神サマレベルなのかもしれない。
私は唯の隣の席の子がいなくなったのを確認すると、その机を借りる事にした。
唯「いや〜赤っ恥かいちゃったよ」
唯は菓子パンを頬張りながら言った。
コンビニで買っているのか、あるいは授業前に売店に行っているのか、唯の昼食は菓子パンが一つか二つ、それと100円そこそこのパック飲料と決まっていた。
今日の唯の昼食は、いちごジャムパンとイチゴ牛乳。
うわ……甘ったるいなぁ。
こいつ、いつか糖尿病になるんじゃねーの?
いくら食べても太らないって事は、内臓に脂肪がついてるって事だ。
あずにゃん分より糖分をとらないと死ぬようになっちゃうぞ。
ていうか、憂ちゃんがいるんだから、弁当くらい持たせてくれそうなもんだが。
律「唯、前から思ってたんだけどさ、憂ちゃんって弁当は作ってくれないの?」
願わくば今回は完結出来ることを祈って…寝る
唯「うん。朝はお母さんがいるから、お昼はこれで食べなさいって五百円くれるんだ〜」
律「ふーん。そうなのか」
それは憂ちゃんが弁当を作らない理由にならないだろ……と思ったが、あぁ、なるほど、憂ちゃんはそうやって親を立てているのだ。
しょっちゅう旅行をしているくらいだから、けっこうな稼ぎのある仕事を、唯の両親はしているはずだ。
例えば一流商社とか……まぁ子供の私にはよくわからないけど。
帰りの遅い良心に代わって、家事全般を取り仕切っているのは憂ちゃんだが、朝くらいは母親に母親としての仕事を任せて、自尊心……と言うときこえは悪いが、それを満たしてやっているのだろう。
それが例え五百円玉を渡すだけの仕事だったとしても。
なんにせよ、私がこれ以上平沢家の事情を詮索するのは、無粋ってやつだ。
現状、唯の家は家庭円満と言って差し支えなさそうだし。
五百円玉がランチなんてのは、どこの家庭でもある事だ。
それで唯が不憫だなんて事はない。
唯「ごちそうさま〜」
そう言って唯は、私とムギの弁当を物欲しそうに見た。
律「むっ……やらないからな!」
唯「そんな事言ってないよ。言ってないけどさ〜……おいしそうだねぇ」
私は唯にとられる前に、急いで弁当箱を空にした。
唯「ああっ!私の卵焼き……」
律「私のだっつーの」
こういう時は、ムギと澪と和が、唯に餌を与える。
いや、唯が神サマならお供え物か?
唯「んま〜。ムギちゃんありがとう〜」
唯は満面の笑みを浮かべて、ムギから献上されたマッシュポテトを飲み込んだ。
そこでようやく私は気がついた。
律「あれ?そういや澪と和は?」
ここからは前回の続きです
ラストまで書き溜めはあるんだが、けっこう長いので今夜中に終わるかどうか微妙ww
しっかし地の文大杉読みにく杉ワロエナイ…
地の文上手いから読みやすい
寝るまで支援
唯「あ、用事があるって言って、昼休みになったらすぐに二人でどっか行っちゃったよ〜。あやしいよねぇ…」
そう言って唯はにやりと笑った。
律「あ〜、そういや朝そんな事言ってたなぁ。二人で何をコソコソやっているのやら」
私もにやりと笑う。
澪と和が仲良くしていたところで、今更私が動揺する事はなかった。
前に和絡みで澪と気まずくなった時は、私はまだ和をよく知らなかったが、今はそうじゃない。
和も友達の一人だ。
澪と和の仲が深まったところで、澪をからかうネタが一つ増えるってだけだ。
どうせ今も連れションか何かだろ。
すぐ戻ってくるだろうと思い、私は唯とムギと談笑しながら、二人が戻ってくるのを待った。
しかし、二人が教室に戻ってきたのは、昼休みが終わってからだった。
澪はどこか落ち着かない顔をしている。
いや、正確には、落ち着かない事を隠そうとしている顔だ。
眉間にシワを寄せて、しきりに瞬きをしている。
これはからかうチャンスだ。
律「お二人さ〜ん、何やってたんですか〜?」
和「うん、ちょっとね」
唯「なになに〜?内緒話?」
和「まあ、そんなところ。ほら、授業始まるわよ」
律「あやしいなぁ〜。逢い引きですか澪しゃん?」
澪「別になんでもないよ。律には関係ないだろ」
ぶっきらぼうに澪は答えた。
和「澪、大丈夫?」
澪「あぁ……うん。平気」
あらあら、こいつら本当に仲良いな。
デキてんのか?
それになんだっけ、内緒話?
そういえば、私と澪は今まで秘密を共有した事がなかった。
私はそういった事を澪に求めてはいなかったが、和はほんの2年かそこらで、私に出来なかった事をやってのけてくれたわけだ。
おいおい和、お前の仕事は唯の世話だろ?
澪を見守るのは私の仕事のはずだ。
……アホか。
これじゃあの時の二の舞だ。
考えるな、私。
憂ちゃんが家で母親を立てているように、和が私を立てるなんて事は期待できない。
そもそもそんなややこしい関係は御免だ。
私が澪と和にさらに突っ込みを入れようとするのを待たずに、先生が教室に入ってきたため、私は渋々席に着いた。
その授業が終わっても、澪はまだそわそわしていた。
【PM14:50】
こっから時間が行ったり来たりしてややこしくなるけど勘弁してくだせえ
海コン
ほいさ
【PM12:35 真鍋 和】
昔の桜高は、一つの学年に十クラス以上あったらしい。
それが今は少子化の影響もあってか、クラス数は減り、校舎内にはいくつか空き教室ができていた。
和「ここでいいかしら」
澪「うん、いいよ」
私と澪は、その空き教室の一つを使って、昨日の話の続きをする事にした。
カーテンは開いていて、日の光が射していたものの、室内は薄暗く、空気も冷えていた。
私が入り口に並んだ横のスイッチを押すと、蛍光灯が点いて、室内は明るくなった。
暖房が低いうなり声をあげて稼働した。
が、室内を暖めるには時間が必要なようだった。
適当な机と椅子を並べて、私と澪はそこに弁当を広げた。
和「あ……ごめん。食事中にする話じゃないわね……」
今更になって私は気づいた。
まあ、食事中じゃなかったところで、この話をするのに相応しいシチュエーションなんて思いつかないけど。
澪「いいよ。気にしなくて。具合が悪くなったら耳塞ぐから。
……っていうかそんなにキツい話をするつもりなの?」
和「じゃあなるべくオブラートに包んで話すわ」
澪「……お願いします」
wktk
話すと言っても、もう相談ではなく愚痴でしかなかった。
昨日の時点で、私が我慢するしかないという結論はもう出ているのだ。
私が今からするのはただのガス抜きだ。
それを澪みたいな繊細な子の仕事にしてしまった事は、本当に申し訳なく思う。
和「えっと……それで、昨日の澪の提案を試してみたんだけど……」
澪の顔がみるみる赤くなっていく。
和「あ、ごめん。やっぱりやめとく?」
私がそう言い終わる前に、澪は耳まで真っ赤になっていた。
澪「だ……大丈夫!続けて」
和「……一応それで悶々とした気持ちは収まったんだけどね、罪悪感がすごかった」
澪「……罪悪感」
澪が私の言葉を反復した。
和「今までああいう行為をした事がなかったのもあるけど、唯を汚しちゃった気がして……。
変な言い方になるけど、畏れ多い事のような気がしたの」
澪「……うん」
和「これから先、ああやって自分を保っていかなきゃいけないのよね」
澪「うん……。確かにそれはそれで大変かもね。
そう言えば朝も唯は和に抱きついてたけど、やっぱりああいう時も我慢してて苦しくなるの?」
朝?
そう言えば、確かに唯は私に抱きついてきた。
そうか、ああいう話をしてしまった以上、私と唯の日常も、澪にはポルノ映画のワンシーンに見えるようになってしまったのだ。
和「う……よく見てるわね」
澪「だって……」
和「みんながいる時……人目がある時は大丈夫なの。
理性がちゃんと働いてるから、妙な衝動に駆られる事もないわ。
澪に言われるまで、抱きつかれた事を忘れてたくらいよ」
澪「そういうものなんだ……」
和「私が変になっちゃうのは、唯と二人っきりで、唯がくっついてきた時だけ」
澪「そっか。私、朝も唯と和を見て恥ずかしくなっちゃって。
……ああ、そうそう。それで私も色々考えてみたんだけど……」
そこで澪は言葉を続ける事を躊躇った。
澪「和、絶対誰にも言わない?」
……?
なんだろう。
和「言わないわ」
澪「本当に?絶対に絶対にぜーったいに誰にも言わない?」
和「うん、絶対言わない」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 02:24:02.28 ID:yZRG2LckO
支援しろと大地が俺に囁く
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 02:26:08.67 ID:1jddnWzi0
俺もガイアに囁かれた様な気がしたので支援する
澪は深呼吸をした後、意を決したように話し始めた。
澪「よく考えてみたんだ。私が唯の立場だったらどう思うかって。
つまり、和が唯に対して感じている事を、律が私に対して感じていたらどうだろうって」
私は小さく頷いた。
澪「昨日は、私が唯だったら拒むかもしれないって言ったけど、案外そうでもないかもしれないんだ。
私、受け入れちゃうかも」
和「受け入れる?」
澪「だから……つまり……そういう事されても許せるかもってこと」
そこまで言って、澪は顔を両手で覆った。
これ以上この子に恥ずかしい思いをさせるのは心苦しい。
恥ずかしいのは私も同じが、私の場合は自業自得だ。
私は澪が言わんとしている事を、代弁する事にした。
和「同じ立場の唯も、私に迫られても拒まないんじゃないかって事?」
澪は顔を両手で覆ったまま頷いた。
それはどうだろうか。
恐らく澪は、あれこれと想像した上で、そういう結論に達した。
私の話を聞いて、心の準備とでも言うか、それがあるからこそ、受け入れる事ができると思ったのではないだろうか。
和「それはどうかしら……。
澪は私の話を聞いて、律が迫ってきた時の事を考えられたからそう思うんじゃない?」
澪はようやく顔を上げた。
さっきよりも顔は赤い。
早めに話を切り上げないと、この子は本当に倒れてしまいそうだ。
澪「……そうかも。和の話を聞いて想像したから、覚悟ができたのかも。
そうじゃなかったら、多分私は律を殴って……ううん、それすら出来ずに怯えるだけかもしれない」
怯える。
確かにそうだろう。
唯も何の心の準備もなく私に何かされたら、絶対に怯えて、私達の関係は破綻する。
そして二度と元には戻らないだろう。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 02:35:44.52 ID:1jddnWzi0
あれ?澪ってこんなに可愛い人だったっけ?
何を今さら
澪「そっか……。
じゃあ、唯も私みたいに、一度ちゃんと考えた上でなら構わないんじゃないか?」
澪の恥ずかしさは峠を越えたようだが、顔はまだ真っ赤なままだった。
和「それだと唯に話さなきゃいけないよね。昨日も言ったけどそれは無理よ……」
澪じゃなくても、さすがにそれは恥ずかしい。
まして私は、十年以上、唯に姉貴風を吹かせていたのだ。
話した時点で唯が怯えて私から離れていく可能性だって十分にある。
澪「だよね……。でも私でさえ大丈夫なんだから、唯は尚更大丈夫そうだと思うよ。
私はなんだかんだで律に引っ張られてきたし、和と唯もそういう感じでしょ?もし……」
澪はまた恥ずかしそうに俯いた。
澪「もし唯と和が……え、えっちな関係になっても、それは特別な事じゃないと思うんだ」
それは新説だ。
仮に首尾良く私と唯が肉体関係を持ったとしても、私はその先の事も案じていた。
私と唯の関わり方が今までと変わってしまうのは嫌だった。
澪「今まで私は、良い事も悪い事も、色んな事を律に教わったてきた。
……えっちな事を教わっても、結局そういうもののひとつでしかない気がするんだ。別に特別じゃない」
エッチが特別じゃないなんて、貞操観念がしっかりしている澪とは思えない大胆な発言だった。
きっと彼女にとっては、エッチ以上に、律という人間が友達として特別なのだろう。
和「なるほど……。確かにそういう考え方もできるわね」
澪「唯が私みたいに考えるって保証はないんだけどね……」
和「うん。それを唯に求めるのは身勝手よね……。
だからやっぱり、私が我慢していくしかないんだと思う。
自分を慰めて罪悪感を感じるのも、自業自得なんだし」
結局、最初からこの結論以外に答えはないのだ。
私が禁忌を破らなければ、何の問題もない。
自分からそれを口に出来たという事は、どうやら私のガス抜きも終わったようだ。
難しい問題だ
和「ありがとう澪。大分楽になったわ」
澪「はぁ……」
澪が安心したように、大きく息を吐いた。
会話の流れは昨日とあまり変わらなかったが、私も澪も相当深いところまで自分をさらけ出していたため、疲弊の度合いは昨日よりも高かった。
澪「……ていうかさ、私さっきから当たり前のように、律が私を〜って言ってるけど、実際そんな事は全然ないんだよな。
なんだか律に申し訳ないよ……」
澪にそんな想像をさせたのは私だ。
万が一、それがきっかけで二人の仲がこじれてしまったら、私はいくら詫びても許されたものではない。
和「ごめん」
澪「あ、そういうつもりで言ったんじゃないよ。
気にしないで」
和「そろそろ教室に戻りましょう。律に焼き餅焼かれちゃうし」
澪「あいつがそんな繊細なわけないって。
それに、私まだ落ち着かないっていうか……めちゃくちゃな想像した後だから、律の顔見たら倒れそう。
それこそ律に何言われるかわかったもんじゃないよ」
確かに、澪の顔はまだ真っ赤だ。
和「じゃあ、とりあえず昼休みが終わるまではここでいいかしら」
澪「うん。さ、お弁当食べよう。私たち、話に夢中で一口も食べてないよ」
そう言って笑い合った後、私達は弁当に箸をつけ、お互いの幼なじみの昔話をしながら、昼休みを不用になった教室で過ごした。
結局、私達が部屋を出る頃になっても、暖房は室内を暖める事ができていなかった。
【PM1:22】
青春だなあ
>>72と
>>76の時間表記間違えたw
PM12時ってなんぞwww
PM2時と0時だと脳内変換してくださいwww
【PM1:24 秋山 澪】
和「はぁ……落ち着かなきゃ」
教室のドアの前で、和は自分に言い聞かせていた。
なんだ、和もそうだったのか。
動揺しているのは私だけじゃなかったんだ。
私と和は深呼吸をした後、教室のドアを開けた。
自分の教室は、やはりさっきまでいた空き教室とはまるで違う。
最初から蛍光灯が点いているし、埃っぽくない。暖房も良く効いている。
何より活気がある。
12月の中旬という、受験生が最もピリピリする時期と言えど、人がいるのといないのとでは訳が違った。
和の後に続いて教室に入った私の目に、唯とムギと談笑している律の姿が入ってきた。
律はすぐに私に気づいた。
私はとっさに律から目を逸らした。
頭の中で、現実では絶対にありえない律を空想してしまったという事が、私の心を軋ませた。
それが羞恥心なのか罪悪感なのか、私にはわからなかった。
律「お二人さ〜ん、何やってたんですか〜?」
和「うん、ちょっとね」
律の冷やかしを和があしらう。
ほら、やっぱり律は焼き餅なんて焼かない。
こいつは私をからかう事を生き甲斐にしているような奴だ。
それにしても、和なら受験の話をしてたとか何とか言ってごまかせそうなものだが、瞬間的にそれをできなかったという事は、それだけまだ動揺しているのだろうか。
律「あやしいなぁ〜。逢い引きですか澪しゃん?」
律は相変わらず律だった。
私をからかう律の目には、情欲の色なんてまるでない。
また心が軋む。
澪「別になんでもないよ。律には関係ないだろ」
駄目だ。これじゃ何かあると言ってるようなもんだ。
和のあしらい方のほうが、ずっとマシだ。
つくづく私は蚤の心臓だ。
たまたま教室に先生が入ってこなかったら、律と唯に質問責めにされるところだった。
澪可愛いすごく可愛い
というか
>>1の描く女の子はみんなすごく可愛い
授業中も、私の頭の中は唯と和、それから律の事でいっぱいだった。
特に、律の事となると、妄想の内容は階段を三段飛ばしで昇っていくように、どんどん過激になっていった。
徹夜明けで正常に機能しない脳味噌が、それに拍車をかけた。
そのおかげかどうかはわからないが、私が授業中に居眠りという失態を演じる事にはならなかった。
授業が終わる頃には、私の空想上の律は私の上に跨り、私の乳房を舐め回していた。
こんな妄想やめればいいのに、どうしても止まらない。
やっぱり今日の私はどうかしている。
私は机の上に顔を臥せて目を閉じ、妄想をかき消そうとした。
律「澪〜どうした?」
最悪のタイミングで律は話しかけてきた。
自分の顔が紅潮していくのがわかる。
顔を隠しておいて良かった。
澪「……ちょっと眠いからそっとしておいてくれ」
私は顔を臥せたまま答えた。
今の私の顔は人に見せられたものではない。
律「いや、次音楽だし。教室移動しないと。行こうぜ」
澪「わかってるって。ちゃんと行くよ」
律「えぇ?なんだよ、一緒に行こうぜ」
ああ、そうだ。
律はこういう奴だ。
澪「いいって。先行ってて」
机に突っ伏したまま私は答えた。
律「今寝たらそのままになっちゃうじゃん。ほら、行こうって」
澪「いいってば!放っといて!」
つい声を荒げてしまった。
しかしそのおかげで、妄想の大半をかき消す事ができた。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 03:16:25.17 ID:Dr540xAc0
しえn
支援
律「人がせっかく誘ってるのになんだよもー。
わかったよ。行こうぜ唯」
よし。
早く行け。
お願いだから早く行ってくれ。
唯「え?でも……」
律「澪は眠いんだってさ。ほらほら、もう行かなきゃ」
聞こえよがしに律が言った。
我が儘と思われてもいい。
顔を真っ赤にして卑猥な妄想をしていたとバレるよりはマシだ。
それからムギが、大丈夫?と声をかけてきた。
私は、うん、と気のない返事をして、先に行くように言った。
ムギは、遅れないようにね、と一言残し、唯と律のところに向かった。
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 03:19:29.14 ID:oA2cd6QP0
澪律なら早く言ってくれよ!!!!!!
しえん
和「澪、大丈夫?」
私はようやく顔をあげた。
事情を知っている和なら安心だ。
それに、もう妄想はなんとか止まっていた。
目を開けると、教室にはもう私と和しか残っていなかった。
澪「うん。平気」
和「教室移動しないと」
澪「うん」
私は立ち上がって、教室の電気を消し、週番の和は鍵を閉め、私達は音楽室へ向かった。
廊下の床は午後の日差しを反射して、さっきまで閉じられていた私の目を眩ませた。
和が歩きながら尋ねてきた。
和「平気なの?」
澪「うん。大丈夫だって。さすがに音楽の授業で居眠りなんてしないよ」
和「そうじゃなくて、律。さっきちょっと言い合ってなかった?」
言い合い?
唯と和は喧嘩なんてしないだろうから、和にはそう見えたんだろうか。
私と律はあんなの日常茶飯事だ。
……いや、さすがにさっきのは私が理不尽だったかも。
しえんだで
澪「うーん……平気だよ。あんなのよくあるし、律はもう忘れてるよ」
和「ならいいけど。一応謝っておいたほうがいいんじゃない?」
澪「一緒に教室移動しなかっただけで?
さすがにそれでいつまでも怒ってるほど律は子供じゃないよ」
和は、そう、と一言言ったきり、その事については触れてこなかった。
音楽の授業は合唱だった。
唯と律はソプラノ、私とムギと和はアルト。
パートの並びの都合上、私と律は端と端だった。
さわ子先生が弾くピアノに合わせて、モルダウを唄う。
楽しそうに歌う唯の隣で、律はつまらなさそうに口を小さく開きながら歌っている。
なんだ、もしかして律のやつ本当に怒ってるのか?
授業が終わるまでの間、私と律は何度か目が合った。
そのたびに律は目を逸らした。
いや、私が先に目を逸らしていたからそう見えただけかもしれない。
その日最後の授業の英語が始まる頃には、私の中の律はまた私の身体を触り始めていた。
【PM4:36】
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 03:31:24.08 ID:oA2cd6QP0
はやく仲直りしてちゅっちゅしろ
寝る前支援
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 03:34:38.04 ID:gNBV8dIC0
すまん、いったん寝ます…
朝10時くらいに再開予定
お休みー
乙
保守なら任せろー
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 03:37:01.00 ID:1jddnWzi0
任せろ と言いたいところだが俺もいつ寝落ちするかもわからんどうしよう
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 03:49:31.94 ID:9a+UIZWB0
スクリプトが来なかった人か
あのスレ、300までは行かなかったかな
埋め立てられてたぞ
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 04:22:26.59 ID:7VhfExEaO
ほ
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 04:34:08.89 ID:wqtSmuc80
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 05:01:46.79 ID:1jddnWzi0
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 05:03:09.99 ID:qX6XbTOw0
/: : : :/: : : : : : : : : : : : : : :\
/: : : ::/: : : : : : ; ─ -----、;_: : \
/: : : :/: : ; - ´ ̄ ヽ、\
r'⌒ヽ、-‐´l/ ヽ、l
! ) ノ , -‐+ 7 ̄ ``‐、、_ l __, -‐-、 ,-‐´ ̄三ア
`─ ´ (__, ,;-‐'z/: ::X;/ l: :`: 、 /_,-v‐ ´ / 二7
/: :/: :k'//==、 ==l~「: :;l-‐´: : :/ / _,-‐´
/: : : /,-、f ' ヒ‐:ノ l´;;)-`‐´: : : : : :/ /- ´/
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/: : : / ``-、,---、, -‐ ´: : : : : : : : : : : : : :| `ノ
〃|: ::/ /-‐ ´~: : : : : : : : : : :::::::::::::::::: :; l , -‐ ´
l::/ /: : : : : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::;; -‐' ` ̄
l/ /: : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::;; -‐ ' めりー・・・
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ヽ、::::::::::::::::::::;:-:‐ ' ´ l r‐‐ヽ、_:_: : ',: l: :ヽ!ニ
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 05:03:50.49 ID:qX6XbTOw0
/: : : : : : ; -─ --、; : : : : : : : : ', _
r─- 、 _ /: : :, -‐'´ `ヽ、: : : : ::ヽ、_/ ヽ
(二二 ̄``', ヽ、、 > '´ `ヽ、:l: : : : : l l _, -‐' 7,-‐´ ̄二フ
l三_`シ ,ノ、 l: :`ヽ、 / _, -,───-、__ ヽl``─ '` ─ '´ , -./ /_ /二ア
レ´ l: :l. . l: : : : ヽ、 l /:/: : /、 ,,ヽ::、 `l , -‐´: :/ / l`\ l´
', l: : : : . . l: : : : : : :`:ヽ、 >´l: /〃/-_ヽ , ‐'-、 ',:`:ヽ、 l , -.´: : : : :/ l / ~
`‐- 、_: : 丿:: : : : : : : : : \/: : :l/」 /´l::;;`! l::;;`!ヽlハ|: :V , --‐.´: : : : : : : | ノ
 ̄ヽ、:::::::: : : : : : : /: : : l|ヽ', `‐' . `‐' l'ハ: : :V: : : : : : : : : : : : : l、_ ,, -‐´
ヽ、::::::: : : ::/:/l: :/::`.-l l_ノヽ: : ヽ: : : : : : : : : : :/
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`ヽ::: : : : : : :ヽ-‐==\__/: : : : : : :_;-´
ヽ、: :;-‐- 、_/: : ::\_ ;-‐-、: : : :/
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(:::::::::: : : : _;-;-;─‐;┐> ─- 、: : :l
ヽ、, - ´ _, t==/ , -‐- 、`v'
_|_, -‐ ´: : : : :/ /::::::::::::::',ヽ ',
/:::::::::: : : : : : : / /l:::::::::::: : : ::l: l ',
/:::::: : : : : : : : / /: l:::::::: : : : : :l: :l ',
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 05:38:27.08 ID:pvCyYYtWO
ほ
本当だ消えてる
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 06:42:54.42 ID:LHlHE2fqO
ふ
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 07:16:26.55 ID:U95kvWMU0
寝る前に保守
保守
このスレがまた立つのを待ってた
ハトプリ始まるよー(^o^)/
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 08:34:12.35 ID:M2FfdU2h0
俺は和ちゃんが同性の幼馴染をオカズにひとりえっちしちゃうアブノーマルっ気があるとしても和ちゃんを愛せるよ
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 08:51:27.46 ID:iU0AtMnC0
このスレの命もあと数分か
ほす
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 09:41:10.75 ID:7C6AvlY8P
これはいいな
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 10:12:32.21 ID:gSVAPtbu0
落とすものか
落ちないよ
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 10:20:16.52 ID:+nBy8dqe0
おい10時過ぎてるぞ
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 10:23:01.36 ID:apUn83zC0 BE:824393827-2BP(50)
マダー?
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 10:37:41.68 ID:+dHRND0x0
_∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_
デケデケ | |
ドコドコ <
>>1まだーーーーーーーー!!? >
☆ ドムドム |_ _ _ _ _ _ _ _ _ _|
☆ ダダダダ! ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨
ドシャーン! ヽ オラオラッ!! ♪
=≡= ∧_∧ ☆
♪ / 〃(・∀・ #) / シャンシャン
♪ 〆 ┌\と\と.ヾ∈≡∋ゞ
|| γ ⌒ヽヽコ ノ ||
|| ΣΣ .|:::|∪〓 || ♪
./|\人 _.ノノ _||_. /|\
ドチドチ!
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 10:48:31.82 ID:gNBV8dIC0
おはよう
保守さんくす
キター支援
おはよう
さーくるKさんくす
【PM5:42 田井中 律】
朝はまだ普通だった。
ボーっとしているところはあったが、特に不機嫌ではなかったはずだ。
澪が変になったのは、昼休みが終わって和と一緒に教室に戻ってきてからだ。
帰りのホームルームが終わると、唯は週番の仕事を終えた和と一緒に、さっさと帰ってしまった。
和に勉強を教えてもらうのが、ここ最近のあいつの日課だった。
梓は寂しがるかもしれないけど、まあムギが音楽室に寄っているみたいだから大丈夫だろう。
それに、勉強しなきゃいけないのは私も同じだ。
律「澪、帰ろうぜ」
机に突っ伏している澪に私は話しかけた。
さっきは邪魔者扱いされたけど、私はデコも心も広い女だ。
水に流してやる。
澪「ごめん、ちょっと眠ってから帰る。先に帰っていいよ」
まただ。
音楽の授業の前と同じ。
律「ええ〜?勉強教えてくれるんじゃないのかよ」
澪「自分でやれって」
なんなんだよ。
昨日まで普通に一緒に受験勉強してたじゃん。
律「そう言わずにさぁ。頼むよ。ねえ、みお〜」
澪「しつこい」
顔くらい上げろ。
苛々する。
ていうか、もしかして本当に具合悪いのか?
律「全く……。大丈夫か?保健室行く?」
澪「大丈夫。じゃあね」
机に伏せて顔を隠したまま、澪は私に手を振った。
律「全然大丈夫そうに見えないんだけど。つーかもうみんな帰っちゃったぞ」
澪「眠いだけだから大丈夫だって言ってるだろ。
しばらく寝たらちゃんと帰るからもう放っといて」
そう言う澪の声は、本当に私が早くこの場を立ち去る事を求めているように聞こえた。
今日一日、私に何か落ち度はあったか?
ない。
こいつは昼休みが終わってから、勝手に私に怒っている。
澪は私の何かが気に食わないのだ。
授業の合間の休み時間も、ホームルームの後に和の仕事が終わるのを待っている間も、澪は唯や和、ムギとは普通に喋っていた。
しかし、私とはろくに目も合わせようとしない。
みんながいなくなったら、今度は狸寝入りだ。
律「はぁ……。わかったよ。
じゃあ私もう帰るから。帰りに痴漢にあっても助けてやんないからな」
澪は何も答えなかった。
私は薄暗い教室に澪を残し、さっさと帰る事にした。
教室のドアを閉める前に、私は振り返って澪を見た。
澪は顔を上げていて、私の方を見ていたが、振り向いた私と目が合うと、また顔を伏せた。
その態度が気に入らなかった。
私は舌打ちをしてから勢いよくドアを閉め、教室を出た。
読んでる
澪無しの登校は珍しくなかったが、私一人の下校は多分数ヶ月ぶりだ。
それも、こんな気分での下校は人生始まって以来だ。
こんなに私の家は遠かっただろうか。
夕闇に染まりつつある通学路に、まだ街灯は灯っていなかった。
制服のポケットに手を突っ込み、苛立ちを抑えられずに、私は早足になった。
頭に血が昇っているおかげで、風が吹いても全く寒さを感じなかった。
家に着いても、私はまだ苛立っていた。
階段を上がり、自分の部屋に入って、私は制服のまま身体をベッドに放り投げた。
それからバッグから携帯電話を取り出した。
澪はあの後ちゃんと帰ったのだろうか?
着信履歴の一番上にあるのは澪の名前だ。
昨日の午後9時。
あの時は確か、ケーブルテレビで私の好きなイギリスのインディーズバンドのライブがやってるって事を私に教えるために、澪は電話してきた。
私はその履歴から、澪に電話をかけてみた。
数回のベルのあと、留守番電話サービスに繋がった。
電話も無視かよあの馬鹿は。
枕に顔をうずめながら、考える。
理不尽だ。
澪は理不尽に私に怒っている。
怒っている?
いや、それはちょっと違う。
怒っているというより、私と関わらないようにしている。
澪が怒った時は、もっと直接的だ。
殴ったり怒鳴ったり説教したり……とにかく、話をしようとせず、顔を合わせようともしないなんてのは、澪のやり方じゃない。
なんだこの状況は。
私が何をしたんだ?
何もしていない。
心当たりが全くない。
私以外の、何かが、誰かが澪に何かをしたんだ。
誰が?
和しか考えられない。
昼休みに、和は澪に何かを吹き込んだ。
澪が私を邪険に扱うようになる何かを。
いや、和がそんな事をするような奴じゃない事くらいわかっている。
和は本当にいい奴だ。
あいつが誰かの陰口を言っているところなんて見た事がない。
他人を甘やかす性格ではないけれど、その一方でいつも他人を気にかけている。唯だけじゃなく、私の事も。
和のせいにするのは、邪推もいいところだ。
支援
じゃあなんで澪はああなった?
考えても考えてもわからない。
でも私の思い過ごしとも思えない。
律「…………っく」
いつの間にか私はしゃっくりをしていた。
あぁ、そうじゃない。
そのずっと前に、私は泣いていた。
もしかしたら、結局私はずっと澪のファンの一人でしかなかったのかもしれない。
小学生の時、教室で一人で本を読んでいた澪に私が話しかけたのは、単純に澪が可愛かったからだ。
桜高のファンクラブの人達が澪を見る目と何ら変わらない。
人間が天女を崇めるように、私が澪に最初に抱いていたのは憧れのようなものだった。
友情なんてのは、その延長線上に芽生えたものだ。
人間は結局、空を舞う天女の気まぐれに一喜一憂するしかないのだ。
それだけの事なのかもしれない。
両手で枕の端をきつく握り、下唇を噛み締めながら、私は声を殺して泣き続けた。
唯から電話がかかってきたのは、午後九時を過ぎてからだった。
【PM9:08】
【PM6:27 平沢 唯】
私の部屋と違って、和ちゃんの部屋は殺風景だ。
日当たりは良好で、壁にかかった時計もオシャレだけど、可愛いぬいぐるみもギターもない。
本棚には難しそうな小説と参考書が並んでいて、マンガは数冊しかない。
あ、でも机の上のライトなんかは丸くて可愛いかも。
置いてある雑誌のセンスも悪くない。
もう少しピンクで彩れば、もっと可愛い部屋になりそうなんだけど。
前にそんな事を和ちゃんに言ったら、その前にあんたは自分の部屋を片付けなさいと言われてしまった。
ごもっとも。
和「唯、ごめん。私ちょっと寝るね。昨日あんまり寝てないから」
唯「え〜?勉強は?」
和「わからないところがあったら起こして」
唯「は〜い」
和ちゃんは制服のまま、私に背を向けてベッドに横になった。
私は添い寝したい気持ちを抑えて、参考書を開いた。
エアコンが苦手な私を気遣ってくれてるのだろう。
最近和ちゃんは自分の部屋でもエアコンをつけようとしない。
ホットカーペットが申し訳程度に私を暖めてくれていたが、決して十分ではなかった。
かと言って、寒いから勉強したくないなんて言ってられない。
さすがにもうちゃんと勉強しないとまずい。
授業中に当てられて答えられないようじゃ、みんなと一緒の大学になんて合格できっこない。
唯「でも和ちゃんが勉強しないで寝るなんて珍しいね。夜更かし?」
和「うん、テレビ見過ぎちゃって」
唯「うお……余裕ですな……さすが」
和「そんな事ないわ。判定もまだBだし。ちょっと寝たら私も自分の勉強するわよ」
唯「まだC判定の私って一体……」
和「じゃあしっかり勉強しないとね」
唯「がってんです!」
私は早速、今日赤っ恥をかかされた世界史から解き始めた。
多分、カノッサの屈辱はもう一生忘れないんじゃないかな。
唯「あ、和ちゃん。今日授業中に教えてくれてありがとうね」
和「どういたしまして。
でも私まで恥ずかしくなったわよ。次はちゃんと答えてね」
和ちゃんは私に背を向けたまま返事をした。
そんなに眠いのかな?
唯「でへへ……まかせて!」
私は世界史の続きを解き始める。
唯「あ、和ちゃん。今日りっちゃんと澪ちゃん何かあったのかなぁ?」
和「唯……話しかけられたら私寝れないんだけど……」
唯「あっ……ごめんごめん。えへへ」
和「あとで澪に聞いてみるわ。それより唯は勉強に集中!」
唯「ほいほい」
支援
一年生の中間試験の時は、自分の集中力の無さに情けなくなったけど、いざ本腰を入れて受験勉強を始めてみたら、私もなかなかどうして集中できている。
ベッドで和ちゃんが寝息をたてている間、私はひたすらセンター試験の過去問を解き続けた。
私が勉強を中断したのは、午後8時を過ぎて、部屋がいっそう冷えてきてからだった。
さすがにエアコンをつけないと風を引いてしまう。
私はエアコンのリモコンを取ろうと思い、立ち上がった。
唯「いてて……足が痺れた……」
足の血管が圧迫され、じんじんする。
私はそれを解消するために、黒いタイツを脱いで、両手で足を揉んだ。
電流が走ったように足がびりびりしたけど、さっさと痺れをとるにはこうしたほうがいい。
医学的な根拠なんてないけど。
なんとなく。
足の痺れがとれると、私はベッドに目をやった。
和ちゃんがこっちに背中を向けて寝ている。
そうだ。
寒い時は、エアコンなんかより快適に暖をとる方法があるじゃん。
勉強もちゃんとしたし、そろそろくっついてもいいよね。
私はもぞもぞとベッドに潜り込むと、和ちゃんに馬乗りになった。
和「わっ!?ちょっと何!?」
唯「和ちゃんと一緒に寝る〜」
和「ちょっと……ダメだって!」
唯「やだ〜」
和ちゃんの制止を無視して、私は遠慮なく正面から抱きついた。
一度抱きついちゃえばこっちのもんだもんね。
支援
私に乗られた和ちゃんは、抵抗をやめて嘆息を漏らした。
最近和ちゃんはこういう事を避けるようになっていた。
もう子供じゃないんだから、との事だったが、私はまだ子供でいいや。
和「もう……。ていうか唯、あんた下はどうしたの!?」
唯「え?脱いだよ〜」
和「いや、脱いだって……」
唯「大丈夫だよ。
パンツもスカートもちゃんと履いてるし。ほら。
和「……ねえ唯。お願いだから離れて……」
それは無理な相談だ。
抱き癖がついている私は、一度くっついたらそう簡単には離れられない。
唯「はぁ〜和ちゃんあったかい……」
私が和ちゃんに頬ずりした直後、天地がひっくり返った。
唯可愛い
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 11:47:01.33 ID:iq9sl6Jg0
わくてか
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 11:53:56.59 ID:0T75yNfq0
ひぎぃぃ
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 11:54:09.97 ID:MXPyfeNH0
gNBV8dIC0
お前は俺の休日を奪うつもりだな
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 11:58:05.44 ID:Sj0vlihW0
期待
東京支店
さっきまで、乗っかっていたのは私だった。
でも今は、和ちゃんが私の上に乗っかっている。
私の右手を押さえて、私を見下ろしている。
和ちゃんは泣くのを必死で耐えるような顔で私を見ている。
その顔が私を不安にさせた。
唯「あ、あれ?ご……ごめん和ちゃん。
調子に乗りすぎちゃった……」
和ちゃんは答えない。
その代わり、私の右手首を握る力を強めた。
唯「あう……。ごめんなさい……」
和ちゃんは答えない。
携帯電話のバイブ音が部屋に鳴り響いた。
唯「和ちゃん、電話鳴ってるよ……」
和ちゃんはまた何も答えなかった。
今までこんな事で、和ちゃんが怒った事はなかった。
ううん、そうじゃない。
和ちゃんは怒ってもこんな事をする子じゃない。
天井から吊された電気が逆光になっていたが、和ちゃんの表情はよく見えた。
怒っているようにも、悲しんでいるようにも見える。
どうしたんだろう、和ちゃん。
私の足りない頭がそれをようやく理解したのは、和ちゃんの唇が私の唇に触れて、離れてからだった。
がたがたと音がする。
それは震える私の身体から聞こえたのではなく、外の風が窓を叩く音だという事に、私は気づかなかった。
もう携帯電話のバイブ音は鳴り止んでいた。
【PM8:08】
【PM6:32】
律の言う通り、さっさと帰れば良かった。
私が妄想に区切りをつけ、目を開ける頃には、教室はもう真っ暗だった。
黒板の端に目をやると、「12月14日」の文字は消えていた。
恐らく週番の和が帰る前に消していったのだろう。
几帳面な和らしく、そこにはチョークの跡すら残っていなかった。
校門を出ると、あたりはすっかり暗くなっていて、一人で下校するには心許なかった。
律がいない下校なんて、久しぶりだ。
だが、今の私には、一人なのをいい事に、道端の花を眺めたり、風の音景に耳を澄ませる余裕なんてなかった。
もっとも、冬の道に咲く殊勝な花なんてこの界隈にはなかったし、風もスカートを巻き上げるだけで、ろくなものではなかったが。
164 :
修正:2010/03/28(日) 12:28:32.82 ID:gNBV8dIC0
【PM6:32 秋山 澪】
律の言う通り、さっさと帰れば良かった。
私が妄想に区切りをつけ、目を開ける頃には、教室はもう真っ暗だった。
黒板の端に目をやると、「12月14日」の文字は消えていた。
恐らく週番の和が帰る前に消していったのだろう。
几帳面な和らしく、そこにはチョークの跡すら残っていなかった。
校門を出ると、あたりはすっかり暗くなっていて、一人で下校するには心許なかった。
律がいない下校なんて久しぶりだ。
だが、今の私には、一人なのをいい事に、道端の花を眺めたり、風の音景に耳を澄ませる余裕なんてなかった。
もっとも、冬の道に咲く殊勝な花なんてこの界隈にはなかったし、風もスカートを巻き上げるだけで、ろくなものではなかったが。
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 12:35:48.23 ID:Dr540xAc0
しえ
支援
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 12:40:57.14 ID:gNBV8dIC0
普段は気にも止めていなかったが、私の通学路は人通りも交通量もあまり多くない。
それこそ痴漢でも出そうな雰囲気だ。
案の定、電柱には「ひったくり注意!」と書かれた看板がかけられている。
気を紛らわせるために、書店によってしばらく雑誌を立ち読みする事にした。
ベース誌を開くと、アークティックモンキーズの元ベーシストが新バンドを始めたという記事が載っていた。
そういえば律は、アークティックのドラマーが好きとか言ってたっけ。
確かにパワフルで、16ビートを好むあたり勢いもあるドラマーだ。
テクニックに関しても定評がある。
そのへん、律にも見習ってほしいものだ。
その雑誌をレジに持っていき、会計を済ませ、書店を出ると、通りに往来はほとんど無かった。
これなら寄り道しないで帰ったほうが、まだ楽だったかもしれない。
こういう時はどうすればいいんだっけ。
誰かに電話だ。
電話しながら歩いていれば襲われにくいって、テレビの特集で見た気がする。
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 12:45:10.04 ID:gNBV8dIC0
律とお揃いの携帯電話を開くと、ディスプレイに表示された時刻は既に午後8時を過ぎていた。
私は着信履歴を見てみた。
一番上の律……は無理だ。
さっきかかってきた律からの電話を無視してしまっている。
おまけに理不尽に下校の誘いを断っている。
今更、怖いから話し相手になってくれなんて言えない。
律の下には、また律の文字。
その下も、さらにその下も律だ。
どんだけ電話してるんだ私達は。
律の名前が五回続いた後に、真鍋和の文字。
私はとりあえず和に電話する事にした。
しかし、和は出なかった。
今頃、唯に勉強を教えているんだろうか。
ちゃんと我慢できてればいいんだけど。
その後、唯に電話したが、唯も出なかった。
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 12:50:46.30 ID:gNBV8dIC0
あの二人は勉強に集中しているのか、はたまた私が帰りのホームルーム中も繰り広げていた妄想と同じような事をしているのか。
昼休みの和の言葉から察するに、後者はないだろう。
そう思いたい。
多分、今日の私より和のほうがずっと冷静だ。
次に電話したのはムギだった。
2コール目でムギは出てくれた。
梓と音楽室にいるらしく、ムギがスピーカーホンにしてくれたおかげで、私は梓とも会話できた。
家に着くまで、私は二人と電話をし続けた。
どうやら梓は、ムギに作曲のいろはを教わっているらしい。
曲を書けるメンバーが増えるのは、バンドにとってかなりプラスになる。
ビートルズがあそこまで成功できたのも、ジョン・レノンとポール・マッカートニーという二人の天才的な作曲家が同じバンドに存在していたからだ。
その二人が仲違いした事で、バンドは崩壊の道を辿っていったが、ムギと梓に限ってそれはないだろう。
バンドのこれからについて話している内に、痴漢の事なんて頭からすっかり消えていった。
が、律に抱かれる妄想という誘惑の蛇は、首をもたげて虎視眈々と私に隙ができるのを待っていた。
しぇーn
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 12:54:46.04 ID:gNBV8dIC0
自分の部屋に入り、挨拶を済ませ、私は電話を切った。
マフラーとコートを脱ぎ、椅子に座ってパソコンを開いた。
i Tunesを立ち上げ、ストーンローゼズのアルバムを私は選んだ。
さて、どうしたものか。
私は律を怒らせてしまった。
しかも、律に落ち度は全くない。
非があるのは完全に私のほうだ。
私が律の立場だったら、愛想を尽かしているくらい、今日の私は理不尽だった。
しかし、他にどうしようもなかった。
あんな妄想をしているなんて気取られるわけにはいかない。
まあ顔を赤くしているのを見ただけでは、さすがの律もそこまで見抜けないだろうけど、質問責めにされるのは目に見えていた。
和の事がある以上、私がボロを出すわけにはいかない。
おまけに、あの妄想のおかげで、とっさに言い訳ができるほど頭も回らなかっただろう。
昨日は寝てなかったし。
にも関わらず、不思議と今も眠気は無かった。
睡魔が襲ってくる前に、律の事をなんとかしないと。
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 12:59:40.09 ID:gNBV8dIC0
パソコンの時計は午後9時を示している。
早く打開策を見つけないと。
普通に考えて、私が謝るのが筋だ。
しかし、ただごめんなさいと言うだけでは解決しない。
なにしろ、律は訳も分からず私にないがしろにされたのだ。
理由を説明しなければならない。
それが厄介だ。
何て説明すればいいんだ。
私はあなたを頭の中で裸にして、私の乳房を吸わせ、下着の中を弄られるのを想像していたので照れていました。
そんな事言えるわけがない。
そもそも、律とまともに話をできるかどうかすら怪しい。
事実、こうしている今も、油断したらまた私は妄想の虜になりかねない。
私が頭を悩ませていると、携帯電話が鳴った。
律からのメールだった。
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:01:33.21 ID:gNBV8dIC0
音楽をかき消して、部屋全体に響くんじゃないかと思うほど、私の鼓動は鳴った。
律に何を言われるんだろう。
十中八九、罵倒だろう。
まさか絶交宣言か?
いや、さすがにそこまでの事はしていないはずだ。
メールを開くのが怖い。
しかし後回しにも出来ない。
このメールを読まずに、律と仲直りの作戦を練る事なんて出来ない。
私は指の震えを堪えながら、携帯電話のボタンを押してメールを開いた。
「なんで避けてんの?理由くらい教えろよ」
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:04:58.61 ID:gNBV8dIC0
ああ、これはまずい。
律は怒るどころか傷ついてしまっている。
語調は強いが、いつもの律ならここはバカヤローとでも言ってくるところだ。
明らかに私に非があるのに、律は弱気になっているのだ。
どういう思考を経て律がそうなったのかはわからないが、とにかく一刻も早く私がフォローして謝らないと、私と律の間には日本海溝よりも深い溝ができてしまう。
しばらくあれこれ考えた後、ふとパソコンの時計に目をやると、既に時刻は午後10時を回っていた。
スピーカーからは、kooksの曲、one last timeが流れていた。
別れた恋人の事を後悔を以て回想しながらも、もう顔が思い出せなくなっている悲しさを謳った曲だ。
律と早く仲直りしないと、私もこの曲の主人公のようになってしまう。
私は急いでコートを着て、マフラーを巻き、家を飛び出した。
外はもう真っ暗だ。
私はスカートの裾を手で押さえたが、さっきまでの風はもう止んでいた。
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:07:27.88 ID:gNBV8dIC0
律の家が近くて良かった。
おかげで律の顔を思い出せなくなる前に会える。
何より、小心者の私が夜道を長々と歩く羽目にならずに済む。
私は律の家のインターホンのベルを鳴らした。
すぐに聡が出てきて、律を呼んでくれた。
バタバタと音を立てて、律が階段を降りてきた。
この時間の律は、いつもならパーカーにスウェットの部屋着姿のはずだが、今日は制服のままだった。
律はあまりに勢いよく玄関まで来たため、前につんのめってしまった。
澪「ちょ……ちょっと、大丈夫か?」
律「う……うん」
澪「入っていい?」
律「どうぞ」
私は律に案内されるまま、階段を上がって律の部屋に入っていった。
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:10:24.10 ID:gNBV8dIC0
私がコートを脱ぐと、律はハンガーを渡してくれた。
こんな気遣いをするなんて、よほど律は弱っているんだろう。
律「あ、ごめん澪。私ちょっと部屋着に着替えるな。
適当に座ってくつろいでてくれ」
思い出したように律は言った。
私はとりあえずベッドに腰かけた。
まだ仲直りをする前だ。
私と律の間に流れる空気は気持ちのいいものではない。
律は話すのを先送りにしたかったのだろう。
律は制服のタイをほどき、上着とシャツを脱いで、タンスを開けた。
ドラマーとは思えないほど、華奢な腕。
白いブラジャーに覆われた小さい乳房。
腹筋の上に程よく脂肪が重なって、くびれのある腰。
全部、今日一日私が思い浮かべていたものだ。
下着姿になった律を見た私は、この期に及んでまた妄想の波が迫ってきている事に気がついた。
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:12:50.77 ID:l3/hBrk1O
しえん
一応支援
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:15:58.02 ID:/sh+rPMN0
澪が実はレイプ願望の有る性欲の塊で
かつそれに気付かないほど鈍感な奴だとしても
俺は澪を愛せるよ
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:16:01.62 ID:gNBV8dIC0
律「お待たせ」
着替えを終えた律は、ベッドに腰掛ける私の前で、床に正座した。
いつもとは逆のポジションだ。
私がベッドを背もたれにして床に座り、寝ころぶ律を見上げるのがいつもの私たちだ。
早く律を元に戻してやらないと。
しかし、私は全くの無策でここに来てしまった。
今日の私を、律に何て説明すればいいんだろう。
澪「ええっと……私は別に避けてるわけじゃなくてだな……」
律「あれ……?なんだ、避けてるんじゃなかったのか」
うん、と言いかけたところで、律の私を見る目が驚くほど澄んでいる事に私は気がついた。
その瞳を見て、私は今日一日自分の頭の中でこしらえていた律が、見当違いも甚だしいと痛感した。
それと同時に、私はもう一つの事に気がついた。
いや、思い立ったと言うべきか。
今までとは真逆の事を。
律「澪?どうした?」
私の顔を覗き込む律の真っ直ぐな瞳を見て、私は自分の上唇を舌先でなぞった。
【PM10:39】
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:17:19.47 ID:/sh+rPMN0
やっと気付いたか澪・・・
澪律はいらん、邪魔
荒れる予感がしてまいりました
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:28:09.48 ID:/sh+rPMN0
唯は全てを受け入れそうだ
でも律は抵抗できずに泣きそうになりながら
「いや…」とか言うのかなって妄想してたら俺の
アームストロング砲がテント作ってた
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:29:58.58 ID:gNBV8dIC0
【PM8:09 真鍋 和】
私が生徒会長になったのは、別に出世欲や権力欲があったからではない。
所詮は生徒の長。部費の決定権すら、私にはなかった。
私が求めていたのはやりがいだ。
澪が部活に求めているものと同じ。
だから私には、出世欲や権力欲といった類のものはなかった。
しかし、所有欲はあった。
私が唯に求めていたのはまさにそれだった。
私に組み敷かれる唯をみて、ようやく自覚した。
私は唯を引っ張ってきたつもりだったが、そうではなかった。
ずっと唯が私を導いていたのだ。
私はずっと、光に誘われる虫のように、唯に引き寄せられていたのだ。
唯にはそういう力があった。
ライブハウスで高らかに歌う唯はそれを体現していた。
私はその唯を、自分も引き寄せたくなったのかもしれない。
子供が星を掴もうと空に向かって手を伸ばすように。
だが、今更それに気づいたところでどうしようもなかった。
所有欲はとっくに性欲に転嫁されていたのだ。
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:32:32.43 ID:gNBV8dIC0
唯の携帯電話が鳴った。
私の耳には、それが警鐘の音に聴こえた。
唯「和ちゃん、私電話に出たい……」
私に組み敷かれ、スカートが捲れて太股を露わにしたまま、唯が呟いた。
唯の目には明らかに怯えの色があった。
私はそれを無視した。
唯の言葉も、心も無視して、唯の首筋に唇を押し当てた。
唯「んっ……あはは、くすぐったいよ……」
唯が笑ったのは、これがいつものじゃれ合いだと自分に言い聞かせるためだろう。
私は構わず、唯の耳、それから頬に唇を押し当てた。
愛撫というより、暴力という表現のほうが相応しい。
携帯電話が鳴り止んだ。
under the darkness
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:35:52.29 ID:gNBV8dIC0
唯「和ちゃん……どうしたの……?
なんで……?」
唯の声が変わった。
今にも泣き出しそうだった。
私は何か言おうとした。
しかし、何を言えばいいのかわからなかった。
結局、唯の問いに何も答えないまま、私は左手を唯の制服の中へすべりこませ、脇腹をなぞった。
唯「う……んっ……も、もう!
くすぐったいよ和ちゃん!」
唯が少し声を荒げた。
私は唯の制服を捲ると、ピンクのブラジャーを押し上げた。
私はそのまま、唯の小さな乳房を触った。
唯「おかしいよこんなの……。
ね?やめて……」
唯ははっきりと拒絶の言葉を口にした。
単に私がふざけているのだという一縷の望みを、唯はもう捨てていた。
唯が拒んでいる事は、最初にキスをした後の唯の目の色でわかっていた。
わかっていながら、私は唯の身体を触った。
何言っちゃってんの俺
支援
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:40:33.56 ID:Sj0vlihW0
wktk
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:43:16.31 ID:gNBV8dIC0
二回目のキスをしようと私が唯に顔を近づけた時、唯は唇をきつく結んで顔を背けた。
私はそれでも強引に唇を押し当てた。
唯は耐えるように目をきつく閉じた。
唇が離れた後、唯は目に涙を溜めながら、私を真っ直ぐ見据えて言った。
唯「お願い。やめて……。
今やめてくれたら、私忘れるから。ね?
こんな事しちゃったら、今までの楽しかった思い出も全部ダメになっちゃうよ……」
唯の頬に、どこからか水滴が落ちた。
これはなんだろう。
唯の左手が、私の頬を拭った。
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:46:42.58 ID:gNBV8dIC0
唯「和ちゃん、お願い」
唯の頬に、ぽたぽたと水滴が落ちる。
唯はまた、私の頬を拭った。
私はいつから泣いていたんだろう。
これが終わったら、私と唯が笑い合う事はなくなるのかもしれない。
いや、もう既に、私と唯の関係は崩れているのかもしれない。
混濁した私の頭をよそに、私の左手は唯の下着の中へ入っていき、恥部をなぞった。
昨日の夜、私がこのベッドの中で自分を慰めながら想像していたのと同じように。
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:57:33.64 ID:cP91kpiq0
sien
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 13:58:09.27 ID:gNBV8dIC0
唯「ん……んっ……」
嗚咽とも喘ぎともつかない声を唯は漏らした。
官能的であるはずのその声は、私を誘惑せずに、むしろ畏れさせた。
私が唯の恥部を弄ると、唯はまた同じように声を出し、私の指先は唯が出す液で濡れていった。
唯「やだ…… やだよ…… もうやだ……」
唯は抵抗をやめて、静かに泣いた。
これまで唯に何かあった時、唯が助けを求めるのは私だった。
今はその私が、唯を苦しめている。
唯にとって、これほど絶望的な状況はないだろう。
唯のその絶望が、彼女の震える手首から私の身体にも伝わり、私の狂った情念ごと私を覆い尽くした。
私は唯の胸に顔を埋めて、声をあげて泣いた。
和ちゃん…俺は和ちゃんが唯を無理矢理組み敷いて既成事実を作ったとしても和ちゃんの味方だよ…
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:00:04.97 ID:eommqTiEO
いいぞ、もっとやれー
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:01:43.65 ID:gNBV8dIC0
泣き続ける私の頭を、唯は宥めるように撫で続けた。
唯は優しい子だ。
こんなに優しい子なんだ。
私はその唯を裏切ってしまった。
唯「和ちゃん、私そろそろ帰りたい……」
そう言って唯は、私の頭を撫でるのを止めた。
私の身体はゆっくりと力を失っていき、唯は私の身体を押しのけて、ベッドから立ち上がった。
和「唯、ごめん」
消え入りそうな声で私は言った。
それが唯に聞こえたかどうかはわからない。
唯は何も答えず、服の乱れを直し、机の上の筆記用具、参考書、問題集を自分のバッグに押し込んだ。
和「唯、本当にごめん。ごめんなさい……」
唯はマフラーを巻き、タイツを履いて、バッグを持つと、じゃあねと一言残して、私の部屋を出て行った。
その間、唯は一度も私のほうを見なかった。
なんか・・・鬱だ
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:13:04.45 ID:gNBV8dIC0
唯を追いかけて、地に頭を擦りつけてでも、私は許しを請わなければならない。
それがわかっていても、糸の切れた操り人形のように力を失った私の身体は、ベッドに張り付いて動こうとしなかった。
十数年かけて、天まで届かんばかりに築き上げた私と唯の絆は、私の愚行によってわずか数分で崩壊した。
私はその瓦礫に埋もれながら、それを修復する術を必死で探した。
しかし、破れた鏡が二度と光を照らす事がないように、それはもう不可能な気がした。
私の一番古い記憶にある映像は、唯が甘えた笑顔を見せながら、私の園服を引っ張っているシーンだ。
唯に関する記憶ではなく、私の人生の記憶で、一番古いのがそれだった。
私は唯がいない世界を知らないのだ。
知らずに今日まで生きてきたのだ。
今になって、私がどれほど唯に甘えた人生を送っていたか、私は理解した。
唯がいない世界は、こんなにも暗いのだ。
地獄があるとしたら、きっとこういう世界なのだろう。
夕陽の光は、ここには届いてこない。
風が窓を叩く音ももう聞こえなかった。
私の部屋には、エアコンの室外機の無機質な音と、積み上げた石を崩された子供のような私の泣き声が響くだけだった。
【PM8:41】
しえーん
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:16:17.49 ID:gNBV8dIC0
【PM8:53 平沢 唯】
私の知らない彼女がいた。
私の腕を押さえ、私の自由を奪い、私の尊厳を踏みにじったのは、私が初めて見る人だった。
あれが和ちゃんだったとは思えない。
あの時の和ちゃんの目は、私が知っている和ちゃんの目ではなかった。
風が止んだ夜道を少し歩き、私は道の端で膝を丸めて座り込んだ。
壊れた水車は、拭っても拭っても、私の頬に涙を運んだ。
怖かった。
でもそれ以上に悲しかった。
そして申し訳なかった。
飛ばし飛ばしで読んでも展開が気になって戻ってどういうことなのか読み直してしまう
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:20:28.45 ID:gNBV8dIC0
和ちゃんが私の言葉を無視するなんて、考えた事もなかった。
でも、今日和ちゃんが私を無視したのは、私が和ちゃんのサインを無視しつづけたからだ。
和ちゃんが私との触れ合いを避けていた事は知っていた。
私はそれについて深く考える事なく、ただ自分が甘えたいというだけの理由で、和ちゃんに触れていた。
それが和ちゃんにとってどれだけ残酷な事かとも知らずに。
私はなんて浅はかだったんだろう。
私がこんなに馬鹿じゃなかったら、和ちゃんはあんな事をしなかったはずだ。
和ちゃんが泣く事もなかったはずだ。
私と和ちゃんの関係が壊れる事もなかったはずだ。
唯「馬鹿!馬鹿、馬鹿、馬鹿!」
私は泣きながら何度も自分の頭をぶった。
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:25:08.81 ID:gNBV8dIC0
明日からどうすればいいの?
私はずっと和ちゃんに頼りきって生きてきた。
私はバカだけど、いつかそれが終わるのはわかっていた。
でもそれが今日だとは思わなかった。
こういう時……どうにもならない八方塞がりの場所に私が追いやられた時に、私が真っ先に頼るのは和ちゃんだった。
それほどの人を、私は不用意に苦しめた。
心をズタズタに引き裂いてしまった。
きっと和ちゃんは、今自責の念で押し潰されそうになっている。
和ちゃんは他人に厳しいけど、何よりも自分に厳しい子だ。
和ちゃんに会うのは怖い。
でもなんとかしてあげたい。
それがまた和ちゃんを苦しめるかもしれない。
このループから抜け出すにはどうすればいい?
誰か頼れる人。
和ちゃん以外で、私が今頼れる人。
いや、頼れなくてもいい。
せめて、私の気持ちを理解して、共有してくれる人が欲しい。
つくづく私は甘ったれた人間だ。
わかっていても、人をアテにする事をやめられない。
喧嘩をした事のない私は、こういった事態の解決策を何も知らなかった。
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:29:13.68 ID:gNBV8dIC0
喧嘩。
そう、これは喧嘩なんだ。
澪ちゃんとりっちゃんも、今日喧嘩していた。
私は急いで携帯電話を取り出した。
5コール目で、りっちゃんは電話に出た。
律「もしもし唯?なに?」
りっちゃんの声のトーンが低い。
唯「りっちゃん……」
律「おわっ!なに?泣いてんのかお前?」
唯「和ちゃんと喧嘩しちゃったよ……」
律「喧嘩?お前と和が?なんで?」
どう説明すればいいんだろう。
唯「言えない……」
律「なんだそりゃ……」
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:31:15.86 ID:gNBV8dIC0
唯「うぅ……」
律「あー……よくわかんないけどさ、仲直りすりゃいいんじゃねえの?」
唯「それがどうしたらいいかわかんないんだよ……」
律「まあ……そうだよなぁ。
私も澪と喧嘩……っていうか、変な感じなんだよな。わかるよ、その気持ち」
唯「……りっちゃん達はなんで喧嘩になったの?」
律「わかんない」
唯「え?」
律「いや、本当にわかんないんだ。
なんでか知らないけど、澪の奴私に関わってほしくないみたいなんだよな」
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:33:33.26 ID:gNBV8dIC0
半端なところだけど、30分ほど休憩します…
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:36:20.20 ID:Dr540xAc0
ほ
なんか悲しいな
すごく悲しいSSだな。まじで涙が出そうになる。冗談じゃなく。
今までに見たSSのなかで一番切ない。こういう何かが狂った世界って悲しいよね。
懐かしいな
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:46:11.52 ID:1jddnWzi0
懐かしいコピペを見た。
でも今の展開はそんな感じの表現であってる気がする
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:47:19.95 ID:0T75yNfq0
懐かしす
これは和唯と澪律の並立進行だな。
今までにないタイプだ。
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:55:54.66 ID:gNBV8dIC0
唯「……りっちゃんが何かしたからじゃない?」
律「おいおい心外だなー。
それが全く心当たりがないんだよ。
本っ当に何もしてないんだよな。
原因がわからないから私も仲直りのしようがなくて困ってんだ」
唯「そうなんだ……」
律「まあ、そういう喧嘩もあるんだ。
唯のほうはまだ原因がある喧嘩みたいだし、なんとかなるんじゃね?」
唯「なんとかなるのかな?でも、どっちが悪いとかじゃないんだよ?
お互いに謝ってどうにかなるって事でもなさそうなんだよ……」
律「……はぁ」
唯「私も和ちゃんも怒ってるわけじゃないんだ。
ただ、元通りになるのは難しそう……」
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 14:59:03.65 ID:gNBV8dIC0
律「なんか……けっこう深刻な感じか?」
唯「うん」
律「そっか……。まあ最後は時間が解決してくれるよ」
そうかな。
私は今日の事を忘れられそうにない。
もし私が忘れても、和ちゃんは一生今日の事で自分を責める気がする。
唯「りっちゃんは?澪ちゃんが怒ってるなら、澪ちゃんのお怒りが鎮まったら仲直りできるんじゃない?」
律「原因がわからないから、鎮めようがないんだよ……」
唯「じゃあ聞いてみればいいじゃん」
律「え?いや……まあ、そうなんだけどさ」
唯「りっちゃんの意地っ張り」
律「うるせえよ!お前もメソメソしてないで、仲直りしとけよ!」
私は何も答えなかった。
シエンタ
支援
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:04:26.99 ID:gNBV8dIC0
律「私も澪にメール入れてみるからさ。元気だせよ。じゃ、また明日な」
唯「うん。ありがとうりっちゃん」
そこで私は電話を切った。
私と和ちゃんは仲直りできるんだろうか。
多分、元通りになるのはもう無理だ。
壊れたものを完璧に直せるのは、神サマくらいだ。
人間の私にはできない。
どんなに頑張っても継ぎ接ぎが見えてしまう。
その継ぎ接ぎのある修理にも、相当な時間を要するだろう。
私と和ちゃんの進学先は違う。
高校を卒業するまであと3ヶ月しかない。
私達に残された時間は少ない。
結局私は、和ちゃん無しで生きていくしかないのかもしれない。
見上げた空は、浮かんでいるのが不思議なほど重い雲で覆われていて、星一つ見えない。
あるいは私が風を身に纏えば、この雲を吹き飛ばせるのかもしれない。
【PM9:37】
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:11:37.27 ID:gNBV8dIC0
【PM11:42 秋山 澪】
夜は更けていたが、律の部屋でくつろぐ私に、睡魔は襲ってこなかった。
それどころか、やけに目が冴えている。
なぜ今まで気づかなかったのか、理解に苦しむ。
私の妄想は、既に行為が始まってからのものだった。
どうやって律が私に迫ってくるのかは、そこに含まれていない。
なぜなら、私は「私に欲情した律」を知らないからだ。
という事は、律も同様に、「律に欲情した私」なんてのは知らないわけだ。
私は和の相談に乗りながら、唯の気持ちばかり考えていて、和の気持ちを考えた事がなかった。
つまり、「私が律に欲情したら、私はどう思うのか。」「律はどう思うのか。」
この二つの問いが、私の頭からすっぽり抜けていた事に、私はようやく気づいた。
そして、最初の問いの答えを、私は既に知っていた。
しーえn
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:17:57.47 ID:gNBV8dIC0
律「そう言えばさ、澪が来る前に唯から電話が来たんだけど、唯と和、喧嘩したらしいぜ」
私が避けていないと知った律は、今日の私の理不尽な振る舞いの理由をまだ聞いていないのにも関わらず、すでに元の陽気を取り戻していた。
胡座をかいてシャープペンをドラムスティックに見立て、オーディオから流れるマット・ヘルダースの攻撃的なドラミングに合わせて、机の上の参考書をトントンと叩いている。
その表情はいつもの律だった。
澪「あの二人が?珍しいな」
律「だよな。しかもけっこう深刻みたいだよ」
あぁ……和は我慢できなくなってしまったのか。
多分、唯を押し倒して、唯がそれを拒んだんだろう。
和に「唯は拒まないかもしれない」なんて言うんじゃなかったな。
なにしろ唯は、今の私と違って、昨晩しっかり睡眠をとっている。
まともに頭が働いてれば、そりゃ拒むに決まっている。
おまけに、唯はどこか浮き世離れしたところがあり、私みたいな俗っぽい考え方をするわけがなかった。
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:18:42.69 ID:Hx1fx7l10
俺の誕生日がどうしたって?
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:20:30.28 ID:gNBV8dIC0
律「まあ、あの二人には親友のままでいてほしいよなー。
あ、澪、なんか飲む?」
唯と和とは対照的に、無事私と仲直りを果たした律は、すっかり上機嫌だ。
和は結局唯を押し倒してしまったが、私に比べたら利口だった。
少なくとも、和の中には「我慢」という選択肢があったのだ。
澪「なんでもいいよ」
律「そう?じゃあなんか適当に持ってくるよ」
そう言って律は部屋を出ようとした。
私はベッドから立ち上がるなり、律の手をとった。
あああ
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:26:18.46 ID:gNBV8dIC0
律「ん?どした?」
私は何も答えずに、律の手を握る力を強めた。
律「……はは、澪の手はほんとでっけーよな」
軽口を叩きながらも、私を見る律の瞳に宿る色が変わっていくのがわかった。
律は私の変化に敏感だ。
しかし、それは「律の知っている私」という範疇においての話だ。
今、律の目の前にいるのは、律の知らない人間だ。
律「なに……?どうしたんだよ」
律の瞳には、困惑と不可解の色が広がっていった。
私は構わず、律に顔を近づけた。
澪正気を取り戻せーーーーーーーー
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:34:29.26 ID:gNBV8dIC0
今日一日妄想をしていた事は、無駄ではなかった。
おかげで私は罪悪感を飼い慣らす事ができた。
律はまだ気づかずに、私の瞳を覗き込んで、必死に私の意図を見破ろうとしている。
和と違ってそれを楽しんでいる私は、きっと死んだら地獄に落ちるか、ろくでもないものに生まれ変わるんだろう。
私と律の距離は、律の吐息が私の鼻先にかかる程に縮まっていた。
そこでようやく律は、目の前にいる人間の意図を知ったようだ。
口を半開きにして浅く息をする目の前の律は、私の妄想の中の律より、ずっと官能的だった。
もうすぐ一日が終わる。
日付が変わる頃、私と律はどうなっているんだろう。
私はどこまでいっているんだろう。
私が律の唇の感触を堪能し始めると、部屋の窓がかたかたと鳴った。
12月14日の風は、また吹き始めたようだ。
【PM11:59】 完
この澪の生まれ変わりがお前らであることは間違いないだろう
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:35:28.49 ID:MXPyfeNH0
完・・・だと?
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:36:07.26 ID:gNBV8dIC0
終わりです。
支援保守ありがとう
結末部分に関してはわかりにくいところが多々あると思うので、質問あったらどうぞー
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:36:34.69 ID:oA2cd6QP0
は!?
1さんのかこさくひんを教えてください(23さいおんなのこ)
なんかやるせない。読んでて引き込まれたわ
乙でした
>>1はこの先の続き作らないの??
和ちゃんは救われないままか……
終わりだと・・・?
先の脳内補完が難しいんですが
続編として12月15日があるってサプライズだろ
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:43:08.96 ID:eommqTiEO
乙です
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:44:43.08 ID:oA2cd6QP0
あのな、和唯は別にいいんだけどさ
澪律見たいんだよ書いてくださいはひぃ
おれもできれば唯「12月15日」を書いて欲しい
あと冗談抜きで唯「私の命もあと数分か」をガチで1000までやってほしい
見ててかなりツボだった
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:45:51.17 ID:gNBV8dIC0
>>234 んー、ここでもう完全に先は決まってしまっているんだわ
風=性欲
唯=神サマ
澪=天女
律、和=人間
で、和は神サマに逆らった事で、澪は誘惑に負けた事で、それぞれ畜生道に身を落とすという描写をしたつもりだったが文章力不足だったw
唯が最後に「私が風を纏えば〜」って言ってたのは、仲直りのために神サマポジションを捨てて性欲を身につけて和のいるところまで堕落するという意志の事を言いたかったw
律だけは人間としてのポジションを全うしたので、勝手に天女が降りてきた…と、こういう感じです
俺の嫁唯と和ちゃんどうなっちゃうんだろう…
NHK教育の道徳番組みたいな終わり方だな
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:46:13.54 ID:oA2cd6QP0
風?
ちょっと何を言ってるのかわかりませんね
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:48:47.84 ID:gNBV8dIC0
>>244 劇中でしつこく書いてた強風の事です
うーん、ややこしくしすぎたなこりゃ
つまり性欲は最強って事か?
天女とか風とか元ネタか参考にしたものあるの?
とりあえず解放されたぜ
乙
>>248 律の一回目のモノローグで書いてた世界史の資料集の「曼陀羅」が全体の構図
風うんぬんやストーリー自体はオリジナル
>>241 ちょうどそのスレで1が落ちたレス数に近いから
ここから再開すればいいんじゃね
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:55:34.18 ID:Sj0vlihW0
乙!
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 15:57:00.35 ID:WSIHZqq1O
澪と律は仲直りしたしこの終わりでいいとして
唯と和が仲直りする続きをかいて欲しいな
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 16:02:48.88 ID:RUbFvtKl0
澪と律が可愛すぎてつらい
>>254 唯と和は仲直りできない結末です
唯はこの後、和を性欲の対象として見るようになるけど、
和の最後のモノローグで強風は止まっている→罪悪感>>>性欲、となってるため、唯を抱く事はできません
…なんだこれ、こんなの書いた人間しかわかんねーよwww
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 16:05:17.72 ID:1jddnWzi0
1000までとどけ、1、2、3!
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 16:10:38.65 ID:ab47KN710
>>256 いや補足説明でわかったぞ
読み返してみると確かに性欲の有無と風の有無が一致していた
よし、あとは唯「私の命はあと数分か」だけか
>>1の仕込みをぶち壊すようで大変申し訳ないんだが
こんなに続きを書いて欲しくなったのは初めてです
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 16:11:42.18 ID:iq9sl6Jg0
ファッキンサンジュ
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 16:21:31.79 ID:XIjIBqON0
追いついたと思ったら終わってた
乙
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 16:29:42.82 ID:iq9sl6Jg0
この世界線はなかったことにしよう
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 16:31:07.72 ID:9a+UIZWB0
追いついたと思ったら終わってた乙
最近読んだなかではかなり完成度が高かった
やっぱり地の文で心理描写は必要だよね
それだけに結末に少し不完全燃焼
できたら続きを書いて欲しいなー
よかった、無事完結できたのね
おつかれー
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 16:33:17.37 ID:/sh+rPMN0
俺も追いついたら終わってた…
おつ!
りっちゃんは澪を受け入れたの?色んな意味で
>>265 岩井俊二的な終わり方を意識したらこのザマwww
じゃあのノシ
>>267 この律は作中で強風をガン無視しているので、性欲に関してはほとんど意識してません
「澪と仲直りできてよかったー!」と「澪がしたいっつーならまあいいかぁ」くらいにしか思ってないww
つーわけで、バイトの時間なのでさらばまた会う日まで
村上春樹のアフターダーク思い出した
敢えて保守
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 17:19:35.47 ID:nn6L4fbK0
この終わり方じゃあ再開を期待した意味が無いよ
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 17:25:54.31 ID:LHlHE2fqO
終わってた
超乙 引き込まれた
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/28(日) 17:38:25.77 ID:/sh+rPMN0
>>270 雰囲気ちょっと似てるかもね
ところでもし万が一次スレがあるとしたらタイトルは?
時期的に12月15日より12月24日の方がいいと思うんだが
ほっしゅ
俺は和ちゃんが自分の犯した過ちについて失意と後悔の底に沈んでしまっていてもきちんと愛せるよ
良いSSをありがとうお疲れ様