「いや、本当に可愛いよねえみくるは! 食べちゃいたいぐらいだよう!」
そう言って鶴屋さんが朝比奈さんを抱きしめて頬をぐりぐりしている。
ああ、眼福だ。一生この画を脳内に焼き付けておきたい。
「できないことはない」
いつの間にか俺の隣に瞬間移動して言ったのは、さっきまで黙々と本を読んでいたはずの長門だった。
「……いや、遠慮しておくよ」
「そう?」
「じゃあ僕がお願いしましょうかねえ」
そう言っていつの間にか長門の隣にいたのは古泉。おい、ふざけんな。
「僕は割合まじめですよ。僕だって一介の男子高校生ですから」
爽やかに微笑む古泉をいっぺん殴ってやろうかという考えが頭をよぎった時、部室の扉が勢い良く開いた。
「おまたせー! みんな、ちゃんと揃ってるかしら!」
真夏の太陽ぐらい、いやそれより輝く笑顔がそこにあった。
「やーハルにゃん! 今回はお招きいただきありがとーっ!」
鶴屋さんがハルヒに負けないぐらいの笑顔で手を上げる。
「いやあ、それにしてもおっきな竹を持ってきたねー、よくここまで持ってこれたなあっ」
その鶴屋さんの台詞で俺はようやっと、持っている奴より背丈があるんじゃあないかと思えるような竹を、ハルヒが抱えていることに気付いた。
……ああ、すっかり忘れていた。もう勘弁してくれ。