1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
【PM11:07 真鍋 和】
澪「は……?」
部屋の外からは、原付の走り去る音が聞こえる。
十二月の寒空の下を走るのは、なかなか堪えるだろう。
私は原付なんて乗った事はなかったが、なんとなくそれが予想できた。
風も吹いているようだ。
窓ガラスは子供が何かを訴えるように、がたがたと泣いている。
いや、面白半分に私を煽っているだけかもしれない。
壁時計が十一時を少し回ったところで、私は澪に告げた。
電話越しに聞こえてきた澪の声は、予想通り意味不明といった様子だ。
澪「ごめん和。よく聞こえなかった」
二度言うのはさすがに恥ずかしい。
だが、話の内容を飲み込んでもらえないと、澪に相談している意味がない。
時計の秒針はお構いなしに時を刻んでいる。
和「唯と一緒にいると……エッチな気分ていうのかな……そういう感じになるの」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 16:23:05.79 ID:u9qRCE6Z0
うはwwww
俺の誕生日12月15日wwww
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 16:23:40.21 ID:LkHcF7an0
俺の誕生日じゃないか
大空寺あゆの誕生日がどうした?
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 16:30:37.75 ID:I4lIhdRE0
しばらく澪からの返事はなかった。
澪がこの手の話を苦手としているのは重々承知の上だ。
きっと澪は今、私の言葉を反芻し、どろどろになるまで噛み砕き、何とか消化しようと必死になっているのだろう。
右耳に押し当てた携帯電話のスピーカーから澪の声が聞こえてきたのは、時計の長針がかちっと音を立てて動いてからだった。
澪「えーと……えっちな気分ってのはつまり……どういう事?」
和「自分でもよくわかってないんだけど……」
澪「うん」
和「唯ってよく抱きついてくるでしょ?今まではなんとも思わなかったんだけど、最近はそうじゃなくなってきたの」
澪「うん」
和「もっと唯に触りたい……とか……キスしてみたいとか……」
そこでまた澪は、私の言葉を理解するために黙ってしまった。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 16:43:06.42 ID:I4lIhdRE0
澪から電話がかかってきたのは、時計の針がまだ十時台を指している頃だった。
二十分程、世間話をした後に、澪は切り出してきた。
全く自覚していなかったが、ここのところの私は浮かない顔をしていたらしく、それを心配して電話したのだと澪は言った。
恐らく受験で悩んでいるとでも思ったのだろう。
澪は何かあるなら私に相談してくれと言ってくれた。
しかし、どうやら私の悩みというのは、澪の予想の範疇から大きく外れていたようだ。
私はこの事を誰かに話すつもりはなかったが、自分一人でこれを飼い慣らせるほど、私のケージは大きくなかった。
私はベッドの上で丸めた膝の上に握り拳を作り、澪の返事を待たずに話し始めた。
和「澪に話したっけ?ちょっと前から私の家で唯に勉強を教えてるの。
最初は唯の家でだったんだけど、あの子どうも自分の部屋だと集中できないみたいで」
澪はまだ黙り込んだままだ。
和「それで私の部屋で勉強を教えてたんだけどね、唯はいつもの調子で抱きついてくるし、私はこんな調子だし、どうしていいかわからなくて。
それがストレスになってたのかな。澪は、律と一緒にいてそういう事ない?」
澪「ないよ」
それはそうだろう。
同性の友人に欲情する人間なんてそうそういるものではない。
それくらいわかっていたが、私が普通じゃないという事実に認め印を捺されたような気がして、ショックだった。
それくらい、澪ははっきりと否定した。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 16:47:24.88 ID:I4lIhdRE0
私は聞こえよがしに深い溜息をついてから、また喋り始めた。
和「やっぱりそうよね。それが普通よね。私、どうしちゃったんだろう。」
澪「あ、ごめん。えっと……和が変とかじゃなくて、うーん……今の話は私もちょっとびっくりしたから」
ちょっとどころじゃなさそうだけど。
澪「そういう人ってさ、和だけじゃないよね?実際世の中にはけっこういるみたいだし」
澪は困惑しながらも、私を気遣ってくれている。
しかし、慰めは解決にはならない。
和「ねえ、どうしたらいいと思う?」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 16:52:13.33 ID:I4lIhdRE0
澪「和はどうしたいの?」
和「わからない」
澪「えっと……唯と付き合いたいんだよね?」
和「わからない。付き合いたいってわけじゃないと思う」
澪「え?唯の事好きなんだよね?」
和「好き……とも少し違うと思う」
そこが厄介だった。
これが単なる恋愛感情だったら、相手が同性という事を除けば、普通の恋愛と同じように悩めばいいだけだ。
しかし私の場合は、恋愛感情という大義名分を通さずに、性欲がまず動いている。
私が唯に抱いている感情は、恋愛よりももっと原始的で、本能的だった。
そのくせ下手な恋愛よりも私を揺さぶっていた。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 16:57:33.62 ID:I4lIhdRE0
澪「つまり、恋愛じゃなくて……単純に唯と、え……えっちな事したいってこと?」
和「うん。そういう事だと思う」
澪が私に幻滅し、軽蔑し、見放しても、私は澪を恨まない。
今の私は、言ってしまえば、欲望の赴くままに女性の身体を触る痴漢となんら変わらない。
ただ、実行するかしないかだけの違いだ。
澪「それは……良くないと思う」
和「私もそう思う」
澪「唯の事が好きっていうなら、難しいかもしれないけど私も応援できるんだけど」
和「好きとはやっぱり違うと思う。
私も中学の時は好きな男の子がいたけど、あれとはぜんぜん違う」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 16:59:13.02 ID:dy2AXz/10
428でもやりたいの?
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 16:59:26.64 ID:DR+NSsXeO
ほほう
俺の誕生日がどうかしたか?
和ちゃんが変態なのはいいことだ
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 17:03:43.62 ID:I4lIhdRE0
澪「だったら和が我慢するしかないんじゃないか?」
澪は決して人を甘やかすような子ではない。
私もそうだ。
だからこそ、澪の言葉は理解できたし、同時に手厳しくも聞こえた。
和「うん……そうよね」
澪「我慢できそう?」
和「……自信ない」
私が弱音を吐くなんて、初めてかもしれない。
これまでも、年相応の悩みはあったが、それを吐露するのを抑えるだけの分別も備わっていた。
しかし、今の私はそれが機能していない。
そんな私が、唯に対する情欲をこの先も抑えられるとは思えなかった。
澪「いや、そこは我慢しないと唯が可哀想だろ?」
和「わかってるけど……」
澪「だったら」
和「わかってるけど自信がないの……」
澪はまた黙り込んで、言葉を探しているようだった。
ちじょかちゃん!
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 17:11:13.35 ID:I4lIhdRE0
和「だって唯ったら、こっちの気も知らないで手を握ってきたり、抱きついたりしてくるのよ?
唯が何もしてこなければ我慢できると思うけど、今のままじゃ自信ない……」
私はまた溜息をついた。
自分の息が、受話器越しに聞こえてくる。
少し嫌みっぽかったかなと後悔した。
和「ごめんなさい。頭じゃわかってるんだけど」
澪「いや、気持ちはわからなくはないけどさ。
私も、ダイエット中にみんながお茶してると、我慢できなくてケーキ食べちゃうし」
澪はそう言って笑ったが、私は笑い返せなかった。
澪「和、相当参ってるんだね……」
和「うん。相当ね……」
私は隠さなかった。
友達に欲情しているなんて事を話してしまった以上、今更何を隠しても意味はない。
私という人間をいくら取り繕っても、とっくにそれは綻びているのだ。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 17:15:50.66 ID:I4lIhdRE0
澪「もしかして、他の女の子を見てもそうなっちゃうの?」
和「それはないわ。唯にだけよ」
今のところは……と言いかけて、私は言葉を切った。
澪に無用な警戒心を抱かせたくなかったし、実際、唯以外に欲情した事はなかった。
それはこれからも変わらない。
その事に何の根拠もなかったけれど。
澪「そう。じゃあ一時的なものなんじゃない?
私たちの年頃って、ホルモンバランスとか……そういうのが乱れやすいみたいだし。
よくわかんないけど……」
和「それならいいんだけど……。
でもその一時的なものが通り過ぎる前に、どうにかなってしまいそうで怖いのよ……」
いい和唯SSの予感
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 17:21:39.05 ID:TzUQ7edY0
最初は律で性欲発散してたけどだんだん情が移って・・・という展開はどうですか
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 17:26:07.88 ID:I4lIhdRE0
澪「じゃあ、唯と少し距離を置いてみたら?
唯が可哀想な気もするけど、それくらいしかないんじゃないか?」
それはもうやってる。
唯が私の部屋で抱きついてきても、私はなるべく構わないようにしていた。
しかし、唯は唯だ。
そんなのどこ吹く風で、抱きついてくる。
和「もうやってるわ。でもさっきも言ったけど、唯はそんなのお構いなしなの。
勉強は自分でするようになってきてるけど、くっついてくるのは相変わらず。
物理的にも、精神的にもね」
澪「唯のあしらい方は、和が一番よくわかってるはずだけど」
和「……どうやってたっけ、私」
ここのところ、私は明らかに唯に甘い。
以前の唯は、私か憂に頼りっきりだったため、私は時に心を鬼にして唯を突き放していた。
それが唯のためだと思っていた。
しかし、今の唯は自立の道を歩み始めていた。
そのため、私に頼る頻度は下がっていた。
私はそれを嬉しく思う一方で、寂しいとも思っていたのだろう。
私の劣情の出所はきっとそこだ。
それが紆余曲折を経て、性欲に変わってしまったのだ。
今の私には、唯を軽くあしらう事なんて出来なかった。
俺の提案どうですかを思い出し笑いしちまった
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 17:32:40.24 ID:I4lIhdRE0
澪「じゃあ、もういっそ唯に打ち明けちゃったら?」
和「私はあなたを見ていると、いやらしい気持ちになる……って?」
澪「いや、そこはもっと他の言い方で……ドキドキするとかそういうので」
ドキドキ?
私が唯に抱いている感情は、そんな可愛いものじゃない。
確かにものは言いようで、その言い回しを使っても嘘にはならないのかもしれないけど。
澪「案外、唯は喜ぶかもしれないよ。チューするくらいなら平気かも」
和「私がそれ以上の事をしようとしたら?」
澪「それ以上って……どうかな……。さすがに拒むかもしれないな」
和「そうよね」
澪「私が唯だったらな。でも、私と唯は違うから。
貞操観念だっけ?私はちょっとそのへんが堅すぎるのかもしれないし。
子供なのかな、私」
それも言い方の問題だ。
和「子供じゃないわ。しっかりしてるのよ澪は。私よりずっと」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 17:37:03.45 ID:I4lIhdRE0
澪「唯はそのへんどうなんだろうな。
私よりはガチガチじゃなさそうだけど」
和「最後の一線は守る子だと思う。羞恥心やプライドはまるでないけど」
澪「じゃあやっぱり、チューするくらいで和が止めればいいんじゃないか?」
和「それも自信ないわ……」
澪「和らしくないよ」
和「私もそう思う」
とりあえず私が我慢すれば、根本的な解決にはならなくても、その場しのぎにはなる。
ただ、その我慢の糸が脆すぎるのだ。
澪の提案に対して、我慢できないの一点張りな私は、唯よりもよっぽど子供だった。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 17:42:38.47 ID:I4lIhdRE0
澪「明日も唯に勉強教えるの?」
和「うん」
澪「明日は我慢できそう?」
和「多分まだ大丈夫だと思う」
澪「辛いかもしれないけど、そうやって我慢していくしかないんじゃないかな」
私は何も答えなかった。
「我慢できない」なんていうのは、つまるところ、「我慢したくない」というだけの事だ。
私が澪に求めていたのは、我慢せずに問題を解決する方法の提示だった。
そんな神懸かり的な方法なんて、どこにも存在しない事くらいわかっていたが。
澪は私の沈黙からそれを察したようだった。
澪「そんなに……えと……唯としたいの……?」
和「……うん」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 17:46:54.91 ID:Ke5H/w380
俺は和ちゃんが同性の幼馴染である唯に愛情よりも先に欲情を抱いてしまう淫乱な痴女だとしても和ちゃんを愛せるよ
しかし、よもや一行目から和ちゃんのフルネームが出てくる和ちゃん視点のSSに出会えるとは思わなかった
まーたこいつか
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 17:48:47.48 ID:I4lIhdRE0
澪「唯の何がそんなに……あー……そそられるんだ?
私は毎日一緒に部活してるけど、そういうのは全然……」
和「それが普通だと思うわ」
澪は困ったように笑った。
和「唯の声とか、匂いとか、感触とか……唯が纏っている空気とか……そういうのにそそられてるんだと思う」
澪は何も答えなかった。
和「ごめん。不潔よね」
澪「そんな事ないよ。高校三年にもなって、そういう話もできない私が子供なんだよ、きっと」
そこまで言って、澪は何かを考えるように黙り込んだ。
そしてゆっくりと、子供が親にイタズラの告白をするように、話し始めた。
澪「あの……そういう時ってさ……自分で処理する人もいるみたいだよ……」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 17:55:48.02 ID:I4lIhdRE0
澪が何を言っているのか理解するのに、数秒かかった。
自慰の事を言っているのだとしたら、澪も今、随分恥ずかしい思いをしているのだろう。
それを押し殺してまで、解決策を考えてくれている澪には頭が下がる。
実際、悪くない案だった。
しかし……
和「でも私、それ、した事ないわ……」
澪「私だってないよ……」
和「……それをしていれば、唯と一緒にいても我慢できるのかな?
前みたいに気兼ねなく、唯を甘えさせてあげられるのかな?」
澪「わかんないけど……私にはもうそれくらいしか思いつかないよ……」
和「わかった。ありがとう。試してみる」
澪「ねえ、私今、すっごく恥ずかしい事言ってるよね?」
和「そうね」
澪「うぅ〜…」
和「私も大概だけどね」
そう言って、私と澪は苦笑した。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:02:59.80 ID:I4lIhdRE0
澪「どう?ちょっとは元気になった?」
和「うん。ありがとう澪。こんな時間まで変な話しちゃってごめん。
電話代大丈夫?」
澪「いいよそんなの。それに、変な奴にはもう慣れてる」
そう言って笑い合った後、また明日と言って、私達は電話を切った。
ずっと携帯電話を押し当てていたせいで、右耳が疼いた。
壁に目をやると、時計の針はすでに0時を回っていた。
何かが解決したわけではなかったが、澪が話を聞いてくれた事は、袋小路に追いつめられていた私にとって救いになった。
活路が自慰行為というのは、我ながら情けなくなったが。
私は早速ベッドに潜り込み、唯の事を考えた。
自分でもどこで見知ったのかわからなかったが、それのやり方は心得ていた。
私はショーツの上からゆっくりと指で恥部をなぞった。
外を吹く風は、私を嘲るように、窓ガラスをしつこく揺らしていた。
なんで12月14日なのかが気になる
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:14:42.41 ID:I4lIhdRE0
【12月14日 AM06:47 秋山 澪】
ブラインドを開けると、風は朝になってもまだ吹いているのがわかった。
今日のところはお役御免になった目覚まし時計が鳴る前に、私はアラームを解除した。
箪笥から下着を取り出し、ハンガーで壁にかけていた制服を抱えて、私は自分の部屋を出た。
階段を降り、脱衣所に入ってパジャマ脱ぐと、長い髪がぱちぱちと静電気を起こした。
磨りガラスのドアを開けて浴室に入ると、冷えきった空気が肌を刺した。
蛇口を捻って少したつと、シャワーヘッドから勢いよく流れる水が熱を持ち始めた。
私はそれが十分に温まった事を手で確認すると、頭からお湯を浴びた。
昨夜の和の話は、私にとって大分刺激的だった。
和を軽蔑したり、幻滅したりする事はなかったが、和という女の子に対する私の見方は大きく変わってしまった。
私は犯罪の片棒を担がされたような気がして、朝までまどろむ事もできず、一晩中ベッドの中で、和が私に言っていた事、私が和に言った事を思い返していた
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:16:33.40 ID:I4lIhdRE0
>>31 ぶっちゃけ特に意味はありません
その日一日に起こった話ってだけw
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:26:21.67 ID:I4lIhdRE0
我ながら恥知らずな提案をしたものだ。
それを受け入れた和も和だ。
まさかそこまで追いつめられていたとは思いも寄らなかった。
髪と身体を洗い、浴室を出て、バスタオルで全身を拭き終わると、私は下着をつけた。
また少し胸がきつくなっている。
律や唯は羨ましがっているが、今の所、胸が大きくて得をした事などない。
せいぜい、水着が栄えるって程度だ。
シャツを着て、制服のジャケットを羽織っても、胸の膨らみがよくわかった。
衣服で覆い隠してもなお、自己主張をやめようとしないこの胸が、私はなかなか好きになれなかった。
男の人、もしくは和みたいな人にとって、この無用な膨らみが魅力的に見えるというのも理解に苦しむ。
いや、和は胸の小さい唯に夢中になっているんだから、やはり胸の大きさなんてステータスにはなり得ないのではないだろうか。
私は部屋に戻ると、ドライヤーで髪を乾かした。
下品な胸と違って、私はこの髪をとても気に入っていた。
小学校の頃だったか、律が綺麗と言ってくれた髪だ。
それで騒がれたのは不快だったが、褒められた事は素直に嬉しかった。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:28:25.16 ID:ygK3zbJk0
澪が主役ならそう言ってくれればよかったのに!
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:31:08.60 ID:OAExQDkO0
誰かが澪の誕生日を一ヶ月間違えていた挙句
更に一日勘違いしたのかと思ったのに意味はないのか
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:35:43.22 ID:I4lIhdRE0
ママに呼ばれて台所へ行き、朝食を済ませ、テレビのニュースをぼんやり眺めていると、インターホンのベルが鳴った。
私は通学バッグを肩にかけ、マフラーを巻き、玄関で靴を履き、家のドアを開けた。
律「おっす。おはよう澪」
澪「おはよう」
今日は当たりだ。
小学校で仲良くなって以来、律とはよく一緒に登校していたが、毎日というわけではなかった。
いい加減な性格の幼なじみは、私の家に寄ったり寄らなかったり……要は気まぐれで登校しているのだ。
学校を休む時は一応私に連絡してくるが、それもまちまちだった。
私の日常に賑やかさを与える律無しの登校は、寂しいとまではいかないが、どこか物足りない。
今みたいに寒い時期は尚更だ。
それはiPodで埋められるものではなかった。
そのため、律が私の家に寄ってくれた日は、私にとって当たりだった。
私が毎朝律の家に寄ればいいだけの話だが、それが出来るほど私は素直な子に育たなかった。
澪「いってきます」
律「おばさーん!いってきまーす」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:43:58.56 ID:I4lIhdRE0
律「うぅ……さっみいいいぃ……」
信号待ちの最中、律は私の隣で身体を小刻みに震わせた。
律「おでこ出してるから余計に寒いぜ……」
澪「じゃあ出さなきゃいいじゃん」
律「これが私のアイデンティティなんだよ。トレードマークなの!」
信号が青になり、私と律は横断歩道を渡り始めた。
私のほうが身長は高い。
歩幅も私のほうが大きい。
横断歩道の白線を基準にして見比べると、それがよくわかった。
律「なんだよ。ジロジロ見て。そんなに私の脚は艶めかしいか」
澪「え?あ……いや、別に」
律「はぁ……?」
幼なじみという点において、和と唯、私と律の関係は共通している。
昨夜の和の話のせいで、つい律を観察してしまう。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:46:23.76 ID:ygK3zbJk0
おいおい澪律ならそういってくれよ!!!!
絶対完結させろよ!!!!
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:48:54.51 ID:I4lIhdRE0
私が唯の立場だったら、どう思うんだろう。
つまり、律が私を色情を以て見ていたら。
律「みお〜?どうした?
なんか今日変だぞ?うんこ我慢してんの?」
私は律の変化にあまり鋭くなかったが、律は私の変化に敏感だ。
その上でからかってくるからタチが悪い。
律の頭を小突いてから、私は答えた。
澪「うーん……昨日よく眠れなかったから、頭がぼーっとする」
律「私はお前に殴られて、頭がガンガンするんだけど……」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:51:09.13 ID:I4lIhdRE0
>>39 一応ラストまで携帯でかきためてるんだけど、携帯止まってるからふつうにPCで打ってます
完結まで書ききりたいけどけっこう長いww
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:53:44.08 ID:ygK3zbJk0
焦らず書ききってくれ
けいおんで忠臣蔵でもやるのかと思った
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:55:02.94 ID:prhRvYOV0
和の質問は本来なら律にする方が良かったんじゃない?
フォローもうまいし
まあ二年次ならそれほど仲良くないか
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:56:55.06 ID:TyWMjz1+0
>>44 2年の時同じクラスだったからじゃないか?(和と澪
今スクリプトで色んなスレ止めてる奴がいるから下げた方が良いかもよ
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 18:58:39.30 ID:I4lIhdRE0
頭をさすりながら、律は言った。
これがいつもの私と律だ。
この律が、何かのきっかけで私に欲情したら……どうだろう、多分、律は和みたいに悩まないかもしれない。
やらせろ!
とでも言って襲いかかってくるのだろうか。
いや、それは違う。
律は強引なところがあるけれど、最後には気を遣うタイプだ。
じゃあ甘える感じで迫ってくるんだろうか。
それも違う気がする。
甘えたところが無いわけではないが、最初に意地を張って、喧嘩になって、仲直りして、それからようやくほんの少しだけ甘える程度だ。
結局のところ、私が知っている律は、「私を友達として見ている律」であって、「私に欲情している律」ではない。
それはもはや違う人間だ。
律が欲情したらどう迫ってくるかなんて、想像不可能だ。
という事は、唯も「唯に欲情している和」は知らないわけだ。
それは全くの他人なのだ。
律「そうそう、私さ、昨日センターの過去問やってたんだけど、英語8割いったんだぜ!
すごくない?」
澪「へえ〜。すごいな。頑張ってるじゃん」
私は8割5分が当たり前になっていたが、それを言うのも野暮なので、黙っていた。
律「へへ〜。おかげさまでなんとか一緒の大学に行けそうだな!」
たまにこういう事をしれっと言うのところが、またタチが悪い。
私はたちどころに嬉しくなってしまい、それを顔に出さないように努めなければならない。
胸のあたりがむずむずする。
口を開いたらにやけてしまいそうだ。
頭がふわふわして、言葉に詰まる。
律「お?ははっ!澪が照れてるぞ〜!」
さすが、私の変化に敏感なだけあって、それもあっさり見破られてしまった。
澪「バカッ!」
私は照れ隠しで律の頭を小突いた。
さっきよりも強く。
こういう事は念入にやっておかないと、すぐにまた律は、私が尻尾を振りたくなるような台詞を連発する。
たまったもんじゃない。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 19:10:21.22 ID:prhRvYOV0
みおわん!
それよりりつわんを見たいわん!
また信号は赤だ。
立ち止まった私と律の前を、車が何台も通り過ぎていく。
律「いてて……。これじゃせっかく覚えた熟語も飛んじゃうっつの……」
そう言って口を尖らせながらぶつぶつ言っている律は可愛い。
可愛い……そう、私が律を可愛いと思う事は、ある。
だがそれは決して性欲ではない。
恋愛感情でもない。
それでも、もし律が私に欲情したら……どう迫ってくるかは置いといて……それが私の知らない律だとしても、もしかしたら私は受け入れてしまうかもしれない。
律との縁がぷっつり切れるよりは、そっちのほうがマシだ。
小学校で知り合って以来、私の人生の大半は、律と共有していて、律によって決められていた。
もちろん、最終的に自分の行く先を決めるのは私の意志だ。
しかし、常に律が殿を務めていてくれたおかげで、私は安心して道を進む事が出来た。
信号とか赤とかのワードはやめろ
律「おい澪。ぼーっとし過ぎだって。唯じゃないんだからさぁ。
ほら、もう信号青だぞ。行こうぜ」
そう言うと律は私の手をとって、横断歩道を小走りで渡った。
私の冷たい手を引く律の小さい背中は、不覚にも頼もしく見えた。
律は昨日からの強風をものともせず、道を闊歩している。
律が私に欲情して、私と律がそういう関係になったとしても、結局それはいつもそうだったように、まさに今そうであるように、律に新しい道を示してもらうだけの事……特別な事ではないのかもしれない。
じゃあそれを受け入れたとして、私は律とそういう事ができるだろうか。
律とキスしたり、互いの身体を触り合ったり。
……なんだこれ。
私にしては随分過激な事を考えてるな。
徹夜明けの、論理も倫理もなくなっている頭じゃなかったら、とっくに卒倒してそうだ。
律が私の身体を触る事は……まぁよくある。
ふざけて胸を揉まれた事もある。
そのたびに、私が律を叩いてやめさせる。
しかし、私が今仮定している状況は、律は真剣に私を触り、私も律を止めずに律の身体を真剣に触るというものだ。
無理だ。無理無理。
恥ずかしい。
恥ずかしい?
じゃあ恥ずかしさを取っ払ったらどうなる?
嫌ではない。
触ってほしいとは別に思わないが、触られて嫌だとも思わない。
やはり私は、受け入れてしまうかもしれない。
律が、私が恥ずかしい思いをしないように配慮してくれるのであれば。
私でさえそうなのだから、羞恥心のない唯なら、あっさり和を受け入れるのかもしれない。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 19:30:29.52 ID:ygK3zbJk0
カップリングはやっぱこの二人が至高なんやで
何このスレ。凄く良い
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 19:34:25.16 ID:bbPnzsun0
.
>>56 ところであんたは自分のスレ完結させないのか?
結局私は、律に手を引かれたまま、教室に着いた。
律「おーい。いつまで握ってんだよー」
いつの間にか私は、子供が母親の手にしがみつくように、律の手を強く握っていた。
私は慌てて手を離した。
律に抱かれる自分を想像しながら手を握っていたなんて、いくらなんでも寝ぼけ過ぎだ。
暖房がよく効いた教室に、人はまだまばらだった。
私はその中に和を見つけた。
唯の姿はまだない。
今頃は憂ちゃんと仲良く登校中なんだろう。
澪「おはよう和」
私はマフラーを外しながら挨拶した。
和「おはよう。
昨日はごめん。ちゃんと眠れた?」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 19:40:40.45 ID:prhRvYOV0
澪律もいいけど澪俺律も捨てがたい
そう思ってる奴は少なくないはずだ
澪「ん……ちょっと寝不足。でも気にしなくていいから。
和こそ大丈夫?」
そこまで言ったところで、私は昨夜自分がした提案を思い出して、恥ずかしくなった。
和「うん。おかげさまで」
ばつが悪そうに、和は答えた。
どうやら本当に実行したらしい。
律「む?澪さーん、なに赤くなってるんですか〜?」
澪「うるさい!なってない!」
さっきまで律を使っていやらしい妄想を展開させていたくせに、和が昨夜していたであろう事を思い浮かべたら、私の頭はあっと言う間にフリーズしてしまった。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 19:44:58.57 ID:ygK3zbJk0
和「澪、昼休みにまたちょっと話したいんだけどいい?」
週番だった和は、黒板の端に「12月14日」と、今日の日付を書きながら言った。
それまでに私の頭が熱を冷ましてくれていれば何の問題もない。
が、今ここで和の申し出を断る事もできなかった。
澪「うん。いいよ。私も昨日の事で話したい事があるし」
和はありがとう、と答えた。
そこでその話題は打ち切られ、私と和と律は世間話を始めた。
少しして、教室に入ってきたムギもそれに加わった。
唯が教室に姿を現したのは、ムギが来てから5分程経ってからだった。
唯は自分の席に着く前に私たちのほうへ寄ってきて、バッグを肩にかけたまま輪に入ろうとした。
和「唯、先にバッグ置いてきたら?」
唯「あ……えへへ、そうだね」
なるほど、そう言って笑う唯は確かに可愛い。
が、欲情はしない。
和は特に変わった様子が無いけれど、今も胸の内はドキドキしているんだろうか。
バッグを置いた唯は、和の隣で再び私たちの輪に加わった。
私たちの会話の内容のほとんどは、受験に関するものだった。
ちょっと前まで受験の仕組みすらわかっていなかった唯と律も、今では当たり前のように、赤本だ偏差値だ判定だという言葉を口にしている。
不意に、何かに気づいたのか、ムギがそわそわし始めた。
なんだろうと思い、ムギの熱い視線の先に目をやると、会話をしながら唯が和にすり寄っている。
そのまま唯は和に抱きつく格好になり、和はそれを意に介さない様子で私たちと会話を続けている。
私はとっさに目を逸らした。
こういう光景は見慣れていたはずだが、和の事情を知ってしまった今、正視に堪えない。
不快ではないが、得体の知れないぬったりとした背徳感が、私を覆った。
私の考え過ぎかもしれないが。
律はそんな私に気づいたようだった。
でもそれも、私の考えすぎかもしれない。
15分ほど休憩するわ…
次は律視点から
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 20:04:55.24 ID:ygK3zbJk0
ほうほう
【AM11:52 田井中 律】
唯「えーっと……カノッサの……う……なんだっけ……」
二限目の授業中、私が頬杖をつきながら世界史の資料集をぺらぺらめくっている横で、先生に当てられた唯は必死で教科書をめくりながら答えを探している。
屈辱な。カノッサの屈辱。
今のお前も屈辱だけど……いや、唯に限って屈辱なんて事はないか?
和「唯、屈辱だよ」
和が声を潜めて、唯に答えを教えた。
唯「和ちゃんひどいよ……。そりゃ確かに屈辱だけどさぁ……」
律「ぶふっ!」
教室で笑いが起こった。
先生も吹き出した。
和は呆れたように頭を抱えている。
澪とムギは苦笑いだ。
唯だけが何もわからないといった顔をしている。
席に着いた唯は、和に説明されて、ようやく状況を把握したらしく、気恥ずかしそうに頭をぽりぽりと掻いている。
よけ
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 20:30:41.93 ID:NeKxCPBD0
今日も唯が可愛くて安心した。授業中当てられて辱めを受ける唯ちゃん可愛いすぎる。
世界史は嫌いだった。
英語、国語、数学なら、理屈で考えればまあ答えは出る。
生物も、理屈で考えればそれなりになんとかなる……時もある。
世界史はそうもいかない。
物事を暗記している事が大前提だ。
目下、受験勉強で最も私を苦しめている科目だった。
それでも、世界史の授業自体は嫌いじゃなかった。
私は世界史の資料集に載っている、遺跡やら絵画やらを眺めるのが好きだったからだ。
退屈な教科書と違って、これは読む人を楽しませる作りになっている。
今日、私の目に留まったのは、「曼陀羅」とかいう、仏教系の絵図だ。
人間の魂が、現世と天国と地獄をぐるぐる回っている絵。
生前の行い次第で、天女になったり、犬畜生になったり、人間になったりするらしい。
天女になったらもう安泰……と思いきや、そうでもないらしい。
天女もいつかは枯れる、とここには書いてある。
天女ねえ。相当美人さんなんだろうなぁ。
このクラスが一つの世界だとして、天女っぽいのは……まぁ澪だろう。
幼なじみの欲目があるのかもしれないけど、あいつは見た感じ女として完璧だ。
すぐ殴る事を除けば。
もちろんそんな事は、いくら口数の多い私でも、本人には言わない。
言う事があるとしたら、からかうついでだ。
見てるよ
ムギも天女かなぁ……。
私と唯と和は人間ってところだろう。
犬畜生ではない……と思いたい。
あ、唯なら犬畜生っていうか、ワンコっぽいかも。
そんな具合にアホな事を考えてる間に、授業は終わった。
授業が終われば、もう資料集なんぞに用はない。
私はさっさと机の上を片づけ、バッグから弁当を取り出して、意気揚々と唯の席へ向かった。
なんでかわからないけど、私も澪もムギも和も、昼休みは決まって唯の所に集まって弁当を広げるようになっていた。
唯には人を引きつける妙な力があるみたいだった。
もしかしたら、唯は犬どころか、神サマレベルなのかもしれない。
私は唯の隣の席の子がいなくなったのを確認すると、その机を借りる事にした。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 20:46:03.46 ID:VfsMyNQW0
読んでる
唯「いや〜赤っ恥かいちゃったよ」
唯は菓子パンを頬張りながら言った。
コンビニで買っているのか、あるいは授業前に売店に行っているのか、唯の昼食は菓子パンが一つか二つ、それと100円そこそこのパック飲料と決まっていた。
今日の唯の昼食は、いちごジャムパンとイチゴ牛乳。
うわ……甘ったるいなぁ。
こいつ、いつか糖尿病になるんじゃねーの?
いくら食べても太らないって事は、内臓に脂肪がついてるって事だ。
あずにゃん分より糖分をとらないと死ぬようになっちゃうぞ。
ていうか、憂ちゃんがいるんだから、弁当くらい持たせてくれそうなもんだが。
律「唯、前から思ってたんだけどさ、憂ちゃんって弁当は作ってくれないの?」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 20:49:06.77 ID:0jtIVqKS0
唯和、律澪とか
これなんてあずにゃん涙目なんだにゃん…
憂「池沼のお姉ちゃんに作るお弁当なんかありません」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 20:51:24.48 ID:NeKxCPBD0
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 20:53:07.73 ID:prhRvYOV0
>>76 最近の流行は憂和と梓ムギだったりするんだぜ
唯ってまじ池沼だよな、なんで生まれたときに間引かなかったんだろ
生かしてるほうが可哀想なのに^^
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 20:53:49.45 ID:NeKxCPBD0
唯「うん。朝はお母さんがいるから、お昼はこれで食べなさいって五百円くれるんだ〜」
律「ふーん。そうなのか」
それは憂ちゃんが弁当を作らない理由にならないだろ……と思ったが、あぁ、なるほど、憂ちゃんはそうやって親を立てているのだ。
しょっちゅう旅行をしているくらいだから、けっこうな稼ぎのある仕事を、唯の両親はしているはずだ。
例えば一流商社とか……まぁ子供の私にはよくわからないけど。
帰りの遅い良心に代わって、家事全般を取り仕切っているのは憂ちゃんだが、朝くらいは母親に母親としての仕事を任せて、自尊心……と言うときこえは悪いが、それを満たしてやっているのだろう。
それが例え五百円玉を渡すだけの仕事だったとしても。
なんにせよ、私がこれ以上平沢家の事情を詮索するのは、悪趣味ってやつだ。
現状、唯の家は家庭円満と言って差し支えなさそうだし。
五百円玉がランチなんてのは、どこの家庭でもある事だ。
それで唯が不憫だなんて事はない。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 20:57:52.61 ID:0jtIVqKS0
あっ、でもそれだったらひとりぼっちのあずにゃんはぼくがもらってあげればいいだけの話なのにゃん!
ぼくって頭いいのにゃん!
え?眉毛?
何それ知らないのにゃん
あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 20:58:54.56 ID:++9/a3AR0
純ちゃんがいるだろ・・・
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 20:59:00.69 ID:NeKxCPBD0
純とか聡の友人のイケメンとちゅっちゅぺろぺろぺろりんちょしてればいいんだよ
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 21:02:25.03 ID:I4lIhdRE0
唯「ごちそうさま〜」
そう言って唯は、私とムギの弁当を物欲しそうに見た。
律「むっ……やらないからな!」
唯「そんな事言ってないよ。言ってないけどさ〜……おいしそうだねぇ」
私は唯にとられる前に、急いで弁当箱を空にした。
唯「ああっ!私の卵焼き……」
律「私のだっつーの」
こういう時は、ムギと澪と和が、唯に餌を与える。
いや、唯が神サマならお供え物か?
唯「んま〜。ムギちゃんありがとう〜」
唯は満面の笑みを浮かべて、ムギから献上されたマッシュポテトを飲み込んだ。
そこでようやく私は気がついた。
律「あれ?そういや澪と和は?」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 21:04:30.26 ID:NeKxCPBD0
餌を与えられて飼い馴らされる唯ちゃんかわ唯
やっぱ唯は家畜同然の扱いが妥当だな
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 21:06:47.52 ID:8ON3CNVO0
唯ちゃんは何してても可愛いよ
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/25(木) 21:07:54.87 ID:NeKxCPBD0
家畜じゃない、愛玩動物だ