頼む
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:29:28.21 ID:yhwld18f0
お断りします
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:30:15.09 ID:eSA4wAn00
君のストレンジ・デイズはもういい
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:30:35.49 ID:lPMK/2YD0
キモそうなやつは大体友達
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:30:58.84 ID:f61zwrmW0
俺は皆がヒクくらいド田舎の漁師町で生まれた。
漁師町は気の荒い奴が多く、更に格闘技の道場が乱立していたこともあり、
俺の周りはいわゆるヤンキーだらけだった。
兄貴はそんなヤンキーの中の一人で、地元では結構名の通ったヤンキーだった。
3コ上で格闘技経験者でヤンキーの兄貴に当然勝てるわけも無く、
小学生の時、俺はしょっちゅう全身の骨という骨をパキポキ折られた。
その時の後遺症で俺は今、正座ができない。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:31:28.12 ID:DUaTvQWY0
グレートフルデッドのマスコットの熊ってなんて名前だっけ?グレ吉だっけ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:31:31.38 ID:IA+vjZ9aO
感謝の日々
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:31:40.22 ID:f61zwrmW0
俺は兄貴に勝つ為に、中学入学と同時に地元の柔道部に入部した。
その柔道部はなんと部員が三年二人。
部長は中学生ながらベンチプレス90kgを持ち上げるというパワフルなアウトロー
それに加えてホモの気があり、美形の後輩(男)に洒落にならん性的いたずらをブチかます
ジャニーさんまっつぁおのヤバい人だった為、部員は残らなかったらしい
その人の必殺技に「アイヤー」というものが存在した。
その「アイヤー」はケツの穴に指をぶち込んで高速で振動させるという
ちょっと常人には思いつかない妙技である。
事情を知らない新入部員5人は当然速攻アイヤーの餌食となった。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:32:00.30 ID:yw+boAjrO
おめぇのグレイトフルデイズも今日までカモン
プロシュートの兄貴かとおもったけどちょっと違った
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:32:29.82 ID:f61zwrmW0
しかし、その柔道部は外部指導員が昔オリンピックで金をとった山下と
同じ柔道部にいたほどの猛者で、実際に強くなりたいと思って入った俺にはいい環境であった。
練習はウォームアップの約5kmマラソン、腕立て100回、腹筋200回、
バービージャンプ(スクワットしてジャンプみたいなの)10回×50セットから始まり、
その後、準備運動、柔軟運動、打ち込み500本、投げ込み100本、技の解説、
最後に乱取りというのが毎日のメニューだった。
中学校一年生にはキツイ内容で初めの半年間はウォームアップの時点で
足ガクガク、腕上がらないというのがデフォだった。
着実に力をつけていった俺だが、俺が中学校2年の時、兄貴は家出をした。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:32:47.04 ID:8x0KhEy2O BE:1478966786-2BP(3555)
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:33:18.34 ID:f61zwrmW0
目標を失った俺がドンドン荒んでいったのは言うまでもない。
部員が二人だけになり、団体戦にすら参加できない柔道部を退部し、
タバコを吸うようになり、いわゆるヤンキーと呼ばれる先輩と遊ぶようになった。
先輩に気に入られ、違反学生服をいっぱいもらった俺は特注の刺繍短ランに
ケーヨシヒロというボンタンブランドのマッキャンべロというふっといズボンをはいていた。
当時はこれが超イカスと思っていたのだが、今思いかえすと死にたくなるファッションである。
そんなダサダサファッションと柔道をやっていたこともあいまって中学の同級生で歯向かう奴はいなくなり、
肩で風切って歩くようになった。
そんな風に増長していると、ある日ある先輩に絡まれた。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:33:25.24 ID:yhwld18f0
それに加えてホモの気があり、美形の後輩(男)に洒落にならん性的いたずらをブチかます
ジャニーさんまっつぁおのヤバい人だった為、部員は残らなかったらしい
続けたまえ
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:34:01.66 ID:f61zwrmW0
その先輩はいわゆる地元のウザい系の先輩だ。
昔やんちゃやってた人なら分かるだろうが、地元でたむろっていると、
必ずといっていいほど「先輩」という人が現れる。
そういう人は大抵大仏のようなパンチパーマに伊達メガネ、
何色使ってんだよ!とツッコミたくなるような色彩検定本の悪い例に挙げられそうな
センスのないセーターに地味な色のスラックス姿で我々とエンカウントする。
そして年齢は必ずといっていいほど20↑である。さらに例外なく超偉そうである。
どっかの工場で量産体制が整えられてんのかってくらいそういう先輩は多い。
普通はそういう先輩にお金を挙げないといけないという決まりごとがあるのだが、
俺の兄貴の時代は地元始まって以来の荒れた学年で、そういう先輩をオール無視していた。
兄貴も当然そんな中の一人で、こともあろうにその先輩をボコボコにしたことがあったらしい。
兄貴の偉業のおかげで俺はその先輩の車に乗っけられ、先輩と先輩の後輩2人に
地元から2時間かかる山奥に連れられ、服を燃やされ木刀でぶん殴られまくった。
翌日、下山し、オカンに電話をかけて迎えに来てもらった。
オカンは泣いた。俺はオカンに怒鳴るだけだった。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:35:08.82 ID:f61zwrmW0
それからやっぱり真面目に頑張らないとイカン!と思い、髪形と服装を変え、心を入れ替えた。
これまでの遅れを取り返すべく一生懸命勉強をして、二年の頭に150/150だった成績が
二年の一学期が終わる頃には100/150くらいになった。
そんな姿を見てオカンは、「塾行きたいんなら言ってくれ」と言ってきたので
言葉に甘えさせてもらった。親父は兄貴も俺もフルシカトだったので反対したらしいが。
塾に行きだすと、成績はみるみる伸びた。三年の一学期からは5/150に常に入るようになった。
内申書はボロボロかと思いきや、うちの学校(地区?)は2年から付け出すかったらしいので、
俺が真面目に勉強をしている姿を見て、先生はかなり良く書いてくれてたらしい。
それは俺にとってかなりプラスに働いた。
おかげ様で県下2番目の東大毎年10人は排出する進学校に進学できた。
オカンはその時も泣いた。いや、今思うとよく泣くオカンだわ。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:35:58.60 ID:f61zwrmW0
基本ペラペラよく喋る俺なのだが、周りの生徒となんとなく波長が合わず、席近い奴で友達はできなかった。
俺の個人的な感想なのだが、なんか進学校の生徒は礼儀がないのだ。
その人がどんな人なのかも分からないのに、いきなりタメ口で、更に上から目線で、
初対面で第二人称が「おまえ」だったりする。
今思えばどうでもいいことなのだが、それがなんとなく気に食わず友達ができなかった。
しかし、新入生歓迎テストをうけると、全体生徒中2位だった。
ウチの学校は上位30位までは名前が張り出されるというシステムをとっていた為、
「○○君すごいんだねー」とか「勉強教えて」みたいなことを女子に言われるようになった。
それと共に男子の間では何故か俺はガリ勉キャラが定着していったらしい。
女子のが優しかった。男子はなんとなしに俺に冷たくなっていった。
進学校と言えどもヤンキーくずれみたいな奴がいる。
ある日、そのヤンキーくずれが悪い意味で俺に絡みだすようになってきていた。
そいつは俺の机に「ガリ勉」と油性マジックで落書きしたり、
椅子にかけてた俺の学ランを何を思ったか床に落としたりなど他愛のないものだった為、
俺は親に迷惑をかけたくないし、自分に直接的な危害はないので極力無視していた。
そいつはおそらく太さからしてリバックスメンズというボンタンブランドのルーセントというズボンをはいていた。
皆さんご存知の通り、ルーセントは違反学生服でも標準に近く、ちょっと太いだけの
ヤンキーでもかなりしょぼい奴しかはかないズボンだ。
更にこれには呆然としたのだが、短ランの材質がざらざらなのである。
これも皆さんご存知の通り、違反学生服は購入当初からちょっとテカテカしてて材質が違う。
おかしいなーと思ってどこのブランドの短ランだろ?と思って体育の時間に確認すると、
なんと標準学生服を折って縫って短ランをハンドメイドしていたのである。
俺の中でそいつをハンドメイダーと呼ぶことにした。
そんなこんなしていると、ある時そいつは増長して、授業中に俺の髪をガッと引っ張ってきた。
今までも色々細かいことは仕掛けてきていたが、俺に直接危害を加えたのは初めてである。
その瞬間全てがどうでも良くなり授業中にも関わらず、後ろを向いて「コラァ!」と叫んでいた。
言った瞬間かなり後悔したが、もうひくことはできない。
俺もそいつも帰宅部だったことは知っていたので、とりあえず「放課後話あるから残れ」とだけ言った。
先生に叱られ、更に謝ることが何より嫌いだった俺は無言を通したが、その後職員室に呼ばれた。
職員室から教室に帰ると、ハンドメイダーは俺を指指してケラケラ笑っていた。
その瞬間ブチ切れた俺は気づくとハンドメイダーの髪を掴み顔にヒザを入れまくっていた。
最終的に先生に止められた。メイダーは全治一ヶ月になった。
俺は、停学2週間になってしまった。
オカンは泣いた。親父は切れた。俺は情けなさすぎて死にたくなった。
停学中、あまりにも暇だった為、地元のパチ屋に行っていた。
当時のパチ屋はスロットメダルがごろごろ床や受け皿下に落ちていて、
一時間あれば100枚(2千円分)集めることも可能だった。
そのコインでATを引いて一撃7000枚を持ち帰ったこともあった。
その日もせっせとメダルをかき集めていると、中学時代の先輩に遭遇した。
かなり疎遠になっていたが、その先輩はご飯を奢ってくれると言うので、飯を食うがてら色々な話をした。
当然メイダーの話もした。
最後には「勉強頑張れよ」「○○高校の人間がパチ屋なんか来んなww」と言ってくれて別れた。
停学が解け、学校に行くとクラスはざわめいていた。
俺はデビルイヤーを使い噂話を全力で聞いていると、どうやら
その話した先輩がハンドメイダーの病室に行って脅しをかけたらしいのだ。
今思えば迂闊だった。入院している病院名とメイダーの名前を出してしまっていたのだ。
おかげ様で俺は停学明け早々に職員室に行って厳重注意を受けることになった。
内心退学になるんじゃないかとビクビクしていた俺は、先輩の家に行くことにした。
先輩の家に行くと、懐かしい先輩がいっぱいいて、昔話や近況とか聞きたくもなったが、俺は先輩に言った。
「メイダーに脅しかけるの気持ちは嬉しいんですけど辞めてやってくれませんか?」
みたいな感じで言った。すると先輩は
「お前の為思ってやってんのに何よそれ。○○君の弟だからって調子のんなよ」
みたいなこと言われた。
俺はあー、結局俺は兄貴の弟だから仲間だっただけなんだなと悲しくなった。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:40:05.81 ID:f61zwrmW0
かなり雰囲気が悪くなり、一触即発だったが、その場にいた心の広い先輩が
お互いをなだめてくれてその場は事無きを得た。
しかし脅しをかけた先輩(以降福田先輩:仮名)は納得しておらず、終始鼻息が荒かった。
その時、俺は先輩達と違う世界に行ってしまってるんだなと思うと共にヤンキーにも進学校生にもなりきれない
中途半端なコウモリのようで情けなくなった。
俺は自分についてよく考えるようになり、無口になることが多くなった。
さらに事件を起こしているので、学校内でのポジションは最悪になった。
成績はなんとか10段階評価の10にいたが、毎日がつまらなくてしょうがなかった。
そんな中、体育大会が始まった。
ウチの学校の体育大会はかなりガチでやっており、学校から団ごとに数十万円を渡して
衣装を買うなり小道具を買うなりしてくれみたいなカタチをとっていた。
中にはマンスリーレオパレスを借りてそこで練習をするなり酒盛りしたりという不届きな団もいた。
毎年体育大会の為に団のリーダーは毎日のように公園で振り付けの練習をしたりするのだ。
どの部でも、その間は部活をサボっても文句は言われないらしい。
団のリーダーは3年が15人程度、2年が5人、1年が2人という構成だ。
その団リーダーは酒盛りなどがついてまわる為、カップル成立率およそ90%という脅威の数字を誇っており、
さらに、打ち上げor練習中にセックスするけしからん団員も毎年居る為、誰もがなりたがる。
それゆえ、団リーダーはクラスの投票によって公平に決められるのだ。
ハイハイどーせ俺には縁もゆかりもないイベントですよワロスワロス
とか思っていると、俺が団リーダーになることになった。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:41:22.75 ID:ZvWVtMWjO
読みやすくて面白いね
声が杉田で再生してるけど
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:42:07.77 ID:f61zwrmW0
無記名の投票で何故俺が選ばれたのか今思うと全くもって意味不明だが、やれと言われた以上頑張るのが俺だ。
一年二人のウチもう一人は、現在地方局ではあるが、アナウンサーになったほどの美人(以下クイズ:仮名)で、
俺のテンションが上がらなかったはずはない。
更に、これを機にクラスと打ち解けるチャンスでもあるのだ!正に一粒で二度美味しい!
その日から毎日体育大会の練習に明け暮れることになった。
帰りが夜10時を超えることがザラだった為、親父やオカンはまた俺が荒れだしたと心配したが、
そこは説明責任を果たし、むしろ頑張れと言ってくれた。
団リーダー内では、俺の事件を知る人も少なく、素直に楽しかった。
クイズもかわいいだけではなく、ノリも良くて頭の回転の速い優しい子だった。
お互いが団リーダー内で唯一の一年だったこともあり、加速度的に仲良くなっていった。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:42:48.82 ID:f61zwrmW0
そして体育大会本番。
ウチの学校は100、1500メートル走とリレーの配点が高く、他の種目はゴミ同然なのだ。
100メートルは全学年のクラスの代表で予選を行って、1位が決勝にでるという形式をとっていた。
得点があるのは予選1位と決勝1,2,3位のみであり、更に予選1位の得点が騎馬戦の優勝チームの得点、
決勝1位が騎馬戦の2倍という超シビアな配点だったので100メートルは毎年盛り上がる。
実は脚の速さだけは自信があった。
予選は陸上部をぶっちぎって1位になった。
決勝も3年の陸上部をぶっちぎってまたもや1位になった。
応援の声で「いいぞーヤンキー」とか聞こえてたがこの際なんでもいいやと思ってた。
我々が一生懸命やっていた応援の部は惜しくも2位だったが、総合では1位に輝いた。
この時が今思えば人生の絶頂だったかも知れない。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:43:40.40 ID:nFmnpsdy0
グレイトフルデッドしろ
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:43:40.76 ID:f61zwrmW0
体育大会が終わると、打ち上げがある。
ド田舎なので、広い家は腐るほどあり、その中でも両親が寛容な家で酒盛りが執り行われる。
いわゆる夜の体育大会である。
中学生の時、先輩に日本酒を一気させられまくっていた俺は高校生としては酒が強い方で、
周りがチューハイをちびちび飲んでる横でビール、日本酒を一気しまくっていた。
すると先輩にも気に入られ、俺はすっかり機嫌がよくなっていた。
酒盛りも佳境で、俺のペースに合わせて一気をしている先輩がぶっ倒れていく中、
さっきから全然酒を飲んでいないクイズが話があるから外行こうと言ってきた。
うは、これセックスか?やべーゴム持って来てねー。
とかふしだらなことを考えている俺は極力顔に出さないように若干ニヤけながら
精一杯クールに振る舞い「おう」と言って夜の田んぼ道へと繰り出した。
外に出ると、クイズは一枚の写真を取り出した。
その写真は100メートル走優勝の瞬間の写真だった。
「よくこんな写真撮れたねスゲー」と俺
「優勝すると思ってたから」とクイズ
酒に酔いながらもドキドキしているとクイズは「写真の裏を見て」とか言ってきた。
裏を返すと、かわいらしい字でメッセージが書いてあった。
○○君、100メートル優勝おめでとう。
かっこよかったよ。こんな内気な私だけど付き合ってくれますか?
とか書いてあった。
俺は、「内気じゃないやろ」とか笑いながら言いつつ、
「いいよ」なんて言っていた。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:45:20.50 ID:f61zwrmW0
それからは毎日が楽しくてしょうがなかった。
体育大会の練習期間中、授業をほぼ全部寝ていた俺は10段階評価の10から6くらいまで転落していた。
しかしクイズと一緒に図書館で勉強したりしている内にみるみる成績は上がっていった。
デートらしいデートは一切せず、チャリで一緒に帰ったり、図書館で勉強したりばっかだった。
冬休みに突入すると、クイズが俺の家に来てみたいと言い出した。
これは童貞を捨てるチャンスじゃね?とウキウキしながらしていると共に
イチモツの不安、いや、一抹の不安がよぎった。
その昔、中学時代の先輩がマンコの場所が分からず、
ケツの穴にぶっこんで超嫌われて振られたという悲劇を思い出したのである。
現在はそれこそワンクリックで無修正動画が見れる時代だが、
当時は裏ビデオなどチートアイテム、伝説の神々の装備であった。
所持しているだけでちから+10すばやさ+100かしこさ-100かっこよさ+50うんのよさ+∞
くらいの感じだ。俺も当然マンコを見たことがなく、悲劇を繰り返すのではないか・・・
急速に不安になった俺は前にでた心の広かった先輩(以下浜野先輩:仮名)に相談することにした。
浜野先輩はヤンキーなのにオシャレさんで、更にジャニーズ系顔の先輩でモテモテだった。
浜野先輩はワケアリの先輩で高校生ながらマンションで一人暮らしの先輩だった。
浜野先輩の家に行き不安をぶちまけると「大丈夫だって」とは言ってくれたが、不安でしょうがない俺に
「じゃあ今からリサ(仮名)に女友達連れてきてもらってマンコ見してもらおうぜ」とか言い出した。
このリサと言う先輩はかなりのヤリマンで有名で、更に俺に好意を持ってくれていたらしく、
飲み会がある度によく乳を揉ましてもらっていた先輩だ。
「さすがにそれは鬼畜すぎるから無理っすよ」とか言ってるのを尻目に浜野先輩はリサさんに電話をかけていた。
数分後リサさんが女友達二人を連れて浜野先輩の家に来た。
もちろん俺は「マンコ見して下さい」なんて言えるわけもない。
浜野先輩も言うわけがない。とりあえず酒を飲むことになった。
酒が入ると次第に打ち解けてきて、クイズの話とかを「むっちゃかわいいんすよ」とか
「でも童貞なんで不安です」とかってガンガンしていた。
リサさんは「いいなーなんか若くて」とか言っていた。
そんなこんなしていると浜野先輩は寝室に女二人と消えて行った。
(うは、浜野先輩マジパネェっす)
とか思っていると、リサさんはおもむろに乳を揉ませてきた。
そして無言でキスをしてきた。
こうなると、歯止めが利かず、そのままあれよあれよとセックスをしてしまった。
ちなみに言っておくがリサさんは身長160くらいでゆうに60kgはありそうというメタボで、
顔はスタン・ハンセンに似ていた。
男なんてこんなもんなんですよね・・・。
ことが終わると俺はガーガー寝ていた。
家に帰るのも忘れ、翌朝起きると、そこにはリサさんも女2人もいなかった。
冬休みなので、学校もなく、ボーっとしていると浜野先輩がコーヒーを入れてくれていた。
ふと携帯に目をやると着信もメールもめちゃめちゃあった。
誰だろうと思って見ると、相手はクイズだった。
メールは
「○○がそんなこと考えていたなんて知らなかったよ。もう二度と私に話しかけないで。」
みたいな内容だった。
はてなマークで一杯になっていると、俺からクイズの送信メールに
「セックスもさせてくれん彼女って何なん?マジうぜぇ」みたいなメールがあった。
まさか・・・リサさん?
そんなこと思ってる暇もなく弁解のメールを送って電話を試みた。
「いや、マジでこれ俺送ってない」とか「とりあえず電話でて」と言って何とか電話を取り付けた。
クイズは超キレていた。
静な話し合いにはとうていならなかったが、要約するとこうだ。
メール送られる⇒電話かける⇒つながらない⇒俺が裸で女と写ってる写メ届く
だったらしい。俺の携帯は写メールつきじゃなかったので、リサさんのアドレスから送ってこられたらしい。
これはどう言っても言い訳できない・・・俺は泣きたい気分だった。
そして向こうから電話は切られた。
俺はリサさんに速攻で電話をかけブチ切れた。
リサさんは泣いてた。俺のメモリーを消すようにきつく言って電話を切った。
しばらくして冷静になると俺は自己嫌悪で死にたくなった。
浜野先輩にも事情を話すと、浜野先輩はこんな俺に土下座をしてくれた。
それを見てまた泣きたい気持ちになった。
冬休みが空けると体育大会で回復した俺の評価は女子を中心としてガタ落ちだった。
クラスの誰もががその顛末を聞いたようだ。
またクラスで孤立した。しかも今回はマジで正真正銘友達がいない。
そんなこんなしていると福田先輩からメールが来た。
コンビニに呼び出された。福田先輩は超怒っていた。
リサさんは福田先輩と付き合っていたらしい。
リサさんは福田先輩に俺とヤったことやメモリー消せと言ったことを全て言ったようだった。
福田さんに殴られた。前歯を折られた。
地獄のような三学期を終え、二年になった。
どーせ俺みたいな半端モンは友達なんてできるわけねーっすよハイハイとか思ってたら、
男子で一番人気者のハリー(仮名)が俺に興味を示したようだった。
ハリーは誰に対しても優しく、面白い奴だったが、何故か特に気に入られてほぼ毎日一緒に食堂に行くようになった。
他の奴も最初は「俺と仲良くする=女子に嫌われる」の為、俺に話しかける奴はいなかったが、
ハリーの変わらぬ人気ぶりを見て色々話しかけてくれるようになっていった。
俺も心を開き、リサさんとのことを話したり、メールの真相を話したりした。
そんなこんなで人望を少しずつ集めて行くと、ハリーからある相談をされた。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:51:35.75 ID:f61zwrmW0
ハリーは別クラスにかわいい彼女がいるにも関わらず、
同じクラスにいる小学校の時からの幼馴染のノンちゃん(仮名)とセックスをしたらしい。
更にそのノンちゃんは結構メンヘラで、セックスをしてからと言うもの学校に来てないらしい。
ハリーとノンちゃんの家は家族ぐるみの付き合いなので、情報が入る。
ハリーが親から聞いた情報によると、ちょっと前にバファリンを三箱一気飲みして病院に担ぎ込まれたそうだ。
ハリーはそれが色んな意味で心配で心配で仕方がないらしい。
しかし、ハリーが連絡をとっても全部無視するらしいし、不安でしょうがないそうだ。
そこでこんな相談できるのは俺だけだからと相談してきた。
そこで俺はハリーから番号聞いて俺の携帯で電話をかけて、それからハリーに代わって話せばいいんじゃね?
と提案した。高校生の浅知恵だが、知らない番号からかかってきた電話はとるだろうと計算した結果だった。
早速その場で電話をかけるとあっさり出た。
「あ、同じクラスの○○だけど、学校休んでてハリーが心配してるから話しだけでも聞いてやってよ」
と言ってハリーに代わった。
ハリーはそのまましばらく話し込んで、とりあえず当面の不安は取り除けたみたいだった。
ハリーに感謝され、俺もホクホクだった。何か久しぶりに人に感謝された気分だった。
そしてその翌日
ノンちゃんはまた学校を休んでいた。
ハリー心配するってのなんて思っていたら、メールが届いた。知らない番号だ。
メールはノンちゃんからだった。当時J-phoneは同社同士のメールが無料(今でも?)だった為、
高校生に人気があったのだ。ノンちゃんは昨日かけた電話番号からメールを送ってくれたらしい。
内容は
「昨日は色々ごめんね、ハリーと話せて良かった。ありがとう。」
みたいな感じだったと思う。俺は、
「そうやなーハリーも俺も心配しとるし取り敢えず学校おいでや」
みたいな感じで返したと思う。
するとノンちゃんは
「ハリーからどこまで話聞いたの?」
と聞いてきたので何にも聞いてない設定を即座に頭で作り出し、
幼馴染だから心配してるってことだけを伝えた。
すると、
「○○君部活やってたっけ?」
と聞いてきた。帰宅部だよと言うと、
「じゃあ今日○○にある公園って来れるかな?」
と聞いてきた。
ノンちゃんはかわいいのだ。顔は酒井若菜を一般人にした感じで乳もFカップ。
更にパンパンに張った乳でいかにももみごたえのありそうな一品である。
超仲良くなりてーと思ったが、メンヘラっぷりはハリーから良く聞いていたので
なるべく触らないようにしようとしていたのである。
そこで、「いや、今日は用事あるから無理やわ、ごめんな」
と返すと「うん、じゃあまた今度ね(ハートの絵文字)」と送られてきた。
しばらく理解に苦しんだが、あまり深く考えないようにした。
その後、一週間経ってもノンちゃんは学校に来なかった。
ハリーも心配して電話をかけたそうだが、でないそうだ。
マジで自殺までありえる分、ちょっと我々は不安になってきた。
俺から再度電話をかけるとあっさり電話に出た。
別段沈んでいる様子も無く、普通だったので安心して
「学校来んの?」と言うと「勉強自分でしてるから大丈夫」と答えた。
「そっかー、ハリーも心配してるから早くきなよ」と言うと
「色々やることあるからそれ片付いたら行くよ」なんて言っていた。
俺は幾分安心して電話を切った。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:54:34.08 ID:yw+boAjrO
おい続きが気になって眠れない
そんな中、俺にも春が来た。
中学校の時の女友達がコンパを開いてくれるとのことだ。
その友達は女子高に行っていたのだが、コンパしたいから面子を集めてと言われた。
俺はハリーとコニ(面白い奴)という奴と三人で行くことになった。
俺の県は田舎すぎて、コンパをする時は必ずカラオケ屋と決まっていた。
そこにジンとウォッカをビンで買っていき、フリードリンクのジュースを割って飲む、といった具合だ。
酒も進んでいくと、皆ノリノリになり、ラブホテルのパーティールームに行ってみようと言う意見で満場一致になった。
当時俺は夏休みは海の家でほぼ毎日朝8時から夕方5時までバイトをしており、高校生にしては金をそこそこ持っていた。
コニもショッピングセンターでひたすら玉葱を詰めまくるという謎いバイトをしていたので金があった。
ハリーはやめとくらしく、もう一人の女の子は門限があるので帰ることになった。
そこで、俺とコニの奢りで女の子二人とパーティールームに行くことになった。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:55:47.31 ID:f61zwrmW0
パーティールームは田舎で土地が安いのでめちゃめちゃ大きかった。
てかほとんどホテルのスイートのような感じだ。
とりあえずビールを山ほど買い、皆で飲んでいると、女の子の一人が滅法吐き出した。
コニがもう一人とひたすら談笑をしている中、俺は黙々とゲロ処理をして、女の子を介抱していた。
その吐いた方の女の子は元モー娘の中澤裕子を若くしたような子(以下ユウコ:仮名)で、
気も酒が強そうなのだが、実は酒が弱く、かなり無理をしていたらしい。
トイレで背中をさすっていると、コニが「女の子送って帰る」と言って帰って行った。
パーティールームで女と二人!どーする俺!?どーする俺!?
と普通は考えるだろうが、めちゃめちゃ吐いてしんどそうなのだ。
鬼畜にも弱っているところをセックスなど間違ってもできない。
とりあえず今日帰るのはしんどそうなので家に電話をかけさせ、ベッドに寝かせることにした。
寝かせ終わった後、一人で残りのビールの処理をし、タバコを吸って一息つけていた。
一時間程経つと、ユウコは起きた。
吐いて寝たことですっきりしたみたいだ。
とりあえず歯を磨いて、シャワーを浴びると言っていた。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:56:40.16 ID:f61zwrmW0
ハズカシながらラブホが初めてだった俺は漫画やドラマで見た知識をフル活用すると
シャワー浴びる=セックスという考えにしか至らなかった。
元気になったユウコと一緒に風呂に入ることになり、その後セックスをした。
結局ヤるんやん!と思ったがそれは若さゆえ。
ユウコは処女だった。
ピロートークでユウコは付き合ってくれと言ってきた。
俺は当然断る理由もないので、オーケーを出した。
後で幹事だった友達に聞くと、ユウコは遊んでそうに見えるけど
真面目な子だから大事にしてあげてと言われた。
夏休みが空け、新学期が始まった。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:57:36.04 ID:f61zwrmW0
新学期が始まるまでユウコを家に呼んでひたすらセックスばかりしていた。
俺はセックスオリンピックがあれば地区代表くらいになれると確信していた程のセルフコントロールマンで
フルボッキのまま4時間つきまくることも可能だし、3分でイクことも可能であった。
そんな中ユウコはどんどんエロくなっていった。
新学期が始まると、ハリーが顔面蒼白でこちらに来た。
どうしたのかと聞くと、ノンちゃんのことだった。
ノンちゃんの家はあまり裕福ではなく、家庭の事情でノンちゃんはバイトをしていた。
1学期に学校に来なかったのはそのせいもあったんだそうだ。
そのバイトでどっかの暴走族の下っ端と付き合いだしたらしく、そいつがハリーに怒り狂っているらしい。
ノンちゃんはハリーはそんな奴じゃないと説得したそうだが、
そいつはノンちゃんを殴ったりして「絶対ハリー[ピーーー]、お前は口出しすんな」とか言ってるらしい。
ノンちゃんはハリーに気をつけてと言ったらしいが、ハリーはもう同じ学校で苗字も割れているので焦っていた。
ここは俺が一肌脱がねばなるまい。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 00:58:17.07 ID:f61zwrmW0
福田先輩にはもう話はできないが、浜野先輩が色んな先輩に俺とリサさんとのことを弁解してくれたらしく、
俺は先輩達の間でそれほど嫌われてはいなかった。
俺は早速浜野先輩に連絡をとり、浜野先輩のマンションに行った。
あまりいい思い出のあるマンションではないが、マンションに行くと、浜野先輩が
広田先輩(仮名)という先輩を呼んでいた。
広田先輩は極真空手を小学生からずっとやっており、茶帯の実力者だ。
県の個人の大会で優勝したこともある。
喧嘩がしたい為に駐車場で集まる族(と言っても5人程度だが)をフルボッコにするような人だ。
喧嘩が取り敢えず大好きで、皆に「喧嘩あったら呼んでやー」と言うような漫画みたいな人なのだ。
しかしカツアゲのようなマネは一切せず、当時吉野家のバイトをしていた。
そんな人なので地元で最強と呼ばれる族の一番トップの人と超仲良しで、大抵の無理が通る。
浜野先輩がひっかけた女が族関連だった時などその人がまとめることが多かった。
そのノンちゃんの彼氏の族の名前が分かっていたので、広田先輩とハリーがその族の頭と話すということになった。
話はあっさりとつき、更に最後に本人に「文句あるんなら俺んとこ来い」と脅しをかけたのでハリーは事なきを得た。
広田先輩にはお世話になったので俺はその後、
パチスロ北斗の拳の北斗揃いレインボーオーラをあげた。
そのような一連の出来事がノンちゃんの耳に入ったらしく、
「色々とありがとう」というメールが来た。
「いえいえ」と送ると、
「かなり前に言ってた公園に来れる?」と来た。
別に断る理由もないので、その日の放課後に公園に行くことにした。
公園に行くと、ノンちゃんはいた。
学校ではしない化粧もしてかわいかった。
広田先輩のことや、ハリーのこと、最近の学校のこと、クイズのこと等
ほとんど俺が話していたような気がする。
ノンちゃんと話していると、公園のすぐ近くをノンちゃんの友達が通った。
三人で少し談笑をしてその日は家に帰った。
家に帰るとノンちゃんからメールが届いた。
「明日学校二人で早く行かない?」
俺は「何時くらい?」と聞くと朝六時だそうだ。
今思えば俺はこの時から邪な気持ちを持っていたのかもしれない。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:00:05.10 ID:f61zwrmW0
翌日朝五時に起き、急いでシャワーをして学校を目指した。
学校につくと誤算に気づいた。
スポーツがあまりさかんではなかった我が高では朝練などが一切ない為、
六時にはまだ守衛さんが門と校舎の鍵を開けていないのだ。
その事実に気づいた俺は、ノンちゃんに速攻で電話をした。
するとノンちゃんも知らなかったらしく、とりあえず校門近くに来ることになった。
そこで俺は閃いた。
ウチの学校にはホッケー部があったのだが、大会参加経験も無く、部員は当時一人だけだった。
そのホッケー部の部室の合い鍵の隠し場所を俺は団リーダーの際、その一人である先輩から聞いていたのだ。
部室は校舎外にプレハブみたいな感じであるので、校舎が入れなくてもそこは出入り自由である。
とりあえずノンちゃんにその旨を伝えると、「行こう」ということになった。
部室に入り、二人で話していると、ノンちゃんは自分の好みのタイプを語りだした。
しかも驚くことにそれがことごとく(主に外見上の)俺の特徴なのだ。
フォーリンラブとか言ってレッドカーペット出てる芸人みたいな感じだ。
なので俺も負けじと、
「俺のタイプは身長がこれくらいで、色白で、胸大きくて、優しくて、頭が良くて、
一緒に朝ホッケー部の部室で話してくれるようなかわいい子かな」なんて言っていた。
その瞬間ノンちゃんは俺にキスをしてきた。
しかも抽象画を描くかの如くめっちゃ舌が動きまくるような超ディープなやつだ。
俺も気分がノってきて服を脱がして、乳に吸い付きまくってクンニをしまくっていた。
チンポを入れてノンちゃんが3,4回イクのを確認し、さてそろそろ抜こうかなと思っていると、
ノンちゃんは「安全日だから中に出していいよ」と言ってきた。
当時、中出しモノのAVなどあまり存在せず、中出しという響きだけで未知の世界との遭遇であった。
今だったら完全にためらうが、当時の俺はラッキー!と思い、思いっきり中出しをした。
お互いすっきりしてしまい、授業中は二人とも爆睡していた。
こんな生活が2か月ほど続き、かなりの頻度で中出しをしていた。
お陰様で10段階評価10に戻した成績も7くらいまで落ちた。
そんなただれた生活を繰り返していると、文化祭が始まった。
ウチの学校は文化祭は二年生から出し物に参加するシステムだったので初文化祭だ。
文化祭期間中、ノンちゃんはバイトが忙しい為、ほとんど手伝いができずに帰っていた。
文化祭でどっかの馬鹿が「女装喫茶をしよう」と提案しやがり、
何の間違いかそれが圧倒的多数で決まってしまった。
しかもウエイター(この場合はウエイトレスか?)が5人なのだが
何故か俺がその不運な5人に選ばれてしまい、化粧を施され、恥を晒す結果になった。
文化祭の準備期間でも何度か化粧をされ、その姿を見て「かわいい」などとほざかれる姿を見て
ノンちゃんは結構やきもちを焼いていたらしい。
しかし俺は、ノンちゃんに彼女をいることを言っていたし、ノンちゃんも例の彼氏がいるので
そんなことを考えていたなんて夢にも思わなかった。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:02:57.65 ID:f61zwrmW0
その時点で俺はユウコに対する気持ちを失っていた。
ユウコも好きだったが、完全にノンちゃんの方が好きだった。
なんなら文化祭の準備の時につかもっちゃん(仮名)という女の子も相当気になっていた。
本当に今思い返すと俺って最悪なのだが。
ユウコに対する罪悪感は常につきまとっていた。
ある日ユウコが家に来た時、俺は罪の意識に耐え切れずついに浮気をしていることを切り出した。
ユウコは2時間くらいずっと泣きっぱなしだった。その日からユウコからは連絡が来なくなった。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:03:57.08 ID:f61zwrmW0
俺は女の涙には滅法弱い。
本当に身勝手なのだが、ノンちゃんにある朝言った。
「こういう関係はもうやめた方がいいと思う」
ノンちゃんも泣いた。目を腫らして授業受けてた。
本当二人とも泣かす結果になってしまった。
当然のことながら俺が凹もうが、ユウコが泣こうが、ノンちゃんが泣こうが文化祭はちゃんと行われた。
仏頂面な俺は多分世界一愛想のないウエイトレスだっただろう。
文化祭が終わって、俺はまた考え事をすることが多くなった。
ノンちゃんは俺が切り出した日から学校に来なくなっていた。
一週間ほど経つと、ノンちゃんからメールが来た。
「一回ちゃんと話したい」
俺は「部室以外ならいいよ」と送った。
すると最初に会った公園で話すことになった。
ほんの一週間前はハートマークだらけだったメールも不思議なもので
たった一言で絵文字皆無のメールに変わるんだなぁなんて思ってた。
公園に行くとノンちゃんは最初全く話さなかった。
30分程俺が他愛のない話をしながらいると、ノンちゃんが口を開いた。
「生理が来ないの」
俺はカイジみたいにぐにゃ〜〜〜〜ってなった。
なんか時代背景がいまいち統一されてないな…面白いけど
「それって俺の子供?彼氏じゃなくて?」
と聞くと、「彼氏とは○○とエッチしだしてから一切会ってない」
俺もノンちゃんも人望の厚い方ではなかったので、カンパを頼めそうな奴はいない。
さらにW浮気であったため、周りの目を気にする思春期に他の誰かに話せようはずもない。
一番仲の良いハリーさえも事情が事情なだけに相談するのが微妙だ。
これはバイトをして堕胎費用を捻出するしかないと考えていた。
するとノンちゃんは「私一人でも育てるから生んでいい?」と言い出した。
今思うと、ノンちゃんは事情のある家庭なので中学校時代からずっとバイトをして
家計を支える一端を担っている。それゆえ、母一人子一人でも暮らしていけると考えていたのだ。
当然実際は不可能であるだろうが。
当時の俺はそんなことを冷静に考えることも不可能で、
「ちょっと考えさせて」と言ってその日は帰るしかなかった。
翌日ファミレスのバイトの面接の予定を入れ、とりあえず金を稼ごうと考えた。
しかし、ノンちゃんに堕胎を納得させる自信が無かった為、連絡はとらなかった。
本当に俺って最悪。
中学校時代の女友達に既に2回子供をおろしていたプロがいたので、
そいつに意見を聞くと、妊娠3週間だか3か月までは安くて安全と言っていた。
これは一刻の猶予もならん!ノンちゃんを説得せねば。
そう思った俺はノンちゃんに電話をかけた・・・がつながらない。
メールを送っても返ってこない。
これは本気で子供生む気か自殺かありえると思った俺はハリーに事情を話し、
ノンちゃんの家を教えてもらって、訪ねることにした。
家に行くとノンちゃんが出てきた。
俺は悪徳セールスマンの如く家に上がりこんで無理矢理話をすることにした。
俺は冷静に子供を育てるのは今の経済力だと無理という旨を伝え、
今回はおろすしかないと思うと伝えた。かなり自分本位に語った。最悪。
ノンちゃんは泣いていた。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:06:48.08 ID:yhwld18f0
なんか俺が未だに童貞な理由がわかった気がする
泣きながら言った。
「私はこんなに○○が好きなのに○○はエッチしたかっただけなんでしょ?」
と泣いてた。
俺はこの後に及んで
(うむぅ・・・まぁ結果的にそんな感じなっちまったけど本気で好きだったんだがなぁ)
(てか最初誘ってきたんそっちじゃん)なんて思っていた。ホントクズ。
俺は取り敢えず口だけでも「そんなことない」「お前が好きだ」なんて言ってた。
でもその日はノンちゃんが泣きすぎて話しにならず帰った。
その後、こっちから連絡をとろうとしても一切返信はなく、家に行っても出てくれなかった。
2週間ほど経った時、ハリーからノンちゃんに生理がきたことを聞いた。
安心すると共に何故だか心にぽっかり穴があいたような気分だった。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:07:37.83 ID:f61zwrmW0
昔サンデーでやってた河合克敏の漫画でモンキーターンという漫画がある。
それにドウグチってキャラがいるのだがそいつが28巻くらいで
「人の気持ちに気づくのが遅くて、気づいた時にはその人はいない、それが俺だ。」
と言う。その時の俺は正にそう思っていた。
ユウコ、ノンちゃん皆離れていく・・・等と悲劇のヒーローぶっていた。
原因をつくったのは他ならぬ俺なのに。
体育大会や文化祭のようなイベントも終わり(2年の体育大会は俺欠席)
ノンちゃんの妊娠騒動時の俺はバイトで忙しくなったことと寂しさから10段階評価3まで成績が落ちていた。
その成績を盛り返すべく、俺はひたすら勉強に励んだ。
冬休みに突入するまでなんとか10段階評価8程度にまで盛り返し、
ノンちゃんへの愛も薄らいできて、生活に張りがでてきた。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:08:28.69 ID:f61zwrmW0
冬休みに入ると、中学校時代の友人から連絡があった。
「元クラスのメンバーで忘年会するんだけど○○さんも来る?」
その頃にはかなり立ち直っていたので、二つ返事でオーケーを出した。
忘年会に行くと、ほとんど全員クラスメイトがいた。
そんな中、中学校時代にマドンナ的存在だったキサちゃん(仮名)がいた。
キサちゃんはとにかくいい意味で日本人離れした容姿で自分から喋ることはほとんど無かった。
いつもウフフって笑ってるようなイメージの子だ。
バレーボールをやっていて中学校時代県選抜にも選ばれたほどのスポーツウーマンで勉強も得意で
それでいて嫌味なところがなく同姓からの人気も高い、正に完全な女性だった。
一年の時、姉が三年にいて、姉もモテモテだったがキサちゃんも三年の先輩から告られまくっていた。
俺はキサちゃんと近くの席だった。
中学時代ほとんど話したことがなかったので、お互い知らないことだらけで大変楽しかった。
そのキサちゃんは中学校時代タカ(仮名)という男と付き合ったのだが、タカが浮気をした為別れたらしい。
それ以降、彼氏はいないんだそうだ。
(かわいいのに意外だな)と思ったが、控えめな性格なのでそれも分からなくもなかった。
中学校の知り合いは酒豪が多く、下町のナポレオンこと「いいちこ」をビン一気をするような奴もいた。
そんなペースで飲んでいると、俺は当然すぐに酔っ払ってしまい、ベロベロになっていた。
するとキサちゃんは「実は中学校の時○○君のことずっと好きだったんだよ」と言った。
俺は中学生の時、キサちゃんをかわいいなと思ったことはあったが、
俺は決してイケメンでは無く、口がうまいわけでもなかったのでキサちゃんを意識することなど一切なかった。
どっちかって言うと手の届きそうなアイちゃんって子の方が気になっていた。
しかし、中学校時代の一番の友人にあたるクニ(仮名)はキサちゃんの親友と付き合っており、
卒業式の日にクニは「キサちゃんお前のこと好きらしいぞ」「今日行かんでいつ行くん?」などと言っていた。
俺はキサちゃんの親友と付き合っていたクニからの情報というソースの確かさから
少し意識したが、ヘタレのクセにプライドが激高だった為、自分からいくのは躊躇っていた。
そして携帯の電話番号を聞くどころか、一言も言葉を交わさないまま卒業式&打ち上げは終わっていた。
しかし今の俺は違う!様々な女性との経験が俺を強くした!(とは言っても三人だが)
ハートが強くなった俺は酒の勢いも手伝い、ベロベロになりながらも
「俺は昔から今までずっと好きだったんだよ」なんて言っていた。
本当身勝手で自分に都合いいようにしか動かない俺の口、この時ばかりは褒めてやりたかった。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:09:50.68 ID:f61zwrmW0
今思い返せばキサちゃんもかなり酔っていた。
全然俺のことなんて思ってなかった可能性も全然あるのだが、
俺はすかさず携帯の番号をゲットし、その日の忘年会は大いに楽しんで帰った。
キサちゃんは超校則が厳しい高校に通っていた。
俺の高校は多少なら髪が茶色くても長くてもそれほど注意はされないが、
キサちゃんの高校は地毛でも停学とかになるというレベルである。
なので、当然携帯はNG、ゆえにメールを送っても家に帰るまでは返ってこない、
さらに部活をしているので家に帰るのは8時くらいだ。
キサちゃんは10時には寝るので、この二時間をいかに活用するかが争点となっていた。
しかし、部活が土日もあり、超体育会系なので遊ぶ約束を取り付けようにも鉄壁だった。
全く進展がないままバレンタインデーになった。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:10:32.16 ID:f61zwrmW0
バレンタインデーは平日にも関わらず、キサちゃんは部活を休んでまで俺にチョコを渡しにきてくれた。
そして「付き合って下さい」と正式に申し入れがあった。
俺は有頂天で「俺の方こそ付き合って下さい、本当は俺から卒業式に言いたかったけどな」
なんて言って晴れて付き合うことになった。
付き合いだすと鉄壁だったキサちゃんも土日の部活を午前中で切り抜けてきたり、精一杯時間をとってくれた。
そして、初めて家に来た時にセックスをした。
キサちゃんは処女ではなかったが、スポーツで鍛えたことと男がいなかったことも手伝って大変な名器だった。
痛がっていたが、「○○を気持ちよくさせたいから我慢する」なんて言ってくれて
こいつどこまで優等生やねん!なんて思ってた。
会えるのは週に一回、それでも俺は楽しかった。
バイトも辞め、平日が暇になったので塾に行くことにした。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:11:12.63 ID:f61zwrmW0
三年生になると、いよいよ受験を意識し始めた。
東大OPなんかを受けてみるとむつかしくてD評価とかだったことにショックを受けた俺は
学校の方針に沿わず、塾(代ゼミのビデオ見るところ)の方針に沿いつつ自分でカリキュラムを立て
勉強をするようにしていた。おかげで学校の定期試験は常にほぼ白紙で提出していた。
と言うか、学校は遅刻早退欠席だらけでほとんど行かず塾に入り浸っていた。
キサちゃんの帰る時間とカブることが多くなったので、一緒に帰る機会が増えた。
幸せではあったのだが、何か物足りない感覚を覚えていたのも確かかもしれない。
文理分けとクラス設定の関係からクラスのメンバーは1/3程度しか変わらない。
俺は三年でもノンちゃんと同じクラスになっていた。
その頃にはお互いを全く気にしていなかった・・・と思っていた。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:12:12.53 ID:f61zwrmW0
ノンちゃんは例の族の男と別れ、同じ学校の別の組の男と付き合いだしていた。
男の愚かなところで、一度でも好きと言ってくれた女はいつまでも自分のことを好きだと思ってしまう傾向がある。
俺はキサちゃんという素晴らしい彼女がいるにも関わらず、また自分に彼女をいることを棚に上げて
ノンちゃんに「そんなアッサリ僕なんぞ忘れられましたか?へーそれでも人ですか?」
なんてクズみたいなことを思っていた。
そしてどうにか振り向かせようとせっせと細かい工作を始めるようになった。
友達に頼んで無理矢理ノンちゃんの横に席替えをしたり、頻繁に話しかけたり、一緒の委員会に入ったりなどなど。
今思えばセコイし、その彼氏の気持ちを考えると最悪すぎる話だが当時は必死だった。
しかしノンちゃんは基本無視でどうしても話さないといけない用事以外は口をきいてくれなかった。
しかも話をする時は常に敵意剥き出しにした目をしていた。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:12:37.08 ID:wZck7T8oO
さるさん喰らうぞ
そんな細かい工作をしていると、俺は本気でノンちゃんが好きになってしまっていた。
どうやら俺は一度思い込むと突っ走ってしまうタイプらしい。
そのせいでこれからも色恋沙汰以外でも多くの災害がつきまとうわけなのだが。
キサちゃんは最後の大会の為に部活に打ち込んでおり、春休みのように時間は取れなかった。
学校推薦で専門学校に行くことから大会が終わっても秋の大会まで練習参加しなければならなかったので
1か月に会えるか会えないかといった状況が続いた。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:13:34.02 ID:f61zwrmW0
そして夏が来る。
夏には体育大会があり、体育大会は三年生こそ一番盛り上がるイベントなのだ。
そして三年生時はクラスの1/3程度が団リーダーに就任するので、投票ではなく、立候補制なのだ。
ノンちゃんはバイト先に元彼がいる為、いづらくなってバイトを辞めていた。
そんなノンちゃんに団リーダー面白いからやってみなよと俺はさかんにすすめていた。
さすがにノンちゃんとて鬼ではない、その頃には敵意も和らいでおり、
普通の会話くらいは普通にしてくれるようになっていた。
「じゃあやってみようかな」
そう言った瞬間から俺はトレーニングを開始していた。
少しでもリレーor100mでいいとこ見せる為じゃい!
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:14:27.40 ID:f61zwrmW0
団リーダーが決まった。
メンツは男はかなり面白い奴ばかりで、俺から見たら女はノンちゃん以外オールブスという奇跡の布陣になった。
いや、いい子ばっかりだったんですけどね。
ノンちゃんはあまり喋るタイプではない。
なので俺がノンちゃんの意思を翻訳して代弁をすることがままあった。
深まる絆!なんて調子こいてると練習中に彼氏が迎えにきやがったりする。ちきしょう[ピーーー]。
でもノンちゃんは頑張り屋さんで彼氏に遅くなるからまた今度ねとか言って断ることが多かった。エラい!
ハァ・・・俺本当にクズだわ。
そんな中事件が起こった。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:15:11.63 ID:f61zwrmW0
進学校では「俺って悪だぜぇ〜」みたいのがかっこいいという風潮があるのだ。
普通の喫煙者はバレないようにタバコを吸うのに団リーダーの一人が練習中やチャリに乗ってる時にタバコを吸うのである。
俺達は全員それを咎めていたのだが、そいつは
「これはタバコ吸う奴しか分からんと思うけどないとしんどいんよ」
なんて言ってやがる。(そいつは喫煙者は自分だけだと思っていた)
バージニアスリムライトみたいな女子供が吸うようなタバコ吸ってアホか!
こっちゃショートホープ我慢しとんねや![ピーーー]!なんて思ってた。
すると、そいつは案の定補導された。
そして巻き添え食って学校外での体育大会の練習は規制されることになった。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:15:55.36 ID:f61zwrmW0
実際練習何回しようがたいして変わるものではない。
単純にみんなでワイワイやりたいだけなのだ。サークルみたいなものだ。
それが学校のみになると面白さ半減てか消滅。途端に皆やる気を無くした。
最低限の振り付けを合わせ、即帰るという最悪の流れが出来上がってしまった。
俺がショボーンとしているとノンちゃんは
「練習できる時間少ないけど頑張るしかないよ」なんて言ってた。
いやいやそういうことじゃないんだよ。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:21:24.18 ID:F9HxJ6420
この話かなり前に読んだ気がするけど気のせい?
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:25:51.91 ID:wZck7T8oO
さるさん喰らったか
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:37:37.51 ID:1JPFNpvV0
新キャラ出るたびに食ってんなwww
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:45:41.76 ID:JlyxIDxB0
つづきまだー?
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 01:56:46.14 ID:wZck7T8oO
さるさん喰らってるくさいな
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 02:05:30.28 ID:f61zwrmW0
体育大会前日
当日、団リーダーは皆より早く来て会場設営や最後の練習を行う。
一年前二人だけのデートをしていた時に戻ったみたいだ。
前日は男は友人の家に泊まることになった。
ここで面白い奴がほぼ全員来ていた為、翌日4時起きにも関わらず、
俺達は日本酒を飲みだした。結局寝たのは2時半だった。
当日
頭がグワングワンする中、学校へ向かう。全員顔が土気色だ。
会場設営の際、5メートルくらいの高さから落ちそうになる。アブネーアブネー。
応援の際、バク転5回転くらいしながらはけていく場面があるのだが、
終わると全員吐きそうになっている。
こんなんで走れんのか?俺。
100メートル予選が始まる。
なんとか一位で決勝に進むことが決定した。
おうおう団席沸いとる沸いとる。
リレーが始まる。
サッカー部は抜けたが、陸上部はやっぱはえーでも離されもしなかったぞ。
100メートル決勝が始まる。
その頃は体調も戻り好調!でも三位だった。ま、いっか点数入るし。
そんな感じで淡々と体育大会は終わった。
本当はもっといいとこ見せたかったけど頑張った方だし、いっか。
問題は夜の体育大会である。
夜の体育大会には全員が参加した。
俺はハナからノンちゃんにスッポンディフェンスをかます気満々だった。
というか極端に人見知りなノンちゃんも友達があんまりいないというか話せる奴が俺くらいなので
自然とそんな感じになるのだ。
酒も入り、俺は酔ってもいないが酔ったフリをしてノンちゃんに聞いていた。
「あのさ、高杉(彼氏)と付き合ってるよね?」
ノンちゃんは「そうだよ」と答えた。
「どういうところが好きなん?」
と聞くと「うーん・・・」と考えこみだした。
ノンちゃんはかなり酔ってそうな感じなんで普通に受け答えができなかっただけかも知れない。
そしてしばらく考えた後に「私を好きなことかな」なんて答えた。
俺は頚椎くらいまで(俺もお前好きだし!)と出かけたが、
ノンちゃんは「誰かさんと違って」なんて嫌味たっぷりで言った。
俺は苦笑いをするしかなかった。
俺は「いい奴なん?」と聞いた。
その頃は酔った演技をするのも忘れていた。
するとノンちゃんは「分からない」と答えた。
ハァ?とでかかったが、女なんて皆そんなモンなんかねと思い。
俺は「ふーん」と言うだけだった。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 02:07:35.59 ID:f61zwrmW0
酒はオーケーでも人ンチなので、タバコはNGだ。
俺はタバコを吸う為に外に出て、月を見ていた。
綺麗な満月だった。
当時バイブルだった難波金融道で、
「三日月より満月よね、だって満月は人の心に刺さらないもの」
みたいな感じのことを市村朱美さんが言っていたが、それが分かる気がした。
すると向こうで話す人がいなかったのか、ノンちゃんがトコトコやってきた。
満月の下で見るノンちゃんは一段と可愛かった。
俺は市村朱美さんの言葉をまんまパクって言った。
「そうかもね」とノンちゃんは言った。
「私を月に例えたら満月?三日月?」なんて聞いてきた。
そこで俺は、どっちでもないと言った。
「じゃあ何?」と聞いたノンちゃんに
「月は俺の方。月って言うのは太陽に照らされてるデクノボウに過ぎんからね。ノンちゃんは太陽だったよ」
なんてことを言い出した。実はこれも難波金融道で金畑社長ってのが言った台詞なのだ。
うわー俺クセー。しかも引用元が漫画ってサミー。
なんて思ってたらノンちゃんはポカンとしてた。
は、はずしたぁ〜〜〜〜。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 02:08:59.95 ID:f61zwrmW0
タバコも吸い終わったし、戻ろうと思ったらノンちゃんが後ろから抱き付いてきた。
ここでノンちゃんが「私をあなたを太陽にして!」とか言ってそれが今の奥さんです。
ってなったらうまくオチもついたけど、そうじゃなかった。
ノンちゃんは泣いてた。
俺はどうしていいか分からず沈黙。
「いっつも無責任なことばっか言って」みたいなことをチアノーゼを起こすかの如く
ひっくひっく言いながら泣いてた。
何か人の気持ちを弄んだみたいで自己嫌悪に陥った。
泣きはしなかったが泣きたい気持ちだった。
落ち着くまで部屋には戻れないので夜の道を散歩することになった。
ノンちゃんはずっと泣きやまなかった。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 02:09:41.40 ID:f61zwrmW0
公園があったのでブランコに乗った。
俺は乗り物酔いが極端にひどく、あらゆる乗り物で酔うのだ。
ブランコとて例外ではなく、バッチリ酔った。
「ブランコ酔いした」と俺が言うとノンちゃんはようやく笑顔を見せてくれた。
落ち着いて話をしだした。
ノンちゃんは最初ほとぼりが冷めたら俺に謝ろうとしてたらしい。
でもそう思ってる時に俺とキサちゃんが一緒に帰ってるとことか見てたらしい。
そんで超やきもち焼いてたんだそうだ。しかも美人だったしムカついたんだそうだ。
それで高杉ってのにちょうど告られてたしOKだしたそうだ。
最初は冴えん奴だと思ってたんだけど案外男気もあって優しくて自分を好いてくれるから
好きになったんだけど、俺がノンちゃんチャチャ入れだしてから心が揺れだしたらしい。
こんな私ヤダとか言ってた。
俺こそそんな思いさせてゴメンと思った。
ハァ、マジで思い出す度に自分が嫌になる。
「じゃあこれからは友達になろう、これは友達からの意見、
よく知らんけどその高杉って奴を大事にしてやってくれ」
なんて言った。どんな奴でも俺よりゃマシだろ。
ノンちゃんは「ハイ」とか言ってた。なんで敬語やねん。
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 02:10:23.51 ID:f61zwrmW0
夜の体育大会も終わって気持ちの整理もついて、気分新たに受験モード。
なんせノンちゃんのことばっかり考えてたんで塾ずっとお留守だった俺。
自分で設定したカリキュラムをこなす為に一日18時間勉強を繰り返すことになった。
そうこうして1か月、キサちゃんの部活強制が解けた。
そこで俺本当に最悪だけど、これだけは話しておかなきゃならん!と思って、
キサちゃんに聞きたくないかも知れんけど聞いてくれと
クイズとかリサさんとかユウコとかノンちゃんのことを話すことにした。
娘十八番茶も出花って言うじゃん。
そんな大事な時間をこんなクズみたいな奴と過ごしていいのかい?と。
しかもキサちゃんと付き合ってたのにノンちゃんの気ひこうとしたりしてたよと。
まぁ馬鹿だったね、てか若かった。
「大事なのは過去じゃなくて現在と未来よ!」とか言って欲しかったわけさ。女々しいことに。
当然キサちゃんは聞きたくなかったわけで、その場では怒ってなかったけど
目に見えて凹んでた。帰った後にすぐにメールが来た。
「これからエッチしてる時も○○が他の人とエッチしてる姿想像しそうで怖い。別れよう」
みたいな感じだった。悲しくてみぞおちにボディブローを喰らったみたいだったけど
俺もこうなることも覚悟して言ったわけで別れることになった。
ただ最後は「ごめんね」じゃなくて「ありがとう」で締めました。
これが精一杯の誠意。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 02:11:04.38 ID:f61zwrmW0
残すはいよいよ受験のみ。
高校の三年間はこの為だけにあると言っても過言ではない。
と自分に言い聞かせて、ひたすら勉強した。
今はセンター試験900点満点らしいが、俺の時は800点満点だった。
俺の志望校に受かる為には680点以上は欲しいとこだった。
しかし俺は○○大OPみたいな模試は得意でAかB判定だったが
センター形式の試験が滅法苦手でいつもはかったかのように640点程度だった。
二次試験の配点が高いから今思えば大したことないトリビアルだけど
受験生は物凄くナイーブなのだ。
うわー落ちる落ちるこえー。とか思ってた。
そんな中、キサちゃんからメールがあった。
「お久しぶりです。今何してる?」みたいな軽〜いメールだった。
「受験勉強だよ」とか返すと、「もし今度暇だったら勉強教えてもらってもいい?」とか来た。
キサちゃんは推薦だし、本気で何を考えているか分からなかったけど、
いくら自分が受験でしんどいからって昔彼女だった子の頼みを断るなんて日本男児として断じてできんったい!
「いいよ、じゃあ日曜ね」とか送っておいた。
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 02:11:45.13 ID:f61zwrmW0
ちなみにキサちゃんと別れてから二ヶ月後くらい。その間双方向からの連絡一切無し。
日曜ウチに来ることになった。
教えて欲しいってのは簿記のレポートだった。
いやいや、俺簿記とかやったことねーっすから!
とか思いながらも一緒に参考書を読みながら問題を解いていった。
いや、はて、しかしおかしいな。
勉強はできる子だったし、学校の課題程度で根を上げる子じゃなかったはずだが・・・
さてはこいつ、俺がまだ好きだなしめしめ。とかブラック俺が思い出した。
本当こういうところ直したい。
そんな妄想をしているとキサちゃんは携帯メールを打っていた。
俺はサッと携帯を取り上げて「誰?彼氏?見せて見せて」とか言ってた。
するとキサちゃんは超嫌がってバスケのヘルドボールの携帯版みたいな感じになりだした。
やべー、俺のことまだ好きなんかと勘違いしたけどこの反応ガチで彼氏じゃん!
いや、しかし彼氏だったら別に「ウン、彼氏だよ」でもよくね?
てか普通女の子はメール見られんの嫌がるよなぁ・・・うわぁ俺マジで最悪・・・
でもここまで来たら後にはひけんのじゃい!
「いやいや、携帯壊れるよ。彼氏だとしてもじゃあ勉強教えんよ
なんて言ったりせんし、怒ったり不機嫌なったりせんよ」
とか言って交渉をしだした俺。
面白いから続き読ませてくれ
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 02:43:57.45 ID:q6iVmCKO0
まだかよ
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 02:48:42.87 ID:wZck7T8oO
さるさんだか寝たんだかわからんな
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 03:13:26.60 ID:StjM+p1e0
そんなネゴシエーター俺の獅子奮迅の活躍もあり、
「じゃあ送信メールは見ないでね、受信メールだけならいいよ」
という確約を結んだ。
二人で顔をくっつけあってキサちゃん監視の元、粛々とメールを見ることになった。
今返そうとしていたメールは「今何してるの?」みたいなメールだった。
メールの送信者名は「○○豊」(どう見ても男の名前)だった。
その瞬間ふしゅーと空気が抜けていくような感覚に陥った。
そりゃ、キサちゃんもてるもんな、当然だよなアハハ・・・アハ・・
みたいな感じだった。最悪のアハ体験かも知れん。
メールを遡る内に雲行きがおかしい。
なんか「そっかーじゃあしゃーないなー」みたいのが多いのだ。
俺はもう辛抱たまらなくなって送信ボックスを見ようとした。
すると、絶対ダメ!とまた全力で止めにかかってきた。当然だ。
でもその顔がまたかわいくて麻薬絶対ダメ!のポスターに使いたいくらいだった。
さるさんきつす・・・・
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 03:15:13.97 ID:StjM+p1e0
ネゴシエーター本領発揮である。
この交渉術が大学で大いに役に立って行く或いは足を引っ張ることになるのだが、それはまた別の話。
とりあえず、時間をかけて誠意を見せることで見せてもらうことになった。
でもキサちゃんはちょっと泣いていた。ウワァーこいつマジさいってぇーと思った人も多いだろうが、
そうです、最低なんです。生まれてきてすいません。
送信メールと受信メールを繰り返して見ると、どうやら○○豊が付き合ってみたいなこと送って
最初はキサちゃんがOK出したけど、その翌日に断っているみたいな感じだったことが分かった。
その瞬間全てを悟った俺は、精一杯ニヤけるのを堪えながら泣いているキサちゃんに
「こいつどういう奴?」「付き合ったってことは気に入ったってことだよね?」
「やっぱ俺なんかよりかっこよくて、優しくて、キサちゃん大事にする奴なんやろ?」
とか言いまくってキサちゃんを精神的に追い込みまくった。
うわーこうして文字にすると俺最低のクズだな。しなくてもだけど。
キサちゃんは泣きながら首を振ったりするだけだった。
そこで最後に「でも、なんで振ったん?」と助け舟を出すと
「○○が忘れられなかったから」
ニヤリ
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 03:16:16.14 ID:StjM+p1e0
俺はもっと好きだよ!とか言って押し倒しそのままセックスをした。
事終わった後に、「改めて言います。付き合ってくれますか?」と聞くと
キサちゃんはまた泣いて首をブンブン縦に振った。
こんな感情を表に出す子じゃなかったけどなぁ、ようやく俺に心開いてくれたんかな?
なんてぼんやりと思っていた。
ひとしきり泣き終ったキサちゃんはかわいかった。いや、泣いてる時もかわいかったけど
なんかスッキリした顔で今まで以上に魅力的に見えた。
残すは受験のみ!
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 03:17:22.84 ID:StjM+p1e0
俺の行ってる塾は取り敢えず俺のようなクズみたいな奴ばっか集まっていた。
皆は屋上でタバコ吸って談笑してる時間とカラオケ行ってる時間のが長かった。
俺はカラオケとかに行きながらもセコく結構シコシコ勉強をしていた。
第一志望の大学に受かると思っていたので私立はセンター受験とICUのみにした。
そしてセンター試験、数学Bやってしまった。
忘れもしない大問2の(1)連立方程式立てて直線求めるだけみたいな問題だったのに
何故か解けず、更にファンヒーターの横という最悪のポジションだった俺は
熱さから汗がダラダラかいて30分くらい費やしてしまった。飛ばした時にはもう遅い。
半分もマークできなかった・・・俺理系なのに・・・。
自己採点貫禄の32点。多分俺の部屋で最低点だったと思われる。
しかし日本史と物理の満点、国語の高得点に助けられ採点が終わると640点程度だった。
とりあえず足切りにはあわないはず!
しかし強気になりきれない俺は後期の試験を数学の配点が少ない大学の学科を受験することにした。
前期試験・・・落ちました。
私立が決まっていた為、若干の余裕があったが、
それでもできれば折角全科目勉強したし、無駄にしたくないので国立に行きたかった俺は
後期を受けることにした。しかしランクを落としたことから若干イライラしていた。
さらにその国立に受かったとしても俺の県から遠いのだ。
当然キサちゃんは地元の専門だったので俺はそれが不満でしょうがなかった。
キサちゃんは「全然いいよ、○○が行きたいところ行ってくれたら」と言ってくれたが
第一志望落ちた時点でどっちも行きたいところではないのだ。
うーん、片道3時間余りかけて遠距離の大学生って大丈夫かよ。
受かってもいないくせにそんな心配をし出す有様であった。
ランクを落としたことと、俺の受けた時の試験問題が満点目指せるような後期試験だった為、
センターの傾斜配点勝負になり、後期試験は受かりました。
しかし時既に三月下旬、自分に一つの答えを出さねば・・・
俺は結局国立を選んだ。
様々な要因を考慮した結果だ。
きっとキサちゃんも分かってくれるだろう。
そして旅立ちの前日
そんな思いを胸に俺はキサちゃんに電話をした。
「俺、国立にした」
「じゃあ私四年間待ってる」
「いや、理系だし、多分大学院行くから6年だよ」
「え・・・」
ん?なんか雰囲気おかしいぞ?
「でもその間こっちちょくちょく帰って来るんでしょ?」
「そうだね、GWとか正月とかお盆なら」
「・・・」
俺はなんたる馬鹿だ。二つ返事で待っててくれるなんて思ってた自分が恥ずかしい。
しかも俺みたいな浮気っぽいクズが6年間も都会に出て何も無いと思わないはずがないではないか。
それは他ならぬ俺の口からキサちゃんに伝えたのだ。
長い沈黙。
俺は思った。このままではキサちゃんは確実に不幸になる。
その原因は他ならぬ俺なのだ。もー本当俺死にたくなる。
「遠距離はやっぱきついよね?」
「分かんない」
「そうだね、今までありがとう」
「・・・」
「俺はキサちゃんに会えて良かったよ」
「・・・うん」
「俺が大人になって奇跡的にキサちゃんに見合う男になってて、
これまた奇跡的にキサちゃんに旦那候補いなかった時、俺飛んで来るから」
「・・・・・・うん」
「ありがとう」
「こっちこそありがとう」
クズ野郎のグレートフルデイズ 第一部 完
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 03:23:23.20 ID:q6iVmCKO0
復活したか
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 03:23:39.93 ID:StjM+p1e0
キサちゃんと別れ、寂しさを感じながらも俺は新天地関西へと向かった。
行きの飛行機の中ではミッチーこと及川光博の「展望デッキー夜間飛行ー」を中耳炎になるほど聞いていた。
今みたいにMP3プレイヤーなんてものは無い。時代はMDだ。
やりかけの恋を残して 生まれた国へ飛ぶ翼
別れ際の言葉 意味が分からないまま
切りすぎた髪の分だけ 幸せになればいい
よく似合うよ とてもよく・・・似合うよ・・・
ちょっと歌詞書いてて思ったけど、コレって地元帰る時の歌だよなぁ。
まぁ細かいことはどうでもいいのだ。
俺は大学に行くにあたってストイックにも自分に次の三つの戒律をつくっていた。
1.サークルには入らない
2.勉強はキッチリやる
3.本気で女を好きにならない
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 03:24:21.28 ID:StjM+p1e0
戒律をつくりながらも新天地にワクワクしている俺もいた。
関西と言えば都会だ。ど田舎出身の俺からすれば別世界に違いない。
きっと俺の知らないような楽しいことや気持ちいいことが待っているに違いない。グヘヘ。
それに加えて代ゼミの荻野先生(ぉーんの人)は
「大学なんて遊園地みたいなもんなんだからぁー、ぉーん」と言っていたのを俺は記憶していた。
俺はその言葉を鵜呑みにして後に痛い目に遭うのだが、それはまた後の話。
俺は絶対に関西で遊び倒してやる!と決意していた。
参考URL:オギノラップ(
ttp://www.geocities.jp/mozi1129/flash/ogino-l.html)
初めての一人暮らしが始まる。
後期入学の為、到着してすぐに入学式が始まるが、まずはバイトを探さねば・・・
俺はバイトを探すことにした。
地元に居る時は、バイトを探す時は募集してそうな店の貼り紙を見て電話をかけるか、
地元密着型情報誌(有料)を買うしかなかった。
しかし、こっちに来るとタウンワークがあるじゃないか!しかも無料。
これはおいしいおいし・・・ってエーッ!募集してるバイト多っ!
さすがは都会。俺は来て早々関西の洗礼を受けた気分だった。
若い人間が興味を示すのは高時給バイトである。
俺は人にモノを教えるのが結構好きで、先生になりたいと言う願望が密かにあったので、
家庭教師、塾講師バイトの面接を受けに行くことにした。一石二鳥でしょ?
しかし、これらのバイトは超時間勤務が不可能である。
超時間いけそうな奴なんか一個やっとこーと思った俺の目についたのは
「プロバイダ営業」であった。
なんと時給2000円。
勤務時間とか業務内容とか全く見ずに、
俺は携帯に向かって「タウンワーク見てお電話させて頂いたんですけど」とか言っていた。
イケメン リア充
自分で志望校決めて一日十何時間も勉強できる
コミュ力抜群
こいつに比べたら俺なんてゴミだ
女子から責められてる描写とかいい気味だけど、そもそも生きてる次元が違うと思った
秒速を見た時の感じがする
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 03:42:00.07 ID:wZck7T8oO
>>103 イケメン⇒本人一応否定
自分で志望校⇒第一志望落ちる
コミュ力抜群⇒友達少ない帰宅部?
まぁいいところ見すぎってことだ。お前も負けてないぞ、きっと。
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 03:48:07.16 ID:j1EvXUvJ0
悔しい
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 04:02:30.96 ID:StjM+p1e0
「今から面接大丈夫ですか?」と聞こえて来る。
益々怪しくて、今の俺なら迷わず通話を切っていたが、
田舎モンの俺は怪しいと露ほども思わず、むしろ、
うっひゃー!話がはえぇや!さすが都会!
とか思っていた。
実家から送った原チャに乗って、その会社に面接を受けに行くことにした。
面接に行くと、もう既に一人がその場で面接を受けていた。
採用担当の人は二人いたが、ハンターハンターのグリードアイランド編のベラム兄弟ってのにそっくりだった。
俺は、(あいつに決まって俺採用されんかったらどうしよ・・・)とか思っていた。
しかし、そんな心配は全く必要無かった。
俺はそいつの隣の席に案内され、座ると、採用担当の人はいきなり業務内容を説明しだした。
俺は都会ってみんなこんな感じなのかもと思い取り敢えず内容を聞いていた。
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 04:03:16.87 ID:StjM+p1e0
ベラム兄が説明をし、ベラム弟は終始黙っていた。
ごちゃごちゃと長かったが、説明を要約すると、
「街頭で話しかけてインターネット接続の契約を取り付けろ」
ってことだった。昔ヤフーとかやってたのとは違う聞いたことないようなプロバイダだった。
俺は内心、それだけでいいの?それで時給制?ラッキー。
とか思っていたが、ベラム兄は続けて言った。
「ちなみに一日一件も契約がなかった場合時給の80%カット、一件だったら60%、二件だったら40%、
三件だったら時給通り支払って、更に交通費を支給します。五件達成した場合は特別賞与一万円をつけます」
今思うと労働基準法とか大丈夫なのか?ってシステムだが、当時の俺は
「さらに一万円ももらっていいんですか?」とかマジで言っていた。
ベラム兄は苦笑いで「なかなか五件は難しいからね」と言っていた。
もう一人の男は「やっぱり今回はやめときます」とか言って帰って行った。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 04:04:00.72 ID:StjM+p1e0
俺は早速翌日からバイトを始めることになった。本当に話が早い。
一日でマニュアルをなんとか頭に叩き込んだ。
マニュアルにはこういう言葉は使ったらダメとか、こういった勧誘の仕方はダメみたいなことが山ほど書いてあった。
さらにキャンペーン内容など覚えることは腐るほどあった。
ベラム兄は、最初は経験者の人とペアだから大丈夫と言っていた。
現地に行くとベラム弟がいた。
このベラム弟、歯が明らかにシンナーでごっそり溶けてるような感じで、滑舌が悪すぎてマジで何を言ってるか分からなかった。
それゆえ面接の日(とは言っても業務説明と給料の振込み口座書いただけ)は一切喋らなかったのだ。
滑舌の悪さを文字で表すならば、
「お前今日ちゃんと来たんか?」が
「ほふぁえほーひゃんとふぃふぁんふぁ?」
みたいな音声で出力されると思ってくれれば幸いである。
ベラム弟は続ける。
「ほーひほひほほうはひょうひゃひゅみふぁふぁらふぁふぁらんふぉほあっふぁふぁひぇんふぁ」
そして携帯を出していた。3回くらい聞きなおして分かった。
「もう一人の方は今日休みだから分からんことあったら電話(よこせ)」
そしてベラム弟は白いミニバンに乗り去っていった。
かくして俺一人の奮闘が始まったのである。
>>104 ありがとう
もててるのが妬ましくて書き込んだけど、こいつも結構駄目な所あるよな
104はナイスガイだから1より良い人生だ
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 04:04:51.28 ID:StjM+p1e0
「○○いかがですかー?」
と叫んでいても話を聞いてもらえるわけはない。
当時、ライバルだったヤフーBBならばそれでも話を聞く人間がいたが、
こっちは弱小プロバイダ、話を聞いてもらえるわけがない。
俺は積極的に話を聞いてもらえそうなオバサンやオッサンに声をかけていた。
「あ、お家でインターネット接続されてらっしゃいますか?」
「あら、どんなの?」
一人のオバハンがヒットした。
俺は叩き込まれたマニュアル知識をフル活用し、この紙に必要事項を書いてもらえば、
業者が家に工事に行くので、一週間程度でインターネットが可能になるという旨を伝えた。
しかし、当時の俺は髪が長く、さらにアッシュの入った明るい茶色。
そんな兄ちゃんがいう契約書にサインするなど当然怪しさ大爆発であり、オバハンはひいていた。
結局何人かに話は聞いてもらえたが、契約者は0のまま昼になった。
ヴーンヴーンヴーンヴーン
携帯だ。
「はい」
「ふぃふぃふぃふぁふぇふゅーふぇー」
一時まで休憩だそうだ。
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 04:05:43.08 ID:StjM+p1e0
休憩が終わる。
一件も契約をとっていない俺はちょっと焦っていた。
オッサンとオバハンからターゲットを青年とお姉さんに切り替えることにした。
俺は基本的に後ろからおっかけて声をかけていた。
スーツ姿の男性に後ろから声をかけると、振り向いたらどう見てもカタギじゃない顔の青年がこっちを向いた。
や、やってもたー。しかもその青年は話を聞く気満々で足を止めていた。
こうなった以上、後にはひけない。
プランの説明など等々を説明していると、超こっちを睨んで無言でどっかに去っていった。こえーこえー。
そんなプチハプニングが起こっている最中、ライバルヤフーBBが俺のすぐ横で
「ヤフーBBいかがですかー」とか言い出した。おい、場所を考えろ。
さらにヤフーBB側は「只今契約の方にこのパンダのヌイグルミをプレゼントします」とかやってやがる。
向こうは知名度の高いヤフー、さらにパンダのぬいぐるみ。こっちが勝てる要素が0になった。
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 04:07:03.06 ID:StjM+p1e0
かなり凹んでいると、ヤフーBB側の責任者(?)ぽいオッサンを三人くらいのニーちゃんが囲みだした。
話の内容も聞こえてきて、「誰に断ってここでやっとんねん」とか言われていた。
ヤフーBB側は速攻移動の準備を始め、遥か彼方へ消えていった。
ヤフーBBは三人PTで責任者、バイト♂バイト♀みたいな感じだったが、俺は一人だ。
俺は内心超ビビりだした。
(俺んとこ来たらどうしよう)
すると、ニーちゃんの内の一人が、こちらに歩いて来た。
え?え?え?
ニーちゃんは俺に向かって話しかけてきた。
「おっちゃんのとこの人やろ?」
ニーちゃんは俺にそう言った。
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 04:08:49.34 ID:StjM+p1e0
多分おっちゃんとはベラム弟のことだろう。俺は「ハイ」とか言っていた。
ニーちゃんは「見たことないけど今日初めての人?」と聞いてきた。
俺は「そうなんですよ、本当は先輩と一緒に入るはずだったんですけどその人が休んだんで僕一人なんです」
とか答えた。ニーちゃんは
「朝から見とったけど、初めてなのに頑張ってんなー」
とか言ってきた。俺も大分打ち解けてきて、
「いやー、まだ一件も契約とってないんですよ」
と言うと、ニーちゃんは
「いや、初めてで一人でこんだけできる奴は初めて見た、すごい」
とか言っていた。その後も30分程トークをしていたのだが、
俺はついつい調子に乗って、「何やってる人なんですか?」とか聞いてしまった。
聞いた瞬間、やってもた!と後悔した。
ヤクザ屋さんだったらどうしよ・・・。
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 04:10:30.91 ID:StjM+p1e0
ニーちゃんは名刺を取り出して俺に渡した。
名刺には「ファッションエステ○○ 吉本○○(仮名)」と書いてあった。
「へー、吉本さんエステやってるんですか?」
と聞くと、吉本さんは
「いやいやキャッチ」と言っていた。
説明するまでも無いかも知れないが、キャッチとは道端で女の子に声をかけて
オチンチンマッサージのお店などで働かせるという仕事だ。
当時の俺は分からなかったので、吉本さんに聞いたのだが。
「今日はどんな感じですか?」と聞くと
「全然ダメ」と言っていた。その後もしばらく談笑し、吉本さんは仕事に戻った。
この人に比べればインターネッツの勧誘なぞチョロイもんではないか。
俺はターゲットを絞らず、声をかけまくることにした。
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 04:11:44.07 ID:StjM+p1e0
さっき書き忘れたが、声をかけて足を止める人はめっちゃ少ないのだ。
体感で1/50くらい。そんな中、俺と同い年くらいに見える若いネーちゃん二人組が足を止めた。
俺はプランの説明とかしてると、
「大変やねー」とか言ってくれたので、俺も思わず
「本当大変なんですよ、僕今日始めてですし、本当はもう一人経験者の人来るはずだったんですけど、その人休みなんで」
とか言っていた。ネーちゃんは「学生さん?」とか聞いてきたのでそうだと答え、
「お二人は何されてるんですか?」と聞くと、二人も学生だと答えた。
しかし、彼女らは高校生だった。なんだよ、年下じゃねーか。
てか高校生やのにそんなメイクして巻っき巻きの金髪ってエーッ!
年下だと見るや否や途端にタメ口になった俺はしばらくネーちゃんと談笑することになった。
俺はモノマネのレパートリーが100近くあり、地元ではかなり好評価だったので、すかさずモノマネをかましたりしていた。
結構ウケていたので、調子に乗った俺は言い放った。
「ところで家でインターネットつないでる?」
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 04:12:44.26 ID:StjM+p1e0
二人ともインターネットはつないでないらしい。
これはイケる!と思った俺は、本来未成年は契約は無理なのだが、本契約は後日実家に送った書類の返送でやるし、
家の人が反対した場合はキャンセルもできるからと言う旨を伝え、契約をせまった。
本契約が無理で仮契約でも時給くらいは支払われるだろうと視野に入れた巧妙かつ斬新な作戦だ。
既にそいつらに時給システム等も話し、5件達成したらメシくらい奢るからと言うと
片方の女の子は仮契約してくれた。もう片方はしてくれなかった。
ようやく一件達成。
その日は結局その後契約はなかった。
こんだけやって時給800円ってコンビニのがええやんか。
しかし、一週間も経つと、俺は営業慣れしてきていた。
毎日入っていたのだが一日アベレージ二件は契約をこぎつけるようになっていた。
ちなみにその間ずっと一人だった。
バイトを始めてちょうど一週間、一度事務所に来るように言われた。
事務所に行くと、ベラム兄が俺に話した。
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ほ