唯「まかもう?」

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1落ちてもうた…
ミーンミーンミンミン……


唯「わー!すごーい!」

律「ま、まさに絶景ってやつだな……」

紬「もう少しで着く予定だから、頑張ってね!」


ミーンミンミンミンミン……


夏と言えばもうお馴染みになった、軽音部の夏合宿。
今回の合宿場所は

豊富な緑に囲まれ、未だ手つかずの自然が多く残る素晴らしい島、
屋久島に決定し、軽音部一行は別荘へと歩を進めているところである。


澪「山の中だって言うのに、後ろには海も見えるぞ!」

紬「別の道を通って行けば、海まで5分かからないから、荷物を置いたら行きましょうね!」
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:17:17.40 ID:wLvofG1f0
数ある琴吹家の別荘の中でも屋久島のそれは、
大きさも去ることながら立地の良さも抜群。
一体いくらの工費がかかっているのかと考えると身の毛もよだつ。


紬「着いたわ!」

梓「お、大きいです……!」

唯「すごーい!大きーい!」


地元民からは琴吹屋敷と呼ばれるその別荘。
正面から見ると落ち着きがあり、自然との調和がとられつつも威圧感があり…

流石に一流の建築士が仕上げただけのことはある と言わせる造りである。


紬「とりあえず入って、部屋に荷物を置きましょう!部屋はこっち。大きい部屋を用意しておいたから、ここで寝泊まりできるわよ。」

唯「でっかーい!すごーい!」
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:17:30.92 ID:0yt5io3X0
また最初から?
4>>3 全力で張ってくから勘忍して:2010/02/28(日) 19:18:18.90 ID:wLvofG1f0
澪「ムギ、本当にありがとうな。ムギのお陰で合宿ができるんだ。感謝してるよ。」

紬「そう言ってもらえると嬉しいわ!」


ここ屋久島。
限りない自然と山と海の中で、生き物は力を得る。
人間も、鳥も魚も、それ以外も例外ではない。






男「ねぇ。本当にここであってんの?」

女「しらないわよ!日菜佳のデータベースによると、この辺に出没するみたいなの!」


軽音部一行の所在地から、島の真逆に位置する山奥。
キャンプを設置し、何やらディスクのようなものを持つ男女の影があった。
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:19:40.71 ID:wLvofG1f0
女「湿度、気温、地質から考えても、この辺だと思うんだけどなぁ…。」

男「お、来た来た。」


バウッ!バウッ!バウッ!バウッ! バッ! シュイーン!

狼のような形をした、プラスチックとも鉄とも取れる玩具のようなものが、
とび跳ねたと思いきやディスク型に変形して男の手に収まった。

男「(パシッ)さて、コイツはどうかな?」

キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル……

男「ハズレみたいだ。」

女「今のところ残ってるディスクは5枚。凄い移動してるのかなぁ?」

男「そうかもな。一応他の連中に助けをお願いしておく?」

女「今シフトが空いてるのは…裁鬼さんと轟鬼君、息吹鬼君かな?」
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:21:11.88 ID:wLvofG1f0
男「あとこの辺に猛士の支部あったよね?」

女「ああ、琴吹さんの所?島の裏側だったっけ?」

男「じゃあ、彼らにも連絡しておいてちょーだい。俺はちょっと、自分の足で探してみるよ。ディスクが来たら電話してね。」

女「あ、じゃあ気をつけてね!」


火打石を鳴らす女。

キャンプをするわけでもなく、学問に打ち込んでいる様子でもないこの男女。
特に恋仲にも見えず、傍から見れば何をしているのか全く分からない。

しかしながら、彼らがこの島に居るということは島に危険が迫っているという事と同義である。
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:22:27.13 ID:0yt5io3X0
最初から貼ってくなら威吹鬼を直して欲しかったり
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:22:48.79 ID:wLvofG1f0
唯「あははははは!そーれ!」

律「やったな唯ー!おらぁー!」

紬「ウフフフフ。」

そんな事は知る由もない軽音部一行。
今は水着に着替え、練習もせずに遊びに興じている様子。

澪「まったく…練習はどうしたんだ!」

梓「そうです!私たちは練習しにきたんですよ!」

律「とか言って二人とも、しっかり水着に着替えてるじゃないかよー。そらっ!」

澪「うわっぷ!水かけるな!このやろぉー!」

梓「ちょっと澪先輩まで……。はぁ、この先が思いやられるです。」

ヤレヤレとため息をつく梓。
と、一行が遊んでいる砂浜とは違う方向を見た梓の目に、
岩場が写りこんだ。
9>>7 やっちまった:2010/02/28(日) 19:24:37.40 ID:wLvofG1f0
何故だか分からないが、やけにその岩場に惹かれた梓は、
自分でも気がつかないうちに歩き出していた。


岩場に入って少し進んだ所で、梓は異変に気づく。

梓「あれ……?この岩場……なんだか溶けているような……」


右の岩を見て、左の岩を見て、足元の岩を見て。
やはりなんだかおかしい。表面が溶けているのだ。酸でも流したかのように。

梓「変です……。ん……?」

前を向き直した梓の目に写ったのは、
溶けかかった岩場ではなく、
一組の男女だった。

梓「こ、こんにちわー。地元の方ですか……?」

梓は男女に話しかけたが、返事は無い。

梓「(変な人達です……気味が悪い……です。)」
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:25:54.12 ID:wLvofG1f0
しばしの沈黙。双方黙ったまま少しの時間が過ぎたが、
静寂を破ったのは男女の方割れの男だった。

謎の男「ちょっと嫌か?ここで終わるのが。」

梓「は?ここで終わる?」
 「(というか、なんです?この男の人の声。まるで女の人のように高い声でした…。)」

続いて女が語りかける。

謎の女「ちょっと溶かさせてもらう。ちょっと痛いぞ?」


梓「へ?溶かす?痛い……?」
 「(この女の人の声も変です……。男の人の声みたいに低いです……。)」


梓が、怪訝そうな顔をしながら思案を巡らせている間に、
目の前で信じられない事が起き始めた。


グチャ……グ……グググ……!

男の手が、まるで甲殻類のように変形し始めたのである。
形容するならばカニのはさみ。まさにそれだ。
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:26:43.71 ID:a80t/kS10
折角書いたんだから全部見てくれなきゃヤダヤダ!
お前は子供かよ
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:27:19.86 ID:0lST0QfYO
なんで落ちたか分かる?
つまらなかったからだよ
もうちょっと頭使えよクズ
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:28:19.06 ID:4j1TC4gg0
わりと楽しみだったんで落ちてたのがショックだったから立て直して貰っただけでも良しとする。俺は。
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:29:28.02 ID:4j1TC4gg0
でも誤字と梓の口調は直して欲しかったかも
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:30:33.48 ID:SSzbRYL4P
一つの作品に拘りたいなら創作池
暇つぶしの板で自己実現果たそうとしてるんじゃねーよ
お前の発表に無条件で全員が向き合うと思うな
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:33:13.69 ID:wLvofG1f0
超中途半端なんだけども、途中から投下するっす。
全てが中途半端ですまなんだ。


威吹鬼「ふぅ……。ここが屋久島かぁ。あきら、荷物は持った?」

あきら「はい。全部持ちました。」

威吹鬼「じゃあ、出発しようか。」

あきら「はい。」




唯「ふわぁーっ!はぁ。」

律「でっかいあくびだなぁ。」

唯「いやー。心なしかよく寝られた気がしてねー。」

紬「大仕事した次の日だものね。」
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:34:41.99 ID:wLvofG1f0
澪「響鬼さん達は?」

澪の言葉を受けて、キョロキョロと辺りを見回す。
そこに響鬼をはじめとする鬼達の姿は無く、
やけに広い居間があるだけである。

唯「本当だ。居ないねぇ。」

紬「彼らは摩訶魍退治に出かけたみたい。早く屋久島を平和にしなくちゃいけないからね。」


どうやら響鬼達は、琴吹屋敷を主な宿としつつ、
そのほかの場所にもキャンプを張っていつでも出動できる形をとったらしい。


唯「でも、これじゃあずにゃんの所に行けないね…。」

紬「お昼には戻ってくるそうだから、ご飯を食べたら連れて行ってもらいましょう!」

唯、律、澪「おーう!」
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:35:23.98 ID:4j1TC4gg0
どうせだから最後までやらせてやろうぜ。嫌ならログ消せばいい。
俺も今は支援するけど展開によっちゃ去る
19すまなんだ。:2010/02/28(日) 19:37:07.63 ID:wLvofG1f0
姫「ハッ!」

パリィン!


威吹鬼「あきら、すぐに響鬼さん達に連絡して、ここから遠い場所に行ってくれ。」

あきら「分かりました。」

威吹鬼「さてと…。」


目の前には、方に角のようなものが生え、
サイのような皮膚をした童子と姫が3対ずつ。


威吹鬼「100年に1度が3回も重なることってあるのかな……?」

童子1「餌となる者に多くを語る必要は無い。」

童子2「ハァッ!」
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:37:59.18 ID:wLvofG1f0
童子の内1体が、威吹鬼めがけてタックルをかましてくる。

威吹鬼「フゥー…」

ピィィー!!!

威吹鬼は笛のような物をとりだすと、
吹いて音を出してから額へと持っていく。

額に鬼の文様が浮かんだ後、腕を横に薙ぐと
威吹鬼を中心に鋭いつむじ風が発生する。

童子2「ぐっ!?ぐう……!」

童子がそのつむじ風に巻き込まれ、横に飛んだ。
つむじ風が完全に威吹鬼を包み込んだ時、

威吹鬼が内部からつむじ風に向かって手刀を放つ。

威吹鬼「タァッ!」


青みを湛えた三本角の鬼。
つむじ風が消えた跡には、凛々しい鬼が立っていた。
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:39:06.64 ID:C+L7HIIL0
琴吹鬼か
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:39:42.59 ID:wLvofG1f0
ピピピッ ピピピッ


威吹鬼の武器、烈風は銃である。
風を圧縮した弾を連射することのできる飛び道具で、
絶大な威力を持つ。


童子1「フン。」

しかし、童子はそれを軽々と避けてしまった。

威吹鬼「クッ……!」

ピピピッ ピピピッ


キキキン!キキキン!


威吹鬼「何っ!?」

今度は避けず、全てを腕で防がれてしまう。
この童子と姫は、サイのような風貌から
防御力と攻撃力がズバ抜けており、
並みの攻撃は防ぐことができてしまう。
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:41:19.97 ID:wLvofG1f0
威吹鬼「近くからじゃないとだめか…。」


その時

童子2「ハァッ!」

ガッ!

変身の時に横に飛ばした童子が起き上がり、
後ろから羽交い絞めにされてしまったのである。

威吹鬼「くっ…!」

もがくが、並大抵の力ではないため
軽く引き離すことはできない。

そうこうしている内にも、正面の5体のうち、姫と童子が1体ずつこちらに走ってきている。
このままでは袋叩きになってしまう。

威吹鬼「今だっ!」

童子2「!?」

今羽交い絞めにされている童子を、背負い投げの要領で前方に投げ飛ばし、
自分を袋叩きにせんとする童子と姫にぶつける事に成功した。
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:43:36.65 ID:wLvofG1f0
威吹鬼「ハァアアアアアア!」

童子を投げ飛ばしたままの格好で気合いを入れ始めた。
威吹鬼の周りを風が吹き始める。


童子2「ヌンッ!」


先ほど投げた童子が襲いかかる。
が、

威吹鬼「タァッ!」

風を纏った威吹鬼の回し蹴りにより、
頭に大きな傷を負った童子は

頭から盛大に体液を噴き出し始めた。

童子2「アアアアアアアア」

威吹鬼「ハァッ!」

棒立ちになったまま痙攣を続ける童子に対し、
腹めがけて風を纏った後ろ回し蹴りを放つ。
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:45:33.70 ID:wLvofG1f0
その蹴りは童子の腹を貫き、
大きな音を立てて童子は破裂した。


次は目の前に居た姫に目星をつけ、攻撃を放った。
まず手刀を繰り出す。

姫1「グフウ!」
首付近にヒットし、姫はノックバックする。


間合いを詰め、腹に烈風を直接当てた状態で引き金を引く。

威吹鬼「この距離だったら有効だろ!」

ピピピッ! ピピピッ!

姫1「ウグ……ガアアアア!」

パァン!

背中付近から大量の体液を吹きだし、破裂した。
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:48:04.46 ID:wLvofG1f0
童子2「ぬううう……!」

童子は体制を立て直そうと、まだ生き残っている童子と姫達と
逃げようとしている。だが、威吹鬼はここでとどめを刺してしまおうと考えた。

ピピッ!
パシュン!パシュンパシュンパシュン!

烈風のモードを変え、鬼石を射出する。

その全てが、大体の童子と姫にまんべんなく直撃した。


童子2「ぐ……ぐうう……!」

鬼石を撃ちこまれた童子達は、すぐさま威吹鬼を取り押さえようとする。
が、

威吹鬼「スゥー……」
   「疾風一閃!」
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:49:33.87 ID:wLvofG1f0
パパー!!!!!!

烈風に腹のバックルをコネクトし、
ラッパ型に変形させて力いっぱい息を吹く。

童子2「うぐう……!ぐうううう!!!」

その風に反応するように、童子達に埋まった鬼石が反響を始める。

パパー!!!!!!


凄まじい風圧に、童子達の足は止まる。
そして……


童子達「ウガ…アアー!!!」


パァンパン パァン!!!

共鳴した鬼石の力によって、一斉に童子達が弾けた。
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:51:46.48 ID:wLvofG1f0
威吹鬼「ハァッ……!ハァッ!……ふぅー。」

響鬼「威吹鬼ー!」

威吹鬼「響鬼さん!」

童子達を全部倒した後、
少し遅れてから響鬼が到着する。

響鬼「オトロシの童子と姫が3対も出たんだって?」


威吹鬼「ええ。ちょっとおかしな事が起きてるみたいですね。」

あきら「一度琴吹さんの所に寄って、整理してから出発しましょう。」

威吹鬼「そうだね。響鬼さんはどうされます?」

響鬼「そうだなぁ……まだディスクが帰ってきてないから、全部帰ったら戻るよ。」

そう言って、響鬼と威吹鬼達は分かれた。
先ほど響鬼が言っていた「オトロシ」とは、
百年に一度出現すると言われる摩訶魍なのだが、
今回に限って3体出現したらしい。それはそれはもう異常なことである。
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:53:34.83 ID:wLvofG1f0
唯「響鬼さん達まだかなぁ?」

澪「まだ11時だぞ。お昼までは時間がある。気長に待とう。」

唯「ほーい。」

ただ待つことしかできない軽音部の一行は、
とりあえず練習を行うことにした。

ジャーン!

唯「やっぱりあずにゃんが居ないと物足りないっていうか……。」

律「まぁ仕方ないだろ。怪我しちゃってるんだし。」

澪「今は私たちで練習するしかないなぁ。」


辺りはマンネリムード。
梓が気になって練習にも身が入らない。
そんな中、澪が席を立った。
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:57:31.16 ID:wLvofG1f0
律「澪、どうしたんだ?」

澪「ん?いや、ちょっとお手洗いに……。」

律「早く帰ってこいよー。」

澪「はいはーい。」


澪「ふぅ……しかしとんだ災難だ……。こんなことになるなんて……。」


独り言を言いながら歩く澪の背後を、影が一つ横切る。
空気には敏感な澪。何かの気配を感じて後ろを振り向いた。

澪「な、何か通らなかった……?気のせいだよね!そう!気のせい!ははは!」

そう言って前を向き直す。
さっきまで空元気を絞り出していた彼女の顔が、急激にこわばった。

澪「な……何……?こr…… ヒッ!?」
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 19:59:39.64 ID:wLvofG1f0
キャアアアーーーーー!!!!!!!
屋敷内に澪の叫び声と、窓ガラスの割れる音がこだまする。

律「澪!?」

唯「何今の音!?」

紬「心配だわ。行ってみましょう!」

屋敷内をドタドタと駆ける三人。
そこに澪の姿は無く、割れた窓ガラスと空いた窓 そしてその先に広がる不気味すぎる森があるだけであった。」


律「澪!?澪!!!」

紬「まさか……澪ちゃん!?」


紬すらもパニックに陥ってしまい、
三人が右往左往していたそんな時、

ピンポーンとチャイムが鳴らされる。
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:01:37.69 ID:wLvofG1f0
轟鬼「すいませーん!帰ってきたっす!あと、威吹鬼さんもいらっしゃいましたー!」


紬「良かった……!轟鬼さん達!大変です!澪ちゃんが!!」

轟鬼「ええ!?連れ去られちゃったんすか!?」

紬「とにかく早く連れ戻さないと……!それと、これを見てほしいのですけど……。」

そう言って、窓の外を指差す。
その瞬間、鬼達の顔が険しくなる。


威吹鬼「これは……!」

斬鬼「コダマの森みたいだな。」


唯「森?確かあっちの方向は坂じゃありませんでした?」

威吹鬼「えっと……ちょっと面倒な森でね、とにかく危険なんだ。」
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:06:39.24 ID:4j1TC4gg0
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:07:29.86 ID:wLvofG1f0
律「危険……!」


危険という言葉に、律が不安そうな声を上げる。
だが、すかさずあきらがフォローを入れた。

あきら「危険と言っても、威吹鬼さんと轟鬼さんで解決したことがありますから、
    大丈夫です。お友達は絶対に助かりますよ。」


斬鬼「とにかくこの屋敷は危険だ。今は別の場所に行っててくれ。」

律「嫌だ!澪が助かるまでどこへも行けない!」

威吹鬼「そう思うのは分かるんだけど……君まで危険な目にあわす事はできないんだ。」

律「うう……。」

渋々承諾する律。
その後鬼達はコダマの森へ入っていき、
コダマ退治を開始した。

軽音部メンバーは、とりあえず病院へ行く事になったのだが……
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:08:54.84 ID:wyLGy26R0
誤字とかがちょっとアレでも響鬼SSと言うだけで価値がある
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:09:27.51 ID:wLvofG1f0
律「これは……香須実さんのバッグ……。」
 「あたしにも何か……何か出来る事があるかもしれない……!」

絶対に駄目なこととは分かっていたが、
香須実のバッグを開けてみる律。

律「こ……これは……?」

少しあさってみると、唯が変身した時と同じような、
でも形の違う音叉のような物を発見した。

律「これさえあれば……もしかして変身できたりするのかな……?」

おちゃらけているようで、とても真面目な律の性格だったが、
大親友の危険とあらば選択の余地が無かったようで、

とりあえず書き置きをバッグの中に残して
音叉を拝借してしまった。

律「ごめんなさい……香須実さん……!」
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:12:06.90 ID:0yt5io3X0
変身アイテムあっても鍛えないと変身できないんじゃなかったか?
38>>37 桐谷君が変身してたのと、感情補正でうんたら…:2010/02/28(日) 20:14:06.53 ID:wLvofG1f0
唯「りっちゃーん!おいてっちゃうよー!」

律「ああ、ごめん!今行くよ!」




コダマの森。
強大な力を持つ摩訶魍、「コダマ」が住むと言われる、
神出鬼没の森。
神隠しが多発すると言われるその森は、
出現しただけで災厄が起こるという伝承がある。


斬鬼「しかし……またオロチが起きるのかねぇ?」

轟鬼「コダマの森が出てきたって事は、恐らくそういうことだと思います……。」

コダマの森を歩く鬼一行。
しかし一行が最初に発見したのは、コダマではなく鬼だった。

威吹鬼「あれ……?あそこで倒れてるのってまさか!?」

轟鬼「裁鬼さんじゃないっすか!?」
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:17:06.37 ID:AaBjevMuO
桐谷が変身したのは響鬼さんの元で修行したからやん
40>>39 あれ最終話だったっけ…?:2010/02/28(日) 20:22:30.00 ID:wLvofG1f0
裁鬼「う…うう!」

斬鬼「裁鬼さん!さいきん働き詰めだったってのに……また無茶を……。」

裁鬼「後輩の……頼みだったら仕方ないだろ……?うっ!」

威吹鬼「まさか一足先に到着してただなんて……喋らないで!あきら、裁鬼さんを頼む。」

あきら「はい!」


しかし、犠牲者(?)が倒れていたというのなら話は早い。
恐らくこの近くにコダマが居るのであろう。


轟鬼「斬鬼さん!」

斬鬼「ああ。近くに居るぞ。」


轟鬼「フン!」

手に持っていた烈雷を、地面に刺す。
それと同時に、威吹鬼が笛を鳴らし、額に当てる。

轟鬼も腕の弦を鳴らし、額に当てる。
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:24:18.38 ID:AaBjevMuO
>>40
そう
42>>41 やべー…:2010/02/28(日) 20:27:31.71 ID:wLvofG1f0
轟鬼「セイッ!」

威吹鬼「ハッ!」

轟鬼を纏う雷鳴と、
威吹鬼を纏うつむじ風が消え、
二人同時に変身が完了した。


威吹鬼「じゃあ、行きましょう!」

轟鬼「はい!」




唯「……」

紬「……」

律「……」

病院へと向かう一行の心は、重く沈んでいた。
梓が怪我をしただけではなく、
澪までもが連れ去られてしまった。
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:31:01.76 ID:wLvofG1f0
恐怖だけではなく、怒りと、焦燥と、
色々な思いが渦巻き、
一層心がぬかるんでいく。

律「澪……!」
 「あたし、やっぱり戻る!」

唯「え!?」

紬「律ちゃん!駄目!戻って!」

律「大丈夫!あたしなら大丈夫だから!」


もう話を聞くはずもなく、
一目散にコダマの森へと走り出した律。

唯「ど、どどどどうしよう!」

紬「本当にどうしましょう……!でも、向こうには轟鬼さん達が居るはずだから……大丈夫……。」


大丈夫 という言葉に反して、自信無くどんどん声が小さくなっていく紬。
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:34:12.77 ID:wLvofG1f0
唯「戻ろう。」

紬「え?」

唯「絶対大丈夫!ムギちゃん!戻ろう!」

紬「……分かったわ。その前に宿に戻りましょう?渡すものがあるの。」

唯「え?分かった!」


こうして、結果的に全員がコダマの森に移動する形となってしまった。


律「澪……!澪……!澪……!澪……!!」

全速力でコダマの森を駆ける律。
その耳に、金属がぶつかるような音が聞こえてきた。
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:35:40.95 ID:LkRGqfmJ0
変身は鍛えて精霊と契約しないと出来ないな
鬼の鎧みたいなのは別だが

けいおん!の世界との融合が原因だと脳内解釈しておくよ
46>>45 昨日も言われたんだけど、その設定知らなかった^q^…:2010/02/28(日) 20:39:46.84 ID:wLvofG1f0
ガン!ガッ!
ピピピッ!ピッ!ブゥン!

轟鬼「セイッ!ハッ!」


律の目に移りこんできたのは、
轟鬼、威吹鬼、見たことのない化け物、
あまり優勢とは言えないこの戦況と、
気を失った大親友、澪の横たわる姿だった。

轟鬼「ウワァー!」

威吹鬼「グッ!」

そうこうしているうちに、二人がコダマに吹き飛ばされて
今にもとどめを刺されんとしている。


律「……お前……澪をあんな風にしやがって……!」
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:42:57.36 ID:wLvofG1f0
しかし、律の目には二人の姿よりも、
コダマと澪の姿が優先的に写りこんでいた。

そして、澪をあんな風にした事への怒りがふつふつとこみあげ、
気が付くと音叉を手に握りしめていたのである。


キィィィィン……!

ほぼ無意識的に、音叉を鳴らし、額へと持っていく。
ボッ!ボッ!

律「ハァーーーーーー!!!」

律の体が燃える。
赤く、赤く燃える。
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:46:11.69 ID:wLvofG1f0
律「ハァーーーーー!!!!」

まるで、今の律の心情を表わすかのように。

律「ハァッ!」


律が腕を薙ぐと、そこには赤鬼が立っていた。
大親友を連れ去られた怒りに燃える赤鬼が。


律「覚悟しやがれ!はっぱ怪人め!!」


これまた無意識的にバチを両手に取ると、
コダマに向かって全力疾走を始めていた。
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:51:26.55 ID:wLvofG1f0
唯「ハァ……!ハァ……!」

紬「唯ちゃん、もう少しで宿よ!がんばって!」

唯「はぁーい!」


琴吹屋敷に着いた紬は、
唯を座らせると香須実のバッグを開け始めた。

唯「あれ?それ香須実さんのじゃ……?」

紬「もし何かあったら、中の物を皆に渡すように言われているの。
  あれ……?何かしらこの紙……。」

その内容を読んで、紬の顔に心配の色が現れる。

紬「……りっちゃん!!!」

唯「りっちゃんがどうかしたの!?」

紬「りっちゃん、もう今コダマの森に居るみたい!
  変身する器具も持っていったみたいだから、もしかしたら鬼になってるのかも……!」
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:55:45.41 ID:wLvofG1f0
唯「りっちゃんも鬼に!?すごーい!」

紬「何にしても危険だわ!早くこれとギー太を持っていきましょう!」

そう言って唯に鬼弦を渡す。

唯「これは……あの時と同じちっちゃいギターだ!」

紬「とにかく早く森へ行きましょう!」

唯「おーう!」





律「やっ!はぁっ!おらぁーっ!」

コダマ「グッ!ウグウ!」
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:56:39.09 ID:LkRGqfmJ0
C
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 20:58:14.64 ID:wLvofG1f0
敵は轟鬼と威吹鬼だけだと考えていたコダマは完全に面喰い、
うまく反撃を出せずにいる。

律「澪を!澪を!!こんなふうにしやがってええええ!!」

律のほうはと言うと、完全に頭に血が上っている。
しかし怒りを力に変え、まさに鬼のような勢いでコダマにダメージを与えていった。

律「おらぁーっ!」

渾身のスイングがコダマの腹に直撃し、
後ろの木にめりこむコダマ。

コダマ「ガッ!ガハァ!」


律「これか!?」

頭に浮かぶまま、ベルトに着いたバックルを
コダマへと付きだす律。

ズン!
ポンポンポンポン ヨォーッ!
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:04:23.48 ID:wLvofG1f0
その瞬間、音撃鼓が巨大化し、普通の太鼓のような大きさに変化した。

律「うわっ!?どうなってんだこれ?」

流頭に血が上った律も、これには驚愕を隠せなかったが
そのままバチを振う。

音撃打!Cagayake Girlsぅ!!!

ドンドンドンドドンドドドンドンドン!!!

律「オラオラオラオラオラオラァ!」

コダマ「ギ…ギギィ!!」

ドンドンドドドドン!

クンクンクンクンクンクン…!! パァン!


コダマ「ウワァー!!!」


律「はぁ……はぁ……ッシャァー!」

コダマを倒し終えた律は、その場に座り込む。
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:13:11.35 ID:t0MT2fYd0
しえんた
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:14:55.87 ID:wLvofG1f0
律「はぁ……ふぅー……。」

大仕事を終えた律は、変身を解こうとした。
が、昨日の唯の一件が思い出される。

律「は、裸になるんだったっけ……。」

アホほど疲れては居るが、
一応目の前には男性が居る訳で

仕方が無いので変身を解除するのはもう少し先にすることにした。

律(それまで持ってくれよ……!私の精神!)

轟鬼「もしかして、律……ちゃん?」

律「はっ!はっ!へ、えへへ……。」

威吹鬼「まさか……君に助けられてしまうとはね。ありがとう。」

律「いや、助けるだなんて、そんな。」
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:16:06.84 ID:CvUo0YTU0
摩訶魍って書いてるけど魔化魍だからね
57>>56 俺駄目駄目すぎる…^q^:2010/02/28(日) 21:18:16.38 ID:wLvofG1f0
全員無事を確認している時、
遠くから響鬼が走ってきた。


響鬼「おーい!皆ー!」

轟鬼「響鬼さぁん!」

響鬼「派手にやられたねー。で、澪ちゃんは?」

威吹鬼「大丈夫です。律ちゃんが助けてくれてたんですよ。」

響鬼「ええ!?」

律「へへ、えへへへへ。」

苦笑いを続ける律に唯と紬が駆けより、
再開を喜び合う。

律「そうだ、澪!澪は?」
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:26:11.47 ID:wLvofG1f0
澪の周りには硬い根が這っており、
それが澪を捉えていたが、
鬼達の力によって事無きを得た。


響鬼「さて……この森を放置してるとまたコダマ湧いてきちゃうからねぇ。潰しておかないとなぁ!」

斬鬼「じゃあ、ここは響鬼に任せた。俺達は琴吹さんの所でフォローしてくるから。」

響鬼「はいっ!よし…やるかぁ!」




唯「りっちゃん、澪ちゃん、大丈夫?」

律「私は全然平気だよ。それより澪は……。」

澪「怖かったー!すごい怖かったー!」

律「この分なら大丈夫そうだなー。」

澪が連れ去られた時のへこんだ雰囲気はどこ吹く風、
今の宿には和やかなムードが流れている。
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:29:48.03 ID:wLvofG1f0
香須実「紬ちゃん。もう渡したのね?」

紬「はい。限界と判断しました……。すいません。」

香須実「紬ちゃんは何も悪くない。むしろナイス!」

紬「はい。」


その場の和んだ雰囲気に似つかわしくない、
真面目な声で香須実は話し始めた。


香須実「軽音部の皆、聞いてもらっていいかな?」

唯「はい。なんでしょうか?」

香須実「うだうだ説明しても伝わらないと思うから、簡潔に言うわね。」
   「簡単に言うと、あなた達の演奏には、鬼の音撃に通じる清めの力があるみたいなの。」

本当に唐突に語り始める香須実。

香須実「紬ちゃんがそれに気づいてね?一か月くらい前に解析したら、
    本当に清めの力があったのよ。」
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:30:24.07 ID:FVqx9Ptn0
C
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:34:43.19 ID:wLvofG1f0
澪「清めの……力?」

香須実「そう。清めの力。軽音部の皆にはその力があるということを前提に、
    今から提案することに同意してもらいたいんだけど……。」

律「私たちで、あの化け物共をブッ倒せってことですよね?」

香須実「掻い摘んで言うとそう言うことね。」
   「あなた達には、山頂でライブをしてほしいの。もちろん鬼の人達が守る中でね。」

唯「山頂でライブ…?」

破天荒というか、型破りな唯でもそれは驚く。
山頂でライブをするなんて試みは前代未聞だ。


唯「で、でもあずにゃんが居ないと軽音部じゃないっていうか……。」

香須実「そのことなら、心配いらないわ。」
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:42:27.58 ID:wLvofG1f0
そう言って香須実は合図をした。
別室に居る誰かに語りかけるように。

そのすぐ後、扉の隅からひょっこりと顔を出したのは
今病院で療養中であるはずの梓であった。

唯「あずにゃん!?」

律「大丈夫なのか!?」

梓「お医者様には止められたんですが、皆さんの危機なら動かないわけないです!」

澪「梓……。」

香須実「今出発できるなら出発したいんだけど、皆大丈夫?」

軽音部「はい!」


善は急げとばかりに用意を済ませた軽音部メンバーは、
演奏道具と共に山頂へと移動を開始した。
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:46:23.82 ID:wLvofG1f0
道中あったはずのコダマの森はただの道へと戻っており、
唯が香須実に聞くと「響鬼がどうにかした」のだそうだ。


香須実「ここが山頂なんだけど……。」


何故か道中全く摩化魍会わないと思ったら、
山頂にワラワラと湧いてしまっていた。

このままでは危険な上、進むことができない。

と、グネグネと動いていたイッタンモメンの一匹が一行の存在に気づき、
襲いかかってきたのである。


轟鬼「もう気づいたっすか!?」

威吹鬼「変身が間に合わないっ!」
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:49:31.11 ID:wLvofG1f0
その時


響鬼「タァー!」

短刀を持ち、鎧のように体を変化させた響鬼が後ろから飛び込んできたのである。

イッタンモメン「ピィィィイーイイイイ!!」

響鬼「ヤァー!」

短刀で一閃。イッタンモメンは一撃で塵と化した。

響鬼「しっかし、生まれたもんだねぇ。」

香須実「皆、軽音部の演奏スペースだけでも確保してあげて!」

響鬼「分かってます!ハァアアアアアア!!」

そう言うと、短刀を口元へ持って行って気合いを入れ始めた。

響鬼「音撃刃・鬼神覚声!!」

オーラを纏った短刀を響鬼が振りおろすと、
目の前に居た摩化魍達が全て砕け散った。
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:50:12.78 ID:LkRGqfmJ0
C
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:52:51.65 ID:wLvofG1f0
響鬼「ふぅ……ほら!威吹鬼!轟鬼!ボサっとしてないで、戦闘戦闘!」

轟鬼「ああっ!はい!」

威吹鬼「わかりました!」

轟鬼「セイッ!セイィ!!」

威吹鬼「ハッ。ハッ!ハッ!」

響鬼「ヤッ!タァーッ!」


凄まじい勢いで摩化魍を倒していく鬼達。
まさに「鬼神」の勢いに、軽音メンバーはしばし唖然としていたが

唯「ほら!皆、演奏の準備だよ!」

律「お、おう!」

澪「そうだな!」

梓「やってやります!」

紬「行くわよ!」
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:56:36.81 ID:wLvofG1f0
各々、機材の設定を始める。
いつもは落ち着きのないこの部の皆はこの時は何故か、
素晴らしい落ち着きを持っていた。
テキパキと準備をこなす


その間にも

轟鬼「音撃斬!雷電激震!」
  「ヤッ!ハッ!セッ!ハァッ!ヤァッ!」

ジャンジャカジャカジャンジャカジャカジャンジャカジャカジャラジャラジャラ

ジャーンッ!

クンクンクンクンクンクンクン! パァン!

轟鬼「はぁ……はぁ……はぁ……。セッ!」
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 21:59:24.35 ID:wLvofG1f0
威吹鬼「ハッ。ハッ。」

ピピピッ!ピピピッ!

ウブメ「クエエエエエーッ!クエエーッ!」

威吹鬼「スーッ……!はっ!」
   「疾風一閃!」

パパーッ!!!!!


ウブメ「クエッ!クエエエエエーッ!」


パァーン!

ウブメ「グエェーッ!」
バァン!


轟鬼「これ、どんだけ居るんすかね……?」

威吹鬼「分かりません。でも、今はとにかく彼女らを守らないと!」

轟鬼「はい!セッ!」
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:02:50.74 ID:wLvofG1f0
響鬼「音撃刃・鬼神覚声!」
  「ハァアアアーッ!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!

パァンパパパァン!!!


響鬼「ふぅ……本当にキリが無いな……。」
  「タァッ!」


無限に沸くようにすら感じる摩化魍達を、
音撃によって倒していく鬼達。

そうこうしている間に、軽音部の用意が完全に整った。
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:06:28.78 ID:xB5u8Vp50
ディスクアニマルはグッドデザイン賞取ってんだぜ

売れなかったけどね・・・
71>>70 実際良く考えられてたと思う。 売れなかったけど…:2010/02/28(日) 22:08:06.38 ID:wLvofG1f0
唯「皆さんありがとうございます!用意が整いました!」


香須実「演奏を開始して!皆、もうもたない!」


紬「分かりました!じゃあ、りっちゃんお願いね!」


律「おう!任せろ! いくぞーっ!」


全員、一旦目を閉じ、瞑想する。
ほんの少しの時間を経て、彼女達は演奏を開始した。
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:09:55.09 ID:wLvofG1f0
全員、一旦目を閉じ、瞑想する。
ほんの少しの時間を経て、彼女達は演奏を開始した。

律がスティックを頭上で叩く。
カッ!カッ!

律「ワン、ツー、スリー、フォー!」

ジャーンジャーンジャーン!
ジャンジャジャンジャンジャンジャンジャンジャーン

ジャーンジャーンジャーン
ジャンジャーンジャーンジャンジャーン
ジャンジャーンジャーンジャンジャーンジャーンジャーン


紬「今私の願い事が叶うならば翼が欲しい」
唯「この背中に鳥のように白い翼」


香須実(選曲が凄いわね……。でも、澄んだ歌声。これなら大丈夫かもしれない!)
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:10:08.01 ID:xB5u8Vp50
でもディケイドでバケガニ戦の為だけにディスクアニマルのCG削ったのはちょっと納得いかなかった
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:13:18.15 ID:wLvofG1f0
唯「つけーてーくーださーいー!」



摩化魍「ギャアアアアアアアア!!!!」


轟鬼「摩化魍が苦しんでる……?」

威吹鬼「今です!」

轟鬼「音撃斬・雷電激震!」
  「セッ!ハッ!ヤッ!ウオラーッ!」

威吹鬼「音撃射・疾風一閃!」

響鬼「音撃刃・鬼神覚声!!!」


軽音部「この大空に!翼を広げ!飛んでゆきたいよ!」
   「悲しみの無い!自由な空へ!翼はためかせー!」
   「ゆきたいー!!!!!」
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:16:22.37 ID:wLvofG1f0
軽音部の演奏、鬼達の音撃
その二つが反響し、そこかしこで摩化魍の爆発が起こる。

ヤマビコ「ギュキイイィイイイイ!!!ガアア!!!」

オトロシ「グモォォオオオオ!!」


パァン!!!




唯「はぁっ……!はぁっ……!はぁっ……!」

律「ふぅ……ふぅ……」

澪「はぁ……はぁ……はぁ……。」

梓「ぜい……ぜい……」

紬「はぁ……はぁ……。ウフフ。」
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:18:45.45 ID:LkRGqfmJ0
ディスクアニマルは人気が無かったわけじゃない
調子に乗ってアサギワシとかキアカシシとかのリペイントを大量に生産したのが悪かったんや…
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:23:47.80 ID:wLvofG1f0
こうして、大波乱で幕を開けた軽音部の夏合宿は
大波乱の内に幕を閉じた。


……帰りの飛行機内で


唯「澪ちゃん寝ちゃってるよ…!」

紬「疲れたのね。」

屋久島を少し離れた上空。
軽音部メンバーと鬼達が乗った飛行機内で、
互いの健闘を労いつつ唯がぼやく。

唯「結局、ほとんど演奏できなかったねー。」

紬「あら、したわよ?演奏。」

律「え?ほとんど楽器に触ってなかったけど、してたっけ?」

紬「ほら、最後の山頂で!」

唯「ええー!?あれが練習!?」
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:31:21.01 ID:wLvofG1f0
ウフフと笑う紬の横から、香須実が顔を覗かせる。

香須実「紬ちゃんは、結構前から皆の素質を見込んでたのよ?」

唯「そうなんですか?」

香須実「小さい頃から猛士の人間と関わってたから、鬼の鍛錬はよく見てたの。」
   「だから、軽音部の練習体系も、少し鬼の鍛錬に近い物をとりいれてたみたい。」

梓「そうなんですか!?紬先輩!」

紬「うん。鬼の人達は、食べる事を怠らないの。
  きちんと練習して、きちんと食べる。
  私のティータイムを挟むことで、少しでも近付けばなぁ と思っていたんだけど…。」
 「想像以上に近づきすぎちゃったみたいで、
  皆には危険な目に会わせちゃったわ。ごめんなさい。」
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:32:19.64 ID:xB5u8Vp50
アームドセイバーは高寺のときから構想にあったんだよな・・・
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:33:27.36 ID:wLvofG1f0
唯「いや、全然大丈夫だよ!私も、他の人達の力になれてうれしいもん。」

香須実「じゃあ、みんなも猛士に入っちゃう?」

唯、律、梓「ええー!?」



澪「うるさい!せっかく気持ちよく寝てたの……に……」


唯「寝言?」

律「みたいだな。そっとしておいてやろう。」




高校夏。
夏合宿という当たり前すぎる行事から、
化け物退治という非日常にシフトチェンジしてしまった軽音部一行だが、
彼女らに大きな影響を与えた二日間となった。


その後、軽音部から角と金が出るのだが
それはまた別のお話。
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:36:14.93 ID:xB5u8Vp50
乙?
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:38:35.13 ID:wLvofG1f0
と、言うわけでこれで終わりなんですが…

全力疾走しすぎたせいで変な終わり方になってしまいました。
一度落ちたのにも関わらず、
もっかい建てたりして申し訳ありませんでした。

響鬼のDVD見たら超面白くて、
けいおんと絡められる気がしたから書いてみました。すいません。

あまりにダメダメだったんで、
あとはもうROM専に戻ります。

では、ノシ
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:39:23.13 ID:LkRGqfmJ0

結構面白かったよ
ただ…思うべきところは何点かあったな
一応言っておく?
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:44:33.80 ID:4j1TC4gg0
俺は楽しめた乙。
途中で変なの湧いてたけど、どんな奴が書いてたって叩かれる時はあるんだから気にせんでいいと思うよ。
俺も気になる所はあったけど途中で他の人が言ってたしもういいや
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:46:53.45 ID:CvUo0YTU0
鬼のみなさんは変身前はカタカナ表記とか、響鬼さんの口調が若干おかしいとか
摩化魍じゃなく魔化魍だとか色々突っ込みたいとこはあるけどとりあえず乙
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 22:52:41.26 ID:LkRGqfmJ0
やっぱり少し言わせて貰う
・けいおんメンバーの変身は要らなかった、清めの力がある演奏だけで良かった
・威吹鬼・あきらが空気だった、サブライダーは轟鬼と斬鬼だけで良かった
・響鬼を知っていることが前提だった、用語解説くらいは挟んだ方が良かったかと
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
俺は唯にもっと裸になって貰いたかったけどなw
変身中に服が破けていくとことか想像したら勃った