1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :
2010/02/26(金) 10:53:27.61 ID:r49tAAH50 ・・・『機動戦士ガンダム』・・・ それは、アニメ好きなら勿論、 アニメに詳しくない人も高確率で認知している、 日本が誇るカルチャー文化の代名詞の一つだ。 後のロボットアニメが影響を受けているのは言わずもがなとして、 ロボットアニメでは無いアニメも無意識的、少なからず影響を受けているアニメである。 『アニメ』という枠で作品を作る以上は、 絶対に避けて通れない名詞が『ガンダム』なのである。 中には「ガンダムに影響なんて受けてませんよ^^;」と、 『ガンダムを気にしていない事を過剰に気にし過ぎて』本末転倒なアニメ製作者も少なくは無い。 時は、2012年1月・・・。 今『新世代のガンダム』が始まろうとしていた。 【 第一話 燃え上がれ本当のガンダム 腐った時代に立て 】
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 10:54:16.79 ID:r49tAAH50
・・・アニメスタジオ・・・ 「早速ですけど今日田中さんに来て貰ったのは、 今年の10月に放送予定のアニメで、シリーズ構成をやって頂きたいと思ってるんですよ」 「はぁ・・・」 田中は、やる気のない返事をした。 「(また、シリーズ構成か・・・めんどくせえなあ・・・)」 心の中で田中は呟いた。 この物語の主人公、田中ヒロシはニュータイプでもコーディネイターでもガンダムファイターでもない、 ましてや仮面も被ってない、 シナリオライターである。 たまに小説や作詞等もしているが基本的にはアニメの脚本を書いて生活をしている。 今回このスタジオに来たのも、新しい番組のシナリオ書いて貰いたいという青山の依頼があったからだ。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 10:54:26.03 ID:nWl8rNrV0
これは鳥肌
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 10:55:36.54 ID:r49tAAH50
しかし『シリーズ構成』となると話が違って来る。 アニメ番組等のオープニングテーマ等を視ていると、 『シリーズ構成』という肩書きのついた人がタイトルバックに流れるのに気付くだろう。 しかしこのアニメ業界において、 この『シリーズ構成』という仕事はかなり曖昧なものだ。 単に原作モノをアニメにする時に、原作の何ページから何ページまでを、 各話のアニメにするか、と決めてるだけの人もいる。 また、各会社に所属して、その番組におけるシナリオ集めを担当している人をこう呼ぶ場合もある。 さらに田中のように、オリジナルストーリーを作り出す人間を、 便宜上こう呼ぶ場合もある。 勿論、オリジナル作品を作る仕事が、 シナリオライターにとってもっとも労力のいる仕事である事は間違いない。 田中が「めんどくさい」と思ったのは、 この仕事をやり始めたらほとんど他の仕事が出来なくなってしまうからだった。 それに自分には『ロボット物が得意』だというレッテルが張られているのにも嫌気がさしていた・・・。 田中ヒロシ、29歳。 若手のシナリオライターの中ではキャリアがある方だが、 ここ数年、ロボットモノのシナリオばかり書いていたお陰で、 そういうレッテルが貼られそうになっていた・・・。 シナリオライターや作家の場合、レッテルを貼られてしまうのは時に困る場合もある。 自分としてはもっと違う分野、例えば恋愛物やスポーツ物、 なんかがやりたいと思っても、 仕事の依頼は同じ系統しかこないということになってしまうからだ。 田中は近頃、もっとクリエイターとしての幅を広げたいと思っていたのだ。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 10:56:50.89 ID:r49tAAH50
「どうしたんですか田中さん、元気ないですね?」 「いやそういう訳じゃないんですけどね、ここに来るのに焦ってたもんで、 少しお腹がすいてるだけなんです」 田中は、気持ちがわりとすぐに顔に出るタイプだ。 嫌そうな顔をしているのを青山に悟られない様に、間抜けな言い訳をしてしまった。 「どうですか、田中さん、、やって下さいよ」 「どんな作品なんですか? シリーズ構成を引き受けるにしろ断るにしても、まずそれを聞かないと・・・」 「そりゃ、もっともな事かも知れませんけど、実際の所、 どんな作品になるかがまだ決まってないんですよ・・・」 「えっ!?」 「スポンサーは決まったんですけど、本格的な企画書はこれから作っていくんです。 それで田中さんにお願いして良い企画を練って頂こうと思ってるんです」 「そうですか・・・」 田中の顔が少し引き締まった。 企画をこれから作っていかねばならないと言う事は、 逆に言うならば『いくらでも好きなものを作れる』ということだ。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 10:57:54.30 ID:r49tAAH50
シナリオライターとして、それは大変やり甲斐のある仕事だ・・・。 勿論労力は大変なモノになるが、簡単で、やり甲斐の無い仕事よりはずっといい。 田中の気持ちは、「やってもいいかな・・・」と言う方に少し傾いた。 「じゃあ、どんな話でもいいんですか?」 ノリかけた田中の話に、水を差すかのように青山が答えた。 「いえ・・・どんな話でもいい・・・というわけにはいきません・・・」 「はぁ・・・」 「スポンサーの要望で、『ロボット』を出さなきゃいけないんです」 と言って青山は、大判のファイルボックスの中から、コピー用紙を取り出した。 「えっ・・・こっ・・・これ・・・?」 青山は不適な笑みを浮かべた。 田中には血の気が引いている・・・。 「ガン・・・だ・・・ム・・・?」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 10:58:34.43 ID:tCp67d6rP
まぁ続けて
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 10:58:53.14 ID:r49tAAH50
田中は驚愕した。 それもその筈、この業界を志したもので『ガンダム』に影響を受けていない者は皆無だ。 「詳しい説明は後程するとしまして・・・」 「はっ、はい・・・」 「スポンサーは、例の玩具屋です・・・」 日本のアニメ番組のスポンサーの八割は、 玩具メーカーと食品メーカーである。 やはりアニメの視聴率の中で、子供の占める比重が大きいのが、そのもっともな理由だ。 玩具の場合は直接購買層に繋がるし、 食品メーカーにとってもお菓子を買ってくれる子供達は大事なお客様だからだ。 最近は、優良アニメは企業イメージアップにも繋がると言う考えから生命保険会社や、 不動産会社がスポンサーになるケースも増えては来たが、 まだまだ数は少ない。 玩具メーカーがスポンサーになる場合は、今回、青山が田中に見せたように、 実際にテレビ番組に登場するメカニックを玩具として売り出す事が必要絶対条件になって来る。 従って、物語はどうしてもその玩具が目立つように作らざるを得なくなってしまうというのが現状である。 そんなアニメ番組を、 「単なる30分のコマーシャルに過ぎない」と言う口の悪い批評家も存在する・・・。 実際は、自分達が作るアニメ番組に情熱の全てをかけ、 子供達へのメッセージを送ろうとしている製作者達は大勢いる。 伝説のロボットアニメ、『機動戦士ガンダム』の富野監督や、 『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野監督がそうであったように・・・。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 10:59:59.71 ID:r49tAAH50
しかしそういう熱意は、余り社会の人々には伝わらないようである・・・。 田中は、何本も玩具メーカーがスポンサーになっているアニメ番組のシナリオを描いてきた経験から、 『ロボット物が面白くない』とは決して思っていなかった。 何故なら『ロボットを活躍させる』という条件さえ満たせば、 その中で作家のやりたい事、伝えたい事を色々とやる事が出来るからだ・・・。 シツコイ様だが、 伝説のロボットアニメ、『機動戦士ガンダム』の富野監督や、 『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野監督や、 『銀河漂流バイファム』の神田監督、 『機動戦艦ナデシコ』の佐藤監督、 『ラーゼフォン』の京田監督、 『ガオガイガー』の米たに監督がそうであったように・・・。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:01:02.71 ID:r49tAAH50
「あのですね・・・」 青山が口を開く 「はい」 「察しの通り『ガンダム』です、今の腐った世の中にこそ本物の『ガンダム』が必要なんです」 青山は対峙していたテーブルから乗り出し、田中の手を鷲掴みにする。 「Gガンダム・・・ガンダムSEED、見ましたか?」 青山は、『ガンダムの名前を借りた偽ガンダム』の名前を述べた。 『ガンダム』の名前は何時しかブランド化し、金儲けの為にただ作られていた。 それらの弊害の作品が、某ガンダムSEE○D等である。 あれらは作品としての質はそれなりに高いのかも知れないが、 所謂腐女子を意識している商業的な作りになっており『ガンダムである必要性』は皆無である。 思ったものだ・・・。 「今の子達はこんなものを『ガンダム』だと思うのか・・・」と。 ガンダムSEEDも、ガンダム00も、確かに『ある程度』は面白かった・・・。 しかしどっちも「どうせ初代ガンダムには勝てねえよ」と開き直ってたのも確かだ。 青山は本気で「初代ガンダムを越すガンダム」を作ろうと思っていたのだ・・・。 それが、今は亡き人生の師匠、富野監督への最大の供養でもあると判断していた・・・。
・・・。使いすぎ
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:01:50.14 ID:r49tAAH50
【 次 回 予 告 】 物語は始まった・・・。 モビルスーツも出て来ない。 ガンダム強奪もされない。 仮面の敵キャラも出て来ない。 だが、始まってしまった。 田中ヒロシ。 今の世の中に、真のガンダムを送り出すため、 視聴者の子供達にとってのアムロ・レイになれるのだろうか。 第二話 理想と現実 残酷なアニメ業界のテーゼ
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:02:45.38 ID:YD+ELiSV0
後で読むしとりあえずage
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:03:09.29 ID:r49tAAH50
・・・『機動戦士ガンダム』・・・ それは、アニメ好きなら勿論、 アニメに詳しくない人も高確率で認知している、 日本が誇るカルチャー文化の代名詞の一つだ。 後のロボットアニメが影響を受けているのは言わずもがなとして、 ロボットアニメでは無いアニメも無意識的、少なからず影響を受けているアニメである。 『アニメ』という枠で作品を作る以上は、 絶対に避けて通れない名詞が『ガンダム』なのである。 中には「ガンダムに影響なんて受けてませんよ^^;」と、 『ガンダムを気にしていない事を過剰に気にし過ぎて』本末転倒なアニメ製作者も少なくは無い。 、 時は、2012年1月・・・。 今『新世代のガンダム』が始まろうとしていた。 【 第二話 理想と現実 残酷なアニメ業界のテーゼ 】 『機動戦士ガンダム』主題歌 【 残酷な天使のテーゼじゃない 〜夢を忘れた古い使途よ〜 】 ・作詞:田中ヒロシ 残酷な天使じゃない 残酷な天使じゃない 神話のことさ みんなが寝静まった夜 蒼い風で胸のドアを叩いたら 私だけをただ見つめて 微笑んでるあなたを 見たんだ そっと触れるもの求める事に夢中で 幻覚見たって言うけど 僕は絶対に 絶対に 嘘なんか 言ってない 運命さえもまだ知らない瞳で 僕達の熱いパトスは 覗けやしないのさ 古い 自由を知るためのバイブルよ 残酷な天使じゃない 残酷な天使じゃない 神話のことさ
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:03:09.58 ID:lUjeBUD/0
三点リーダなら……の方を使って欲しいな まあ不自然なのは変わらないけど
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:04:14.57 ID:r49tAAH50
それは田中がアニメスタジオに打ち合わせに行った数日後の話だった。 プロデューサーから「ストーリー案は出来たのか」と言う問い合わせの電話はガンガン掛かって来る。 「もうすぐまとまります」と答えてはいるのだが、 実際の所一行も出来ていない・・・。 田中にとってこんな事は一度も無かった。 たとえどんなに沢山のロボットが出て来ようとも、 美少女戦闘員を出してくれと無茶な要求をされても、 突然、ライバル役のキャラが邪魔だからマッサツしてくれと頼まれても、 なんとか物語を作り上げて来た。 それが今回に限ってはどうしても浮かんでこないのである・・・。 気分転換に飲みに行き、田中は行きつけの飲み屋のママさんに酔っ払い力説していた・・・。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:04:54.19 ID:r49tAAH50
「ねぇ・・・ママが子供だったら、どんなアニメが視たい?」 「アニメ?」 「うん」 「突然なんですか?」 「実は、新しいアニメ番組を作らなきゃいけないんだけどそのアイデアが出ないのよ・・・」 「なーんだ、そんなことか」 ママは呆れたようにそう言う。 「簡単に言うなよ、こっちはこれでも真剣なんだから・・・」 「アニメなんて、真剣に考えるもんなの?」 「アニメをバ力にするなよ!!」 田中は、ワザと怒ったように言った。 少し酔いが回ってきた所為で饒舌になったようだ。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:05:47.49 ID:r49tAAH50
「『アニメなんて』って、そこらの人は考えてるかも知れないけどな・・・結構凄いもんなんだぞ? 数年前の話だが、ある年の『日本映画の興行収入のトップ4』は、全部アニメ映画が占めた事もあるんだぞ?」 「へえそうなんだ」 「実写の日本映画に人が集まらないって言うのも原因なんだけど、 これは結構とんでも無い気がするだろ? それに、俺がこれだけアニメが凄いって思ってるのは、 これだけの事じゃないんだ。アニメは、本当は違うが・・・基本的に子供が視るもんだろ。 その子供って言うのは、いずれは大人になっていくんだ、わかるかママ!?」 「子供が大人になるのは当然でしょ」 「ここまで言っても、まだわからんか!」 「田中さん、酔っ払ったの? まだビール1本しかあけてないのに・・・」 「酔っ払って悪いか! 俺はアルコールに関しては、経済的な身体をしてるんだ それより俺の話をちゃんと聞け!」 「聞いてますよ」 「子供って言うのはな、凄く影響されやすい生き物なんだ・・・ほんのちょっとした事にも感動したり、怒ったり、悲しんだりするんだ」 「はい、はい」 「その子供が熱心に視てくれてるんだぜ? 最近じゃ、生まれたばかりの赤ん坊の頃からアニメを視て育ってる子供もいるぐらいなんだぜ。 そんな子供達が、何年もアニメを視て育ったらどうなると思う」 「アニメが好きになる」 「子供は元々アニメが好きなんだよ」 「好きじゃない子もいるんじゃない?」 「話題をそらすな」 「ごめんなさい」 「俺の質問に答えてくれよ・・・」
,.r‐く: : : : -二ニニー_‐-=__ ', l /l |ヽヽ、 .,,,,,,,,,,,,,、` `'' ー ミ l l /7ノ `ヾ、_二ニ二、 ,,, ,' ',ゝ1ィ , ,' -tッ.、 `i .,.......'ミ;l、 >- ,' -l ‐ _ , ' ,'γ-t=、,' ヽ -┬ 'l l ゝ- ‐.ァ '´ i, `''`:. / んー、今のところまだ l ', l , /(. !ゝ、__ノノ おまんこ舐めたくはならないなぁ l ',', ,' , ´`ー-'! c, ' l ',ヽ ! 'ゝ-===、 / l ', \ ``ーァ゛/ l ヽ \ `゙ ´/ l ヽ、 >‐---イ
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:07:51.71 ID:r49tAAH50
「だって、アニメが子供に悪い影響を与えてるなんて事はもう昔から言われてる事じゃないの? 要するに、田中さんはそれが言いたいんでしょ?」 「その通り!」 「でも子供だって現実とアニメの区別ぐらいはつくと思うけど」 「そうじゃないんだ。俺が言ってるのは、現実とアニメを混同する様な子供が出て来るって話じゃなく、 今の子供達の最初のエモーショナルな体験は、アニメによってなされてるって言いたいんだ」 「なんか難しい事言われても、私にはわかんないわ」 「難しくないだろ? 子供達の情操的な部分においてアニメがもっている責任はとても重大だって言う事じゃないか!」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:07:56.89 ID:88/mYbXa0
面白い切り口でwktkしてる
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:08:56.48 ID:FFI76dSj0
カルチャー文化kwsk
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:09:14.52 ID:r49tAAH50
「よけいわかんないわ・・・」 「じゃあ解んなくていいよ。とにかくアニメって言うのは、とても凄く大きな可能性を持っていて、 真剣に取り組まなきゃいけないメディアだって言う事は解ってくれよ」 「はい、はい。わかりました」 ママは、いきなり酔っ払った田中を扱いなれている様子だった。 「そんなに田中さんが、 アニメを凄いって思ってるんなら自分のやりたいようにやればいいじゃないですか。 自分が子供なら視たいと思うやつを」 ママが話題を変えようとして言った言葉が、田中の動きを止めさせた。 「ママ。今なんて言った・・・!?」 「やだ、田中さん・・・怒ったの?」 「怒ってなんかいないよ。だから、ママ。今なんて言った?」 「ただ、田中さんが子供なら、視たいって思うアニメを、やりたいように作ればいいんじゃないかって・・・」 田中は大きくため息を吐き出した。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:10:15.94 ID:r49tAAH50
「俺が子供なら、どんなアニメが視たいか・・・」 「ええ」 「そうだよな、それが製作者としての『基本』だよな・・・」 田中の顔からはすっかり酔いがさめていた。 「なんか俺・・・とても大切な事を忘れてたような気がするよ・・・ママ、ありがとう」 勘定を置き、田中は店を後にした
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:10:56.00 ID:r49tAAH50
【 次 回 予 告 】 『ガンダム』という名の重圧を意識し過ぎて、 『基本』を忘れていた田中はママの助言によって我を取り戻した。 Zガンダム最終回で崩壊したカミーユ・ビダンがZZガンダムのラストでは復活したように・・・。 頑張れ田中ヒロシ。 2話が終了した時点で、 金髪美人も、ニュータイプの謎の美少女も、 ヒロインっぽいキャラが一人も出て来ないし、 綾並レイは守ってくれないので、 『死 ぬかも知れない』が、負けるな田中ヒロシ・・・。 視聴者の子供達にとってのアムロ・レイになれるように・・・。 次回 第三話:この作品は駄作にはしないわ 私(田中)が作るもの ・『起動戦士ガンダム』エンディングテーマ Fly?Me?to?the?Moon? ・作詞:田中ヒロシ Animated cartoon..love..person..person..love..therefore..animated cartoon..love..animated cartoon..possibility..throw away..animated cartoon..give up. Memories of the animated cartoon seen in childhood Cannot you buy it in the hundred-yen store? Even Yoshinoya beef bowl large vigor Even [teriyakiba-ga-] of Mac It has something to eat from [naindazeda] of can the win to the impression of the animated cartoon with [sorera] and the animated cartoon ..seeing the animated cartoon.. though the belly swells ..along ..love....
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:12:41.46 ID:r49tAAH50
・・・『機動戦士ガンダム』・・・ それは、アニメ好きなら勿論、 アニメに詳しくない人も高確率で認知している、 日本が誇るカルチャー文化の代名詞の一つだ。 後のロボットアニメが影響を受けているのは言わずもがなとして、 ロボットアニメでは無いアニメも無意識的、少なからず影響を受けているアニメである。 『アニメ』という枠で作品を作る以上は、 絶対に避けて通れない名詞が『ガンダム』なのである。 中には「ガンダムに影響なんて受けてませんよ^^;」と、 『ガンダムを気にしていない事を過剰に気にし過ぎて』本末転倒なアニメ製作者も少なくは無い。 時は、2012年1月・・・。 今『新世代のガンダム』が始まろうとしていた。 【 第三話 この作品は駄作にはしないわ 私(田中)が作るもの 】 『機動戦士ガンダム』主題歌 【 残酷な天使のテーゼじゃない 〜夢を忘れた古い使途よ〜 】 ・作詞:田中ヒロシ 残酷な天使じゃない 残酷な天使じゃない 神話のことさ みんなが寝静まった夜 蒼い風で胸のドアを叩いたら 私だけをただ見つめて 微笑んでるあなたを 見たんだ そっと触れるもの求める事に夢中で 幻覚見たって言うけど 僕は絶対に 絶対に 嘘なんか 言ってない 運命さえもまだ知らない瞳で 僕達の熱いパトスは 覗けやしないのさ 古い 自由を知るためのバイブルよ 残酷な天使じゃない 残酷な天使じゃない 神話のことさ
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:13:29.72 ID:/h75eXV40
おい Gガンが偽ガンダムとか言うな ガンダムですらねぇよ、いい意味で
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:13:42.53 ID:r49tAAH50
どこをどう歩いたのか、田中にはわからなかった。 田中は頭の中で、ずっとさっきの言葉を繰り返していた。 『自分が子供だったら視たいもの』 ・・・自分が子供の時に夢に見た事・・・。 そう、『ガンダムの重圧』なんて良い意味で気にせず、 それを書けばいい事じゃないか・・・。 そんな単純な事に改めて気付かされたのが、田中を妙に興奮させていた。 それまでは、番組を必ずヒットさせる為にはどうしたらいいのかとか、 今までに無いロボット物を作るにはどうしたらいいのかとか、 等自分に対して余計なプレッシャーを掛けていた事に気付いた。 アニメ番組を作る時の、もっとも大事な事を、 何年もシナリオライターで金儲けしている内に、 田中は忘れてしまっていたのだ・・・。 「そうだよ、ママの言う通り、自分が子供だった時の気持ちになれば、 どんな作品を俺が作りたいと思ってるのか、自然と解って来るに違いないさ」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:13:55.59 ID:FFI76dSj0
アビベババイ
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:14:42.07 ID:r49tAAH50
それから田中は、自室に篭り案をノートに次々と書き始めた・・・。 自分の子供の頃の思い出を頼りに、 新ガンダムを作ろうと・・・。 今年の10月からの新番組とは言っても、 もうこの2012年、どんなに延びても一月中には完全にストーリーを仕上げなければいけない・・・。 残された日数は僅か数週間・・・。 これは大変な作業だ。 あれも違う・・・。 これも違う・・・。 次から次へと『新ガンダム』のアイデアはボツとなって行った・・・。 そしてある時田中は思った。 「待てよ・・・ガンダムって、必ずしも・・・戦時下である必要があるのか?」 と。 そう、『ガンダム』で富野監督が伝えたかったテーマは、 あくまでも『反戦』と『勧善懲悪は存在しない』って事だった筈だ・・・。 そういえば、想像力豊かだった思春期の頃って、 バ力な妄想想像をよくしたものだった・・・。 「『ガンダム』を活躍させられれば、それでいいんだよな・・・」 と『スポンサーの制約の壁とテーマ』を考えた。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:15:56.24 ID:r49tAAH50
第一案・・・。 三年B組ガンダム先生・・・。 ガンダムに乗った先生が、生徒の悩みを救う新感覚教育派ガンダム!! 「・・・却下・・・」 第ニ案・・・。 突撃! 隣のガンダムさん ガンダムパイロットがガンダムで隣人宅に押しかけて夕飯をご馳走になる、新感覚ヨネスケガンダム! 「意味がわからない・・・却下・・・」 第三案・・・。 ホームレスガンダム ある時ホームレスになってしまった中学生は、ガンダムに乗る事に・・・、果たしてガンダムの力で・・・ 家を取り戻せるのか!? 「面白いけど、却下だ・・・」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:16:34.48 ID:8U6FdEJr0
ガンダム、できる事はやり尽くしてるよなぁw 結局は見せ方なのかね
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:16:44.02 ID:r49tAAH50
第四案・・・。 ロード・オブザ・ガンダム 指輪が敵のモビルスーツに奪われた!! ならばガンダムで取り返す・・・!! 「著作権著作権・・・却下・・・」 第五案・・・。 ガンダム少年の事件簿or名探偵ガンダム ガンダムパイロットが事件に巻き込まれる・・・解決するにはモビルスーツ戦が不可欠!? 「アほか俺は・・・」 第六案・・・。 クイズ・ガンダムア みのもんた○がモビルスーツに乗りながら問題を出して来る。 間違えたらこっちもモビルスーツで応戦だ!! 「・・・」 田中は次々と浮かんでくる自分のバ力なアイデアを却下して行ってるが、 それは楽しくもあり、子供の頃を思い出していた。 「そう・・・これだよこれ・・・」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:18:01.40 ID:r49tAAH50
そして田中は自分がピンチになったら聴く、 家宝とも言えるカセットテープを再生した。 ここにはお気に入りのアニメソングが数曲入ってる。 アニメソングの歌詞は時として彼にとって、 イマジネーションの宝庫なのだ。 『新世紀エヴァンゲリオン』の残酷な天使のテーゼ・・・。 ここの「だけど何時か気付くでしょう その背中には 遥か未来目指す為の羽がある事・・・」 『無限のリヴァイアス』のdis・・・。 ここの「光を与えて・・・やり方は解らないけど、違う場所へ行く為に・・・」 『ひぐらし』のYou 想い・・・。 ここの「失って初めて気付いたこんなにも私を支えてくれていたこと こんなにも笑顔をくれていたこと…」 『ウイングマン』のWing Love・・・。 ここの「100パーセントのヒーローなんて いるわかないよと わかってるのに・・・ 君の前だと はりきりすぎて ついついハートはオーバーヒート!」 『機動戦艦ナデシコ』のYOU GET TO BURNING・・・。 ここの「すぐ手に入る夢なんて夢じゃないよ、でも必ず叶うと信じているよ・・・」 ちなみに余談だがこの名曲は、2010年に数年の沈黙を破り復活した。 田中はお気に入りのフレーズに耳を傾けながら、 「うーん・・・」と唸っている・・・。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:19:00.77 ID:3ywqv8EM0
とりあえず続けて
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:19:05.73 ID:r49tAAH50
新旧問わない名曲アニメソングの宝庫を聴きつつ、 彼は中々シックリ来なかった・・・。 そして次に流れたのは、 『アニメ』では無く『特撮』の歌だった。 彼が大好きだったので、入れていたのだ。 ちなみに彼は今時『カセットテープ』を使っている珍しい人間だが、 その事について触れられたら怒り狂う。 そして・・・、そこから流れたのは・・・、 『ぎりぎりまで頑張って ぎりぎりまで踏ん張って ピンチの連続 ピンチの連続 そんな時・・・、 ウルトラマンが 欲しい・・・!!』 『ウルトラマンガイア』の主題歌だった。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:19:50.57 ID:r49tAAH50
「ん・・・!?」 田中は何かを感じ、巻き戻しし、もう一度よく耳を傾ける。 「えっ・・・???」 『ぎりぎりまで頑張って ぎりぎりまで踏ん張って ピンチの連続 ピンチの連続 そんな時・・・、 ウルトラマンが 欲しい・・・!!』 「ああぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!!!」 田中はアパートの一室で叫んだ。 隣の部屋でラーメンを食べてる小池さんは驚いた・・・。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:20:31.14 ID:r49tAAH50
「そうか!! そうか!!!!!! そうか!!!!!! ギリギリまで頑張って・・・、」 「ピンチだったら、ガンダムが欲しいんだぁ!!!!!」 彼は何か確信した様だった。 そう叫び、そして・・・、 「ガンダムが登場すればいいんだから、主人公がガンダムのパイロットである必要は無いんだ・・・ てか、『ガンダムにパイロットがいる必要』は無いんだ!!」 彼は何やら意味深な事を述べた・・・。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:21:03.56 ID:mDnYx0tF0
お、何か面白くなってきた
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:21:23.64 ID:r49tAAH50
【 次 回 予 告 】 ウルトラマン○は存在しない。 仮面ライダー○は存在しない。 そしてガンダムは存在しない。 だから、ギリギリまで頑張るのはあくまでも自分自身・・・。 だから、ギリギリまで踏ん張るのはあくまでも自分自身・・・。 だけど、それでもいてくれたら嬉しい・・・いる筈は無いけど・・・。 視聴者にとってのアムロ・レイになる為に、ギリギリまで頑張って踏ん張れ田中ヒロシ・・・。 次回 第四話:ピンチの連続 そんな時・・・、竜宮レナが欲しい ・『起動戦士ガンダム』エンディングテーマ Fly?Me?to?the?Moon? ・作詞:田中ヒロシ Animated cartoon..love..person..person..love..therefore..animated cartoon..love..animated cartoon..possibility..throw away..animated cartoon..give up. Memories of the animated cartoon seen in childhood Cannot you buy it in the hundred-yen store? Even Yoshinoya beef bowl large vigor Even [teriyakiba-ga-] of Mac It has something to eat from [naindazeda] of can the win to the impression of the animated cartoon with [sorera] and the animated cartoon ..seeing the animated cartoon.. though the belly swells ..along ..love.... Therefore, please love animated cartoon cannot love of the person who cannot love animated cartoon of
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:22:45.50 ID:prpdDWxa0
書き方、っつーか雰囲気が 美琴「あ、アンタ一体・・・」俺「これが俺の能力・・・」 に似てるなぁ…
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:24:30.91 ID:88/mYbXa0
そうそう!今のガンダムにはそれが足りないってのもあるよな 「ガンダムキターーーーーー」ってならないもんな いや、08MS小隊好きだけどさ、もうちょっとヒロイズムが立ってるガンダムが またそろそろ出てきてもおかしくはないよね
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:24:39.35 ID:zU9AJYQLQ
雰囲気がいい
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:25:04.63 ID:onpdhCHcP
他の人も指摘してるように文章はちとアレ(わざと下手な風にしてるようにも見えなくはないが)だけど 小ネタの数々にはワロタw
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:29:38.40 ID:Z/SkjGZc0
おもすろ
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:32:13.40 ID:3ywqv8EM0
>>41 その点00の「俺がガンダムだ」はよかったよな
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:33:37.42 ID:EzfgVlCK0
なんかこれと似たような漫画をガンダムエースで読んだような 制作進行の女が主人公で富野その他がイケメンなやつ
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 11:39:09.48 ID:tCp67d6rP
これだけ長いシリーズなら制作現場の裏話的な作品も珍しくない気がする 支援
支援 続き まだ?
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 12:50:01.24 ID:88/mYbXa0
>>46 確かにそうだが00はガンダムいっぱい居たしなぁ
やっぱり一強の白い騎士がピンチに颯爽と現われて戦場を席巻するのが見たいんだぜ
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 13:06:01.10 ID:8U6FdEJr0
やっぱそう言うヒーローの方がウケが良いのかね 戦場で命のやりとりしてもがいてあがいてあばばばばってのがガンダムの戦争じゃないのかなぁ
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 13:08:15.91 ID:3ywqv8EM0
>>50 俺もぶっちゃけ主人公はセツナで後はオマケのが映えたと思うわ
アレルヤ(笑)ロックオン(笑)
>>51 それが描ける人って今いるの?って思う
今川みたいに自分な得意な内容で作った方が出来はいいし、ウケもいいと思う
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 13:28:27.27 ID:tCp67d6rP
いつ猿が解けるのやら
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 14:31:29.10 ID:tCp67d6rP
保守する
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 15:02:25.13 ID:gAqmLPx+0
これはガンダムの新案を出したけど ボツにされたサンライズの関係者が、 ここで投下してくれてるでFA? 妙にリアルだよな
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 15:17:41.41 ID:8U6FdEJr0
この流れだとパトレイバーのイングラマンしか思い浮かばないんだがw
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 15:39:06.78 ID:saxcjch00
保守
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/02/26(金) 16:53:56.65 ID:tCp67d6rP
あげ保守
ほっしゅ