佐天「これが……学園都市第一位の力!?」

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
とある佐天と一方通行



「初春が入院!?」

携帯電話を耳に当てながら、佐天涙子は声を荒げた。

佐天の親友の初春飾利は、確かにこの学園都市の治安を維持する風紀委員として活動している。

しかし彼女はもっぱら裏方のはずだ。

その初春が入院するまでの怪我を負うなど、いったい何があったというのか。

びっくりして、飲み終えたところのジュースの空き缶を落としてしまった。
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:03:27.43 ID:Lgq3WMw/0
カン、と小さな音を立てて、空き缶が佐天の足元に転がる。

『……そうなんですの。

 わたくしも先ほど風紀委員から連絡がありまして知りましたの

 何でも、高位の能力者同士の争いに巻き込まれたとか……』

電話口から聞こえてくる、風紀委員の瞬間移動能力者、白井黒子の声も少し震えている。

『風紀委員のお仕事は非番でしたの。

 せめてわたくしが一緒でしたら』
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:04:41.81 ID:JTWgiiDiO
期待
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:09:38.07 ID:Lgq3WMw/0
「ううん、白井さんのせいじゃないでしょ。

 ……そうですか、うん。……うん、連絡ありがとうございます」

佐天は黒子から初春の入院先を聞き出すと、努めて事務的に携帯電話の通話終了ボタンを押した。

(初春が……)

佐天は電話を切った後もしばらく液晶画面を見つめていた。

待ち受け画面には、佐天を含む4人の少女が仲良さげに映っている。
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:09:44.89 ID:Mv3PtUEkP
しえん
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:15:04.68 ID:Lgq3WMw/0
(高位の能力者同士の争いって……)

理不尽だ。

佐天はレベル0、初春はレベル1。

高位の能力者から見れば、彼女たちの能力など無に等しい。

日常生活で、佐天どころかレベル1の初春の能力ですら役にたったところを見たことがない。

佐天は携帯電話を握り締めた。

レベル4の瞬間移動能力者である黒子や、レベル5でしかもこの学園都市で3本の指に入る御坂美琴とは絶対的な差がある。

初春はそれでも超能力と関係ない情報戦のスキルを持っている。

だが佐天には、何もない。
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:22:27.45 ID:Lgq3WMw/0
(あたしは、誰の役にも立ってないなぁ)

自分の能力について悩むのはこれで何度目だろう。

胸のもやもやがつっかえて、ため息に変わる。

あの『幻想御手』事件で吹っ切ったと思っていた暗い感情が佐天を支配しそうになる。

(初春ぅ、悔しいなぁ。やっぱ無能力者って辛いや……)

携帯を握る手に力がこもり、鼻の奥がツンと痛い。

いたずらに力を求める愚かさは身にしみてわかっている。

だがそれでも。それでも――
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:22:32.32 ID:VZqex3040
     _ _
    r、ヽヽ ,..
      l.i^iヽヽ! l
     `、ヽ   `!
       `、 `  {
      ヽ  , ヘヘ
       ヽ' /  \
        く 。.    \          ,.-、、ヘ
         \゚ 。    \       ,.._彡ミ',ハ、
            \     `ゝ、._  ,イヽ (_ノ彡,  ヽ
           \       __ヽ.l. ヽi、 `i彡ノ// `;-
          _ ヽ-─   ̄__,..-l、     L./// ,F`
        ヽ´     _. -‐'ニィ○l `` ‐_,ーイ//,ト
        /ヽ`=i ,.-'´, - '´,. ヘ. _,!‐.ニ∠._,.-`  !、
        /   //_..i'  /'"l∠ _,.-─‐,.、 `_ヽ、 ヽ
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      ,'   i'      i.  ヽ   l、  ̄li. i `   lトl `゙ ヽ
        i  /l      ヽ,.-'′   l、   lヽ   ノ ,!   `、
      ,l. /.{             _   l、  ! `l,.'- ´    /
     ./l/  ! l       _.- '´ ヽ. i、 l.\--  ..._ /
    / l  l  l      ヽ ,.- ´   i、 l  \
    ,' l   l  l.i      ´       i、l.   \
   ,'  l  l.  l. l、        _. - ´  i、l.     ヽ
   ,'  l. ヽ、_j  l、  __.. - ´    l     l、    ヽ
  i   l.   `、 `、 ´        l.    l、   /ヽ,
   `ヽ、l   `、 ヽ         l    l、 ヽ. / ヽ
   ` / l   `、  ヽ           l      l、     `

9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:26:14.39 ID:Lgq3WMw/0
やっべなんか書いててすっげー恥ずかしくなってきた
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:34:19.30 ID:YLzYFl2S0
恥じることなど何もない
続けるがいい
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:35:49.86 ID:Lgq3WMw/0
>>10
ありがとう勇気が出た。
がんばる。
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:36:44.25 ID:Lgq3WMw/0
「あははっ、やめたやめた!

 へんなこと考えてないで、初春への差し入れでも買いに行ってあげよっ」

佐天は携帯電話をポケットへとしまいこみ、足元に転がる空き缶を拾った。

きょろきょろと辺りを見回すと、10mほど前方の自動販売機の脇にゴミ箱がおいてあるのが見えた。

「……景気づけにいっちょやりますか」
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 21:49:52.13 ID:Lgq3WMw/0
佐天は空き缶を頭上に大きく振りかぶり、ゴミ箱めがけて思いっきり投げつけた。

びゅん、と風を切りながら空き缶が宙を飛ぶ。

「よしっ」

手ごたえ良好。空き缶は吸い込まれるようにゴミ箱へと放物線を描き――

「……ぐァ!?」

コインを入れようと自動販売機に近づいていきた人物の側頭部に命中した。
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:05:24.22 ID:irZ1/H3N0
良いと思います
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:09:00.86 ID:Lgq3WMw/0
その日、学園都市最強にして最高の超能力者、一方通行の機嫌はとてつもなく悪かった。

まず、朝っぱらから携帯電話がけたたましく鳴って睡眠を妨害されたこと。

次に、その内容が『電話の男』からの仕事の指示であり、。

そして、仕事を終わらせるのに予想以上に手こずり、能力使用モードが残りわずかになるまで電池を使ってしまったこと。

さらには、今こうして路地裏でわけのわからない連中に囲まれているということ。

「テメエ、一方通行だよな?学園都市第一位の」
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:12:55.38 ID:Lgq3WMw/0
>>15修正

次に、その内容が『電話の男』からの仕事の指示であり、。



次に、その内容が『電話の男』からの仕事の指示であったこと。
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:15:40.31 ID:rWm0AavS0
C
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:22:43.01 ID:Lgq3WMw/0
「これ見よがしに杖なんてついちまって、

『無能力者』に負けたって噂はマジだったのか?」

その言葉を合図にしたかのように男たちは一斉に笑い出す。

会話をするのもうっとうしい。

一方通行は、チッ、っと舌打ちをしてガラの悪い男たちを通り過ぎようとした。

「っと、第一位様が逃げるのか?ずいぶんと臆病風に吹かれたもんだな」
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:23:50.17 ID:Lgq3WMw/0
あの忌々しい最弱に学園都市の最強が敗北したその日から、

この手の輩がやたら突っかかってくるようになった。

能力が万全の状態のころは何もせずとも勝手に反射にやられてくれいていたのだが、

今はそうもいかない。

(あァ……ったく鬱陶しいったりゃありゃしねェ)
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:28:02.73 ID:8N/bVDIq0
紫煙
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:34:58.25 ID:Lgq3WMw/0
「……スキルアウト……チンケな無能力者の集団が俺にかなうとでも思ってンのか」

「オイオイ、ずいぶん偉そうだな。

 ここで試しちまうかあ?

 俺たちの新しい『能力』ってやつをよぉ」

「いつまでもスキルアウトが『無能力者』の集団じゃないってこと、教えてやるよ!」

一方通行を囲む包囲網がじわっと狭くなった。

それにあわせて一方通行は無言でポケットの中の銃に手をかける。



――結局、能力を使うまでもなかった。
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:46:27.52 ID:Mv3PtUEkP
しえん
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:47:08.50 ID:Lgq3WMw/0
イライラする。

その雰囲気が周りにも伝わるのか、一方通行の半径3メートル以内には誰も近づくことはなかった。

(何が『新しい能力』だァ?あんな発火能力、マッチ棒の方がましじゃねェか)

イライラを増幅された一方通行は杖を乱暴に地面にたたきつけながら早足に歩く。

女子小学生が顔を引きつらせながら道をあけるのを見て、ようやく少しスピードを緩めた。
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:48:09.70 ID:QyJ4cYbl0
>女子小学生が顔を引きつらせながら道をあけるのを見て、ようやく少しスピードを緩めた。

まさにアクセロリータwwwwwww
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 22:55:24.69 ID:Lgq3WMw/0
(あァ、コーヒーでも飲むかァ)

ちょうど目に入った自動販売機に、新製品のコーヒーが並んでいた。

そろそろ今飲んでいるコーヒーに飽きがきそうなところだったので、

新しいものを試してみる気になった。

(これがマズかったらメーカーに2分に一回苦情の電話を入れてやる)

営業妨害甚だしいことを考えながら、財布から硬化を取り出す。

それから、一歩自動販売機に向かって足を踏み出したところで、

本日五つめの不幸が彼に襲い掛かった。
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 23:42:55.30 ID:IO9ZCXRO0
shi
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 23:45:13.17 ID:Lgq3WMw/0
「誰だコラァ!!」

佐天が投げたジュースの空き缶を側頭部に受けた白い人物

――もちろん一方通行だ――は少々涙目になりながら怒鳴った。

佐天の肩がびくりと震える。

まずい。あれはどう見てもまずい。

真っ白な髪に真っ白な肌。男とも女ともとれる華奢な体形。そこまではいい。

目つきが異常に悪い。怖い。真っ赤な燃え滾るような双眸が、佐天をにらみつけた。

あれはどう見ても堅気ではない。チンピラを通り越してヤクザ予備軍である。
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/24(水) 23:57:46.87 ID:Lgq3WMw/0
「あ……え、と」

どうしよう、とあせればあせるほどパニックがひどくなる。

『ごめんなさい』の一言がなかなか思い出せない。

「そこの女ァ、何なンですかァ、いきなり空き缶ぶつけくさりやがりまして

『申し訳ございませン』も言えないド低能ですかァ!?」

「ひぃ!」
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:02:53.47 ID:MvAPtu840
sien
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:07:20.33 ID:USryDwZJ0
一方通行はマイクスタンドのようにごてごてしい杖を器用に操り、佐天に詰め寄った。

「ご、ご、ごめんなさいっ!」

「チッ」

一方通行が品定めをするように佐天を上から下までにらみ付ける。

(……なンてことのねェ一般人だな)

簡単には怒りは収まらない。

しかしこんな往来で一般人の少女を必要以上におびえさせることもないのではないかと思い直した。
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:09:05.30 ID:6dHo/2tA0
..
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:10:59.95 ID:USryDwZJ0
一方通行が本当に激昂したのは、『空き缶をぶつけた佐天』に対してではなく

『空き缶がぶつかったという事実』に対してだった。

少し前までは『反射』によって守られていて、こんな無様なことは決してなかった。

それがどうだ。

たとえば、飛んできたのが空き缶ではなくライフルの弾だったら?高指向性の爆薬だったら?

自分の今の生活を考えるに、それはありえないことではない。
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:25:09.61 ID:Bepb/I7V0
一方通行が品定めをするように佐天を上から下までにらみ付ける。

(……ババァだな)
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:26:05.89 ID:Ky/SfGdTO
支援


くっ、鯖落ちが無ければ、、、
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:26:32.04 ID:U6StOZJ+0
最近一方さん×佐天さんがはやってるね
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:27:07.57 ID:USryDwZJ0
どうしようもない現状に反吐が出る。

だが、そのイラつきを目の前の少女にぶつけるのも大人気ない。

「ハッ、今度から気をつけろよ、この低能がァ」

一方通行は言うだけ言って踵を返そうとした。

そのとき少女の様子が少々おかしいことに気がついた。

低能

その単語が

佐天のどこか自分でもよくわからない場所に触れた。
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:30:42.64 ID:USryDwZJ0
「う……うぅ……」

「な……」

「どうせっ……ひっく、あたしはっ……無能……無能力者ですよぅー

 ……うえええぇぇぇぇぇぇ」

佐天は子供のように泣きじゃくり始めた。

(なンだなンだァ、この女ァ。この程度で泣きやがってェめんどくせェ

 ……しかもよく見りゃまだガキじゃねェか)
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:32:21.16 ID:bDF5C61Y0
×……しかもよく見りゃまだガキじゃねェか
○……しかもよく見りゃギリギリストライクゾーンにひっかからねえくらいじゃねェか
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:36:47.52 ID:USryDwZJ0
実年齢よりも大人びて見える佐天だが、実際は中学に入ったばかり。

精神的にもまだまだ未熟で、それだからこそかの『幻想御手』に手を出してしまったのだが。

その幼い泣き顔が、一方通行のよく知る少女に重なって見えた。

「……ッ、わかった!わかったから泣き止め!俺が悪かった
 ……飴でも食わせりゃァ泣き止むか?」

「あ゛た゛し゛そ゛ん゛な゛に゛こ゛ども゛じゃな゛い゛です゛ぅ゛ー」

「あァー!?めんどくせェ!!」
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:36:55.34 ID:3r9UlKdEO
中学生は
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:38:37.52 ID:USryDwZJ0
>>40 ババァだけどね☆
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:39:38.75 ID:EIH7yJk0P

幼女 神・仏 LV
小学生 低 かわいい娘
     高 おねーさん
中学生 ババア
高校生 ミイラ
大学生 化石
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:41:31.37 ID:USryDwZJ0
とりあえず、公園のベンチに座らせ、

自動販売機で購入したジュースを与えると佐天は少し落ち着いたようだった。

一方通行は同じベンチに少しはなれて腰を下ろし、

元々買おうとしていた新製品のコーヒーを飲んでいた。

(マズっ、これならアスファルトでも溶かして薄めたほうが幾分マシだろォが)
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:47:18.09 ID:Cxj0EcDt0
泣いている佐天さんが可愛くて生きているのが辛い
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:49:15.71 ID:USryDwZJ0
飲み口から口を離し、一方通行はちらりと佐天を見る。

佐天はいまだにぐずぐずとしゃくりあげながら、「にがうりココア」というなんとも想像しがたい味のジュースを飲んでいる。

「……ひっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ」

佐天は一方通行の視線に気づくと、何度も謝罪を繰り返した。

(……ンだよ。そんなビビるほど威圧的なツラでもないだろォが)

一方通行に自覚はなかった。
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:52:11.65 ID:CE6FQXn50
C
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:52:30.17 ID:kJRHrU5k0
小学五年生から中学二年生までが最強
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 00:58:08.50 ID:USryDwZJ0
このまま黙っていれば佐天は再び泣き出しそうな雰囲気だ。

一方通行は不本意ながら口を開いた。

「もうどォでもいい。それより、飲みもン買ってもらってなンか言うことはねェのかよ」

「あ……ありがとう、ございます」

一方通行の意外な軽口に、佐天は少し目を丸くした。

よく見ると、一方通行はヤクザというには若すぎた。せいぜい高校生くらいだろう。

学園都市の学生にしては珍しく、私服姿なのでどこの学校かまではわからない。
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 01:07:38.56 ID:FHY/9/Zs0
おい・・・どうしたんだ
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 01:11:05.34 ID:USryDwZJ0
「さ、さっきはほんとにごめんなさい」

「もういいっつってンだろ」

一方通行は佐天のほうを見ずに返事をした。

「いえ、それもありますけど……取り乱しちゃって」

「あァ」

確かに、いくら悪人面の少年にすごまれたからといって、佐天の態度は不自然すぎた。

直前に親友の入院や自分の無力さに打ちひしがれていたところに、「無能」という言葉がかけられたせいなのだが、一方通行はそんなことは知らない。

ストレスたまってンのかガキの癖に、と思った程度である。
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 01:19:16.74 ID:kJRHrU5k0
ニヨニヨ
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 01:19:31.43 ID:CE6FQXn50
C
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 01:22:05.75 ID:USryDwZJ0
「あはは、迷惑かけちゃいましたね」

「まァな。たいしたことねェがな」

そういいながら、いつも面倒をかけてくるとある知り合いの年下の少女の顔を思い浮かべる。

(アイツに関わる面倒に比べりゃァ、どうってことねェ)

その少女が聞いたら、即座に「わたしのほうが面倒を見ているんだよってミサカはミサカは……」などと反論してくるだろう。
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 01:30:06.77 ID:kJRHrU5k0
しえん
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 01:32:05.03 ID:nXZomOBIO
紫煙
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 01:32:47.44 ID:USryDwZJ0
(あれ、笑った?)

一方通行が自分でも気づかないうちにこぼしていた笑みに佐天は気がついた。

なんだか、いつくしむような笑みだ。

思っていたより悪い人ではないのかもしれない。

そう思うと、考えるより先に言葉が佐天の口をついて出た。

「あの……ちょっとお話聞いてもらってもいいですか?」
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 01:45:13.58 ID:kJRHrU5k0
しえん
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 01:45:38.25 ID:USryDwZJ0
「はァ!?」

「ちょっとだけ、でいいんです。こんな話、友達に言える内容じゃないんで……」

だからといって今日ちょっとだけ関わったよくわからない他人に聞かせるようなものなのだろうか。

しかし、誰かに聞いてもらわなければ、このもやもやは打ち消すことが出来ないような気がする。

「……ふざけンな。俺は帰るぞ」

「ちょっとだけ、ちょっとだけでいいんです!!」
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 01:46:12.66 ID:gZdgjjHQ0
「さきっちょだけだから!!」
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 01:52:12.46 ID:bnEe+BC10
これは漁スレ
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 01:54:24.61 ID:USryDwZJ0
立ち上がりかけた一方通行の袖口を佐天がつかむ。

その必死の表情に、一方通行はため息をついた。

どうも自分は年下の少女によくよく振り回される運命らしい。

「……五分だけだぞォ」

そう言って再びベンチに腰を下ろした。
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 02:07:48.53 ID:USryDwZJ0
「わたし、無能力者(レベル0)なんです」

「そォか。珍しくもねェな」

この学園都市は超能力者が集う街といわれているが、そこで学んでいる学生のうち六割はいわゆる無能力者だ。

「はは、そうですね。でも、わたしの知り合いは、結構すごいんですよ?」

「ほォ」

佐天は隣に座っているのが学園都市の最高位の超能力者であるということを知らない。

一方通行も特に何も言わない。
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 02:16:12.51 ID:MvAPtu840
支援
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 02:17:43.84 ID:USryDwZJ0
「風紀委員をしている子もいるし、レベル4や、超能力者(レベル5)の人とも仲良くさせてもらってます」

「レベル5」

一方通行は学園都市に七人しかいないレベル5の面々を思い浮かべた。

ドイツもコイツも癖のある人間ばかりだ。

一般人の少女と友達だということなら暗部にかかわりの薄い第三位か第五位あたりのことだろう、と当たりをつけた。

――もっとも、暗部の奥深くに関わっていながら日常生活をエンジョイする土御門のような存在もいるのだが。
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 02:19:05.93 ID:JspXimk+0
夕方まで残ってるといいな
寝る

支援
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 02:25:20.72 ID:MvAPtu840
支援
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 02:41:46.63 ID:2aXgjX4Y0
shien
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 03:03:34.58 ID:USryDwZJ0
「あたし、その人たちに助けてもらってばかりで……なんか自分が情けないなーって」

「別に情けなくなンかないだろォ、人間そんなもンだ」

「わかってるんです。でも、風紀委員をしている友達が、

 高レベルの能力者同士の争いに巻き込まれて入院したって聞いて……」

そういえばここのところ暗部の組織同士が派手に争ってたな、と一方通行は人事のように思い出す



一方通行も佐天も知らないが、佐天の友人、初春が怪我をしたときにその場にいた二人の能力者のうち片方は一方通行である。
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 03:09:14.34 ID:U6StOZJ+0
ほしゅ
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 03:10:31.67 ID:kJRHrU5k0
まだ起きてたか支援
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 03:45:09.43 ID:CY8AexzU0
第五位ずっぽり暗部じゃね?>スクール構成員
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 04:21:24.81 ID:MvAPtu840
寝る前のほ
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 04:23:08.87 ID:ZQmXuQ7eP
>>71
スクールは心理定規
第5位は心理掌握
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 04:40:42.83 ID:kJRHrU5k0
寝る前上げ
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 04:57:42.70 ID:vCCgCefS0
おるぁ!保守れ
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 05:55:25.29 ID:8yjWyi7w0
ほしゅ
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 06:25:54.82 ID:y027Oeid0
あ?
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 06:59:38.65 ID:dPKfL5bH0
保守するぜェ
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 07:27:04.51 ID:USryDwZJ0
「……『幻想御手』って知ってますか?」

幻想御手。数ヶ月前に流行った、能力のレベルを無理やり上げることができるツールだ。

何でもある特定の音源を聞くことによって使用者の共感覚性を刺激し、

大人数による脳波を接続する。

多数の脳で形成されたネットワークによる演算処理で、

使用者の能力を飛躍的に上昇させることができる。

ただし、脳に過剰な負荷がかかるため、使用者は昏倒し、

治療用プログラムを適用されるまで目覚めることはない。

すでに首謀者は逮捕され、幻想御手の流通は警備員によって厳しく取り締まられているはずである。
すでに首謀者は逮捕され、幻想御手の流通は警備員によって厳しく取り締まられているはずである。
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 07:27:49.85 ID:USryDwZJ0
>>79
大事なことなので2回言いました。
嘘です間違いです。
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 07:31:23.56 ID:TybCdMvN0
いいから書けェ
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 07:31:58.26 ID:USryDwZJ0
「あァ、話だけなら聞いたこたァある」

開発自体はとある研究者が独自に行ったものらしいが、

もともと学園都市の『暗部』の技術を応用したものである。

『暗部』に通じている一方通行はその詳細を聞いたことがあった。

そして、それとよく似たシステムを知っている。

「あたし、実は使ったことあるんです。幻想御手を」

佐天は手元の缶ジュースを見つめながら言った。
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 07:32:54.48 ID:pE6lxX3M0
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 07:35:11.63 ID:y027Oeid0
待ってた
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 07:41:25.39 ID:USryDwZJ0

「友達まで巻き込んで、私自身も倒れちゃうし、散々でした」

その声は少し震えている。

「あたし、自分のこと能力がないダメ人間だ、ってずっと思ってたんです

 それで、『幻想御手』で能力が使えるようになるって、うかれちゃって」

自嘲するような乾いた笑いが佐天の口から漏れた。

表情は、前髪の陰になって一方通行からは見えなかった。
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 07:47:32.71 ID:xPsPcJzC0
>>73
メンタルアウトとメジャーハートって別人だって確定したんだっけ?
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 07:50:12.47 ID:USryDwZJ0
「怪しいツールだってわかってた。

 でもあたしは力が欲しかった!ダメ人間じゃないって証拠が欲しかった!」

佐天の声が高くなる。

「その結果が……友達に迷惑かけただけなんて……ホント馬鹿なんです」

「あァ、馬鹿だ……」

一方通行な何かを思い出すようにつぶやいた。

元々口を出す気はなかったのに、なぜか勝手に口が動いていた。
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 07:53:50.51 ID:USryDwZJ0
打ち止め

「ここで突然のお知らせですってミサカはミサカはアナウンサーっぽく原稿を読み上げてみる。

 1は今から仕事に行かなきゃだめなの。

 昼休みとかに携帯から更新するかもしれないから期待しないで待ってて、

 ってミサカはミサカは1の携帯に書き溜めた分を転送してみる」

……すいません仕事行ってきます。
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 07:56:05.03 ID:xPsPcJzC0
>>88
おつぽっぽ〜実際外伝とかでこんな展開がありそう!

面白いので期待してるよ!
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 08:07:16.68 ID:E2lwoi19P
続き待ってる!
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 08:08:19.95 ID:fN6UKxH9i
>>86
少なくとも心理掌握ならあんなまどろっこしいことしなくてもいい
敵を味方にすることすらできるし、レベル5とレベル4では天と地くらいの差がある
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 08:25:54.99 ID:dhP4nC6s0
心理掌握も裏では暗部にドップリだと思うね
不都合をもみ消すのにこれ以上の能力はないでしょ
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 08:52:44.24 ID:OKWfiIWBP
でもレベル5ほどの能力があるなら、
暗部に組み込まれそうになってもそげぶ出来るわけで
経緯と本人の志向次第じゃね
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 09:10:54.59 ID:+C9dVXrp0
まあ一度関わったら抜け出せないだろうな
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 09:11:23.58 ID:GzG6FVI20
7位のこともたまには思い出してあげてください
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 09:16:17.23 ID:FHY/9/Zs0
ほしゅだよ
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 09:30:40.66 ID:usxQ+dut0
暗部に入るやつは基本的に親無しじゃないとまずいだろ
万が一死にでもしたら大問題になるし
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 09:50:20.88 ID:VxIOBMiZ0
学園都市パワーで揉み消すだけだろ
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 10:10:10.82 ID:E2lwoi19P
心理掌握は常盤台で派閥築いてるみたいだし
上条さんでも存在を知ってるくらい有名人だから
裏家業には向かないかも
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 10:13:51.64 ID:+C9dVXrp0
でも汚いことしてほしいな
1011なんだよ:2010/02/25(木) 10:34:48.35 ID:PPPwrP27O
「ですよね。……でも、助けてくれた友達が言ってくれたんです。

 『能力がなくてもあなたはあなた。欠陥品なんかじゃない』

 って。こんな馬鹿に、もったいない友達ですよね」

苦しんでいるときに道を示し、正してくれる友人がいる。

うらやましい関係だ。
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 10:36:57.51 ID:FHY/9/Zs0
早くするんだよ
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 10:39:46.35 ID:+C9dVXrp0
スレチだけど病んでックス可愛いな
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 10:40:06.25 ID:PPPwrP27O
午前中の休憩投下。

なんか議論させてしまって申し訳ない。
心理掌握が暗部に関わっているかどうかは原作では明言されてなかったと思うけど、あくまでも一方さんが「関わりが薄い気がする」って思ってるだけってことで脳内保管お願いします。

あとすごいパーンチのひとは女子中学生とキャッキャウフフとかしないだろうと思って一方さんが無意識に除外しました。
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 10:44:35.87 ID:CYr+nZPA0
折角の貴重な休憩時間なんだからもっと投下を!
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 10:47:05.11 ID:PPPwrP27O
「……それで、そのときに思ったんです。能力なんかなくてもあたしはあたし、……って」

(まるで正義の味方だな)
自分にもそんな友人がいたら今とは違った未来があったのだろうか?

(そンな簡単に変われたら苦労はねェ……と言いたいところだがそうでもないかもな)

一方通行はそのとき、とある一人の正義の味方の姿を思い出していた。

107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 10:49:26.33 ID:aAumMBtM0
アンパ○マン…
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 10:56:17.90 ID:PPPwrP27O
「でも!その友達が入院して……怪我して……あたしは何もできなくて……

 ちょっとこんなことがあったらすぐにこんな気持ちになるんです!

 『力が欲しい』って!!」

沈黙が訪れる。

次に口を開いたのは、意外にも一方通行だった。

「……それで能力があれば、オマエはソイツを助けられたっていうのか」
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 11:00:08.50 ID:PPPwrP27O
仕事に戻ります。

しかし誤字脱字多いな、恥ずかしい。
…帰宅したら専ブラ入れよう。
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 11:08:11.55 ID:+C9dVXrp0
まあゆっくりやればいいよ

俺も帰ったら保守する
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 11:12:17.72 ID:bDF5C61Y0
専ブラ入れたって誤字脱字は直らねえよカス
原因はその脳みそだよ
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 11:15:00.73 ID:uDhjru5F0
>>111
見ず知らずの人に向かってカスとか言うのはどうかと思うの
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 11:16:22.06 ID:+C9dVXrp0
>>111
ν速に帰れ
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 11:20:24.00 ID:nqrfWX5G0
俺も仕事中だが保守
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 12:11:31.08 ID:aAumMBtM0
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 12:48:21.48 ID:Huic/G4oP
俺がν速民だ
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 12:48:52.84 ID:KPV9kbPs0
>>109
IDすげぇな
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 12:49:14.56 ID:PPPwrP27O
「え?」

「四六時中そいつと一緒にいるわけでもないだろォし、まして上には上がいるもンだ。

レベル5がわけのわからねェ無能力者にブッとばされることすらあるかも知れねェ」

「……?」

佐天も、喋っている一方通行でさえ、どうしてそんなことを言うのかがわからなかった。

それなのに言葉は続く。

119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 12:58:48.08 ID:yTgGIro6O
しえん
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 12:59:15.67 ID:vG/vfTPQ0
支援ゴ
121鰐 ◆WANIvSPbAo :2010/02/25(木) 13:00:43.57 ID:4O/CkiHU0 BE:694373472-PLT(13200)

しえn
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 13:01:41.65 ID:+C9dVXrp0
>>121
大阪さん最近どうよ?
123鰐 ◆WANIvSPbAo :2010/02/25(木) 13:03:30.59 ID:4O/CkiHU0 BE:1239953055-PLT(13200)

いつもかわいい
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 13:24:53.41 ID:yTgGIro6O
>>1は仕事戻ったのか?
保守
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 13:29:40.48 ID:PPPwrP27O
それなのに言葉は続く。

「覚悟を決めるか決めねェか。

それに能力なンか関係ねェだろォよ」

「……」

二人の間に、再び無言の時間がながれる。
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 13:32:52.70 ID:+C9dVXrp0
>>123
大切にしてやってくれ
あとクッキーうまかった
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 13:33:30.55 ID:PPPwrP27O
「それでも…憧れは捨てきれません。

 何でこんなに諦めが悪いのかな……」

佐天はポツリとつぶやいた。

「ホント、なんで学園都市に来たんだろう」

自分には何も出来ないという無力感、絶望。

今の一方通行はそれを知っている。

大切なものを守るため、絶望の中必死に足掻いたことのある彼にはわかる。

だが、それだけに――
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 13:37:54.72 ID:PPPwrP27O
「五分はとっくに過ぎちまったな。日ィ暮れちまうぞ」

一方通行は、かける言葉を持っていなかった。

「あ……ごめんなさい!つい。

でも話すだけ話したらちょっとすっきりしました。

ありがとうございます」

「俺はなンもしてねェ」

「でも、助かりました」

129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 13:38:37.69 ID:PPPwrP27O
ではまた。
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 13:45:19.35 ID:XapjTB/V0
iiID
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 13:46:51.30 ID:+C9dVXrp0
ちょっと待ってくれ終わりじゃないよな?
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 14:34:16.27 ID:I1hvtJiD0
うん
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 14:44:51.91 ID:Wd/xVCP4Q
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 14:49:02.48 ID:Huic/G4oP
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 14:57:43.03 ID:jKjwjpqW0
ん?

ん?
136午後の休み時間なんだよ:2010/02/25(木) 15:21:30.26 ID:PPPwrP27O
さっきまでと打って変わって、佐天はニコニコしている。

(調子狂うぜ、まったく……)

調子が狂ったついでに、一方通行はこんなことを言ってみた。

「家はどこだ?送って行ってやる」

137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 15:22:18.24 ID:wWHFcmlF0
わーい

紫煙
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 15:23:26.80 ID:CYr+nZPA0
おかえりage
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 15:24:20.98 ID:PPPwrP27O
「あは、ありがとうございます。でも大丈夫です。

 今日は買い物に行こうと思ってましたから」

「そォか」

遠慮しているのかもしれないし、警戒しているのかもしれない。

なんにせよ、一方通行はしつこく食い下がってまで送って行きたいわけではない。

ただの気まぐれだ。
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 15:26:46.11 ID:PPPwrP27O
「でも、せっかくだからお店まで一緒に行ってもらえますか?

 この辺のこの時間ってあんまり治安よくないですし」

「あァ、そうするか」

一方通行は先ほどのスキルアウトとのやりとりを思い出しながら相槌を打った。
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 15:31:31.53 ID:PPPwrP27O
道すがら、佐天はよくしゃべった。

内容はこれから入院した友達のお見舞いの品を買いに行くだとか、
その友人は頭が花畑のようになっているだとか、他愛のないことだった。

だがそれも一方通行にとって不快ではなかった。

こういうのんびりとした時間もたまには悪くない。

なまじ普段の生活が殺伐としているだけに。

142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 15:33:41.99 ID:PPPwrP27O
「頭がお花畑ねェ……そいつはずいぶんめでてェなァ」

どこかでそんなのを見たことあるような気もするな、と思いながら適当に相槌を打つ。

「あ!信じてないでしょう!ホントなんですよー……っと」

佐天は第七学区随一の大型デパートの前で立ち止まった。

それにあわせて一方通行も歩みを止める。

143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 15:36:42.17 ID:FvvvXqxE0
市絵ン
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 15:40:05.16 ID:PPPwrP27O
「ここで買い物してから帰ります。若い子に人気の可愛いお花屋さんが入ってるんですよ」
「そォか。花畑に花をやるのがシャレてるのかイヤミなのかわからねェな」
「はは、そうですねー」
俺には似合わねェ場所だ、と一方通行はぼんやりと思った。
「……じゃ、気をつけて帰れよ」
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 15:40:47.73 ID:nqrfWX5G0
サテンさんかわいいぺろぺろ
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 15:43:58.37 ID:PPPwrP27O
そう言って、一方通行は自分とは違う世界に住む少女に背を向けて歩き出した。
「今日はありがとうございましたー!」

振り返らなくても声だけでわかる。

あの少女は今もあの飛び切りの笑顔を浮かべているのだろう。

白い身体を夕暮れに色に染めながら、一方通行は帰路についた。
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 15:44:24.36 ID:xwPZ2T/70
支援
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 15:45:31.95 ID:PPPwrP27O
終わりっぽい雰囲気だけどもうちょっとだけ続くんじゃ!

とりあえず仕事してくる。
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 16:05:56.79 ID:5HlWVADe0
淡いなあ
150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 16:45:23.55 ID:Ms5DELHe0
大文字のPが4つってすげぇIDだな・・・
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 16:45:54.51 ID:ReGB6I3L0
シエンヌ
152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 17:12:53.31 ID:A2eGt75T0
支援ー
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 17:15:33.72 ID:Cxj0EcDt0
C
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 18:00:21.00 ID:dPKfL5bH0
この一方通行さンていうキャラがかっこいいじゃねェか
155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 18:00:56.34 ID:KPV9kbPs0
ほ?
156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 18:15:33.63 ID:7G+hWmq/0
保守
157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 18:30:22.79 ID:bsOcf4VHP
保守
158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 18:47:29.96 ID:z0UTVuBn0
C
159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 18:56:50.56 ID:aAumMBtM0
>>154
自演乙wwww
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 19:04:48.09 ID:rPLk/kZT0
>>154
一方さん乙www
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 19:32:49.61 ID:KPV9kbPs0
162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 19:54:43.03 ID:hr1i9/Ry0
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 19:59:39.27 ID:NCiemjxQ0
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 19:59:58.19 ID:7G+hWmq/0
保守
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 20:17:34.74 ID:Pp57v3Wk0
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 20:18:29.91 ID:YIW6LNEc0
おもしれー
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 20:47:19.63 ID:KPV9kbPs0
るがん
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 21:11:53.36 ID:yTgGIro6O
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 21:35:26.33 ID:yTgGIro6O
まだまだ保守
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 21:48:51.25 ID:USryDwZJ0
(あァ、ガラにもねェことしちまったな。まァ、暇だったし悪くはねェ)

佐天の笑い声を思い出しながら一方通行は帰路に着く。

あの笑顔は一方通行の属する『闇』と交わってはいけないものだ。

そういうものを守るために、一方通行は『闇』に身を落とし、くだらない悪党となった。

今日ああして会話したことがイレギュラーなのであって、もう二度と会うことはないだろうし、会ってはいけない。
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:06:43.26 ID:USryDwZJ0
ああいう場所に戻るには自分は黒く染まりすぎている、とコンビニのガラスに映る白い人影を横目で眺める。

なんだか感傷的になっている自分に気づく。

そんなキャラじゃァねェだろ、とフッと冷笑する。

ガラスの向こうには、コーヒーの新発売を告げるPOPが天井から釣り下がっていた。

先ほど公園で飲んだ不味いコーヒーのPOPだった。
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:07:14.20 ID:A2eGt75T0
一方通行って原作でこんなにいいキャラなの?
超電磁砲しか知らないからわからないけどイラストを見る限りすごい怖いんだけど。
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:10:14.89 ID:hr1i9/Ry0
>>172
俺もアニメの方しか見てないからあれだけど、アニメでもいいキャラだったと思う
ラストオーダーの時とか
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:11:16.35 ID:ZPRwulL/0
>>172
超絶DQNのピュアハートだよ
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:18:32.57 ID:A2eGt75T0
>>173
イイキャラなのか。
禁書目録のアニメ面白いの?

>>174
なんか可愛いなwwwwwwww
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:19:15.10 ID:dPKfL5bH0
>>172
一方通行さんはいい人だぜェ
脅すような口調は、御坂妹に実験をやめたいって言わせるためなンだよォ
177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:20:16.16 ID:A2eGt75T0
>>176
自演乙www
超電磁砲の漫画ではそうは見えなかったんだけども。
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:23:10.74 ID:Zt3TqK3+0
人肉もぐもぐ
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:23:15.42 ID:USryDwZJ0

そういえば咽が渇いた。

目の前にはコンビニ。

(たまにはクソ不味いコーヒーを飲み続けるのも悪くねェ)

などと考えながら自動ドアへ足を向けた。
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:27:19.08 ID:wWHFcmlF0
支援なんだよ!
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:29:51.98 ID:oiQ8vmXy0
しえンだァ
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:34:18.10 ID:USryDwZJ0
「……それで、元気になってもらいたいんで、でっかい花を入れてもらえます?

 あ、お値段のほうはちょっとサービスしてくださいね?」

花屋の店員に花束を作ってもらう間、佐天はさっき公園で会話していた人物について考えていた。

(名前くらい、聞いとけばよかったな、実はいい人っぽかったし)

と、本人や御坂妹が聞いたら吹き出しそうなことを思う。
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:44:16.33 ID:Qawl9/Sj0
支援ンンンンンンンンンッ!!
184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:45:45.90 ID:USryDwZJ0
(それにしても、初対面の人にいろんなことしゃべっちゃったなぁ……)

思い出すだけで恥ずかしさがこみ上げてくる。

また会ったら無視されるくらい引かれたかも?

でもまた会えたらいいな、となぜか頬がゆるんでくる。

今度会ったら思いっきり謝ろう。それでもって、次はあの人の話を聞いてみよう。

泣いて、喋って、気持ちを吐き出した佐天の心はいつの間にか軽くなっていた。
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 22:58:00.02 ID:USryDwZJ0
白井黒子は沈んでいた。

もちろん気分が、である。

原因は風紀委員の相方であり、黒子のサポートを担当している初春飾利の入院にあった。

黒子が怪我をする、というパターンはよくあるのだが、初春が入院するまでの怪我を負うことは珍しい。

それでも、『大丈夫です。私も風紀委員ですから』と彼女は言うだろう。

(わたくしがおりましたら、きっと守って差し上げられたでしょうに……)
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 23:10:24.54 ID:USryDwZJ0
黒子は知らない。

初春を痛めつけたのが黒子の敬愛するお姉様、御坂美琴よりも序列が上の『未元物質(ダークマター)』という化け物であることを。

「くーろこっ!」

元気なくしょぼくれた黒子の背中を誰かが叩いた。

黒子は驚いて振り返る。

「……お姉様」

黒子の背後にいたのは、学園都市第三位、常盤台の超電磁砲こと御坂美琴だった。

黒子の気づかないうちに、部屋に帰ってきていたのだ。
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 23:12:18.34 ID:bsOcf4VHP
wktk
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 23:15:20.72 ID:USryDwZJ0
「……初春さん、入院してるんだってね」

「……ええ、怪我自体はたいしたことないらしいのですけれど」

「そっか」

黒子にいつもの元気はない。

『もしもお姉様がお怪我をなさったら全力お世話して差し上げますわ!』

くらいのことを言われるかと思っていたのだが、黒子の反応は薄い。

かなりショックを受けたのだろう。
189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 23:26:03.79 ID:USryDwZJ0
「黒子、お見舞い行こっか、初春さんの」

美琴はいつもより柔らかい声で黒子に声をかけた。

「そう、ですわね。それがいいかもしれませんの。

 こんなに心配をかけた罰に、めいっぱいお見舞いのケーキを食べさせて太らせて差し上げましょう」

「……ようやく黒子らしくなったわね」

美琴は安心したように微笑む。
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 23:38:27.51 ID:+dcCzAKB0
4円
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 23:38:32.56 ID:4rgz6jTj0
C
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 23:41:46.47 ID:USryDwZJ0
「お、お姉様……」

「ん?」

「わたくしのこと、心配なさってくれていたのですねええぇっ!

 黒子は!黒子は感無量です!!

 もしもお姉様がお怪我をなさったら全力で下の世話までして差し上げますわ!」

……やっぱりちょっとくらいしおらしいほうが黒子はいいのかもしれない、と美琴はなぐさめたことを後悔した。
193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 23:44:30.30 ID:rq7hv8cm0
黒子いい子だなぁ
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 23:44:37.31 ID:Cxj0EcDt0
C
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 23:50:57.42 ID:USryDwZJ0
「……あ、白井さんですか?

 え、今から初春のお見舞いに?

 ちょうどよかった。

実は私も行こうと思ってて、今デパートでお花買ってるんです。

……はは、初春の頭がまたにぎやかになりますね」

「お待たせいたしました〜」

花屋の女性店員が、バスケットに入った花束を佐天の元に運んできた。

中心にオレンジのガーベラをあしらった、可愛らしい花籠だ。
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/25(木) 23:58:02.25 ID:USryDwZJ0
「あ、白井さん、ちょっと待ってください。お金払うんで」

入院中の初春の頭の飾りをこっそりこれと取り替えてやろう、などとよからぬことを黒子が言っていた。

それで困った初春を見るのも楽しそうだ。

(困った初春はかわいいからなぁ)

もう夕暮れ時で、面会時間が少々心配だったが、ちょっとくらいなら融通が利くだろう。

たぶん。
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 00:01:34.30 ID:HEfht9Bn0
初春の本体を変えたら媒介の女の子が死ぬぞ・・・
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 00:02:28.42 ID:AKZbPQzd0
デリケートなつくりだな
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 00:11:12.62 ID:aDNUt+4C0
tudukimada?
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 00:14:51.92 ID:1eEdKoW90
妄想でニヤニヤしながらも、佐天は容赦なく値切る。

バイトの店員が「もう勘弁してください」と泣き出すほどに。

ようやく満足する値段まで交渉し、花籠を受け取ろうとした、その瞬間。

轟音と、地震のような振動がデパートを揺るがした。
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 00:27:52.42 ID:1eEdKoW90
一方通行が例の缶コーヒーの銘柄をコンビニにおいてあるだけ買占め、自動ドアを潜り抜けたところで、あたりに大きな音が響いた。

何かがぶつかるような、はじけるような音だ。

ざっと辺りを見回すが、変わった様子はない。

近くで交通事故でもあったのだろう、と特に気にせず歩道へ出る。
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 00:28:34.83 ID:ZoGg/Mmc0
4円
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 00:38:20.82 ID:1eEdKoW90
そこへ、携帯電話の着信音が響いた。

「あァ?」

一方通行に電話をかけてくる人間は限られている。

そのほとんどが面倒ごとを伝えてくるばかりなので、気づかなかった振りをしようかと一瞬考える。

だが、一方通行にやたらとなついている少女の顔を思い浮かべて、とりあえず誰からの着信かくらいは確かめることにした。

確かめることにして、確かめて、そのまま通話終了のボタンを押した。

それをそのままポケットにねじ込み、何事もなかったかのように歩き出した。

電話は、すぐにかけ直されてきた。
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 00:44:43.44 ID:B4VP4kzj0
支援
205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 00:45:56.63 ID:pUfJyl0W0
しえぇぇぇぇぇん
206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 00:52:54.22 ID:ZoGg/Mmc0
眠い私怨
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 01:00:57.71 ID:tcIr/SvM0
いい感じだな
208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 01:02:04.83 ID:1eEdKoW90
「〜〜〜〜〜〜っ!

チッ、……なンだ、何か用でもありやがりますかァ?」

『用がなかったらオマエにわざわざ電話などするか』

聞こえてきたのは男の声だ。

それと同時に、脳裏にアロハシャツにサングラス姿の、ふざけた男の姿が浮かんだ。

一方通行が所属する、学園都市の暗部組織『グループ』の構成員、土御門元春からの電話だった。
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 01:17:35.83 ID:/5vX8yjB0
保守だぜェ
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 01:18:16.71 ID:1eEdKoW90
ちょいと寝ます
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 01:19:09.62 ID:7GlGpnJy0
しっかり寝て身体休めろ
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 01:33:26.41 ID:DSYtpFlPO

SSらしからぬ文章みたいな
213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 01:34:58.16 ID:BlcKXS6PP
ほす
214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 02:05:39.28 ID:aCXb9wfU0
今日はおもしろいssが多いな
ほしゅほしゅ
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 02:20:30.81 ID:BlcKXS6PP
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 02:48:15.47 ID:XnN2TKE50
しゅ
217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 03:06:34.56 ID:EN7k9OMd0
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 03:43:30.00 ID:N8k4CNTb0
219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 03:44:04.16 ID:/5vX8yjB0
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 04:20:56.51 ID:N8k4CNTb0
保守
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 04:56:13.03 ID:nBk85e38P
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 06:02:14.16 ID:GvR794GqO
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 06:03:19.43 ID:A7E8u3RW0
私怨叩き
224以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 06:22:37.77 ID:hKiRQd6b0
ぬるぽォ
225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 07:06:01.84 ID:1eEdKoW90
>>224
ガァッ
226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 07:34:41.93 ID:EN7k9OMd0
227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 07:34:54.89 ID:1eEdKoW90
「あンだよ。こっちは忙しいンだ。手短に話せよ」

実は別に忙しくなどない。単に土御門の声を聞くのが不快なだけだ。

『仕事だ』

もっとも聞きたくなかった内容に、一方通行は顔をしかめる。

「ふざけるなよ? さっきひとつ片付けたところじゃねェか。

 オマエか、海原あたりで処理しろよ」

「悪いが、オレは行けない。訳あって学園都市から出ているからな。

 海原と結標はさっきの仕事の後片付けだ。

 誰かさんが派手にやってくれただろう?」
228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 07:39:13.24 ID:1eEdKoW90
決定事項を告げるような口調に、一方通行はせっかく穏やかになっていた気分を乱される。

まったく、今日はまるで不幸のデパートだ。

「……で? 内容は? ツマンネェ仕事だったら切れるぞ」

『爆破テロの犯人の拘束、被害者の救出』

「はァ? テロォ? 何だ、今時犯行声明でも入ったっつゥのか?」

『いや、声明は出されていない。たった今、第七学区のビル内で爆発が起こった』

爆発。

もしかして、先ほどの音は爆発音だったのだろうか。
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 07:44:08.66 ID:1eEdKoW90
「……学園都市の治安維持は警備員(アンチスキル)の仕事だろォが」

『グループ』が出張るようなものではない。

『それが、状況が少し特殊らしい。『暗部』の下部組織が暴走した。

 一方通行、お前、『幻想御手』って知ってるか?』

「……ンだァ?流行ってンのか、それ」

先ほども聞いた単語だ。

一方通行はこの一致に、何か裏があるのではないかと勘繰ってしまう。
230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 07:45:53.56 ID:nBk85e38P
おお、来た
しえん
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 07:48:24.63 ID:1eEdKoW90
(まさか、さっきのガキが一枚噛んでやがるとか、ンな訳じゃねェだろうな)

『知ってるようなら説明は省くぞ。

 開発者・木山春生の独自研究を基にして、上層部の研究機関は『幻想御手』研究を続けていたそうだ。

どうやら『暗部』の下部組織やスキルアウトなどの無能力者を使って臨床実験を行っていたらしい』

そういえば、今日一方通行に絡んできたスキルアウトたちは、『新しい』と称する能力を使っていた。

もしかしてあれも『幻想御手』で得た能力だったのだろうか。
232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 07:49:18.86 ID:1eEdKoW90
「……なるほどなァ」

学園都市暗部の組織の暴走。

暗部には、明るみに出てはいけない、後ろめたいものが腐るほどある。

基本的に教師で構成されている警備員が処理に当たっては、いろいろとまずいのだろう。

「まァこないだ他の暗部組織が色々なくなっちまったしよォ、人手が足りないのはわかるが」

『人使い荒すぎだな。まったく』

一方通行は大きなため息をついた。

「……で、正確な場所はどこだ? さっさと終わらせンぞ」

携帯電話から告げられたのは、第七学区随一の大型デパートの名前だった。

佐天と別れた、あのデパートだ。

一方通行は本日何度目かわからない舌打ちをした。
233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 07:50:11.52 ID:1eEdKoW90
土御門から電話がかかってきやがったので
きょうも仕事に行ってきます。
234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 07:52:00.34 ID:nBk85e38P
つっちーの馬鹿…
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 08:14:38.79 ID:SvqMb8fN0
保守は俺に任せてお前は先にいけ
236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 08:21:11.21 ID:h1jQmslq0
一方通行ェ
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 09:28:32.81 ID:ZoGg/Mmc0
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 09:45:48.40 ID:vNNtH/6wO
1がんばれ
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 10:27:56.44 ID:BlcKXS6PP
gほ
240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 11:02:15.82 ID:mzb1Ycu20
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 11:30:23.57 ID:A7E8u3RW0
ホッホッホッホ
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 12:05:27.64 ID:4HqM/8El0
ヒッヒッヒ
243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 12:29:23.91 ID:SLXbTJW80
フッフッフ
244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 12:33:07.20 ID:ZmdMVTQd0
ヘッヘッヘ
245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 12:34:21.68 ID:0Un/wrA60
はひゃぁあああああああああ―――――ッッツ!!?
246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 13:40:10.99 ID:c9N8XxvsO
247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 13:44:10.53 ID:lsvJkBz4O
フハハハハハ
248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 13:53:56.74 ID:7PD/Nois0
ウフフフフフフフフフフ
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 13:59:16.39 ID:MNapt8nY0
ヒーハァアアアアアアア
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 14:02:21.25 ID:BzWXsfUY0
ヒャッハーァァァァァァー
251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 14:34:23.93 ID:shXv5yJC0
おまえらどうしてしまったんだ・・・
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 14:48:33.19 ID:4HqM/8El0
どうしてこうなった・・・
253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 14:49:26.71 ID:0Un/wrA60
僕は…ロリ返しのつかない事をしてしまった……
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 15:08:31.04 ID:S7IcqCsqP
>>172
一方さんが使い物にならなくした人達

ナンシー(猟犬部隊):下顎をショットガンで吹っ飛ばされ、20回程腹を蹴られた挙句にプレスにかけられる
猟犬部隊委員その1:動けないように体を固定され、高熱スチームを顔に浴びせられてゆでダコ状態
その2:アンチスキルに助けを求めるが、一方さんに罵詈雑言を投げつけたために一方さんがブチ切れて血祭りにされる
その3〜6:手榴弾でまとめて吹っ飛ばされる
その7:打ち止めを盾にしようとしたが、ショットガンの銃身で殴られてショットガンと隊員の頭蓋骨を粉砕


他にもいっぱい殺してるよ☆
255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 15:09:47.69 ID:Uvszfh990
ロリ欲しさについ・・・
256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 15:11:28.60 ID:2VnEkbFh0
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 15:12:46.42 ID:arH1ow9v0
そりゃ、愛する人を盾に、なんてされたらキレるわなw
258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 15:37:20.07 ID:pUfJyl0W0
ホ・・・ッシュシュッシュッシュッシュ・・・うっ
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 15:48:08.69 ID:tcIr/SvM0
原作読んでないけど暗部ってかなりほいほい人死ぬんだよね
海原と土御門よく生きてるな
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 16:05:07.26 ID:1kuJICDl0
海原と土御門は魔術師でもあるからな
まあ結構な確立で死ぬか再起不能になってるな
261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 16:34:07.32 ID:Uvszfh990
海原は優しいがゆえに死ぬと思う
土御門も死にそう
262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 16:44:04.07 ID:d3MptLUE0
保守
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 16:44:41.10 ID:GvR794GqO
>>254
その2の人は罵詈雑言のせいじゃなくて、警備員に助けを求めたせいでやられたんじゃない?
「闇と闇との戦いであって、一般人が出てくるべきじゃない」って言ってるし

警備員=光の世界の住人
猟犬部隊=闇の世界の住人

なのに猟犬部隊が警備員を巻き込もうとしたからキレたんだと思ってたが
264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 17:18:55.16 ID:oXmOWda60
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 17:19:38.30 ID:+cij9cWn0
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 17:21:44.82 ID:BzWXsfUY0
はいどーん
267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 17:35:54.15 ID:Uvszfh990
>>263
なるほど
268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 17:40:30.98 ID:LIU82Ft00
14巻まで読んだんだが一方さんって警備員に指名手配受けてるよね
よく普通に街歩いてるけどあれって大丈夫なの?
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 17:45:00.10 ID:86pWS2N40
借金のかたに一方さんを裏の世界でこき使うわけだから
指名手配みたいな動かしにくくなる要因は全部アレイスターが排除したんじゃないか
270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 17:50:50.41 ID:u1ZE20x90
木ィィィィィィィ原ァァァァァァァくゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 17:51:41.18 ID:UHz5OhqL0
一方通行は極悪人がたまにいいことするとすごい善人みたいに思われるだけだろ
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 17:54:31.97 ID:DCK9oh2I0
人はそれを劇場版(ry
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 17:55:42.94 ID:Uvszfh990
極悪人が良いことしたっていいじゃねェか
274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 17:59:55.14 ID:EpE8MNES0
極悪人がロリでもイイじャねェか
275以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 18:01:44.85 ID:B6e3AtGdi
一方さんはミサカたちにいい人だと思われてるけど実際は虐殺大好きだよね
276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 18:05:53.85 ID:tcIr/SvM0
指ガム
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 18:20:44.26 ID:fKaLlqPw0
ほっし
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 18:31:54.51 ID:Uvszfh990
そっう
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 18:47:12.93 ID:1I0PptRvO
保守しねェか
280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 19:01:19.32 ID:4HqM/8El0
>>279
してやらァ
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 19:24:48.83 ID:4HqM/8El0
ほしゅ
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 19:25:13.92 ID:z0+wfzaV0
ほしゅ
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 19:28:12.11 ID:1eEdKoW90
『時間がないんだ、急げよ一方通行。

 連中は上層部との交渉が決裂したら一般人もろとも自爆する覚悟があるそうだ。

 奴らには自暴自棄になるだけの理由があるらしい』

そこまで言って、土御門からの通話は切れた。

佐天とは、ほんの数十分程度しか関わっていない。

だがその程度の関係でも、今の一方通行は簡単に見捨てることはしたくなかった。

あの少女には学園都市の『闇』には触れてほしくない。

助けられるのなら、助ける。それのどこが悪い?

そう思って、チョーカー型の電極のスイッチを切り替えた。
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 19:32:43.41 ID:zWgbsJnd0
支援だー
285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 19:33:09.61 ID:1I0PptRvO
さぁ、続きを書かねェかァ
286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 19:33:19.81 ID:1eEdKoW90
一方通行さんからのよい子の三下どもへのお願い☆

「先に言っとく。

 これ以降は1の妄想ブチまけや、

 原作設定の過大解釈、中二的展開が目白押しだぜェ

 原作のイメージを壊したくないとか、破綻した話は受け付けねェとかいう奴らは
 
 とっとと帰ることだな

 いいな?俺は忠告したぜ

 ……こっから先は一方通行だ!」
287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 19:34:32.11 ID:pUfJyl0W0
4えn
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 19:39:36.17 ID:+FbHmnNF0
C
289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 19:40:09.05 ID:1eEdKoW90
帰宅しました。

昼休みはフィギュア見てたんだ。ごめん。

1は今自分で書き込んだ>>286の恥ずかしさに悶絶しておりますので少々お待ちください。
290以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 19:51:16.57 ID:1eEdKoW90
「佐天さん、どうしましたの!? 佐天さん!!

 返事をしてくださいな!」

「黒子、どうしたの? なんかあったの?」

佐天に電話をかけている最中に、急に黒子の顔色が変わった。

美琴はそれをいぶかしみ、体を緊張させる。

「急に……爆発音のようなものが聞こえて、通話が途切れましたの。

 電話は今つながっておりませんわ」

「なんですって?」
291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 19:51:41.18 ID:zWgbsJnd0
がんばれwww
292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 19:59:01.19 ID:1eEdKoW90
このごろ学園都市では以前にもまして物騒な事件が多い。

水面下で何かの力が動いているのではないか、と誰もが感じている。

その一端に、佐天が巻き込まれてしまったのだろうか。

「……わたくし、行ってまいりますわ」

「黒子」

「デパートなんて第七学区には数件ほどしかありませんの!

それをしらみつぶしに探せば……」
293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:08:22.64 ID:Q/9fjie/0
みてんぜ
294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:08:41.82 ID:B4VP4kzj0
支援
295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:10:54.49 ID:1eEdKoW90
「落ち着きなさい!黒子!」

美琴の鋭い声に、飛びだそうとした黒子が止まる。

「爆発が起きるような大きな事故や事件なら、風紀委員にすぐに連絡が入るでしょう?

 それを待って動いたほうが、時間のロスが少ないと思うわ」

「! でも、じっとしてなんかいられません!」

黒子が熱くなればなるほど美琴は冷静になっていく。

二人ともが熱くなって暴走すれば、共倒れになるのは目に見えている。

「行きます!」
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:13:11.38 ID:1eEdKoW90

「行きます!」

「黒子!」

美琴の制止を振り切って、黒子はテレポートするために演算を始めた。

その時。


黒子の携帯電話に着信が入った。


『白井さん、こんな時間に申し訳ないんだけれど、風紀委員のお仕……』

「固法先輩! もしかして第七学区のデパートで何かありましたの!?」

電話の主は、黒子や初春の先輩に当たる、風紀委員第177支部所属の固法美偉だった。

『よく知っているわね。

実はつい先ほど、第七学区のデパートで爆破テロらしき爆発があったの』
297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:17:30.27 ID:1eEdKoW90
「爆破……テロ」

黒子と美琴の顔がサッと青くなる。

美琴が黒子に視線で合図をすると、黒子はすばやく携帯電話のスピーカーを美琴にも聞こえるように切り替えた。

『風紀委員に、付近の住民の避難の誘導をするよう連絡をまわしているのだけど、

白井さんには別の仕事をお願いしたいの』

「別って……!」
298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:23:35.92 ID:B4VP4kzj0
支援
299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:25:18.88 ID:1eEdKoW90
『実は、最近スキルアウトの間で再び幻想御手が使用されているという情報があるのよ』

幻想御手。

友人の佐天が被害にあい、美琴自身が首謀者と対決したあの事件。

『風説の流布を防ぐため、一般の風紀委員には知らされていなかったのだけど……

何でも、今回の『幻想御手』は使用者が昏睡状態になることはなく、

引き上げられる能力も以前と比べ物にならないという触れ込みで出回っているみたいなの』
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:26:08.81 ID:1eEdKoW90
美琴と黒子の脳裏に『幻想御手』の開発者であり、事件の黒幕であった人物の顔が浮かぶ。

逮捕された際の様子を考えるに、また幻想御手を使って事件を起こすとは考えにくいのだが……。

「今回の事件の犯人が、『幻想御手』を使っているという可能性があるということ……

ですの?」

『ええ。今回の事件の犯人は複数の能力者らしいのだけど、

どうも書庫(バンク)に登録されていない能力者なのよ』

『幻想御手』事件の際もそうであったことを黒子は思い出した。
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:30:15.51 ID:1eEdKoW90
『すでに木山春生に面会する手続きを取ってあるわ。

 事件を担当したあなたに行ってもらう必要があるのよ。

緊急の場合だし、移動手段を持っているあなたが適任だわ』

「しかし私は現場に……」

知り合いがいる可能性が高い。できればそちらに回りたい。

「黒子、アンタは木山春生のところに行ってきなさい。

 時間がないの。遠くまですぐに移動できるのは、アンタくらいのもんでしょ」

「しかし……佐天さんが」

美琴は、有無を言わさぬ声できっぱりとこう言い放った。

「安心しなさい。そっちは私が行くわ」
302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:33:12.71 ID:B4VP4kzj0
支援
303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:33:37.95 ID:1eEdKoW90
御坂妹

「ここで、1はこれから実家に帰らねばならないということを

ミサカは告げなければなりません。

実家にはネット環境があるのできっと更新はできるでしょう、

とミサカは希望的観測を述べます。

では後ほどお会いしましょう。ぺこり」
御坂妹

「ここで、1はこれから実家に帰らねばならないということを

ミサカは告げなければなりません。

実家にはネット環境があるのできっと更新はできるでしょう、

とミサカは希望的観測を述べます。

電車の中で書き溜めるつもりです、とミサカは1が不審者扱いされないことを祈ります。

では後ほどお会いしましょう。ぺこり」
304以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:37:24.37 ID:4QhHu4gb0
大事なことなのでry
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:38:18.30 ID:+FbHmnNF0
大事な事なのでry
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:40:08.99 ID:LJzd0D+80
大事な琴なのでry
307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:45:54.83 ID:IkUKx3t20
上条美琴なのでr
308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:48:40.34 ID:e09vuSrQ0
御坂当麻なのでr
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:55:54.76 ID:fFaKsWZI0
r
310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 20:57:10.83 ID:NZvd4F4H0
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 21:20:45.43 ID:NZvd4F4H0
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 21:37:10.96 ID:IN8UBVfP0
C
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 21:59:11.30 ID:yqWgyQGfO
保守だァ
314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 22:16:27.03 ID:vE0z0zfp0
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 22:36:00.81 ID:oUPa+NM80
保守!
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 22:58:51.71 ID:z0+wfzaV0
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 23:11:31.60 ID:j07YYlHo0
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 23:17:07.50 ID:uR2fOceO0
ほっしゅしゅ
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 23:28:32.98 ID:u1ZE20x90
まだー?
320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 23:35:53.93 ID:fKaLlqPw0
ほし
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/26(金) 23:43:49.81 ID:1kuJICDl0
保守
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 00:05:25.33 ID:EM0STGeL0
ほし
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 00:07:30.32 ID:oCbKoaa/0
まだかよ
3241なんだけど:2010/02/27(土) 00:07:52.30 ID:r97XwSnsO
すまん規制くらった。
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 00:09:21.39 ID:6JBqCzkR0
え?










え?
もしもしでいいから続きを……
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 00:22:44.95 ID:jR9Jxy5vO
頑張れ>>1 試演
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 00:23:32.79 ID:ahzrEGrs0
PCで書いてもしもしにメールで転送だ
なんの規制だかしらんけど
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 00:24:11.87 ID:oCbKoaa/0
いざとなれば転載しよう
329じゃあもしもしで:2010/02/27(土) 00:42:48.24 ID:r97XwSnsO
土御門との会話を終了させてからデパートの隣のビルの屋上たどり着くまでに30秒。

造反を起こした部隊の人数は約30人。

二人のただ『六枚羽』などの航空部隊は出動していないようだ。

あるいは、『グループ』にすべて任せることに決まったのかもしれない。

人質もいることだし、敵に気づかれないように進入して各個撃破が理想なのだが。

(……めんどくせェな)

とりあえず、正面入り口を吹き飛ばすことにした。

330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 00:55:44.53 ID:r97XwSnsO
「……俺は不幸だ」

男はデパートの2階の広場に集められた人質に銃を突きつけながらつぶやいた。

男の姿は学園都市の警備員のものに似ていた。

しかしよく見れば所々細かい装備品が異なっている。

男は警備員ではなく『暗部』の下部組織の構成員だ。

正確には「元」構成員であるが。

人質を囲むようにして立っている他の十人も同じ格好をしている。
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 01:07:10.90 ID:4qNBfyZW0
wktk
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 01:22:02.22 ID:r97XwSnsO

人質の数はざっと百人。

閉店間際を狙ったのでその大半は店員だ。

彼は別にこんなことをしたいわけではなかった。

学園都市に来て、学んで、超能力を手に入れて。

普通の人間とは違うバラ色の未来が彼を待ち受けているはずだった。

しかしその夢は長くは続かなかった。どんなに努力してもあがらないレベル。

ただ過ぎていくだけの時間。
333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 01:51:36.79 ID:r97XwSnsO
『落第者』の烙印を押された男は、自暴自棄になった末に次第に闇に手を染めた。

そして気がつけば学園都市暗部の下っ端としていいように使われていた。

暗部には高レベルの能力者が多数在籍している。

彼のような下っ端が能力者に使われ、消費され、ゴミのように打ち捨てられるのを多数見てきた。

何だこの差は。

自分が何をしたというのか。

334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 02:05:09.73 ID:08j+pR/t0
見てるぞ
335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 02:09:54.84 ID:7V9A0dZ80
まだか?
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 02:13:37.12 ID:zdBXmU2q0
支援
337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 02:42:43.35 ID:YQMhMyAj0
338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 02:45:42.36 ID:HOnn0CVT0
寝落ち?
339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 03:08:44.21 ID:THhlTNVH0
支援
340以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 03:26:39.27 ID:nnCbKchF0
>>224 >>225
クソワロタ
341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 03:51:41.63 ID:IYT+Oij80

342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 04:56:17.08 ID:mLDcCOkX0
ぐひひひ
343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 05:37:02.08 ID:DaC42z0M0
344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 06:07:03.51 ID:e8LQxw7B0
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 06:20:10.00 ID:HOnn0CVT0
お〜い>>1
朝だぞー起きろー
346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 07:01:54.79 ID:i/MpoYJb0
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 07:34:23.24 ID:i/MpoYJb0
348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 08:02:05.60 ID:8Wet7QrZ0
保守するぜ






 ……こっから先は一方通行だ!」
349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 08:04:45.29 ID:r97XwSnsO
そんなときに上層部から渡されたのが『幻想御手』の改良品だった。

レベル3以上の能力者の部隊を作るという触れ込みで、それは支給された。

彼は喜んだ。

レベル3どころか、レベル4相当の能力を手にしたのだ。

この部隊でも最強の能力者だった。

手ひどい裏切りを受けることになるとは知らずに。
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 08:19:13.18 ID:r97XwSnsO
テレポートを繰り返して、黒子は木山春生が拘束されている施設にたどり着いた。

もともとは犯罪者を収容するようにはできていない単なる研究施設である。

学園都市の技術を熟知した優秀な研究者である木山を都市の外の刑務所に送ることはできないため、こういう措置がとられている。

「……客が来るとは聞いていたが、まさか君だとはな。白井黒子君」

目の下に隈を刻んだ、細身の美女が黒子の向かいに座っている。

以前より表情が和らいで見えるのは、黒子の気のせいではないだろう。
351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 08:32:19.54 ID:r97XwSnsO
彼女たちの間はガラスの板で仕切られている。

「それで、私に聞きたいことというのはなんだね?

 以前世話になった礼だ。わかることなら何でも答えよう」

「率直に聞きますわ。

 あなた、幻想御手に関する開発データを残していまして?」
352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 08:36:51.57 ID:yJUqoWcr0
キタヨー
353以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 08:54:08.73 ID:r97XwSnsO
「幻想御手?……あのデータはすべて破棄したよ。

 君の友人に聞いてごらん。目の前ですべてを消去したからな」

揺らぎのない口調は、嘘を言っているようには聞こえない。

「一体どうしたというのだね。あの事件は決着が付いたはずだろう」
354以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 09:03:53.18 ID:r97XwSnsO

黒子は手短に説明した。

幻想御手が再びスキルアウトの間に流通している可能性があるということ。

そして、今回の使用者には昏睡するものはいないようだということ。

最後に、デパートで立てこもり事件が現在進行中であり、犯人グループは『幻想御手』を使用している可能性があること。

木山は黒子が話し終えるのを待ってから口を開いた。
355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 09:23:50.58 ID:r97XwSnsO
「ふむ、昏睡が起こらない『幻想御手』の作製は可能か、ということが聞きたいのかな?」

「それと、あなたのデータが残っていないというのなら、

 どこからその『幻想御手』が流布したのかという推測を、開発者としての観点から教えていただきたいですわ」

「そうだな……まず一つ目の質問から。

 結論から言おう。昏睡を起こさない『幻想御手』の作製は可能だ」

「!」
356以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 09:24:30.80 ID:OGyMgGRP0
支援
357以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 09:49:55.74 ID:ySMt0vPD0
なにこれおもしろい
支援
358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 09:49:57.30 ID:r97XwSnsO
あまりにもあっさりとした答えに、黒子は驚いた。

「純粋に『能力のレベルを上げる』ことを目的とするなら、

つまり演算処理を行うために能力を一箇所に集中させるのではなく、

複数の個人の超能力を上昇させる目的だけに使うなら。

むしろそのほうが都合がよいだろう。

昏睡してしまっては能力を使うも何もないからな」

「そんなことが……可能ですの?」

359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 09:52:23.51 ID:sA9WwxHc0
ふむ
360以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 10:05:34.31 ID:0ah/GRDv0
支援しまくるゼ
361以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 10:05:40.79 ID:r97XwSnsO
「なに、特に難しいことじゃない。

 あの昏睡は使用者の脳に回復できないダメージを追うのを防ぐため、

一時的に脳の一部機能を停止るストッパーとして設定したものだ。

私はむやみやたらと被害者を出すつもりはなかったからな。

そのストッパーを外してやれば、昏睡することなく能力を使い続けることができる」

ただし、と木山は付け加える。
362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 10:27:21.91 ID:r97XwSnsO
「能力を使い続けた場合、使用者は脳に過剰なダメージを蓄積し続けることになる。

つまり、遠からず廃人になるか、単純に死亡することになるだろう」

黒子は絶句した。

そんな危険なものが、学園都市に蔓延しようとしているのか。

「そして……二つ目の質問についてだが、それについては答えられない……

いや、分からないと言っておこう」
363以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 10:40:13.95 ID:7OcFLfw80
4えん
364以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 10:45:10.86 ID:r97XwSnsO
「答えられない?」

黒子が眉をひそめる。

「君たちが知る必要はない、というよりも知ってはいけない闇があるのだよ」

木山の強い口調に、黒子はそれ以上追及することをためらった。

「まぁ、警備員が『幻想御手』を回収した後、

どこで『処分された』のかを考えればおのずと答えに近づくことになるのだがな」
365以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 10:45:22.76 ID:fz6i6GFi0
一方さんのミサカネットワークでは特に弊害はないのかな
366以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 11:05:54.58 ID:r97XwSnsO


「オイ、奴らはなんて言ってる? 

まさかこの期に及んで交渉を拒否しようってんじゃないだろうな」

交渉役は首を横に振った。

こちらの覚悟は伝わっているはずである。

「そうか……どうあっても応じないか。
367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 11:11:41.75 ID:2nMgqAnD0
>>365元から強い能力とその演算してたんだから大丈夫じゃね?
以前より遥かにそれらが上回ってたらパンクしそうだけど
368以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 11:22:53.06 ID:r97XwSnsO

 ……それなら『復讐』だ」

部隊の男たちは無言で了承する。

改『悪』された幻想御手を使用した彼らの脳は限界だった。

上層部は彼らの治療を拒否した。

治療が不可能なのか、データを取りたいためなのかはわからない。

だが、それで彼らの生への道は閉ざされた。

ここにいる誰もがいつ死んでもおかしくなかった。
369以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 11:34:11.49 ID:9OuzoYBvO
試演
370以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 11:35:04.95 ID:r97XwSnsO
絶望し、これまで以上に上層部を深く深く深く憎しみ抜き、全員が復讐を誓った。

第一の目的は全員の治療を完治するまで継続すると確約させること。

だが上層部の態度から、これはまず拒否されることが簡単に予想された。

ほとんど期待はしていない。
371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 11:48:24.01 ID:r97XwSnsO
拒否されれば、どうするか。

せめて散り際に学園都市の機構に甚大なダメージを与えてやる。

大々的に事件を起こし、多数の被害者を出せば。

被害者の家族、特に学園都市の外にいる者たちはどう思うか。

やはり学園都市は危険だと判断されるのではないか。

下火になっていた学生の回収運動に再び火をつけることができるだろう。

そうなれば、学園都市の機構は維持できない。
372以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 11:55:25.06 ID:r97XwSnsO
これはむしろ学園都市という巨悪を退治する正義の行動なのだ。

そう言い聞かせていた。

百人以上を殺す行為の正当化だ。
373以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 11:56:13.21 ID:r97XwSnsO
ごはんいってきます。
374以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 11:57:15.82 ID:fTC1dweQO
待ってる
375以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 11:57:21.68 ID:v1Lc9hSa0
そういえばもう昼か
376以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 11:59:01.78 ID:rmmCVoxg0
普通に面白いw
支援
377以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 11:59:54.96 ID:SRRdIJus0
支援
378以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 12:02:34.32 ID:fz6i6GFi0
>>367
いや、一方さんは大丈夫だろうけどミサカ妹の脳の方にダメージがくるんじゃないかと?
379以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 12:15:09.06 ID:aQSDzoCo0
>>378
だからネットワークなんじゃねぇの?
普段は一通さん能力使えないんだから少なくとも全盛期の頃よりは負担は少ないだろ
常に能力が展開できるわけじゃないんだから
380以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 12:38:07.81 ID:X19tVPu/0
ミサカシスターズはテスタメントで均一化されてるからゆえのネットワークです
よってミサカ達に負担はないぞ
381以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 12:39:10.21 ID:X19tVPu/0
あ、なんか言葉がたりねーな

演算パターンを無理に均一化させる=はるみたんネット
最初から均一化されてる=ミサカネット
無理矢理やるから負担がかかって昏睡する。
382以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 12:45:20.85 ID:r97XwSnsO
実は1は深く考えてないんだ。
てへ。

今気づいたけど佐天が空気だ。

そろそろ再開しますねー。
383以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 12:47:01.34 ID:r97XwSnsO
「やるぞ。一人ずつだ。

 ネットに配信の準備は済んだか?」

「こっちに来い!」

「ひっ!」

エプロン姿の女性店員が引っ張り出される。

佐天に花籠を売った、あの女性店員だった。
384以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 12:59:54.90 ID:r97XwSnsO
目隠しをされているためよろけるが、そんなことはお構いなしに銃口を頭に突きつけられた。

そのごりっという固い感触に戦慄する。

歯の根が合わず、命乞いすらできない。ただカチカチと小さな音を立てるだけだ。

他の人質たちも、その空気を察し、恐怖が伝染する。

自分でよかった、次は自分でないように、と祈るばかりだ。

奇跡を願った。しかし誰も動かない。彼女を助けに来ない。

絶望に突き落とされ、家族の顔を思い出し始めたそのときに、奇跡は訪れた。

385以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 13:13:50.77 ID:r97XwSnsO
デパートに轟音が再び響いた。

「な……んだ?」

爆弾はあといくつか店内に仕掛けられているはずだが、今のは火薬の音ではない。

「一階だ! 警備員が突入してきたのか!?……下との連絡が取れない」

「クソ、4番、8番、9番、下を見てこい!!他は持ち場を離れるな!!」

人質の見張りのうち三人ほどが階段へと駆け込む。

386以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 13:22:34.58 ID:ak2AJIa10
支援
387以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 13:23:49.25 ID:1hh0Mt71P
C
388以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 13:25:16.86 ID:r97XwSnsO
1階へ降りると、まず目に入ったのは小型のトラックだった。

それが交通事故にあったかのようにぐしゃぐしゃに潰れ、正面入り口の向かいの壁にめり込んでいる。

入り口から一直線に突っ込んできたのだろう。

入り口とトラックを結ぶ線上にあったマネキンや棚が面白いほどなぎ倒されている。

しかし、どれだけスピードを出せばここまでの破壊力が得られるのか。

よく見ると壁とトラックの間から真っ赤なペンキをぶちまけたような液体が染み出していた。

そのそばには、彼らが持っている小銃と同じものが落ちていた。
389以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 13:32:26.88 ID:KzvGCrHW0
支援
390以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 13:33:04.00 ID:1hh0Mt71P
C
391以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 13:46:23.14 ID:r97XwSnsO

「……愉快なツラァさらしてンじゃねェぞ、ゴミ共が」

声のしたほうを振り返ると、そこには悪魔的な怪物が立っていた。

「!?」

白い悪魔――一方通行は笑っていた。

目を見開き、口元は引きつり、見るものを恐怖させる狂気の笑みだ。

「っ!」
392以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 13:58:18.51 ID:KzvGCrHW0
しえん
393以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 14:03:20.07 ID:r97XwSnsO
先頭の男は反射的に発砲した。

本能的に悟ったのだ。アレは恐ろしく残忍で、凶暴で、圧倒的なものであると。

無効が本気になる前に、叩き潰しておかなければならないものだと。

だが、その判断は間違いだった。

化け物が足元に落ちている塵芥を蹴飛ばすのに本気など、必要ない。

発射された銃弾は一方通行の『反射』によってはねかえされ、発射時と同じスピードで正確に銃口を貫いた。
394以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 14:20:12.24 ID:r97XwSnsO
小銃は破裂し、男の両手が吹き飛んだ。

何が起こったのか、三人にはまったく理解できなかった。

「ぐっああああああああああああああああっ」

悲鳴を合図に一方通行が動く。

床を蹴る力のベクトルを操作し、ロケットのように飛び出した。
395以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 14:21:12.09 ID:1hh0Mt71P
C
396以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 14:40:11.19 ID:r97XwSnsO
ダメージを受け崩れ落ちた男の背後に立つ二人の顔を両手でつかむ。

右手はそのまま勢いを殺さずに壁に叩きつけ、男の頭を潰れたトマトにする。

左手は倒れた男めがけてぶん投げた。

自分の状態を理解する前に、左手の男は倒れた男と『合体』した。

「人間スクラップの出来上がりィ、ってなァ!」

動かなくなったゴミには目もくれず、一方通行は階段を駆け上がった。
397以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 14:41:17.28 ID:I1EsGsbb0
支援
398以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 15:04:42.09 ID:1hh0Mt71P
C
399以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 15:06:30.85 ID:r97XwSnsO
辺り一面を赤色の海にしながら、一方通行は一滴も血に染まっていない。

獰猛な笑みを浮かべ走る。



――圧倒的な力による虐殺がはじまった。
400以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 15:15:13.34 ID:OfWgMQIOP
しえん
401以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 15:24:45.66 ID:r97XwSnsO



「う……」

佐天は階下から伝わってきた振動を感じて目を覚ました。

「こ、こは?」

視界が閉ざされている。

なぜか体のあちこちが痛い。

力を振り絞って顔の上にかぶさる何かを押しのける。

初春への見舞いの花籠だった。
402以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 15:33:19.73 ID:K0vUQsJG0
支援
403以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 15:34:57.32 ID:r97XwSnsO
体を起こすと、自分が段ボール箱の山に突っ込むようにして倒れていたことがわかった。

(いったい、何が……)

佐天は運がよかったのか悪かったのか。

佐天は買い物をしていた階でおきた爆破の衝撃で、ダンボール箱の陰で気を失っていた。

部隊の人間に見つかることなく今まで人質として拘束されなかったのだが、佐天はそんなこと知るよしもない。

立ち上がって辺りを見回すと、フロアは散々たる様相だった。

綺麗に陳列されていた商品は床に転がり、売り物の花は千切れた上に踏み荒らされ、ゴミくずのようになっている。
404以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 15:39:13.61 ID:Igs8Hiba0
支援
405以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 15:41:23.85 ID:3HHzTsl00
そろそろ覇王翔吼拳を覚える頃か
406以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 15:43:30.59 ID:f42ICNB00
支援!
407以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 15:47:39.48 ID:L9Vl0Rbm0
Ms.カラテ!
408以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 15:50:17.57 ID:r97XwSnsO
(なん……だろ、これ。わかんないけど、外に出たほうがよさそう)

まだ混乱がおさまらない頭を振りながら歩き始める。

手足が痛むが、大きな怪我はしていないようだ。

エレベーターは使えそうにない。

自分の足で降りるしかないのか、とげんなりしながら階段へ向かう途中で佐天の前を小さな影が横切った。
409以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 16:00:52.81 ID:ak2AJIa10
支援
410以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 16:07:10.75 ID:r97XwSnsO
(――子供?)

「待って!」

佐天は走り去ろうとする子供の腕をつかんだ。

「!」

小学校にあがるかあがらないかといった年頃の少女だ。

なぜか大人物のワンピースとカーディガンを身にまとい、大きなかばんを抱えてこわばった表情をしている。

佐天は状況を完全に把握しているわけではないが、幼い子供が一人でうろいついていいような場面ではないことはわかる。
411以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 16:21:23.76 ID:r97XwSnsO
「……どうしたの?

 保護者の人とは一緒じゃないのかな?」

目線が少女と同じになるようにしゃがみこみ、佐天は少女に話しかけた。

「……」

しかし少女は答えない。

佐天をきつくにらみつける。

「迷子かなぁ……とりあえずお姉さんと一緒に外に出ようか」

少女はしばらく考えこんだ後、こくりと頷いた。
412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 16:25:02.06 ID:OGyMgGRP0
佐天さんって中学生なんだよな
他の三人も
俺が中学生の頃よりしっかりしてるわ
413以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 16:34:03.82 ID:r97XwSnsO
「これでココは全部だなァ」

一方通行は人質が拘束さているフロアを見回しながら言った。

フロアのそこここに、人間だったもののパーツが転がっている。
414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 16:45:43.48 ID:r97XwSnsO
あるものは引き千切られ、

あるものは吹き飛ばされ、

あるものは潰され、

あるものは切断され、

あるものは貫かれ、

あるものは血液を逆流させられて

どれも体液を噴出すだけの物体になっていた。

さながら阿鼻叫喚の地獄絵図だ。
415以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 16:52:55.41 ID:ZtXDC9HiP
4円
416以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 16:58:11.63 ID:r97XwSnsO
一方通行はフロアの隅に押しやられた人質の集団に目を向ける。

目隠しをされたままであるため、何が起こったのかを正確に理解している者は誰もいなかった。

ただ、絶え間ない断末魔の悲鳴に身をすくませていた。

(アァ? どうした? あのガキの姿が見あたらねェが……なンだ、すでに買い物終わってましたァ、てか?)

一方通行は集団に向けて大声で話しかけた。

「オイ、オマエらァ!」
417以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 17:16:39.00 ID:r97XwSnsO
集団から少し離れて座り込んでいるエプロンをかけた女性の体がビクッと震えた。

銃を突きつけられてからほとんど放心状態だった花屋の女性店員が、突然の外部刺激にわれに返ったのだ。

女性はしりもちをついたままずりずりと後ずさった。

血塗られた床を這いずったため、ショーツまで血でぐっしょりと濡れるが、その気持ち悪さよりも恐怖が先にたつ。
418以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 17:20:29.14 ID:CHtBKvUr0
しえーん
419以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 17:28:24.03 ID:r97XwSnsO
「こ、こ、殺さないでえ! いや!」

一方通行はチッ、めんどくせェとつぶやくと、誤解にかまわず言葉を続けた。

「……頭に花の飾をつけた、髪の長いガキを見なかったか。

 年は中学生くらいだ」

「し、知ってます!! 知ってますから殺さないで」

恐慌状態の女性は反射的に答える。

「早く喋れ」

「っ!は、花を買っていったんです! 爆発が起こったときに……

 それでっ、爆発が収まったら、……いなくなってたんです!」
420以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 17:29:21.69 ID:6JBqCzkR0 BE:523449533-2BP(100)

私怨
421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 17:41:06.54 ID:r97XwSnsO
女性は殺されたくない一心で、正解かどうかもわからない少女の情報を喋る。

(あのガキ、花を買うとか言ってやがったな。……ビンゴだろォな、コレは)

「いなくなってたァ? 爆発の直前まではいたんだろォ」

「爆発の衝撃で転んで、め、目を開けたときにはいなくなってたんです!!」

「そォか、ありがとよ」

「え?」

一方通行はそれだけ言うと、女性の脇を通り抜けて、人質の集団へ近づいていった。

422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 17:42:13.28 ID:r97XwSnsO
一方通行の足音にあわせて集団がさっと分かれる。

狭い空間で、よくもまあ見事にスペースを作り出すものだ。

集団の中にいた風紀委員の腕章をつけた少年をつかまえると、その目隠しと拘束を解いた。

「オイ、オマエ風紀委員だろ」

「なっ……」

少年はまず目の前に現れた凶悪な面構えの人物に驚き、次に血まみれの店内に驚いた。

そして一方通行を強く睨み付ける。

423以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 17:43:44.55 ID:r97XwSnsO
「……いい面構えだ。

 いいか?こっから下にはもう生きたテロリストはいない。

 オマエがうまく誘導して、パニックを起こさないように全員避難させろ」

「は?」

そこまで聞いてやっと少年は目の前の人物が救援に来たのではないかと気づく。

にわかには信じがたいが。

「で、でもあなたは」

「俺はまだ、めんどくせェ仕事が残ってやがるからな」

言って、一方通行は天井を見上げた。

424以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 17:45:04.27 ID:r97XwSnsO
ちょっとごはんとハイパー書き溜めタイム。
425以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 17:46:05.14 ID:h0qT8R6W0
終了
426以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 17:46:33.20 ID:ak2AJIa10
行ってらっしゃい
427以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 17:55:33.14 ID:hM7D01Ix0
佐点さん活躍させてあげてね。
428以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 18:35:17.06 ID:JFCw1CpC0
429以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 18:41:43.38 ID:7V9A0dZ80
430以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 18:47:33.29 ID:h0qT8R6W0
はいどーん
431以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 18:56:21.36 ID:f42ICNB00
432以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 19:12:21.87 ID:0ah/GRDv0
飯くいながらほす
433以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 19:42:35.75 ID:JFCw1CpC0
434以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:09:42.73 ID:0ah/GRDv0
や…保守
435以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:26:55.37 ID:kSP8CD6H0
436以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:53:00.80 ID:LhMX1Ii/O
ふーふー
437以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:57:24.13 ID:r97XwSnsO


馬鹿な、と思った。

化け物だ、とも。

走りながら男は考える。

あれはなんだ? あの白いのは。

男は情報としてはあれのことを知っていた。

学園都市最強の超能力者・一方通行。

あれは本当に人間か?

仲間がなすすべもなく千切れ飛ぶのを見た。

何をされたかわからないまま絶叫した仲間を見た。

自分の手に入れたレベル4など、あの能力の前では水鉄砲だ。
438以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:58:55.73 ID:r97XwSnsO
そのとき男は思った。

死にたくない、と。

死の覚悟を決めてテロに及んだはずの男は、圧倒的な暴力の前に始めて明確に自らの死を意識した。

(しにたくないしにたくないしにたくないしにたくない)

上へ上へと階段を駆け上がる。

屋上まで出れば、自分の能力で何とか逃げ切ることができるかもしれない。

439以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:59:22.62 ID:h0qT8R6W0
×化け物
○悪魔
440以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:02:12.44 ID:r97XwSnsO

「ぐあ!?」

「きゃ!」

必死に走る男は、上から降りてくる少女二人に気づかず、盛大にぶつかり合った。

そのまま三人はもつれ合うように階段を転がり落ちた。

「うっ……だ、大丈夫?」

「な、何だてめぇら!

 おまえらも能力者か!?」

男は倒れたまま佐天に銃を突きつける。
441以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:05:00.30 ID:oKy13efi0
しえ
442以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:05:20.34 ID:K0vUQsJG0
支援
443以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:21:07.61 ID:r97XwSnsO
「あ……な、う」

目の前にちらつく銃に、佐天の表情がこわばる。
震える手で少女をぎゅっと抱きしめた。

男は、見過ごしていた一般人か、と吐き捨てると、佐天の抱く少女の腕をつかんだ。

一般人の子供。

人質をとったところで例の化け物には意味がないだろうが、盾にくらいはなるかもしれない。

そう思って、単に運びやすいほうを選んだ。
444以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:24:07.45 ID:r97XwSnsO
「!?」

「離せクソガキ!」

少女の腕が強く引っ張られ、佐天の腕の中から奪い取られそうになる。

「だ、だめっ!」

少女を抱く手に力をこめる。

「ガキがっ!」

男の手から何かが飛んだ。

それが何かはわからなかったが、男の能力なのだろう。

佐天の両頬に浅く亀裂が走った。
445以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:29:37.27 ID:vzoB9gMu0
支援
446以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:39:06.57 ID:r97XwSnsO
「っ」

引っ張る力が緩んだ瞬間に、少女をもぎ取られる。

「てめぇは邪魔だ!とっとと失せろっ」

生き残るために必死な男は、非力そうな中学生など眼中にないようだ。

(でも、あの子は……)

少女は男の手の中でじっと黙っている。

恐怖で声も出ないのかもしれない。

このままじっとしていれば、男は去り、佐天は危害を加えられないだろう。
447以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:47:24.10 ID:r97XwSnsO
(見捨てるの? そうすれば、あたしは助かる?)

見捨てる見捨てないの問題ではない。

佐天が少々抵抗したところで、死体が一つふえるだけだ。

(できない……!なんの能力もいんだよ、あたしは!)

全身が震える。目尻に涙がたまり、思考ががちがちにこわばる。

「どうせ虐げられる無能力者は大人しくしてりゃあ痛い目見ないですむんだよ!」

それは男自身の経験から来る言葉でもあった。

448以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:49:21.97 ID:K0vUQsJG0
支援
449以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:50:21.93 ID:r97XwSnsO
男は佐天に背を向ける。

「あ、あたしはっ!」

無能力者だから何もできない。

無能力者だからあきらめる。

無能力者だから……仕方ない?

『覚悟を決めるか決めねェか。それに能力なンか関係ねェだろォよ』

今日はじめて話した、名前も知らない誰かの言葉が頭に響く。

(無能力者で、何も、何の力もないけれど……)

「無能力者(あたし)にだって、ゆずれないことくらいあるんだからあああぁぁぁ!!」
450以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:50:35.64 ID:v6u1aYvC0
sien
451以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:54:09.18 ID:r97XwSnsO
そう言って後ろから男の足にしがみついた。

「っ!このクソガキィ!」

片手で腰の拳銃を引き抜き、佐天の頭に狙いをつける。

「離さない! 死んでもあたしはこの手を離さないんだからっ!!

アンタはその子を離しなさいよ!!」



「……よく言ったクソガキ。後はおうちでお寝ンねしてな」

聞き覚えのある声が聞こえてきた。
452以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:56:54.64 ID:6EpFtwQz0
なにこれ泣ける
453以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:59:24.09 ID:K0vUQsJG0
支援
454以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 22:05:45.92 ID:n8mmy5wZ0
佐天さん大好きだ
455以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 22:10:53.90 ID:r97XwSnsO
「え……?」

「て、てめぇっ! 」

佐天の背後からコツコツと杖を突く音が聞こえる。

振り返ると、そこには今日佐天がその頭に空き缶をぶつけた少年


――学園都市の第一位が立っていた。
456以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 22:11:41.71 ID:r97XwSnsO
「くっ……くそっ!」

銃が一方通行に向けられるより早く、突風が男を襲った。

エアコンから流れる微風のベクトルを操作し、男にたたきつけたのだ。

「ひゃっ、ハハァ!ざまァねェなァ、てめぇが最後かァ?小悪党」

ベクトルを操作された風は正確に男だけを吹き飛ばし、壁に叩きつけた。

その場に倒れこんだ佐天の上に、少女が降ってくる。

「え……うわあっ」

とっさに抱きとめる。どうやら怪我はないようだ。
457以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 22:21:05.00 ID:r97XwSnsO
「ち……ちくしょおっ!」

男は一方通行めがけて発砲する。

弾はもちろん『反射』され、男の体に突き刺さる――ことはなかった。

銃弾は、男に到達する前に何かにぶつかったようにはじかれた。

「ほォ、なかなか面白そうな能力もってンじゃねェか」

一方通行は不敵に笑う。

少しは楽しませてくれるのか? と小さく男に問うた。

458以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 22:26:14.08 ID:r97XwSnsO
「くそっ、学園都市の第一位になんぞ、かなうわけがないだろうがあああ!!」

男が吠える。もうやけくそだった。

男の周囲に、無色の膜がぶわっと広がった。

「ガキィ、オマエはそのチビをつれて先に下りてろ!」

「で、でもっ」

「オマエらが邪魔だっつってんだよォ!!」

459以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 22:31:02.80 ID:r97XwSnsO

「っ!」

佐天はその言葉に押され、少女を抱えて走り出した。

(学園都市……第一位って!?)

階段を駆け下りる間も、その単語だけが頭の中をぐるぐるとまわっていた。
460以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 22:36:30.47 ID:B5ACLTPv0
支援
461以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 22:47:11.25 ID:hHfr4pob0
うんこ
462以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 22:56:52.05 ID:r97XwSnsO
「……さァて、楽しい楽しいお遊戯の時間だぜェ」

「うわあああああっ!!」

凶悪な笑みを浮かべる一方通行に、半狂乱になる男。

男は自分の周囲に浮かぶ膜を操り、それを一方通行に叩きつける。

もちろんそれもあっけなく『反射』されるのだが、その『膜』は男に突き刺さらず、再び男の周りを回り始める。
463以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:03:05.67 ID:r97XwSnsO
(こりゃあ、……水か。高圧で打ち出した水をカッターみたいに使ってやがンだな)

さしずめ水系操作(ハイドロワークス)といったところか。

水蒸気など大気中にいくらでもある。

使いようによってはいろいろ面白いことができそうだ、と一方通行は考えた。

男は手元に戻った水を操作し、もう一度一方通行へと打ち出した。

「ハッハァ!! 無駄だっつゥのがわっかンねェかなァ?」

水は一方通行に触れる直前に凍結し、いくつかのツララへと変わる。

464以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:09:04.73 ID:r97XwSnsO
「ちょっと工夫したくらいじゃァ合格点はあげられませン、ってなァ!」

わざわざ手でなぎ払うようにしてそれを叩き落す。

そのまま男に向かって一直線に飛び掛った。

「!!くっそぉ!」

男はそれを体をひねってよける。

男の背後には下に降りる階段があった。

一方通行はそのまま踊り場まで一気に降りたった。

その背中めがけて、男は水を噴出させ、同時に点火したオイルライターを投げ入れた。
465以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:17:02.17 ID:sA9WwxHc0
ふむ
466以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:20:48.71 ID:r97XwSnsO
ボン、という破裂音とともに、爆発が起こった。



「……やった、かっ!?」

やれたわけがない、と頭の片隅で思いながらも声を上げる。

「ざアアアアァァァンねエエエエェェェンでしたアアアァァァァ」

うれしそうな死神の声が響くと同時に、男の下腹が何かに貫かれ、握りこぶし大の穴が開いた。

467以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:20:52.60 ID:o+NJ+loW0
水を分解して爆弾にする気かよ
美琴にもできそうだな
468以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:22:15.07 ID:r97XwSnsO

「ぐ……あぁっ」

腹から、口から、血を撒き散らし、男は床に這いつくばる。

「水を水素と酸素に分解し、点火することで化学反応による爆発を起こす、ねェ

イマドキ小学生でもわかる化学の実験だなァ?」

男を貫いたのは、一方通行がベクトル操作を使って投げた単なる瓦礫の破片だった。

「あ、うああ」
469以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:25:32.49 ID:9wNIX58K0
ただ単に、操ってた水が油の類だった
或いは水を一気に拡散させての水蒸気爆発とかじゃねえの
でも氷が作れるならライターナシでも温度は操れるよな
470以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:26:50.74 ID:sA9WwxHc0
氷にしたのはセロリ
水を分解できるという能力があるんだろう
471以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:27:41.47 ID:KUoWqDbA0
分解して出した水素に火つけただけの話
472以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:29:38.32 ID:r97XwSnsO
一方通行は電極のスイッチを切った。

今日は午前中の『仕事』の件もあり、正直無駄遣いをしすぎた。

能力使用はあと20秒程度しか持たないだろう。

「楽にしてやる。」

言って、銃を取り出した。

「なんで……」

死ぬ。

今度こそそれを覚悟した男は、力の入らない全身を使って声を絞り出した。
473以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:30:08.37 ID:iPNI157w0
>>467
というか美琴の音速飛行ってそれを利用したものじゃなかったっけ
474以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:37:26.44 ID:r97XwSnsO
「あァ?」

「なんでっ、俺が何を、したっつうんだ……、ふざけるな!

俺は、無能力者は……実験動物じゃねェんだよっ

持ち上げられて、騙されてっ……せめて上層部の奴らに一泡吹かせようと思えばこれだっ……

てめえもわかってんだろぉが……この都市が腐りきってるってことぐらい……

なのにっ、何でてめぇみたいな化け物がじゃますんだよおおおぉ!」

床の上でもがく男が絶叫する。
475以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:42:26.83 ID:r97XwSnsO
「それが理由か」

じり、と一方通行は男ににじり寄る。

「それが理由で、何の関係もない一般人を殺そうとしたのか」

その表情は怒りに満ちていた。

「くだらねェ」

暗部に落ちる人間は、暗部に落ちるだけの理由があるものだ。

学園都市の闇に触れてきた一方通行は、それを知っていた。

闇に触れて腐るのではなく、腐っているから闇に触れるのだ。

476以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:45:39.42 ID:7OcFLfw80
4えn
477以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:45:52.54 ID:sA9WwxHc0
ふむ
478以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:46:53.55 ID:r97XwSnsO
そんな奴らが覚悟も決めずに「騙された」「ふざけるな」と声を荒げる。

腐っているのは初めからわかりきっていたことだろう。

それでどこでどんなふうにのたれ死のうが、それはそいつの責任だ。

それをわかった上で、一方通行は小さな光を汚さないために『悪党』となった。

光を汚してまで何かをなそうとする『悪』は、悪党としての一方通行の信念に反する。

「オマエみたいなくだらねェ悪党が、一番気にくわねェ」

そう言って、男の眉間に銃弾を三発正確に叩き込んだ。
479以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:50:33.98 ID:A92vb36e0
すげぇw一方さんかっけえw原作だとただの悪党美化の嫌な奴だと思ってたのに
一般人に迷惑をかける悪党に同情する3流ワルキャラじゃなくてよかった
480以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:58:27.16 ID:n8mmy5wZ0
おもしろいけどこんなところを佐天さんがみたら死ぬまでトラウマとして残るな…
481以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 23:59:49.71 ID:bZQWfYRN0
482以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:04:37.59 ID:IG/KJOOX0
支援
483以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:06:31.44 ID:FW9LiM5i0
>>479
元から一般人に迷惑かかるクソ野郎は容赦なくブッ殺すヤツだけど
484以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:09:29.06 ID:yHrCxTUEO
「おいィ!!ガキィ!?……って名前聞いてなかったな。

クソッ、ガキ共ォ!どこにいやがる!?」

『水系操作』の男の始末を終えた一方通行は、階段を下りながら叫ぶ。

(もう外に出たか……)

四階と三階の間の踊り場まで降りたところで、のんきな少女の声がかかった。

「あ、第一位さーん!ここですよ」

幼い少女を連れた佐天が階段の下で手を振っていた。
485以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:13:15.24 ID:2V1yx96t0
まさに圧倒的
486以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:17:26.66 ID:Rxy/cm9U0
>>483
ごめん、ちゃんと原作読んでなかった。アニメのイメージだけで語ってた
一般人への迷惑関係なしってのは垣根提督とかその辺か
487以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:18:29.85 ID:yHrCxTUEO
「……なンだ、その『第一位さン』てェのは」

「あはは、だって名前知らないですもん。

 そんなこと言うなら、あたしをガキって呼ぶのもやめてください」

一方通行はため息をついた。

どうも調子が乱される。

「……ンで、なんでまだこンなところにいやがる。

 さっさと避難しねェか」

「いや、この子が、急に座り込んで……」

「あァ?めんどくせェガキだな。ちょっと待ってろ。そっち降りる」
488以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:19:56.24 ID:AxpecR3F0
>>486
ていとくんもそんなにではないぞ
489以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:20:02.44 ID:isZn1tFH0
>>486
それもねーよ
結果的には一般人に手出したけど
490以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:22:54.81 ID:Rxy/cm9U0
4位か5位のどっちかが最低最悪な奴だったような・・・
一般人巻き込んでもお構いなし、仲間も平気でいたぶるっていう恐ろしい奴
491以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:23:59.86 ID:nEqD4uBU0
>>490
むぎのんか
あれは…
492以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:25:23.15 ID:isZn1tFH0
>>490
ていとくんに負けた後のむぎのんはそんな感じ
負ける前は普通だった
493以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:27:38.87 ID:AxpecR3F0
冷静に考えたらレベル5って結構まともなんだよな
494以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:29:01.49 ID:v6tYy0E50
は?すごパだけだろ
495以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:30:38.17 ID:Rxy/cm9U0
強いキャラほど「弱い奴を無理やり巻き込んではいけない」って考えるのかもね、4位の人以外
スキルアウトとかだと平気で一般人に暴力を振るうし
496以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:32:14.04 ID:nEqD4uBU0
>>493
一番タチ悪いのは、レベル1とか2の無能力者狩りしてた奴らだと思う
駒場の妹?襲った奴らとか
497以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:32:27.16 ID:F7Q9rzBHP
ヤクザの偉い人的なアレか
498以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:32:46.28 ID:b24/FTcN0
削板さんが主人公のSS出したら売れる
499以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:34:07.23 ID:FW9LiM5i0
御坂さんが一番一般人に迷惑かけてるけどな(停電とか)
上位4人の中で一人だけ暗部に入らないで普通の学生だから仕方ないのか…
500以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:34:56.48 ID:2V1yx96t0
第6位が気になるなー
第7位の人は原作読んでないからよく知らないけどいい人なの?
501以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:36:18.32 ID:4M3GLbWC0
大抵のレベル5は暗部にいるから悪目立ちは避けてるとは思う
502以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:36:20.57 ID:cn1++C2L0
>>500
熱いな
503以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:37:14.81 ID:kGf87Scm0
>>500
根性が口癖の正義感溢れる田舎ヤンキー
504以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:37:45.60 ID:nEqD4uBU0
505以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:39:38.41 ID:gbXNByxO0
>>504
ディスガイアとかに出てきそうなキャラだな
506以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:39:45.33 ID:Q2XygW9E0
507以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:39:49.61 ID:Rxy/cm9U0
削板さんはレベル5唯一の良心
4位の糞野郎を説教してやってほしい
508以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:43:44.31 ID:0N6B5JLZ0
原作だと上条さんって一方通行と美琴以外のレベル5と相対したことあるの?
509とりあえず続き:2010/02/28(日) 00:58:13.04 ID:yHrCxTUEO
パン、と乾いた音とともに、一方通行の胸元が赤く染まる。

「は……ァ?」

今まで、一言も喋らなかった少女が、小さな拳銃を両手で構えている。

その銃口は一方通行に向けられ、細く煙を出している。

一方通行が足元から崩れ落ちた。

「なっ、なん、なんでっ!?」

佐天が悲鳴を上げる。
510以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:59:11.04 ID:2V1yx96t0
>>504
やだかっこいい

>>506
なんかよくわからんけどすごいやつだというのはわかった
511以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 00:59:19.96 ID:yHrCxTUEO
銃をかまえた少女の姿が急に膨れ上がった。

手足が伸び、背が伸び、体が大人に変わっていく。

気づけば、高校生から大学生くらいの女の姿に変わっていた。

「う、嘘!」

「……ちょっと静かにしてなさい」

女が佐天の額に触れると、佐天はびくりと震えたあと簡単に卒倒した。

「く、そが……」

「あら、生きてたんだ。

 子供の力だと威力の大きい銃は扱えないっていうのは不便ね」

「肉体操作系の能力か……」
512以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:00:25.68 ID:yHrCxTUEO
「元々は肉体再生(オートリバース)のレベル0だったんだけどね。

 肉体の回復現象を操作して、一時的に若返ることができるの

名づけるなら『肉体逆転(アンチエンジャー)』ってとこかしら?

ある程度はこんな風に、他人の肉体を麻痺させることだってできるわ」

女は佐天に目を落とし、場に似つかわしくない笑みでにこりと微笑む。

「……ずいぶンと愉快で素敵な能力じゃねェか」

「ええ。そのおかげで警戒されずにデパートのあちこちに爆弾を仕掛けさせてもらったわ」

言って、脇に抱えた手提げ袋から手のひらサイズの塊を取り出す。

「ま、あんまり変わっちゃったもんだから、

味方のはずの馬鹿男に捕まったときはどうなるかと思ったけど」
513以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:05:51.24 ID:yHrCxTUEO
肉体逆転の女は言いながら、手の中の爆弾をもてあそぶ。

「動かないでよ?

 それに能力の使用も禁止。

アンタが私に攻撃を加えれば、この爆弾のスイッチを離す。

 そうすれば、アンタはともかくこの子は木っ端微塵よ?

 ずいぶんこの子と仲よさそうだったものね。まさか見捨てるわけないわよね?」

ぐったりした佐天の首に爆弾を握る手を廻し、逆の手で銃口を一方通行に向ける。

わずかに意識があるのだろうか。佐天の口から小さなうめきが漏れた。

514以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:06:21.00 ID:05pn8HxA0
しえん
515以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:06:44.92 ID:yHrCxTUEO
「いまさらどうしようもねェだろうが。目的は何だ」

「アンタの死体」

女は冷えた声で言った。

「第一位様なら死体になっても上層部は欲しがるでしょうね。

 むしろ自由に切り刻むことができて、喜ぶんじゃないかしら。

 私はあいつらと違ってまだ死にたくないの。

せいぜい取引の材料として利用させてもらうわ」

516以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:08:13.55 ID:qG4imUh70
一通さんってこんな雑魚に負けるほど弱いのに未だに一位なの?
517以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:09:08.52 ID:yHrCxTUEO
一方通行は腕に力を入れ上体を起こし、わき腹から血を流しながらながら考える。

出血が多く、気を抜けばその場に倒れこみそうになる。

能力が使える残り時間はあと20秒しか残っていない。

その20秒で、階段下の敵を倒し、爆弾を無効化し、佐天を助ける。

肉体逆転が、歌うように告げる。

「さようなら。あなたはここで死になさい」

銃を握る手にぎゅっと力が入る。

一方通行は不敵な笑みを浮かべた。



20秒も残っている、と。
518以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:09:34.44 ID:GbMAOQvC0
しえ〜〜〜〜ん
519以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:11:58.42 ID:70Z/vAMQ0
支援
520以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:12:48.82 ID:0N6B5JLZ0
wktk
521以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:13:17.65 ID:yHrCxTUEO
「!」

一方通行は床を力強く蹴ると同時に電極のスイッチを入れた。

床を蹴る力のベクトルとわずかに流れる大気のベクトルを操作し、自らの最高速度で肉体逆転へと肉薄する。

その速度は、御坂美琴の超電磁砲の初速度を軽く凌駕する。

いくら肉体逆転が自らの身体能力を強化できたとしても反応できるようなスピードではない。

肉体逆転が声を上げるために息を吸い始める前に、一方通行は肉体逆転の足を踏み抜き、爆弾を持つ手首をつかんだ。

522以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:13:22.58 ID:VV3QcLGT0
>>516
いろいろあって能力の使用が制限されてる
でもなんやかんやで背中から黒い翼とか出てきて強い
523以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:14:24.89 ID:yHrCxTUEO
そのまま、曲がるはずがない方向へとひねる。

ブチブチといやな音がして、肉体逆転の腕が肩口から取れた。

空いた手で佐天の体を引き寄せ、後方へ投げ飛ばす。

肉体逆転が目を見開くと、千切れた腕から爆弾が落ちるのが見えた。

(これが……学園都市第一位の力……)

佐天はその能力によって吹き飛ばされながら、そんな風に考えた。

瞬間、閃光が目を焼き、爆音が耳をつんざいた。
524以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:15:39.22 ID:yHrCxTUEO
急に静かになった気がして、佐天は自分がしばらく意識を失っていたことを自覚した。

(あ……あたし……死んでない?)

佐天はぼうっとした意識の中、生を認識した。

体中が痛い。指一本動かせない。

「あヒィっ! ……ふっ、ふっ……」

肉体逆転は生きていた。

左腕が千切れ、左半身は爆発の影響で黒焦げになっている。

(かなうわけがないかなうわけがない化け物化け物化け物化け物化け物化け物化け物
化け物化け物化け物化け物化け物化け物化け物化け物化け物……)

まだ動く右手と右足を使って、必死に床を引っかく。

もがいてもがいてもがきぬいた末に、背後から聞た声が絶望を運んできた。

「オマエみたいな最低の悪党でも、これくらいの覚悟はしてあンだろ?」
525以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:21:56.59 ID:05pn8HxA0
支援するぜェ
526以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:23:02.28 ID:yHrCxTUEO
「い、やぁっ!くるなっ」

一方通行は壁に背を預け立ち上がると、芋虫のように床を這いずり回る肉体逆転に銃口を向けた。

「無様だなァ、偽ガキ女ァ」

能力を使う余裕はない様で、一方通行のわき腹からも血は流れっぱなしだ。

だが、満足に立つこともできない肉体逆転に銃弾をかわす術はない。

一方通行は唇の端を引きつったように吊り上げて笑う。

「ひっ、やめ……」

「悪党の持つ『強さ』なんざ虚しいだけだ。そんなもンは『絶対』どころか『最強』にすりゃなれやしねェ」

そう言った一方通行の指が拳銃の引き金に絡んだところで、佐天は再び意識を失った。

乾いた音が響いた気がした。
527以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:25:38.31 ID:70Z/vAMQ0
支援
528以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:28:06.50 ID:uuG6zLSJ0
C
529以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:30:39.64 ID:pRFECFyy0
一方さんは幼女だと思ったら違ったからキレたのか
530以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:31:02.71 ID:uuG6zLSJ0
流石にそれは引く
531以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:37:18.80 ID:yHrCxTUEO
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・

エピローグ的な何か


「もう、佐天さんったら、びっくりしました。

 なんで佐天さんまで入院してくるんですか」

「あはははは、でもあたしのは検査入院で、たいしたもんじゃないし」

佐天は病院の一室で、隣のベッドでふくれっつらをしている初春に笑いかけた。

「……それにしても、気に入らないわ。

私がデパートについたときにはもう全部終わってたなんて」

見舞いのりんごを剥きながら、ベッドの脇に座った美琴が言う。
532以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:39:59.92 ID:yHrCxTUEO
「わたくしも……結局幻想御手についてのレポートを書かされただけでしたの」

黒子も不満げに続けた。

「お二人とも、心配かけてすみませんでした」

「佐天さんが謝ることじゃないわよ」

美琴はりんごを器用にウサギの形に剥き終え、皿に盛った。

「なんというか、今回の事件に関しては風紀委員にも詳細が聞こえてきませんの。

 表向きは警備員が解決したことになっておりますけど、佐天さんは何かご存じありませんの?」

「あー、あたし、気をうしなっちゃってたみたいだから」

そう言って佐天は言葉を濁した。
533以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:40:40.29 ID:70Z/vAMQ0
支援
534以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:44:20.38 ID:V7gpvz6G0
いやでもまてお前ら

一方さん…だぜ…?
535以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:44:49.56 ID:yHrCxTUEO
結局あの後佐天が気づいたのは病院で、一方通行の行方はわからない。

事情聴取に来た警備員にそれとなく聞いてみたが、あの場に倒れていたのは佐天だけだったらしい。

一方通行は、そして肉体逆転はどこへ行ったのか。

謎は深まるばかりだが、佐天には知るすべはない。

536以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:55:06.87 ID:yHrCxTUEO
「無能力者、か」

佐天は誰にも気づかれないよう、ポツリとつぶやいた。

無能力者と第一位の超能力者の間抜けな会話を思い出しながら。

とりあえずこのことは、自分の胸にしまっておこう。

超能力者だとか無能力者だとか、そんなややこしい自分の心の問題に整理がついて、誰かに話せるようになるその日まで。

とりあえず、今は――

「うーいはるっ!!」

「きゃあ! 佐天さん! スカートめくりができないからって

 ふとんめくるのはやめてください!!」

とりあえず可愛い親友のふくれっつらでも眺めていよう。
537以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 01:56:54.22 ID:yHrCxTUEO
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・

初春と佐天が入院している病院の、別の一室でのエピローグ。

「まったく、うっかり電池切れで病院に運ばれてくるなんて、アナタ意外とおドジさんよね

ってミサカはミサカははやし立ててみる」

不機嫌そうに眉を寄せ、布団をかぶって寝転がっている一方通行に、打ち止めがたたみかける。

「……あァー!うっせェな、オマエの声は響くんだよ

 ここがどこか忘れたか? 病院では静かにしやがれェ」

「チッ、馬鹿やっちまったぜ」
538以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:00:41.79 ID:yHrCxTUEO

結局あの後警備員が突入したデパートから何とか抜け出したはいいものの、グループの『仮眠室』にたどり着く前に電極のバッテリー残量が0になった。

ちなみにわざわざ救急車を呼んだのは『偶然通りかかった』海原である。

(絶っっっっ対嘘だ。あのうさんくさわやか野郎が)
539以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:06:44.28 ID:duCc8wbo0
>>529
なるほど
540以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:10:20.07 ID:joFeVXNdQ
保守
541以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:16:48.68 ID:yHrCxTUEO
「まったく、アナタはいっつも迷子になるし、ミサカがついてないとダメダメなのよね、

ってミサカはミサカはそっとため息をついてみる

……ってあれ? 何その眼光だけで人を殺せそうな視線は」

「……どうやら少ししつけがなってないようですねェ打ち止めちゃああああァァァン?」

一方通行はわしっと打ち止めの小さな頭をつかんだ。

そして握りつぶすように力を込める。
542以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:18:05.23 ID:yHrCxTUEO
「いたいいたいいたいいたいいたい!

ってミサカはミサカはアナタの過剰な嗜虐趣味は実は被虐趣味の裏返しなんじゃないかと疑ってみたり……

きゃあきゃあうそですごめんなさい、とミサカはミサカは私の出番はこれだけ?

と疑問を呈してみたりっ」

一方通行はふいに今回の事件で関わった少女の顔を思い出した。

(ガラにもなく人生相談なんてやっちまったなァ)

こんなことは二度とないだろうな、と思う。

しかし、一生に一度くらいは悪くない。

そんなことを考えながら、一方通行はのた打ち回る打ち止めを見ながら小さく笑った。



おしまい
543以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:19:38.14 ID:C4y8Xf7w0
>>1乙!

面白かった
544以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:20:19.24 ID:YyTUcYik0

一通さん打ち止めの回ですげぇ印象かわってそっからずっと好きだわ
545以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:23:06.63 ID:7sViafKN0
乙ー、面白かったぜェ
546以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:23:10.80 ID:BpC5byW/O
ほンと一方通行さンはかっこいいなァ
547以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:25:08.69 ID:P+68pYJ0Q
548以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:25:36.38 ID:0N6B5JLZ0
乙!
悪党の一方通行は格好良いわw
549以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:25:46.01 ID:yHrCxTUEO
おおおおおわったー!

長々とお付き合いいただきありがとうございます。

禁書SSはいくつか書いたことあるけど、佐天さんのぐだくだした気持ちとかち書いてみたかったんでちょっと小説っぽい書き方を試験的にやってみました。

風呂敷広げすぎてつらかった。

やっぱ自分には戦闘シーンとか無理なんで次たてるとしたらほのぼのにします。
550以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:26:12.79 ID:V7gpvz6G0
いちおつ

面白かったぜ
551以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:27:03.27 ID:2V1yx96t0
面白かったよ!おつかれ
552以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:32:56.66 ID:duCc8wbo0
面白かったです
さてんさんが無能力で…ってのが最近は好み
553以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 02:42:46.02 ID:GbMAOQvC0
おつ
おもしろかったよ
554以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 03:21:52.76 ID:uuG6zLSJ0
555以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 04:50:03.32 ID:2eBrq4M0P
面白かった
おつ!
556以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 04:51:10.32 ID:DFLtnR5H0
タイトルで佐天さんが一方通行の能力を得る話かと思ったがそんな事無かったぜ
面白かった乙
557以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 05:42:40.45 ID:86rUpwcz0
一方と誰かが絡む話はホントいいな・・・乙
558以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 05:49:26.28 ID:ukGyDxvpP
おつ
559以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 06:17:51.51 ID:tToCAp6HO
560以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 07:09:02.47 ID:oZHeDiA60
>>1
561以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 08:48:15.87 ID:DLMKKxSkO
>>一乙
無理のなさとオリジナルのバランスがよかった
562以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 09:52:24.40 ID:uuG6zLSJ0
            r-┐
            /  |
           ̄|  |
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            |.__,|      _ _   lヽ,,lヽ
              _| ::|_      | |Θ| (     ) ))
        | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|   し   i
        |___|__|_|  |_|    しーJ ....



     ウニョッ
      _____  ヾ
    ((  l、___   /
         / /
       /   /           チャリーン
       (  (__/| ))
        ヽ___ _,/      _ _ lヽ,,lヽ
      `ー      _| ::|_       | |Θ(     )
        | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_と   i
        |___|__|_|  |_|  しーJ
563以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 11:05:55.38 ID:pYjfx69F0
564以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 11:54:05.78 ID:mP4pClH90
>>1
565以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 12:00:36.22 ID:pB/NNIBV0
乙でした
566以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/28(日) 12:17:04.55 ID:yHrCxTUEO
こんな時間まで残ってましたか。

べっ、別に嬉しくなんかないんだからね!

とはいえ読んでくれてありがとうございました。
567以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
残っててよかった
丁度今読み終わったぜ
>>566お疲れ