変態新聞が科学技術が衰退するんじゃないかって、心配してる!? うーん……変態新聞らしくない!?
2月28日(日) 北九州版(福岡県)朝刊 5面[オピニオン]
ttp://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100228k0000m070082000c.html 社説:鳩山政権への手紙…川端達夫様
(※途中省略)
そこへ降ってわいたのが、「事業仕分け」です。いえ、「やり方が乱暴」などと、改めて文句を言いたいのでは
ありません。科学技術予算は仕分けになじまない面もありますが、無駄や不透明さがないわけではありません。
予算の必要性を説明しきれなかった文科省側の問題は見逃せません。
むしろ、仕分けには、「お茶の間の話題になるほど科学技術が注目を集めた」という歓迎すべき効果があったと
思うのです。あわてた科学者側も、これまでになく政治に反応しました。
日本の科学技術には課題が山積しています。大学の基盤的な研究費は減り続けています。博士号取得者を増やした
のに、人材を生かしきれず、若者の意欲がそがれています。iPS細胞のような優れた基礎研究はあるのに、
それをイノベーションにつなげる態勢にも弱さがあります。
仕分けをきっかけに、問題点を整理し、戦略的な政策立案に役立てることもできたはずです。それなのに、
チャンスを生かせていない。そんな気がするのです。
総合科学技術会議の判定も経て、最終的に出てきた文科省の予算案は「仕分けほどの削減ではなかった」という
ものでした。にもかかわらず、どういう政策に基づいて、仕分け結果を取捨選択したのか、わかりづらく、十分な
説明があったとも思えません。
政府は来年度から科学技術予算の編成の仕方を変えるそうですね。総合科学技術会議の改組も検討中と聞きます。
こうした改革を経て、メリハリのある予算配分を実現するのは最低限の課題でしょう。
さらに、科学技術立国に向けた明確なメッセージがほしい。そのためには、かつての科学少年が、
もっと「情熱」と「厳しさ」を持って日本の科学技術を語ることも大事ではないでしょうか。