文才のある小説家を探して

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
ここはお題をもらって小説を書き、筆力を向上させるスレです。


◆お題を貰い、作品を完成させてから「投下します」と宣言した後、投下する。

◆投下の際、名前欄 に『タイトル(お題:○○) 現在レス数/総レス数』を記入。メール欄は無記入。
 (例 :『BNSK(お題:文才) 1/5』) ※タイトルは無くても構いません。
◆お題とタイトルを間違えないために、タイトルの有無に関わらず「お題:〜〜」という形式でお題を表記して下さい。


※※※注意事項※※※
 容量は1レスは30行、1行は全角128文字まで(50字程度で改行してください)
 お題を貰っていない作品は、まとめサイトに掲載されない上に、基本スルーされます。

まとめサイト:各まとめ入口:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/
まとめwiki:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/
wiki内Q&A:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?Q%A1%F5A
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:11:54.28 ID:Bb1n2JmR0
▽読み手の方へ
・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい

▽保守について
・創作に役立つ雑談や、「お題:保守」の通常作投下は大歓迎です
・【!】お題:保守=ただ保守するのも何だから小説風に保守する=通常作扱いにはなりません

▽規制されている方へ
>>1から辿って行けるまとめ板に、規制者スレがあります。
 そちらの方に投下していただければ、心ある人が転載してくれます。

▽その他
・作品投下時にトリップを付けておくと、wikiで「単語検索」を行えば自分の作品がすぐ抽出できます
・ただし、作品投下時以外のトリップは嫌われる傾向にありますのでご注意を

▲週末品評会
・毎週末に週末品評会なるものを開催しております。小説を書くのに慣れてきた方はどうぞご一読ください。
 wiki内週末品評会:http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?%BD%B5%CB%F6%C9%CA%C9%BE%B2%F1
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:12:44.74 ID:Bb1n2JmR0
434  ◆h97CRfGlsw    Mail :   

You raise me up... to more than I can be.


第203回週末品評会 『応援』


規則事項:5レス以内。
投稿期間:2010/02/20(土)00:00〜2010/02/21(日) 23:30
宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外。
※折角の作品を時間外にしない為にも、早めの投稿をお願いします※

投票期間:2010/02/22(月)00:00〜2010/02/23(火)24:00
※品評会に参加した方は、出来る限り投票するよう心がけましょう※
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:19:32.77 ID:Bb1n2JmR0
>>1乙!
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:25:58.43 ID:Te9Y+w7l0
こんな時間に立てんでも・・・
1乙!
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:49:53.66 ID:jR0p+1N30
いちおつ
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 02:50:54.89 ID:k2ywxzT3O
1乙
お題下さい。
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 03:13:33.04 ID:k2ywxzT3O
保守
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 03:19:15.15 ID:c5xxBnaIO
>>7
災い
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 03:20:17.09 ID:GiUGj8pg0
>>7
夜の目
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 03:23:03.02 ID:udysZFWn0
>>7
オッズ
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 03:31:33.96 ID:k2ywxzT3O
災いでいこうと思います。
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 03:36:22.84 ID:k2ywxzT3O
投下します
14『ある町の歴史(お題:災い)1/1』:2010/02/19(金) 03:37:25.99 ID:k2ywxzT3O
果樹園からわずか10キロほどのところに、廃墟になった空港があった。
そこには飛行機が一機もなく、滑走路に黒いゴムタイヤの跡があるだけだった。
ある日、近所に住む農夫が空をみて、こう言った。
「今日は草刈りにはしんどいが、旅人には風がほれ、いい天気だ」
子供たちは両手を翼にして、轍とたわむれながら外国を夢見ていた。
女たちはそんな男たちを誉めるでもけなすでもなく、黙々とリキュールを密造して、影の中で一日を過ごしていた。
私はこの町の歴史を、寡聞にして知らない。
しかし、全てが静かな儀式の中にあるようなこの町で、私は一度だけ飛行機が空港に着陸するところを見た。
子供たちは手を振り、男は手でひさしを作り、女たちはプラムの漬け込みを止め、皆が眩しそうに空を見上げた。
占領軍だった。
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:16:56.79 ID:3NJEZy3a0
落ちた前スレのお題「難題」
投下します
16マスターと僕☆ミ 1/2(お題:難題):2010/02/19(金) 04:18:52.14 ID:3NJEZy3a0
 “居心地が良い”と口ずさむ事があるだろう、人ごみが多い雑多とした空間を良しと
する者も居れば、樹林に囲まれた静寂な場を好む者もいる。個人の感性により物事の良
し悪しは変わると思うが、万人に“居心地が良い”と思ってほしい、私は日頃から店の
雰囲気づくりに精を出している。


 サラリーマンが通勤する際は乗り換えに使い、若者はもっと栄えた所へ遊びに行く。
買い物客が足を運ぶわけでもなく、商店街は地元の人ばかり。そんな寂れた町に私の店
はある。商店街を抜け路地を彷徨うと、誰もが見覚えあるだろう青地に描かれた鍵のマ
ークの喫茶店、そんな類の店である。店に足を運ぶ層は地元の主婦やご老人が専ら、営
業中のサラリーマンや試験間近の学生なども見受けられる。

店は小さく繁盛していないと言い切れるが、折角足を運んでくれた方々に一時でも朗ら
かな気持ちになってほしいという思いがある。故にディスプレイ用の豆入れやポットの
位置に頭を悩ませたり、耳に入る音も重要なインテリアなので四十年代のモダンジャズ
やニューオリンズやらを調べたこともあった。しかし初見のお客様の方へ耳を傾けると
『椅子とか小物とかが落ち着いてる感じ〜、御洒落だけど気取ってない〜』
と形容してくる、それらは視覚的イメージを指しているだけで、私が感じ取ってほしい
物は届いていなかった。
17マスターと僕☆ミ 2/4(お題:難題):2010/02/19(金) 04:20:47.60 ID:3NJEZy3a0
///総レス数の訂正です///


 ある日、いつも通り朝の仕込みを始めていると店の入口に人影が見えた、外は今朝か
ら突然の豪雨で夕暮れと間違うほど雲がかかっていた。私は特に変な意識も持たず、そ
の人影に声を掛けた、
「兄さん、そんな所だと雨宿りにもならないから入んな、冷えてるだろうから一杯やるよ」

 ハトが豆鉄砲を食らったような面を見せる男、傘も差さないものだから髪を少し湿ら
せている。男が入れるように扉を引き、早く入れと促すと、男は深々と二三お辞儀して
店に入った。
大きなバックパックを担いでいる所から推測すると旅行客だろうか、そうだとしても見
て回るような場所のないこの町に足を運んだ理由が分からない。そんな事を考えながら
先ほど畳んだばかりのタオルの山からなるべく手触りのよいものを男に渡した、顎でカ
ウンターの方を指すと、男は会釈しつつバックパックを降ろし席に座った。席に座って
間もなく、悟られないように最低限の動作で店内に目を配らせている。私は若干口角が
上がった、悟られないように観察する事に関しては私の方が長けている、客入りが少な
く暇なときはそれをして時間を潰しているからだろう。妙な張り合いを覚えた。

 挽きたてのその日一番のコーヒーは普段私が飲んでいるのだが、今日は来客に譲った。
男は軽く会釈をしてなるべく音を立てないように啜ると、白い吐息を出しながら両手で
腿を擦った。店内に響く音はカップを拭く音と、それを戸棚に入れる時の衝突音、外で
は絶えず雨粒がコンクリート目掛けて突撃している。ふと男の方へ視線をやると、向こ
うも私の方を見ていたようで目が合った、こういう時は何か会話を交えるべきなのだろ
うが、妙に気恥ずかしくなった私は視線をカップの方に戻した。それから三つ目のカップ
を戸棚に戻すついでに横目で男の様子を探ると、額に手を当てて飲み終えたコーヒーカップ
を眺めていた。特に詮索しようとは思わず、私はカップを磨いていた。
18マスターと僕☆ミ 3/4(お題:難題):2010/02/19(金) 04:22:42.57 ID:3NJEZy3a0
 暫くすると雨脚が和らいでいた、丁度開店の時間に差し掛かっていたので看板を出し
に行こうとする、すると男は気が付いたようで、バックパックを背負いタオルを畳んで
私に返しつつ初めて口を動かした、
「もう店を開けるみたいですね、お邪魔になりそうなので失礼します」

喋れるなら入る際にお礼の一言でもないのか、と思っていると続けざまに、
「折角居心地がよかったのに、少し残念です」

今度は私が豆鉄砲を食らった、男はその様子に首を傾げたが、その男の首を真直ぐに正
し、質問した、
「何故、そう思った?」

男は若干困惑しながら答えた――
19マスターと僕☆ミ 4/4(お題:難題):2010/02/19(金) 04:23:35.28 ID:3NJEZy3a0
 挽きたてのその日一番のコーヒーを啜りながら、店内に目を配る。余計な小物は取り
払い、卓上にはメニューとコンディメントのみが乗せてある。カウンターには若干のディ
スプレイが置いてあるが、それでも数点ほど。泳いでいた視線を手元のコーヒーに戻し、
ふといつか来客したバックパックの男が話していた事を思い出す。

「実は些細な事で片親の父と喧嘩して家出をしていたんです、この町に来た所で野宿し
 夜を越したら、朝方の豪雨で……、途方に暮れていた所でマスターに声を掛けてもら
 いました。最初は父に似てぶっきらぼうだなと思ったのですが、濡れている僕にタオ
 ルをくれたり、暖かいコーヒーを淹れてくれたりと。そんな些細な気遣いも……父に
 似ていたんです。目が合ったら慌てて視線を逸らしたところなんかも……。それでい
 て僕が考え事をしている素振りを見せても、声はかけずに……そんな所も父に似てい
 て。この店に入ってからの出来事、心の交流と言えばいいんでしょうか、そんな風に
 感じて。僕の頭の中を見透かしている、とまでは言わなくても、察してくれているよ
 うな。どうして居心地が良いと感じたかはうまく言えませんが、今までのもやもやが
 晴れました」

 今だ店の雰囲気づくりに四苦八苦している。
内装をいじったのはただの気まぐれかもしれない、店内に流れる音楽は変えていない。
私の愛想がよくなったわけでもないし、客と頻繁に世間話を交わすようになったわけで
もない。強いて変わった事と言えば、雨が続く日にはタオルを洗う際に柔軟剤を使うよ
うになっただけだ。 
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:26:14.26 ID:3NJEZy3a0
以上です、久しぶりで推古足らずな部分も多いかもしれません
見苦しい点ばかりと思いますが、気が向いた方は批判感想頂けると幸いです
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:28:01.63 ID:k2ywxzT3O
テスト
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 04:30:49.94 ID:k2ywxzT3O
ありゃ、書き込めた。
改行の文字数がめちゃくちゃでごめんなさい。批評よろしくお願いします!
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 05:03:40.60 ID:CiAUg+QV0
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 05:19:40.36 ID:R3gAasC/P
>>14
んー。
文章の流れが変かもな。
「子供たちは外国を夢見ていた。 → そんな男たち」ってのは繋がってない。

「飛行機が空港に着陸するところを見た → 空を見上げた」も変な感じ。
「着陸した飛行機を見上げている」ように読めてチグハグ。

個々の描写は雰囲気が出てるから、文章間のつながりをもう少し意識するといいかもしれない。

>>16
何だかなあ。
オチの意味がさっぱり分からん。
文章は読みやすいし、描写も雰囲気がでてるが、どうにもパンチ力不足な印象。
25O工業殺人事件 0/2 (お題:ゴミ袋):2010/02/19(金) 05:21:34.75 ID:R3gAasC/P
通常作投下。
26O工業殺人事件 0/2 (お題:ゴミ袋):2010/02/19(金) 05:23:43.17 ID:R3gAasC/P
「刑事さん。俺がその人形を棄てることになったのは、その人形が非処女だと判明したからです」
「つまり使用済の商品をつかまされたということですか?」
「そうともいえます」
 この奇妙な会話は、ある地方都市の警察署の応接間で行われたものだ。
 俺はつい先刻まで、殺人の嫌疑をかけられて誤認逮捕されていた。鑑識の結果、あっさり冤罪だと判明したので即時
釈放されたが、警察のほうでは始末書を書かなければならないというので、こうして参考人聴取に協力させられている。

 より正確に解説を加えるならば、正確には「その人形の元ネタになったアニメのキャラクターが、実はストーリー上、
非処女であったことが判明したため、俺を含む原作ファンが腹を立てて、そのキャラクターのグッズを棄てるという行
動に走った」という話なのだが、そういわれても初老の刑事さんには多分、何のことだかさっぱり分からないだろう。
 だから俺は、いい加減にそう答えた。
 このとき、おざなりな供述をしたことを、将来、俺は後悔することになるのだが。

 バイオポリマーを用いた技術により、生物の皮膚に似た質感の素材が開発されたのは数年前のこと。その新素材を真っ
先に導入したのは人形製作会社O工業だ。同社は目鼻立ちといい、髪といい、身体つきといい、かなり精巧に人間の女性
の身体を模写したスケール1/1の人形を作って販売し、俺はそれを通販で購入した。
「……それにしても、捨て場に困るよな、コレ」
 俺はぼやく。

 この人形、――いざ不要になってみると、どうにも捨てるに困る代物だった。
 素材そのものは可燃物でできているのだから、燃えるゴミでいいはずだ。 そう考えて俺は、人形の衣服を脱がすと、
関節ごとに分解し、頭を外して生ゴミと一緒に半透明ゴミ袋に放りこんでおく。
 どうやら生ゴミの酵素が人形の皮膚を分解したらしく、ゴミに出す頃には見るからに不気味な状態になった。季節が盛
夏だったということもあるかもしれない。しかし、どうせ棄てるんだからいいやと考えて、俺は普通にゴミに出した。
 近所の目が気になったが、――まあ、しょうがない。

 数時間後、警察が来た。
 どうやら人形を死体と勘違いしたゴミ回収業者が通報したらしい。――逮捕された俺は警察の取調を受けた。この『死
体』は鑑識にまで回されたそうだから、きっと検視官の人も仰天しだだろう。一連の顛末はスポーツ紙の片隅で紹介され、
アガサ・クリスティの名作推理小説をもじり「O工業殺人事件」と呼ばれたりなどした。
27O工業殺人事件 2/2 (お題:ゴミ袋):2010/02/19(金) 05:25:05.75 ID:R3gAasC/P
 この話には笑えない後日談がある。
 季節が晩秋に入る頃。
 事件を忘れかけていた俺の元に、警察署から一本の電話が入る。
「え? え? 中古品を新品と偽り販売した容疑で、アダルトグッズ販売業者を逮捕した? 被疑者が容疑を否認して
いるから、被害者として証言して欲しい?」
 言うまでもないことだが――それも完全に冤罪だ。
 そもそもあの人形は、性処理用の人形ですらなかったのだが……、誤解を生んだのは疑いなく俺の言動のせいだろう。

 誤解が誤解を生み。冤罪が冤罪を生む。――それが世の中というものだ。
 ちなみに、ファンと、警察と、アダルトグッズ販売店を翻弄した魔性の非処女は、今日もブラウン管の向こうで無邪
気な微笑を浮かべている。
 ――いい加減な供述は止めよう。
 俺は心から思った。
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 05:27:13.48 ID:R3gAasC/P
以上です。
お題ください。
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 05:27:37.58 ID:GiUGj8pg0
無駄な描写を省いたのかもしれないけど、それにしたって描写不足。
言葉とか展開とか、色々雑。
「轍とたわむれる」っていう使い方はどうなんだろう? すごく違和感を感じる。
おそらく轍を滑走路に見立てて、その上を子供たちが飛行機ごっこしながら駆けている
っていう場面だと思うけど、それならそれで
子供たちは両手を翼にして、轍を駆けながら外国を夢見ていた。
でもいいわけだし。なぜあえて「たわむれる」という単語を使ったのか分からない。
それから主人公は農夫の言う旅人だと思うんだけど、その旅人に密造がバレバレってどうなの?
密造っていう言葉を使うぐらいなんだから、外部に漏れないようにやれよって思う。
町に対する災いなのかもしれないけど、語り手が町にまるで関係ない旅人なおかげで、
お題の災いも効果が薄くなってる。
旅人にとっちゃ占領軍なんてまるで関係ないわけだし。
それとも旅人にも何か災いがあったの?
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 05:28:27.50 ID:GiUGj8pg0
あ、>>29>>14の感想です。

>>28
ピン
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 05:41:37.15 ID:udysZFWn0
>>28
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 05:45:56.73 ID:R3gAasC/P
>>29
個人的には「轍と戯れる」は優れた描写だと思うぞ。
意味は完全に通じるし、雰囲気も出てる。
(つーか、「轍を駆ける」じゃ、単に真っ直ぐ走ってるだけに読めてしまい「平和な感じ」が微塵も出ない)

ちなみに俺には「滑走路」じゃなく「飛行機雲」に読めるが、そこら辺がアバウトなのもグッド


>>30 >>31
thx
俺に複合をこなす力量はないから、どっちか貰う。
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 06:07:55.70 ID:k2ywxzT3O
>>24
ありがとうございます。参考になりました。

>>29
ありがとうございます。
今まで自分が重厚長大な文体だったのを直して、
リアルに絵が浮かぶ一方で自由に想像できる描写を目的に
軽量短縮な文体を目指してみたんですが、まだまだだったようです。
以上を踏まえた上で
>>32さんの『アバウトなのもグッド』という言葉に安堵しています。

作者の個性と読み手の個性のぶつかり合いが楽しかったです。

重ねて批評ありがとうございました。
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 06:27:00.26 ID:3NJEZy3a0
>>24
簡単なプロットを数十秒で組み、在り来りな設定を当ててしまって
それでいて『ながら書き』になったので、ただの自慰小説の類になってしまいました
「なんだかなあ」と言われて若干ほっとしました、なら投下するなよ……とか言わないで!

お褒めの言葉も頂き有難う御座います、若輩者に宛てた当り障りのないソレだとしても嬉しく思います

お題をもらいここに投下する時は、極力お題の単語を用いずに、いいお題の消化方法を目指しているのですが
それがどうにもうまくならない、皆はお題消化の為にその単語や湾曲表現を頻繁に出しちゃってるのかな?
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 06:36:50.51 ID:k2ywxzT3O
お題下さい。
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 06:38:59.37 ID:udysZFWn0
>>35
浮き物
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 06:46:03.11 ID:Bb1n2JmR0
>>34
ひとそれぞれ、構成しだいだろ。
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 06:52:25.82 ID:R3gAasC/P
>>34
俺は、ほぼ確実に「お題の単語そのもの」を文中に出してると思う。
それも、なるべく頻繁に出す。

お題を「テーマ」じゃく、「モチーフ」と捉えているから当然だが。
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 06:58:49.20 ID:hsiMbVIZO
オリジナル小説とはいい度胸じゃないか・・2ちゃんねるでねぇ・・・
ダメだよ君たち程度の才能じゃね・・・まったく話にならないな・・
イタイ作文を通り越してもはや苦痛でしかない・・まぁ仕方ないかな・・・
ククク・・・文才のある小説家は実はみんな僕が殺してしまったのだからね・・・さてさてじゃあ・・
レッスンその1だ・・・・僕の目的を当ててごらんよ・・どうだい小説家さん・・・
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 07:00:11.80 ID:Bb1n2JmR0
>>39
こどものおもちゃ
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 07:14:05.62 ID:hsiMbVIZO
>>40
ハァ?一体なんの話だいそりゃ、日本語すらまともに扱えないだなんて面白い人達じゃないか・・
アンタ等の中に才能の欠けらでもある人間がいるってのかい?コードネームか何かのつもりなのかい?
クズはいくら集まってもしょせんクズさ・・・フフフッアハハッ・・・とにかく酷いもんだ
シンジラレナイ、まったく話にならないよ、会話すら成り立たないとはね・・
タラコの作った掲示板も堕ちるとこまで堕ちたもんだ、まさしくこれこそこどものおもちゃだよ・・
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 07:15:36.47 ID:k2ywxzT3O
投下します。
43『太陽(お題:浮き物)1/1』:2010/02/19(金) 07:19:35.55 ID:k2ywxzT3O
海亀が、明るい珊瑚の森から姿を現した。
独特のうるんだ瞳が半透明の浮き物を捉え、くねらせた後足で体勢を傾けると、海亀はそれを目指して推進しはじめた。
人の暮らしを知らない海亀にとって、ビニール袋はクラゲのように見えた。
水中から見上げた、輝く波の裏側は、割れたガラスの切り口のようだ。
海亀が口を開く。吸い込まれたビニール袋が、喉に張りつき、無垢な生き物が苦しみだす。
ピンクの水着を着て波打ち際ではしゃぐ女児は、何も知らない。
寄せる波が、小さな足あとを消す。
もがく海亀が、最後の呼吸をした。
全ては太陽の下での出来事だった。
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 07:21:50.57 ID:k2ywxzT3O
終わりです。批評よろしくお願いします。
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 07:50:12.78 ID:wtIlenIU0
>>44
テーマをどの程度まで捉えているかが不明だけど、
この作品の場合だったら、「ビニール袋」にもっと焦点を合わせないと駄目なんじゃないか
4行目で「割れたガラスの切り口のようだ」という例えが入ってる事によって、なんというか目が散る
ピンクの水着を着た女の子を出して文明と自然の対比を狙ったようだけど、「何も知らない」はざっくばらんすぎるな
あとはなんか、全体的に文章のリズムが作れてない気がする
例えば2行目で、「うるんだ瞳」をまず主語に置いてから、海亀という単語を出す所とか。迷ってる感じ
要するに、面白いオチもなくて、テーマもふわふわしてて、文章に気が利いてない
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 08:18:20.51 ID:hsiMbVIZO
>>43
ミスだよね。よくあるミス。小説書こうとした事自体がミスというか
ジーッと見てたらどこにも小説の要素がなくて笑ってしまったよ・・・フフフッ
カップヌードルだって3分かかるのに、それより時間がかかっていなそうに見えるね
スキマ風が入ってきそうなちゃちなこの骨組みに何の意味があるのかな、もしかして・・・
ギャグなのか。そうかコイツはミスだ。頼むからそうだと言ってくれ
ビギナーでない口振りだけど・・・まいったね、回線切って首でも吊りなよ
ミョーに説得力のない文書さえ、その構成力の無さには適わないだろうね
ウソみたいに浮わついてるつまらなさだ。頼むからまともな作品を書いておくれよ
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 08:40:09.40 ID:ecpWy9LhO
お題くだせえな
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 08:55:41.43 ID:Bb1n2JmR0
無味乾燥
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 09:14:12.73 ID:qobt+/y/O
題プリ
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 09:30:39.95 ID:ZvVpDj5S0
賭け
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 09:38:27.13 ID:qobt+/y/O
ありがと
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 10:14:04.01 ID:hsiMbVIZO
>>40
トリックか何かなのかい?まだ気になって仕方ないよ。
ウイークポイントをついたいい作戦さ。俺は謎めかした不思議な物事には目が無いんだ。
カアッとなってすまなかったね。興奮すると自分が押さえられなく無くなるんだ。こないだもこんな事があったよ↓
53こどものおもちゃで思い出したけど:2010/02/19(金) 10:16:01.11 ID:hsiMbVIZO
コイツに殺されたい、そう思った事がある奴は幸せ物だろう。なぜならそこには死を超えた何かがあるはずだから。
ドブネズミだってもう少しましな死に方を選ぶはずなのに、なぜだろう。相手だって喜ばしい事態ではないだろう。
モラルを超越した磁場で、俺は唯一の幸せ者だった。そこに難しさや複雑さはさし挟まる余地はこれっぽっちもない。
ノックアウトされてしまっていた。ただそれだけの話だ。すべてを捧げても足りないくらいだ。
オチはない。あるとしたら叶わない夢を見た男のありふれた末路ぐらいだろうか。とはいえこれは。
モナリザの秘密にくらいは触れたのかもしれない。なんて世迷い事を言いたくなる。そのぐらい魅力に勝てっこない。しかし・・
チャオじゃなくてリボンだったとは。じゃあぐるぐるパンチで殺されてくるとしよう。とにかくかわいいは正義。
54 ◆6z7P1V1BjU :2010/02/19(金) 10:44:20.64 ID:2L9pQLwqO
投下します
55『浅羽の一生 (お題:モノクロ) 1/4』 ◆6z7P1V1BjU :2010/02/19(金) 10:46:29.46 ID:2L9pQLwqO
 夕方。すぐに暗くなってしまった空のとおくの方に、
ぐにゃぐにゃ、と下のほうから上へ上へと曲線を描いている、一本のしろい煙をみた。
それは、真上に行くにつれては消えゆき、またもや、下の方からぐにゃぐにゃ、と生まれ出でてくる。
途切れることなく、ぐにゃぐにゃと、
月より高くのぼって、あたしが届かないところにまで、そいつ、は、糸もかんたんに行けてしまうのだ。
あたしは無性にいらだって、無意識にそいつの所へ駆けていた。
 世の中で一番嫌なこと。
努力もしないやつが、あたしよりもっと上に、たくさんたくさんいることだ。
あたしがどれだけ走る努力を積んだところで、浅羽、には勝てない。
なのに、練習にも学校にも来ない、浅羽は、あたし、より、もっともっとはやく走る。
56『浅羽の一生 (お題:モノクロ) 2/3』 ◆6z7P1V1BjU :2010/02/19(金) 10:47:33.10 ID:2L9pQLwqO
 真冬の風がびゅうびゅう、と、乱暴にあたしを巻き込んでは通り過ぎて行く。
制服のセーターに身をちぢめて、できるだけ早く走る。モノクロな、暗い夜空に、浅羽の背中を思い浮かべて。
 もっと、もっと、早く動け。
浅羽くらい、もっとはやく。あの背中に触れられるくらい。
 存外はやく目的の場所へと走りおえて、乱れた息を少しずつ時間をかけ、整える。
目の前には、真っ赤な炎がメラメラと燃え上がり、例のそいつ、を生んでいた。

「…なにしてるの」
 あたしはいつも目の前にある見飽きた背中へと問う。
「火事ごっこ」
 浅羽は振り返らずにこたえた。そして、ただじっ、と、炎を見ていた。
 浅羽曰わく、火事ごっこ、を見たのはこれで二度目の事だった。
ヘンなやつ。浅羽はヘン、だ。手首に傷がたくさんあったり、体中あざだらけだったり。
57『浅羽の一生 (お題:モノクロ) 3/3』 ◆6z7P1V1BjU :2010/02/19(金) 10:49:16.72 ID:2L9pQLwqO
「赤いね、浅羽」
 赤い炎に照らされて、赤くなっている浅羽は、モノクロな背景にぽつん、と浮いていた。
モノクロな背景と赤い炎と赤い浅羽と。
その世界が酷く滑稽で、ぐちゃぐちゃに汚してしまいたくなった。
「俺の背中、思いっきりおしてよ」
 浅羽はあたしに、か細い声で告げた。
あたしは言われた通り、浅羽の背にやんわりと触れて、どん、と力を込めておす。
赤い炎へと浅羽は力無さげに倒れていく。
 こんなにも、弱々しかったっけ。最初で最期の浅羽の背に触れて、はじめて、浅羽自身、に触れた気がした。
「ありがとう。さよなら」
 浅羽は長い間、誰かに、死ぬことへ、背を押してもらいたかったのだろうか。
ごく自然に、あたしは泣いていた。泣きながら、またね、と、呟いた。
 赤い浅羽は、いずれしろくなって、ぐにゃぐにゃと、暗い空にモノクロな曲線を描き
あたしには、ずっと、ずっと、届かない月の上にまでのぼっては消えゆき。
また、生まれ出でるのだろう。
58 ◆6z7P1V1BjU :2010/02/19(金) 10:50:23.22 ID:2L9pQLwqO
>>55
すみません…総レス数間違えました…
59 ◆6z7P1V1BjU :2010/02/19(金) 10:51:58.73 ID:2L9pQLwqO
以上です。初めて投下したので至らない所などありますと思いますが批評お願いします。
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 11:48:22.93 ID:9cosHkvK0
前スレが、上げる前に落ちたんだよなぁ
一回別のスレに上げちゃったけどね…
とりあえず投下します
61撃墜屋 1/5(お題:空):2010/02/19(金) 11:49:37.75 ID:9cosHkvK0
今日も僕は、空を見上げる。
『みんな、弾薬の残りは? 確認した?』
「大丈夫です」
トランシーバーの方を見向きもせずに、先輩の問いに答える。いつものやりとりだ。
『北西ゲート、爆撃機が侵入。いち、にぃ…四機だけど、確認できる?』
スコープから一旦目を離すと、遠くに米粒ほどの黒い機体が…確かに四機見えた。
『そこから見て1は先頭、2は右側、3は左側、4は後尾の機体をお願い』
僕は左側の機体に焦点を当てる。砲心の角度をキッカリ19°左にズラして、標準を合わせた。
よし、ロックオン完了。ここからなら多少の誤差は範囲内だ。
射程からはまだ遠い。数秒も待てば範囲内に入ってくるだろう。
「こちら敵機確認。ロックオンしました。発砲許可お願いします」
『もう出してあるよ。あとはお願いね』
「了解」
敵機が空を切り裂きながらこちら側へと飛んでくる。
飛んで火に入る夏の虫、とはこの事か。
三、二、一。心の中で三数え終わると同時に、レバーを引く。
砲弾が打ち上がり、戦闘機は花火を咲かせていった。
少し遅れてから爆発音がこの鉄の大地に、僕の体に響き渡る。
『撃墜成功を確認。みんな、お疲れ様』
トランシーバーから隊長の声がする。周囲は、緊張から開放された隊員達の声で少しずつ騒がしくなっていった。
「ふぅ……」
僕も、ずっと棒を掴んでいたままの右腕を離し、後ろに倒れながら大きく体を伸ばした。
今日も、疲れる仕事であった。
62撃墜屋 2/5(お題:空):2010/02/19(金) 11:50:45.99 ID:9cosHkvK0
ここは鉄の大陸。本土を焼き尽くされた我が国の最後の砦だ。
地下にはどれくらい収容できるかは知らないが…まぁ、政府の要人達が丸ごと入れるくらいのスペースはあるようだ。
爆弾が落ちてきてもビクともしないらしいが、こうして僕達がいる以上怪しいものだ。
僕…いや、僕達はここの大陸を守護するための「撃墜屋」である。
まだ僕等の国が緑に溢れていた頃、撃墜用の自動砲台が何の役にも立たなかった事を踏まえて、国が作ったものだ。
さっきのように、爆撃機を撃ち落とすのが仕事。中には、人を殺す重圧に耐えられず逃げだしてしまう者もいる。
だが、待遇はそれなりにいい。三食ちゃんとつくし、交代制であるために休憩時間さえある。
まぁ、上の方々は自分の手は汚さず地下の安全地帯でぬくぬくと、僕達よりも快適な生活を送っている事だろうが。
「はぁ……」
思わず、溜息が漏れる。
僕達は「仕事」を終えて食堂へと来ていた。美味そうな食事だが、なかなか喉を通らない。
この食事は、どこから出ているのだろう?
我が国は貿易大国だった反面、食料自給率はとても低い。
他国を敵に回してしまっている現状において、どのように食料を手にしているのか。いや、得られてないのでは?
考えるととても怖い事だったので、別のことを考える。
ここには撃墜屋や政府の方々の他にも色々な人がいる。
この食事を作っている料理人だとか、怪我人を助けるための医者だとか。
スポーツをする人など、娯楽を作る人も何人かいる。人間の最大の敵は退屈だからだ。
どの人も、仕事をしている。では、仕事をしない者はどうなるのだろう?
僕はここで子供を見た事はほとんどない。いたとしても、僕と同じ撃墜屋だ。
この前は妊婦が海に落とされているのを見たっけ。妊婦には多くの栄養が必要だからだろうか。
そこまで考えたところでああ、やはり食料はないのだな、と思った。
その事実に寒気がした。
ならば、僕だって撃墜屋をやっていなければこの大陸にはいられないのだ。
僕はいつまでこんなことを続けてなくてはならないのか。いつまで続けていられるのか。
少なくとも、自分が生きるために他人を切り捨てるようなやり方では、この国は長いこと持たないことは容易に想像出来る。
そうなれば、僕はどうなるのだろう? そこまで考えて、また暗い気持ちになってしまった。
63撃墜屋 3/5(お題:空):2010/02/19(金) 11:52:17.88 ID:9cosHkvK0
「どーしたの? 暗い顔しちゃって」
「あ、先輩……」
僕が食べている席の隣に、僕達の隊の隊長である先輩が来た。
女だが、視力の良さと視野の広さ、情報伝達の速さにより撃墜屋の隊長をやっている。
仕事は主に隊員への指示で、最初は「上から指令出してるだけで楽そうだな」などと思ったものだ。
一度仕事の様子を見たらそんなことも言えなくなったが。
「いや、毎日毎日疲れますよね……」
「そーだね。でも、仕方ないよ。D隊から一人処分者が出たらしいよ? 打ち損じが今月で6発だってさ」
撃墜屋が使う砲弾は鉄も一瞬で溶かす特別製で、無駄打ちは許されない。
そのため、腕の悪い撃墜屋は処分されてしまうらしい。
「そうですか。まぁ、僕達も海に放り出されて死ぬよりはこうして仕事をしている方が楽ですよ。死ぬよりは、よっぽど…」
「……大丈夫? 先輩でよければ相談に乗るよ?」
「先輩に話してもどうもならない事ですよ」
そう言うと、彼女は一瞬悲しそうな顔をして、顔を伏せてしまった。
「あ……」
しまった、と後悔していると先輩は顔を上げて、僕の手首を掴んだ。
「ちょっと、来て」
「え? 先輩……」
先輩は、どこかへと向かって歩き出す。
僕は食べ残しもそのままに、引きずられるように彼女の後を付いていくことになった。
着いたのは、撃墜屋が練習を行う砲撃場だ。僕も撃墜屋になった頃はここで練習したものだ。
ここは大陸の隅の方にあるので、僕が来るのは随分と久しぶりだ。
「せんぱーい? どこですかー?」
先輩の姿を探す。途中で手を放してしまったため、先に行ってしまったのだ。
「えーと、弾薬の残りはっと…うん、大丈夫だね」
「せ…先輩!?」
彼女は、そこらにあった砲台に乗って色々といじくり回している。止める間もなく、発射レバーに手をかけた。
64撃墜屋 4/5(お題:空):2010/02/19(金) 11:53:16.86 ID:9cosHkvK0
「何やってるんですか先輩!」
「ほら、よく見てなって」
先輩がレバーを引くと、砲弾が打ちあがり、爆発する。
「……………」
一瞬だけ広がる無機質な黄色い炎。僕はそれを、ただ眺めていた。
「どう? 綺麗じゃなかった?」
「……いつも見ているのと同じです。綺麗じゃありません」
「そっか」
「……?」
彼女は、砲台から降りて僕の横まで歩いてきた。横目で見るが、その表情に落胆の色はない。
先輩が見せようとしていたのは、今の爆発ではないのか? その顔が上を向いていたので、僕もそっちを向いた。
「あ……」
すると、さっきまで覆われていた煙は晴れ、そこには。今までずっと見上げていたはずなのに、気付かなかった。
青い青い、空があった。
「……………」
「悩んでるときは、空を見るといいよ。空はいつでも、私たちの見上げるところにあるから」
「ね?」と先輩は笑う。
ああ、なるほど。僕は、自分の抱えていた暗い気持ちが少しだけ、軽くなっていくのを感じた。
「どう? この空を見てると、悩みなんてどうでもよくなってこないかな?」
「……いえ、きません。そりゃ、少しは綺麗だとは思いましたが……これくらいじゃあ僕は騙されませんよ」
「ありゃ。騙してるつもりはないんだけどなぁ」
当然だ。これくらいの事で吹き飛ぶのなら、そもそも悩んでなどいない。
でも、まだ空は青く見える。これくらいの事でも。
「先輩、ありがとうございます」
「ん? 悩み、全然解決してないんでしょ?」
「それでも、多少楽になったのは事実ですから」
そう。これくらいの事でも、僕の心は、少しだけ救われていた。
「はっはっはー、悩んでいる部下を助けるのは隊長の役目よー」
わざとらしく、茶化たように言う。この人には敵わなかった。
65撃墜屋 5/5(お題:空):2010/02/19(金) 11:54:37.62 ID:9cosHkvK0
僕達は休憩所にいた。
あのあと、騒ぎを聞きつけた監視官が来たので二人で逃げてきたのだ。
「いつか戦争が終わったらさ」
「はい?」
飲んでいたコーヒーのカップから口を離し、先輩の方を向く。
「隊のみんなで飲みに集まってさ。昔は撃墜屋なんてやってたなぁ、なんて語り合おうよ」
先輩は笑顔で、右手をクイっと傾けて言った。
「……………」
気休めだ。僕はそう思った。
もちろん、そんなことは先輩も分かっているだろう。
だが。
だから。
僕にその言葉を否定する事は、できない。
「そうですね、いつか」
そう言うと、先輩はまた笑った。僕は笑い返し、残っていたコーヒーを飲み干す。
同時、この狭い部屋にアナウンスが響いた。
『F隊、交代の時間だ。至急、持ち場につけ』
それを聞いて
「さてと」
先輩は立ち上がる。
「その日のために、今日も頑張りますか」
そう言った先輩の、いたずらっ子のような笑顔がやけに印象的だった。
「……はい!」
そして。

『何か来たよ。あれは…偵察機かな? 数は一機』
「敵機確認。発砲許可をお願いします」
今日も僕は、空を見上げる。
前よりも少しだけ、青く見える空を。
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 11:55:52.39 ID:9cosHkvK0
終わりです。
いいと思ったら称讃の声を与え下さい
ひどいと思ったらボロクソにけなして下さい
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 12:45:55.60 ID:ZvVpDj5S0
>>53
読んだぞー。なんかあいうえお作文みたいな感じだな。
わざと的の中心を避けたような書き方は上手いかもしれないけれど、内容はこれだけじゃ
物足りない感があるよ。あいうえおのためだったとしてもね。

>>55-57
読点が流石にうっとおしいぜー。
背景とかほとんどぶっとばしたリリカルな話もアリだと思うよ。
でも、それで感慨深いものを書くって至極難しいことだとも思うよ。
初めて投下した(書いたのは初めてじゃない?)ということだけど、
これから書き慣れていって欲しいな。偉そうなこと言ってごめんよ。

>>61-65
特にひどいとは思わなかったけんども、やっぱりよくある話だなという印象。
よくある、ということ自体を否定するつもりは全然ない(王道なんて言葉もあるしね)けど、
それを繋ぎ合わせる中に何か新しいものを出して欲しいと思うね。
細かい指摘をするとキリがなくなるから一つだけ。
2レス目の「まぁ、上の方々は〜」の内容を地の文で言わせるのはちょっと安っぽいかなと。
少し軽薄な感じの登場人物を別に出して、「てやんでえ上の奴らふざけやがって」的な
セリフを吐かせる方が良かったかもしれないと思うよ。
これも王道なやり方なんだけどね。王道だって案外に奥が深いもんなんだよ。
68 ◆6z7P1V1BjU :2010/02/19(金) 13:06:12.94 ID:2L9pQLwqO
>>67
俺自身句同点好きだけど大杉だなって思ったw
ぶっとばしてみる事も必要やんなありがとう
頑張ってみます

って事でお題下さい
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 13:09:32.86 ID:9cosHkvK0
>>67
感想ありがとうございます
なんでも、特に愚痴のようなものは地の文で言うのはよくないんですね
自分の場合キャラを増やすとゴチャゴチャとしがちなんで、それをまとめる構成力をつけれられるよう頑張ります

お題ください
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 13:17:35.40 ID:ZvVpDj5S0
>>68
う、うむ……お題は「海ねこ」

>>69
ポッと出のキャラに言わせて後は放置でもいいと思うよ。食堂の場面ならやりやすいね。
お題は「山鳥」
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 13:18:42.14 ID:9cosHkvK0
>>70
なるほど、その手が…
把握
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 14:07:35.77 ID:9cosHkvK0
投下します
さるさんが怖い…
73お題:山鳥 1/2:2010/02/19(金) 14:09:29.22 ID:9cosHkvK0
「うぅーん」
私は、体を伸ばしながら大きく生きを吸い込みました。
山の中と言うのは、自然に囲まれていて気持ちいいでありますね。
私は双眼鏡を覗いて周囲を見回します。見えるのは木ばかりであります。
右方の木の上で、枝が揺れる音がしました。
人の気配を感じたのでそちらを見ると、髪も髭もボサボサに伸ばした…かろうじて青年だと分かる男がきょろきょろしながら歩いていました。
彼は、私の姿を見て少し考えると意を決したように近づいてきました。
「なぁ、君」
「はい。なんでありますか」
彼は、怪訝な顔をします。
初めて話した方は皆このような顔をします。私の話し方はそんなにおかしいのでありますでしょうか。
「……ここからふもとの町に行くにはどうしたらいい? 恥ずかしながら、道に迷ってしまってな…」
「そうでありますか。ここからなら……」
私は、彼が馬鹿でも理解出来るよう、懇切丁寧にふもとへの道を教えてあげました。
何回も同じことを言うのは嫌いでありますから。
「ありがとう。何か礼をしたいんだが、生憎何も持っていなくてな……ん? それは?」
先程から私が持っているものを指差します。彼は、この双眼鏡に興味を持ったようであります。
「ああ、これは双眼鏡でありますよ。これで鳥を捜しているのであります」
「へぇ、野鳥観察か?」
「いえ、私達の家から鳥が一匹逃げてしまいまして」
「そうか、見つかるといいな」
「いえ」
私は、無意識のうちに薄く笑ってしまいました。
「もう見つかりましたよ」
74お題:山鳥 2/2:2010/02/19(金) 14:11:12.85 ID:9cosHkvK0
彼の身がぶるりと震え、すぐさま距離を取られてしまいます。
殺気は極力抑えたつもりでありますがね。危機察知能力は流石と言ったところでありますか。
「……お前、何者だ!?」
私を警戒した目で睨みつけてきます。さっきまでの友好的な態度は既に残っておりません。
ですが、このような態度をとられるのは慣れているので私は何とも思わないであります。
「『カレハ』のユウサク・ハルタさんですね。今までの逃亡劇、見事であります。
 ですが、あなたにはまだ利用価値がある。我が組織『世界樹』に戻ってきてもらうであります」
「追っ手か! ちっ、そう簡単に捕まってたまるか…!」
ハルタさんはすぐさま背を向け逃亡体勢をとります。
必死です。必死になって逃亡しようとするさまは見ていて面白いであります。
「おっと」
彼が私の方に何か…閃光弾でしょうか…を投げてきました。
それが爆発して、激しい光が私の視界を奪っていきます。やはり、閃光弾でありますね。
視界を封じられた私は、しかし特別取り乱したりはしません。ただ、彼がもがく姿を見ていられないのは残念であります。
こう考えている間にも、彼は無様に、だけども必死に走っているのでしょう。
しかし、逃げようとしてもそうはいきません。
ゆっくりと左腕を上げ、パチン、と指をならすとゴーグルをかけた私の仲間が彼を取り囲むように降りてきました。
「き、木の上に…」
「ええ、先程から。あなたのことを最初に見つけたのも彼らです。さて、観念してもらうであります」
視界が少しずつ戻ってきました。
目標は落ち葉と泥だらけの地面にへたり込んでしまい、私の仲間の手であっさりと押さえつけられていました。その姿を見て、私はまた悦に浸ります。
そう、我等は捕縛部隊「ヤマドリ」。
組織から逃げだそうとする哀れな鳥を、籠の中に閉じ込めてやるのが我々の仕事であります。
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 14:12:49.69 ID:9cosHkvK0
終わり
よろしければ感想をお願いするであります
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 15:29:02.31 ID:Te9Y+w7l0
ho
77 ◆6z7P1V1BjU :2010/02/19(金) 15:56:55.28 ID:2L9pQLwqO
>>70
ありがとう、把握
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/19(金) 16:19:32.88 ID:ElrwazzX0
>>73-74
逃亡者にしては迂闊過ぎない?
それと、閃光弾ってどんな兵器?
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
なんだか、これだとイチャモンだな。補足

爆発するまでは閃光弾か、殺傷力のある爆弾なのかはわからない
それなのに平然としている主人公は何者なのか。人間ではないのか
人間ではない方が面白くなりそうな気がした