ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら541.875
◆ツンデレって何?
「普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおらしくなってデレデレといちゃつく」ようなタイプのキャラクターのこと。
◆このスレでよく使われる人物設定
男:デフォルトネームは別府タカシ。ツンデレに色々したりされたりする。
アッパー:デフォルトネームは椎水かなみ。感情表現豊かな基本形。
ダウナー:デフォルトネームはちなみ。ローテンションで「……」を多用して喋る。
お嬢:デフォルトネームは神野りな。お嬢様口調。というかお嬢様。
老成:デフォはまつり。「纏」と書く。わしは〜じゃのう等、古風かつジジ臭い言い回しをする。
尊大:デフォはみこと。「尊」と書く。自信に満ちあふれたような、偉ぶった言い回しをする。
関西:デフォはいずみ。関西弁で喋る。
ボクっ娘:ボクっ娘ツンデレ。一人称「ボク」。デフォルトネームは決まっていない。
勝気:気の強い男勝りツンデレ。デフォルトネームは決まってい(ry
無表情:無表情ツンデレ。デフォルトネームは決まっ(ry
中華:中華系ツンデレ。「〜〜アル」といった言い回しをする。デフォルトネームは決(ry
幽霊:幽霊ツンデレ。憑依したりする。アッパーだったりダウナーだったりする。デフォルトネームは(ry
山田:クラスメイトとして使われることが多い。いわゆる友人A。なぜかVIPPER口調で描かれがち。
友子:クラスメイトとして使われる事が多い友人B。好奇心が強かったり世話好きだったりいろいろ。
※名前の由来などについてはまとめサイト参照
・上記の名前や設定はあくまでデフォルト。
・投下許可は求めなくていいですが、長編SSについては、投下前に宣言をしていただけると他のSSとのごちゃ混ぜ防止になるのでスレに優しいです。
・書き上がってから一斉投下してね。 書きながら投下はイクナイ。
・感想レスは励みになるので大歓迎。
・投下のタイミングは自分で見計らおう。投下直前にはリロードを心がけよう。
・もしスルーされても泣かないこと。
・投下後に殊更に感想を求めたり、レスが付かないからって自虐したりすると、ツンデレに嫌われます。
・みんなも多少のことは大目に見てスルーしよう。
とりあえず立てた
一応落ちる目安は夜は30分な
昨日と今日でVIPの板別大量規制が解除されたから、油断してると危ないぜよ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 11:54:10.13 ID:YYcpvLjy0
一乙。
さっきから5回ほどスレ立て失敗してショボーンってしてたとこr
って言わせるんじゃないよ///
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 12:37:35.79 ID:YYcpvLjy0
ちなー
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 12:42:02.46 ID:3Cf7kRFX0
そんじゃまあ、早速5レス投下
7 :
1/5:2010/02/14(日) 12:42:42.55 ID:3Cf7kRFX0
(自炊)遠回しにしか男にチョコを渡せないツンデレ
カランコロン……
【いらっしゃ……何だ、別府か】
「よお、マスター。バレンタインデーだってのに、不景気な面だな」
【いや。不景気なのは面でなくて店の方だけどな。にしても、お前の方こそ、バレンタイ
ンデーの、しかも日曜日だってのに、こんな所で暇つぶしか】
「自分の店をこんな所って言っちゃうかね。でも、今日はちゃんと目的があって来てるんだって」
【ん……ああ。確かに、お前にとっては下手に約束取り付けようとして玉砕するよりは、
こっちに来た方が確実か】
「そういう事。じゃ、とりあえずカフェオレで。濃い目に宜しく」
【了解……っと。お目当てが来たようだぞ】
カラン…コロン…………
【よお。玲緒ちゃん。いらっしゃい】
『こんにちは。相変わらず、いつもの顔ぶれか。この店は』
【そりゃ、玲緒ちゃんが一番客のいない時間を選んで来てるからだろ。さっきまではカッ
プルがお熱い時間を過ごしてやがってな。まあ、客だから我慢してたが、何度か撃ち殺し
てやりたくなったぜ】
『男の嫉みはみっともないぞ。マスター』
「全くだぜ。もっと広い心を持たないとな。大の大人が情けない」
【うるせー。お前には言われたくねーぞ。別府】
「何でだよ。俺はバレンタインにいちゃついてるカップル見たって僻んだりしないって。
なあ、玲緒」
『オレに同意を求めるな。そもそも、何でお前が会話に勝手に入り込んで来るんだ。オレ
はお前と話してるつもりなんてないぞ』
「ま、ま。いつもの事じゃん。それよか、とりあえず落ち着いて座れよ。な?」
『お前に言われるまでもない。マスター。いつもの奴を頼む』
【あいよ。ちょっと待ってな。ほれ、別府。カフェオレ、お待たせ】
「サンキュー、マスター。やっぱ寒い日はこれに限るぜ。あとはちょっとしたお茶請けが
あれば言う事なしだけどな」
8 :
2/5:2010/02/14(日) 12:43:27.58 ID:3Cf7kRFX0
『そうだ。マスター。お茶請けといえば、これ……まあ、その……大した物では無いが』
【お? チョコレートか。毎年いつもスマンな】
『いつもいろいろと場所を提供して貰っている礼だ。気にするな』
「あれ? もう紙袋の中ってそれだけか?」
『ん? それがどうした』
「いや、その……えっと……いや、いいんだよ。ねだるもんじゃねーしな」
『フン。情けない奴だな。まあ、常識で考えれば、オレがお前なんかにチョコを渡すはず
がないだろう』
「いや、でもその……前は、くれた時もあったじゃん」
『気まぐれだ。それに……その、無いとは言ってないだろう』
「マジ? あんの? どこ、どこに?」
『やかましい。騒ぐな。少しは落ち着け、このバカ者』
「いや。だって、玲緒がチョコくれると聞けば、落ち着いてもいられないだろ」
『お前にチョコをやるとも言ってないんだがな』
「は? つか、さっきから何か微妙な言い回しだな」
『もういい。お前に付き合っていると日が暮れる。マスター。その包み、開けてくれ』
【今、ここでか?】
『そうだ。一応言っておくが、それもマスター個人への義理チョコでもないぞ』
【分かっていても、あっさり義理と言われるのってあんまり嬉しくないがな…… ちょっ
と待ってろ】
ガサ……ゴソ……
「へえ、チョコレートクッキーじゃん。手作りなのか、これ? 結構たくさんあるけど、大変だったろ」
『別に。菓子作りは趣味だからな。苦痛とは思わん。それより、マスター。そこにカード
が乗っているだろう?』
【ああ。何だ、こりゃ? ロメオに集う、チョコに恵まれない男性達へ……って】
『類は友を呼ぶとはよく言ったものだ。特に夜の酒を出す時間になると、この店には独身
男性が集まってくるだろう? その中で、今年チョコを貰えなかった男性達全員に、と思っ
てな。それでたくさん作って来た』
9 :
3/5:2010/02/14(日) 12:44:09.88 ID:3Cf7kRFX0
【へえ。そりゃ気を遣ってくれてありがとな。玲緒ちゃんみたいな美人からのチョコとな
れば、常連どもも喜ぶだろ】
『美人は余計だ。うっとうしいから、オレの事はあまり言わなくていいからな』
「なあ、玲緒」
『何だ、別府』
「いや、その…… チョコを貰えなかった男性ってのには、俺も含まれてんのか?」
『何? もしかして、その……誰かから、チョコを貰えたとでも言うのか?』
「いや、無いけど。つか、当てにしてたの玲緒だけだから」
『何だ。なら、当然お前も可哀想な男性の一人だ。どれか一つだけ、好きなのを持って行っ
ていいぞ』
【なるほど。確かに微妙な言い回しをする訳だ。別府宛のチョコは無いが、チョコを貰え
なければ、玲緒ちゃん手作りのチョコクッキーを貰える訳だからな】
『まあ、そういう事だ。いいか、一つだけだからな。別府』
「分かってるよ。マスター。それじゃあ、真っ先に頂いていいか?」
【ああ。どうぞ。お客さんより先に俺が取る訳にも行かないしな】
「それじゃあ、俺はこのハート型の奴を貰うぜ。玲緒の心が篭ってるみたいだからな」
『――っ!! バカかお前は。その……か、勝手な事を言うな』
「だってさ。何かこれだけ、他の奴よりちょっと大きめだし」
『型のサイズの問題だ。たまたま、ハート型のだけが、他のより少し大きかっただけで、
別に何の他意も無い』
「ふーん。ま、いっか。何か得した気分だしな」
【それじゃあ、後は仕舞っとくぞ。お客さんには、俺から渡しとく】
『ああ、スマンな。当然、マスターも一つ、食べていいからな』
【ああ。後で、ウィスキーのつまみにでもするわ】
「よし。ちょっと期待通りとは行かなかったけど、玲緒のチョコは貰えたし、今日はこれ
で帰るか?」
『何だ。もう帰るのか? その……た、食べては行かないのか?』
「悪い。ちょっと用事があってさ。それに、すぐ食べるのもったいないから、家でゆっく
り味わって食べるわ」
『べ、別に大した物でもないんだから、普通に食え。分かったな』
10 :
4/5:2010/02/14(日) 12:44:49.25 ID:3Cf7kRFX0
「はいはい。それじゃ、マスター。金」
【はいよ。毎度あり】
「じゃあな、玲緒。また今度演劇でも見に行こうぜ。玲緒の好きそうなのがあったから、
メールで送っとくわ」
『別にオレの好みなど探さなくていい。お前と行きたいなどと一言も言ってはいないのだからな』
「でも、誘えば来るだろ?」
『まあ、暇だったら、だが。お前はどうでもいいが、演劇自体は好きだからな』
「それでいいよ。それじゃ、またな」
『ああ。それじゃあな』
カラン……コロン……
『フゥ……』
【どうした? ため息なんて吐いて】
『いや、何でもない。うるさいのがいなくなってせいせいしただけだ』
【本当にそうなのか?】
『は? マスター。何を言いたいんだ?』
【おっと。怖い顔で睨まないでくれよな。悪い。話し込んでて遅くなったが、キリマンジャロだ】
『フン。そういう思わせぶりな言い方が、カッコイイと思ったら大間違いだぞ。全く、マ
スターは変に気取るからな』
ズズ……
【それじゃあ、単刀直入に言おうか。別府にチョコを渡せてホッとしたんだろ?】
ゴクッ……!?
『あ……あつっ!!』
【おいおい、大丈夫か。火傷するぞ】
『黙れ!! マスターが余計な事を言うのが悪い。だだ……誰があんな奴にチョコを渡し
たって言うんだ。オレはこの店にクッキーを持ってきただけで、それをアイツが食べただ
けだ。オレが渡してなどはいない』
【けど、あのハート型のチョコ。一番上の目立つ所に置いてあったよな?】
『箱詰めした時、たまたまそうなっただけだ。それにまあ、見栄え的にもいいしな』
11 :
5/5:2010/02/14(日) 12:45:36.90 ID:3Cf7kRFX0
【大きさは? まあ、別府は気付かないだろうけど、あれだけどう考えても、わざと別の
型を使っただろ? 一揃えセットで型を買って、ハート型だけがないってのもまあ、ちょっ
と無いだろ】
『たまたまどっか行ったんだ。それで、その……仕方なくだっ……!!』
【あと、最後に一つ。別府には見せなかったが、ハート型のチョコって、あれ一個だけだ
ったんだよな? 別府が来てる事くらいは当然知ってたんだろう? それをわざわざ分か
り易い位置に置いて、取りやすくしておくなんて、回りくどい事してんなって思ってさ】
『ちっ……違う違う!!(////////) オレは別にアイツに取って貰いたいなんて思って作っ
てた訳じゃなくて……』
【顔、真っ赤だぞ。鏡、見るか?】
『うっ……く…… ま、まあその……別にいいだろう。他の人よりは付き合いが長いんだ
し、少しくらいは特別扱いしてあげないと、その……可哀想だろうが……』
【だったら、直接渡してやれば良かったのに。その方が喜んだと思うぞ】
『バカを言うな!! そんな事が出来るか。(それが……どれだけ恥ずかしい事だと思って
るんだ……)』
【聞こえたぜ。恥ずかしくて出来ないって】
『んなっ!!!!!(//////////////////) バ、バカな。オレは声など出していないはずで……』
【クッククッ…… 嘘、嘘だって。何となく勘で言ってみただけだ。でも、顔見りゃ大体
分かったけどな】
『ううううう〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!(///////////) 全くもう。マスターなど、大嫌いだ……』
【褒め言葉と受け取っておく。ま、俺は嫌いでもいいが、別府にはもう少し優しくしてや
るんだな。あれで結構義理堅くていい男だぜ】
『フン。知った風な口を利くな。バカ』
『(そんな事、言われなくたって……アイツのいい所くらいは……知ってるから……)』
終わり
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 12:59:23.04 ID:Ktk9lPShO
GJ!!
今日はどれだけ妄想が投下されるか楽しみじゃの〜
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 13:01:31.94 ID:YYcpvLjy0
はっは。読む前に…
10分ダウナーの手作りチョコ
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 13:31:24.21 ID:YYcpvLjy0
人…少ないなぁ…
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 13:34:17.51 ID:3Cf7kRFX0
>>14 ソフトバンク以外は携帯規制だからね
今度は7レス投下
16 :
1/7:2010/02/14(日) 13:35:01.82 ID:3Cf7kRFX0
(自炊)ツンデレが男に今年はバレンタインのチョコはありませんって言ったら
『(今年もこの季節か…… もう、毎年の事なのに、ドキドキするなぁ……)』
『(でも、タカシ様はどう思っておられるのでしょう…… 私からチョコを貰うのは、当た
り前の事のように思っているのかな…… まあ、私は使用人に過ぎない訳だし、義理チョ
コのようにしか思っておられないと言うか、私がそう強調しているわけで、でも、タカシ
様は毎年、子供のように凄く喜んでくれて……でも、あれも、私に気を遣って下さってい
るだけなのかも知れないし……)』
「芽衣。どうしたんだよ、キッチンでボーッと突っ立って」
『へっ……!? タッ……タカシ様!? いえ、その……何でもありません!!』
「芽衣って、時々そうしてる事があるけどさ。悩みとかあるの? 何なら、相談に乗るよ」
『いっ……いえっ、その……悩みなどは、別に…… あっても、タカシ様では相談する気
にもなりませんし……』
「うっ…… 頼りないご主人で悪かったな。まあ、そう思われても仕方ないけど…… ま
あ、実家のメイド長に相談する手もあるけどな」
『言われなくても、悩みがあるならそう致します。そもそも、タカシ様がお心を煩わせる
必要など、全くもってございませんから』
「そうキッパリ言うなよ。一応、心配してるんだから」
『ですから、その心配が余計なお世話です。もう気になさらないで下さい』
「わ、分かった。悪かったよ」
『(……申し訳ありません。でも、悩みの種がまさかタカシ様ご自身の事だなんて……それ
も、バレンタインチョコ一つの事なんて、万が一にも気取られる訳には参りませんので……)』
『ハァ……』
「また、ため息ついてる。本当に大丈夫か?」
『だ、大丈夫ですってば!! 本当にもう、気に掛けないで下さい。迷惑です』
「分かってるって。ただ、今週の土日は、お屋敷で研修だろ? それが気に掛かっただけでさ」
『え? ああ、はい。私もいずれは、別府家のメイド達の上に立たねばなりませんし、そ
の為に今からメイド長について、管理職としての研修をしなければなりませんので』
「大変だよな。俺の世話をしつつ勉強もだなんて」
『別に、お仕事ですから仕方ありませんし』
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 13:35:12.11 ID:9KEOivWG0
なんという投下ラッシュ
期待あげ
18 :
2/7:2010/02/14(日) 13:35:59.15 ID:3Cf7kRFX0
「それはそうとして、何かメイド長には屋敷には泊まらずに夜はこっちに戻って来るって
言ったって聞いたんだけど」
『はい。一応、土日に家事をしなくていい程度には仕事は済ませましたが、それでも食事
と風呂の準備だけはしなければなりませんから』
「一晩くらいなら大丈夫だって。わざわざ往復しなくても、屋敷に泊まってくればいいじゃ
ん。俺の事を気に掛けてくれるのはありがたいけどさ。けど、風呂に湯を張ったり、食事
だって下ごしらえをしておいてくれれば……」
『そういう訳には参りません!! タカシ様のお世話をするのは、何より優先される義務
ですから、そのような事を主人にさせるのはポリシーに反します』
『(一晩くらいならって……タカシ様は私がいなくても平気なのかな…… ううん。気を遣っ
て言って下さっているだけなんでしょうけど、でも……)』
「まあ、芽衣がそこまで言うなら、強いてとは言わないけどさ」
『(タカシ様は何においてもそうだから…… もしかしたら、チョコの事だって…… そう
だ。ちょっと、試してみよう……かな……?)』
『無論です。主人の生活のお世話を蔑ろにするなんて、メイドとして許される事ではあり
ませんから。ただ、タカシ様』
「ん? 何だ?」
『その……そういう訳で、家事については滞りなくやるつもりですが、その他の事につい
ては、その限りではありませんので』
「その他の事って?」
『ええと、その……今度の日曜日は、その……バレンタインデーじゃないですか。私は今、
タカシ様に仕えている身として、何にも無しと言うのも問題ですし、時間のある時にチョ
コを準備してまいりましたが、今年は忙しいので……』
「ああ。チョコレートの事か。そんな事なら気にしなくていいよ」
『えっ……!?』
「芽衣も忙しいんだろう。そんな所まで無理をする必要はないからさ。確かに貰える身と
しては有難いけど、仕方ない訳だし」
『……は、はい…… お気遣い、有難うございます。その、申し訳ありませんが、ちょっ
と休憩しに、部屋に戻ります……』
「どうした? 今度は何か、元気がないように見えるぞ」
19 :
3/7:2010/02/14(日) 13:36:56.93 ID:3Cf7kRFX0
『いえ、大丈夫……です。では……』
『(ううううう…… 私ってバカだ……自分の傷口に塩を塗るような事を…… ああ、もう
っ!! タカシ様のバカ!! せめてもう少し残念そうなお顔をなさって下されば、言い
訳を付けて差し上げる事も出来たのに、全然がっかりした様子をなさって下さらないから
…… やっぱり、私のチョコなんてどうでも良かったんですね…… そんな事って仰られ
てたし……)』
『ハァ……どうしようかな…… あんな事言っちゃったけど、本当はもう、作ってあるの
に…… もう、お渡しするわけにもいかないし…… 私って、本当にバカ……』
〜そして、悶々としたまま研修を終えて、日曜日の夜〜
『……ただいま戻りました。タカシ様』
「ああ。お疲れ様、芽衣。って、本当に疲れた顔してるな。少し休んだらどうだ?」
『いえ。すぐにお風呂とお食事の支度をしなければ参りませんので』
「多分やったら怒るだろうからやらなかったけど、飯くらい、俺が作ってもいいんだぞ?
料理が趣味ってのは知ってるだろ?」
『はい。でも、それとこれとは別です。忙しいからといって、タカシ様に甘えるような真
似をする訳には参りませんので』
「まあ、無理はするなよ。それより、芽衣。仕事の前に、ちょっと聞きたいことがあるん
だけどさ」
『はい。何でしょうか? 手短にお願いします』
「いやその…… これに見覚え、無いか?」
『――――っ!? それ……はっ……』
「何か知ってるの?」
『いっ……いいええ!! 全く、全然存じ上げませんがっ!!』
『(わっ……私が作っておいたチョコレートムース……冷蔵庫の奥の奥のほうに隠してお
いたのに、何で……)』
「芽衣も知らないのか? じゃあ、何でこれがこんな所に……?」
20 :
4/7:2010/02/14(日) 13:37:40.87 ID:3Cf7kRFX0
『さあ。タカシ様、今年もたくさんチョコをお貰いになられたのでしょう? その中の一
つを冷蔵庫に入れておいたのでは?』
「まあ、少しは貰ったけどさ。でも、その中の物じゃないよ。ほとんどが別府家か来賓と
して招かれたパーティーの時に知り合った女性からの物だし、それは今日、宅配便で来て
たからね」
『相変わらず、女性からの人気は高いようですね。それは宜しい事かと』
「俺が別府家の跡継ぎだから、擦り寄って来てるだけだって。そんなのに比べたら大学の
友達からの義理チョコの方がまだ嬉しいって。まあ、一番嬉しいのは……」
『一番嬉しいのは……とは?』
「いや、何でもない。それより、話を元に戻そう、芽衣。本当に心当たりないか? 上に
ホイップクリームとハート型の小さなチョコが乗ってる、カップケーキみたいなやつだけど」
『ま、全く一切全然そんなの、心当たりございません!! どうしてそんなに私をお疑い
になるんですか?』
「いや、だって俺以外には芽衣しかいないし、それに置き方が、いかにも芽衣っぽかったから」
『私っぽいって、まるで私の隠し方にクセでもあるとでも仰るんですか? そんな変な勘
繰りだけで疑われては困ります』
「いや。本当に知らないんならいいんだ。けど、一つだけ聞いてもいいかな?」
『何でしょうか? いい加減、タカシ様の探偵ごっこに付き合うのもうんざりなのですが』
「ゴメン。でもさ。何で芽衣はこれが冷蔵庫の中に隠してあるって知ってたの?」
『へっ……? 何でって、それはタカシ様が……』
「俺は、芽衣に見覚えが無いかどうかは聞いたけど、どこにどういう風に置いてあったか
なんてのは一言も言ってないはずだけど」
『そっ……それは、その……そんなの、私だって知りません!! ただその……ムースだっ
たら、普通は冷蔵庫に入れておくじゃないですか。だからその……自然にそう思っただけで……』
「でも、俺が入れたんだったら、わざわざ奥の方に隠して、一目では分からないようには
しないよな。というか、貰ったチョコを冷蔵庫に入れようとしたら、綺麗にラッピングし
た箱があったからさ。この包装紙は、洋菓子店のものじゃないしね」
『ででで……っ……でもそれだけで、私が入れたという証拠にはならないじゃないですかっ!!』
「動揺してる」
『してませんっ!! 何でタカシ様は私が隠したって思いたがるんですか!!』
21 :
5/7:2010/02/14(日) 13:38:33.21 ID:3Cf7kRFX0
「だって、そうだったら嬉しいから」
『へっ…… うっ、うっ……嬉しいって……?』
「さっき言い掛けたことを言うとさ。バレンタインデーのチョコレート。毎年、貰えた中
で、一番嬉しいのは、芽衣からのチョコなんだ」
『!!!!(/////////////) う、嘘ですそんな事!! お世辞でそんな事言われてもちっとも
嬉しくありません!!』
「嬉しいかどうかはともかく、嘘じゃないって。だから、今年は無いって言われてかなり
がっかりしてたんだぜ」
『嘘です。だって、私が無いって言っても、タカシ様は平気な顔で頷いていたじゃないですか』
「まあ、芽衣のスケジュールは知ってたから、今年は忙しくて少なくとも手作りは無理か
なって思ってたから。だから芽衣に言われた時は心の準備はある程度出来てたし、変に残
念がると、芽衣がまた無理して作るんじゃないかって思ってさ」
『そんな事…… 無理してまでなんか、作りません。あくまでそれは、その……お世話に
なっている以上、義理くらいはって作ってるだけなんですから』
「その義理チョコが、どの本命チョコよりも心が篭っていて、楽しみだったんだよ。まあ、
残念だけど来年もあるからって思ってたけど、まさか作って隠してあるとは思わなかったな」
『ですから、それは私が作った訳では……』
「本当にそう? メイドとして、主人を目の前にして、誓って言える? 嘘じゃないって」
『――――っ!! そ、それは……そんな事……』
「正直に言えば、許してあげるよ。まあ、嘘をついているかどうかなんて僕には分からな
いから、罰といっても、芽衣が今後後ろめたい気持ちを抱き続けながら仕事をするって事
くらいだろうけど」
『ううううう……』
「本当に、芽衣の作ったものじゃないの? だとしたら、正体不明の物を食べるわけに行
かないし……捨てるしかないかな……」
『(!!!! ダメ……捨てるなんて…… やっぱり、食べて頂きたい……だとしたら……)』
『申し訳ありませんっ!!!!』
「よく出来ました。じゃあ、これは芽衣からのバレンタインチョコでいいのかな?」
『は……はい…… で、でも義理ですからねっ!!』
22 :
6/7:2010/02/14(日) 13:39:13.98 ID:3Cf7kRFX0
「ありがとう。それじゃあ、感謝して夕食の後に、有難く頂くよ。まあ、一度無いって言っ
ちゃった以上、芽衣としては出し辛かったんだろう?」
『……そ、それはその……』
「まあ、不問に付すって言ったんだし、隠してた事に関しては追求しないよ。けれど、芽
衣。もう一つ嘘を吐いたよね?」
『へっ!? ななな、何ですかっ!! もう白状したじゃないですかっ!! それで済ん
だんじゃないんですかっ?』
「いや。何でさ。もう作ってあったにも係わらず、今年はバレンタインデーのチョコはあ
りません、なんて言ったの?」
『!!!!! そ、それはその……』
「もしかして、僕の反応が見たかった……とか?」
『ちっ……ちがっ……』
「どうなのかな?」
『だだっ……だってその、タカシ様は確かにその……毎年喜んで下さいますけど、本当に
その…… も、もういいじゃないですかっ!! 申し訳ありませんでしたっ!!』
「まあ、芽衣の心に踏み込みすぎるのは良くないから、これ以上は追求しないよ。けれど、
こっちの嘘については、看過出来ないな」
『ズルイですタカシ様!! 正直に言えば許して下さるって言うから――』
「そうだね。罰としては……何がいいかな? 正直、芽衣に罰を与えるなんて初めての事
だしね。どうすればいいかな……」
『タカシ様。騙すなんて卑怯です…… 黒過ぎます』
「まあ、これから社会に出れば財界や政界の偉いさん達と付き合うわけだしね。腹黒さは
身に付けておかないと。で、何がいい」
『私に聞かないで下さい!! その……わ、私の別府家のメイドです。主人の命令とあら
ば……いかなるご命令であれ、甘んじて受けざるを得ませんから……』
「よし。じゃあこうしよう。このチョコレートムース。芽衣が僕に食べさせてくれるって
いうのはどうかな?」
『にゃっ!!(////////////////) そ、その……私が、ですか?』
「メイドさんにあーんって食べさせて貰える贅沢が出来るのも、別府家に生まれたからな
らではの特権なんだけど、今まで一度もした事がなかったしね。いい案だろ」
23 :
7/7:2010/02/14(日) 13:40:01.05 ID:3Cf7kRFX0
『ダダ……ダメですそんな事!! タカシ様にその……そのような、ここっ……こっ……
恋人みたいな…… 絶対イヤですっ!!』
「さっき、甘んじて受けるって言ったよね? また嘘?」
『!!!!!!(//////////////////) かっ……畏まり……ました…………』
「うん。素直で宜しい。今までで一番のバレンタインデーになりそうだな。今日は……」
『私は……最低です…………(///////////////)』
『(どうしようどうしようどうしよう〜〜〜〜〜〜っ!! タタ、タカシ様にあーん、だな
んて……ううう……嬉しいけど恥ずかし過ぎて死んじゃいますそんなの!! あああ、も
う、お夕食の支度もしないといけないのに……想像するだけでゾクゾクして…… ど、ど
うしよう……)』
終わり
さて、外出するから後はスレ頼んだ
保守で、じゃないぞ
妄想でだぞ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 14:28:47.28 ID:9KEOivWG0
そうか、日曜日でバレンタイン→百合ツン(ry
見たいけどレポートが…
流石にこれはやばいんじゃ…
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 15:11:11.68 ID:vJs9ndiBO
妄想を垂れ流すスレです
でも、ヴァレンタインなんて知らない僕が妄想するのは難しいです
とりあえず遅くなったけどGJです
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 15:36:14.15 ID:ACHkiam+0
チョコもらえた人挙手!
・・・俺?まぁちなみんからね・・・
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 15:38:34.42 ID:Ktk9lPShO
「おいタカシ、貴様にこれをやろう」
『んあ、これって・・・チョコレートか?』
「私は渡すつもりなどなかったのだが、かなみがどうしてもお父さんに作ってあげたいとうるさくてな。
お手本としてかなみに作ったものが余ってしまったから、特別に貴様にくれてやろう」
『ふ〜ん、ありがと!へぇ、お手本にしては結構上手くできてんじゃん』
「当然だ。お手本とはいえ手を抜くつもりは毛頭ない」
『それでもこんな綺麗にできてると食べるのもったいないなぁ。味わって食べさせてもらうよ』
「ふん、まあ精々感謝することだな。それではお昼ご飯の用意があるから失礼する(バタンッ!)」
『おう、できたら呼んでくれな〜』
『・・・・それにしても、大きなハート型チョコレートか。お手本にしては結構手間暇かけてんな〜これはかなみのが楽しみだ!』
「(コンコン)おとーさん、いる?かな、チョコレートつくったの!たべてたべて〜」
『おお我が最愛の娘かなみよ!お前のチョコを待っていた!!・・・おお、中々上手にできてるじゃないか!!かなみは凄い子だなぁ〜(なでなで)』
「エヘヘ〜これつくるのたいへんだったんだよ〜!?おかーさんじぶんのつくるのにむちゅうで、ぜんぜんおしえてくれないし」
『えっ・・・マジ?』
「おとーさんのもってるおかーさんのチョコレート、すごいこころがこもってるからたいせつにしてあげてね!
・・・・あ、かながつくったチョコもたいせつにたべてね♪」
『ふふっ、もちろんだよ。二人からの贈り物、大切にさせてもらうよ』
「・・・どう、お父さんに喜んでもらえた?」
「うん、おとーさんすごいよろこんでもらえたよ!あたまなでなでしてもらった!!」
「な、なでなで・・・それはよかったじゃないかなみ」
「ああ、おかーさんにもおれいをしたいから、あとでへやにきてほしいっておとーさんいってたよ!」
「へっ・・・・!?」
「いいかげんおかーさんも、すなおになりなよ〜おとーさんがすきならすなおにそういえばいいのに〜」
「こっ・・・・こらかなみ!!大人をからかうんじゃありません!!」
「おかーさんおこった〜にげろ〜」
「あ、まちなさいかなみ!・・・・それにしても、部屋に来てくれか・・・。一体、どんな風にお礼をしてくれるんだろうな・・・・/////」
「あ、できればおとうとがいいな〜」
を補完したくなったw
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 16:11:26.73 ID:vJs9ndiBO
GJだがご褒美も見たいぞww
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 16:54:46.87 ID:MTzGGa8n0
お題作成機から拾ってみた。
【幼馴染 告白 触手】
わかんねww
「べ、別にタカシのことなんて何とも思ってないからね! 昔からタカシよりも触手のほうが好きだったもんねーだ!」
「にゅるにゅる」
でいいかw
よくないね……とっとと投下するよ……
?「うにょうにょ」
?「なにこれ。へんなのー」
?「わかんない。あさおきたらいたー」
?「ぬるぬるうごいてるー。きもーい」
?「ビクンビクン」
?「うん。どうしようすててこようかな」
?「だめだよたかしくん。ちゃんと生きものはだいじにしないと。おわりの会でいうよー」
た「これ生きてるのかなー? まあいいや。うちでかうよ」
?「じゃあボク、こんどエサあげに行くー」
?「しゃげえええぇぇぇ!」
た「いいけど、かまれないようにね……」
た「お前、ホントでかくなったよな」
触「ええ、たかし様のおかげですっかり成長しました。あの時たかし様に助けて頂かなければ、今の私はおりません」
た「大げさだな。俺はただ飼ってただけなんだが……」
触「ああ、たかし様に飼っていただけるなんて……!」ビクンビクン
た「きもいな」
触「もっと言ってええぇ!」
?「おっはよー! おい、たかし! いつまでも寝ぼけ面見せてんな……よ?」
た「おう、おはよ、あずさ。今日も元気だな」
触「すごいのきてるうぅぅぅ! すごいのきてるのおぉぉぉぉ!」
あ「たかしがついに人外に手を……!」
た「待て。俺はそこまで変態じゃない。というか変態じゃない」
あ「え? ベットの下の本にぬるぬ……」
た「さあ学校行こうな? な?」
触「……チッ!」
あ「あーん!? ボクに何か文句あんのかこらー! 塩かけんぞてめー!」
触「やってみろ小娘。全力で喜んでやる」
た「ええい、早く行くぞ!」
あ「ホントむかつく! いつか決着つけてやる……!」
た「触手に随分嫌われてるよな、あずさ」
あ「どMだし、怒っても効かないし、放置したら喜ぶし……。たかし、そのうち襲われるよ?」
た「大丈夫だって。水槽から出れないしな、あれ」
あ「そ、そうなんだ……。あ、そうだ。今日帰りボクん家寄ってけよー? 爆破男まだ勝負付いてないからなー」
た「分かった分かった。どうせすぐみそボンだろ? 既に負けてるからな、あれ」
あ「ドローにすれば実質勝ちだもん!」
た「自分ルール最高だな、じゃ、また放課後な」
あ「おう、後でなー」
あ「さて……と、靴箱靴箱……」
た「今年も収穫はなし……と。誰でもいいからチョコくれよ」ガタンッ ギィィ……
た「義理とかチョコバットとか……ん?」
『たかし様へ』
た「……ほう。いや、『ほう』じゃなくて、マジかよ! やった! この世の春が来たあああ!」
あ「おう、どうしたんだー、たかし? いきなり走ってきて」
た「アズサ、オレ、チョコ、モラタ、クツバコ、ハイテタ」
あ「! よ、よかったな。そんな物好きがいて。でも、どうせ義理だろ?」
た「いや! 手紙と包装、そしてこの手作り感のある形! きっと本命だ!」
あ「!! あ、愛されてるじゃん。だ、誰からかなー……」
た「それが、名前かいてないんだよなー」
あ「!!!……そ、それ実はボクの……」
た「でも、『小娘のより私のをお受け取りください。愛してますはあと』て手紙に書いてた。全体的にぬるぬるしててきもいけど、やった!」
あ「……あの変態触手か……!」
た「ん、どうした?」
あ「なあ、たかし。今日やっぱりお前ん家に行っていいかな? ちょっと触手と話し合いたい」
た「? いいぞ。和平交渉か。女の子同士のがいいなら、俺、外に出とくぞ?」
あ「いや、居ろ。居ないと駄目」
た「お、おう」
その後、大バトルに発展して家がぬるぬるで滅茶苦茶になったのはまた別のお話。
あ「お前動けるんじゃないか!嘘つきやがってー!」
触「ふふふ。敵を欺くにはまず味方から。たかし様との蜜月は邪魔させんぞ!」
あ「やっぱり襲う気かー!」
た「ベットの下はやめて!」
……別のお話。(了)
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/14(日) 17:39:48.31 ID:hRc0phXx0
チョコなんて嫌いさ
>>36 その後三人(二人と一匹)で3Pローションプレイですね、わかります
あ、婦警さんお久しぶりです
もしかして、俺にバレンタインのチョコでsターン
お題
・材料が余ったからと言ってチョコを渡してくるツンデレ
・この型しかなかったからと言ってハート型のチョコを渡してくるツンデレ