1 :
◆oP7OIP39uY :
前回パソコンがあぼんしたので、また1から書き直し、もしもしでリベンジしてみました。
超長編になります。途中で飽きます絶対。
前回保守してくれたみんなありがとう
とりあえず、第1章スタートです↓
2 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 17:00:04.24 ID:YEvSj821Q
最終兵器相方
第一章
おれたちは、漫才をする
若林は、黙っていればかわいい。だが時々 めんどくさい。華がなく、天邪鬼で気分屋で極度の人見知り。
おまけに 音痴で動物嫌い、学力は中の下だし何か特技があるわけでもない。…しかし、ツッコミだけは鋭い。
口癖は「馬鹿野郎」、座右の銘は「強くなりてぇ」
なんか不器用なやつ、と思った。
そんな若林くんが「漫才やろうぜ」と春日を誘ってきたのは、早くも9、10年も前の事。
懐かしいですな。
M1効果もあってか、嬉しいことに近頃仕事の量は何十倍にも増えて
『相方』として 一緒にいる時間は多くなったが、『友達』として一緒にいることはほぼ無くなってしまった。
3 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 17:01:36.49 ID:YEvSj821Q
若林「どぉも、オードリーでしたあー
来週も見て下さい!」
春日「ばぁい」
〜楽屋〜
若林「…ふぅ」
春日「トゥース!若林くん、お疲れでございますね」
若林「うっせぇ馬鹿野郎。お前が元気すぎんだよ
このあとは生か…」
最近の若林はどこか元気がない
常に何か不安を抱えているくせに、それを決して春日に話そうとはしない
時々、ラジオ等でこぼれる愚痴を聞いてあげることくらいしかしか出来ない
春日は若林くんの『相方』であり『友達』なんだから悩みくらい相談してくれればいいのに…
春日寂しい…
4 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 17:02:44.19 ID:YEvSj821Q
若林「…が、かすが、…春日!」
春日「はっ!なんでござんしょ?」
若林「馬鹿野郎、ぼけっとしてんじゃねーよ。このあと生放送だろうが
ホラ、行くぞ」
春日「ウィ」
春日「………」
5 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 17:04:07.91 ID:YEvSj821Q
〜飲み会〜
春日「一体『相方』ってなんなんでござんしょーかねー」ゴクゴク
佐藤「お、ハルカス珍しく深いこと言うね
急にどうしたの?」
春日「…若林は春日のことどう思ってるのか知りたいんでございますよ
私春日は、いつもはキャラで若林のこと興味ないとか言ってるけど、実際は心配でしょうがないんですよ
何にも相談してくれないし 春日は信頼されてないんだろうか…」
浜谷「そりゃー、普段はさ 春日のこと ポンコツだのぽっと出だの言ってるけど
実際相方なんだから、信頼してると思うぜー?」
春日「はぁ…」
佐藤「あ、じゃあこんなのどう?」
春日「?」
6 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 17:11:09.49 ID:YEvSj821Q
〜次の日〜
春日「若林くん、おはトゥース!」
若林「おはよ、朝から元気だな」
春日「春日は24時間営業ですよ」
若林「意味わかんねぇよ」
春日「ヘッ!ところで、実はちょっと春日から若林くんに渡したいものがあるんでございますよ」
7 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 17:49:06.44 ID:YEvSj821Q
若林「え、俺に?今?つーか珍しいな 春日が物をくれるなんて」
春日「ええ、買ってきましたよ若林くんのために!ドカン!!」
若林「…ってこれ100均の大学ノートじゃねえか!……ん?『交換日記』?」
春日「そうでございますよ。私春日と若林くんで交換日記を始めようではありませんか」
8 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 17:50:55.76 ID:YEvSj821Q
若林「は?俺と春日で?え、…なんで?」
春日「お互い、言いたいこととかあるときはこれを通して伝えあいましょうよ」
若林「いや、訳わかんねぇ。めんどくせーし いちいち書いてらんねぇよ。こうゆうの
大体さー お前ほぼ毎日俺と会ってんだから、言いたいことあるなら直接言えばいいじゃん」
春日「(…口じゃあ言いにくいこともあるでしょうに)
御託はいいから つべこべ言わずにやれ!汗をかけ!」
若林「気持ちわりぃな。わかったよ、やればいいんだろ」
春日「ありがたーい」
コンコン
スタッフ「すいませーん。オードリーさんお願いしまーす」
若林「あ、わかりましたー。行くぞ春日」
春日「ウィ」
9 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 17:59:37.69 ID:YEvSj821Q
若林「…でも、春日はただ黙って頷いてるだけなんですよー
もう俺それが超カッコイイな、って思ってぇー、」
今田「それはかっこええなー」
ワハハハハ
若林「そしたら、その後フライデー撮られて」
春日「ウィ」
ドッ ワハハハハ
スタッフ「はい、本日の収録終了でーす
お疲れ様でしたー」
若林「お疲れ様でしたぁ」
春日「お疲れ様でした」
10 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 18:11:55.31 ID:YEvSj821Q
〜楽屋〜
春日「(若林くんは一体春日のどこがよくてコンビを組んでるんだろう…)」
若林「おい、俺今日用事あるからタクシーで先帰るな」
春日「ウィ。お疲れトゥース」
春日「とりあえず 局の風呂に入るか…」
11 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 18:13:47.27 ID:YEvSj821Q
〜飲み会〜
佐藤「で、どうだったの?
僕が考えた交換日記作戦は」
春日「ウィ。とりあえず受け取ってくれたから、あとは返ってくるのを待つだけだな」
佐藤「そっかー。
きっと面と向かってじゃ若林くんも相談とかしにくいから、って思ったんだけど。うまくいくといいな。
そういえば、ハルカスはなんて書いたの?」
春日「それは企業秘密でございますよ」
佐藤「?」
12 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 18:17:53.74 ID:YEvSj821Q
〜次の日〜
春日「おはトゥース!」
若林「おはよ、…あ、そーだコレ、ホラ」
春日「もう書いて来てくれたんですか!」
若林「ああ、つーかお前無駄に長いから読むの超めんどくさかった。しかも中身ねぇし。」
春日「春日は文豪だからな」
若林「そっかそっかふーん。
あ、それさ、…収録終わったら読めよ。お前これからフジだろ?俺日テレだから。
確か今日はこれでお互い仕事終わりだからな」
春日「そうでしたな、ではまた後ほど」
一瞬、若林の表情が寂しげに見えた
気がした。
春日「春日の考えすぎですな」
春日「おっと、遅刻してしまう」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 18:58:04.71 ID:WlDnI+iJ0
まさかもう飽きたのか?ほす
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 19:01:03.33 ID:Aw+uIFeP0
支援
15 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 19:03:47.95 ID:YEvSj821Q
お腹の調子わるい
これ読んでくれてる人いるのかな…
ということで再開
スタッフ「春日さんのトーク終了でーす
お疲れ様でした」
春日「お疲れ様です」
春日「…ふぅ、やっぱりピンは疲れますな
若林くんがいないと春日は輝けないですよ」
春日「あ、交換日記。今読もうかしら」
16 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 19:10:16.87 ID:YEvSj821Q
>>13>>14ありがたい
心が折れかけた
パラ
『やっぱ俺、こういうの照れくせぇわ
直接話したいから 18時に井の頭公園来て』
春日「はて…なぜ井の頭公園?今の時刻は……5時55分!!!オーマイ神様」
お台場から時間がかかるかと思ったが、原付きを飛ばしたら6時ジャストに到着した
ちょうど夕暮れ時で、オレンジと紫が入り交じった空がとても印象的だった
学生時代や売れない頃はこの公園で毎日のようにふざけたものだ
二人揃ってここにくるのは、何年ぶりだろうか
そこには、一人淋しげな表情でブランコに腰掛ける若林がいた
春日も黙って若林の隣のブランコに座った
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 19:16:57.18 ID:mi5YxYz00
おーいー
18 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 19:17:50.48 ID:YEvSj821Q
春日「空…綺麗ですな。」
若林「…ああ。」
若林「あのさ、春日」
春日「なんじゃいコラ」
若林「俺さ、やっぱ最後にお前と見る景色はここがいいなーって、昨日考えてたんだよね」
春日「…え?」
若林「解散しようぜ。」
19 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 19:20:26.03 ID:YEvSj821Q
春日「!!!は?解散って?
だってアナタ昨日まであんなに楽しそうに収録してたじゃあないですか」
若林「……俺さぁ…、本当は、ずっと前からお前とは釣り合わないんじゃねぇかって思ってた
もっと春日のこと考えてやれて、もっと春日を活かしたネタを書けるやつ、いるんじゃねぇかな…って
だって俺みたいな中肉中背 代わりは掃いて捨てるほどいるし」
春日「若「うるせぇ!馬鹿野郎」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 19:20:48.23 ID:Aw+uIFeP0
21 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 19:24:15.44 ID:YEvSj821Q
>>20ありがとう〜
トイレと部屋を行き来してるw
若林「大体!お前、なんて学年で9番目にしか面白くないくせに、冗談で誘ってみたら、のってきやがってっ…!
本当はお前と組む気なんて…、な…なかったんだよ!」
若林「お前がっ…俺の誘い受けるから……」
若林「俺なんかの、どこがよかったんだよっ!!」
春日「………」
春日「……ツッコミですよ。」
若林「!」
23 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 19:37:33.31 ID:YEvSj821Q
春日「若林くんのツッコミはいつも鋭くて、キレていて、同級生の中ではずば抜けていた。
春日がこの日本という大舞台で輝くためには、このツッコミが必要だと思ったんです。
そして、春日は…そのツッコミが大好きなんですよ。」
若林「…それだけかよ」
春日「ええ」
若林「お前それ、本気かよ」
春日「本気じゃなかったら、若林くんの隣で『春日』やってないですよ」
若林・春日「えへへへへへへへ」
若林「…ふふっ」
24 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 19:42:40.05 ID:YEvSj821Q
>>22 ごめん、腐女子ではないw
春日「若林くんのそんなすっきりした顔、久しぶりですな。」
若林「…お前もな」
春日「『漫才』ってこんなに楽しかったんですな」
若林「…うん。もっと早く気付いてればよかったな
そしたら……俺たち…一生漫ざ「まだ春日と若林くんは『相方』ですよ。」
若林「…!」
25 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 19:43:54.65 ID:YEvSj821Q
春日「順番はむちゃくちゃかもしれませんが、これから二人で一生漫才、しませんか?」
若林「お前はっ…、本当にいっつも無茶苦茶だなっ。
同じ気持ちだよ!」
26 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 19:45:10.88 ID:YEvSj821Q
春日「じゃあ、…コレ」
『交換日記』
若林「…っ。
………わかった、やるよ。」
春日「ウィ!」
若林「でさ、俺からも…一つ頼みあるんだけど」
春日「なんでございますか?」
若林「今さ………ここで漫才やらねぇ?」
春日「今ですか?」
若林「あ、別に嫌だったらや「やりましょう!」
春日「やりましょうよ」
若林「…春日………」
27 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 19:47:35.41 ID:YEvSj821Q
若林「…よし!」
若林「どーもーオードリーですー!」
若林「今日もね、若林春日でね、健やかに漫才をやっていきたいな、って思うんですけれども」
春日「みなさん、春日のココ空いてますよ」
若林「ね、埋まってた事がないんですけども」
春日「ヘッ!」
28 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 19:49:30.15 ID:YEvSj821Q
よくよく考えたら、二人で初めて漫才をやったのもこの場所だった気がする
俺たちは、この場所でまたこれから始めよう、と思った
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 19:52:31.42 ID:GeB8tg430
30 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 19:53:24.48 ID:YEvSj821Q
春日「お前それ本気で言ってんのか?」
若林「本気で言ってたら何年もこうやって漫才しねえよ」
若林・春日「えへへへへへへ」
若林「ありがとうございましたー!」
春日「バァイ」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 19:56:26.27 ID:PJ7R1B/r0
最終兵器彼女知らない俺は最終兵器彼女で彼女の方が下痢するシーンがあるのかと
一瞬思ったぜ
32 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 19:56:57.03 ID:YEvSj821Q
>>29 あの時はあぼんしてすまんかった
若林「なんかさ、こうやって静かなところで漫才やって初めて気付いたんだけど
お前って俺の背中叩くとき、ちゃんと手加減してんだな
俺はお前の事全力で叩いちゃうけど」
春日「ウィ。やっと気付いてくれましたか」
若林「ああ。」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 19:59:51.30 ID:YEvSj821Q
>>31ちょおまwww
かなり原作に沿って書いてるから、原作知ってる方つまらんかったらすまん
春日「全力で叩いて、アンタが倒れてしまったら春日が困るからな」
若林「ははっ。お前のそうゆうとこ、嫌いじゃねぇよ」
春日・若林「えへへへへへ」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:02:38.08 ID:YEvSj821Q
春日「春日だって気付きましたよ。
アナタ、体温高いんですね」
若林「あ?何で んなことわかんだよ」
春日「………」
若林「言えよ!」
35 :
◆oP7OIP39uY :2010/02/07(日) 20:04:30.43 ID:YEvSj821Q
最初は春日だって不安だった。『相方』だとか『友達』だとか、どうすればいいかわからないから。
でも今は違う。
春日たちが生きてきたこの街、仕事ばっかで休みとかないけど。
春日はポンコツかもしれないし、ぽっと出かもしれないけど
この先の事はなにひとつわからないけど
でも一つだけ二人で決められたから。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:07:13.26 ID:YEvSj821Q
若林「どーもー、オードリーですー」
春日「オードリーきゃーすが☆」
俺たちは、漫才をする。
第一章/完
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:10:53.22 ID:YEvSj821Q
一章完結しますた
ニ章いくおー
支援
春日の原付がマッハ何まで出るのか気になる
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:12:24.82 ID:YEvSj821Q
最終兵器相方
第二章
「ごめんな」と相方は。
若林「おい、春日」
春日「ウィ?」
若林「たまたまお金に余裕あってたまたま春日の好きなやつが目に入ったから、ジュース買ってきてやった」
春日「ありがたーい!いただきやす」
若林「おい、二本ともお前のじゃねーよ!一本は俺のだよ!馬鹿野郎」
あの日から一週間たっていた。
俺たちは相変わらずこんな感じだ。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:19:13.47 ID:YEvSj821Q
春日「ウィ。……ん?
どうしたんだそのキズ。」
若林の指先に何箇所も絆創膏が巻かれていた
若林「あぁ…別にたいしたことねぇよ。
春日のくせに人の心配とかしてんじゃねぇ」
春日「ウィ」
若林「…馬鹿野郎」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:20:38.78 ID:YEvSj821Q
今思えば、あの時気付くべきだった。
いや… 気付いていても もうどうにもならないことだったってことを……
やっぱり あとになって春日は知る。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:23:24.81 ID:YEvSj821Q
今更補足
佐藤→どきどきキャンプのツッコミ
浜谷→ハマカーンのボケ
二人ともオードリーと仲良し
佐藤「男三人で買い物かぁー…」
浜谷「ゲスの極み!」
春日「すまんな、二人とも」
昨日、明日がたまの休みだと聞いて 久しぶりに若林とショッピングしようと思い、誘ってみたところ、めんどくさい とか、おっさん二人で とかブツブツ文句は言うものの、OKしてくれた
だが、当日になってドタキャンされたため、近くでお茶をしていたというドキキャンの佐藤と浜谷に無理を言って付き合ってもらった。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:25:18.20 ID:YEvSj821Q
佐藤「大丈夫。僕も暇だったからさ」
浜谷「いいってことよ!」
春日「ありがたーい」
ズン ズシン ズドドドド
浜谷「うわっ!」
佐藤「地震じゃない?これ」
春日「ウィ。最近多いですな…」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:37:04.31 ID:YEvSj821Q
ドドドドドドドド
ゴォン ドゴォン
浜谷「ちょっ…と 外!見てみよう!」
佐藤「ちょっ、ちょっと浜谷くん、危ないよ」
春日「春日も見るでありんすよ!」
春日「…え?」
春日は自分の目を疑った。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:38:50.64 ID:YEvSj821Q
何十機という軍艦機が空を埋めつくしていた
そして、その軍艦機が住み慣れた街 東京を、
どんどん破壊していくのを 見た。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:40:45.02 ID:YEvSj821Q
ドォン ドドドドォン
佐藤「とととととにかく、今は避難しないと!」
浜谷「そうだな。おい、急ぐぞ春日!」
春日「…ジエータイ……ですか」
浜谷「え?…あ、本当だ
この軍艦機から東京を守るために…?」
佐藤「あ!ああ…せっかく来てくれたのに、やられた…」
ズゴォン
春日「あー、春日まだスカイツリー行ったことないのに!」
浜谷「バーロー!のんきなこといってる場合か!!!」
佐藤「あれ、もう一機…」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:43:48.72 ID:YEvSj821Q
春日「(………なんだ、アレ…?)」
シュッシュッ ドーン
佐藤「す、すごい!
あのジエータイ強いよっ!」
浜谷「…てゆーか……軍機が……
こっちに堕ちるーーーー!!!」
佐藤「逃げろー!!!」
ドゴォン ドドドド
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:45:35.34 ID:YEvSj821Q
春日「うっ…。いてててて。」
浜谷「春日!大丈夫か!?」
佐藤「僕らは無事だよ!」
春日「(サトミツ…浜谷…無事でよかった…)」
春日「……ん?」
ドクン
春日「……?(さっきから…あのジエータイ…
…アレ…なんだ!?)」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:48:49.78 ID:YEvSj821Q
ダッ
浜谷「あ、おい!春日!!!
どこ行くんだよ!」
佐藤「そっちは危ないって!」
春日「(なんだか…!)」
ドクン
春日「ハァ…ハァ…(なんだか………)」
ドクン
春日「(あっ、あのジエータイ、………!堕ちる!?)」
ズ ン
春日「!(堕ちた)」
俺は 急いでそのジエータイが堕ちた所へ向かった
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:50:51.90 ID:YEvSj821Q
ドクン
ドクン
なぜだかわからないが 胸騒ぎが止まらなかった
ドクン
ドクン
ザッ
おそらくさっきのジエータイが堕ちたであろう場所は、砂煙が立ち込めていた
春日「ハァ……ハァ…っ」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 20:52:58.05 ID:YEvSj821Q
ドクン
ドクン
ドクン
ドクン
ドクン
ドクン
俺が見たのは
春日「……若…林…?」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 21:00:05.54 ID:YEvSj821Q
いつもの地味なスーツ姿…なのに、背中からはそれとはそぐわぬ機械の翼が生え、
俺に鋭いツッコミを与える右腕は、マシンガンやらミサイルやらで…もはや人間のものではなく、
そう 例えるなら…………兵器だった。
若林「…ごめんな、春日……
俺…こんな体になっちゃった……」
いつもの地味な黒いスーツはボロボロになり、キズだらけで、能面面で、滅多にみせることのない涙を流していた。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 21:01:58.89 ID:YEvSj821Q
春日「……そ、…そんな訳…ねぇだろ…」
春日「………!」
いつも彼の背中に突っ込むとき、スーツ越しに体温が伝わるくらい彼があったかいことを、春日は知っていた。
だが、突っ込んだ彼の背中からは 温もりが全く感じられなかった。
俺たちは、漫才をする。
第二章/完
しえんしえんちいさなしえん
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 21:30:32.64 ID:YEvSj821Q
支援ありがたーい
あと、
>>1の「飽きる」ってのは、
読んでる人が 長すぎて途中で飽きるだろうな、てことどす
自分は、gdgdながらも一応最後まで書かせていただきやす
ってことでトイレから還ってきしだい、第三章スタートするね
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 21:50:03.37 ID:YEvSj821Q
第三章
最後の日々
若林「おはよ」
春日「っ…おはトゥース!
遅れてしまって…っ申し訳ない」
若林「別に、俺も今来たとこ。
とにかく、急ぐぞ。」
春日「わわ、若林!」
若林「あ?なんだよ」
春日「その…大丈夫か?
若林さえよければ、春日はチコクしてもいいぞ」
若林「?何訳わかんねぇこといってんだよ
収録に遅れたらやばいだろうが」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:03:37.67 ID:YEvSj821Q
春日の相方、若林。
・・・
「あの日」から 若林は―――
若林「っおい、ばかすが!ぼーっとしてんじゃねぇ!馬鹿野郎
いそがねえと間にあわねーぞ!!」
あいかわらずドSだった。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:04:58.35 ID:YEvSj821Q
若林「…っ、よし!
間に合ったー!」
春日「ハァ…ハァ…ハァ…」
若林「おし、このまま楽屋挨拶行くぞ」
春日「…ウィ」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:07:11.33 ID:YEvSj821Q
ガチャッ
若林「おはようございますー。今日はよろしくお願いします。」
春日「ひとつ、よしなに」
ガチャッ
若林「おはようございますー。よろしくお願いします。」
春日「ひとつ」
ガチャッ
若林「おは…あれ?ココどきキャンの楽屋だったんだ」
春日「おげんこ〜!」
岸「おー、オードリーか。はよっす」
佐藤「…………」
岸「佐藤、オードリー来たぞ」
トコトコトコトコ
春日「サ・ト・ミ・ツ!おはトゥース!」
あの日以来、佐藤は耳が遠くなった
佐藤「ああ、春日。おはよ」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:08:23.33 ID:YEvSj821Q
若林「じゃ、今日頑張ろうね」
岸「ああ」
春日「のちほど!鬼瓦!」
佐藤「うん、またあとで」
相変わらずな毎日。
普通でいつもの穏やかな日々。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:09:19.69 ID:YEvSj821Q
若林「じゃあ、スタジオ行くか」
春日「ウィ」
今日はひな壇での出演だけだったので、
2時間程で収録は終了した。
入り時間が早かったので、時刻はまだお昼を回ったばっかりであった。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:09:35.93 ID:V2HQPxs80
ホモSSかよ
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:13:15.62 ID:YEvSj821Q
>>62ホモではないが、原作が男女なので そう見えたらすまぬ
春日「若林!」
若林「ん?」
春日「このあと、暇か?」
若林「ああ…予定はないけど…」
春日「ちょっと、一緒に…お茶しませんか?」
若林「…ぷっ、お茶って何だよ
」
春日「え…あの、その…嫌ですか?」
若林「いや、いいよ。どうせ予定ないし」
最初はどこかカフェに行く予定だったが、客に見つかると厄介なので、無難にむつみ荘へ行くことにした
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:14:45.44 ID:YEvSj821Q
俺たちは「あの日」以来、オフの日もこうしていっしょにいることが多くなった。
春日「どうぞ」
若林「飴ジュースじゃねぇか!
まだやってたのかよ」
春日「もちろんでございますよ」
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:16:54.78 ID:YEvSj821Q
若林「…なぁ、春日」
若林「俺、最終兵器になっちゃったんだけど」
春日「ウ、ウィ」
春日「で…何なんだ、それ?」
若林「なんだかんだ、俺もよくわかってないんだよな
偉い人が説明してくれたけど、俺、難しいことはわかんねぇから」
春日「そうか……で、それは治るのか?」
若林「あ、聞くの忘れた。今度聞いてみるわ」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:17:45.55 ID:YEvSj821Q
春日「え、教えてくれるのか?」
若林「わかんね。でもあいつら俺に甘いから。聞いてみるよ」
春日「ウィ。」
若林「あ、そーだ。
俺新しいネタ考えてきたんだ。
ちょっとやってみよーぜ」
春日「おっ、いいですな」
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:19:32.88 ID:YEvSj821Q
いろいろあったけど、
最近は、うまくやれていると思う。
とある日
ロケ中に機材の不備やらで、3時間ほど待たされることになった。
北海道でのロケだったので、若林と暇つぶしついでに散歩することにした。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:20:51.02 ID:YEvSj821Q
ピーーーーーッ ピーーーーーッ
若林「あ」
若林がカバンをがさがさと探し始めた
春日「若林くん、いまどきそんな着信音の人いませんよ」
若林「うっせぇ、ばかすが。
あ、あった」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:21:56.52 ID:YEvSj821Q
春日「誰からですか?」
若林「…自衛隊からだ」
春日「え…!?なんで、今ですか?」
若林「ああ。わりぃ、春日
ロケ出らんなくなっちゃった」
春日「………」
若林「ちょっと行ってくるな」
「ちょっと」何をしてくるのだろう。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:22:49.00 ID:YEvSj821Q
若林「馬鹿野郎。そんな不安そうな顔してんじゃねぇ」
どうすれば「不安な顔をしない」でいられるのだろう。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:25:05.92 ID:YEvSj821Q
今日で「東京空襲」から一週間。
死者、行方不明者は十万人を越えたらしい。
自衛隊戦闘機や爆撃機は何十機も墜落した。
そのすべては…若林が堕とした。
春日以外誰も知らない。
あとは国のお偉いさんと自衛隊の一部の人と……
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:26:12.22 ID:YEvSj821Q
この一週間毎日のように「東京空襲」がニュースに取り上げられていた。
それを見る度、現実なんだな…と思う。
春日の遠い親戚の方がこの空襲で亡くなったことをママから聞いた。
周りの芸人仲間も 暗黙の了解でこの空襲にはふれるのはやめた。
どうせ話をしても現実は何ひとつ変わらないのだから。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:27:25.00 ID:YEvSj821Q
そう、春日に…何ができる?
「相方」として「友達」としていつものように胸を張って送り出す以外に。
若林「あ、これ渡すの忘れるとこだった」
若林「ホラ、交換日記」
若林「じゃ、ちょっと、行ってくる。」
春日「(…どこに!)」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:29:13.54 ID:YEvSj821Q
〜むつみ荘〜
ピコピコ チャリーン
春日「はあ…。ゲームをしてても全然楽しくないでございますな。」
春日は…こんなことをしてていいのだろうか。
春日「あ、交換日記」
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:30:36.56 ID:YEvSj821Q
パラ
『よぉ、春日
昨日愚痴言っちゃって悪かったな』
パラ
『まさかお前に励まされるとは思わなかったよ』
いや…春日が支えてあげないと、若林は潰れてしまう
だから…例え無責任と言われても春日はこうしで相方゙として優しい言葉をかけ、励ましてあげようと思う
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:31:38.42 ID:YEvSj821Q
春日「(この方が…若林のためなんだろうな…きっと)」
パラ
『お前って、そういう面では絶対に意見曲げない、みたいなとこあったけど、最近 俺の意見認めるようになったよな』
『でもさ、正直 そんな春日を見てると、俺すっげぇ心配なんだよね』
春日「………」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:33:17.29 ID:YEvSj821Q
『無理して笑って、俺の意見に賛成してくれる春日を見る度さ
消えてなくなっちゃいたくなるんだよね』
ドクン
『俺さぁ…なんでこんな体になったのかなぁ』
『やっぱ 人の悪口ばっか言ってたからかなぁ』
『もしかしたら、これは罰かもしれねぇなあ』
『たとえばさぁ、売れない時代からずっと応援してくれた人たちに、なにひとつ返せてない弱い自分への…とか』
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:35:00.36 ID:YEvSj821Q
『最終兵器のことは周りには秘密だから、誰にも相談できなくて超辛かった』
『だから、あの時、俺のこんな惨めな姿 お前にだけは見られたくなかったんだけど、
…本当はちょっとほっとしてた』
『春日なら、こんな俺のこと、いけないことしてる俺のこと、ちゃんと叱ってくれるって思ったから』
ドクン
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:36:33.57 ID:YEvSj821Q
『あの日から、ウソついて俺に優しい春日が隣にいること、
すっげぇ嬉しくて、』
ドクン
『すっげぇ悲しかった』
ドクン
『だから俺、もういいや』
ドクン
『あれ、俺何かいてんだろ
こんなことかくつもりじゃなかったのに』
ドクン
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 22:39:55.08 ID:YEvSj821Q
『…俺、強くなるから』
『もっともっと強く』
『だから、大丈夫』
ドクン
『9年間も、こんなめんどくせぇ奴と漫才してくれてありがとな』
ガバッ
春日「若林っ……!」
バタン
『ごめんな』
三章-Uへ続く
しえぇぇーん
なにこれサイカノもオードリーも好きだから嬉しすぎ
あの絵で脳内再生されるw
てことで支援!
すでに泣きそう
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 23:06:43.93 ID:YEvSj821Q
みんなありがトゥース
ちょっとお風呂逝ってくるね
三章-Uは 23:30くらいに始めようと思う
バァイ
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 23:13:39.94 ID:bvc2zlri0
支援
小樽に真冬で旅行に行ったとき、ふと立ち寄ったあの展望台を思い出すぜ。
あそこまで行く道も、展望台自体も、半分雪に埋もれてた。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 23:49:20.88 ID:YEvSj821Q
>>85 あの展望台 実際にあったのか!
>>86 おお!絵付けてもらえるなんてありがたい
ぶっ壊すだなんてとんでもない
では、再開します
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 23:51:39.06 ID:YEvSj821Q
三章-U
ダッ
春日「ハァ…ハァ…」
自分で自分がどこへ行こうとしてるのかわからなかった
ただ、『行かなくちゃ』って思った
春日「くそっ…若林…!」
気付いたら、若林の家の近くまで来ていた
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 23:52:50.39 ID:YEvSj821Q
そのとき、俺は なんか 声が聴こえた気がして
ふと 上をみた。
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 23:54:25.82 ID:YEvSj821Q
そこには…上空5メートルくらいのところで、
時間が止まったかのように動かない若林がいた。
とり肌が立った。
背中から突き出ている金属の板。
電柱のずっと上から音もたてず下りてくる事の出来る高性能のなにか…
すべてが 若林の肌を突き破り「生えて」いた。
俺は 理解した。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/07(日) 23:56:15.03 ID:YEvSj821Q
若林「…!」
ボスッ
若林が俺に気付いた瞬間 翼が消え、俺の目の前落ちた。
春日「だ、大丈夫か!?若林!」
若林「うるせぇ!おっきい声出すんじゃねぇよ…」
若林は俺に背を向けた
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 00:05:41.09 ID:hX42uWNeQ
そのとき、俺は痛々しい背中を見てしまった
肌が剥き出しになり、翼が突き出ていた所からは血が滲み出ている、キズだらけの小さな背中を。
・・・
あの日以来、若林のそういう姿は見てないから、
夢だと思い込もうと していたこと。
そうする春日が一番若林をキズつけていたこと。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 00:07:40.26 ID:hX42uWNeQ
春日は、
春日は……
若林「っ、……おい」
春日「…?」
若林「………た…」
若林「………………ただいま」
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 00:11:02.36 ID:hX42uWNeQ
春日「!?!!!!?」
春日「(若林が春日に『ただいま』!?え、ナニコレー!
なんて、いや てゆうか、そんなことより、春日は若林に、なんか言おうと…、
交換日記のあんな一言で、二人の9年間を…終わらせたくない、
…せめて、春日の本当の気持ちを…伝えなければ。)」
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 00:13:20.82 ID:hX42uWNeQ
春日「あ」
春日「アナタは、なんでいっつもそうやって無理して一人で抱え込もうとするんですかっ!?」
若林「……………」
春日「君みたいなねぇ、地味な男は、春日の隣でただ頷いてればいいんですよ!」
若林「……ああ…そうかもな……」
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 00:14:48.17 ID:hX42uWNeQ
春日「若林!」
若林「あ?」
春日「……おかえり。」
若林「…!………ただいま。」
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 00:16:57.44 ID:hX42uWNeQ
若林の家の近所まで来ていたので、家まで送ることにした。
そんな恰好でふらふらさせられないので、
とりあえず、春日の拾い物のジャケットを貸してあげた。
春日「…そのスーツで家に帰るんですか?」
若林「ああ、スーツは出撃の度に国が支給してくれるから。破けても大丈夫なように」
若林「ほら、俺って珍しもの好きなとこあるから、
変わったスーツ頼んでもちゃんとそれくれたりするんだよな。
灰色とか黄土色とか」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 00:20:10.04 ID:hX42uWNeQ
俺たちは、不器用だから 大事な事を何一つ声に出来ない。
面と向かって本当の気持ちなんか何一つ伝えられない。
でもさっき、若林の声が聞こえた気がした。
春日「若林」
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 00:23:38.92 ID:hX42uWNeQ
若林「ん?」
春日「最終兵器って、結局どーゆーことなんだ?」
ポンコツ春日でもやっと気付いた。
春日「ジエータイの人に聞いてきたんだろ?」
春日が現実から逃げることは、若林をキズつけ、ひとりぼっちにすること。
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/08(月) 00:25:16.93 ID:hX42uWNeQ
若林「…ああ」
若林「……やっぱり、詳しくはヒミツなんだってさ。」
若林「俺が最終兵器になったってことは春日以外誰もしらねぇんだ。
親父も、お袋も、ねぇちゃんも………
知らせないほうがいいって偉い奴に言われたし、俺もそう思う。
……てゆうか、言えねーよな。俺がこんな惨めな姿になった、だなんで……
親父とか、真面目だからショック受けて寝込んじまうかもしんねぇし。」