唯「中学生のころの話しようよ!」梓「じゃあ、次は私ですね」
1 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :
私には 環境 があった
それは決して私自身が作ったものではない
ただただ そこにあっただけの状況だ
私には
それ以外 なにもない
だというのに
――ああ だというのに
どうして私は 自分が特別なんだと思ってしまったのだろうか
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 17:10:46.21 ID:bq6AFhbF0
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3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 17:11:54.95 ID:fn2YfPl7O
よう笑み社
4 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 17:17:51.88 ID:PQBTahHA0 BE:1732020285-2BP(2050)
外は、夕日に包まれていた。
冬という季節は、夏に比べて日が落ちるのが早い。それ故に、4時半という現在の
時間でも日は傾き、黄金色の光はオレンジ色の光に変わっている。
紅茶の水面に、オレンジ色の光が差し込む。
練習を全くしていないが、これはこれでいいものなのだと思う。
紬がいなくなってしまったら、このティータイムも終わってしまうのだろうか。
「あずにゃんあずにゃん。はい」
唯が私にケーキを食べさせようとする。
柔らかい、というよりもしまりのないその顔は、どうしてか私のしてほしいことを
的確にしてくれる。
練習以外のことは、彼女は私にとってベストパートナーなのだろう。
それはともかく、唯が持つフォークの先端にはケーキがひとかけら。きっと、これ
を私にくれるのだろう。
「あー! 梓ばかりずるいぞ! 私にも私にも!」
「り、律。私があーんしてやっても――」
「そうよ、りっちゃん! 私は見てるから、澪ちゃんにあーんしてもらって」
5 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 17:23:08.58 ID:PQBTahHA0 BE:1039212364-2BP(2050)
……騒がしい部活だ。
軽音部だというのに、楽器の音よりも人の声のほうがよく聞こえる。
それが桜高の軽音部なのだ。それを、嫌った自分がいたことは、今となってはどうで
もいい。
どうでもいい。
過去の、自分なんて。
だったら、私もこの人たちに話してもいいと思う。
「あの、律先輩」
「ん? なんだ?」
「あの、私の昔話とか、聞きたかったりします?」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 17:24:31.91 ID:vnfBoM9PO
今回は梓か
支援
7 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 17:29:20.47 ID:PQBTahHA0 BE:1169114639-2BP(2050)
どうして律に尋ねたのか。
それはわからない。
ただ、なんとなくこの人に聞けば気持ちのいい答えが返ってくると思ったからだ。
三日前に聞いた、紬の過去。
それから始まって、この部活は自らの昔話を順番にしていっている。不思議なもの
だ。その人の過去を聞いて、ようやく私はその人を知ることになったのだから。
「……梓が話したいなら、いいよ。聞くから」
珍しい。
この人が、こんな曖昧な返答をするなんて。
――まあ、それでもいい。
「あずにゃん……」
「いいんです。この夕日を見てると、そんな気持ちになるんですよ」
昔に思いをはせる。
そんな、ノスタルジィに浸りたいのだ。
8 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 17:38:43.86 ID:PQBTahHA0 BE:2121725077-2BP(2050)
中野梓は、言ってしまえば芸能人の娘である。
ジャズミュージシャンの両親を持ち、家には楽器や音楽が常にあふれていた。生まれた
時からこうだったから、決して不思議には思わなかった。両親がギターを弾いているのを
見て、素直にかっこいいと思ったし、尊敬もしている。
私が幼いころ、そんな両親は言った。
「なあ、梓。音楽って、どんな字を書くと思う?」
「――?」
父の言葉の意味を知るのには、私はあまりにも幼すぎた。
当然だ。
私は、5歳だったのだ。
字を書くことも、読むこともできない5歳時には、この質問は複雑すぎる。
「梓には少し早かったかな。でもな、梓――」
父が新聞の折り込みチラシの裏に、ボールペンで字を書く。
音楽
その、たった二文字だけを書いて、私の目を見た。
9 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 17:41:50.39 ID:PQBTahHA0 BE:1948522695-2BP(2050)
「これ、なに?」
「これが、音楽っていう字だよ。音を楽しむって書くんだ。わかるかい?」
「うーん……」
「ハハ。まだわからないよな。
でもな、梓。音楽は、みんなが楽しめるようになって初めて音楽っていうんだ。それを、
決して忘れるんじゃないぞ」
いつもはギターが置かれる膝に、父は私を乗せる。
それだけで、私はこの人に愛されているんだと感じた。
--父の言ったことの意味がわからなくても、それでもいいと思えるくらいに。
文章作法がなっているようで、なっていない
11 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 17:47:50.36 ID:PQBTahHA0 BE:173202522-2BP(2050)
--幼稚園での私は、誰よりも普通な子供だった。
それも当然だ。
別に、両親がミュージシャンだからといって、その子供まで特別かというと、決してそうで
はない。
人にはそれぞれ、ペースというものがある。それは在り方にも当てはまる。
父と母が、有名なのは私も知っている。
だからといって、私が同じような人生を歩むことはない。
ミュージシャンの子供でも、当たり前の夢があるのだから。
「あずさちゃんは、大きくなったらなにになりたいの?」
友達から、こんなことを訊かれる。
周りの大人が、私の回答に耳を傾ける。
「えとね。私は――お嫁さんになりたいな」
白いドレス。
白いベール。
白い教会で。
私は愛する人と結ばれたいと。
そんな、普通の子供と同じ夢を持っていた。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 17:49:53.22 ID:kLWZynQt0
展開違えども書き方が変わらないと個性が見えない
13 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 17:56:05.16 ID:PQBTahHA0 BE:1732020858-2BP(2050)
……そう。
私は、普通の女の子なのだ。
両親が何者でも関係ない。
私という存在が変わらぬ限り、私は中野梓なのだ。
故に、誰かに将来を決められたりなんてしない。
自身の考えと、夢をしっかりと持って生きているのだから。
「梓ちゃんは、パパやママみたいになるの?」
幼稚園の先生が、私に向かってそんなことを言う。
私は――その言葉が大嫌いだった。
--パパやママみたいになる。
馬鹿らしい。
それでは、私個人の夢はどうなる?
周りの勝手な展望に、私の未来が決められるなんて、そんな馬鹿なことがあっていいもの
か。私は私の夢のために、私は私の大切な人のために生きていく。
--たとえ家に楽器がこれ見よがしに置いてあっても、私は私なのだから。
久しぶりだな 期待しときます
15 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 18:02:18.07 ID:PQBTahHA0 BE:909311437-2BP(2050)
家に帰っても、誰もいない。
送迎バスで帰ってきて、玄関のドアを開けても、ただいまと大きな声で言っても、なにも返って
などこない。
両親は忙しいのだ。
そう自分に言い聞かせて、ソファーに座る。
……うす暗い部屋。
呆として過ごすには、ちょうどいいくらいの暗さ。
外からは子供の声が聞こえる。
大きな声ではしゃいでいる、子供の声。
「ちょ、りっちゃん、早すぎるよぉ」
「うぇええええええええええええええええい!!!!!!」
「りっちゃああああああああああん!!!!」
耳障りだ。
リモコンを持って、テレビを点ける。
液晶テレビには、笑顔の青年が子どもたちと踊っている。
……心が、苦しい。
両親が返ってくるまでの間、私は毎日毎日、独りでソファーに座っていた。
16 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 18:09:05.08 ID:PQBTahHA0 BE:1082513055-2BP(2050)
「ただいまー」
玄関から声がする。
私が大好きな声だ。
「梓、遅くなってごめんね。すぐご飯作るからね」
そんなの関係ない。
母が、父が帰ってくる。一緒にご飯を食べる。
それだけでいい。
それだけで、私が一人だった意味がある。
「梓、今日はいいものを買ってきたぞ」
父が私を抱き上げて、そんなことを言う。
――なんだろう。
新しいおもちゃだろうか。
なんにせよ、買ってきてくれるのならうれしい。私は顔が綻ぶ。
「ほら、子供用のギターだよ」
17 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 18:12:31.10 ID:PQBTahHA0 BE:3507341099-2BP(2050)
小さなギター。
でも、それは父や母が使っているのと同じ形だ。
ピカピカの、新しい――
「――梓、弾いてみな」
ストラップを掛けて、構えてみる。
父と同じように。
母と同じように。
ピックを持って、弦に引っかける。
「――!」
「あ」
指から、赤いもの。
血。
私のギター初体験は、弦に指を引っかけて血を出すという苦い思い出だった。
これは期待
19 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 18:32:37.67 ID:PQBTahHA0 BE:2727932279-2BP(2050)
それ以来、しばらく私はギターを弾かなくなった。
初体験にして、血を出したことがトラウマとして残っているからだろう。
「ねえ、あずさちゃんってかわいいよね」
「そう? ありがとう」
突拍子もなく、友達のマキちゃんがそんなことを言ってきた。
意図がわからない。
ただ、褒められたのだから素直に感謝をする。
マキちゃんは私よりもほんの少しだけ背が高い。
というより、私は周りの子に比べて特別背が低い子だったので、マキちゃんだけが背が高い
と感じたわけではない。
「すべすべー」
マキちゃんが、いきなり私の頬をなでる。
嫌とは思わない。
ただ、女の子同士でこういうことをするのはどうなのかなって思った。
20 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 18:38:18.16 ID:PQBTahHA0 BE:3507341099-2BP(2050)
「カワイイー!!」
「あ、ありがと」
「カワイイよ。ママもパパも言ってたもん」
彼女は、考えたことを全て行動に移す。
神経や思考が、考えを常識の範囲に収める前に動き出すから、彼女は何度も怪我をしてい
る。それでも、大けがが一度もないのが彼女のすごいところだ。否、大けがをすれば無茶もし
なくなるのに、それがない。
「だからね。ママが昨日私に言ったの――」
「……なんて?」
――私は、聞き返さなきゃよかったのかもしれない。
「中野の子供とは、仲良くしなさいって」
仮初の笑顔と、本物の笑顔がわからなくなってしまうから。
21 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 18:43:01.12 ID:PQBTahHA0 BE:1039213038-2BP(2050)
――それから小学校に上がるまで、私はずっと周りの人たちの笑顔がウソに見えていた。
私の家は、決して裕福ではない。
たまたまミュージシャンの両親がいるだけで、それ以外は普通の家庭と全く同じだ。そ
れなのに、周りはそうはいかない。
一度テレビに出たり、CDが売れれば、たちまち見る目というものは変化する。
私のことを深く知らない人たちにとって、私は裕福な家の子供でしかないのだ。
故に取り入ろうとする。
中野の家と仲良くすれば、なにかおこぼれがもらえるかもしれない、と。
――ああ。
馬鹿らしい。
そんなこと、あり得ないというのに。
私を、私の家を買い被り過ぎだ。
小学校に上がってからも、私は人の心理を計れずに生きていた。
22 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 18:50:33.89 ID:PQBTahHA0 BE:2424828487-2BP(2050)
少し席をはずす。
キターーーーーーーーーーーー
続編まってたよ
支援
支援
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 19:36:53.18 ID:1BzYgtNQ0
続編きたか
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 20:14:01.78 ID:2NJiR/sB0
超支援
27 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 20:44:30.15 ID:PQBTahHA0 BE:2078424386-2BP(2050)
ただいま。
28 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 20:50:54.15 ID:PQBTahHA0 BE:2338227296-2BP(2050)
「ねえ、中野さん」
「……」
担任の先生が私を呼びとめる。
小学6年生となった私は、大人の打算に嫌気がさしていた。
なにもないのに。
私の両親は、決して特別なんかではないのに。
「なんですか?」
「今日、中野さんの家に家庭訪問してもいい?」
なんなのだろうか。
どうして、この人は私の家に来たがるのだろうか。
そんなにも、芸能人の家が見たいのだろうか。
「……今日、お母さんいないんで」
そう言ってやり過ごすしかない。
先生は呼び止めない。
ただただ、私を眺めていた。
その帰り道、私は如何にも高級そうなクルマを見た。
29 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 20:56:09.35 ID:PQBTahHA0 BE:1039213038-2BP(2050)
高級そうなクルマ、否。見るからに高級なクルマの後部座席に乗っていたのは、
恐ろしく美人な子供だった。
「――あの人」
似ている。
私は、あの人と。
あの目は、周りの人間が馬鹿らしく見えている目だ。
私と同じ。
私も、打算や抑圧で以て動く大人に対して冷ややかだ。
「あ」
目があった。
反射的に笑顔になる。
張り付いた、笑顔。
両親のために、張り付いた笑顔。
その人の表情は変わらない。
――ただ。
少しだけ、私のことがうらやましそうな目になった。
そんな、気がする。
30 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 21:03:33.93 ID:PQBTahHA0 BE:1558818566-2BP(2050)
家に帰っても、誰もいない。
自室に戻って、ランドセルを乱雑にベッドに投げる。
それと一緒に、自身の体も放り投げる。
「――ああ」
今日も、両親は遅いのだろう。
テーブルには温めて食べて、という書き置きと夕食。
仕事が忙しいということは知っている。
ジャズミュージシャンとしては珍しく、CDが相当数売れているため、テレビ番組にも
呼ばれている。
それに関して、私は決して文句はない。
むしろ、それくらいでなくてはミュージシャンではないだろう。と思う。
「――と」
ギターを手に取る。
去年から始めてみたギター。
暇を紛らわすために、
自分を認められるように、
独りじゃないと思うために。
――でも、これも大人の打算だ。
だって両親は、私にギター(これ)をやらせるために心血を注いでいたのだから。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 21:05:04.92 ID:51LFyZ0j0
やっぱ地の文があると雰囲気が変わるね
32 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 21:08:20.08 ID:PQBTahHA0 BE:1039213038-2BP(2050)
私の周りにある音楽関連のグッズ。
これらはすべて、私に音楽をやらせるために置いてある。
いくらミュージシャンでも、自宅にここまでグッズが置いてあることはない。
右を見ても、左を見ても、あるのはギター、ベース、スピーカー。
「……これじゃあなぁ」
やらざるを得ない。
たった一人なのだから、何かに縋るしかない。
人は退屈では死なないが――
――孤独では、死んでしまうのだ。
だったら、私は喜んで策に嵌ってやろう。
それで――人が喜ぶのであれば。
34 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 21:23:34.73 ID:PQBTahHA0 BE:1039213038-2BP(2050)
「……」
ピックで弦を弾く。
アンプに繋いでいないので、小さな音だ。
それでもいい。
だって――私は全く面白いと思っていないからだ。
ギターを弾いてみて、面白いとか楽しいと思ったことはない。
誰も聞いていない音。
たった一人で奏でる、曲にもならない音。
「つまんない……」
ギターを置いて時計を見ると、針は6時指していた。
外は夕日に包まれて、温かくも寂しい気持ちになった。
――その日の食事も、味はしなかった。
またこいつか
もういいよ面白くないから
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 22:37:52.09 ID:WL75pNfV0
俺は面白いと思う
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 22:39:56.25 ID:AcklePIW0
俺は好きだぞこの文章
38 :
たまなや ◆lR1qzRIB3La0 :2010/01/23(土) 22:42:20.18 ID:lBQTf9fdO
唯【わたしがはなすわね】
あれは三年生のときだった
唯【いたい!
男 臭いんだよおめ
唯【えーん
39 :
たまなや ◆lR1qzRIB3La0 :2010/01/23(土) 22:44:11.60 ID:lBQTf9fdO
唯【自殺しよう
屋上
唯【さようなら
マリオ まて
唯【どうしたのまりお
マリオ死ぬのはよくないぞ
フリーざ そうですよホホホ
40 :
笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2010/01/23(土) 22:44:32.12 ID:PQBTahHA0 BE:1515517875-2BP(2050)
申し訳ない。
どうしてもモチベが上がらない。
今日はやめにして後日にしようかと思うけれど……。
41 :
たまなや ◆lR1qzRIB3La0 :2010/01/23(土) 22:45:39.62 ID:lBQTf9fdO
唯【やだ死ぬ
ヒュー
マリオルイージフリーザピカチュウスマブラ アッー!
42 :
たまなや ◆lR1qzRIB3La0 :2010/01/23(土) 22:46:09.32 ID:lBQTf9fdO
43 :
たまなや ◆lR1qzRIB3La0 :2010/01/23(土) 22:48:35.88 ID:lBQTf9fdO
唯 【あれ わたし生きてる
アンパンマン危なかったな
のび太まったく世話が焼けるぜ
唯【ありがとうがんばる
つーかお前わざわざブログに上げてるんだったらそっちで見てやるから一々スレ立てなくていい
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 22:51:39.28 ID:WL75pNfV0
残念だ
後日楽しみにしてる。
46 :
たまなや ◆lR1qzRIB3La0 :2010/01/23(土) 22:51:44.97 ID:lBQTf9fdO
支援しろよクズドモ
相変わらず酷いな
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/23(土) 23:36:48.05 ID:uQ0t6XkZO
相変わらず格好つけてるだけでダサい文章だ
まあ笑み社はSS書くしか自己表現できないみたいだから仕方ないのか
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/24(日) 00:19:36.36 ID:Sqgbpe0+0
俺…死ぬ前に一度でいいから…全部…読みたかった…チラッ
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
俺は期待してる