ハルヒ「アナル、いじめ、シュールのSSはここまで来なさい!」
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/14(木) 09:48:22.22 ID:SAQuIJhv0
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/14(木) 09:58:23.60 ID:SAQuIJhv0
今日こそは携帯の規制を・・・
スレ立てありがとうございます!
あげんな
あぶない
ひゃあぁぁぁぁ
うp
●<一物!
立ったか
こりゃ落ちるな
落ちるね
まあ乙
エロスが足りない
ハルヒ「クレイモアっていい響きよね」
キョン「物騒な上に絶対女子の興味を引きそうにない言葉だと思うけどな」
ハルヒ「朝一番に登校して出入り口に片っ端から仕掛けたいと思わない?」
キョン「おもわねぇよ!危ないから!」
ハルヒ「有希はどう思う?」
長門「各出入り口に仕掛けた後、廊下にセントリーガンを仕掛けるのがベスト」
ハルヒ「さすが有希!あたしよりいい考えね!」
古泉「長門さんちょっと…」
長門「なに」
古泉「実行したらどうするんですか!?死人が出たら洒落になりませんよ!」
キョン「そうだぞ長門、発言には気を使え」
長門「面白そうだから」
キョン古泉「「え?」」
長門「わくわくしながらクレイモアとセントリーガンを仕掛ける彼女の姿が面白そうだから」
みくる「今日も生徒会室まえにクレイモア(BB弾仕様)を仕掛けとこっと…リア充は爆発ですよ」
おはようございます
起きたのか!
よる
1時間
人少ないですね。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/14(木) 23:59:35.27 ID:9yzj0uFzO
うん
あれ!?生きてる。
潜入任務:ハルヒの場合
ハルヒ「あ、これ強そう」カチャ
キョン「ハルヒ、よく考えてから武器を拾え。やかましいの今必要ないだろう」
ハルヒ「うるさいわねぇ…とりあえずあいつで試し撃ちよ」ズドーン!
敵1「ノオォォッ!」
敵2「敵襲だぁぁぁ!」
ハルヒ「ふん!わらわらと出てきたわね、まとめて…ってちょっと多すぎない?」
キョン「何のためのに消音器付の武器で来たんだよ。早く隠れろ」
潜入任務:長門の場合
キョン「長門、どこに居る」
長門「目標から南西に20m」
キョン「サーマルスコープでも見えないんだが…」
長門「情報操作で工学迷彩および体温と心音を完全に消している」
キョン「そ、そうか…」
長門「そう」
潜入任務:みくるの場合
みくる「キョンくーん、ここどこですかぁ」
キョン「そのまま真っ直ぐ進んで…右手側に敵兵です隠れて」
みくる「え?ええ?あっとどうすれば…きゃっ」
敵1「ん?」
敵2「大丈夫か?」
みくる「すみません」
敵1「気をつけろよ」
敵2「風邪引かないようにな」
キョン「おい待てコラ」
古泉「僕のは?」キョン「ない」
(別筆者です)
潜入任務、朝倉の場合。
朝倉「敵発見したわ」
サクッ
敵A「……」
敵B「……」
キョン「音も立てずにしとめただとっ!?」
ほ
ほ
※吹雪の基地に潜入、特定位置まで発見されずに辿り着け
潜入任務:古泉の場合
キョン「この吹雪じゃお前も幽霊みた…」
●「行きましょうか」
キョン「堂々と行って来い。バレねぇからよ」
キョン「なぁ、すこしはまともに潜入できる奴は居ないのか?」
森「呼びました?」
新川「懐かしい響きが聞こえて来ました」
キョン「呼んでません」
ハルヒ「そういうキョンはどうなのよ?」
キョン「少なくともお前よりマシな潜入はできる」
裕「僕がサポートに付くよ」
潜入任務:キョンの場合
裕「出来る限りサポートするよ」
キョン「車の敵が」
裕「僕の獲物だ…片付けた」
キョン「了解、このまま進みます」
新川「いいぞ、まさに幽霊のごとく敵に発見されずにゴールに行けましたな」
ハルヒ「何よ、サポートに頼りっぱなしじゃない」
キョン「見つからずに行くのが目的だろう」
ハルヒ「う…わかったわ、罰ゲームとして脱ぐわ」
キョン「待て、その理屈はおかしいだろ」
ハルヒ「なに?下着も脱げって事?仕方ないわね…」
キョン「嬉しそうに脱ぐんじゃねぇ!」
古泉「下着の色はピンクか…」
長門「古泉一樹を敵性と判定、排除する」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/15(金) 02:55:19.72 ID:ndnqMClx0
おとしはしない!
たまにはなにかかいてみた
寝る!
長門「寒いのは苦手」
今朝は冷えるねぇ〜
おはやう
IDの数字の数だけSSを書く
おはようです。
ハルヒ「う〜寒い〜。キョン、あっためて」
キョン「カイロでも喰ってろ」
ハルヒ「冷たい。キョンのツッコミがいつもより冷たい」
キョン「展開が読めるんだよ。返事しようがしまいが「なら一肌で暖め合いましょう」とか言って脱ぐんだろ?」
ハルヒ「えー、ボケ殺しは止めてよー。せっかく昨日の夜にむだ毛を剃っといたのにー。つるんつるんよ?」
キョン「そう言うことを口に出すなよ」
ハルヒ「下の毛も」
キョン「聞いてもないことを言うなよな!一から十まで答えたいお年頃か!?」
ハルヒ「つまりパイパンです」
キョン「十超えたー!」
ハルヒ「ついでにパンツはいてません。俗に言う、はいてないから恥ずかしくないもん」
キョン「ぶっ叩きたい!だけど叩いたら、絶対スカートはためく!叩けない!」
ハルヒ「あ、あ、あんたのためなんだからね!」
キョン「ツンデレっぽいけど微妙に違う!デレツン!?誰得!」
ハルヒ「う〜寒い〜。キョン、あっためて」
キョン「そりゃそんな格好ならな!まずは人間として最低の羞恥心を取り戻せ!」
ハルヒ「うんしょ」
キョン「足組み替えんな!」
ハルヒ「あぁん!見られるって最高!興っ奮するじゃなぁぁぁぁぁい!」
キョン「(………………そうだ)」
キョン「なぁハルヒ」
ハルヒ「なにキョン?やっとあっため合う踏ん切りがついた?ちょっと待って、今脱ぐから」
キョン「少し俺の話しを聞こうか。実は俺はキチンと隠してある方が萌えるんだが」
ハルヒ「……へ?なんで?」
キョン「だって見えたらつまんないし。隠されてるからこそ見たいって欲求が生まれるわけで、ぶっちゃけ、ミニスカートとかより、ぶっちゃけフレアスカートとかタイツの方が好きだな」
ハルヒ「……なるほど。一理あるわね。なら最初っからそう言ってよ。今すぐ着替えてくるわ」
キョン「そうか。ついでにポニーテールにしてきて」
ハルヒ「うん、ちょっと待ってて」
♀ブタハルヒ☆
どさくさに紛れてポニテ要求するなw
まだ生きてた!
ニーポルーテ
定期連絡
さんじのおやつ
ポニテ吹いた
さすが俺たちのキョンさんや!
おっと
尿意ドン
おっと
そうか
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/15(金) 20:04:44.21 ID:/JRzCO4A0
二期キャラソン聴いてたら
ハルヒがRAG FAIRピッチ上げハルヒに似てきてる気がした
すっねーく↓
ただいまー
もう一月も後半ですね
お正月ネタ考えてたのに過ぎた…
なるほど。一足早いお年玉ですね。2011年のww
あぶあぶ
時事ネタ入れるのは危険だな、と
それより早く書きゃいいんですが足掛け三年も未完成なのがあったりする・・・
規制解除まだか
ええとプリンでお世話になっていた者ですが、例によってプリンがないのでこちらに投下してもよろしいでしょうか?
もし不都合がなければ10分後ぐらいに投下開始いたします。
お、ひさしぶり!!
夢を、見た――
『――キミは、それでもまだ、ソルジャーの夢を追うというのかい?』
俺に向けられたのは、驚きと、ほんの少し失望が込められた声。だけど、その声の主は、何故
だか濃い靄に隠され、一体それが誰なのか判別をつけることが出来ない。
ただ、その理屈っぽくも優しげなその声が、何とも無性に懐かしく響いた。
――俺は、その返事に二言三言発したはずだ。
がんばれ
『―――――――。』
『―――――――。』
しかし、それもフィルターがかかっているみたいに、俺の言葉なのに、全く俺の耳に入ってこ
ないのが何とももどかしい。
俺の返答を聞いてその声の主は、くっくっと真似の出来ない、いつもの多少皮肉めいた――そ
して、ほんの少し悲しみを込めたような――笑い声を漏らして言った。
『そうか……仕方ないな。それがキミの選んだ道と言うのなら』
でもね、とその声の主は続けて言った。
『例え、これからの進む道が違っているとしても――』
『――キョン、僕とキミは、ずっと親友だ』
『HARUHI FANTASY Z -THE NIGHT PEOPLE-』
第16章 daydream
俺は一つの懸案を抱えていた。
バギーも完全復活したし、長門も改めて俺たちの仲間になり何もかも順調のように見えるが、
肝心の朝倉情報は、コスモキャニオンでは結局何一つとして手に入る事無く、結局俺たちは国木
田の言葉を信じるままバギーを北西へと進めるしかなかった。
――そして、今のままその北西方向に進んでいくと、
「……………ニブルヘイム、か」
朝倉によって滅ぼされた俺とハルヒの故郷。そこに足を踏み入れざるを得なくなってしまう。
果たしてこのまま足を先に進めるか否か。だって、ニブルヘイムという言葉をを意識の上に上ら
せる度に、
――禍々しい業火に包まれる家々、
――無慈悲に切り刻まれていく村人、
――腕の中で冷たくなって動かない母さん、
そして――俺の服をどんどん真っ赤に染めていくハルヒの鮮血――
思い出したくもないヴィジョンの数々がフラッシュバックのように俺の脳裏を駆け巡り、俺は
思わずブレーキを強く踏んでしまう。――俺でさえ慣性で思わず前のめりになってしまう位だ。
後ろに乗っている連中なら尚の事――案の定、ハルヒが髪の毛を上げておでこを見せながら、け
たたましい声を上げながら文句言いに来やがった。
「ちょっと、キョン!! いきなり急ブレーキ踏まないでよね! 見て、おでこぶつけちゃったじ
ゃない!!」
そんなハルヒの様子に、俺は気付かないうちに笑っていたようで、ハルヒはさらに憤慨する。
「な、何笑ってんのよ?! こっちは怒ってんだからね!」
「い、いやスマン。…ちょっとな。くくっ」
「??」
さっきまで思い浮かべていた変わり果てたハルヒの姿と、今のイメージとのギャップがつい可
笑しくて笑ってしまったんだが、それを面と向かって言えるはずもなく。さすがに奇妙に感じた
のか、ハルヒは急にシリアスな表情になって俺に問い掛けた。
「……ひょっとして、ニブルヘイムのこと気にしてるの?」
「ああ…」
「そう…」
「………」
一瞬、沈黙が場を支配する。が、それを打ち破るようにハルヒは決然とした調子で言った。
「…ねぇ、キョン。正直、あたしだって怖いわ。あれ以来一度も帰っていないんだし、今のニブ
ルヘイムがどうなっているのか想像がつかないもの。…でも、気にしてもしょうがないんじゃな
い?」
「…ハルヒ」
ハルヒだって気付いていない筈がないんだ。このまま行けば、かつての俺たちの故郷だった廃
墟に辿り着くことを。でも、あいつはそんなことをおくびにも出さず、いつもと同じように振舞
おうとしている。それに引き換え俺は――って思うと自分が情けなく感じてしまう。それでも、
「…だってあたしたちのニブルヘイムは…もうないんだもん。それより今はセフィロスを止めな
いと。あたしたちみたいな悲劇を繰り返さないためにも、ね」
ハルヒはいつもと違う優しげな瞳で、俺を慰めるかのように言った。
「ありがとな」
それが分かったんだろうな。俺にしては珍しくこいつに対する短い感謝の言葉が自然と口をつ
いて出たんだ、不覚にも。
「きょ、キョンのくせにガラにもないこと言わないでよねっ!」
プイッと顔を背けるハルヒをよそに、俺は再びニブルヘイムに向け、バギーのアクセルを吹か
した。向こうに着くまでの間、ハルヒは頼まれもしないのに何故か頬を真っ赤にしながら助手席
に座ってくれた。それがどうにも気恥ずかしい反面、どこか嬉しかった。ハルヒには内緒だけど
な。
けど、俺たちの想像を超えた事態が待ち受けていようとは。俺も、ハルヒもこの時は思いもよ
らなかった。
なつかしいな
お、おお
66 :
HARUHI FANTASY Z 第16章 daydream:2010/01/16(土) 01:06:36.90 ID:kyIa0Gew0
「そ、そんなバカな…」
「嘘……」
近づいた時にはまさかと思った。
バギーから降りた時には我が目を疑った。
そして「村」の入り口に立った時には、もう呆然と立ち尽くすしかなかった。
何故なら、ニブルヘイムはそこにあったから――『5年前』と何一つ変わらぬ姿で。
部屋が寒いよ。
「燃えちゃったはず、だよね?」
俺と同様にハルヒも動揺を隠せない声で俺に問う。
「……そのはずだ」
「それなのに、どうして? あたしの家もある……」
ハルヒの家どころか俺の家もちゃんと建っていた。このまま入れば母さんが暖かく出迎えてく
れる錯覚を覚えるほどに。ただでさえ状況に混乱している俺に追い討ちを掛けるように、仲間か
らどことなく冷たい視線が刺さってくるように感じた。
「キョン君…何か、変?」
朝比奈さんが困惑した面持ちで見つめているが、俺はそれに返す言葉が見当たらない。まさに
『絶句』とはこういうシチュエーションのことを言うんだな。勉強になったぜ。いや、朝比奈さ
んや「キョンさん、夢でも見てたんじゃないのですか?」などと言いながらノーテンキにシュッ
シュッとシャドウボクシングの真似事をしている橘はまだいい。古泉とシャミセンに至っては、
「…まさか、カームでのあなたのお話は全くの嘘だったということですか?」
「少年。同情でもひこうと思って作り話をしたのかね?」
――完全に嘘つき呼ばわり。場の空気が一気に冷え込んで行くのがのが俺にも分かった。朝比
奈さんが心配そうに無言で見つめているのが余計に堪える。
「キョン君…」
でも、これだけははっきりと言える。
「…俺は……嘘なんか、言って無い!」
「そうよッ! あたしだって――」
「俺は覚えてる……あの炎の熱さを……」
…余りにもムキになり過ぎているのは、俺もハルヒも分かっていた。それでも、この記憶だけ
は外野にとやかく言われたくなかった。古泉もそれが分かったんだろう。両の掌を上に挙げるい
つもの仕草を見せて、
「…すみません。半分冗談のつもりで、言い過ぎたようです。とにかく、村に入って調べてみて
はいかがでしょう」
「そうね…ひょっとすると生き残った人たちが村を再建したのかもしれないし…」
古泉の言葉に頷くハルヒだが、その言葉にはいつもの覇気がない。予想外の事実にハルヒも相
当ショックを受けているようだ。――言うまでもなく、俺もだが。
またすごいところから始まりやがったッ!
まず「村はあるんだから、まずは宿を確保するのです!」と野宿覚悟一転、ふかふかのベッド
で眠れる確率が高まった事で、ルンルン気分になった橘のぶっ飛ばしたくなるような提案をとり
あえず受け入れる事とし、俺たちは村唯一の宿へと向かった。
その宿も、5年前と同じ位置、同じ佇まいで、俺やハルヒの記憶そのままに建っていた。
「はい、いらっしゃい」
――だが、扉を開けた俺たちを迎え入れてくれた宿の主人は、俺やハルヒの記憶の中にあるそ
れとは余りにもかけ離れていた。
「この村は5年前に全部燃えてしまった筈だ。一体どうなってるんだ?」
「お客さん、変な事言わないで下さい! 私はこの村で生まれ育ちました。そんな事は全然なか
ったですよ」
憤慨しているのか頬を紅潮させて反論する主人だが、そんな馬鹿な。ニブルヘイムは狭い村だ
った。それこそ村人全部が知り合いなくらいに。こんな奴、俺は終ぞ見た事無い。ハルヒもビッ
と主人に人差し指を突き出して、探偵小説の主人公みたいに決然と言い放つ。
「おじさん、あんた嘘をついてるわね! 他の人には誤魔化せても、この涼宮ハルヒの目を騙そ
うたってそうは行かないわよっ!」
「失礼だなぁ……変な事言うなら出て行ってもらいますよ」
「なんですってぇぇぇ!!」
――ちょっと待った、ハルヒ。俺は今にも飛び掛ろうとするハルヒを後ろから羽交い
絞めにする。
「キョン!? 何すんの!! 離しなさいよっ!!」
(馬鹿! 確かに何もかもおかしいし納得も出来ないが、折角の寝床を自分から放棄する事もな
いだろうがっ!)
俺の必死の説得の甲斐あり、ハルヒはまだ納得のいかない顔をしているものの、何とか暴れる
のを止めた。俺がハルヒをなだめている間に、財布持ちの古泉が宿泊の算段をつけていてくれた
。俺たちはひとまず部屋に上がり、荷物を置いてから村に出て情報を集める事とした。ひょっと
すると、あの事件を知る村人も残っているのでは…という微かな希望を持ちながら。
結果、それは大いに甘い考えだった訳だがな。
「ここはいい村でしょ? あたしらは昔っからここで商売してますけどね……」
まず、隣の雑貨屋。台詞とは裏腹に、俺たちが小さい頃お世話になった人の好い親父さんとは
似ても似つかない男がカウンターに突っ立っていた。
「……嘘だ」
呻く様な俺の言葉に、雑貨屋の男はいぶかしむ様な瞳で俺を一瞬睨んだ。
「もしかして……あなた、この村の関係者?」
「14歳までここに居たんだ。でも、俺はあんたなんか知らない」
だが、男は慌てたように首を何度も振って叫んだ。
「嘘はいけませんよ!!」
それにハルヒが黙っている筈も無く。
「何言ってんの?! 嘘ついてんのはあんたの方でしょ!」
「はあっ? お嬢さんまでそんな世迷い言。商売の邪魔するなら出てって貰いますよ!!」
「ぬわぁあんですってぇぇぇぇ!!! 」
で、宿屋の繰り返し、以下略…となると思ったのだが――
ううう、元ネタ知ってるだけにどう料理するかどきどき
「う……あ……ぁああ……リユ……ニオン……行きたい……」
雑貨屋の隅っこから不気味な呻き声が上がる。それは俺たち全員を身体の芯から震えさせるの
には十分なものだった――あ、長門と周防は除くが。
「…な、なんなの…ですか、今の……」
中でも一番ビビッてると思われる橘が青ざめた笑顔を貼り付けて俺のほうを見ている。俺だっ
て分かるわけないだろ――と言い返そうとした瞬間、何かが引っかかった。そう言えばあの呻き
声、どこかで聞き覚えが――
「ねえ、あの不気味な呻き声、一体何なのよ!!!」
ハルヒは雑貨屋の男に掴みかかるが、彼は「いいえ、別に何にも聞こえませんよ」と言うばか
り。だが、俺たち全員バッチリ聞こえているんだ。明らかにすっとぼけている。ハルヒが再三に
渡って締め上げても、男は一向にしらばっくれるだけで、その姿は逆に不気味でもあった。
埒が明かないので、俺たちは恐る恐るその声がする方に近づき、その正体を確かめることにし
た。俺は何が起きてもいいように、コスモキャニオンで買い求めた漆黒の剣、バタフライエッジ
に手を掛けながら。
支援したい
許可を
「う……あ……あぁ……」
剣の切っ先を声の正体に突き付けながら見たその姿に、俺は危うくそのまま剣を突き刺すとこ
ろだった。
「黒マントッ!!―――の男?!」
みずぼらしい黒いマントを被った姿は、まさしく俺たちが追い求め、かつ行く先々で見た朝倉
のそれだった。しかし、眼前にいる人間(?)は灰色の髪をぼさぼさに汚した男だった。その男
は「う……あ……あぁ……」などと苦しげな呻きを繰り返すばかりで、俺たちが近寄った事にす
ら気がついていない様子だった。
「……キョン君」
朝比奈さんが背後から俺の袖を引く。不安げに可憐な瞳を潤わせつつも、何かを確信している
かのように、桃色の唇をギュッと結んで言った。
「似てます…伍番街スラムの、あの病気の人に……」
彼女の言葉でようやく合点がいった。そう、俺が朝比奈さんをスラムの家に送り届ける途中で
出合った奇妙な病人の声とよく似ていたんだ。そう言えば、彼はあの後どうなったのだろう?
スラムの事だ。ちゃんとした医者に診てもらったとは考えにくいが……
ともかくも、俺は彼のマントを捲って左の腕を確かめる事にした。そこには案の定、
「……『Y』の刺青があるな」
伍番街のそれと同じ様に無造作に大きく掘り込まれた数字。到底本人の趣味とは思えない。第
三者が何かを見分けるために施したものと考えるのが自然だろうが、何の目的なのかさっぱり見
えてこない。それだけでも不気味なのに、さらに――
4
「聞こ……え……る? セフィ……ロスの……声……」
「きゃあああああああぁぁぁ!!!」
むしろ、お前の悲鳴の方がビックリだ、橘。それはともかく、奥の暖炉の傍に同じ様に『]U
』の刺青をした黒マントの男が、同じ様にうわ言を呟きながらうずくまっていた。――って、『
セフィロス』?!!!
「おい、セフィロスが――朝倉がどうしたって?!」
俺はすかさず、その男の胸倉を掴んで問い質すものの、その男の目は決して焦点を合わせる事
無く虚ろそのもので――
「おい! こっちに目を合わせてちゃんと応えろ!!!」
「ダメです、キョン君!」
苛立ちのあまり、襟元を掴んだまま殴りかかろうとした俺の右腕を朝比奈さんが押し留める。
「…気持ちは分かりますけど、止めて……とにかく、手当てしないと」
朝比奈さんは苦しむこの男たちを見かねて『ケアル』を施すが、全く効果の程が現れず、
「う……あ……ぁああ……リユ……ニオン……行きたい……」
懐かしい
などと二人して呻き声を繰り返すだけだった。朝比奈さんは悲しげに瞳を伏せる。そんな憂い
たお顔もとっても美しいです――ではなくてだな。
「おい、本当にこんな奴らがいるのに気付いていなかったとでも言うのか?」
俺は振り返って雑貨屋の男に詰問するが、男はあくまで平然としている。ゆっくりと店内を見
回してにこやかに、言った。
「いいえ。この店にはさっきからずっと――あなた方しか居ませんよ?」
「おおお、おかしいのですっっ!! あ、あたしたちが来る前から、そそそそこにいいいい居る
みたいなのですよ!!! ガクガクブルブル……」
いきなりのホラーな展開にもうパニック寸前の橘のヒステリーめいた叫びにも、「ですから、
ここには私とあなた方しかいませんって」というばかり。その間、目は一度も刺青の男に向いて
いない。……まさか、本当に見えていないのか、あれが?
「う・そ・を・吐くなぁぁぁぁぁぁ!!!!」
さすがにハルヒの堪忍袋の緒が切れたのか、ドロップキックが雑貨屋の男に炸裂した。
「もう、ここに居ても埒が明かないわ!! 他の家を当たりましょう!!!」
泡吹いて倒れるその男の前で仁王立ちしながら宣言するハルヒに、この場はもう、古泉が「そ
れがよろしいかと」というしかなかった。取り敢えず必要なポーションやらエーテルやらを取っ
てその分の御代をカウンターに置き、俺たちはその場を立ち去った。
¥
外に出たハルヒは不機嫌を隠そうとしなかった。俺を見ながら何やら一人でブツクサ文句言っ
ているようだ。
「ったく、キョンはセフィロスのことになると見境がないんだから……ブツブツ」
「何か言ったか、ハルヒ?」
「……べっつに。で、次は――あんたの家ね」
そうだった。昔の記憶そのままに建っているこの家に、俺はこれから入るのだ。
「キョン君……」
大丈夫ですよ、朝比奈さん。俺はとっくに覚悟で出来てますから。それに……
……ひょっとすると、あの惨劇はタチの悪い夢で、扉を開けると、母さんが元気に出迎えてく
れるんじゃ――
――なんて有り得ない、それこそ夢みたいな事を考えながら、俺は5年ぶりに『我が家』に足
を踏み入れた。
「なんだい、あんた?」
予想していた事のはずなのに、結構ショックが大きかったのには自分でもビックリだ。外見だ
けはまさしく自分の家なのに、入った途端「なんだい、あんた?」じゃあまりに遣る瀬無い。
しかし、現実というのは非情なものだ。俺たちの目の前に居るおばさんは、やはり俺の母親で
は決してなかった。
彼女は俺たちを胡散臭そうな目でジロリと睨みまわした。その行為に、何故だか俺は気圧され
そうになる。いや、そうじゃない――
『は〜い?――キョン!?……お帰りなさい!!」
――玄関にも、
『どれどれ……晴れ姿、母さんにもよ〜く見せておくれ……ふ〜ん……惚れ惚れしちゃうねえこ
れ、ソルジャーさんの制服かい?』
――居間にも、
『……心配なんだよ。都会には色々誘惑が多いんだろ?ちゃんとした彼女がいれば、母さん、少
しは安心できるってもんだ』
――台所にも、
この家の至る所にある母さんの記憶が、もう二度と手の届かないぬくもりが、俺をたじろがせ
ているんだ。……違う、違うぞ。こいつは母さんじゃない。母さんじゃない――のに、どうして
母さんの姿が目に浮かぶ!! 畜生っ!!!
「――大丈夫。わたしたちがいる」
心が千々に乱れそうになる俺の手を、長門がひんやりとしたその手で包み込み、いつもの無機
質な声を掛けてくれた。それだけでも俺の心が落ち着いていく。……ああ、そうだ、ここでしっ
かりしないといけないんだよな。ありがとうな、長門。俺は帽子の上から長門の頭にポンと手を
置くと、深呼吸をしてその女に言い放った。
「俺は――この家に14歳まで住んでいた……いや、それよりこの村は全部燃えたはずだ!!」
しかし、その女はにべもなくあしらうだけだった。
「何を寝惚けた事言ってるんだい! 顔洗ってからおとといおいで!」
――俺たちは手にしていた箒ではたかれ、『俺の家』から追い出された。
数時間後。
全ての家を回って宿屋に帰り着いたときには、すでに日も暮れかけていた。予想以上の疲労困
憊ぶりに、しばらく誰一人として口をきく奴はいなかった。
……無理もない。全滅したはずの村がその当時の姿のまま完璧に残っている、それはまるで白
昼夢のような世界。それだけでも不気味なのに、俺もハルヒも知らない住人たちの存在、そして
――
『あれ……を……手にい……れ…………セ……フィロスに……届けるの……だ。――そ……して
……おぉ……セフィ……ロスと……ひとつ……に』
『……行かな……くては…………リユニ……オン』
『……何処……で……す……か? セフィ……ロス……様』
『X』や『]T』、『W』などと数字の刺青を施された黒マントの人間たちが、虚ろな瞳を光
らせて、呻き声を立てながら村の中を彷徨い歩いているのだから。橘なんか、
『キョンさ〜ん、ははは早くこんな村出ましょう! も、もう野宿でもいいいいいのですっっ!
!!』
などと泣き言を繰り出す始末だ。それにハルヒも、そんな刺青人間に自分の家が占拠されてい
るのを目の当たりにしたためか、口数が普段の十分の一まで激減している。まあこいつの場合、
どっかに泊まる度に、やれ枕投げだ、徹夜トランプだ、と疲れてるのにさらにその疲れを倍加す
る夜のイベントを打ち立てるような奴だから、静かにしてもらった方がありがたいのだが。
それはともかく――
あのマントの奴ら、口々に朝倉の名前を出していたな。そう言えば、ゴールドソーサーで園長
の岡部も、朝倉について、
『それに手の甲に『T』のタトゥーをしていたぞ』
と言っていた事を思い出す。最早偶然という言葉では片付けられまい。あの刺青は誰が彫った
のか。そして、奴らが口走っていたもう一つの言葉――『リユニオン』。それは一体何を意味す
るのだろうか――などという事を考えていると、
「…………」
上着がクイクイ引っ張られているのに気が付く。振り返るとそこには黒い三角帽子を被った長
門がいつもの無機質な瞳のままで立っていた。
「どうした、長門? 帽子、脱がないのか?」
ちなみに現在俺たちが居るのは、宿屋の階段を上がった先にある2階の廊下だ。ここで話して
いると、どうも狂ってしまう前の朝倉と語り合った記憶が呼び起こされて落ち着かない気持ちに
なるのだが……まあ、いい。
長門は、俺の言葉に首をふるふると横に振り、帽子のつばを両手で大事そうにつまみながら言
った。
「いい。……これはエミリの形見。わたしは、エミリとずっと一緒」
そうか。お前の姉貴の帽子、だもんな。そういう事なら俺は別に何も言わないぜ。それに、そ
の帽子、結構似合ってるもんな。
「そう……?」
ああ、かわいいと思うよ。そう言うと、長門は頬を少し赤らめ、それを隠すように俯いて「無
自覚にそのような言葉を発するから……」などとよく分からない事を呟いていたが、しばらくす
ると何事もなかったかのように、「本題は別」とややぶっきらぼうに短く告げた。……そうか、
悪かったな。よかったら話してくれないか、長門。
「……刺青……わたしと同じだった」
俺はハッとする。そうだ、長門の左腕にも『]V』の刺青がある。そもそも長門は、宝条の『
サンプル』としてミッドガルに閉じ込められていたんだ。ひょっとすると、宝条のやっていた研
究とやらと何らかの関わりがあるのかもしれない。そしてそれは朝倉にも繋がっている――宝条
、神羅、朝倉……それらのキーワードが俺の頭の中でパズルのようにピタリとはまりかけたその
時、
「確かに気になっていたんですよ。長門さんの刺青もそうですが、この村自体も何かおかしい」
にやけ面のイエスマンがぬっと横から現れたために、さっきまでの思考がどっかに行ってしま
った。くそ、古泉め。おまけに顔が近い。寄るな。
「これは失礼。しかし、あまり大きな声を出しすぎると、村の人間に我々の話が漏れかねません
から」
村の人間? どういうことだ。すると古泉は微笑を浮かべたまま、お得意の長ったらしい解説
を始めるのだった。
「あなたたちのいう村の焼き討ちの真偽はともかく、この村が何らかの秘密を抱えている事は容
易に想像がつきます。あなたや涼宮さんの記憶にないのに昔からこの村に住んでいると言い張る
住人たち。彼らはあなたたちの話を聞いて、一瞬目が泳いでいるのを隠しきれませんでした。明
らかに、何かやましい事がある証拠です。しかも、彼らは僕たちが会ったあの黒マントの不気味
な人間たちについて、知らぬ存ぜぬを通しています。あの人間たちはどう考えても、幽霊や物の
怪、いわんや僕らの幻覚の産物ではありえません。多分、村の人たちは彼らを無視しているか、
それとも居ないものとして扱うように命じられているか……」
「命じられている……まさか」
「長門さんのケースも鑑みると、宝条、というより神羅が関与していると考えるのが自然でしょ
うね。それに、気付きませんでしたか? 僕らが村を歩き回れば回るほど、村人の視線がきつく
なってきた事に」
気付かないわけないだろ。俺を誰だと思ってる。確かに、奴らの目にはあからさまな警戒心が
宿っていた。これ以上村を調べられては困るというのがありありと顔に出ていたぜ。……だとす
ると、今夜は危険だな。
「ええ。もし彼らが神羅と繋がっているならば、恐らく口封じの手段を持っていることでしょう
し。さらに悪い事に、僕らは第1級テロリストという名のお尋ね者ですからね。安全のことを考
えるならば、一刻も早くこの村を出たほうがよろしいかと」
そうだな。お前のいう事ももっともだ。だが……と、口を開く前に、髪をしっとりと濡らした
湯上りのハルヒが階段を登って来て言った。
「ごめんけど、それは却下ね」
「涼宮さん?」
「確かにここに一晩留まるのは危険だけど、もし神羅の奴らが関わっているのなら、なおさら確
かめたい事があるの」
どうやら俺と同じことを考えていたようだ。俺はそれを確かめるかのように尋ねる。
「……神羅屋敷、だな」
「そうよ。あそこは神羅の社員が使っていたという屋敷よ。そもそも、こんな辺鄙な村に神羅が
拠点を構えていたなんておかしな話じゃない。きっとあの屋敷に何か秘密があるのよ」
ホント、ここまでハルヒと意見が一致するとはね。明日は猛吹雪にでもなるんじゃないのか?
古泉もここまで言われるとさすがに折れるしかなく(と言うより、そもそもハルヒに逆らえる筈
もなく)、ハルヒと一緒に風呂から上がってきた朝比奈さんや周防、シャミセン(てか、お前、
一応オスのくせして朝比奈さんと一緒のお風呂につかったと言うのか――許せん!!)も賛同し
たため、結局予定通りここで一泊する事が決定した。それ以前に――
「あ、それより、ユキ。お風呂開いたから入ってきていいわよ。それにキョウコも……あれ?
ユキ、キョウコは?」
長門はスタスタと女子用に割り当てられた部屋のドアを開けて、その中を無言で指し示す。
「う〜ん。もー食べられないのですー」
……その先には、ベタな寝言を吐きながらグースカ眠っている橘がいた。どうやら、村全体お
化け屋敷状態のニブルヘイムを怯えまくって歩いた挙句、疲労が限界まで来ていたのだろう。
「……どっちにしろ、ここから出て行けそうもないわね」
やれやれだぜ。
そして、誰もが寝静まった夜半過ぎ――
ドンッと荒々しく客室のドアが開かれると、
「全員ひっ捕らえろ! 刃向かう奴は殺しても構わん!!」
との号令の下、銃を持った数人の神羅兵が俺たちが寝ていた客室に押し入った。だが――
―――ザシュッ
「ぐわっ」
―――ガガガガガガガッ
「ぎゃっ」
部屋に押し入ったその瞬間、神羅兵は剣で袈裟斬りにされ、機関銃で蜂の巣にされた。それを
やったのは当然――
「ふん、口程にもない。お前らそれでも神羅の急襲部隊か?」
「どれだけ物音を隠そうとしても、これだけいれば気配で気付きますよ」
――あらかじめ扉の両側で待ち伏せていた俺と古泉だ。
「チッ、気付いてやがったか。β班、突入せよ!!」
赤い隊長服を着た男がトランシーバーで指示すると、今度は後ろの窓を蹴破って新手の神羅兵
が踏み込んできた。前後の敵に対応するのに、自然、俺と古泉は背中合わせとなった。
「さて、予想通りの展開となったわけだが……」
「……涼宮さんたちが心配ですね。手っ取り早く片付けましょう――ふんもっふ!!!」
言うな否や、古泉は機関銃をぶっ放して神羅兵をなぎ倒していく。しかし、こんなにあからさ
まにでかい音をたてたら、幾ら傍若無人、自信過剰、馬耳東風なハルヒでも目が覚めるだろうよ
。
「何言いたい放題言ってくれてんのよ、アホキョン!!」
その言葉と共に、俺に斬りかかって来た神羅兵の後ろからドロップキックをかましてハルヒが
現れた。
「ハルヒ!?」
「こっちはもう粗方片付けたわよ。男の癖におっそいわね」
ぐっ…そっちこそ言いたい放題言ってくれやがる。見ると、長門も朝比奈さんたちもキチンと
服を着て敵を掃討していた。しかし、みんなよく気が付いたな。すると、ハルヒは胸を張ってえ
ばるように言った。
「ふふん。キョウコがね、あらかじめ罠を仕掛けといてくれてたのよ。お陰で余裕を持って反撃
できたって訳」
ハルヒは傍らに居た橘を抱き寄せ、例の100ワットの笑顔でピースサインを作った。橘は「よ
くやったわ、キョウコ。SOS団の殊勲賞ものだわっ!」と頭を撫でられながら我が事のようにべ
た褒めされ、嬉しげに顔を赤らめていた。だが、罠を仕掛けたって、いつの間に……さすがウー
タイ忍者の末裔ってか。
「えへん。キョンさん、これで少しはあたしの事見直しましたか?」
それより、後ろ後ろ! 敵が来てるぞ!!
「!? させるか、なのです! 『血祭』!!!」
叫ぶや否や、橘は身の丈ほどの手裏剣を振りかぶって背後にまで迫っていた神羅兵を一閃!
息つく暇もなく四方八方から正拳突き、蹴撃を繰り出し――
「とどめ、なのです! 喰らえぇぇぇぇぇ!!!!」
跳躍し、最早ふらついている敵の脳天から手裏剣を突き刺した。……神羅兵は、一言も発する
事無く、血飛沫を上げてその場で崩れ落ちた。――まさに『血祭』。こいつも、本気になると侮
れないな。俺も負けられんな――
「……そ、そんな馬鹿な……γ班は、包囲していた奴らはどうしたんだぁぁ!??――くくく来
るなぁぁぁ!!」
――と思ったときには既に、敵はあまりの想定外の展開に狼狽して、明らかに戦闘能力を喪失
している隊長格の男しか立っていなかった。
俺はやれやれと溜息をつきながら、切先を赤服の男の喉下に突きつけた。
「さて、残るはあんた一人になった訳だが―― 一体誰の差し金で、俺たちの束の間の安眠を妨
害してくれたんだ? 答えろ」
「…………」
だんまり、か。最早完全に敗北を悟ったか、最後の務め――依頼主や背後関係について黙秘を
貫いたまま果てる――を全うするようだ。さっきみたいな恐慌状態の方がやりやすかったのだが
な。こうなっては仕方ない。
「――『凶斬り』!」
俺は最後にその男を「凶」の字に切り刻み、深夜の戦闘はようやく終わりを告げた。
ほ
――戦い終え、朝比奈さんの回復魔法を受けながらハルヒから、外を囲んだ敵には周防とシャ
ミセンがあたっていると聞かされ、外へ出てみると、既にロボット一体と一匹以外、人っ子一人
の姿も見えなかった。まさか、全部お前らがやったのか?
「この子の髪で一挙に全員巻きつけて締め上げた。数秒持たずに気絶したから、そのまま放置し
ておいたが、いつの間にやらみんな消えてしまった」
って事は逃がしたのか……残念。俺たちを襲わせた黒幕について聞けると思ったのだが。
「……調べなくても、ある程度推測は可能」
確かにな、長門。俺たちがこの村をうろついただけでもこの反応。ますますこの村に神羅の重
要な秘密が隠されてると疑わざるを得ない。
「これは是非とも神羅屋敷を探らないといけないな」
「……そうね。とにかく今夜はもう寝ましょう。警戒だけは怠らないようにね」
ハルヒの言葉に、古泉も朝比奈さんも長門も頷き、俺たちは静かに宿屋へと戻った。
「えええぇぇぇ!!!? あの明らかに辛気臭くて、確実に何かが化けて出そうなお屋敷に本当
の本当にに行くのですか?!!」
……約1名、ブルブル震えている奴がいたが。
「――そんなに怖かったら、屋敷の入り口で待ってもいいぞ、橘」
「ななな、何を言ってるのですか。ままままったく怖くなんてななないのです! って、ちょ、
ちょっと待ってくださいよ、キョンさ〜ん!!」
97 :
HARUHI FANTASY Z 第16章 daydream:2010/01/16(土) 03:09:45.41 ID:kyIa0Gew0
ひとまず、今回はここまでです。
16章後半はいよいよ神羅屋敷へと潜入します。そこでキョンたちが出会う人物とは?そして、きょこたんは一体どうなるのか?
近い内にアップする所存なので、よろしくお願いします。
乙です
寝るよ!
懐かしい
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/16(土) 09:45:13.64 ID:QCYtODY50
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くっそぅ!こんな良コラボストーリー読んだら、創作意欲が湧いてしまうじゃないか!
負けてられません!乙です!
Gj!
土曜日ですね。落とさないように祈ります。
ほしゅ