今週の与太話来てますたよ
発信箱:続・政治報道も変わる=与良正男(論説室)
http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20100114k0000m070126000c.html 毎日新聞労組などが主催して、先日開いたシンポジウムの司会役を務めた。テーマは「日本が変わる、報道が変わる−検証・政権交代」。
舛添要一前厚生労働相は「日本では長く政権交代がなかった結果、権力にいちゃもんをつけてさえいれば済むという安易な報道が
続いてきた」と指摘し、鈴木寛副文部科学相は「右対左といった旧来図式を超えた新しい論壇作りが必要」と今後の新聞の役割に期
待する一方、鳩山政権の掲げる「新しい公共」の意味を熱く語った。
フリーのジャーナリスト、上杉隆氏は記者クラブが海外メディアなどに閉鎖的な姿勢を続けている間、気づけば海外主要紙の東京支局
の縮小・撤退が相次いで日本発の情報発信が極めて乏しくなっている現状を訴えた。いずれも本欄では書き切れないほどの重く刺激的なテーマだった。
問題はここから。会場には多くの新聞・テレビの若い政治記者が取材に来ていた。せっかくなので記者クラブ批判などに対し「だれか反論
は?」とうながしてみたのだが、残念ながら手を挙げてくれる人はゼロ。そして、予想通りというべきか、終了後、担当記者らが舛添氏を取り
囲んで矢継ぎ早に質問したのは「自民党を離党はしないのか」「新党はどうする」といった政局話ばかりだった。
ふう。「報道が変わる」というテーマとの、この大きなギャップ。こうした政局話しか記事にならないと、彼らが最初から決めつけているとすれば、少し寂しい。
でも、ぼやいてばかりはいられない。おそらく私もかつてはそうだったのだから。このギャップを埋めていくのが私のようなおじさん記者の役目。そう思うことにした。