1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ゆるしてほしかった
ずっとおまえにあやまりつづけていた
あやまって あやまって あやまりつづけて
それでもおまえのこえがきこえなくて そのうちわけがわからなくなった
ゆるしてほしかった ずっとおまえのこえがききたかった
そのおまえがもういないということにきづいたのは
いったいいつのことだっただろう?
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 20:49:31.06 ID:VBlj4IoP0
*(‘‘)* どうしたんですか?
( ;´∀`)て モナ!?
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 20:53:20.68 ID:VBlj4IoP0
ある日のことです。
私、沢近ヘリカルがいつも通り高校からの帰路を一人歩いていると、なんだか困った様子の幼い男の子を見つけました。
なんだかとても困った様子だったので話しかけると、男の子は飛び上がりそうなくらい驚きます。
( ;´∀`) お、おねーちゃんだれだモナ?
おそるおそる訊ねてくる男の子に、私はできるだけ彼の緊張を和らげるように笑顔を浮かべながら答えました。
*(‘‘)* 私は、沢近ヘリカルと言います。通りすがりのただの高校生ですよ
( ;´∀`) モナ……
「そのわりにはちっちゃいモナ」と呟く男の子に、私は笑顔を消さぬまま「殴りますよ?」と穏やかに笑いかけました。
男の子はかなりビビッていました。ざまあみやがれです。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 20:55:39.79 ID:VBlj4IoP0
*(‘‘)* それで、何を困っていたんです?
( ;´∀`) モナ……ふーせんがとれなくなっちゃったんだモナ
*(‘‘)* 風船?
男の子の言葉に、私は男の子の指差す木の上を見上げます。
すると少し高い場所にある枝に、黄色い風船がひっかかってしまっているのが見えました。
*(‘‘)* なるほど、そういうことですか
( ;´∀`) モナ、とりたいんだけど ぼくはきにのぼれないんだモナ
*(‘‘)* ふむ……
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 20:59:20.91 ID:VBlj4IoP0
少しの間木を見上げていた私は、よし、と呟き、再び男の子に笑いかけます。
*(‘‘)* 大丈夫ですよ、おねーさんがなんとかしてあげます
( ;´∀`) モナ!? でも……
*(‘‘)* いいからいいから、まっかせなさい!
どんと小さいのが悩みの胸を叩きながら、私は男の子にウインクして見せます。
それでも不安そうな男の子に、「ちょっと向こうを向いていてくださいね」とだけ言って、私は風船の引っかかった枝を見上げます。
視界の端で、男の子が不思議そうな顔をしながら向こうを向いたのを確認すると、私はてのひらを風船の方に向け、静かに呟き始めました。
*( --)* ―――「ヘリカル……マジカル……」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:03:24.83 ID:VBlj4IoP0
*(‘‘)* はい、もうこっちを向いていいですよ
( ;´∀`) モナ?
おそるおそるといった様子でふりむく男の子。
彼のその表情は私の右手に握られている黄色い風船を見ると、一瞬でぱあっと輝きました。
(*´∀`) ぼくのふーせんだモナ!! おねーちゃんがとってくれたモナ?
*(‘‘)* こんなこと、私に掛かればお茶の子さいさいです
(*´∀`) おねーちゃん すげーモナ! どうやったんだモナ!?
*(‘‘)* ふふん、それは秘密です
得意になって胸を張る私の前で、男の子はうれしそうにぴょんぴょんと跳ね回ります。
その幸せそうな顔を見て、私もちょっとだけ幸せな気分になりました。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:09:13.83 ID:VBlj4IoP0
(*´∀`)ノシ おねーちゃん、ほんとにありがとだモナ!
「こんどぜったいおれいするモナ!!」と言いながら、男の子はうれしそうに手をぶんぶん振り、走り去っていきました。
*(‘‘)*ノシ 気をつけて帰るんですよー
私もそう言って笑いながら、男の子に手を振り返します。
まったく、あんなにぴょんぴょん跳ねて転んだりしないでしょうか?
*(‘‘)*=3 じゃ、私もそろそろ帰りますか
男の子の背中が見えなくなって、私がきびすをかえそうとしたときです
「優しいのですね」
ふいに、少年のような声が私の背中からかけられました。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:15:11.85 ID:VBlj4IoP0
*(‘‘)* ……?
しかし、あたりを見回してもどこにも人の姿はありません。
不思議に思った私が首をかしげていると
「私のほうから声をかけることになるとは……まったくこんなことは初めてですよ」
また同じ声がしました。
どうやら上のほうから聞こえてくるようです。
声のする方、ちょうど先程の男の子の風船が引っかかっていた木の方を見上げると
(,,゚Д゚) どうもこんにちは、ご機嫌いかがですか?
―――青い毛並みの、なんだか猫のようななにかがこちらを見下ろしていました。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:19:57.61 ID:VBlj4IoP0
見た目は猫のような彼は、しかし人語を解している時点でおそらく猫ではないのでしょう。いえ、というより、私の中には、なぜか彼が猫ではないという確かな確信のようなものがありました。
自分は彼を知っているような気がする、そんな不思議な感覚とともに
*(‘‘)* ……どこかで、お会いしましたか?
だから自然と私の質問は、「あなたは何ですか?」ではなく、「どこかでお会いしましたか?」になりました
(,,゚Д゚) あなたがそんな気がするのなら、おそらくはそうなのでしょう
*(‘‘)* ……?
なんだか的を得ないというか、はぐらかしたような言い方をする彼に、私が戸惑いを隠せないでいると、今度は逆に彼の方から訊ねてきました。
(,,゚Д゚) あなたは、何なのです?
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:25:58.56 ID:VBlj4IoP0
*(‘‘)* 見ての通り、普通の高校生ですが?
彼の質問に私は平然と答えます。
実際そうだし、嘘はついていないと思うのですが
(,,゚Д゚) 「普通の高校生」ですか……なるほど、たしかにそうなのでしょう。あなたは「普通の高校生」に違いない
「少なくとも、あなたがそう思っている限りはそうでしかない」と彼はなんだか含みのある言い方でそういいます。
(,,゚Д゚) しかし、あなたは本当に「そう思っている」のでしょうか? 実はあなたは、自分が他の人とはちょっと違うと感じているのではありませんか?
木からぴょんと飛び降りた彼は、私の足元まで歩み寄ると、そう言って私を見上げます。
*(‘‘)* 「ちょっと違う」ですか……まぁ、こころ当たりがないわけではありませんね
なんだかこちらを見上げるその真っ直ぐな視線に耐え切れなくて、私は彼から目をそらしながら頬をぽりぽりとかきました。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:31:15.39 ID:VBlj4IoP0
*(‘‘)* えっとですね、なんと言って良いのかはわからないのですが……
私はそっとしゃがみこみ、こちらを見上げる彼に視線をあわせます。
正直、このことは親友にも話したことがなかったのですが、なぜだか彼には言ってもいいんじゃないかと、そんな気がしました。
いや、正確に言うとそのとき私の中にあったのは「彼にそれを隠すこと自体が無駄なのではないか」という不思議な確信のようなものでした。
*(‘‘)* 実は私、魔法使いなんです
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:31:56.03 ID:VBlj4IoP0
*(‘‘)* 魔法少女ヘリカル沢近のようです
ほほう、続けろ
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:33:27.88 ID:VBlj4IoP0
*(‘‘)*(結局、なんだったのかなぁ……アレ)
翌日、私は自分が通う高校の教室で、昨日自分が出会った『彼』についてボーッと考えていました。
昨日『彼』に出会ってから、私の中では妙な気持ちの悪さのようなものが生まれています。
それは、例えば学校のテストで直前に教科書で暗記したはずの人物の名前が、いざテストになってみると思い出せないときのような、そんな気持ちの悪さでした。
('、`*川 おーいヘリカルー、聞いてるー?
*(;‘‘)*て え、あ、大丈夫です。聞いてますよ?
上の空だった私の視界に、ぶんぶんと振られるてのひら。
今私の目の前にいるのは伊藤ペニサスちゃん。私の一番の親友です。基本的に背も小さく、体も未発達な部分が目立つ私とは対照的に、彼女はとても大人びていて、なかなか良いスタイルをしています。
とくに、胸とか、胸とか……ええ、胸とか。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:34:51.39 ID:VBlj4IoP0
*(; )*(大丈夫だもん、小さいってことはまだまだ伸びしろがあるってこと……!)
('、`;川 ……なんか、また自分の世界に入ってない?
*(;‘‘)* わ、私には伸びしろがあるんですッ!!
('、`;川 ……?
なんだか不思議そうな顔をしているペニちゃん。
私は、とりあえず自分が話を聞いていなかったことを弁解して、自分が足を踏み入れているコンプレックスの泥沼から足を引っこ抜くことにしました。
「あーうん、まぁいいけどね、大した話じゃないし」と笑って彼女は続けます。
('、`*川 バイト先の友達からさ、なんか面白い都市伝説聞いたんだけどね
*(;‘‘)* と、都市伝説……?
「都市伝説」というワードを聞いて、私は凍りつきました。
何を隠そう、私は怪談とか「怖い話」関係はだめなのです
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:39:57.66 ID:VBlj4IoP0
('、`*川 安心してよ、「都市伝説」っつってもそんなに怖い話ってわけじゃないから
「ヘリカルがそういうのダメってのはよく知ってるしね」と笑うペニちゃんの言葉に、私はほっと胸をなでおろしながら、彼女の話の続きに耳を傾けます。
('、`*川 『ギコ』って話なんだけど、ヘリカルは知ってる?
問いかけてくるペニちゃんに、私は首を横に振って否定の意を伝えます。
もともと怖い話の苦手な私が、「都市伝説」なんて知っているわけもありません。
('、`*川 『ギコ』ってのはね、ある日突然目の前に現れるんだって。
ちょっと声のトーンを落として、ペニちゃんは話し始めました。あれ……なんか怖い話じゃないとかいいながら怖がらせる気満々じゃないですか……?
('、`*川 でもね、出会ったときにはそれが『ギコ』だって誰にもわからないらしいの。
「でもね、最終的にはみんなそれが『ギコ』だと気付くんだって」そう言ってペニちゃんは少し間を置きます。
('、`*川 で、『ギコ』はそれが『ギコ』だって気付いたとき、どこかへ消えてしまう
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:46:03.06 ID:VBlj4IoP0
*(‘‘)* ……
('、`*川 ま、そんだけの話なんだけどね
*(;‘‘)* え? 今ので終わりですか!?
('、`*川 そ、今のでおしまい
「今の話の一体どこに面白みがあったのだろう?」と私が考えていると、ペニちゃんはちょっと微笑みながら、言います。
('、`*川 ねぇヘリカル、今の話なんだけどさ、あんたは知ってる気がしない? この『ギコ』ってやつのこと
*(‘‘)* ……はい?
言われて私は考えます。今の話の『ギコ』の特徴。
「出会ったときはそれと気付かなくて、それがそれであると知った瞬間、姿をけしてしまう」そんな何か……
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:51:31.37 ID:VBlj4IoP0
*(‘‘)* 言われてみれば、なんだかそんなものを知ってるような気がしなくもないですね
('、`*川 うん、それがこの話のミソなんだけどね
人差し指をぴっとたてて、ペニちゃんはにんまりと微笑みます。
('、`*川 この話を聞いて「知っている気がする」と思った人はみんな『ギコ』に会ったことがある人なんだって
*(;‘‘)* へ?
('、`*川 『ギコ』はね、人によって見え方が違うんだって。「地上から昇る流れ星」に見えたなんて、表現する人もいるの
「でもね、誰が見てもみんな共通した印象を持つんだって」と笑いながら彼女は続けます。
('、`*川 誰が見ても、どこで出会っても『ギコ』に会った人はみんな決まってこう思うらしいの―――
続けようとする彼女の声に、しかし続きを言ったのは全く別の声でした。
「自分は、こいつを知っている気がする」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:55:04.45 ID:VBlj4IoP0
*(;‘‘)* え?
突如後ろから聞こえた声に振り向くと、そこにはよく見るクラスメイトの姿。
( ´_ゝ`) だろ? 結構マイナーな都市伝説だな
('、`*川 さ、流石くん……
話しかけてきた長身の男子生徒は、流石兄者くん。クラスではちょっとした変人として有名な人です。
( ´_ゝ`) 意外だな、伊藤さんがこんなこと知ってるなんて
('、`*川 あ、いや、その、バイト先の友達にさ、そういうの詳しい人がいて……
私の前でうろたえるペニちゃん。普段落ち着いた雰囲気の彼女にしては珍しい光景を見て、私はちょっとぴんとくるものがありました。
( ´_ゝ`) そっか、あ、ひょっとして伊藤さんってそういうのに興味ある?
('、`;川 え、あ、いや、興味はあるというか……なきにしもあらず?
「そっか」と言ってちょっと残念そうな顔をする流石くん。
そういえば、普段他のクラスメイトとは距離を置いている感じがする彼が、今日に限ってこんなに積極的に話しかけてくるのも、なんだか変です、もしかしてこの二人……
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 21:57:56.39 ID:VBlj4IoP0
ぴんときた私は、ちょっと魔法を使って彼女たちの心の中を覗いてみることにしました。
魔法使いである私は、他人の心をちょっとだけ覗き見ることができます。まぁ覗くといっても、相手の抱いている感情とか、漠然としたものを読み取れる程度ですが。
*( --)*(ヘリカル……マジカル……)
心の中で呪文を呟くと、二人の感情が私の中に流れ込んできました。
*(*‘‘)*(……やっぱり、そういうことですか)
流れ込んできた感情が私の想像通りだったので、私は自分の女の感もなかなかのものだなぁとむふふと微笑みました。
('、`;川 何笑ってるの? ヘリカル
*(*‘‘)* いえいえ、なんでもありませんよ?
なんだか気味が悪そうにこちらを見てくる親友に、私はあからさまに何かがあるような声で返します。
そして、同時に私は決意したのです
*(*‘‘)*(ペニちゃんの恋、全力で支援します!!)
「親友の恋を私がこの手でかなえてみせる」と
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:03:02.14 ID:VBlj4IoP0
('、`*川 あ、そだ。ヘリカルこのあと暇?
*(‘‘)* え? ああ、一応予定はないですが
もともと部活もやらず、無趣味な私は勉強にもそんなに熱心という訳でもなく、学校が終われば大体ひまなのです。
……いまダメ人間とか思った人、ちょっとそこに直りやがりなさい?
('、`*川 そか、じゃあさ、これから渡辺のおばあちゃんに会いに行くんだけど、一緒に行かない?
*(‘‘)* 渡辺のおばあちゃんって、この前の? いいですけど
渡辺のおばあちゃんというのは、ペニちゃんの家の近所に住んでいるおばあちゃんです。
いつもにこにこしていて、どこかふんわりとした雰囲気をもった人だったと記憶しています。
このあいだペニちゃんの家に遊びに行ったときにたまたま来ていて、おかしをもらったりしました。
とてもいい人です。ええ、けっして餌付けされたわけではないのですよ?
('、`*川 渡辺のおばあちゃんね、なんかヘリカルのこと気に入ったみたいでさ、「どうしてもまた会いたい」って
*(‘‘)* へぇ……
人に気に入られるというのは、悪い気はしないものですね。
そんなことを考えながら、私達は渡辺のおばあちゃんの家にむかいました。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:05:37.15 ID:VBlj4IoP0
家のなかに入った私たちは、先程おばあちゃんが座っていた縁側に面した座敷でおばあちゃんを待つことにしました。
座敷の中央にはちゃぶ台が一つ置かれていて、ペニちゃんがその傍らに座りこみます。
('、`*川 どしたの? ヘリカルも座んなよ
*(;‘‘)* あ、はい、じゃあ失礼して
初めてのよその家というのは、なんだか緊張するものです。
ペニちゃんに言われて座った私は、それでもなんだか落ち着かなくて、あたりをきょろきょろと見回します。
目に入るのは仏壇やたんす。そして、その上に置かれた写真。
*(‘‘)*(あれ? この子たち……)
その写真には、今よりちょっと若い渡辺のおばあちゃんと小さな男の子と女の子が写っていました。
男の子は元気に白い歯をむき出しにして笑いながら両手でピースをしています。
〔v( ゚∀゚) v〕
それに対して、その隣にいる女の子はおばあちゃんの服のすそをつかんで、半分おばあちゃんに隠れるように写っていました。
〔⌒*(‘‘)*⌒〕
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:08:17.09 ID:VBlj4IoP0
从'ー'从 お茶がはいったよぉ〜
私が写真を眺めていると、手にお茶やきゅうすの乗ったお盆をもっておばあちゃんが部屋に入ってきました。
「どうぞ〜」とにっこり微笑みながら渡されたお茶を、私はお礼をいいながら受け取ります。
*(*--)* ふぅ〜、なごみますね〜
渡されたお茶を一口啜ると、私の中で張り詰めていた緊張の糸もいくらかゆるみ、しばしの間私たちはちゃぶ台を囲んでおしゃべりに花を咲かせました。
とりとめのなく続くおしゃべりの中で、私はふと疑問に思っていたことをおばあちゃんに聞いてみることにします。
*(‘‘)* あの写真はお孫さんですか?
从'ー'从 うん、そうだよ〜
私に言われて写真に目を移したおばあちゃんは、微笑みながらそう答えました。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:11:13.20 ID:VBlj4IoP0
从'ー'从 正確に言えば、右に写ってるほうの男の子は私の孫じゃないけど、でも私からすればかわいいかわいい本当の孫みたいなものだよ
お茶を啜りながら、楽しそうにおばあちゃんは語り始めます。
从'ー'从 左で私の袖に隠れてるのは、孫娘のリリカル。右でカメラに向かってピースしてるのが、リリカルの友達だったジョルくん。
「このジョルくんが、ほんと手のかかるいたずら坊主でね〜」とおばあちゃんはまるで自分の本当の孫のことを語るように、楽しそうに彼と、自分の孫娘のことを話していました。
*(‘‘)* おばあちゃんは、本当にお孫さんのことが大好きなんですね
从'ー'从 うん、そりゃあもう目に入れても痛くないくらいにね
「親バカかな?」と笑うおばあちゃんの顔は本当に幸せそうで、その表情には見ているこちらまで幸せになってしまうような、そんな魅力がありました。
('、`*川 へぇ〜、でも知らなかったな。おばあちゃんに孫がいたなんて
*(‘‘)* あれ? ペニちゃん知らなかったんですか?
('、`*川 まぁ、私の家族がここに住むことになったのってつい最近のことだからね
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:16:06.10 ID:VBlj4IoP0
('、`*川 いまどうしてるの? そのお孫さんたち
何気なくペニちゃんが聞いた一言に、おばあちゃんはちょっと困ったような顔で微笑みました。
从'ー'从 ……じつはね、リリカルのほうはもうこの世にいないんだ
一瞬、何を言われたのかわからなくて、私たちはぽかんと凍りつきました。
*(;‘‘)* すっ、すみません!!
しばらくして、自分が目の前のおばあちゃんにしていた仕打ちに気付き、私たちは必死に謝ります。それに対しておばあちゃんはにっこりわらって、静かに「いいのよ」といいました。
从'ー'从 正直ね、うれしかったんだ。久しぶりに大好きな孫たちの話ができて
「こんな境遇になると、みんな気を使って孫の話をさせてくれなくてね」そう言って、おばあちゃんはお茶を啜ります。
从'ー'从 それにね、ヘリカルちゃんのことを見てると、リリカルが戻ってきたような気がしてね
*(;‘‘)* へ……?
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:18:23.31 ID:XL2CLbltO
しえん
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:25:52.49 ID:VBlj4IoP0
ぽかんとする私。
('、`*川 あー……言われてみればちょっと似てるかも
納得したように、写真を見たペニちゃんがいいました。
言われて私も写真に目をやります。
〔⌒*(‘‘)*⌒〕
写真に写っている、髪を二つ結びにした幼い女の子。
なるほど、言われてみればなんだか似てるような気もします。
从'ー'从 リリカルもね、生きていればあなたたちと同い年くらいなんだ
写真を見つめるおばあちゃん。その目は、どこか遠いところを見ているようで、私はなにかとてもいたたまれないような、そんな気持ちになりました。
从'ー'从 だからね、あの子と同じくらいのあなたたちが、私にはとても可愛く思えてしかたがないの
「なんだか辛気臭い話になっちゃったね」とおばあちゃんは笑います。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:26:52.70 ID:VBlj4IoP0
*(‘‘)* あの……
从'ー'从 ん?
これは聞いてもいいことなのかな? と私は一瞬迷いました。でも、彼らのことをとても楽しそうに、幸せそうに話すおばあちゃんの表情を思い出し、思い切って聞いてみることにします。
*(‘‘)* もう一人の……ジョルくんのほうは今どうしてるんですか?
从'ー'从 ん〜……わからないなぁ……
「リリカルが死んで、すぐにジョルくんも隣町に引越しちゃったから」と続けるおばあちゃん。その顔はやっぱり寂しそうで、私は少なからず罪悪感を覚えました。
それを見たおばあちゃんは優しく微笑んで「そんな顔しないで、ヘリカルちゃん」と言います。
从'ー'从 私はね、今とっても幸せだよ? あなたたちが遊びに来てくれて、大好きな孫の話も聞いてもらえたんだから
('、`*川 おばあちゃん……
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:28:05.35 ID:VBlj4IoP0
从'ー'从 だからね、良かったらこれからもたまに遊びに来て、孫の話を聞いて欲しいんだ
「年寄りの相手なんて、面倒くさいだろうけどね」と笑うおばあちゃんに、私たちは「そんなことない」と否定します。
*(‘‘)* ぜったい……ぜったいまた遊びに来ます!
('、`*川 お孫さんの話とか、まだ聞きたいしね
从'ー'从 そう……ありがとう
微笑むおばあちゃんにペニちゃんは「気にしないで、私ら基本的に暇だから」と軽口を叩きます。
それに反論する、私。
おばあちゃんはなんだか楽しそうに、ぎゃーぎゃーと言い合う私たちを眺めていました。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:33:21.00 ID:VBlj4IoP0
帰宅後、いつものように私は仏壇の前に座ると、父に今日あったことの報告をすることにしました。
【( ^ω^)】
*(‘‘)* とーちゃん、今日はとっても素敵なおばあちゃんにあってきました
*(‘‘)* そのおばあちゃんは、とても大切な人を亡くしていて、それでもくじけずに人を幸せにする笑顔を振りまいていました
*(‘‘)* 私は、今でもたまにとーちゃんが死んだ日のことを思い出すと泣いてしまいます
*(‘‘)* 私も、いつかあんな風に笑えるでしょうか? 悲しみを振り切って、とーちゃんとの楽しかった思い出だけを、あんな素敵な笑顔で誰かに話せるでしょうか?
*(‘‘)* 私もいつか、あんな風に誰かにとーちゃんのことを話せる人間になりたいです
「おーい、ヘリカルそろそろメシだぞー?」
台所から母の声が聞こえたので、私は「今行きます」と答えて遺影の中で微笑む父に「じゃあ、また」と言ってその場をあとにしました。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:35:06.21 ID:VBlj4IoP0
翌日は土曜日で、学校はお休みでした。
朝早く目覚めた私が、なんとなく散歩をしていると前方から、見覚えのある青い毛並みの猫のような彼が歩いてきました。
*(‘‘)* あ
(,,゚Д゚) どうもおはようございます、ご機嫌いかがですか?
ばかに丁寧なあいさつをしてくる彼に、私はたじろいでしまいます。
*(;‘‘)* お、おはようございます、機嫌……はまぁいいほうではないかと
(,,゚Д゚) そうですか、それは何よりです
そう言って足元から私の顔をじっと見つめてくる彼。
何もかも見透かされそうなその瞳に、私がどうすればいいのか迷っていると
(,,゚Д゚) なぜ人という生き物は、「優しくなりたい」と思うのでしょうね?
突然そんなことを聞かれました。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:38:04.74 ID:VBlj4IoP0
*(;‘‘)* へ?
なんと答えていいのか分からず、というより、自分が何を聞かれたのかがよく理解できないでいる私がたじろいでいると、それにはお構い無しに彼は続けます。
(,,゚Д゚) 「優しくなった」からと言って、何か得をすることがあるのでしょうか?
*(;‘‘)* それは、えっと……
戸惑い、目を逸らそうとする私に、しかし彼はまっすぐ視線を外さずにこちらを見ていました。
(,,゚Д゚) 「自分がいい人だと思われたいから」と、答える人もいらっしゃるようですが、恐らくそれも全てではない。人という生き物はそういう損得感情を抜きにしても、心のどこかで常に「他人に優しくなりたい」と願っている
「一体何が、人にそうさせるのでしょうね?」それだけ言うと、彼は私から視線を逸らし、近くの塀にぴょんと飛び乗ると、その向こうへ消えてしまいました。
*(;‘‘)* なんだったんですか……一体?
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:43:39.40 ID:VBlj4IoP0
*(;‘‘)* ……
何が起きたのか、頭の中でいまいち整理がついていない私が、その場でボーっとしていると
「あ、こないだのおねーちゃんだモナ!」
なんだか聞き覚えのある声が聞こえました。
( ´∀`)ノシ おはよーだモナ なにしてるモナ?
*(‘‘)* あ、キミはたしか……
声のしたほうに振り向くと、一昨日風船が取れなくなって困っていた少年が元気にぶんぶんと手を振っていました。
*(‘‘)* キミこそ、こんなところで何をしてるんです?
( ´∀`) モナ? ぼくはおさんぽだモナ!
「けんこーのためのてきどなうんどうだモナ」と、胸を張っていう少年。
まだそんなことを気にかける歳ではないでしょうに……
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:45:39.98 ID:VBlj4IoP0
*(‘‘)* そうですか、奇遇ですね私もです
( ´∀`) モナモナ、じゃあおねーちゃんもいっしょにおさんぽするモナ!
そう言って私の少し前を歩き始める男の子。まだ私は返事をしていないのですが……結構マイペースな性格のようですね
まあ別に断る理由もないので、私は男の子の隣を歩き始めました。
ただ一緒に歩くだけというのもなんなので、ちょっと男の子と話をしてみます。
話してみるところによると、男の子はモナーという名前で、家は隣町で喫茶店をやっているそうです。
( ´∀`) 『バーボンハウス』っていうんだモナ
*(‘‘)* へぇ〜、なんか喫茶店っていうよりバーって感じの名前ですね
( ´∀`) モナモナ、あさとひるはきっさてんで、よるはバーをやってるんだモナ
「おねーちゃんもくるモナ こないだのおれいにごちそうするモナ」とはしゃぐモナーくん。
それはとても魅力的なお誘いなのですが、う〜ん、でもいいのかなぁ、さすがになんか悪い気が……
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:47:56.34 ID:VBlj4IoP0
( ´∀`) きにすることないモナ! 「ひとのこういはすなおにうけとけ」ってパパがいってたモナ
*(‘‘)* ふ〜む、まぁ確かに一理ありますね
「じゃあお言葉に甘えさせてもらいましょうか」と私が言うと、モナーくんはうれしそうにぴょんぴょん跳ね回ります。
あぁ、若いっていいなぁ……
( ´∀`) じゃあいますぐいくモナ!!
*(;‘‘)* え? 今からですか?
( ´∀`) ぜんはいそげだモナ! てつはあついうちにうてともいうモナ!!
それはなんか違う気がしますが……
躊躇している私の手をぐいぐいと引っ張っていくモナーくんに、私は苦笑しながらもその後ろについて歩いていきます。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:53:10.56 ID:VBlj4IoP0
( ´∀`) おねーちゃんは、たべものなにがすきモナ?
*(‘‘)* 食べ物ですか? ……そうですね、オムライスとかわりと好きですね
( ´∀`) モナモナ! ちょうどよかったモナ、うちもこのまえしんさくのオムライスをだしたばっかりだから……
駅前のわりと雑多にいろんな施設がひしめき合っている場所を歩いていたときのことです。
ふと、今まで楽しそうに話していたモナーくんが、急に言葉を止めました。
その表情は暗く、何かにおびえているように見えます。
*(‘‘)* ? どうしたんです?
( ;´∀`) ……「わるもの」だモナ
*(‘‘)* え?
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:54:54.42 ID:VBlj4IoP0
明らかになにかにおびえているモナーくんの視線の先、そこには髪を金色に染めた、不良少年の典型のような人が歩いていました。
( ゚∀゚)
なるほど、モナーくんぐらいの歳であれば、街中で不良少年を見かけただけでも怖いものなのかもしれません。私はおびえるモナーくんの不安を緩めようと「大丈夫ですよ」と笑いかけます。
*(‘‘)* 不良のお兄さんだってそんなに暇じゃないんですから、モナーくんのほうからちょっかいを出さない限り害はないと思います
「だから、安心してください、ね」と私が笑いかけると、でもやっぱりモナーくんは不安そうな表情をしていました。
( ;´∀`) モナ……でも、ぼくみたんだモナ あのひと、「かつあげ」してたモナ
*(‘‘)* あ……
言われて私は理解しました。モナーくんはまだせいぜい幼稚園に通う程度の幼い男の子です、そんな小さな子がカツアゲの現場を見てしまったらそれはそれこそトラウマになるくらいの恐怖を植えつけられることになるのではないでしょうか?
私は、どうしていいのか分からなくなってしまいました。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 22:57:55.41 ID:VBlj4IoP0
*(#‘‘)*(それにしても、こんな小さな子の前でカツアゲなんて……!!)
私は再び、目の前を歩いていく不良少年に目を向けます。
金に染めた髪にだぶだぶ腰パンの、やたらとチェーンをジャラジャラさせたそのファッションはいかにも典型的な「不良少年」という感じです。
( ゚∀゚)
*(;‘‘)*(……あれ?)
まん丸な目に、特徴的なのはその眉毛。なんだか、それを見た瞬間私はどうも最近この人を見たような気がしてならなくなりました。
それにしても、一体どこで……
〔v( ゚∀゚) v〕
*(;‘‘)* あ……
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:02:59.78 ID:VBlj4IoP0
そんなはずは無い、そう頭の中で否定しながらも私はついつい、隣で不安そうな表情を浮かべている男の子に聞いてしまいます
*(;‘‘)* モナーくん、ひょっとしてあの人の名前知ってますか?
( ;´∀`) モナ ごきんじょじゃゆうめいだからしってるモナ「長岡ジョルジュ」っていうんだモナ
「どうしてそんなこときくんだモナ?」と小首を傾げているモナーくん。
私はそれには答えず、ずっと頭の中で同じ疑問を反芻していました。
「長岡ジョルジュ」……「ジョルジュ」……「ジョルくん」……
从'ー'从 『このジョルくんが、ほんと手のかかるいたずら坊主でね〜』
*(; )* ―――ッ!!
頭に浮かぶ、あの楽しそうな渡辺のおばあちゃんの顔。
そんなはずがない、あの優しい渡辺のおばあちゃんが、自分の孫も同然に可愛がっていたという彼が、あんなふうになってしまうなんて、信じたくない。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:05:41.30 ID:VBlj4IoP0
*(;‘‘)* モナーくん、ごめんなさい。ごちそうになるのはまた今度ということで
( ;´∀`) モナ? あ、おねーちゃん!?
*(;‘‘)* 明日あたりお邪魔しますから! 約束です!!
( ;´∀`) モナ……わかったモナ! ぜったいだモナ!!
気付けば、私は彼を追って駆け出していました。
確認したかったのです、本当に彼が「ジュルくん」なのか、そうだとしたら、なぜ彼はあんな風になってしまったのか。
*(;‘‘)* 見失いましたか……
ちょっと走ったところで、わたしは彼を見失ってしまいました。
それほど急いでいるようには見えなかったので、まだこのあたりにいると思うのですが……
*(;--)*(ヘリカル……マジカル……)
そっと目を閉じて、彼のことを思い浮かべながら呪文を唱えます。すると頭の中に、一つのイメージが飛び込んできました。
*(;‘‘)* ……こっちですね
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:07:59.11 ID:VBlj4IoP0
(;'A`) ひっ……
( ゚∀゚) だぁーかぁーらー、ちょっとお金貸してっていってるだけじゃんよ、なにそんなにおびえてるの?
(;'A`) あ、あのっ……今、手持ちがちょっと……
(#゚∀゚) あ?
(;'A`) ひ、ひぃいいす、すみません
頭の中のイメージを頼りに走ってたどり着いた場所は、私もよく利用する駅前のコンビニでした。
*(#‘‘)* なにをしてるんですか!!
(#゚∀゚) あ? なんだよお前、こいつのオンナ?
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:10:16.24 ID:MTMC8heUO
支援
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:13:15.35 ID:VBlj4IoP0
叫んだ私に、敵意をむき出しにしてくる彼。
本当に、この人が渡辺のおばあちゃんのいう「ジョルくん」なのでしょうか?
それを確認したくて、私は静かに訊ねなおすことにしました。
*(‘‘)* ……なにをしてるんですか、「ジョルくん」
(;゚∀゚) は?
言われて、なんだかぽかんとした表情を浮かべる彼。
一瞬彼の手が緩んだのを確認した、貧弱そうな男の人がここぞとばかり逃げていきます。
しかし彼はそれを気にする様子も無く、ただただ私の顔を眺めていました。
(;゚∀゚) おい、いや、え? いやいや、おいおい……
混乱したように、支離滅裂に言葉を並べていく彼。なんだかその顔はどんどん青ざめていっているように見えます。
ようやく「嘘だろ……?」と、意味のある言葉を呟いた彼は
(;゚∀゚) リリカル……? なんでお前生きてんだよ
心底信じられない、という表情で私にそういいました。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:14:54.95 ID:VBlj4IoP0
どうやら、彼は私をおばあちゃんのお孫さんのリリカルちゃんと勘違いしているようです。そんなに私たちは似ているのでしょうか?
いえ、そんなことはどうでもいいです。これで一つはっきりしました。
いえ、はっきりしてしまいました。
*(‘‘)* ……本当に、あなたが「ジョルくん」だったんですね
渡辺のおばあちゃんの家で見た、白い歯をむき出しにして楽しそうに笑っていた男の子。目の前の彼は、間違いなくあの優しい渡辺のおばあちゃんが孫同然に可愛がっていた「ジョルくん」だと分かって、私はなんとも言いがたい気分になりました。
(; ∀ ) 嘘だろ……リリカル、いや、違うんだこれは……
それが表情にも出ていたのでしょう、死んだリリカルちゃんと私を混同している彼は、混乱しながらも、なんとか私に対して今自分がしていた行為の弁解をしようとしているようです。
(; ∀ ) お前が死んで……オレのせいで、お前が死んで……両親が離婚して……
震えている、彼。紡がれる言葉は、支離滅裂で、どこか痛々しくて……
(; ∀ ) わけ……分かんなくなって、っていうか、全部が分けわかんなくて、どうしたらいいのかも分かんなくて……
なぜだかは分かりません。
私はこの人に先程あったばかりで、この人に同情する義理などどこにもないはずです。
でも震えるこの人の姿を姿を見ていると、この人の為になにか自分にできることはないかと考え始めている自分に気付きました。
いったいなぜ……?
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:18:04.91 ID:VBlj4IoP0
(,,゚Д゚) 『なぜ人という生き物は、「優しくなりたい」と思うのでしょうね?』
思い出すのは、先程会った彼の言葉。
そんなこと聞かれたって、私にはさっぱりわかりませんけど、だけど……
*(‘‘)*(なぜだかはわからないけど、見捨てちゃだめな気がします)
そう思った私は震える彼の肩に、そっと手をおきました。
びくりと、肩を震わせる彼。私は目を閉じ、そっと呪文を唱えます。
*( --)* ―――「ヘリカル……マジカル……」
―――彼の痛みに触れるために
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:22:55.12 ID:VBlj4IoP0
目を開くと、そこは大きな道路の脇にある、それほど広くない広場でした。
( ゚∀゚) いくぞ、リリカルー!!
⌒*(;‘‘)*⌒ ちょっとまってよ、ジョルくん!!
広場の中心では、渡辺のおばあちゃんの家の写真で見たとおりの小さな男の子と女の子が、仲良くボール遊びをしています。
前にも言ったとおり、私は人の心の中をちょっとだけ覗くことができます。
普段は感情とか、そういう漠然としたものが分かる程度なのですが、その人がその出来事を強く思い出しているときに魔法を使えば少しの間だけ、その人の記憶を一緒に見ることができるのです。
*(‘‘)*(あまりいい趣味とは呼べませんけどね……)
正直、他人の記憶を覗き見ることには結構罪悪感がありました。
でも、うまくは説明できないけど……あのときの彼の表情を見たら、なんだかこうしなくてはいけないような、そんな気がしたのです。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:25:10.54 ID:VBlj4IoP0
( ゚∀゚) それっ!!
⌒*(;‘‘)*⌒ あわわ……よいしょ!
男の子―――ジョルくんが投げたボールを、一生懸命追いかけて両手で跳ね返すリリカルちゃん。
それはどこにでもいる、遊ぶ子どもたちの風景。そのはずなのですが……
(; ∀ ) 『お前が死んで……オレのせいで、お前が死んで……両親が離婚して……』
思い出されるのは、先程の彼の表情。後悔の念にとらわれているようにしか見えなかった彼が思い出しているこの記憶が、彼にとって楽しいものであるはずがありません。
*(‘‘)*(一体なにがあったっていうんです……?)
不安を胸に彼らを見守る私をよそに、目の前の彼らは楽しそうにボールで遊んでいます。
( ゚∀゚) ほらほらリリカル、こんどはこっちだぜ!!
⌒*(;‘‘)*⌒ あーもう、まってったら!! ……あ!!
たぶんちょっといじわるがしたくなったのでしょう。
ジョルくんはリリカルちゃんがいる場所とはまったく違う方向にボールを投げます。
案の定リリカルちゃんはそれを取ることができず、ボールはころころと道路の向こう側へ転がっていってしまいました。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:27:58.68 ID:VBlj4IoP0
( ゚∀゚) もー、なにやってんだよリリカルー
⌒*(#‘‘)*⌒ ジョルくんがへんなところにボールなげるからじゃない!!
けらけらと笑うジョルくんと、それに怒るリリカルちゃん。
ぎゃーぎゃーと言い合う二人は、でもどこか楽しそうで、「この二人は本当に仲がよかったんだな」と私は実感しました。
( ゚∀゚) よし、わかった。じゃあじゃんけんしようぜ!
「まけたほうがとりにいくってことで」と笑うジョルくん。
⌒*(#‘‘)*⌒ なんでそうなるのよ! もとはといえばジョルくんが……( ゚∀゚) はいっ、さいしょはぐー!!
憤るリリカルちゃんの言葉をさえぎるようにジョルくんが強制的にじゃんけんを開始します。
リリカルちゃんは呆れたように、諦めたようにそれに応じます。
*(;--)*(苦労したんですね……リリカルちゃん)
私は心底リリカルちゃんに同情しました。
そして、じゃんけんの結果がリリカルちゃんの敗北に終わったのを見届けると「世の中ってなんて理不尽なんだろう」とため息がもれました。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:33:00.13 ID:VBlj4IoP0
( ゚∀゚) はいっ、リリカルのまけー
⌒*(;--)*⌒=3 はぁ、しょうがないなあもぅ……
にやにやと笑うジョルくん。ため息を吐きながらも「しょうがないなあ」と言って取りに行くあたり、さすがはあの渡辺のおばあちゃんのお孫さんといったところでしょうか。
とてとてと道路を渡るリリカルちゃん。あぁ、この子は本当にけなげだなぁ……そんな事を私が考えていたときです。
(;゚∀゚) リリカルッあぶねえ!!!
⌒*(‘‘)*⌒ え……?
突如叫びだすジョルくん。何事かと見れば、そこには明らかに規定速度を無視してこちらに走ってくる、一台の赤いスポーツカーの姿。
(;゚∀゚) リリカルーーーーーーーーー!!!
リリカルちゃんにむかって走り出すジョルくん。その形相は、本当に必死で。
しかし、幼い彼の足がフルスロットルで突っ込んでくるスポーツカーのスピードにかなうはずもなく。
*(;--)* ―――ッ!!
次の瞬間、私は思わず目を伏せました。
目蓋の裏の暗闇の中、どんという、なにかが何かにぶつかる音と、そして、なにかが硬い地面におちる音。
「リリカル!! おい、リリカル!!」涙交じりのそんな叫び声が、あたりに響いていました。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:35:04.88 ID:VBlj4IoP0
―リリカルは、即死だった―
―リリカルの葬式に出たときのオレは、渡辺のばあちゃんに合わせる顔が無くて、ずっとすみっこのほうでうずくまっていたのを覚えてる―
―あれから、両親はオレに気を使って隣の町に引っ越そうと言ってくれた―
―でも、あの事件以来塞ぎこんでしまったオレに、どう接していいのかわからない両親はだんだんと仲が悪くなっていき、そして、ついには離婚してしまった―
―全部、オレのせいだ―
―全部、全部全部、オレのせいだ!!―
―リリカルが死んだのも、親父とおふくろが離婚したのも、全部全部……全部……―
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:38:06.30 ID:VBlj4IoP0
再び目を開けると、そこは先程のコンビニエンスストアの前でした。
( ;∀;)
目の前の、かつてジョルくんと呼ばれていた少年は、ボロボロと涙を流しながら、それでも嗚咽だけはもらすまいと、必死に嗚咽をかみ殺しています。
*(‘‘)* ……つらかったんですね
ぽつりと呟く私の言葉に、ようやくジョルくんは顔を上げました。
( ;∀;) つらかったのはお前の方だろ、オレのせいで……死んじまったんだから
「だから、それの文句を言いたくて化けてでたんじゃねえのか?」とこちらを見つめる彼。
生きているうちから幽霊に間違われるのは心外ですが、でもせっかくなのでもう少し幽霊のふりをさせてもらうことにしました。
*(‘‘)* 違いますよ。私がここに来たのは、「もう私のことで後悔しないで」っていうためです
( ;∀;) ……?
*(‘‘)* お空の上から、私はずっとジョルくんのこと、見ていたんです
「ジョルくんは、私が死んでしまったことで、ずっと後悔してましたよね?」私は、よくもまあこんなに次から次へとセリフが沸いてくるもんだなあと自分に呆れながらも、目の前の彼に語りかけます。
*(‘‘)* だからもう、いいんです。もう、私のことで後悔しないでください。ジョルくんは、もう十分苦しみました。
( ;∀;) リリカル……
*(‘‘)* もういいかげん自分を許してやってください。私のことは、きっとしょうがなかったんです
しえん
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:43:02.46 ID:VBlj4IoP0
私は自分が並べる言葉に、少なくない罪悪感を覚えます。
だって、私は本当のリリカルちゃんではないのですから。でも、それでもここで私が言わなければ、彼はこの先ずっとこの後悔を引きずっていくような、そんな気がしました。
( ;∀;) 無理だよ……
*(‘‘)* ジョルくん……
( ;∀;) 無理だよ! 今更、お前のことを忘れろなんて!!
「見てくれよ、この格好を!」と彼は叫びます。
( ;∀;) わかるだろ!? 変わりすぎちまったんだよ、オレは。もう変わりすぎちまって元になんか戻れねえんだ!!
泣き叫ぶ彼、金色に染められた髪に、彼の痛みを知った今ではまるで彼そのものを縛っているように見えるズボンから下がったチェーン。
確かに彼は変わってしまったのかもしれません、でも……
*(‘‘)* ……元になんて、戻らなくていいんです
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:44:56.64 ID:VBlj4IoP0
( ;∀;) リリカル……?
泣きじゃくる彼の手を、私はそっと包み込みました。
*(‘‘)* 人は変わります、変わりたくなくても変わってしまいます
上目づかいにこちらを見てくる彼の涙目を、私はまっすぐ見返しました。
*(‘‘)* でも、それならきっと、変わりたいと願って変わることもできるはずです
( ;∀;) ……
上唇をかんで黙ってしまった彼に、私はそっと笑いかけました。
*(‘‘)* 行きましょう、ジョルくん
( ;∀;) 行くって……どこに?
涙をふきながら不思議そうに聞いてくる彼に、私はただ「来ればわかります」とだけ笑って戸惑う彼の手を引っ張りました。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:48:19.60 ID:VBlj4IoP0
(;゚∀゚) え、おいここって……
*(‘‘)* 懐かしいでしょう?
目的地に着いたころにはころには、もうお昼過ぎになっていました。
私と彼が立っているのは、広い庭と縁側がある古きよき日本の家という感じの一軒の家の前です。
( ゚∀゚) 渡辺の……おばあちゃんの家
なにか感じるものがあるのでしょう、彼は戸惑っているような懐かしんでいるような、そんな複雑な表情で渡辺のおばあちゃんの家を見ています。
*(‘‘)* 入ってみませんか?
(;゚∀゚) え!?
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:50:22.86 ID:VBlj4IoP0
私の言葉に、彼はぶんぶんと首を横に振りながら「無理むり、無理だって!!」と必死に拒否の意を表します。
(;゚∀゚) お前は俺のせいで死んじまったんだぞ!? その俺がいまさらどんな顔しておばあちゃんに会いに行けばいいんだよ!?
*(‘‘)* 大丈夫ですよ、おばあちゃんならきっと許してくれます
(;゚∀゚) ……でもよ
そう言ったまま俯くと、彼は黙り込んでしまいました。本当は彼だっておばあちゃんに会いたいはずです。
でも長年の間溜め込んできた罪悪感が、彼にそれを許さないのでしょう。
彼がおばあちゃんに会うには、誰かが背中を押してあげることが必要なのかもしれません。
*(‘‘)*(それなら……)
そう思った私はそっと彼の額に指を乗せます
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:53:02.25 ID:VBlj4IoP0
( ゚∀゚) リリカル?
不思議そうにこちらを見つめてくる彼。
*(‘‘)* 私が、今からジョルくんに魔法を掛けてあげます
「ジョルくんの本当の願いがかなう魔法を」多分本日最後になるであろう大嘘を吐いて、私はそっと目を閉じました。
*( --)* ―――「ヘリカル……マジカル……」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 23:57:56.03 ID:VBlj4IoP0
俺は混乱していた。
(;゚∀゚) ん? あ……えええ??
リリカルが額に指を乗せて何か呟いた瞬間、突然額に何か暖かいものが入ってくる感じがして
で、気付いたら足が勝手におばあちゃんちの庭に向かって歩き出していたからだ。
ふと後ろを向いたら、リリカルが微笑みながら手をひらひらと振っていた。
ちくしょう、あいつ幽霊になってから変な特技身につけやがったな
(; ∀ ) ……ったく、イタズラすんのは俺の役割だってのに
考えてみれば、いつもそうだった。俺がイタズラを考えて、あいつは「ダメだよ」とかって止めようとするんだけど、結局俺に付き合わされて。
で、イタズラがばれて二人して怒られて、泣きそうな目であいつは「ジョルくんは悪くないんです」って言ってくれて
(; ∀ )(こんぐらいのイタズラは、されて当然なのかもな)
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 00:01:11.43 ID:HTAmT3iR0
そんなことを考えてたら、いつの間にか懐かしい縁側の前に立っていた。
ちょっと色が変わったかなと思うけど、大体なんにも変わってない。
夏はよくここでリリカルと一緒に、おばあちゃんが切ってくれたスイカを食べたっけ。
「どちらさま〜?」
(;゚∀゚) !!
聞こえた懐かしい声に、体が硬直する。
何を話せばいいんだろう? 何から説明するべきなんだろう? そもそもおばあちゃんは、俺が俺だとわかるだろうか?
分からないだろうな、なんたって俺は……
( ∀ )(こんなに、変わっちまったんだから)
从'ー'从 あら……?
本当に久しぶりに見る懐かしいおばあちゃんの顔に、俺は庭に入ったことをどういいわけして逃げようかと考える。
从'ー'从 ジョルくん?
( ゚∀゚) え……?
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 00:03:06.81 ID:HTAmT3iR0
聞こえた言葉に、俺は耳を疑った。
从*'ー'从 ジョルくん? ジョルくんでしょ? 会いに来てくれたんだ。うわ〜久しぶりね〜
( ゚∀゚) な……んで……
こんなに変わってしまったのに。俺はこんなに変わってしまったのに、なぜこの人は俺が俺だとわかるんだろう?
俺のせいなのに、リリカルが死んだのは俺のせいなのに、何でこの人は俺にこんなに幸せそうな笑顔を向けてくれるんだろう?
いろんな言葉が頭の中で渦をまいて、もうどうしていいのかわけ分かんなくなって
( ;∀;) おばあちゃん……
気がついたら俺は、子どもみたいに泣きじゃくっていた。
( ;∀;) 俺……俺……おばあちゃん、ごめんなさい!
何を言ったらいいのか全然わかんなくて、だから俺は心に浮かんだことをただ叫んだ。
必死に泣いて、ただ頭を下げた。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 00:08:05.26 ID:HTAmT3iR0
( ;∀;) おばあちゃん……?
从'ー'从 よしよし、ジョルくんはいつまでたっても泣き虫のままだねえ
頭に降りかかったのは罵詈雑言の言葉ではなく、温かいぬくもりをもったてのひらだった。
从'ー'从 なつかしいね、よくケンカだのイタズラだので怒られてはここに駆け込んできて、覚えてる? ジョルくん
( ;∀;) ぁ……ああ……
そうだった、いつもこの人はこうだった。
怒られて悔しくて、それを話していくうちに我慢ができなくなって泣いていた俺の頭を、いつもこうやってやさしく撫でてくれた。
そうだった、俺が欲しかったのは……
从'ー'从 つらかったね、さびしかったよね、ずっと一人で抱え込んできたんだね
そういっておばあちゃんは俺を抱き寄せてくれた。
从'ー'从 もう大丈夫だよ、私もリリカルも、怒ってなんかいないから
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 00:09:54.51 ID:HTAmT3iR0
ゆるしてほしかった
ずっとおまえにあやまりたかった
でもおまえはどこにもいなくて
さびしかった くやしかった どうしていいのかわからなかった
ごめんなさい ありがとう もうだいじょうぶだよ
おれがずっとほしかったのは
きっと このぬくもりだったんだ
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 00:12:54.98 ID:HTAmT3iR0
塀の影からこっそりと二人の様子を眺めていた私は、ほっと一息つきました。
*(*‘‘)* なんとかなったみたいですね
(,,゚Д゚) そのようですね
*(;‘‘)*て どぅわ!!?
突然となりから聞こえた声に、私は思わず変な声を上げてしまいました。
見れば足元で、青い毛並みの彼が二本の足で立っています。
まったくこいつはどこから現れやがるんでしょうか?
*(;‘‘)* あ、あなたはいつからそこにいたんですか!?
(,,゚Д゚) 「いつから」……ですか、多分「ずっと」なんでしょうね
*(;‘‘)* ?
相変わらずよく分からないことを言う彼に私は首を傾げますが、もういいかげんなれてきたのでスルーして縁側で話す二人の姿に目を戻しました。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 00:15:19.88 ID:HTAmT3iR0
从*'ー'从
( ゚∀゚)
泣き腫らした目で、照れたように笑うジョルくんと、その頭を撫でる渡辺のおばあちゃん。
それはきっと、リリカルちゃんが死ぬ前は当たり前だった光景。
それはきっと、彼が戻れないと言った、戻りたいと願った光景。
もうリリカルちゃんのいた、あのときには戻れないけれど
*(‘‘)* それでもきっと、前に進むことはできますよね?
なんとなく私は、足元に立つ彼に訊ねてみました。
(,,゚Д゚) さぁ、とんとわかりかねますね。私はヒトではなく、ネコですから
そんなニヒルなセリフを吐く彼に私は「こいつは」とため息を吐きましたが「ですが」と彼は続けます。
(,,゚Д゚) あなたがそう思うのなら、きっとそうなのでしょう
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 00:19:09.52 ID:HTAmT3iR0
*(‘‘)* ……あなた、よく他人から「素直じゃない」って言われませんか?
(,,゚Д゚) さぁ? とんと記憶にありませんね、でもあなたがそう思われるのなら、おそらくはそうなのでしょう
「だめだこいつ」と私は大きなため息をつきました。
(,,゚Д゚) ひとつ聞きたいことがあるのですが
*(‘‘)* はい?
(,,゚Д゚) あなたが使った魔法のことです
「それはまた答えにくいことを……」と私は思いました。
私が他人に自分が魔法を使えることを話さない理由の一つに、説明がめんどくさいからというのがあります。
どうやって使うの? とか、使ってるときどんな感じなの? とかこれがまた言葉で表現するにはめんどくさい感覚ばかりなのです
「なんで魔法が使えるの?」なんて聞かれた日にはもう、「そんなのこっちが聞きたいわ!!」って叫んでやりたいです
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 00:23:03.52 ID:HTAmT3iR0
(,,゚Д゚) あなたは彼に言っていましたね「本当の願いがかなう魔法」だと
*(‘‘)* ああなんだ、そのことですか
「大嘘ですよ」と言って私はふんと笑って見せました。
*(‘‘)* 私がジョルくんにかけたのは、ちょっと前に歩くだけの魔法です
(,,゚Д゚) そんなこともできるのですか?
*(‘‘)* ええ、まあかける相手が少なくともちょっとは前に歩く気がないとだめですけどね
「その意味では嘘ともいいきれないかもしれません」というと「なるほど」と感心したように彼は頷きます。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 00:25:03.18 ID:HTAmT3iR0
*(‘‘)* ま、なんとか丸くおさまったようですし、嘘も方便ということで
そう言ったあと、私は今日はやけに嘘ばかり吐いている気がして「はぁ」とため息をつきました。
とーちゃん、ごめんなさい。ヘリカルはとんでもない嘘吐きに育ってしまいました。
*(‘‘)* それにしても不思議ですねえ……私は本来嘘を吐くのは得意ではないはずなのですが
考えて見れば、リリカルちゃんになりきってたときなんてよくあんなにセリフがぽんぽんと浮かんできたものです。
私が不思議に思っていると
(,,゚Д゚) よくわからないのですが、それはきっとあなたの後ろにいる方のおかげなのではないでしょうか?
*(‘‘)* はい……?
私の後ろ? 誰か居るのでしょうか?
ああ、もし居たら今の状況をどう説明しましょう?
二足歩行の喋るネコみたいな生物と話してる女子高生なんて、端から見て怪しすぎますよね……
そんな不安を抱えながらも、私はおそるおそる後ろを振り向いてみました。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 00:27:57.39 ID:HTAmT3iR0
⌒*( )*⌒「ありがとう」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 00:52:48.76 ID:LTZQvcL00
猿か?
支援
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:00:54.83 ID:HTAmT3iR0
*(;‘‘)* え……?
なんか今、光り輝く二つ結びの少女が私に微笑みかけて空に消えていったような気がするのですが……。
気のせいでしょうか? いえ、気のせいに決まっています。幽霊なんて非科学的なもの、現代に居るわけが……
(,,゚Д゚) でもあなたは魔法使いですよね?
*(; )* !!
必死に言葉で頭の中を埋めて現実から目を逸らそうとしていた私は、しかし彼の一言で現実に引き戻されてしまいます。
そして、あらためて先程の状況を脳内で再生し、理解して―――
*(; )* うわああああああああああああああああああああ!!!!
―――そして恐怖が抑えられなくなりました。
リリカルちゃんごめんなさい、でも私、幽霊だけはダメなんです!!
お昼過ぎのご町内に、涙目で叫びながら走る、ごくごくふつうの女子高生の姿ありました。
……残念なことにそれは私でした。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:04:21.42 ID:HTAmT3iR0
翌日の日曜日、私はモナーくんとの約束を果たすために『バーボンハウス』への道のりを歩いていました。
と言ってもくわしい道などは知らなかったので、交番のおまわりさんや道行く人にたずねたずね歩いていたのですが
*(‘‘)* あの、すみません
( ゚∀゚) あ?
*(;‘‘)* あ
(;゚∀゚) お
なんという偶然、なんという天のめぐり合わせ
いや、確かに聞いていましたよ、モナーくんと同じご町内だって。金髪だったし、チェーンだってじゃらじゃらさせてましたけど!
まさか昨日あった人に今日も会うなんて思わないじゃないですか
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:08:42.43 ID:HTAmT3iR0
*(;‘‘)* ち、ちちち違うんです!! 私はあなたの幼馴染のリリカルちゃんの幽霊とかではなくて……!!
( ゚∀゚) あー、そうなんだってな。ヘリカルっていうんだろ?
*(;‘‘)* は、はい、そうです私の名前は沢近ヘリカル……って、え!?
( ゚∀゚) 渡辺のおばあちゃんから聞いた、リリカルにそっくりな女の子がいるって
そう言って頬をぽりぽりとかく彼、あれ? 怒ってないのかな……?
( ゚∀゚) ありがとな、昨日は。俺のためにリリカルのふりまでしてくれて
*(;‘‘)* あ、いや、それはむしろごめんなさいといいますか……
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:13:01.20 ID:HTAmT3iR0
責められると思っていた私は、肩透かしをくらってなんだか気が抜けたようになってしまいました。
見た目もそのまんまだし、話し方もぶっきらぼうですけど、なんだか昨日とは雰囲気が違うようです。
( ゚∀゚) 本当はさ、わかってたんだ。リリカルのこと、いつまでも言い訳にして拗ねててもしょうがないって
なんだか恥ずかしそうに、目を逸らしながらはにかむ彼。
( ゚∀゚) ただ頭では分かってても納得できなくてさ、きっかけが欲しかったんだな。たぶん
*(‘‘)* ……
( ゚∀゚) 俺はこの通り、今も見たまんまのロクデナシだけどよ
彼は金髪を触り、チェーンをジャラジャラと鳴らすと、どこかすっきりした眼で私の眼をまっすぐみすえました。
( ゚∀゚) 少なくとも俺は、もう俺が今の俺であることを誰かのせいにしたりしねえよ
胸を張ってそう言う彼の顔は、昨日始めて見たときよりずっと”生きて”いるように思えました。
そのときの彼が、ちょっとかっこよく見えてドキドキしてしまったのは秘密です。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:15:21.34 ID:HTAmT3iR0
「ジョルくん」に道を教えてもらい、私は目的地の『バーボンハウス』にたどりつきました。
夜はバーをやってるというだけあって、そのちょっとシックな外観はなんだかちょっと”シブい”という感じを受けます。
年季の入った木製の扉のノブをまわそうと手を伸ばして、私はそれに気がつきました。
*(;‘‘)* あれ……!?
扉の横に置かれた、一つの木製の看板。
表面が黒板になっていて字を消したり書いたりできるようになっているそこに書かれているのは、赤い文字とその下に引かれた黄色の二重線。
【店長急病につきバーボンハウスはお休みとさせていただきます】
*(;‘‘)* 何ですとおおおおおおおおおおおおおおお!?
叫びました。
ええ、叫びましたとも。
思わず叫んでしまいました。
はっとなって私はあたりを見回します。
よかった、どうやら誰もいないみたいですね……
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:18:09.38 ID:HTAmT3iR0
*(‘‘)*(しかしどうしましょう?)
どうするもこうするも、店長さんが急病ではどっちにしろお店には入れません。
しかたありません、今日のところは家に戻って―――
( ´∀`) おねーちゃん!!
*(;‘‘)*て どぅわ!!!?
突然後ろから声をかけられた私は、思わず飛び跳ねてしまいました。
ふりむくとそこにはうれしそうに笑うモナーくんの姿が
(*´∀`) きてくれたのかモナ きのうはおみせのばしょもきかずにどっかへいっちゃうからびっくりしたモナ!!
*(;‘‘)* あ、あははは……ごめんなさい
( ´∀`) さっきさけびごえがきこえたけど、どうかしたのかモナ?
苦笑しながら笑う私に、無邪気な笑顔で彼が聞いてきた一言に私は凍りつきました。
聞かれてた!! こんな小さな子に! うっわ死ぬほどはずかしいんですけど!!
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:20:47.67 ID:HTAmT3iR0
( ´∀`) おねーちゃん?
*(* )* ぁ……ぅ……
恥ずかしさのあまりしばらく悶絶していた私は、なんとか復活し、こんな真昼間っから叫び声を上げてしまった経緯をモナーくんに話しました。
*(‘‘)* で、今日はお店は休みということで帰ろうかなと思ってたところだったんですよ
( ´∀`) モナモナ それはだいじょうぶだモナ パパは高熱でお休みだけど、かわりにぼくがおねーちゃんにごちそうするモナ!
*(;‘‘)* え!? モナーくんお料理できるんですか?
( ´∀`) パパじきでんのあじだモナ! パパよりちょっとおいしくないていどにおいしいモナ!
……それは具体的にはどっちなんでしょう?
モナーくんのパパさんのレベルを知らないのでどうにも判断しづらいのですが……
そんなことを考えている私をよそに、モナーくんは私の手をつかむと、そのまま店の扉を開けて中に入ります
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:23:25.50 ID:HTAmT3iR0
( ´∀`) そこのカウンターせきにすわってまっててほしいモナ
促されるままにカウンター前の席に座ると、目の前のカウンターの向こう側からモナーくんが顔を出しました。
なるほど、この店はこうやって料理する人が調理している姿を見られるようになっているんですね。
( ´∀`) ちょっとまってるモナ すぐできるモナ!
背が足りないため、持ってきた椅子の上で料理をし始めるモナーくん。
一見危なっかしいですが、包丁さばきや卵の割り方など、素人の私の目から見ても料理の腕はなかなかのものです。これは期待できそうですね
安心した私は店内を見回してみます。
外観と同じようにシックな感じの店内には、木製のテーブルが五つほど並べられており、天井を見上げればプロペラがくるくるとまわっています。
モナーくんの向こうにある棚には、夜はバーになるというだけあって様々な種類のお酒が並べられており、それも店内の雰囲気にあっています。
なかなかおしゃれなお店です。今度ペニちゃんを誘ってみるのもいいかもしれませんね。
( ´∀`) できたモナ!
*(;‘‘)* え? もうですか!?
驚く私の前に置かれるオムライス。おいしそうな匂いをさせるそれは形も整っていて、ぱっと見子どもが作ったもののようには見えません。
( ´∀`) うちは はやさとていねいさがうりだモナ!
腕を組み、胸を張るモナーくん。それにしたって速すぎるような気がするんですが……
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:25:09.92 ID:HTAmT3iR0
*(*‘‘)* ……おいしい!
おそるおそる口に運んだオムライスのおいしさに、私は声をあげました。
卵のふわふわ観、チキンライスのケチャップの絡みぐわい、肉やたまねぎのやわらかさなど、どれをとってもそこらのファミレスなんかよりずっとおいしいです。
本当にこれ、目の前の幼い少年が作ったものなんでしょうか?
(*´∀`) モナモナ とーぜんだモナ
誇らしげに胸を張るモナーくん。あっと言う間に目の前のオムライスを平らげた私は、出された水を飲んでほっと一息つきました。
そのときです
「こら、モナーくん。ダメじゃないかお店の具材を勝手に使ったりして」
お店の奥から聞こえる声、あ、これひょっとして私まずいことしちゃったかな?
でもなんだかこの声、聞き覚えがあるような気がするのですが……
( ´∀`) モナモナ おんじんへのおれいなんだからかたいこというなモナ あにじゃ
「あにじゃ」……? ってまさか
( ´_ゝ`) =3 まったくおやっさんみたいなこといいやがって……
店の奥からでてきたのは、見覚えのあるクラスメイトの顔。
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:28:55.42 ID:HTAmT3iR0
*(‘‘)* 流石くん?
(;´_ゝ`) え!? 沢近さん!!?
わかりやすいリアクションで驚く彼。普段他のクラスメイトと距離を置いている彼がこんな大きなリアクションをするのを見たことがなかったので、私はちょっと新鮮だなあと思いました。
それにしても、彼の顔にはあきらかに「まずい」という三文字が張り付いているように見えるのですが、なにをそんなに動揺しているのでしょう?
(;´_ゝ`) いや、沢近さん、これは違うんだ、これは決して隠れてバイトしてたとかそういうのではなく……
ああ、そういえばうちの高校ってバイト禁止でしたっけ? なるほど、それを私に見つかったからおどおどしていたんですね
(;´_ゝ`) たのむ、学校には黙っといてくれ! この通り!
両手を合わせて併願する彼。別に心配いらないですよと言おうと思った矢先、私の頭に一つの案が浮かびました。
あれ……これってひょっとしてチャンスじゃないですか?
*(*‘‘)* いいですよ〜流石くん。ただし、ちょっと条件があります。
(;´_ゝ`) じょ、条件?
*(*‘‘)* そんなにおびえなくても大丈夫ですよ? 大したことじゃないですから
むふふと私は微笑みました。あぁ、いま鏡で自分の顔を見たら、きっとすごく悪い笑顔してるんだろうなあ……
そんなことを思いながら、私は不安そうな顔をしている流石くんにその条件を叩きつけることにしました。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:34:17.00 ID:LTZQvcL00
支援
和む話だなぁおい
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 01:45:14.91 ID:g2O60esqO
支援
( ^ω^)「童貞すてるお」
ξ゚听)ξ「そうですか」
(*^ω^)「だから・・・ツン!セクロスしようお!!」
------====次の日====-------
ガチャ
(,,゚д゚)「ブーン!!童貞は不燃ゴミだぞ!!」
( ;ω;)「ですおねー」
〜回想〜
(*^ω^)=3「そっさく服脱いでだお!ハァハァ」
ξ#゚听)ξ「だが断る」
〜回想終了〜
(,,゚д゚)「次捨てるときにはセクロス後にしろよ!じゃあな!」
(゚д゚)9m「保 守 っ!!」m9(^ω^)
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 02:03:53.05 ID:HTAmT3iR0
*(*‘‘)* 来週の土曜日なんですけど、ちょっと付き合ってくれませんか?
――――これが私の、『ペニちゃんと流石くんをくっつけよう大作戦』の幕開けでした。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 02:04:39.24 ID:HTAmT3iR0
*(‘‘)* 魔法少女ヘリカル沢近のようです
おしまい
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 02:06:09.45 ID:HTAmT3iR0
―次回予告―
それは、小さな孤独でした。
孤独を望み、孤独を愛したはずの彼はいつのまにか、孤独を憎悪しそして孤独でない誰かを恨むようになりました。
みにくいばけものは、ただひとりぼっちがさみしくて―――
次回、*(‘‘)*魔法少女ヘリカル沢近A'sのようです
*( --)* ―――「ヘリカル……マジカル……」
*(*‘‘)* がんばります!!
http://imepita.jp/20091227/053220
86 :
◆6ZgdRxmC/6 :2009/12/27(日) 02:09:02.08 ID:HTAmT3iR0
うん、そんな訳で続くんだ、ごめんね
ぶっちゃけ祭り逃亡犯だしね、謝って許してもらおうとは思ってない
でもこのスレにときめきを感じてくれた誰かがいるなら、オレはその人のために精一杯続きを書こうと思うんだ。
そんなわけで、読んでくれて支援くれたやつら、本当にありがとう。さるさんくらったのでマジうれしかった。
これを祭り提出作とみなすかどうかは、文丸さんにおまかせするよ
そんなわけで、本日の投下を狩猟します。
↓元ネタ↓
*(‘‘)* 魔法少女ヘリカル沢近のようです
どこにでもいそうな女子高生、ヘリカル沢近!
しかし彼女には誰にも言えない秘密があった!
なんと魔法が使える!凄いぞ魔法少女だヘリカル沢近!
しかし魔法といっても彼女は魔力が弱いため大仰な魔法は使えず、
せいぜいちょっとだけ時間を止めたり物を動かしたり他人の心を読む程度!
そんな微妙な魔法で日常のトラブルや困った事をこっそり解決して、
いつもよりちょっとだけ幸せな毎日と、少しずつ広がっていく世界を描いたこの話!
魔法少女リリカルなのはの登場人物ももしかしたら出たりするかも!
没理由
いや…ヘリカル沢近とか知らんし、リリカルなのはも見た事ないし
正直書くの面倒だし、タイトル思いついただけだし、うん
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 02:14:32.87 ID:MHLpYilI0
おつ!
あとメカキングギドラの人?
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 02:23:50.30 ID:WXK73QSMO
ほ
89 :
◆6ZgdRxmC/6 :2009/12/27(日) 02:27:02.06 ID:HTAmT3iR0
>>87 めっ、メカキングギドラを覚えてる人がいたのかっ!?
ごめん、それ「彼らは携帯電話を武器に戦うようです」が終わるまではかけねえんだ
よかったらそっちもよんでくれるとうれしいです
では
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 02:29:44.52 ID:90j+8cBqO
>>89 両方読んでる!
これも含めて期待してるから頑張ってくれ!
乙!
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 02:29:55.76 ID:LTZQvcL00
乙
おもしろかったよ可愛い話で
かってにこばとを思い浮かべた
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 02:37:45.27 ID:WXK73QSMO
あ
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/27(日) 02:42:04.07 ID:m1AoM4KoO
なんか和んだ
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
か