1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
のんびり書く
一週間が過ぎ、インデックスにとっても、神裂にとっても待ちに待った日がやって来た。
「いやー、悪いな神裂。わざわざ送ってもらって」
「いえ、イギリスでの仕事も一段落しましたから」
神裂はインデックスに付き添い学園都市まで来たのだ。建て前は護衛、本音はもちろん上条に約束を果たしてもらう為である。
ガブッ!
「ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!」
「トーマ!!!久しぶりに会うのに私を無視するなんていい度胸なんだよっ!!」
上条の頭に噛みついた銀髪シスターさん。神裂は小さな子供の様にはしゃぐインデックスを見て、やはりこの子の居場所は上条なのだと思った。
「ではご自宅まで送ります」
神裂はとりあえず自分の任務を全うする事にして二人を促した。しかし上条からは意外な言葉が返って来る。
「いや、いい。なぁインデックス、悪いけど今日は小萌先生んとこに行ってくれ。外に迎えに来てもらってるから」
「えー、なんでなんで!?トーマはどうするの?ご飯は?約束は?」
「上条さんは用事があるんですっ!今日は小萌先生が焼き肉用意してくれてるから。約束もきちんと守る。夜には迎えに行くからな」
上条はブツブツふてくされるインデックスを小萌の車に押し込んだ。
「じゃあ先生、すいませんけどよろしくお願いします」
「はいはーい、上条ちゃん、あんまり危ない事はしちゃいけませんよー。シスターちゃんはちゃんと先生が預かります」
よく運転出来るな、そもそも免許取れたのか。神裂は小萌の乗る車を見送りながらそんな事を考えていた。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 09:37:40.30 ID:C97qYXrLO
インデックスたんはトーマなんて言わない
「さて、と。次は約束を守りますか」
「え?」
「いや、だってお前と電話で約束しちまったからな。なんだっけ、デートだろ?」
突然デートと言われて神裂は焦っていた。もちろん約束を忘れてたのではない。まさか今日会ってすぐだとは思っていなかったのだ。
「い、今からです…か?」
「そ!だってお前も忙しいんだろ?なら早いほうがいいと上条さんは思うわけですよ」
「こ…心の準備が…」
「んなもんいらねーって!さ、行こうぜ」
神裂は促されるまま歩き出した。もともとキチンとした性格の彼女は、こういった"突然" に弱いのである。戦闘は別だが…
「んで、どっか行きたいとこあるのか?」
突然聞かれても神裂には答えられなかった。デートでどこに行くか、二人を送った後、学園都市のガイドブックを買って調べるつもりだったのだ。
「お、お任せします」
「なら…ショッピングモールだな!上条さんの辞書ではデート=ショッピングモールなのです」
そう言って歩いて行く上条のあ後を、神裂はついていくしかなかった。しばらく歩いていると、懐かしい景色が見えた。歩道橋のある大きな交差点だ。インデックスを巡って上条と戦った場所。
「懐かしいですね」
「え?何が?」
「いえ、何でもありません」
上条にはインデックスを助けた時の記憶はない。そしてその事は誰にも話していない。神裂は話を聞いていなかったと思っているが、上条には本当に「何が?」なのだ。
しばらく歩き、大きなショッピングモールに着いた。
「さて、んじゃ見て回りますか」
二人はまずCDコーナーに入った。以前御坂妹にせがまれてデートしたのと同じコースだが、上条に悪気はない。知識が乏しいだけなのだ。
「お前って音楽とか聞くのか?」
「ええ。最近の物は分かりませんが、クラッシックや民謡など術式に組み込めそうな物は…民謡などはもともとそれ自体に魔力があるものもあります。いわば術を歌の形に……」
「ストップ!上条さん頭痛くなる!次だ次!」
二人は軽く雑貨屋などを見て回り、靴屋に入った。
「そーいや神裂ってスニーカーとか履かないのか?」
「履く時もなくはないですが…天草式十字凄教は服や動き一つにも術式を組み込んでいますので」
「ふーん。なんかよくわかんねーけど、神裂ブーツ似合ってるしいっか」
「……………」
真っ赤になった顔を見られないように、神裂はさっさと靴屋から出て行く。やはり神裂は"突然"に弱いのだ。
その後も服、電化製品、本などを見て回った二人。缶ジュースを飲みながら次はどこに行こうか話し合っていると、人混みの中に泣いている女の子を見つけた。どうやら迷子らしい。
「ちょっとそこのベンチで待っててくれ」
それだけ言うと上条は女の子の下へ走って行った。神裂には何を話しているか分からないが、家族を探してあげるのだろう。女の子の手を引き人混みの中に消えた。一人になった神裂は、近くのベンチに腰をかけた。
「相変わらずですね、上条当麻」
不思議と一人にされた寂しさや怒りはない。それどころか少し嬉しく思っていた。
「きゃ!!」
神裂はベンチの脇にいる何かに気付き声をあげた。その拍子に缶ジュースを床に落としてしまった。それはドラム缶のような形をした機械で、なにか動き回っている。ビー、ビーという警告音と共に機械が喋りだす。
「ポイ捨テ禁止デス。ポイ捨テ禁止ス」
「い、いえ。そんなつもりは…」
機械相手に言い訳をする神裂の周りに、次々と清掃ロボットが集まる。神裂の脳裏に悪夢が蘇った。以前学園都市から寄贈された最新洗濯機。機械が苦手な神裂は、死ぬほど苦しめられたのだ。
「い…いやぁぁぁぁあ!!」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 09:40:30.46 ID:k4b0EtByO
C
迷子の女の子を無事に母親のもとへ送り届けた上条は信じられない光景を見た。何台もの清掃ロボットに囲まれた神裂。それだけならまだいい。問題は神裂の右手が七天七刀に添えられている事。
「いやぁぁぁぁあ!!」
「ちょっ!神裂ストップ!ストッ……」
ヒュンという音と共に光の線がロボット達の上を走った。神裂は右手を添えた姿勢から動いていない。正確には動いたが、あまりの速さに動いていないように見えるだけだ。次の瞬間にはロボットが見事にバラバラになっていた。「七閃」、ワイヤーを使った神速の攻撃。
「うぉぉぉぉ!!!!!!!」
上条はバラバラのロボットを前に満足そうな神裂の腕を掴むと、全力で走った。
「何をやってるんですかあんたはぁぁぁぁあ!!」
「え?」
「何を無邪気な顔してるんですか!!!!一台幾らすると思ってんだ!!!なんていうか!!不幸だぁぁぁぁぁあ!!!」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 09:43:25.09 ID:QbTJljlf0
上条で検索しても引っかからなくて焦った
いつも天草式、天草式っていうから天草式十字清教かと思ってたら天草式十字凄教なんだな
確認して初めて知った
続きはまたのちほど 出かけてまいります
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 09:50:37.71 ID:wt3SOlJO0
何この小出し
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 09:56:54.02 ID:5LR9P6A1O
ヒョオオ
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 10:00:37.82 ID:byyIR2sw0
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 10:30:02.30 ID:O4cTIEP3O
卍保守卍
15 :
転載:2009/12/21(月) 10:59:06.37 ID:QbTJljlf0
忘れられてるインデックスさんはその頃
「おなかへったぁぁ!!」
イギリスに来ているインデックスは、教会に用意してもらった寮の部屋でバタバタと暴れまわっている。
「…先程食べたばかりではありませんか」
イギリスでのお目付役(実際は子守りに近いが)である神裂火織は溜め息をつく。
「では何か食べ物を持って来ます。大人しくしてて下さいね」
世界に20人程しかいない聖人と呼ばれる程の実力を持ってはいるが、インデックスにはどうしても甘くなってしまう。苦笑いを浮かべながら神裂は部屋を出て行った。
「!!??」
部屋を出た神裂はドアのすぐ横に佇む人影に驚いた。
「ステイル!?」
ステイル=マグヌス。赤い髪の不良神父であり、炎を操る魔術師でもある。
「インデックスに会いに来たのでしょう?そんな所に立ってないで部屋に入ったらどうですか?」
「いや…たまたま通りかかっただけだ。」
そう言う神父の手にはパンや果物が山盛りになったカゴが握られている。
「そんな物持って通りかかるなんて…素直じゃありませんね、ステイル」
「…うるさい」
ステイルは髪と同じ色に頬を染め、そっぽを向いてしまった。
「とにかく、丁度インデックスが駄々をこねはじめた所です。さぁ、部屋に入って下さい」
神裂はステイルの腕を引き強引に部屋に連れ込んだ。
「久しぶりだなインデッ…?!うっ!」
「うわぁぁぁぁぁ!食べ物なんだよ!」
ステイルの事など気にもとめず、インデックスは食べ物の入ったカゴに飛び付き、口いっぱいに詰め込んでいく。
「まったく……インデックスは変わりませんね」
「フッ…これでいい。僕はこの笑顔が見れて満足だよ、神裂」
寂しそうな、少し嬉しそうな顔をしてステイルは部屋を出て行ってしまった。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 10:59:52.45 ID:QbTJljlf0
「むぅ〜……みんな私の事いらない子だと思ってる!!ヒドイんだよ!!」
「誰に向かって話しているのですか?」
神裂は一人ブツブツ文句を言うインデックスを眺めながら部屋を片付けている。インデックスがステイルの差し入れを食べ散らかしたのだ。
「わかんない!でもそんな気がする!トーマもいらない子だと思ってるのかな!?連絡一つくれないんだよ!?」
インデックスはそばにある携帯を指差した。
「あの…私もあまり機械は得意じゃありませんが…これ電源入ってないようですよ」
「ふぇっ!?」
インデックスは携帯を手に取るとあれやこれやとボタンを押していく。
「むむ…む…きぃぃぃ!」
電源を入れられなかったのだろう、インデックスは携帯を放り投げてしまった。
「こんな機械も私をバカにして!トーマもデンワも嫌いなんだよ!」
そう言ってインデックスは布団に潜り込んでしまった。
「はぁ〜…上條当麻と離れて一週間、インデックスも寂しいのでしょうか」
インデックスがイギリスに呼ばれたのは身体検査の為である。インデックスは現在学園都市に身をおいているが、あくまでもインデックスは教会の所有物であるという「見せつけ」の為、時折こうしてイギリスに呼ばれるのだ。
「検査はもう済んでいる事です。上條当麻を迎えに来させればインデックスも喜ぶでしょうか…」
神裂は学園都市に連絡をする為に寮の電話に向かった。上條当麻の携帯に電話をかけようとダイアルに手を掛けた神裂はふとある事を思い出した。
「……堕天使メイド……」
ボッと音がしたのではないかと思う程、神裂の体温は上昇した。以前土御門にそそのかされ、上條への恩返しのつもりで着たコスプレ。
「かっかか上條当麻本人じゃなくてもいいですよね」
神裂は言い聞かせるように別の番号にダイアルした。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 11:00:33.21 ID:QbTJljlf0
「もしもしーねーちん、何か用かにゃー?」
相変わらず軽い土御門の声が聞こえる。
「用と言う程ではありませんが、上條当麻は何をしていますか?」
「何を?また要領を得ない質問だにゃー。カミヤンならお嬢様を妹属性にしたり、中学生にロリロリしたり大活躍してるぜぃ」
「属性!?ロリロリ!?あなたは何を言っているのですか?」
聞いた事もない単語に頭がこんがらがる神裂。
「いやー、ねーちんにはまだ早かったかにゃー。要するにモテモテって事だぜぃ」
「なっ!?何をやっているのです上條当麻は!?」
「おっ、ねーちんヤキモチかにゃ?なんならまた堕天使メイド用意してやってもいいにゃー」
「結構です!!!!!!」
ガチャっと音を立て、電話は切れてしまった。
「で…結局何の用だったのかにゃ??」
受話器を乱暴に置いた神裂の顔は真っ赤になっていた。
「受話器壊すなよ」
その声に神裂が振り返ると、ライオンの様な金髪、ゴスロリに身を包んだ褐色の肌の女性が立っていた。シェリー=クロムウェル、言うまでもなく魔術師だ。
「シェリー。立ち聞きですか?」
「はっ、誰がんな事するかよ。たまたま通りかかったの。そういえばお前インデックスのお目付役だろ?」
「それが何か?」
「さっき出てったわよ。そのインデックス」
神裂のっ赤だった顔が一瞬で真っ青になってしまった。
あっちから来ました
私怨
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 11:01:14.20 ID:QbTJljlf0
「ひこーきひこーきぃ!」
インデックスは空港のロビーに来ていた。もちろ学園都市に帰る為である。しかしいくら魔術に精通している彼女も、科学的な技術の集まる空港ではあまり知識は役に立たないようで、訳も分からず搭乗口の列に並んでいた。
「チケットを拝見いたします」
空港職員にそう言われてインデックスは戸惑っていた。
「チケット?そんなの持ってないんだよ!チケットないとひこーき乗れないの?」
「はい、あちらのカウンターで購入して頂かないと…」
「購入!?私お金持ってないんだよ!」
「でしたらご搭乗頂けないのですが…」
「むぅ〜、なんで?トーマに会いに行かなきゃ行けないの!」
インデックスは、神様に仕えるシスターだとか罰が当たるとか一通り抵抗してみたが、結局ロビーのイスでうなだれる結果に終わってしまった。
「うぅ…神様は私を見捨てたんだよ…」
「やっぱりここでしたか……」
その声に振り返ると、そこには神裂火織が立っていた。
「心配しましたよ。勝手に出て行ったりして…さぁ、とりあえず寮に戻りましょう」
神裂がインデックスの手を取ろうとした時、神裂の携帯がなった。
「もしも〜し。上条ですけど。神裂?」
「なっ…上条当麻!?」
「インデックスの携帯電源入ってなくてさ。」
上条当麻という単語に反応して、インデックスが横でギャーギャーと騒いでいる。
「インデックスを迎えに行きたいんだけど?」
「……と……うと」
「へ??神裂さ〜ん?」
「いっ…妹属性…何をやってるんですかあなたは!?」
「えぇ!!あの…妹属性とは何でしょう神裂さん?上条さんはそんな萌える属性は持っていま……」
「最低です!」
ブチッ。神裂は思わず電話を切ってしまっていた。
「ねぇねぇ、妹属性ってなぁに?」「何でもありませんっっ!!!」
神裂はインデックスを抱えて足早に空港を後にした。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 11:01:55.08 ID:QbTJljlf0
「またやってしまいました…」
寮へ向かうタクシーの中、神裂は一人うなだれていた。上条にインデックスの迎えを頼むはずが、つい勢いで電話を切ってしまったのだ。
「ねぇねぇ、トーマは?トーマは何て言ってた?心配してた?」
「すいませんインデックス。うっかりあなたの事を伝えるの忘れてしまいました」
「む〜やっぱり私はいらない子なんだよっ!ふ〜んだっ!」
拗ねてそっぽを向いてしまったインデックスを横に、神裂は別の事を考えていた。
(どうしてあんなに怒りが込み上げて来たのか…上条当麻がどこで誰と何をしようが関係ないのですが……)
寮に着いた二人はこれからどうするかを話し合う事にした。
「私は早くトーマのとこに帰りたい!帰りたいったら帰りたい〜!」
インデックスは話し合いが始まってから終始この調子だ。
「トーマに連絡してっ!そしたら全部解決なんだよっ!」
「いえ…しかし……私は…」
神裂は今更恥ずかし過ぎて連絡出来ないとは口が裂けても言えないでいた。
「じゃあ私が連絡するんだよっ!電話の使い方教えて!」
「いや、ちょっとあの…」
インデックスが連絡を取る事は反対ではない。しかしインデックスと上条が話して全部解決すれば、上条に連絡する機会を失ってしまう。
「…まずは先程の非礼、お詫びしなければ…」
「なぁに?何か言った?」
「いっ、いえ。なんでもありません。では私が連絡しますので、あなたはここで待っていて下さい」
「この電話ですればいいんだよ。わざわざ出て行かなくても」
インデックスは電源の入った携帯を指差す。
「いや、寮の電話で…」
「む…思いっきり怪しいんだよ…さてはトーマと内緒の話が…」
「私は寮の電話が好きなんですっっ!!!!!!」
訳の分からない言い訳をしながら、神裂は部屋を飛び出すのだった。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 11:02:35.80 ID:QbTJljlf0
「はぁ〜」
もう何回目になるだろうか。神裂は電話を前に溜め息をついていた。
「非礼をお詫びする電話です。それだけです」
そう呟いてみるものの、ダイアルにかけた指はなかなか動いてくれない。
「はぁ〜…まるで恋する中学生ですね…フフ…」
「おい…」
自嘲気味に笑う神裂にシェリーが声をかける。
「何を一人で落ち込んだりニヤニヤしたりしてんだ。気持ち悪いわよ。」
「まっまたあなたですか!?」
「あれか?愛しの彼にでも電話か?」
「ばっばばばばば馬鹿な事言わないで下さいっ!!!!!そんな全然そんなんじゃ……うぅぅ」
「………まぁその…頑張れ…」
目に涙を浮かべる聖人を見て、シェリーは手をひらひらさせながらどこかへ行ってしまった。
「うぅ…ぐす…電話ぐらい…出来ます」
神裂は勇気を振り絞ってダイアルを回した。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 11:03:17.08 ID:QbTJljlf0
8度目のコールで上条当麻は電話に出た。
「あーもしもし?」
「かっ……神裂です…」
「おー、さっきのは何だったんだ?妹属性がなんとかって」
「…う…なんでも…うぅ…ありません」
「あれ???あれー、神裂さーん。」
電話の向こうのすすり泣くような声に、上条当麻は困惑していた。
「神裂さん?上条さんは何かマズイ事を言ったでしょうか?でしたら精一杯謝らせていただ……」
「なんでもありませんっっっ!!!」
上条の謝罪を遮って、神裂は声を張り上げた。
「そ…それよりインデックスの事です。上条当麻、迎えに来て頂けませんか?」
ようやく落ち着いて来た神裂は本題に入った。
「インデックスはその名の通り歩く禁書目録です。一人で帰すわけには行きません。私も今イギリスを離れる事が出来ません。」
「いや、だから俺迎えに行くってさっき電話で……」
「ですから迎えに来て下さい。チケットなど必要な物は教会が用意します」
上条の話など頭に入っていない神裂は一方的にまくしたてる。
「では明日の朝、空港でお待ちしています」
ガチャ
何も喋らせてもらえなかった上条は切れた携帯を片手に立ち尽くしていた。
「こっちの予定は無視ですか、そーですか。何ていうか…不幸だぁぁ!」
受話器を置いて神裂は大事な忘れ物に気付く。
「うー…非礼のお詫び………忘れてました………」
律儀な神裂はまた電話の前で呆然とするのであった。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 11:03:57.98 ID:QbTJljlf0
翌日、インデックスの部屋を訪れた神裂を待っていたのは、着信音が鳴り続けている携帯を前に怯えているインデックスだった。
「ねぇ!この携帯電話っていうの、どうやったらお話し出来るの!?それに何だかブルブル震えてるんだよ!!」
携帯を拾い上げた神裂はディスプレイを見て固まった。そこには「上条当麻」と出ていたのだ。とりあえず詫びをと通話ボタンを押す。一晩たてば落ち着いて話も出来るだろう。
「もしもしー、インデックス?上条さんですよー」
「神裂です」
「へ?インデックスの携帯だよな…まぁいいや、悪いんだけどさ、インデックスをあと1週間預かってくれないか?」
突然の申し出に驚いた神裂を見てインデックスが不思議そうな顔をしている。
「なっなぜですか?」
「いやー、学園都市の空港が能力者同士の戦闘でシステムダウンしたみたいなんだ」
この戦闘には二重スパイである土御門が関わっているが、上条も神裂もその事は知らされていない。
「そっ…そんな!!勝手です!」
「んーでも上条さんのせいじゃないんですけど…なんかマズイのか?」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 11:05:14.43 ID:QbTJljlf0
実は今日上条が迎えに来る為、神裂はうっすら化粧をしていた。服も天草式十字凄教に乗っ取っている為見た目こそ変わらないが、実は新品なのだ。
「来て下さい今すぐに」
「無理です」
「来てくれないなら七天七刀のサビにします」
「無理です」
そんな無意味なやり取りを続けていると、インデックスが神裂から携帯を取り上げた。
「もしもしトーマ?早く迎えに来て欲しいんだよ?」
神裂には聞こえないが、インデックスの顔がみるみる曇っていくのを見ると迎えに来れない事を話しているのだろう。
ところが…
「分かった!じゃあもうちょっと待ってる!でも約束はちゃんと守るんだよトーマ!」
何故かインデックスはニコニコと笑っている。
神裂に携帯を渡すと、インデックスはお腹が減ったと部屋を出て行ってしまった。
「あの子に何を言ってなだめたのですか?」
「ふっふっふ、上条さんにかかればあんなお子ちゃまシスターさんなどチョロイもんですよ」
「何を約束したのかと聞いているのです」
「あー、帰ってきたら好きな所に連れて行って好きな物食べさせてやるって言ったんですよ」
「私にも何かしてくれるのですか?」
「へ?」
神裂は咄嗟に出た自分の言葉に死ぬ程後悔した。
(何を言っているのですか私は…これでは…ヤキモチみたいじゃないですか)
「なっなんでもありませんっ!」
しかし上条から返って来たのは意外な言葉だった。
「そーだよな、インデックス預かってもらってるし…一週間も伸びるし。いいよ、神裂の言うこと何でも一個聞いてやるよ」
今の神裂を見れば誰も聖人だとは信じないだろう。それ程に女の子の顔になっていたのだった。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 11:05:57.60 ID:QbTJljlf0
「なっななな何でも…ですか?」
「おぅ!上条さんに言ってみなさい!ちなみにあまりお金がかかるのはパスな」
神裂は恐ろしいスピードで頭を回転させる。どんな難しい術式を組む時よりも、エンゼルフォールでの戦闘の時よりも。
「で……」
「で?」
「……デートを…」
聖人と呼ばれる神裂が生まれて初めて口にした言葉。
「雑誌で見て、あの…その…天草式十字凄教では普段の生活に術式を組み込んでいるので、デートというものでも術式は組めるか研究をですね」
神裂は咄嗟に言い訳をする。言い訳でもしないと恥ずかしさで気を失いそうだった。
「なんか御坂妹もデートって……流行ってんのか?」
「い…妹!?上条当麻!あなたという人は…それが妹属性という物ですかっ!!」
「いっ!!違う違う!!何でもありませんっ!断じて上条さんは妹キャラに萌えを感じたりはしませんっ!!」
「まぁいいでしょう。約束を破ったら本当に七天七刀のサビに…」
「分かってます!!!!!上条さん嘘つかない!!!じゃあまたっ!!」
上条は聖人の殺気にさっさと電話を切ってしまった。
「…デ…デート…」
今の神裂なら一般人でも倒せるだろう。神裂は顔を真っ赤にしてベッドに倒れ込んだ。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 11:13:11.78 ID:wJ6SZIqAO
支援
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 11:33:44.38 ID:nSnqr5h1O
支援
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 11:40:19.09 ID:UEzh44RTO
支援
>>15 転載ありがとうございます!
書くペースが遅いですが、のんびり待って頂ければ助かります。では昼休み貼り
「いやー、やっぱ立ち読み最高よねー」
常盤台のエース。レベル5のレールガン、御坂美琴は日課の立ち読みを終えてコンビニから出て来た。大きく伸びをして、さぁこれからどこ行こうかなどと考えていると、遠くから見慣れたツンツン頭が走って来るのが見えた。
「あんた!何急いでんのよ!今日こそけっちゃ……」
「悪ぃビリビリまた今度!!!」
美琴の前をあっという間に走り抜ける上条。しかし美琴は見逃さなかった。上条に手を引かれていた女の子を。美琴は自分の慎ましい胸に目をやる。
「くっ………!!!」
美琴の前髪で電撃がパチパチと弾ける。
「あら?あらあらあら、あれはお姉さまじゃありませんの」
偶然美琴を見つけた白井黒子は美琴の頭上にテレポートして飛びかかる。
「おっねぇさまぁぁぁあ!!」
「なんなのよあいつはもうっっ!!!!!!」
ズドーン!!
「いやぁぁぁぁん!!!!」
とばっちりを受けた黒子は地面に転がる。
「わたくし…"まだ"何もしていませんの……きゅー」
「ねぇねぇ。秋沙はどー思う?私はすごく怪しいと思うんだよ」
「確かに。怪しい。」
秋沙と呼ばれた少女はインデックスの飼い猫「スフィンクス」とじゃれながら答える。姫神秋沙、ディープブラッドと呼ばれる天然の能力者。ただ存在するだけで吸血鬼を呼び寄せて殺す能力。現在はイギリス清教から与えられたケルト十字で能力を押さえている。
「やっぱり秋沙もそー思う?焼き肉に釣られて小萌のうちに来たけど…トーマってば女の子と二人で出掛けてるんだよ」
昼ご飯をたらふく食べたインデックスは、ゴロゴロしながらふと疑問に思ったのだ。上条の出掛けた理由は何だろうと。
「もしかしたら。デートかもしれない」
「デート??それなぁに?」
「好きな人同士が。二人きりで出掛けて楽しむもの。私は影が薄いから。誰も誘ってくれないけど。フフ…」
姫神は自嘲気味に笑う。
「む〜なんだかよく分かんないけど、トーマを叱りに行かなきゃいけない気がするんだよ」
「賛成。おもしろそう」
「そこまでですよー、二人とも」
コンビニの袋をぶら下げて小萌が帰ってきた。
「お気持ちは分かりますが、上条ちゃんには上条ちゃんの事情があると先生は思います。夜には迎えに来ると言ってたんですから大人しく待つのがいいと思いますよー」
小萌はちゃぶ台の上にビールを出しながら、大人な意見を言ってみた。
「行ってきまーす!」
「行ってきます」
扉が閉まる音がして、二人は出て行ってしまった。大人な意見は子供な二人には届いていなかったようだ。
「ふ〜、上条ちゃん以上に世話が焼けるシスターちゃんですねー」
小萌はビールを傾けながら呟いた。
「ふ〜、ここまで来れば大丈夫か」
上条は神裂の手を引きながらおよそ1km程、街の中をジグザグに走ってきた。汗が噴き出し、体は悲鳴をあげている。
「どうして逃げるのですか?」
上条とは反対に、汗一つかかず涼しい顔をして神裂が尋ねた。
「あんなもの全部弁償したら、上条さんは借金で首が回らなくなるのです!もうささやかな学生生活は送れなくなるのです!」
「そんなに高価な物でしたか…イギリスに戻ったら謝罪と弁償をしなくてはなりませんね」
上条には神裂の懐事情は分からないが、少なくとも自分よりはお金を持っている気はした。まぁ神裂が払わなくても教会が学園都市に弁償を申し出るだろう。
「ちょっと休憩しよう。俺もう限界。」
そう言って上条はさっさと目の前の喫茶店に入っていった。神裂もあとに続く。
「あの…ご迷惑おかけしました。私何も考えず…」
神裂は席に着くなり恭しく頭を下げた。
「あー、いいって。上条さんはあんな事慣れっこなのです。」
水を飲みながら上条はとあるビリビリ中学生を思い浮かべた。
「そんな事よりこれからどーする?なんか行きたいとことかしたい事とかあるのか?」
上条はアイスコーヒーとサンドイッチ、神裂は緑茶とお団子を頼み、待つ間に次の予定を考える。
「い、いえ…こういった事はあまり詳しくありませんので…お任せします」
神裂は向かい合って座るこの状況に緊張してしまい、真っ赤になってうつむいてしまった。
「ん?疲れたのか?」
「い…いえあの…お話の続きをどうぞ…お構いなく」
土御門曰わく、フラグを立てるだけ立てて回収しない上条は神裂の心境など気付かない。
「まぁ夜までまだあるし、のんびり考えますかねー」
上条は忍び寄る影にも気付かず、大きく伸びをした。
C
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 12:22:01.35 ID:su0cur0kO
しえん
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 12:38:10.24 ID:JdRLg/+/O
支援
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 12:51:38.52 ID:03svper0O
支援
支援ありがとう、遅くてすいません
「むぅ〜、なんかすっごく楽しそうなんだよ」
「ほんと。周りから見れば。まるで恋人同士」
インデックスと姫神は、喫茶店の向かいのコンビニの中から二人を監視していた。ガラスに張り付いて外を見ているシスターと学生の奇妙な二人組に、店員は関わらない事を決めた。
「あっ!トーマがサンドイッチ食べてる!ズルいんだよ!」
「怒るとこ違う」
銀髪シスターは、上条がサンドイッチを口に運ぶたびに「あー」とか「うー」とか怒っている。
姫神は視線は喫茶店から離さずインデックスに話しかける。
「でもすぐに見つけられて良かった。」
「当たり前なんだよ。あんな長い刀持ってウロウロしてるの、あの女の人くらいなんだよ。」
二人は小萌の家を出てから、道行く人に片っ端から声をかけたのだ。「長い刀を腰に下げた女の人知りませんか」と。
「でもこれからどうするの秋沙?このまま見ててもつまんないんだよ」
「まだダメ。もう少し様子を見る。いい所で声をかけるの。」
インデックスは膨れっ面をして抵抗したが、秋沙がパンを買い与えるとそれ以上抵抗しなかった。
「残りは120円。でも。なんか楽しい」
支援
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 13:20:59.71 ID:kWAebFR2O
支援とかにいちいち答えんなよ
淡々と書いてけks
支援だ
「さて、行きますか」
休憩を終えて喫茶店を出た二人は歩き出す。結局神裂は終始俯いたまま、話し合いは進まず街をぶらぶら散歩する事になったのだ。上条の独断で。
「んであの建物がジャッジメントの詰め所な。ジャッジメントっていうのはまぁ街の風紀委員みたいなもん」
「そうですか」
上条は街の様々なものを説明しながら歩く。神裂は緊張であまり耳に入っていなかった。
「ん?あんまり興味ねぇか?」
「え?そ、そんな事はありません!」
「ならいいけど」
神裂は改めて周りを見渡してみる。街にはカップルが溢れ、皆仲良く手を繋いで歩いている。私も手を繋いでみたい。普通の女の子の様に。
「…………手…」
「ん?」
「……手を……つ、つ…」
「どうした?」
「あの!ててて手を!…手を繋いで…手を繋ぐという事には実は魔術的な意味もあってその手から手へ魔力のパスを通し……あの…何でもありません」
上条の頭の上に大量のクエスチョンマークが見える様だった。
「私の…バカ」
「ん?なんか言ったか?」
「何でもありませんっっ!!!!」
そう言って神裂は上条を置いてスタスタと歩いて行ってしまった。
「なんなんだ一体?上条さんはまた知らぬ間に嫌われるような事を?不幸だ」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 13:24:51.99 ID:XkTpE6Gi0
かわいいな
ああかわいいな
かわいいな
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 14:08:05.29 ID:208jIWtM0
しえん
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 14:08:24.82 ID:t75YRto7O
おいまだか
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 14:26:00.95 ID:NoD62cTZ0
おいまだか
「追跡は順調。目的地は不明だけど」
インデックスと姫神は、喫茶店を出た二人をつけていた。インデックスは途中で見つけた何かの葉っぱでクルクルと遊んでいる。尾行にあまり興味がなくなったようだ。姫神はインデックスの修道服を引っ張りながら追跡していた。
「ねぇねぇ秋沙!あれなぁに?」
「秋沙!あの人は何してるの?」
インデックスは終始この調子だ。だが姫神は適当に答えながらも二人から目を離さなかった。なぜこんなに必死なのだろう。姫神は自分でも分からなかった。邪魔をしてやろうという気はない。だけどほっとくのも嫌なのだ。
姫神は三沢塾の事件で上条に助けられて以来、インデックスや小萌達に混じって普通に生活している。
上条も友達くらいには思ってくれていると思う。姫神は容姿も悪くなければ「巫女」というキャラも持っている。普通なら目立つ方なのだ。普通なら。しかし姫神の周りには普通じゃない、個性が強すぎる人物で溢れている。ゆえに姫神は目立たないのだ。
上条は私が割って入っても笑顔で迎えてくれるだろうか?
それを確かめたいだけなのかもしれない。姫神はそう思った。
「距離が開いた。早く行きましょう」
何かの虫を枝で突っついているインデックスを引っ張りながら、姫神は足を早めた。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 14:57:02.05 ID:qq2mDiJGO
私怨
46 :
はま〜ん ◆ZGUNDAM.12 :2009/12/21(月) 15:02:17.14 ID:Hj4vuEx5O
うひょひょ
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 15:19:37.50 ID:UEzh44RTO
支援
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 15:29:32.71 ID:ngwdJdG60
原作読んだことないんだけど、神裂が機械苦手だったり世間体に疎いのは原作にあることなの?
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 15:48:35.41 ID:B+bOnoFy0
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 16:01:32.44 ID:ngwdJdG60
thanx
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 16:15:11.92 ID:kWAebFR2O
支援
「あのー、神裂さん。何かワタクシに不手際がありましたでしょうか?」
さっさと近くにあった公園に入り、真っ赤な顔でベンチに座って俯いている神裂に恐る恐る声をかける。鈍感な上条は真っ赤な顔を見て、神裂が怒り心頭だと思っているのだ。
「なんか分かんないけど!すいませんでしたぁぁ!!!」
地面に額を擦り付けんばかりに、上条の必殺技「土下座」が炸裂した。それはもう美しい土下座である。
「ちちち違います!怒ってませんから!顔を上げて下さい上条当麻!」
神裂は慌てて否定するが、土下座モードの上条の耳には届いていなかった。
「とっ、とりあえず何か飲み物買って参りますっ!!」
上条はそう言うと自動販売機を探しに公園から出て行ってしまった。
「はぁぁぁぁ〜」
神裂は今日一番の深い溜め息をついた。
「…最低ですね。私は…天草の皆が見れば笑われてしまいますね…」
どうしてだろう。上条当麻といるとどうしても空回りしてしまう。こういう時、インデックスの無邪気さや素直さが羨ましい。
「でも…私は上条当麻の何に惹かれるのでしょうか」
改めて考えると自分でもよく分からなかった。確かに恩も借りもある。でもそれだけでこんなに気になるのだろうか。そんな思考のスパイラルに陥った時、上条当麻が帰ってきた。小さな男の子を連れて。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 16:57:23.99 ID:O4cTIEP3O
支援
「なぜ土下座。」
姫神は少し離れた場所から公園を覗いていた。何か話した後、上条は急に土下座をしたのだ。それも全力で。
「あー、トーマのよくやるやつだ。秋沙知ってる?あれトーマのヨワタリジュツって言うんだって。小萌が言ってた」
インデックスはそれだけ言うと枝にくっついた虫を突っついたり振り回したりしている。さっきの場所から連れて来たのだろう。上条はというと、土下座した後何か話して公園から出て行こうとしている。
「あなたはあの人を見張っていて」
それだけ言うと姫神は上条の後を追う。
「あーい」
インデックスは虫に夢中で、気のない返事を背中越しに返しただけだった。
上条はどうやら自動販売機を探している様だった。財布を片手に自動販売機に駆け寄っては肩を落とす。どうやらタバコの自動販売機ばかり見つけてしまう様だった。
しばらくウロウロしていると上条は地図を持って泣いている男の子を見つけた。そして何か一言二言交わすと、元いた公園に戻って行く。姫神にも分かった。あれは多分道に迷っていたのだ。
「人助け。これも彼の得意技」
姫神は呟きながら彼の後を追って戻った。
神裂は初め訳が分からなかった。なぜジュースを買いに行って子供を連れて戻るのか。
「一体どうしたのです?
「いや、オツカイの途中で道に迷ったらしくてさ。そろそろ日も暮れるし…その…悪い神裂!この子送ってくるからちょっと待っててくれ!」
「相変わらずですね…待っていますので行って下さい」
「サンキュー神裂!そんなに遠くないしすぐ戻る!」
上条はそう言うとせわしなくまた公園から出て行ってしまった。
姫神はそのやり取りをさっきより近い位置で見ていた。今は会話も聞こえる。どうやら予想通り人助けらしい。インデックスは疲れたのか横で静かに寝息を立てていた。
「こんな固い地面で。よく寝れる」
上条が戻って来るのにたいした時間はかからなかった。ほんの20分程だ。
「悪い神裂!!!!なんか待たせたり怒らせたり!!上条さんのデートスキルはレベル0なのです!」
必死に謝る上条に神裂は気になることを一つ聞いてみる事にした。
56 :
はま〜ん ◆ZGUNDAM.12 :2009/12/21(月) 17:32:32.07 ID:Hj4vuEx5O
うひひ
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 18:01:27.05 ID:QbTJljlf0
支援するぜよ
59 :
はま〜ん ◆ZGUNDAM.12 :2009/12/21(月) 18:33:34.58 ID:Hj4vuEx5O
まーだー?
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 19:16:41.05 ID:kWAebFR2O
しえしえ
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 19:30:01.81 ID:3WCSawRjP
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 19:59:39.91 ID:Gb/JqEqLO
支援
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 20:21:22.40 ID:z5evCYUx0
ほ
ゆかちぃかわゆい
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 20:46:38.73 ID:qq2mDiJGO
ほしゅ!
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 20:46:47.05 ID:z5evCYUx0
ほ
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 20:58:50.85 ID:UEzh44RTO
ほ
期待支援保守
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 21:20:43.17 ID:dqYErcHr0
hohohoohhoh
火織ちゃんかわいい
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 22:03:31.28 ID:C3YKvRrI0
おっとっと
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 22:29:12.05 ID:6UZJmMteO
ほ
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 22:47:05.75 ID:UEzh44RTO
し
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 23:08:01.96 ID:Xl0WJl90O
火織ちゃんかわいい
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 23:22:15.39 ID:2XNoep89O
ほ
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/21(月) 23:45:33.92 ID:kRd952RDO
ほ
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 00:16:13.60 ID:nqvmlmy5O
保守
遅くなりました
「上条当麻、あなたは誰かを助ける事に躊躇はないのですか?」
神裂は別に誰かを助けないわけではない。困っている人がいれば手を差し伸べたいと思うし、助けられるなら助けたい。しかし神裂はすぐには動けない事もある。自分が聖人であり、天草式の女教皇である事。魔術界のバランス。様々なフィルターを通すと、躊躇する事もある。
「躊躇なんかしない。する必要あんのか?神裂」
単純明快。自分とは正反対だ。しかしそれ故に神裂の言葉は強さを増す。
「どうしてですか?あの子の為に私やステイルの前に立ちふさがった時も、エンゼルフォールの時も、アックアと戦った時も。」
ステイルに聞きました。三沢塾の時は腕を切り落とされたのでしょう?自分が傷付く事、死ぬかもしれない事。あなただって分かっているのでしょう!!どうして躊躇しないのですか!?」
「助けたいからだ」
神裂とは違い低く力強い声で上条は言い切った。
「助けを求めてる人を見殺しにするなら…死んだ方がマシだ。それに俺は死なない。何があっても。誰にも背負わせたくねーからな」
「あなたは…贅沢です。死なない、死なせない…そんな都合よくなんか…」
「そーかもな。でも俺はこの考えだけは曲げるつもりはねーよ。だからもしお前がピンチになって、そんでもしお前が来るなと言っても俺は行くよ。絶対に。」
力強く、けれど優しいその言葉に、神裂の心が激しく揺さぶられた。そうか、彼に惹かれる理由はこれだったんだ。彼は全て自分の"目"で見ている。フィルターなどない。魔術も科学も立場も実力も関係ない。ただ自分の信じる道を歩いている。
そんな人間しか持ち得ない圧倒的な説得力。彼なら何とかしてくれるかもしれない。それが神裂の心を惹き付けていたのだ。
81 :
はま〜ん ◆ZGUNDAM.12 :2009/12/22(火) 00:43:40.49 ID:8tJj7yTtO
きたか
「やっぱりあなたは変わっています」
先程の壊れそうな表情の神裂はそこにはいなかった。神裂はとても優しい、穏やかな表情で上条を見つめていた。
「そうなのか?上条さんは至ってノーマル健全な男子高校生だと自負してるぞ」
あんなに力強く優しい言葉をくれたのに、そんな事はなかったかの様に振る舞う上条。そんな彼を、今の神裂は素直に愛しく思えた。
「私はそろそろイギリスに戻ります」
気付けば公園も街も灯りがともっている。
「なんていうか、悪かったな神裂。お前とのデートが中途半端になっちまって。せめて何かプレゼントでもしてやれば良かったなー」
頭を掻きながら申し訳なさそうに上条は笑った。
「いいえ。もういただきましたから」
「へ?」
鈍感な上条の疑問には答える事なく、神裂は公園の出口へ向かう。
「最後に一つだけ」
足を止め振り返った神裂は、上条を真っ直ぐ見つめている。
「私は…もっと、もっと強くなってみせます」
彼を傷付ける全てのものから彼を守れるように。彼が傷付きそうな時、誰よりも早く駆けつけられるように。彼が誰かを守るなら、その彼を自分が守れるように。彼が傷付く暇もないほど圧倒的に強く…
これが今の神裂火織に出来る精一杯の"告白"だった。
「では」
そう言って神裂は夜の公園を後にした。
ほしみっつ
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 01:07:24.29 ID:/azolKcRO
明日までのこれっ☆
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 01:09:23.83 ID:m0mpAhxD0
堕天使エロメイド保守
支援
「さて、と。俺も帰るか。ちょっと遅くなったなー。インデックス怒ってないといいけど…いや…怒ってるよな。…不幸だ」
いつもの様に不幸な顔をして上条は公園を後にする。その後ろ姿を見つめながら、姫神は呟く。
「三沢塾の時みたいに。私がもし助けに来るなと言っても。あなたはまた助けに来る?」
「当たり前なんだよ!」
いつの間に起きたのだろう、姫神のすぐ横に銀髪のシスターが立っていた。
「だってトーマだもん!」
姫神は上条と神裂の会話を聞いて初めて上条の持つ不思議な魅力の理由が分かった。だがこのシスターは頭ではなく心が理解しているのだ。
「トーマはきっと来るよ!トーマは秋沙の事も大事に思ってるもん。」
自分で言ってヤキモチをやいたのだろうか、インデックスは付け加えた。
「もちろん私の事も大事なんだよ!秋沙だけじゃないんだからね!忘れちゃダメなんだよ!」
「私を。大事に…?フフ」
姫神は普通の人が見ても分からないような笑顔を浮かべる。
上条当麻ならその些細な表情の変化にも気付くのだろう。そんな事を思いながら姫神はインデックスと公園をあとにした。
神裂編一応「完」
乙かれーるがん
たまにはねーちんもいいね
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 01:27:23.01 ID:RCu+Wq4o0
乙
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 01:27:23.30 ID:+smtcQxPO
乙
乙
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 01:32:13.52 ID:hrEcZtkQ0
綺麗にまとまったな
もっとイチャコラさせてもいいんだぜ!
いいね
みなさんありがとう!おまけです!神裂編「おまけ」
上条と別れた後、神裂は学園都市の空港に来ていた。イギリスへの航空券も手配し、待合室で時間を潰していた。時刻は午後9時だが、学生の街なので人はまばらだ。
「ふぅ〜」
いつもの溜め息ではなく、充実した疲労から来る溜め息だ。(…来て良かった…また明日からお仕事頑張れそうです)神裂は今日一日の事を思い出していた。他人からすればデートとは程遠いものかもしれない、けれど神裂にとってはとても楽しいデートだった。
(…いけません…思い出すと顔が緩みます…しっかりしないと)
「でもでもぉやっぱり上条当麻は素敵〜ん。離れ離れになるなんて火織さびしぃ〜ん。当麻さまぁぁ〜ん」
「何勝手に声を当てているのです、土御門元春」
気持ち悪い猫なで声の主は、音もなく後ろに立っていた。
「いや〜、今のねーちんの気持ちを代弁しただけだにゃー。あながち間違いじゃないにゃー??」
「切り捨てますよ、土御門」
「いやいや、それは勘弁にゃー。」
神裂は無視しようと決めてふと気がついた。
「上条当麻…離れ離れ……土御門、どういう事ですか?」
「ん?だってねーちんさっきまでかみやんとデートしてたにゃー」
「………………………」
「忘れたのかにゃー?俺はスパイだぜぃ?」
「………………………」
神裂の右手が小刻みに震えている。しかし土御門は気付かずに続ける。
「いやー、それでねーちんがイギリスに戻るっていうから、餞別を持ってきたにゃー」
そう言って土御門は紙袋から何かを取り出した。
「じゃーん!!かみやんも大好き!!堕天使エロメイド(土御門SP)バージョンだにゃー!!!!」
出てきたのは、以前神裂が上条へのお礼にと着たメイド服…からさらに布を20パーセントはカットしたメイド服だった。
「……………………」
「さぁねーちん!次にかみやんに会う時は是非これを……ってねーちん?どうして刀に手をかけてるのかにゃー…」
「………ね」
「へ?なっ、何ですかにゃー?」
「死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
「ぎぃやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
おまけ完
96 :
はま〜ん ◆ZGUNDAM.12 :2009/12/22(火) 01:56:33.92 ID:8tJj7yTtO
乙
神裂編完て事は次期待
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 02:02:01.89 ID:ndklUblZO
小萌てんてーの次に可愛いねーちん
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 02:24:27.44 ID:TdXvFksl0
ほっしゅ
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 03:40:18.47 ID:TZGRuGnKO
ほし
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 05:48:07.81 ID:xmRT6hCW0
ほ
ほ
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 07:20:51.72 ID:G+L/HZvdO
次も期待してる
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 08:26:37.77 ID:K5O3AS6nO
一応イ呆
すごく読み込んでるなーと思った
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 08:42:38.71 ID:GVX0fGg8O
凄いおもしろかったです。
次に期待
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 08:46:36.99 ID:mUByIK4mO
期待保守
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 09:37:18.08 ID:yti9qcFPO
ほ
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 09:47:49.41 ID:2s3p65CiO
台詞の最後の」前は読点を入れない
クエスチョンマークとエクスフラメーションマークは全角で後ろに空白を入れる
段落と改行がない
等々改善点が多々
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 10:04:00.89 ID:hrEcZtkQ0
>>108 別に書き方なんて人それぞれじゃ?
まぁ、統一されてると読みやすいのは確かだけど…
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 10:30:00.34 ID:2s3p65CiO
書き方は人それぞれだけど文章の基本だしな俺が言ったの
国語のレベルだと思うんだけど……
あぁあと三点リーダは偶数で使うのも
>>108 ごめんなさい
携帯のメールで文章創ってるので改行とか読みづらいのは見逃して頂ければ助かります!!
ですが指摘はきちんと受け取りました
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 10:58:14.38 ID:mUByIK4mO
ほしゅ!
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 11:02:19.61 ID:IxWJ4lH4O
乙
火織の魔法名の意味も忘れないでください><
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 11:05:35.33 ID:2s3p65CiO
>>112 俺も携帯で書いてるから
その辺は意識とか慣れだよね
内容的には良いのでガンバってくだしあ
上から目線で不快になってたらスマン
なかなか勤勉な作者じゃないか。
乙!次回作も期待してます
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 12:09:54.82 ID:tvYn0FNYO
乙
>>115 全然不快じゃないですよ!為になります!上条の方の完結編も投下しときます これも改行とかは以前と同じです すいません
119 :
はま〜ん ◆ZGUNDAM.12 :2009/12/22(火) 12:53:59.06 ID:8tJj7yTtO
早く投下する作業に移るんだ
上条焼き肉編
ピンポーン
築数十年は経つボロアパートのチャイムが鳴った。
「はいはーい、勧誘ならお断りなのですよー」
月詠小萌はビールを片手に焼き肉の準備をしている。見た目こそ幼稚園児のようだが、これでもビールを飲める歳はとうに過ぎているのだ。
「あー、俺です。上条です」
「上条ちゃんでしたか。開いてるのでどうぞなのです。」
部屋に入ってきた上条は少し驚いた顔をしている。原因は分かっている。いるはずのインデックスがいないのだ。
「あのー先生。うちの食い意地シスターさんが見当たりません。」
「ウフフ、さぁー先生は知りませんよー」
小萌は意地悪く笑うとホットプレートのセッティングを始めた。
「ときに上条ちゃん。その手にぶら下げているビニール袋は何ですか?」
「あー、これは肉とか野菜とか。焼き肉するなら姫神も誘ってやろうと思って。肉足りないと困るでしょ?」
「ウフフ、そーですね」
今度は優しい生徒を見守るような笑顔で小萌は笑う。
「シスターちゃんも姫神ちゃんももうすぐ帰ってくると思うのですよー」
「姫神ももう呼んであるんですか?」
噂をすれば何とやら。二人が部屋に戻って来た。
「小萌ただいまー」
「ただいま」
インデックスは修道服に何故か葉っぱがいっぱいついている。
「おいインデックス。ちゃんと待ってろって言っただろ?どこ行ってたんだ?」
「私は秋沙と一緒にトーマをおぐむむむむ」
姫神がインデックスの口を後ろから塞ぐ。手足をバタバタさせるインデックスに姫神は何かを耳打ちした。
「ちょっと散歩に。何でもない」
大人しくなったインデックスを離し、姫神はそう説明した。
「さぁさぁ三人共、焼き肉の準備が出来たのですよ」
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 13:28:06.23 ID:ndklUblZO
いいね いいね
小さなちゃぶ台を四人で囲む。ホットプレートを置くと、もうあまりスペースは残っていない。待ちきれないインデックスはお箸を握り締め、ホットプレートだけを見つめている。食べ物があれば大人しくなるのだ。
「姫神ちゃん、これは上条ちゃんからあなたにですよー」
小萌は上条が買って来た肉や野菜を姫神に渡す。
「???」
「いやー、姫神が来てるの知らなくてさ。お前も焼き肉に呼ぼうと思ったんだよ。ちょっと買い過ぎちまった」
姫神は恥ずかしさと嬉しさで俯いてしまう。上条当麻は私を気にかけてくれていたのだ。しかし鈍感な上条当麻は当たり前の事だと言わんばかりに、すでにインデックスと戦っていた。
「おいインデックス!それはまだ焼けてねーんだよ!」
「なんでなんで!?お肉はレアが一番って聞くもん!」
「俺はしっかり焼きたい派なの!」
「じゃあトーマはずっと焼けるの待ってればいいんだよ!」
「だから焼ける前からお前が全部持ってくんだろーが!シスターのくせに優しさはねーのか!」
「むきぃぃぃ!!!!」
二人のやり取りを見て小萌はとても楽しそうだった。
「ん?」
ふいに上条は袖を引っ張られる感覚に気付く。
「どうした姫神?」
姫神は良く焼けた肉を上条の口元まで持って来ていた。
「へ?な、なんですか姫神さん?か、上条さんにあーんをしろと?」
姫神は小さく頷く。
「あ、あの上条さんは恥ずかしいというか心の準備というか」
「上条ちゃん。据え膳食わぬはなんとやらですよー」
小萌に促されて上条は口を開ける。姫神は満足そうに上条の口に肉を放り込んだ。
「さ…さんきゅー姫神」
姫神の顔の筋肉が少し動く。上条にはそれがとても嬉しそうに笑っているのだと分かった。
「秋沙!!!!ずるいずるい!私もトーマにあーんする!!」
訳の分からない対抗意識を燃やしたシスターさんは、自分の確保した肉から一番"小さい"のを選び出す。
「トーマ!はいっ!」
上条は嫌な予感がしていた。お箸を上手く使えないインデックスの手は余計な力でプルプル震えていた。お箸もあらぬ方向を向いている。
「いっ、いえ。上条さんはお腹いっぱいというか…」
「トーマ、あーん」
ベチャッ
「あっっちぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!」
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 13:56:48.26 ID:mUByIK4mO
期待支援
「はぁ〜………疲れた」
結局ギャーギャー言いながら焼き肉は終了した。それでもとても楽しかったと上条は思う。
「そんでこれだもんなー」
上条は背中でスースーと寝息を立てるインデックスに目をやる。散々騒いだインデックスは、小萌の部屋で疲れて寝てしまったのだ。上条は自分のマンションまでインデックスをおぶって帰っているのだ。
背中に感じる柔らかい感触。耳にかかる寝息。
「フッ。学園都市一ジェントルな上条さんは、これくらい何でもないんですよ」
本当は少しドキドキするが、上条当麻は基本的にジェントルマンなのだ。インデックスにベッドを占領されてからは風呂場に鍵をかけて寝袋で寝ている。
「…トーマ…」
寝ているはずのインデックスに呼ばれた上条は思わず立ち止まった。スースー…まだ寝息が耳にかかる。どうやら寝言のようだ。
「…トーマ……ごめんなさい…」
インデックスは上条にあまり謝らない。いつも上条が折れる事が多いのだ。上条はそれを嫌だと思った事はない。だがインデックスは心のどこかで気にしていたのだ。上条にワガママを言う事。余計なことをしてしまう事。本当は困らせたくないのに困らせてしまう。
「ハハ、どーせ謝るなら起きてる時にしろよな。まぁ上条さんの心は海より広いのです。寝言で全部水に流します」
上条は背中のシスターに優しく微笑んだ。
「さぁ着いたぞ。俺たちの家に」
焼き肉編完
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 14:27:09.13 ID:/urmY5kl0
ああ・・・次は一方通行だ・・・
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 14:32:28.03 ID:0JOZA77gO
fire work……
ええのう
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 15:04:58.25 ID:mUByIK4mO
おつかれ
保守
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 15:10:26.44 ID:/urmY5kl0
一方通行ちゃん可愛いよちゅっちゅ
ああたまんないよ一方通行ちゃんちゅちゅちゅ
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 15:11:58.61 ID:/urmY5kl0
あー誤爆。忘れて
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 15:49:56.94 ID:mUByIK4mO
念のため保守
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 16:31:35.07 ID:TdXvFksl0
ほっしゅ
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 17:35:16.64 ID:G+L/HZvdO
ほ
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 18:10:03.51 ID:TdXvFksl0
補習
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 18:44:14.02 ID:2Dju/JxNO
ほし
☆
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 19:50:24.17 ID:jxRN/IX30
あ
12月25日。今日はクリスマスだ。街はカップルが溢れ、イルミネーションで飾られたお店からは陽気なクリスマスソングが流れている。科学の粋を集めた学園都市でも、こういった昔からのイベントは盛り上がるのだ。
「何なんですかこの雰囲気は?独り者は家から出るなって事ですか?はぁ〜」
深い溜め息をつき、上条当麻はカップルを避けながら街を歩いていた。本来なら学生は冬休みなのだが、彼は朝から月詠小萌の補習を受けていた。
「クリスマスが半日潰れちまった。まぁ上条さんにはクリスマスなんて関係ありませんけどね」
強がりを言いながら上条は家路を急いだ。
「あのー、お姉さま?今日が何の日かお分かりですの?」
白井黒子はパソコンをカタカタといじりながら問い掛けた。ジャッジメントの残務処理をしているのである。白井黒子は学生のみで構成される街の風紀委員【ジャッジメント】のメンバーだ。ちなみに教師を中心に構成される治安部隊は【アンチスキル】だ。
「クリスマスでしょ。てか黒子、その質問今日7度目よ」
お姉さまと呼ばれた御坂美琴はうんざりした顔で答える。
「そう!クリスマス!クリスマスといえば愛を誓い合った者同士が聖なる夜を一緒に過ごす日ですの」
「そんなもんどっかのバカが消費を促す為に作ったただの悪しき習慣よ」
美琴は髪に櫛を通しながら鏡越しに答えた。
「まぁ!まぁまぁまぁ!そんな事だからお姉さまはいつまでたっても子供っぽいのですわ!」
黒子は美琴の背後に立つと、わざとらしく呆れてみせる。
「ですから…今日はわたくしがお姉さまを大人の女性にして差し上げますわ…愛する者同士、仲良く過ごそうじゃありませんの。グフフ」
嫌な笑みを浮かべて黒子は両手を大きく広げた。
「ではっっっ!!!」
黒子は美琴をガバッと後ろから抱き締めた。
「ちょっ!黒子!!!やめなさい!」
「まぁまぁいいじゃありませんのお姉さま!さぁ黒子の愛を感じて下さいませ!!」
「やめろって言ってんでしょーがっ!!!」
バチバチっと鋭い音を立てて電撃が黒子に襲いかかる。
「ぎゃぁぁぁ!!」
黒子は体から煙をあげて倒れ込む。御坂美琴の能力は電撃。学園都市でも最強クラスのレベル5だ。
「あー、また髪がはねちゃったじゃない」
美琴は溜め息をつきながらまた櫛で髪を溶かし始めた。
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 20:07:06.20 ID:xMqh4pipO
ヒョオオ
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 20:43:35.31 ID:mUByIK4mO
支援
「ぐ……さすがはお姉さま。やりますわね。…ときにお姉さま?今日は鏡に向かう時間が長くありませんの?」
カエルの様に床に這いつくばっている黒子は気になっていた事を聞いてみた。
美琴は普段からあまりオシャレに気を配らない。コンビニで立ち読みするのはファッション誌ではなく漫画だし、下着もパジャマも黒子からすれば小学生の趣味だ。普段は化粧もしていない。「べっ、別にいいでしょ。ちょっと髪型が気に入らないだけよ」
「へー………………そうですの」
「なっ、何よその嫌な笑顔は」
「いえいえ…黒子はてっきりあの殿方とお過ごしになるのかと」
「ちっ違うわよ。じゃあ私もう出かけるからっ!」
美琴はそそくさと髪をまとめると、床でヘラヘラしている黒子をまたいで部屋を出て行ってしまった。
「……思いっきり怪しいですの。ですが安心してくださいませ。お姉さまの貞操は黒子が守って見せますわ。フフ」
美琴を追いかけようとした黒子の携帯が突然鳴った。
「はい………えぇ………分かりましたの」
携帯を切った黒子の顔に、氷のような笑顔が張り付いた。
「こんな素敵な日に事件を起こすなんて…覚悟して下さいな、今の黒子はとっても機嫌が悪いんですの」
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 21:03:08.09 ID:+smtcQxPO
支援
支援
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 21:39:44.29 ID:xMqh4pipO
ひゃあ
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 21:58:18.11 ID:mUByIK4mO
くれつけん
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 22:04:59.89 ID:rSBoCcR80
見辛いな
いくらもしもしでももうちょい改行に気を使えよ・・・
>>149すいません、やってみます
「黒子のやつ、変な所はするどいわね」
実は黒子の言った事は半分当たっていた。美琴は今日上条当麻に会うつもりにしていたのだ。
美琴は今【ゲコ太】というキャラクターにはまっている。ある雑貨屋で、そのゲコ太のクリスマス限定バージョン(サンタ&トナカイ)が発売されるのだ。
ただし購入出来るのはカップルのみ。美琴は見事に"どっかのバカの作った消費を促す悪しき習慣"に乗っかろうとしていた。
「ま、まぁゲコ太の為だし。仕方ないわよね」
美琴は自分に言い聞かせながら、携帯から上条当麻の番号を探す。
この上条当麻の電話番号を手に入れる為、美琴は以前にも同じ様な方法を使っている。
「よ、よし」
電話をかける事を少し躊躇したものの、美琴は神裂より思い切りはいいのである。
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 22:34:47.07 ID:xMqh4pipO
よきかな
152 :
はま〜ん ◆ZGUNDAM.12 :2009/12/22(火) 22:36:28.64 ID:8tJj7yTtO
いいよいいよー
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 22:47:27.46 ID:mUByIK4mO
期待待ち
上条当麻は喫茶店で一人コーヒーを飲んでいた。
実は昨日からインデックスは上条当麻の両親に連れられて温泉に行っている。
もちろんスフィンクスも一緒に。帰りは明日の予定だ。
当初は上条もついて行くはずだったが、補習が入ったせいで一人取り残されたのだ。
「くそー、何が何でもついて行けば良かった」
誰もいない部屋で一人過ごすのも何となく嫌だったので、
こうして喫茶店で時間を潰しているのだ。
しかしそれが間違いだった事に上条は気付いた。
「ぐ……カップルばっかりじゃねーか」
見渡す限り店内はカップルで溢れていたのだ。
喫茶店に入る時にはカップルはまばらだったはずなのに、
今や店内は色で例えるならピンクだった。
「なんですかこれは。カップルに囲まれて一人で過ごす上条さん。一体どんなマゾプレイですかこれは。くそ、不幸だ」
こうなりゃヤケだと、上条が無料のコーヒーをお代わりしようとした時、
テーブルの上の携帯が震えた。
「ん?御坂?」
上条は珍しい人物からの電話に、何か自分は悪い事でもしたのかと動揺した。
こんな時の上条は、根っからのネガティブ思考なのである。
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 22:57:56.00 ID:nqzeqC76O
支援ですの
「ビリビリ、何か気に障ったなら謝る」
上条は電話にでるなりそう言った。
「ビリビリ言うな。てかあんたは何か私の気に障るような事したわけ?」
「いえ…記憶にございません」
「だったらいちいちヘコヘコしない!!」
いけない、こんな無意味な言い合いする為にわざわざ電話したのではない。
上条は何かブツブツ言っていたが、美琴は手短に用件を伝えた。
「で、あんた今どこにいるわけ?」
「いや、上条さんはとても忙しい身でして。まだ付き合うとは言ってないのです」
ムカッ!!美琴が文句を言ってやろうと思った時、電話越しに聞こえた言葉を美琴は見逃さなかった。
「お客様、コーヒーのお代わりはいかがですか?無料ですよ」
「あんた、コーヒーのお代わりを勧められる程暇してるわけ?」
そう言いながら美琴の頭は高速で回っていた。
今の時間に学園都市でコーヒーのお代わりが無料、さらに上条当麻をよく見かけるエリアにある喫茶店。
「あんた、喫茶そよ風にいるでしょ」
「なっ、なぜそれを!?」
上条がそう言ったあと、電話からはゴソゴソと音がしている。
「発信機なんか付いてないわよ」「ぐっ…」
「やっぱり発信機を探してたのね。あんた私を何だと思ってるわけ?」
黙り込む上条をよそに、美琴は続ける。
「いい!今から私が"わざわざ"迎えに行ってあげる!
なのにもし逃げたりしたらコロス!!」
上条の返事も聞かず美琴は一方的に電話を切った。
158 :
はま〜ん ◆ZGUNDAM.12 :2009/12/22(火) 23:12:54.25 ID:8tJj7yTtO
ビリビリは自然な感じが良いよね
他のアニメが狙いすぎてる感あるから尚更
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 23:26:55.44 ID:mUByIK4mO
うむ、すばらしい
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 23:34:50.74 ID:0VD+x7DnO
支援
ビリビリの魅力は上条ちゃんとの相乗効果が有るようにしか思えんな
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/22(火) 23:41:11.97 ID:IxWJ4lH4O
支援だ
インフィニティなんとかさんを自然に廃除する辺り才能を感じる
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 00:13:20.46 ID:+vU+iYkHO
神裂さんじゅうはっさい
20分程で美琴がやって来た。結局上条は逃げる事も出来ず、
3杯目のコーヒーに口を付けるところだった。
「さ、行くわよ」
美琴はさっさと会計を済ませ、上条を引っ張って店を後にした。
「んで、そのゲロゲロリンてのはどこに売ってんだ?」
「…ぶっ飛ばすわよあんた。ゲコ太よ!ゲ・コ・太!」
「わ、分かった分かった!んでどこに売ってんだ?」
「あそこよ」
そう言って美琴が指差したのは、可愛らしい外観の雑貨屋だった。
「んじゃさっさと買っちまおーぜ」
二人が店に入ると信じられない光景が広がっていた。
「なんなのよこれ…」
狭い店内にカップルがぎっしり詰まっていたのだ。
「いらっしゃいませ!限定ゲコ太をお買い求めのお客様は
こちらにお並びくださーい!」
外観と同じ様に可愛らしいエプロンを付けた店員が
二人を案内する。
「く…ゲコ太の本当の魅力も分かってないくせに、
カップル限定ってだけで群がるんじゃないわよ」
小さく悪態を吐いて美琴は仕方なく列の最後尾に並んだ。
美琴の横では、上条が店内に貼ってある限定ゲコ太のチラシを眺めている。
「んー、こんなもんの為に行列作るなんてみんな変わった趣味してんだなー」
「…あんた私にケンカ売ってんの?」
行列に並ばされてイライラしている美琴は
腕を組んで上条を睨み付けた。
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 00:37:40.11 ID:N8riS/cH0
ほす!!!
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 00:39:28.07 ID:goyYyMxLO
支援
どれくらい並んでいただろうか、カップルは一組、また一組とゲコ太を手に帰って行く。
そして美琴のイライラも一段階、また一段階と上がっていく。
「………………」
美琴はもう20分以上何も喋っていない。上条当麻とクリスマスに会える、
鏡の前で念入りに髪型を気にしていた時の気持ちなどすっかり忘れていた。
店員に文句の一つでも言ってやろうか、
そんな事を考えた時だった。
「申し訳ありませーん!
限定ゲコ太はあと5組で売り切れになりますー!」
美琴は指を差しながら
急いでカップルの数を数えていく。
「1…2…3…4…」
そして自分を指差し
「…7…ふ…ふざけんなー!!!!」
今日一番の大きな声だった。
しえ
「……はぁ〜…」
あれから店員と言い合い、一通り粘ってみたものの、
ゲコ太が美琴のもとへ来る事はなかった。
「ま、まぁ仕方ねぇって!買えなきゃ死ぬわけでもねーんだからさ!」
上条は励まし方の教科書に載っているような、なんのひねりもない言葉をかけてみる。
「………あんたには分かんないわよ」
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 01:17:21.12 ID:goyYyMxLO
ここから漢をみせるのが上条さん
いつも上条に食ってかかり、電撃をバチバチしている姿とは違い、
美琴は目に見えて落ち込んでいた。
「んー………」
「なっ、なんであんたまで落ち込んでんのよ。」
「んー………」
聞こえていないのだろうか、上条は頭を掻きながら生返事をした。
「…わ、分かったわよ!もう諦めるから!
あ、あんたも元気出しなさいよ!」
「ん?あぁ、そーだな」
また生返事。
「か、か、変わりに今から私に付き合いなさい!ゲコ太の恨み晴らさないと気がすまないのよ!」
そう言うと美琴は上条を引っ張って歩き出した。
ゲコ太亡き今、上条と無理やりにでもクリスマスデートしてやる。
美琴はそう思っていた。
それから美琴は上条を引っ張っり回して色々な店を見て回った。
美琴は自分が無理やり引っ張っり回しているのは分かっていたが、
ゲコ太を忘れるくらいには楽しかった。
ショーウインドウに映る自分と上条は
カップルみたいで少し恥ずかしかったが。
「あ〜すっきりした!」
ゲームセンターから出て来た美琴は大きく伸びをする。
「すっきりしたって御坂さん。パンチングマシーンをぶっ壊れるまで殴るなんて、上条さんは女の子の概念を覆されましたよ」
「ふん、あれくらいで壊れる方が悪いのよ」
「さ、ちょっと休憩しましょ」
美琴は道路脇にあるベンチに腰掛けた。
上条もそれに倣う。
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 01:41:04.69 ID:N8riS/cH0
支援!
「そうだ、あんたちょっとここで待ってなさい。勝手に帰ったらぶっ飛ばすからね!」
何かを思い出したのか、ベンチに座って5分もしないうちに
美琴は近くのデパートへ入っていってしまった。
美琴はデパートの紳士服売り場にいた。手袋のコーナーで真剣に悩んでいる。
「うーん……あっ、これ可愛い」
「いや、あっちの方が………」
「あっ、これ私が欲しい…」
ブツブツと呟きながら、次から次へと手袋を見ていく。
大人用とは思えないデザインの物ばかりを。
美琴の脳裏に黒子の言葉が蘇る。
(お姉さまの趣味……子供過ぎですわよ)
結局一時間以上迷って、自分では大人っぽいと思う手袋を選んだ。
綺麗にラッピングしてもらってデパートを後にする。
「まさかこんなに時間が掛かるとは……プレゼント選びって大変ね…」
美琴がベンチへ目をやると、上条の姿がない。
一時間以上待たせたので怒って帰ったのか。
「あのバカ!!」
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 02:03:58.95 ID:uJbeqWJb0
支援
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 02:28:39.32 ID:p/VCsDCMO
寝落ちは甘え
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 02:50:49.51 ID:p/VCsDCMO
保守
寝てないぜ!
「おービリビリ、用事は済んだのか?」
ふいに上条に声をかけられる。
「あんた、待っててって言ったでしょ!」
「いやー、悪ぃ悪ぃ」
美琴は文句を言いたい気持ちを抑えて
上条をベンチに座らせた。
冬の夜は早い。辺りは暗くなり、
イルミネーションが一層キラキラと輝いている。
時刻は午後8時を回ろうとしていた。
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 03:26:36.97 ID:uJbeqWJb0
よろしい、ならば支援だ
「もうこんな時間か……私は寮の門限があるからそろそろ帰る。
それから…あの…」
「ん?」
美琴が俯いている上、暗くて良く見えないが
なぜかモジモジしている。
「こ、これ!今日付き合ってくれたお礼!別に変な意味はなく、
あの、ただのお礼だから!!」
そう言って上条に買ってきた手袋を渡す。
上条は恐る恐る包みをほどいている。
「こっこれは手袋!俺にくれんのか!?
上条さんには御坂さんが天使に見えます!!!」
上条は手袋を頭上に掲げ、恭しく頭を下げた。
「あ、あんたはいちいち大袈裟なのよ!」
「いやいや、ほんとに嬉しいよ。ありがとな、御坂」
「あ、当たり前よ!私からのプレゼントなんて、
黒子が知ったらあんた殺されるわよ!」
美琴は自分の顔が熱で火照っているのを感じた。
このままでは緊張と恥ずかしさで死んでしまうのではないだろうか。
「じ、じゃあ私は帰るから。
あんたもさっさと帰りなさいよ」
そう言うと美琴はそそくさとこの場を離れようとした。
「あぁそうだ、ビリビリ。ほらっ」
上条の声に振り向くと同時に、何かが飛んで来た。
咄嗟にキャッチをした美琴が文句を言おうとしたが、
「帰ったら開けていいからなー」
それだけ言うと上条は手袋をした手をヒラヒラさせ、
背を向けて歩いて行ってしまった。
「な、なんなのよ…」
美琴は手のひらの小さな包みを見て呟いた。
「ただいま」
美琴が寮に戻ると、白井黒子はセクシーな(美琴からすれば悪趣味な)
ネグリジェでくつろいでいた。
「あら、おかえりなさいませお姉さま。
意中の殿方と素敵なクリスマスを過ごせましたの?」
いつもの美琴ならここでギャーギャーと黒子とやり合うのだが、
今はそれどころではなかった。
「ごめん黒子。あとにして」
そう言って美琴はトイレに逃げ込んだ。バスルームでは黒子がテレポートしてくる可能性が高い。
黒子はいくら変態でも、トイレにはテレポートはしないのだ。
上条からもらった包みを急いで開けてみる。
「………う…そ」
中から出て来たのは、サンタとトナカイの格好をしたゲコ太だった。
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 03:33:59.76 ID:uJbeqWJb0
支援
「なんで……これ…」
美琴には訳が分からなかった。
あの時確かに売り切れていたのだ。どれだけ粘っても買えなかった。
「どうして…」
美琴があまりの事態に放心していると、
トイレのドア越しに黒子が話し掛けて来た。
「そういえば聞いてくださいな。私今日はジャッジメントのお仕事で
あちこち駆け回っていましたの。」
美琴には黒子の声が届いていなかった。しかし
「お姉さまがいつもお話になっておられる殿方。
上条さんとおっしゃりますわよね?」
「え?」
「午後の7時過ぎですわ、お見かけしましたの。」
美琴がデパートで手袋を選んでいた時だ。
「カップルを見付けては、頭を下げて回っておられましたわ。
一体何を考えているのやら。お付き合いを考え直されてはいかがですの?
ってこれ以上はお邪魔ですわね、ではごゆっくり、お姉さま」
そう言ってドア越しの黒子の気配が消えた。
「…うっ…うぅ…」
美琴の目から涙が溢れる。全て、何もかも分かった。
美琴が落ち込んでいる時の気のない返事。あれは考えてくれていたのだ。何とかしようと。
カップルに頭を下げて回っていたのは、ゲコ太を譲ってくれないかと頼んで回っていたのだ。自分の為に。
「うぅ………ぐす…バカ…」
美琴はただただ嬉しかった。ゲコ太が手に入ったからじゃない。
上条の気持ちが何より嬉しかったのだ。
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 03:38:04.35 ID:uJbeqWJb0
支援
トイレから美琴のすすり泣く声が聞こえる。
「まったく。私もお人好しですの」
黒子は気付いていた。美琴が限定ゲコ太を欲しがっていた事も、それを上条当麻を連れて買いに行こうとしている事も。
いつも一番近くで美琴を見て来たのだ。美琴が口にしなくてもそれくらい分かる。
そして街で上条を見かけた時、上条が何のために頭を下げていたのか、
あとでカップルに聞いてみたのだ。そして全てを理解した。上条当麻は美琴の為にあんな事をしていたのだ。
そして彼はその事を美琴には言わないだろう。
黒子は最初、美琴には上条の事を言わないつもりだった。
わざわざ敵に塩を送る必要はないのだから。だが黒子は教えた。
さっきの美琴を見て、そうした方が美琴にとって良いと思ってしまったのだ。
「今回だけですの、上条当麻。あ
なたの為ではありませんわ。お姉さまの為ですの」
トイレからはまだすすり泣く声が聞こえている。
黒子はベッドに潜り込むと小さく呟いた。
「メリークリスマス、お姉さま」
以上です
疲れたー
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 03:40:02.90 ID:p/VCsDCMO
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 03:40:44.09 ID:uJbeqWJb0
>>188、
>>189 支援してくれる人がいるから
頑張って書けるのです!
こちらこそありがとう
またなんか思いついたら書く
今日のとこはおやすみみんな
乙
良かったんだけどそろそろ美琴食傷気味なんで他のキャラもお願いしますもしくはまたねーちんで
上条×黒子が見たい
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 04:33:43.34 ID:5n5OeYOKO
よかった!
乙
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 05:31:40.67 ID:GDYF47PUO
乙
197 :
はま〜ん ◆ZGUNDAM.12 :2009/12/23(水) 06:21:29.14 ID:2mqIx3irO
良い物見せてもらった
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 06:47:50.33 ID:n+gvDiTLO
乙
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 08:02:37.12 ID:qDyi5ywwO
乙。楽しませて貰ったぜ
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 08:49:47.31 ID:7YR96i9p0
ほああー
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 09:51:40.79 ID:bSUANUKAO
一応イ呆
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 09:52:34.29 ID:JvQW/V+7O
上条さんならガチでこのくらいやるな
乙、ニヤニヤしてしまった
学園都市は現在お正月である。午後1時、上条当麻は補習も全て消化し、
お正月は家でのんびりと過ごしていた。はずだった。
「なのに…ここはどこだぁぁぁ!!!」
時は遡る事3時間程前。
上条当麻はお正月を満喫していた。
コタツに入ってただひたすらにダラダラする。
「コタツを考え出した人、
上条さんはこの恩一生忘れません」
同じようにダラダラしている銀髪シスターは
コタツの中で足をパタパタさせている。
「ねぇトーマ、おなかへった。
何か作ってくれると嬉しいな」
「フ…上条さんは今コタツと心も体も一つ。」
「む〜、トーマのケチ」
お正月、コタツから出るのは至難の技なのだ。
さてもう一眠り、と上条がウトウトしかけた時だった。
ピンポーン
上条の部屋のチャイムが突然鳴らされた。
「め…めんどくさい。インデックス、見て来て」
ピンポーン
「いやだー。トーマのおうちなんだから
トーマが出るのが当たり前なんだよ」
ピンポンピンポーン
「ぐ……そういう時だけ家主扱いしやがって」
ピンポピンポピンポーン!!
「だぁぁぁぁうるせー!!!どちら様ですかっっっ!!!!」
上条が玄関のドアを開けると、意外な人物がいた。
「久しぶりよな、上条当麻」
黒々とした髪、首からは小さな扇風機をいくつもぶら下げ、
靴ひもは引きずる程長い。
「建…宮?は?なんでお前が?」
建宮斎字、天草式十字凄教の教皇代理だ。
「話は後だ。緊急事態が起きたのよな」
建宮の言う緊急事態は何なのか?
上条は何か大きな事件に発展するような気がした。そしてこの予想は間違っていなかったが、
今の上条は知る由もなかった。
「で、どこに向かってるんだ?」
学園都市の外で建宮が用意してくれた車に乗り込んだ上条は
運転手に聞いてみた。名前は確か…牛深だったか。
しかし返事はない。
もう1時間以上会話をしていない。
「はぁ〜、今日中に帰れるだろうか…無理なら…
インデックスに怒られちまうな」
インデックスは小萌に預けて来た。困った時の小萌頼み。
いつか恩は返そう。上条がそんな事を考えていた時だった。
体が前に引っ張られる。車が急に止まったのだ。
続けて
というのがここまでのだいたいの経緯である。
何の説明もないまま、車から降ろされ、
何か大きなカバンを渡され、そして上条は置いていかれた。
「ここはどこだぁぁぁ!!」
上条は改めて周りを確認してみる。周囲は木々で鬱蒼としている。
どうやら山の中らしい。目の前には小さな山小屋。
「とりあえず…落ち着こう」
上条はカバンを抱えて山小屋の中に入ってみる事にした。通常こういった山小屋は、
遭難者などの避難場所として開放されているはずだ。案の定、山小屋に鍵はかかっていなかった。
「お邪魔しますよー……えっ!?」
山小屋は広さは6畳程しかないが、小さな暖炉、テーブルに椅子、
簡単なキッチンなどもあり小綺麗だった。
しかし上条が驚いたのは思ったより綺麗だったからではない。
その部屋にまたまた意外な人物がいたからだ。
「いっ、五和…!?」
五和と呼ばれた人物は目をまん丸にして上条を見ている。
「ふぇっ!?かかかかか上条さんっ!?」
突然上条が現れてパニックになった五和は、
部屋の中を行ったり来たりしている。
「えっ!?何でここに!?そもそも私は任務で…
えっ、でも何で上条さんがここに!?え?」
「お、落ち着けって。俺も何が何だか分かんねーんだ。」
上条はとりあえず五和を椅子に座らせ、お互いの状況を把握する事にした。
上条はまず自分が何故来たのかを説明した。
「そうだったんですか。わ、私は建宮さんから任務があると聞いて。
ここで仲間が来るのを待ってろって言われたんです」
という事は緊急事態とは五和の任務に関わる事なのだろうか。
上条が様々な可能性を考えていると、
また意外な人物が現れた。
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 11:41:01.53 ID:+vU+iYkHO
五和きたああああああああああああああああああああああああああ
シエンタ
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 12:04:35.41 ID:+vU+iYkHO
おいおい遅いなおい
支援
遅いけどのんびり待って!
「!?かっ…神裂!!!」
山小屋の扉を開けて入って来たのは世界に20人程の聖人、
そして天草式の女教皇だった。
「なっ、上条当麻!?なぜあなたがここにいるのですか!?それに五和まで!」
見たこともない顔で戸惑う神裂に、上条と五和は事の経緯を簡単に説明した。
「…なるほど、そうでしたか。私は土御門からこの場所の調査を依頼されたのです。
このあたりにイギリス清教の宝具があるらしいのですが。
調査に必要な道具も預かりましたし…」
そう言って神裂は大きなカバンを掲げて見せた。
「あ!?そういえば俺も渡されたんだ!」
上条は牛深に渡されたカバンをテーブルの上で開けてみる事にした。
「なんだ…これ」
3人がカバンを覗き込むと、中にはお肉や野菜、
飲み物やお皿などが入っていた。
五和も慌てて自分のカバンを確認してみる。
【頑張れ。 天草式一同より】
と書かれた紙と共に、おしぼりと大精霊チラメイドのコスチュームが入っていた。
「そんな…」
カバンの中身がすり替わっていた。
ここに来る前は確かに任務に必要な物を入れて来たはずだったのに。
「どーしたんだ?顔真っ青だぞ」
上条の声に五和は慌ててカバンを閉じた。
「ななななな何でもありません!!!」
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 12:28:35.86 ID:7YR96i9p0
ふむ
3p
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 12:35:13.37 ID:+vU+iYkHO
五和はかわいいな
支援
何かがおかしい。神裂は二人からは見えないように土御門に渡されたカバンを開けてみた。
「!!!!!!!!」
【ねーちんファイト 土御門元春】
そう書かれた紙と堕天使エロメイドのコスチュームが入っていた。
見なかった事にしよう…神裂はそっとカバンを閉めるのだった。
「さて、どうなるか楽しみよな」
木々に紛れて山小屋を監視していた建宮が笑みを浮かべる。
「まったく、ねーちんも五和も世話が焼けるにゃー」
土御門も嬉しそうに答える。
「エロメイド対チラメイド……俺達にとっては最高のお年玉なのよな」
「今年はいい一年になりそうだにゃー」
そう言ってニヤニヤ笑う二人に、
天草式のメンバー達はただただ溜め息を吐くしかなかった。
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 13:17:13.91 ID:+vU+iYkHO
よし、続けろ
「とにかく、ここに居ても仕方ありません。道は私が分かりますので山から下りましょう」
神裂の提案で3人は山を下りる事にした。ところが…
ゴォォォォォ!!!!
山小屋を出た途端、地響きと共に激しい揺れが起こった。
同時にとてつもない魔力が辺りを包んでいく。
「なっ何だ!!!」
「きゃっ!」
「二人とも私の後ろに!!」
神裂は一瞬でワイヤーを張り巡らせ、
3人を包むように防御結界を作った。
「フッフッフ、甘いにゃー。
そんな簡単に帰らせるわけないにゃー」
全て土御門の計算通りだった。もともと陰陽師である彼は、
竜脈と呼ばれる魔力の流れを読む事に長けている。
竜脈に囲まれた場所を土御門が探し、そこに天草式が山小屋を建てる。
あとは少し細工をして竜脈を小さく暴走させる。
「かみやんの右手は厄介だからにゃー。
けどこれは消す事はできないぜぃ」
上条の右手には【イマジンブレイカー】という力が宿っている。
それが異能の力ならば、触れただけで打ち消してしまう。
結界を張ったところで無駄なのだ。
「けど竜脈なら別だにゃー。消しても消しても
目に見えない速さで再生し続けるんだにゃー」
「そして竜脈の結界の上から天草式の
対聖人用の結界も張ってあるのよな。」
「バカだ…全力のバカだ」
天草式のメンバーは二人を見て
皆同じ事を思ったのだった。
しぇn
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 13:29:51.44 ID:10mqt9wl0
さすが土御門と建宮さん!俺たちにできない(ry
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 13:37:25.21 ID:+vU+iYkHO
竜脈ごと消してしまうのでは?
>>224 確かに…ちょっと無理が生じたw
適当に後付けするから流してください☆
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 13:55:26.55 ID:kYioxjn60
12巻辺りだったかであったがそこら辺ぼかされてるな
竜脈断っちゃうなら人間の生命力も消す筈、みたいな事を土御門が言ってた
>>226 はい、その辺がぼかされてたので、竜脈は消せない設定にしちゃったんです
でもはっきりしてない事なので後付けしました
「くっ!!!」
何度目だろうか、神裂は七天七刀で結界の破壊を試みていた。
上条のイマジンブレイカーも試してはみたものの、
破壊されたそばから再生されるのではどうしようもなかった。
上条は気付いていないが、竜脈の流れを制御している
土御門の折り紙に触れなければ意味はないのだ。
土御門はルートディスターブと戦った時の事を応用していた。
「くっ、やっぱり駄目ですね。
聖人用の結界が重ね掛けされています」
「うわぁー、神裂でも駄目か。どーすっかなー。
こんな山ん中じゃ携帯も圏外だし。不幸だ」
頭を抱えてうなだれる上条に気付かれないように、神裂は五和に耳打ちした。
「五和、こんな事になった原因、私に心当たりがあります」
「えっ!神裂さんも?私も心当たりあります!」
「やはり…建宮と土御門の仕業ですね」
「どうしましょう…」
五和は今にも泣き出しそうな顔をしている。
「大丈夫。ずっとこのままという事はないはずです。
しばらくすれば出られると思いますよ」
「じゃ、じゃあ大人しく待つしかありませんね…」
神裂と五和は、建宮達の事は伏せる事にした。
「上条当麻、結界はしばらくすれば消えるはずです。
体も冷えてしまいますから小屋に戻りましょう」
「え?そーなのか?じゃあ大人しく待つとしますか。
上条さんはもうクタクタなのです」
結局3人は山小屋で過ごさなくてはならなくなった。
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:35:34.64 ID:kr/HNWkXQ
よし性剣士掘ーりーナイトのかっこうでもするかな
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:49:32.67 ID:+vU+iYkHO
パチパチ…
暖炉で燃える、薪特有の乾いた音だけが響いている。
(きっ、気まずい…)
上条は、女の子二人と隔離されたこの状況に緊張していた。
しかしそれ以上に緊張しているのは神裂と五和だった。
(……どうしたものでしょう。する事がありません…
こんな時は何を話せばいいのでしょうか)
(うぅ〜、どうしよう。上条さん、さっきから一言も喋らない。
おっ、おしぼり渡す?ダメ、今は無理!)
「うぉぉぉぉ!!!!!」
突然上条が大声を出した。二人はビクッと肩を震わせる。
「暗い!!暗いですよ二人共!!決めました!
ご飯にします!ご飯食べれば元気も出るのです!」
上条の提案で晩ご飯を作る事になった。
何かしていた方が落ち着くのは3人共同じだ。
「じゃ、じゃあ私が何か作ります。
お二人はお皿なんかを並べて頂けますか?」
五和は食材をどんどん仕込んでいく。
その手際はある意味魔術だと上条は思った。
「ちなみに神裂って料理すんのか?」
皿を並べながら上条は尋ねた。
「たっ、多少は…」
神裂は五和を見ながら答える。さすがにあんなに手際よくは出来ない。
やっぱり男性は料理上手な女性に惹かれるのだろうか…
「得意料理は?」
「たっ……鯛茶漬け…です…」
帰ったら料理を勉強しよう、
神裂はそう心に決めるのだった。
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:55:25.32 ID:+vU+iYkHO
支援です
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 14:56:32.80 ID:+vU+iYkHO
ねーちんの料理はでも食べてみたいかも
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 15:27:30.15 ID:ciwWj5byO
私怨
あっという間にテーブルは料理で一杯になった。
和洋折衷、様々な料理が並んでいる。
「すげー!五和ってやっぱり料理は達人だよなー!」
上条はその見事な腕を見て、素直に五和を褒めた。
「そそそそんな、たいした事ありませんから。
おっ、おしぼりどうぞっ!」
五和は上条と神裂におしぼりを渡す。
神裂は借りてきた猫の様に小さくなっていた。
「いただきまーす」
3人の晩ご飯が始まった。
「うっ、うまいっ!!!」
上条は夢中で箸を動かしている。
五和はそれが嬉しくて嬉しくて、
自分が食べるのを忘れてしまっている。
「美味しい…」
神裂も素直に感心した。
(このレベルに達するには、私はどれだけ勉強すれば良いでしょうか…
そうだ、この機会に上条当麻の好き嫌いも把握しておかなければ…)
「五和、お前絶対いいお嫁さんになれるよ」
ガチャンッ!
五和が茶碗を落とす。
神裂の思考は停止する。
「な、なななな何をいっ、言ってるんですか!?
そんなお、お、お嫁さんなんて!」
五和は顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「で…でも上条さんさえ良ければ…
その、お、お嫁さんに…」
五和は何かボソボソと呟いている。
「か、上条当麻!!あなたという人は、何を考えているのです!?
お、お嫁さんなんてそんな…五和も何真に受けているのですっ!」
なぜか神裂の顔も真っ赤だ。
「へ?お、俺なんか変な事言ったか?」
上条当麻はいつだって鈍感なのだ。
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 15:32:06.22 ID:+vU+iYkHO
支援
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 15:34:46.99 ID:7YR96i9p0
ほああー
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 16:01:12.49 ID:7YR96i9p0
ほああー
「さぁかみやん、お楽しみはこれからにゃー」
土御門は建宮とアイコンタクトを取ると、
不適な笑みを浮かべるのだった。
「は〜、お腹一杯!ごちそーさま!」
あの後何故か神裂と五和は食事が終わるまで、顔を真っ赤にしたまま、
黙々と箸を動かしていた。
「じゃ、じゃあ私お片付けしますから」
五和はテーブルの上をテキパキと片付けていく。
最初から最後まで見事な手際だ。
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 16:20:42.44 ID:+vU+iYkHO
書くの遅すぎだろwwwwww
支援
神裂はそんな五和を見て落ち込んでいた。
(五和は私にないものをたくさん持っている)
単純に力なら神裂の方が圧倒的に強い。
上条を守ってあげる事だって出来る。
しかし神裂は五和の様に料理が出来るわけでもないし、
気が利くわけでもないのだ。
女の子としては五和の方が圧倒的に強いのかもしれない。
【強くなりたい】
その思いは今も変わらないが、
神裂の心は言い知れぬ不安で溢れていた。
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 16:36:44.08 ID:goyYyMxLO
保守
テキパキと洗い物をしながら五和は思い出していた。
(神裂さんはやっぱりすごいな)
山小屋を結界が突然取り囲んだ時、
五和は体がまったく動かなかった。
頭が状況についていかなかったのだ。
しかし神裂は違った。何が起きているのか頭で理解する前に、
一瞬で上条と五和を守ろうと動いたのだ。
五和は以前上条と共にアックアと戦った際
心に決めた事がある。
【上条を守る為なら死んでもいい】
「はぁ〜、私もまだまだです」
五和は深い溜め息を吐くのだった。
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 16:51:15.13 ID:+vU+iYkHO
支援
そんな二人の思いなど知らず、
上条は窓の外を眺めていた。
すっかり日も落ちて、辺りを暗闇が包んでいた。
見えるのは結界のかすかなゆらめきだけだ。
「あー、帰ったらインデックスになんて説明すっかなー」
インデックスは、上条が危険な場所に
身を置く事を極端に嫌う。
今日は緊急事態という事で
インデックスを待たせているのだ。
心配しているのは目に見えている。
「はぁ〜…まぁ噛みつかれるくらいは覚悟しとかないとな」
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 17:08:49.59 ID:dfTBwOgZO
ほ
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 17:15:53.50 ID:7YR96i9p0
ほああー
神裂はソワソワしていた。
この小屋には小さいが簡単なシャワールームがついている。
どうしてもシャワーを浴びたい。
結界を破ろうと四苦八苦した時に、
神裂はうっすら汗をかいてしまったのだ。
「か、上条当麻。私は湯浴み…いえ、
シャワーを浴びたいと思うのですが」
「は、はい?」
上条の体温が2度は上がる。
「で、ですからシャワーです。」
神裂の頬はすでに湯上がりのように赤い。
「あ!シャワールームの方は見ないでって事ですね」
五和は神裂に助け舟を出す
「五和。あなたも一緒に入るのです」
「え?一緒にですか?」
神裂は上条と五和を二人っきりにするのは何となく嫌なのだ。
「では五和、行きますよ」
五和は拒否する間もなく、神裂に手を引かれていった。
「上条さんはジェントルマン。決して振り返りません!」
上条は言い付け通りシャワールームに背を向ける。
振り返りたい気持ちもあるのだが、
今シャワールームにいるのは聖人だ。
命を懸けてまで覗く気はない。
シャワールームの前は狭い脱衣場になっていた。
神裂はさっさと服を脱いでいくが、
五和はなかなか脱げないでいた。
なんせ壁一枚隔てて上条当麻がいるのだ。
「どうしたのです?早く入ってしまいましょう」
「はっ、はい!」
シャワールームに入った五和は、神裂の体をまじまじと見る。
神裂の体は息を呑むほど美しかった。
出るところは出ているし、
引き締まるべきところは引き締まっている。
(それに比べ私は…)
五和はよく【隠れ巨乳】とからかわれる。
しかし神裂程のスタイルではないのだ。
「で…でも私だって……【脱いだら凄い】は男の夢だって…
…みんな言ってたし…きっと上条さんだって…」
「何をブツブツ言っているのですか?五和」
「わわわわわ!何でも!何でもありません!!」
五和は消えてしまいたい程、恥ずかしかった。
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 17:55:29.70 ID:N8riS/cH0
ヽ|/
/ ̄ ̄ ̄`ヽ、
/ ヽ
/ \,, ,,/ |
| (●) (●)||| |
| / ̄⌒ ̄ヽ U.| ・・・・・・・・ゴクリ。
| | .l~ ̄~ヽ | |
|U ヽ  ̄~ ̄ ノ |
|  ̄ ̄ ̄ |
「ターゲットの入浴を確認」
建宮のトランシーバーから女性の声がした。
「来たのよな」
「あぁ、来たにゃー」
建宮と土御門はこの時を待っていた。
神裂と五和がシャワーを浴びるこの時を。
「ミッションスタートだぜぃ」
「よし、対馬!やるのよな!」
建宮はトランシーバーに命令を出す。
対馬と呼ばれたふわふわ金髪の女性は、
脱衣場の床下で命令を受け取った。
ここに潜んでおくのは土御門や建宮でも良かったのだが、
対馬がそれを許さなかった。
「はぁ〜、ごめん五和!申し訳ありませんプリエステス!!」
対馬は床下から出ると、二人の下着以外全て回収して
また床下へ姿を消した。
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 17:59:47.42 ID:7YR96i9p0
ほああー
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 18:01:03.58 ID:+vU+iYkHO
これは期待できる
「うそ………………」
神裂と五和は脱衣場で呆然と立ち尽くしていた。
「こ、これって…マズいですよね?」
確かにあったはずの衣服がないのだ。
何故か下着だけが残されている。
「普通逆だと思うんですけど…」
五和の的外れな突っ込みは、神裂の耳には届いていなかった。
「ど、どうしましょう、五和…」
「し、下着姿では出れませんよね…」
「……………………」
「あ!!!!!!!!!!」
神裂と五和は同時に何かに思い当たった。
そう、建宮と土御門の狙いはこれだったのだ。
カバンに入っていたコスチューム…。
「くっ、不覚です。まさかここまでするとは!」
「で、でもこんな格好じゃ出れませんよ!」
「し、仕方ありません…」
そう、神裂と五和は見事に罠にハマったのだった。
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 18:12:44.12 ID:+vU+iYkHO
期待
「かっ、上条当麻!!」
シャワールームから声を掛けられ、上条は一気に緊張する。
「か、神裂さん?なっ、なんでしょう?」
「そ、そこにある私と五和のカバンを取って頂けますか?」
着替えが入ってんのか?上条は深く考えずにカバンを手に取ると、
目を堅く閉じ、
手探りでシャワールームに近づく。
そしてシャワールームから伸びている神裂の少し火照った手にカバンを渡した。
「はぁ〜、ビックリした…でもなんかいい匂いしたな〜」
上条はまたシャワールームに背を向け、一人悶々とするのであった。
「…五和……先に」
「いっ、イヤです!無理です!」
二人はもう10分近く押し問答をしている。
仕方なく着てはみたものの、
あまりに布面積の少ないメイド服で上条の前に出るのは
並大抵の勇気ではない。
これなら【神の右席】と戦う方がどれだけ楽か。
「…わ、私は天草式十字凄教の女教皇です」
「あー!!!ず、ずるいですよ!卑怯です!横暴です!」
神裂の肩を揺さぶって、五和は抗議する。
しかし次の瞬間、五和は足がもつれてバランスを崩してしまった。
「あ…」
ちょっとご飯の準備します
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 18:49:44.43 ID:gvuP3qZF0
ええええええええええええええええええええええええええええ
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 18:53:07.24 ID:N8riS/cH0
,、__ _,
. {[,.-≫t《,{
jノ/´ j `ゝ
ノ| { .イ从((ヘ }
. ノ/ヘ(l|.゚ ー゚ノリ、
仆.⊂fy,,,),,)つリ
乂=〈‐rュ|=儿
. ,!,,,ヒ;|
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 19:01:32.88 ID:agccqQ1/O
神裂火織ちゃんクンカクンカしたいお!
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 19:26:06.72 ID:bSUANUKAO
ここから一歩も落とさない
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 19:53:34.32 ID:bSUANUKAO
れんほー
バターンッ!!!
大きな物音に上条はつい振り返ってしまった。
「へ?」
そこには神裂の上に馬乗りになった五和がいた。
しかし上条が驚いたのはそこじゃない、二人の格好だ。
神裂は背中に小さな羽の付いたメイド服だ。
ご丁寧に頭に輪っかまで付けている。
確か以前病室で見た記憶がある。
五和は蝶々のような羽の付いたメイド服だ。
精霊をモチーフにしているのだろう。
二人に共通しているのはその布面積の少なさだ。
馬乗りの五和は胸元が、
倒れている神裂は太ももが露わになっていた。
「な………なんですかその格好はぁぁ!!!!!!」
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
上条が目に焼き付ける前に、二人はシャワールームに逃げ込んでしまった。
「うっ…うぅ…穴があったら入りたいです…」
五和は恥ずかしさのあまりメソメソしている。
「い、五和…もう覚悟を決めるしかありませんよ」
神裂だって顔から火が出る程恥ずかしい。
「うぅ…わ、私は神裂さんみたいにノリノリじゃないんです!」
「の、ノリノリ!?」
「うっうぅ…だってそうじゃないですか!服は仕方ないですけど
、
頭の輪っかは神裂さんの意志で付けてるじゃないですか!」
「うっ…こ、これは……」
神裂はいつだって律儀なのである。
「と、とにかく!私は行きますから!
五和もいつまでもメソメソしてないで早く出てくるのですよ!」
ペシッと天使の輪っかを床に投げ捨てると、
神裂はシャワールームから飛び出した。
穴があったら挿れたいです
なんという組み合わせよくやってくれた
「か、上条当麻。あまりジロジロ見ないで頂けますか…」
神裂はスカートの裾を下に引っ張りながら、モジモジしている。
「ふ、ふぁいっ!!」
上条は見ているつもりはないのだが、
つい目が行ってしまう。
「い、いやー、しかし災難だったな!アハハハハ…」
なんとか空気を変えようとするが、
空回りしてしまう。
「あれ、そーいえば五和は?」
神裂はスカートから手は離さずに、
目でシャワールームを指す。
上条がシャワールームに目をやると、
五和が顔だけ出して覗いていた。
「そのー、いつまでそんなとこにいるんだ?」
上条が問いかけると、ヒュッと頭が引っ込んでしまった。
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 20:18:31.21 ID:JS5S5Jmg0
支援
可愛いなあ可愛いなあ!
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 20:25:33.85 ID:y69E3Hz6O
もうじっとしてられん 走ってくるぞ
(大丈夫!大丈夫よ五和!!
恥ずかしくなんかない!!!)
五和は何度も自分に言い聞かせた。
シャワールームにうずくまって、もう20分は経つ。
(覚悟を決めるのよ五和!!)
五和は頬をパンと叩くと立ち上がる。
「やぁぁぁぁぁ!!!」
シャワールームから飛び出て来た五和に、
上条と神裂は心臓が飛び出しそうになった。
「も、もうちょっと静かに出て来れないのですか、五和」
「す、すいません…つい」
五和は恥ずかしいやら申し訳ないやらで
顔が熱くなるのを感じた。
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 20:48:19.24 ID:+vU+iYkHO
いいよいいよー
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 21:00:44.75 ID:dfTBwOgZO
親にオナニー見られた死にたい
死にたい
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 21:04:10.57 ID:bSUANUKAO
犬も猫も人間もオナニーするんだよ
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 21:25:48.76 ID:Bx/KUhMQ0
親ってなんで無遠慮に人の部屋に入ろうとするんだろうね
ノックをしたところで応答を聞く前に部屋に入ったら意味ないんだよ
上条は気になる事があった。
神裂はさっきから椅子に座ろうとしないのだ。
「と、とにかく落ち着いてさ、
二人共座れよ」
「…け、結構です」
「私も…」
スカートが短過ぎて、座れば色々見えてしまいそうなのだ。
上条はそんな事気づいていないが。
「よし!じゃあもう寝よう!!!電気消しちまえば恥ずかしくないだろ?」
(これ以上見てたらさすがの上条さんも
耐えられないかもしれません)
そんな時は寝るに限る!上条は、シャワールームにに入りドアを閉めた。
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 21:53:19.49 ID:SIhA8Jdj0
よくあるこった
気にすんな
「上条さん寒くありませんかね…」
電気の消えた部屋で神裂と五和は横になっていた。
布団は用意されてないが、
二人でくっついていれば寒くはない。
「あれは…彼の優しさです。
普段はふざけているようですが、
あれで優しいとこもあるんですよ」
「ですね。あの、一つ…聞いていいですか?」
「何ですか?」
「上条さんの事…どう思ってるんですか?」
何だか友達の家に泊まりに来た中学生みたいだ。
神裂はそう思った。
「それは……秘密です。五和はどうなのですか?」
「ふふ……秘密です…あっ、でも」
「でも何ですか?」
「私負けませんから!」
神裂は五和の女の子らしさを、五和は神裂の強さを、
お互い羨ましいと思った。
しかし今の二人は不思議とそんな気持ちは消えていた。
お互い性格も得意な事も違う。
しかし誰かを想う気持ちは何も違わないのだ。
だから無いものねだりはやめにしよう。
自分は自分にしかなれないんだ。
同じ人を想う者同士、二人はそう思えるようになっていた。
支援
纏められたらたいなぁ……と思ったけどよくよく考えたらこんなスレが纏められるわけなかったわ
次回は12/28の月曜21:00頃を予定しております
誤爆した死にたい
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 22:34:52.76 ID:N8riS/cH0
支援
ほんとにごめん
上条は息苦しさに目が覚めた。
目を閉じてても微かに光を感じる。
どうやら朝になっているようだ。
(ん…なんだ…なんか息が…)
(なっ、なんですかこれはぁぁぁ!!!!)
上条の目の前に、神裂の胸元があった。神裂は抱き枕のように上条にくっついている。
後ろからは五和が抱きついている。
(よし、ちょっと状況を整理しよう。上条さんは決して過ちは犯していません!)
とにかくなんとか切り抜けたいのだが、
二人にしっかり抱き付かれて身動きがとれない。
(か、神裂って意外と寝顔可愛いな…
いい匂いするし…ってそんな事考えてる場合じゃねぇ!)
(よし、上条当麻脱出大作戦だ!)
上条は少しづつ体をずらし、二人の間から抜け出そうと試みる。
「んっ…ん………」
上条が動く度に神裂から吐息が漏れ、
五和はさらに強く抱き付いてくる。
(だ…だめだ……)
それから1時間、二人が起きるまで
上条はひたすら耐えた。
これがオリンピックの競技なら
間違いなく金メダルだ。
実は二人は上条が寒くないように、
上条が寝静まってからこっそり来たのだ。
上条は知る由もないが。
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:00:22.67 ID:FkFNGDZWO
試演
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:09:35.52 ID:goyYyMxLO
何と言う展開…
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:23:56.91 ID:V/XHao8KO
続きまだか支援
朝には結果も消えており、
二人の服も綺麗にクリーニングされて戻っていた。
二人は抱き付いた事を必死に謝ってくれたが、
上条は悪い気はしなかったので気にするなとだけ言った。
上条だけは建宮たちの悪巧みだとは気付いていなかったが、
神裂と五和は黙っている事にした。
悪巧みに腹は立っていたが、
上条と過ごせた事には少し感謝していたのだ。
「ではこの道を下れば街に出ますので。」
「あれ、お前らは一緒に帰らないのか?」
「私達はまだ用事がありますので。ね、五和」
「えぇ。上条さんは気をつけて帰って下さいね」
「それから、ちょっと遅くなりましたけど」
二人は声を揃えて言った。
「「明けましておめでとうございます!」」
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:27:47.70 ID:aMpyxAKl0
はい、おめでとう
上条を見送った二人の笑顔が邪悪なものに変わる。
「さぁ…いきましょうか五和…」
「ふふ…そうですね………」
物陰で今回の首謀者は反省会を開いている。
「いやー、甘酸っぱかったにゃー」
「なかなか良いものみせてもらったのよ」
「写真を撮っておけば良かったにゃー。あれは高く売れるぜぃ」
「しかし二人もまだまだ子供なのよ。押しが足りないというか…」
「まぁ何にせよ最高に楽しませてもらったにゃー」
「それは良かったですね」
「ホント良かったにゃー…………ってあれ?」
二人が振り返ると鬼の形相をした神裂と五和が立っていた。
神裂は七天七刀を、五和はフリウリスピアをそれぞれ手に持っている。
「ホント良かったですね…」
「………ちょ…ねーちん」
「その腐った根性、新年早々叩き直してもらえるのですから」
「…あの…五和さん?」
二人は声を揃える。
「「いっぺん…死ねぇぇぇぇ!!!!!!!!」」
一応「完」
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:46:31.21 ID:+vU+iYkHO
乙!
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:47:37.51 ID:+NGF8UFm0
乙!面白かった!
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:51:18.65 ID:10mqt9wl0
乙!ねーちんかわいい
乙!
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 23:57:44.08 ID:goyYyMxLO
乙!
よかった!
番外編【美琴編後日談】
「ただいま!ただいまただいま!トーマ!」
「だぁ!そんなに言わなくても分かったっつーの!」
上条の両親と温泉旅行に行っていたインデックスが帰ってきた。
小さな体と同じくらい大きいリュックを背負っている。
「なぁ…お前出掛ける時そんなパンパンだったか?そのリュック」
上条の記憶では出掛ける時はリュックはペラペラだったはずだ。
インデックスはいつも同じ修道服を着ているので、
下着など必要最低限しか持って行っていないはずだ。
「ふっふー。よく気づいたねトーマ!
これぜーんぶトーマのお土産なんだよ!」
そう言ってインデックスはリュックから荷物を取り出して行く。
「はい!いっこめー」
蜂蜜の瓶みたいな物に何か液体が入っている。
「なんだこれ?」
「おんせんー!」
「……………」
「にこめー!」
上条の目に狂いがなければ…石にしか見えない。
「これは何だ?」
「スフィンクスに似てる石ー!」
「……………」
「よいしょ…さんこめー!」
「アハハ!上条さんには分かるぞー!これは葉っぱだなー!」
「せいかーい!」
「……………」
「これが最後なんだよ!」
ゴトッ、と鈍い音を立てて熊の置物が出てくる。
デカい。リュックの80パーセントは占めていたはずだ。
ご丁寧に鮭をくわえている。
「インデックス…これ幾らだ?」
「トーマにもらった紙一枚分なんだよ!」
「い、…いちまん…だと…」
「嬉しい?トーマ!」
「ふ…ふざけるなぁぁ!!
上条さんはお前が楽しめるようにと泣く泣く一万円も渡したんだぁ!
それをこんなゴミ……」
インデックスの顔がみるみる曇っていく。
そうか、インデックスは自分の為じゃなく俺の為にお金を使ったのだ。
物じゃない、気持ちを受け取ってやるべきなのだ。
「こんな…こんなゴミのようなワタクシにお土産!
ありがとうインデックス!!!」
インデックスの顔に笑顔が戻る。
これでいい。記憶を無くしたあの日、
自分の為に泣いてくれたインデックスを見て、
この子の笑顔を守りたいと決めたのだから。
「気に入ってくれた?」
「もちろんです!」
「ホント!?この熊さんあと二つ頼んどいたんだよ!良かったねトーマ!」
「やっぱ…ふざけるなぁぁ!!!」
完
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
久々のインなんとかさん