1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理だよ
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/13(日) 22:45:05.03 ID:T3X75r040
ちゃねらーずかと思った間際らしいからやめろ
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/13(日) 22:46:50.02 ID:T3X75r040
誤字ったじねえか糞が
4 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 22:47:51.57 ID:cXa6LJ5NO
5 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 22:49:48.05 ID:cXa6LJ5NO
荒野にただ一人、佇んでいる。
砂埃を含んだ風が吹き荒れ、帽子が飛ばされぬように手で抑えつける。
背負う袋は、今にもはち切れんばかり。
( ゚ ゚)「クソッ、何だってこんなに暑ィんだよ…」
一人ごちるが、この『仕事』を選んだのは自分自身であったと思い出し、舌打ちする。
時間は既に正午だろうか。
かれこれ3時間は立ち尽くしている気がする。
6 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 22:50:49.35 ID:cXa6LJ5NO
クソッタレ、と呟いた時、遠方から物凄い砂埃が立ち上っているのが見えた。
目を凝らしてよく見ると、砂埃を出している正体に気付き、口の端が僅かに上がるのを感じる。
( ゚ ゚)「やっと来やがったか……」
やがて近づいてくるソレに腕を振る。
ソレは腕を振る存在へとどんどん距離を縮め、凄まじいブレーキ音を立てて急停止した。
(*゚ー゚)「ゴメンね。途中で竜巻に巻き込まれちゃって」
( ゚ ゚)「やっぱり車を変えた方が良いんじゃねえか?」
7 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 22:53:15.48 ID:cXa6LJ5NO
すると、運転手、もといしぃは、口をへの字に曲げ、即座に相方の提案を却下した。
(*゚ぺ)「駄目!この車はお気に入りなんだよ!?」
( ゚ ゚)「もうボロボロじゃねーか」
もー、分かってないなーとしぃは頬を膨らませる。
そんなしぃの発言など何処吹く風、といった風に、目の前で急停止した小型トラックの助手席のドアを開け、無遠慮に座り込む。
しぃはクスリと苦笑いし、再びアクセルを踏んだ。
彼女にとっては日常茶飯事の事だからだ。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/13(日) 22:56:20.00 ID:YhuPgIUV0
支援
9 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 22:56:45.22 ID:cXa6LJ5NO
(*゚ー゚)「…だってコレ、ギコくんが誕生日に買ってくれた車だもの…」
不貞腐れ、ハンドルに顔を押し付けるしぃの顔を見て、ニヤリと笑い、ギコはフードを取った。
(,,゚ー゚)「…そういや、そうだったな」
(*゚ー゚)「それで、見つけたの?『マウスマン』は」
(,,゚Д゚)「ああ、ホラ」
ズルリ、とギコが袋から「何か」を取り出す。
袋から出てきたそれは、
以 益 以
(;゚ー゚)「うわあ…まさに『ネズミ』だね」
10 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 22:57:58.22 ID:cXa6LJ5NO
(,,゚Д゚)「食った獲物の魂をネズミの体に移し、自分の手下にする、か……ヤマザキ達の報告通りだったよ」
手渡された書類をパンッ、と手の甲で叩く。
そこには、マウスマンの目撃情報や証拠写真等の資料が所狭しと書き込まれていた。
(*゚ー゚)「ネズミ達はなに食わぬ顔で人間の体を操り、夜は根城で獲物に群がる…何だか怖いねえ」
(,,゚Д゚)「B級ホラー映画も真っ青だな」
二人してケタケタと笑う。
砂埃は舞い、地面にタイヤの跡だけが遺されていく。
11 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 23:00:35.53 ID:cXa6LJ5NO
暫くして、ギコは『ある事』を思い出した。
マウスマン以上に、気になっていたあの存在達。
(,,゚Д゚)「それより、頼んでいたあの7人の事なんだが…」
ギコが口にした途端、しぃの表情が苦虫を噛み潰したような顔に変化する。
(,,゚Д゚)「? どうした?」
(;゚ー゚)「………………だよ」
(,,゚Д゚)「は?」
(;゚ー゚)「無いんだよ、情報が。全くと言っていい程ね」
12 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 23:02:53.54 ID:cXa6LJ5NO
その言葉に、ギコは信じられない思いと共に、妙に納得している自分がいる事に気づく。
(*゚ー゚)「あのスカしたテンガロンハットボーイは簡単に足がついたけど…」
(,,゚Д゚)「他は……………か」
ごめん、と謝罪の言葉をかけるしぃの頭を撫でるギコ。
ある程度予想はしていたが、しぃの情報力を持ってすら、あの旅人達の素性を調べる事は出来なかった。
(,,゚Д゚)「ま、今知らなくったって支障はねーよ。無理言って悪かったな」
(*゚ー゚)「…それなら、良いけど…」
と、その時である。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/13(日) 23:04:24.34 ID:uHwYZqnLO
支援
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/13(日) 23:04:26.53 ID:mUiJK3KD0
sienn...
15 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 23:04:59.79 ID:cXa6LJ5NO
プスン。
(;*゚ー゚)「へ?」
プスンプスン。
(;,,゚Д゚)「お?お?」
ぷしゅーぅぅう……………。
(;*゚ー゚)「……あちゃー………」
何とも情けない音を立て、しぃとギコ+αを乗せたトラックは、荒野のど真ん中でエンストを起こしてしまったのである。
(,,゚Д゚)「……なあ、やっぱり車変えね?」
(#゚ー゚)「ぜぇーったい、反対!」
(;,,-Д-)「…………ハァ…………」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/13(日) 23:05:50.55 ID:BM2oSz67O
しえん
17 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 23:15:16.41 ID:cXa6LJ5NO
ギコは、頬の古傷を撫でながら溜め息をつく。
丁度その時、車の無線から音声が流れ始める。
『ガガー―……こちら――…、しぃ、応答しろ』
(;*゚ー゚)「は、ハイリーダー!」
『ギコはどうした?まだ合流してないのか?』
(*゚ー゚)「いえ、ギコ君とは既に合流しました。これよりそちらへ向かいます」
聞こえてきたのは、低い男の声。どうやらしぃとギコの『リーダー』らしい。
18 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 23:19:35.46 ID:cXa6LJ5NO
『いや、いい。それよりも、お前等ば王都゙へ向かえ』
(;゚ー゚)そ「お、王都へですか!?
ここから約20キロ近くもありますよ?」
『…何だ、フマンでもあるのか?』
途端、只でさえ低い声が、ドスの効いたダミ声に様変わりする。
しぃは一瞬怖じ気づきながらも、それに答えようと口を開く。
(;゚ー゚)「………実は………その…………」
『何だ?勿体ぶらずにさっさと言いやがれ』
(;゚ー゚)「……そのぉー……車、エンストしちゃいまして……」
約10秒後に自分としぃに罵倒を浴びせる親友の顔を思い浮かべ、ギコは素早く両耳を塞ぐのだった。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/13(日) 23:20:18.86 ID:yJHTzuJ+0
支援
20 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 23:21:09.25 ID:cXa6LJ5NO
(・∀ ・)TRAVELERSのようです
第5話 館の中の記憶
21 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 23:24:04.21 ID:cXa6LJ5NO
( <●><●>)「私達は一旦、王都へ戻ります」
(・∀ ・)「嘔吐?」
( ´_ゝ`)「惜しい」
_
(;゚∀゚)「や、何処が?」
住民の居なくなった廃村で一晩明かしたまたんき達。
ベルベット、ビロード、ちんぽっぽの3人は、『ネズミ男』の調査の準備の為、一旦『王都』へ戻る事になっていた。
(・∀ ・)「王都をkwsk産業で」
( ><)「>>またんき
・VIP大陸にも国というものが存在します
・勿論VIP大陸を支配する王もいます
・つまりはVIP大陸1の国」
22 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 23:29:46.99 ID:cXa6LJ5NO
(・∀ ・)「……なんとなく把握した」
( <●><●>)「またんきクンは頭悪そうで頭良いので助かります」
(・∀ ・)dそ「誉め言葉として受け取っておくぜ」
( ´_ゝ`)「お下品だから止めなさい」
lw´‐ _‐ノv「その中指突き立てるのって、元はといえばセkk」
(;´_ゝ`)「女の子がそんな事言っちゃいけません!」
lw´‐ _‐ノv「てへっ」
_
( ゚∀゚)「(苦労してんなー……)」
(*‘ω‘ *)「(コイツめっちゃ他人事みたいな顔してるっぽ…)」
23 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 23:32:53.96 ID:cXa6LJ5NO
中指を突き立てるまたんきと破廉恥な単語を発言しようとするシューをたしなめ、兄者はベルベットへ向き直る。
( <●><●>)「兄者達はこれからどうします?私達と一緒に王都へ来ますか?」
ベルベットの申し出に、兄者は頭(かぶり)を振って答えた。
( ´_ゝ`)「いや、俺達はこのままウォールタータウンを目指すよ。
王都へは、また後へ寄る事にするさ」
( <●><●>)「……そうですか」
ベルベットは心なしか残念そうな顔をすると、ピィイッ!と鋭い指笛を鳴らす。
数秒も経たない内に、目も開けられなくなる程の強風が吹き荒れ始め、砂塵が立ち込める。
24 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 23:39:53.49 ID:cXa6LJ5NO
(>∀ <;)「うわぁあっ!?」
_
(;゚∀゚)「うわああああ!飛ばされる!飛ばされるぅう!」
思わず目を瞑って這いつくばるまたんき。
シューは喚くジョルジュをポーチへ押し込み、兄者はシューとまたんきを抱えて腰を低く構えている。
だが、当の指笛を鳴らしたベルベット、ビロード、ちんぽっぽの3人は、平然とした顔で真っ直ぐ空を見上げている。
(−∀ ・;)「!?」
僅かに薄目を開けたまたんきの目に飛び込んできたのは、鳥のシルエット。
やがて、上空に体長約15メートル程(翼含む)の大鷲が現れ、華麗にベルベット達の目の前に着地した。
25 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 23:43:24.20 ID:cXa6LJ5NO
( ゚ω゚)こっから完全ながら投下ァァァアアアアアあああああああああAH!!!11
('(゚∀゚∩ 寝オチしたらゴメンネ!
26 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/13(日) 23:52:10.60 ID:cXa6LJ5NO
(・∀ ・;)「と、鳥デケエEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!」
(;´_ゝ`)「゙ゴールデン・イーグル゙じゃないか…もう絶滅した筈じゃ…」
lw*´‐ _‐ノv「でっかあーい」
_
(;゚∀゚)「(く、食われる…!)」
三者三様、もとい四者四様の反応を見せるまたんき達。
ベルベットはクスリと笑うと、ヒラリと大鷲の背中に乗ってみせた。
( ><)「このゴールデンイーグル達は数少ない生き残りなんです!」
(*‘ω‘ *)「コイツ等家族なんだっぽ」
(・∀ ・)「そ、そうなのか……」
書き溜めてないんなら投下すんなよカスが
つまらんからさっさと寝落ちなりなんなりすれば良いよ
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/13(日) 23:54:57.82 ID:mUiJK3KD0
支援
29 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 00:00:05.32 ID:bkhfnyWlO
次々に飛び乗るビロードとちんぽっぽ。
振り落とされるのではと心配するが、手綱を付けているので問題は無いらしい。
( <●><●>)「では兄者、ジョルジュさん、シューさん、またんき君、君等の旅に幸あらんことを!」
( ><)「また会おうなんです!」
(*‘ω‘ *)「じゃあなっぽー!」
その声がまるで合図だったかの様に、空高く舞い上がる大鷲。
(・∀ ・)「じゃあなー!」
lw´‐ _‐ノv「またねー!」
ブンブンと両手を振るまたんきとシュー。
三人の姿が見えなくなるまで、二人は手を振り続けた。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/14(月) 00:05:12.05 ID:Zkp2mPyJO
支援
31 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 00:05:50.37 ID:bkhfnyWlO
(・∀ ・)「………行っちまった……」
何もない空を見上げ、またんきはポツリと呟く。
( ´_ゝ`)「またんき、そろそろ俺達も出発するぞ」
(・∀ ・)「…おう」
またんき達の移動方法は、基本的にバイクである。
運転は勿論兄者が行い、またんきとシューはバイクに取り付けられたサイドカーに乗る事になっている。
(・∀ ・)「で、結局ジョルジュも来んのか」
_
( ゚∀゚)「悪いか?」
そして、ちゃっかりシューの胸ポケットで丸まっているジョルジュ。
32 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 00:10:24.85 ID:bkhfnyWlO
_
( ゚∀゚)「しょーがねーじゃん。俺も旅人だったから行く当てなんざねぇし、今はおまけにこんな体だ」
何故か胸を張って威張るハツカネズミを一瞥し、またんきは兄者を見やる。
( ´_ゝ`)「ま、1人増えたって食費が減る訳じゃねーし」
_
(*゚∀゚)「やたっ!」
肩を竦める兄者に、ガッツポーズを決めるジョルジュ。
こうして、あっさりジョルジュも旅の仲間となったのであった。
( ´_ゝ`)「その代わり、ジョルジュの荷物は全部頂くけどな」
_
( ゚∀゚)「」
33 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 00:19:55.84 ID:bkhfnyWlO
(・∀ ・)「なぁ兄者ー」
( ´_ゝ`)「何だ?」
ゴツい体躯に反して、比較的緩やかなスピードで走るバイク。
荒野の中の僅かな緑が、まだこの土に生命が宿っている事を教えてくれている。
(・∀ ・)「魔物とか蟲とか騒いでた割には、姿が全然見えないよなー」
( ´_ゝ`)「……それも、そうだな…」
此処でおさらいしておこう。
蟲、魔物とは、神々や化け物達が遊び半分で創り出した生き物達の事である。
大抵は人間を襲い、この世界を我が物顔で闊歩する生き物である。
大人しい種類も多いが、それでも魔物や蟲の被害報告は絶えない。
(・∀ ・)「なぁ兄者ー」
( ´_ゝ`)「何だ?」
ゴツい体躯に反して、比較的緩やかなスピードで走るバイク。
視界に映る荒野の中の僅かな緑が、まだこの土に生命が宿っている事を教えてくれている。
(・∀ ・)「魔物とか蟲とか騒いでた割には、姿が全然見えないよなー」
( ´_ゝ`)「……それも、そうだな…」
此処でおさらいしておこう。
蟲、魔物とは、神々や化け物達が遊び半分で創り出した生き物達の事である。
大抵は人間を襲い、この世界を我が物顔で闊歩している。
大人しい種類も多いが、それでも魔物や蟲の被害報告は絶えない。
_
( ゚∀゚)「バッカだなあ、またんきは」
(・∀ ・#)「何だとおっ!?」
ピョコンと頭をつき出したジョルジュを睨むまたんき。
やれやれというジェスチャーで、ジョルジュは続ける。
_
( -∀゚)「魔物や蟲は、大体が夜行性。よっぽど腹でも減ってない限りは出てきやしねえ。
それに、魔物達ば何故が大陸の東側への生息を好まない習性がある。
見かけないのも当たり前さ」
(・∀ ・;)「そ、そうなのか…」
魔物の事になると饒舌に語り出すジョルジュの話に、またんきは素直に耳を傾ける。
いつの間にか、ジョルジュの魔物講座がサイドカー内で繰り広げられていた。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/14(月) 00:31:18.06 ID:75HSDl1F0
支援
37 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 00:36:05.14 ID:bkhfnyWlO
(・∀ ・)「へー、ジョルジュはさすらいのガンマンだったのかー」
_
( ゚∀゚)「カックイイだろう?」
ジョルジュの話は、彼の身の上話へと変化していた。
確かに、彼の荷物の中には、拳銃が2丁と、予備の弾丸がギッシリと詰まっていたなと、またんきは思い出す。
_
( ゚∀゚)「こう見えて、俺様の射撃技術はVIP大陸1だったんだぜ?」
(・∀ ・)「えー、嘘くせー!」
_
( ゚∀゚)「賞状だって貰ってんだぜ?今は無いけど」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/14(月) 00:45:46.72 ID:vVHoP2WpO
しえーん
39 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 00:46:56.54 ID:bkhfnyWlO
lw´‐ _‐ノv「その賞状、私も見たかったなぁ」
_
( ゚∀゚)「よし、じゃあシューにだけ、今度見せてやんよ!」
(・∀ ・)「何だそれ、差別だー!」
_
( ゚∀゚)「悪い子に見せないのは世の常識だろー?」
(・∀ ・)「なんだとー!」
ワイワイと騒がしい旅路。
最初の時に比べて、こんなにも仲間が増えた事に、兄者は人知れず笑みを漏らす。
と。
ぷすん。
( ´_ゝ`)「……あ?」
ぷすん、ぷすん。
徐々にバイクのスピードが落ちていく。
(・∀ ・;)「お?」
lw´‐ _‐ノv「およ、よ」
40 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 00:54:30.85 ID:bkhfnyWlO
ぷすん、ぷすんぶすん。
ぶすんぶすんぷすん。
プシュゥゥウウー……。
_
( ゚∀゚)「……あーあ」
完全に、バイクが停止した。
( _ゝ )「……故障、か」
皆、その場で項垂れた。
_
( ゚∀゚)「で、結局野宿か」
( ´_ゝ`)「あともうちょいなんだけどなー…シュー、スパナ」
lw´‐ _‐ノv「あいよ」
バイクが止まったのは、エンジンに何かが詰まったのだと兄者は判断したらしい。
という訳で、バイクが復活するまでまたんき達は野宿する事になった。
41 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 01:02:57.91 ID:bkhfnyWlO
_
( ゚∀゚)「で、次の目的地…ウォールタータウンだっけか?」
゙水と調和゙の街、ウォールタータウン。
またんき達の居る荒野とは打って変わって、水と緑に溢れた素晴らしい街である。
段々視界に映る量が増えていく緑は、ウォールタータウンへ近づいている事を意味していたのだ。
( ´_ゝ`)「次に資金や軍事品を調達するとしたら、ウォールタータウンが一番近いし効率がいい。
俺はそう踏んだのさ」
_
( ゚∀゚)「ほぉー、成る程な」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/14(月) 01:03:48.18 ID:xI3ekaFnO
支援
43 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 01:09:40.67 ID:bkhfnyWlO
二人が旅のノウハウについて会話に華を咲かせる間、1人だけ暇をもて余す者がいた。
またんきだ。
(・∀ ・)「(………ヒマ、だなー……)」
またんきには、会話に入る勇気も、シューのように手伝う事もない。
まさに暇人の代表格である。
(・∀ ・)「(…………暇、だなぁ…………)」
その時、またんきはある事に気づいた。
(・∀ ・)「(……家、か?)」
視界の先にポツンと見える家らしき建物。
またんきの中で、好奇心がむくむくと起き上がるのが分かる。
44 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 01:18:42.42 ID:bkhfnyWlO
(・∀ ・)「(……やっべー、まじ気になるやべー)」
チラリ、と後ろを見やる。
三人は会話に夢中だ。
(・∀ ・)「(……すぐに戻るし…大丈夫、大丈夫だよな)」
決断してからのまたんきの行動は早かった。
小声でいってきますを伝えると、またんきは足早に家らしき影へと走っていった。
(・∀ ・)「うわあ……ボロッちい…」
そこは、家というよりは小さな屋敷であった。
木製らしく、所々ペンキが剥がれ、蔦やらが壁中にまるで蛇が這うように巻きついて不気味な空気を醸し出している。
またんきの脳内に、あの古城の影がよぎる。
45 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 01:25:48.21 ID:bkhfnyWlO
だが、とまたんきは思った。
この屋敷には、あの古城のような異質な空気は感じられなかった。
(・∀ ・)「…おじゃま、しまーす……」
扉を開けると、ギィィィイイ、と耳障りな音と共に、少量の埃が頭上に舞い落ちてくる。
それを軽く払うと、またんきは念のために扉を全開にしておいた。
(・∀ ・)「(……生き物の気配は、ないな)」
キョロキョロと辺りを見渡す。
天井は蜘蛛の巣だらけで、埃もかなり被っている。
歩けば白がかった床にまたんきの足跡が残り、ジョルジュが話していた「ユキ」を彷彿とさせた。
46 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 01:34:47.67 ID:bkhfnyWlO
(・∀ ・;)「(……しかし、何だ)」
(・∀ ・;)「(この、本の山は……)」
周りを見回しても、本の山、山、山。
部屋の八割を、本の山が占めていた。
(・∀ ・;)「(本のジャングルだな、こりゃ)」
なるべく本を倒さないように、慎重に歩みを進めていく。
ふと視線を上に上げた時、またんきは目を見開いた。
_,
川 ロ ノロ)リ
(・∀ ・;)「(ひ、人!?」
確かに、吹き抜けの2階の階段に、白髪の老人がそこに居た。
だが老人はまたんきに気づいた様子はなく、頭を振ったり、忙しなく歩き回ったりして、部屋の一つへと入っていってしまった。
47 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 01:41:31.98 ID:bkhfnyWlO
(・∀ ・;)「(…つ、通報されたらどうしよう…)」
男が部屋から出てくる様子はない。
またんきは意を決すると、老人が入っていった部屋へと突き進んでいった。
(;´_ゝ`)「またんきー!何処だー!?」
_
(;゚∀゚)「またんきー!」
lw´‐ _‐ノv「またんきー、オムライスだよー!」
_
(;゚∀゚)「そんなんで釣れるか!つかどっから出したよソレ!?」
一方、兄者達といえば、バイクの修理も終わって出発しようかという時にまたんきの不在に気づき、懸命に捜索を行っていた。
48 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 01:47:44.59 ID:bkhfnyWlO
(;´_ゝ`)「…ったく、あれほど離れるなと小一時間(ry」
lw´‐ _‐ノv「まあまあ落ち着いて」
_
( ゚∀゚)「……こんだけ探していないとなると…」
ジョルジュはぐるりと首を回す。兄者とシューもそれに倣う。
_
( ゚∀゚)「……怪しいのは、アソコだけなんだよ、なあ」
ジョルジュの視線の先には、あの屋敷の影があった。
(・∀ ・)「…………ここは…………」
入った部屋に、老人は居ない。
その代わりに、沢山の本棚と机が出迎えてくれた。
所謂、書斎というやつである。
49 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 01:57:21.37 ID:bkhfnyWlO
やはり此処も埃臭い。
うず高く積まれた本は、いずれも浅学なまたんきには理解出来ないものばかりであった。
_,
川 ロ ノロ)リ
(・∀ ・;)「あっ……」
いつの間にか、あの老人が机に向き合って羊紙皮に一心不乱に何かを書いていた。
(・∀ ・;)「……あ、あのー………」
またんきが声を掛けてもまたも気づいた様子は無く、物凄いスピードで書き込んでいく。
勢い余ってインクが飛び散り、彼の顔や手に付着しようが関係ないようであった。
(・∀ ・;)「お、おいってば」
またんきが再度声を掛け、老人の肩に手を触れようとする。
だが、それは叶わなかった。
50 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 02:03:15.16 ID:bkhfnyWlO
するり。
(・∀ ・;)「なっ……………!」
またんきの手は、文字通り老人の手を『すり抜けた』のである。
ようく目を凝らして見ると、老人は半分透けて見えていた。
(・∀ ・;)「…な、なんじゃ、こりゃ……」
すると、まるでまたんきの声に反応したかのように、老人の姿が掻き消える。
(・∀ ・;)「!?」
今度は、老人は本棚から一冊の本を取り出して読んでいた。
その本も、透けて向こう側が見えている。
またんきは、不思議な気持ちだった。
51 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 02:11:50.43 ID:bkhfnyWlO
(リ川川川
(・∀ ・)「………………」
またんきに学は無いので、老人がどんな本を読んでいるのかは分からない。
(ーリ川川
だが、何かするたびに笑顔になったり、
(リ#川川
足を踏み鳴らさんばかりに怒ったり、
(;リ川川
突然駄々をこねる子供のように泣き出したりと、様々な表情を浮かべる老人を、何ともいえないような、暖かい気持ちで見続けていた。
(;´_ゝ`)「またんき!」
(・∀ ・)「あ、兄者」
_
(;゚∀゚)「おま、呑気な……」
52 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 02:19:22.54 ID:bkhfnyWlO
_
(;゚Д゚)そ「って、オバケー!?」
lw´‐ _‐ノv「あ、本当だ」
(;´_ゝ`)「お前等もうちょいリアクションは無いのか…」
駆けつけてきた兄者達も老人の幽霊の存在に気づいたらしく、三者三様のリアクションを取ってみせる。
_
(;゚Д゚)「オバケって、白昼堂々現れるもんなんだな…」
lw´‐ _‐ノv「あ、ツッコミ所はそこなんだ」
( ´_ゝ`)「…………………」
兄者は何か考えこんでいる様子で、何度も自分の腕を老人の体(?)に抜き差しし、また考えこんでいる。
53 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 02:25:13.75 ID:bkhfnyWlO
かと思いきや、兄者は書斎の中をグルグル歩いて回り、様々な物を物色、もとい漁っていく。
(・∀ ・)「あ、兄者?」
そしてまた暫し沈黙。
( ´_ゝ`)「…成る程、な」
_
( ゚∀゚)「何が成る程なんだ?」
どうやら幽霊に慣れたらしく、幽霊の体をすり抜けさせて遊んでいたジョルジュが兄者に問いかける。
( ´_ゝ`)「この老人はコーリー・エヴァンス、この家の元家主だ」
_
(;゚∀゚)´‐ _‐ノv・∀ ・)「な、なんだってー!(AA略」
54 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 02:33:55.95 ID:bkhfnyWlO
兄者は何も言わずに、三人に一枚の写真を見せる。
_,
[川 ロ ノロ)リ ハ(ロ- ロハハ]
(・∀ ・)「あ、ユーレーの人だ!」
_
(*゚∀゚)「ムッハー!こりゃあイイボインのネーチャンだ!」
lw´‐ _‐ノv「うわぁ…………」
_
( ゚∀゚)「ゴメン」
更に兄者は、額縁に飾られた一枚の肖像画も指差す。
そこには、写真よりも幾分か若い、老人の姿があった。
( ´_ゝ`)「感情は一種の信号だと言われている。
そして、感情は電波として残りやすく、それが一般的に呼ばれるのが幽霊だ」
(・∀ ・)「つまり、このジイさんも……」
55 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 02:41:03.70 ID:bkhfnyWlO
そういう事だ、と言わんばかりに、兄者は頷く。
( ´_ゝ`)「おまけに見ろ」
兄者は本棚から一冊の本を取り出し、開いて見せる。
_,,_
(・∀ ・)「兄者、俺文字読めない」
( ´_ゝ`)「あ、すまんかった」
だが兄者はページを捲るのを止めず、次々に本棚から本を取り出してはページを捲っていく。
_
(;゚∀゚)「………オイ兄者、これってもしかして」
lw´‐ _‐ノv「………日、記?」
そう、兄者が取り出した本は全て、老人の日記であった。
よく見れば、背表紙にナンバーが書き込まれているのが分かる。
56 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 02:48:18.44 ID:bkhfnyWlO
( ´_ゝ`)「この部屋に上がる途中で見つけた本も、全て日記だった。
全部、日記だ。
他人の日記までも見つけた。他人のプライバシーを覗くのがそんなに好きだったのかね」
色とりどりの表紙。
バラバラの大きさ。
これだけ沢山の日記に囲まれながら、老人は何を思ったのだろう。
_
( ゚∀゚)「感情が留まるには、充分って訳か」
そうか、とまたんきは納得した。
心の奥底で感じた不思議な感覚は、きっとこれだったのだ。
57 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 02:54:38.65 ID:bkhfnyWlO
( ´_ゝ`)「もうどうせだから、此処に泊まっちまうか?」 _
( ゚∀゚)ノ「さんせーい!」
lw´‐ _‐ノv「じゃあまず部屋掃除しなきゃ」
(・∀ ・;)「つうか幽霊普通にいるけどいいのか?」
_
( ゚∀゚)「無害なら怖くない!いやっほー!」
( ´_ゝ`)「しかし、これだけの日記があるなら、他にも幽霊が居そうだな」
lw´‐ _‐ノv「お、箒ハケーン」
(・∀ ・)「俺も色々と見てみるよ」
そう言ってまたんきは書斎を出ようとし、ドアノブに触れる。
バチッ!
(>∀ <;)「あいてっ!?」
( ´_ゝ`)「気をつけろよー、静電気結構多いだろうから」
注意が遅いよ、兄者。
58 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 02:56:59.90 ID:bkhfnyWlO
(・∀ ・)TRAVELERSのようです
5話 終わり
59 :
◆GXksSIPk/I :2009/12/14(月) 02:59:06.13 ID:bkhfnyWlO
終わりです。
案外短かったなー。
支援ありがとうございました。
お休みなさい。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/14(月) 03:45:31.05 ID:XgEf0uFXO
さる?
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/14(月) 03:48:46.68 ID:mKyPYH0E0
いや…終わってるじゃん…
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
寝ぼけてたwww
改めて乙