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欧州の経済不安の記事は碌に書いてないのに、
欧州の経済不安をこの程度のコラムで済ませて良いのかｗ

12月18日（金）　北九州版（福岡県）朝刊　7面［経済・総合］
ttp://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/
発信箱：パンドラの箱＝福本容子（経済部）

　人類には２種類しかない。一つはギリシャ人。もう一つはギリシャ人に生まれたかったとうらやむ、その他全員。

　映画「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」で主人公のお父さんが言うセリフだ。一家はギリシャ移民のアメリカ人。
自分のルーツがたまらなく誇りのお父さんは、世界のどんな言葉もギリシャ語に由来すると言い切る。
日本語の「着物」もそうなんだって。

　「ギリシャ発」は確かに多い。あらゆる災いが噴き出す「パンドラの箱」もギリシャ神話だ。
そのパンドラの箱にギリシャ自身がなりかけているから、しゃれにならない。

　国家財政が大ピンチなのである。赤字実態のごまかしもバレて信用はガタ落ち。国債が格下げされ不安が一気に広がった。
ギリシャが破綻（はたん）となれば同じユーロを使う国も揺さぶられる。他の借金大国にも危機は飛び火しかねない。

　パパンドレウ新政権は危機感全開だ。「変革か沈没か」をスローガンに、国民に痛みの覚悟を求め始めた。
政権交代からまだ２カ月ちょっとだけど歳出削減と増税を発表。２０１２年までには借金を減少に向かわせると宣言した。

　そのギリシャより日本の借金はずっと重い。国内総生産（ＧＤＰ）比でギリシャの１１０％に対し、日本は１７０％。
もちろん、二つの国は相当違う。こっちは借りてくるお金が国内に十分ある大国。あんな切羽詰まってない。
とはいえ「中長期的には公的債務残高の対ＧＤＰを安定的に縮減させていくことを念頭に置いて検討を進める」
なんて緩いことを言ってていい？

　破局を意味する「カタストロフィー」の語源もギリシャ語。パンドラの箱が開きませんように、
って祈るだけじゃ破局の女神がほほ笑むよ。