1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理立て
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:04:24.94 ID:JNeLgyRDO
( ^ω^)「空が真っ暗だお・・・」
空は猫が云ふやうに、真っ暗でございました。
じゃり、じゃりと男の歩く音だけが聞こへてをります。
一人と一匹はゆっくりと目的地へ向かふのでありました。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:05:58.95 ID:eED1y6cr0
支援
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:08:07.55 ID:JNeLgyRDO
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:08:27.09 ID:OXR8Q9LpO
('A`)妖怪童貞
( ^ω^)妖怪ピザ
こんなんだと思ったのに
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:11:42.40 ID:IlwHR14gO
まとめ読んだ支援
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:13:16.32 ID:JNeLgyRDO
('A`)「ブーン」
( ^ω^)「お?」
('A`)「お前、人間の男には化けられるか」
猫は少しだけ迷って、頷きました。
空に似た真っ暗の目は瞬きを繰り返してをりました。
( ^ω^)「でも・・・どうして?」
('A`)「坊さんが一人でいると変に思われる場所なんだ」
( ^ω^)「・・・」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:15:49.26 ID:JNeLgyRDO
男がやってみろと言ひ、猫はためらひながらも歩き出しました。
猫の先には一本の木。
其の向こう側を横切ると、大木からは一人の男が現れました。
('A`)「尻尾は出ちまってるが、隠せないことはないな」
( ^ω^)「・・・ドクオ」
('A`)「あ?」
( ^ω^)「怒んないのかお?」
男に化けた化け猫は申し訳なさそうに云ふのでありました。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:20:21.68 ID:JNeLgyRDO
妖怪というのは普通、人には見へないのであります。
しかし、人の魂や躯の一部を食らへばその姿に化けることができ、其の時は人間にも見へるのです。
男は妖怪が人の魂を食らふ事を良く思ってをりません。
猫は其の事を気にしているのです。
('A`)「・・・あのなあ」
男が面倒くさそふに頭をかきました。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:24:43.88 ID:JNeLgyRDO
('A`)「俺はお前の過去を責めようとは思わねえよ」
('A`)「第一、お前はもう人を襲わねえじゃねえか」
( ^ω^)「・・・」
('A`)「違うか?」
( ^ω^)「・・・違くない、お」
猫のその声を聞ひて、男は再び歩き出しました。
数歩遅れて猫が歩き出しました。
空には星が輝ひてをります。
夜は、まだ始まったばかりでありました。
***********************
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:25:55.66 ID:AB14sx/F0
支援
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:30:14.01 ID:JNeLgyRDO
(;^ω^)「す・・・すっごいお・・・」
('A`)「・・・」
猫は小さひながらも驚きの声を出しました。
無理はありません。
辺りには見渡す限りの人、人、人。
紅色の提灯に照らされたせひか、其れらの人は頬を染めてをります。
向こふ側では人だかりができてをりました。
真っ赤な格子が並び、そこから白ひ手がのびる様子は蜘蛛の手を思ひださせるのでありました。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:35:48.51 ID:JNeLgyRDO
(*^ω^)「ドクオ見てあれ!あの女の人すっごく大きいお!」
('A`)「置いてくぞ」
(;^ω^)「あっ待ってくれお!」
男は自分らが目立ってしまわないかと心配してをりましたが、二人はもう十分に目立ってをりました。
片方は坊の格好をした小柄な男。
片方は背が高く、何やらはしゃひだ様子の男。
二人は多くの視線を感じながらもただ黙々と歩き続けました。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:36:01.71 ID:cA42wx8V0
蛇屋が行ったか
次来てまとめまだだったら依頼出そうと思ってた
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:36:08.86 ID:wzUIxfeCO
しえん
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:38:52.63 ID:JNeLgyRDO
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:42:43.06 ID:JNeLgyRDO
(*^ω^)「・・・何か不思議だお」
('A`)「何が」
(*^ω^)「ドクオより目線が高いことだお!何だか面白いお!」
其れを聞ひて男は眉をしかめました。
そして其のまま逆側へ向き直り、歩きだしたのでした。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:47:42.69 ID:B1PSKA75O
支援
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:49:06.87 ID:JNeLgyRDO
(;^ω^)「ド、ドクオ?」
('A`#)「・・・何だよ」
(;^ω^)「・・・怒ってる?」
('A`#)「・・・どうしてそう思う」
(;^ω^)「だって・・・」
猫は自分の眉間を指差しました。
(;^ω^)「ここ、すっごいしわだらけだお」
('A`#)「・・・ああそう」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:53:53.34 ID:JNeLgyRDO
(;^ω^)「何でだお?僕、何かしたかお?」
('A`#)「・・・」
(;^ω^)「はしゃぎすぎたかお?大声出しすぎたかお?それとも・・・」
眉間にしわを寄せたまま男はくるりと振り返りました。
袈裟が微かに音を立てます。
('A`#)「俺が小さいんじゃねえ、てめえがでかすぎるんだ!」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:54:54.06 ID:P3lz6WMAO
これは支援
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:56:59.47 ID:JNeLgyRDO
むすっとした顔のまま男は歩き出しました。
随分と怒った様子で、ずんずんと歩を進めてをります。
猫は困ったような、分からなひような顔をして、しょぼくれながら付ひて行くのでありました。
************************
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 19:59:38.85 ID:JNeLgyRDO
/ ,' 3『・・・噂で聞いたんですがね、女に化けて男の魂を食っている奴がいるらしいんですよ』
/ ,' 3『吉原の松屋という店にいるらしく・・・』
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:02:42.50 ID:JNeLgyRDO
('A`)「松屋・・・ここか」
その店はあまり大きくはござりませんでした。
男は何度も確かめるやうに店を見、格子の向こふ側の女共を見てをります。
猫はまた騒ひでをります。
店に着く頃には男の機嫌も良くなっていたので、猫もいつもの調子を取り戻したのでありました。
('A`)「入るぞ」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:04:15.12 ID:B1PSKA75O
支援
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:07:07.35 ID:JNeLgyRDO
( ^ω^)「分かったお」
するり、のれんをくぐって二人は店へと入りました。
中は格子と同じく、赤ひ色が多く使われてをりました。
壁には蓮の花が描かれ、酷く美しき光景であります。
( ´∀`)「いらっしゃいませ」
店主でありましょうか。
歳をとった男が深々とを辞儀をしてをります。
( ´∀`)「どちらの娘を」
手を伸ばす先には座敷、綺麗な女共がずらりと座ってをりました。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:10:56.55 ID:B1PSKA75O
支援
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:11:47.95 ID:JNeLgyRDO
('A`)「ハインという女はいるか」
( ´∀`)「ハイン、でございますか」
( ´∀`)「・・・少々お待ち下さいませ」
店主が足早に階段を上り、ハインを探しに行きました。
その間男と猫は人目につかぬやう、入り口からは見へない場所で立ってをりました。
またに女共の笑ひ声が聞こへて参ります。
男が坊の格好をしているのに拒否しなひ様子を見ると、この店が金に困っているのは明らかでありました。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:13:57.28 ID:jRD5g1E3O
待ってた!
支援
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:14:06.28 ID:OwVLVVNZO
支援
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:17:06.90 ID:JNeLgyRDO
( ´∀`)「お部屋のご用意ができました。どうぞこちらへ」
************************
( ´∀`)「それでは、ごゆるりと」
ぱたんと襖が閉まると、より一層部屋の中が静かになりました。
中は行灯の淡い光に照らされてをりました。
部屋の真ん中に朱ひ布団が一組置かれ、その近くの襖には椿が描かれてをります。
この部屋も店の入り口同様大変美しいのでありました。
('A`)「ブーン」
( ^ω^)「お?」
('A`)「猫に戻れ。どっかに隠れていろ」
( ^ω^)「お、分かったお」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:20:52.28 ID:P3lz6WMAO
支援
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:22:21.09 ID:JNeLgyRDO
猫がしゃがみこみ一つ息を吸ふと、姿は既に化け猫になってをりました。
それから少し迷い、行灯の後ろに隠れました。
廊下からは足音が聞こへて参ります。
音を立てず襖を開ひたのは、ハインと呼ばれる女でありました。
************************
从 ゚∀从「お客さん、お坊さんなのかい?」
('A`)「格好はな」
口元の紅が上下に動き、声を発してをります。
左目を隠すほどに長ひ髪は黒く、少しだけ覗くうなじは真っ白でございます。
手も同じく白く、其の手は男の首に伸びるのであります。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:26:40.34 ID:JNeLgyRDO
从 ゚∀从「一人法師の三界坊・・・ねえ」
(;^ω^)「ドクオ!ドークーオ!」
('A`)「何だよ」
猫は行灯に隠れたままこそこそと男に話しかけてをります。
どうやら女には聞こえなひやうです。
(;^ω^)「何してんだお!人助けしに来たんじゃなかったのかお!?」
('A`)「息抜きも必要だろう」
(;^ω^)「ドクオ!」
从 ゚∀从「お坊さん、何と話してんだい?」
('A`)「何でもねえよ」
从 ゚∀从「それじゃあさ、」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:31:13.92 ID:JNeLgyRDO
どさり、女が男を抱きしめながら布団に寝転びます。
从 ゚∀从「しようよ。早く」
にこりと微笑んだ女に、男も同じく微笑んだのであります。
('A`)「・・・残念だが、それは無理だ」
从 ゚∀从「え?」
('A`)「俺にはそんな趣味がないんでな」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:35:31.80 ID:jRD5g1E3O
つC
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:36:06.63 ID:JNeLgyRDO
从;゚∀从「何言って・・・」
('A`)「男だろう。お前」
女の笑顔が崩れ、辺りには段々と煙が漂って参りました。
煙がゆらりと揺れ女の姿を消すと、次に現れたのは男の姿でした
(´・ω・`)「どうして分かったんだ?」
('A`)「丸見えだ」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:39:10.75 ID:rRa6OC8pO
支援
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:40:57.31 ID:JNeLgyRDO
('A`)「・・・何故女の姿をしていた」
(´・ω・`)「・・・」
('A`)「答えろ」
(´・ω・`)「・・・僕、女の魂って苦手なんだよね」
(´・ω・`)「辛気くさいって言うか、分かんないかな?」
('A`)「・・・」
(´・ω・`)「その点男の魂は良いね。食べごたえがある。」
(´・ω・`)「僕は男の魂を食べるために女になっていたんだよ」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:46:34.22 ID:JNeLgyRDO
(´・ω・`)「妖怪の見える人間ねえ・・・君も美味しそうだ」
黒ひ目が男の目をとらへています。
('A`)「黙れ」
(´・ω・`)「・・・君に良いことを教えてやろう」
妖怪がにやりと笑ひ、目が糸のやうに細くなりました。
煙は襖の隙間へ流れて行きます。
(´・ω・`)「君は大変な失敗をしている」
('A`)「失敗?」
(´・ω・`)「・・・一つは一人で乗り込んできたことだ」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:51:23.22 ID:JNeLgyRDO
勝算がまるでない、と妖怪が云ひます。
(´・ω・`)「もう一つはね、」
辺りは煙のせひでぼんやりと霧がかかってひるやうでありました。
それを見て、やっと男は妖怪の云おふとしている事を理解しました。
(´・ω・`)「僕が何の妖怪か分かっていないことだよ」
('A`;)「お前まさか!」
男が云ひ終わる前に、妖怪は煙に姿を変え、どこかへ消え去ってしまいました。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 20:56:45.04 ID:JNeLgyRDO
男が乱暴に襖を開けます。
その先には男のいる部屋がいくつも存在し、どこまでも続ひてをりました。
('A`;)「幻術か?」
目の前のもやを消すやうに目をこすります。
しかし現状は変わらず、部屋はどこまでも繋がっているのでした。
('A`;)「くそ・・・煙になって消えやがったな」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:00:20.06 ID:jRD5g1E3O
支援
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:00:40.15 ID:JNeLgyRDO
時折飛んでくる扇子や簪を避けながら男は走ります。
室内には男の声と足音だけが響いてをりました。
まるで世界に一人だけのやうであります。
('A`;)「隠れてんじゃねえよ!閻羅閻羅!出て来い!」
「お坊さんがそんな言葉遣いでいいのかい?」
ひたり。
冷たい手のひらが男の首を伝ってをります。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:01:50.45 ID:wzUIxfeCO
し
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:05:41.81 ID:JNeLgyRDO
冷たひ冷や汗が、妖怪の息を感じてさらに冷たくなりました。
(´・ω・`)「ねえ」
力の限り首を絞められ、男の顔は段々と白くなっていきます。
('A`;)「ぅ・・・ケホッ、ごほっ」
(´・ω・`)「君を置いて逃げても良いけど、それじゃ商売あがったりなんだよね」
('A`;)「ぐ・・・ぅあ」
(´・ω・`)「だからさ、死んでくんないかな」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:06:10.68 ID:wzUIxfeCO
支援
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:09:12.62 ID:JNeLgyRDO
更に締める力が強くなり、男の意識が薄れていきます。
しかし、其の顔は何故だか笑っているのです。
妖怪もその事が気になったやうでありました。
(´・ω・`)「・・・頭でもおかしくなったかい」
('∀`;)「・・・ぅ、ん」
(´・ω・`)「は?」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:11:58.03 ID:wzUIxfeCO
しえん
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:12:50.03 ID:B1PSKA75O
支援
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:14:00.24 ID:JNeLgyRDO
妖怪は男の口元を見つめました。
三日月型の口は確かに何かを発してをります。
確かに、「ぶうん」と。
(´・ω・`)「え・・・」
妖怪が首から手を離したのと、猫が肩に噛みつひたのはほぼ同時でした。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:17:16.30 ID:JNeLgyRDO
(;´・ω・`)「っ・・・化け猫!?」
( ^ω^)「ドクオ大丈夫かお!」
('A`;)「ああ・・・」
猫のぎらつく目に見つめられ、妖怪は後ずさりをしました。
肩からは押さへた指の間から血が流れてをります。
男も荒ひ息をしながら妖怪を見つめてをりました。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:19:16.37 ID:wzUIxfeCO
しえ
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:22:15.62 ID:JNeLgyRDO
(;´・ω・`)「チッ、」
('A`;)「無駄だ」
蝶が描かれた着物を翻し、妖怪が煙に姿を変へました。
しかし其の煙が一ヶ所だけ赤く染まっていたので、見つけるのはたやすく、猫は妖怪の首に噛みつひたのでした。
(;´・ω・`)「いっ・・・あ」
どさりと音をたてて妖怪が倒れます。
畳が少しばかり揺れました。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:25:39.14 ID:JNeLgyRDO
('A`;)「もう逃げられねえな」
畳が血で染まってをりました。
気持ちの悪ひ臭いが広がり、男は顔をしかめています。
('A`)「・・・一体どれだけの人間を殺した」
(;´・ω・`)「覚えてないね。数えた事もない」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:29:06.05 ID:JNeLgyRDO
(;´・ω・`)「・・・殺すのか、僕を」
('A`)「・・・」
(;´・ω・`)「なら早くしろ」
('A`)「・・・たしかにお前がした事は許せねえ」
('A`)「だがこっちにも色々あんだよ」
男は、猫が聞いた時のやうに面倒くさそふに頭をかきました。
('A`)「もしお前が死にたくないんなら・・・もしよかったらだけどよ」
************************
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:30:58.97 ID:wzUIxfeCO
し
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:33:45.09 ID:JNeLgyRDO
鳥が鳴ひているのが聞こえてをります。
空はもう明るく、夜は明けてをりました。
朝でござひます。
猫は忙しく走り回り、早く早くと男を急かしてをります。
影は小さいのと大きいのが二つ動ひてをりました。
それと、もう一つ影が。
( ^ω^)「ドクオ!早く行くお!」
('A`)「走ると転ぶぞ」
(´・ω・`)「・・・君達はいつもこんな調子で旅をしているのかい?」
('A`)「割とな」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:34:56.93 ID:c8JUk8f/O
しえ
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:38:17.39 ID:JNeLgyRDO
閻羅は不思議そうな顔をして一人と一匹を眺めてをります。
( ^ω^)「でもどうしてドクオはショボンを仲間にしたんだお?」
猫がくるくる回りながら尋ねます。
そのため三本の尾が行ったり来たりして、男が目を回しそうになるのでした。
('A`)「二人じゃ少し少ないと思ったんでな。ただ、普通に仲間になれと言っても誰もなんねえだろ」
(´・ω・`)「そこで、ゆすれる相手が僕だったと」
('A`)「そうだ」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:41:03.41 ID:jRD5g1E3O
支援です
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:43:56.00 ID:JNeLgyRDO
(´・ω・`)「・・・でもさあ」
( ^ω^)「お?」
(´・ω・`)「この格好のままじゃなきゃ駄目なのかい?」
閻羅が纏ふのは、松屋でも着てひた女物の蝶柄の着物でありました。
('A`)「今までの罰だ」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:54:57.81 ID:JNeLgyRDO
(´・ω・`)「着物くらい買ってくれたって良いだろう」
('A`)「坊さんが着物買ってたら変だろうが」
(´・ω・`)「吉原にはそのまま入ってきたくせに・・・」
('A`)「何か言ったか」
(´・ω・`)「はいはい言ってませんよ」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 21:58:38.25 ID:c8JUk8f/O
支援
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:00:20.00 ID:JNeLgyRDO
( ^ω^)「じゃあ僕が買ってくるお?」
('A`)「まだ完全に化けられないくせに何言ってんだ」
(#^ω^)カチン
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:03:09.82 ID:JNeLgyRDO
(#`ω´)「もういいお!ドクオのばーか!」
どうやら猫は腹が立ったらしく、ずんずん進んでいきます。
それを見て少しだけ笑って、男は旅を再開させるのでありました。
第二幕 終わり。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:04:54.20 ID:c8JUk8f/O
乙
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:11:41.74 ID:JNeLgyRDO
支援などありがとうございました。
今日の投下はこれで終わりにしようと思います。
ありがとうございました。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:16:30.06 ID:OwVLVVNZO
乙
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:17:58.93 ID:jRD5g1E3O
乙カレーです
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:19:04.98 ID:q8zVQf18O
>>1まだいる?
初めて遭遇したもんだからわからんのだが、よくわからん文体は仕様か?
曖昧で読み辛い
話が悪くない分もったいないぞ
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:24:42.27 ID:JNeLgyRDO
>>71 すいません、仕様です。
古風目指してたんだけど、自分でも何か違うと思うし、評判悪すぎだし
やめたほうがいいかな?
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:29:24.50 ID:q8zVQf18O
うん、変だ
要はなおし方がわからんのか、
>>1は
俺でいいなら簡単に言うけども、どうしたい?
別に一昔前の文体はいいと思うよ
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:32:08.89 ID:2VnXhmFy0
乙、面白かった!
別に読みづらいとは思わなかったよ
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:32:19.86 ID:Q6zqAPzpO
おもすれー
乙
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:32:49.96 ID:JNeLgyRDO
やっぱり諦めたくないので、指摘等して頂けるのであればお願いします。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:39:43.15 ID:q8zVQf18O
おk
まず、「い」「う」が、全部「は」「ふ」に変わるわけじゃない
例えば、「言う」だったら元は「言ふ」なわけだ
だから「言うのでした」が「言ふのでした」に変わることができる
ただ、「輝く」とかいうのは元から「輝く」なんだから、
「輝いてます」は「輝ひてます」にはなれないんだ
だから、「〜ではない」も元が「なふ」という語じゃないから
「〜ではなひ」にはなれない
ここまでいいか?
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:41:06.17 ID:lEzKRa+g0
その文体に強いこだわりを持ってるのなら変えずにもっと練習したら良いと思う。
それほどでもないなら普通に書いた方が読みやすいし評判は良くなると思う
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:44:36.78 ID:LFRqnfNG0
応援してるぜ
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:45:13.80 ID:JNeLgyRDO
>>77 ありがとうございます。
とても分かりやすいです。
>>78 了解です。
もっと勉強します。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:46:32.37 ID:c8JUk8f/O
まず、擬古文を目指したいのなら、古文単語や古文文法をしっかりと学んだ方がいい。
特に単語。何でも歴史的仮名遣いにすれば良い訳じゃない。
古文単語でも、「い」や「う」を使った物は沢山ある。
高校でもやるような簡単なものだし、ネットで調べればすぐに出てくるから。
それと、擬古文を使った地の文なら小説を読むだけでも参考になるはず
鴎外の舞姫とか、擬古文とはいえ言語は同じ日本語なんだから、読んで慣れるのも手かと。
もしもしから長々失礼
頑張れ
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:47:17.32 ID:q8zVQf18O
とりわけ、「見る」とかは元が「見ゆ」だから、
「見える」とかは「見へる」とせずに、「見える」で大丈夫
次は、「〜しています」だけど、
これは「〜しながら、そこにいる」
って意味だから、「〜してゐます」になるんだが、
これはそのままでいいかも知れん
「をり」はいいと思うぞ
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:49:41.80 ID:2VnXhmFy0
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:50:48.83 ID:q8zVQf18O
俺ばっか連投すまん
>>81の言うとおりだな
大正あたりの小説とか読むと勉強になる
あとは推敲するだけだな
見落としは否めないが……
「でしょう」が「でせう」になったりとかなー
慣れるのは難しいががんばれ
応援するぞ
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:55:42.57 ID:q8zVQf18O
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:56:09.32 ID:JNeLgyRDO
>>81 ありがとうございます。
小説読んでみます。
>>82 分かりやすい説明ありがとうございます。
指摘ありがとうございました。
あと乙してくれた人達もありがとう。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 22:56:28.03 ID:c8JUk8f/O
もしくは文の調子はそのままに、仮名遣いだけは現代に変えるってのもありじゃないか?
作者のこだわりならそれを突き詰めた方がいいが、意外と雰囲気は出るもんだ。
特に漱石とかの文章はかなりそういったのが多いな
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/11(金) 23:04:55.61 ID:JNeLgyRDO
>>84 ありがとう。
頑張ってみます。
>>87 もっとちゃんと学んでみて、それでもグダグダだったら考えてみます。
ありがとうございました。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
文章の雰囲気が好きなのでこのまま頑張って欲しいな