1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 19:26:51.47 ID:JclOvXHzO
バカにしやがって
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 19:28:56.96 ID:1+mbPv2QO
時代は江戸でござります。
町には人々の声が響きわたり、活気に溢れてをりました。
そこを一人の男と猫が連れ立って歩ひてをります。
男は坊の格好をしてをり、又猫は人には見えなひのであります。
を聞き頂くは旅のを話。
勿論主役は、この坊でございます。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 19:31:52.02 ID:1+mbPv2QO
('A`)妖怪達のようです( ^ω^)
第一幕
面白そう支援
この調子で話書くのは楽しいだろうけど大変そう…
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 19:34:34.45 ID:s5ygMZZmO
wktk支援
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 19:35:50.30 ID:1+mbPv2QO
木々のざわめく声と町の人々の声とが混ざり合う頃。
男と猫は歩ひてをりました。
( ^ω^)「ドクオ、次は何処へ行くんだお?」
('A`)「・・・決めてない」
( ´ω`)「何だお・・・つまんないお」
猫は少しばかり不服そうでござひます。
地面を蹴る足も、砂を引きづってひます。
もちろんこの声も男以外の人間には聞こゑてをりません。
まわりの人々には、男は独り言を言っているやうに見えてひるのです。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 19:37:26.73 ID:krA7JUvIO
支援する
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 19:39:10.10 ID:1+mbPv2QO
('A`)「あと、あまり話しかけるな」
( ^ω^)「お?何で・・・」
井戸のまわりの女共はぢろぢろ目を動かし、噂話に花を咲かせます。
男が睨みつけるとそそくさと家の中へ逃げて行きました。
(;^ω^)「・・・わかったお」
('A`)「・・・」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 19:41:32.98 ID:JO4JEnHYO
こういうのすき
支援
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 19:43:14.08 ID:1+mbPv2QO
藍色の袈裟を纏う男は黙々と歩き続けてをります。
行くあての無き旅と言ふのは誰だって退屈なものでござります。
この猫とて例外ではありませんでした。
しかし男は一度たりともその様な言葉を漏らしたことはござひません。
それに笑ふことも滅多に無く、常に無表情でありました。
猫にとってこの男の心内は難解です。
しかし自分と男との出会ひを考ゑれば、これの優しきことは明らかなのでした。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 19:47:13.52 ID:1+mbPv2QO
( ^ω^)「お?」
猫が何かに気が付ひたやうです。
視線の先をたどってみれば、そこには一人の少年。
いや一匹と言ふべきでしょうか。
少年の頭の上には皿があり、傷だらけのうゑ纏ってひる衣服もボロだらけ。
男も猫と同ぢくぢっと見やり、をいと声をかけます。
_
( ゚∀゚)「・・・何だよ」
辺りを見回しても、少年を見ている者は他にはをりません。
やはり妖怪の類のやうです。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 19:50:52.57 ID:1+mbPv2QO
('A`)「何をしてる」
_
( ゚∀゚)「お前、人間のくせに俺が見えんのか?」
( *^ω^)「そうだお!ドクオは妖怪が見える人間なんだお!」
('A`)「・・・何があったんだ?」
_
(#゚∀゚)「・・・お前には関係ない」
少年はふいとあちらを見てしまひました。
猫は慌てた様子で、男と少年とを交互に見てをります。
カッパー・フィールド!!!
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 19:56:52.78 ID:1+mbPv2QO
('A`)「・・・ここから少し離れた所に丘がある」
( ^ω^)「?」
('A`)「その向こうに少し歩くと、式尼という村がある」
_
(;゚∀゚)「え、え?お前何で知って」
('A`)「たしかそこには河童が住んでいたな」
_
(;゚∀゚)ビクッ
('A`)「・・・お前が言わないならそこに行ってお前の仲間に事情を聞くが」
_
(;゚∀゚)「きっ、汚ねえぞ!」
('A`)「どうする?」
_
(#゚∀゚)「・・・」
_
(#゚∀゚)「分かったよ!分かったから村には行くな!」
( *^ω^)「おおっ!」
少年は不服そうに事の成り行きを説明し始めました。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:00:57.07 ID:s5ygMZZmO
支援
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:01:06.41 ID:1+mbPv2QO
少年は不服そうに事の成り行きを説明し始めました。
_
( ゚∀゚)「これはちょっと叱られたんだよ・・・長に」
( ^ω^)「長?」
_
( ゚∀゚)「俺達の集まりで一番偉い・・・なんつうか河童の神様みたいな奴だよ」
('A`)「なんでそいつに叱られたんだ?」
_
( ゚∀゚)「・・・まだ一人前じゃないのに畑を荒らしたから・・・」
('A`)「だろうな」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:05:17.47 ID:1+mbPv2QO
少年は一層嫌そうな顔になりました。
猫はもっともらしくうんうんと頷き話を聞ひてをります。
河童と言ふものは、人間の尻子玉を食べてから人に見ゑるやうになるのです。
それが古くからの風習である事、この少年が人に見ゑてはいない事を男と猫は知ってをり、気付ひてをりました。
_
(;゚∀゚)「で、でもこれは仕方なかったんだ!」
('A`)「・・・どうして」
_
(;゚∀゚)「だって・・・」
_
( ゚∀゚)「・・・」
_
( ゚∀゚)「・・・母ちゃんが」
_
( ゚∀゚)「病気なんだよ、母ちゃんが」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:06:06.27 ID:rDb91P1JO
おもろ支援
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:08:48.61 ID:1+mbPv2QO
_
( ゚∀゚)「薬を買うためには沢山の野菜がいるんだ」
_
( ゚∀゚)「でも俺の手伝い分じゃ薬が買ってやれなくて・・・」
( ^ω^)「・・・お」
('A`)「じゃあ悪いのはお前だな」
_
(;゚∀゚)「・・・!だって!」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:13:08.16 ID:1+mbPv2QO
('A`)「人間に見えなければ沢山野菜が盗めるかもしれない」
('A`)「でもそしたら百姓が困るだろう」
_
(;゚∀゚)「う・・・」
('A`)「違うか?」
_
( ゚∀゚)「・・・違く、ない」
('A`)「よし」
( *^ω^)「それじゃあお仕事だおね!?ドクオ!」
('A`)「ああ。お仕事だ」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:18:00.28 ID:1+mbPv2QO
_
(;゚∀゚)「し・・・仕事?」
( *^ω^)「そうだお!ドクオは困ってる妖怪を助ける旅をしてるんだお!」
( *^ω^)「ね!ドクオ!」
('A`)「この格好してたらそうせざるをえねえからな」
_
(;゚∀゚)「助けるって・・・何を」
('A`)「お前だよ」
河童の少年をひょいと持ち上げ、男は歩き出しました。
向かうのはあの村でございます。
その事に気が付いた河童は、必死に男の肩から降りようともがきます。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:20:25.86 ID:wa/xLrrOO
文体はちゃんとそろえた方がいいと思うぞ
支援支援
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:23:10.86 ID:1+mbPv2QO
_
(;゚∀゚)「何だよ!下ろしやがれ畜生!」
('A`)「ブーン、お前先行って様子見てこい」
( ^ω^)「了解だお!」
_
(;゚∀゚)「ちょっと待てよ!村には行かねえって言ったじゃねえか!」
('A`)「五月蝿いなお前・・・おいブーン」
( ^ω^)「お?」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:26:28.51 ID:1+mbPv2QO
('A`)「やっぱ代われ。こいつ重い」
( ^ω^)「わかったお!」
河童は片手でひょいと投げられ、大きくなった猫の背へ収まりました。
猫の毛の感触に驚いたのかきょろきょろ辺りを見回してをります。
虎ほどでしょうか、巨大化した化け猫は薄ひ紅の色をした尾を揺らめかせてをりました。
男が先を歩き、それを追う化け猫、その化け猫に乗る少年。
端から見れば奇妙でありましたが、猫等が見える者などここにはいないのでした。
この男を除ひて。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:29:45.92 ID:4gC9tBzYO
し江ん
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:31:15.94 ID:1+mbPv2QO
*************************
('A`)「・・・どんな調子です」
「はい・・・左のわき腹が痛く、吐血をしばしば・・・」
('A`)「そうですか、」
少年の母は咳をしながらも男の問に答ゑます。
しわや白髪の多いその姿は歳よりも老け込んで見ゑてします。
暗い穴蔵に住むせひで陽もろくに浴びられず、病は母親を笑ひながら蝕むのでありました。
_
( ゚―゚)「・・・」
少年は心配そうに見つめてをります。
心細ひのでありましょう。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:37:11.49 ID:1+mbPv2QO
男は穴蔵の中を観察しているやうでありました。
中には少しの野菜と、欠けた茶碗が2つ、衣服は母親と少年のものが一着ずつ。
二人で暮らしているのでしょう。
男は父親の事は聞こふとはいたしませんでした。
( ^ω^)「どうだったお?」
('A`)「暗くて狭くて怖かった」
( ^ω^)「穴の事じゃなくて・・・」
_
(;゚∀゚)「おい兄ちゃん!」
('A`)「あ?」
_
(;゚∀゚)「母ちゃんの具合どうなんだ!教えてくれよ!」
('A`)「・・・」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:41:14.52 ID:4OeXC3Eu0
文語調にするなら全体をある程度きれいに揃えろよ
有りますとか居ますとかゐますとか
古い言葉を少しちりばめるとか
統一されてないからなんだか厨二臭がする
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:41:45.59 ID:1+mbPv2QO
('A`)「俺は医者じゃねえから詳しくは分かんねえが、思い当たるのはある」
_
(;゚∀゚)「治んのか!?」
('A`)「分からん」
_
( ∀ )「そんな・・・」
('A`)「・・・ただ、薬はあるかもしれねえ」
_
(;゚∀゚)「く、薬?」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:45:01.80 ID:1+mbPv2QO
( *^ω^)「モララーのとこに行くのかお?」
('A`)「ああ」
_
(;゜∀゜)「モララー・・・?そいつ医者なのか?」
('A`)「うん。兼俺のパシリな」
_
(;゜∀゜)「パシ・・・」
( *^ω^)「早く行くお!行くお!」
('A`)「分かってるよ」
_
( ゜∀゜)「・・・俺も、連れてってくれ」
('A`)「・・・分かった」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:48:11.60 ID:tvHw1JNmO
指摘やアドバイスは投下後にしてほしいな
支援
( *^ω^)「モララーのとこに行くのかお?」
('A`)「ああ」
_
( ゚∀゚)「モララー・・・?そいつ医者なのか?」
('A`)「うん。兼俺のパシリな」
_
(;゚∀゚)「パシ・・・」
( *^ω^)「早く行くお!行くお!」
('A`)「分かってるよ」
_
( ゚∀゚)「・・・俺も、連れてってくれ」
('A`)「・・・分かった」
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:51:39.89 ID:1+mbPv2QO
_
(;゚∀゚)「あっ!か、母ちゃんに言ってくる!」
('A`)「先行ってるぞ」
_
( ゚∀゚)「分かったー!」
走る少年を横目に、一人と一匹は歩き出しました。
向かう先は山の奥、診療所でござります。
************************
小屋の中には全身真っ白の男が椅子に座ってをりました。
床を見、戸を見。
床を見、戸を見。
そわそわしながら何かを待っているやうです。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:53:39.17 ID:1+mbPv2QO
( ・∀・)「病人病人・・・」
(・∀・ )「仕事仕事・・・」
( ・∀・)「・・・うーん」
(;・∀・)「・・・仕事がない」
(;・∀・)「今月に入って来た病人は0」
( ∀ )「ヤバいぞこれは・・・」
( ;∀;)ブワッ
( ;A;)「そそそそもそも僕には向いてなかったんだ!」
( ;A;)「もうやめる!ヒック、ももももう、こんなのは嫌だ!」
( うД;)「きょきょきょきょう病人が来なかったら、ヒック、医者なんかやめてやる!」
コンコン( ´Д⊂)ビク
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:54:20.74 ID:wa/xLrrOO
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:55:34.98 ID:1+mbPv2QO
(・Д・ )「・・・びょ」
(;∀; )「病人!!」
(う∀∩ )ゴシゴシ
(・∀・*)三「い、今行きますぅ!」
ガチャ('A`)(・∀・*)
「よう」('A`)(・∀・ )
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:58:20.98 ID:4gC9tBzYO
しゑん
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 20:58:48.47 ID:1+mbPv2QO
三( ;∀;)「病人じゃなかったあああああ!」
('A`)「悪かったな。勝手に入るぞ」
( *^ω^)「入るおー」
_
(;゚∀゚)「お邪魔します・・・」
( ;Д;)「何で病人じゃないんだよ・・・」
しえしえ
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:01:40.65 ID:1+mbPv2QO
( うД∩)「世界中が病人で溢れればいいのに・・・」
('A`)「その発言医者として問題あるぞ」
('A`)「それから、俺は病人の代わりに来たんだ」
( ・Д・)そ
( ・Д・)「じゃ、じゃあ・・・」
('A`)「仕事ができたな」
(*・Д・)「え・・・え、嘘!?僕に仕事が・・・」
(*・∀・)「やったあああああ!!」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:04:21.67 ID:1+mbPv2QO
('A`)「うるせえ奴だな。薬がほしいんだ」
(*・∀・)「症状は!?」
('A`)「左わき腹が痛いんだと」
(*・∀・)「わき腹?」
('A`)「血も吐くらしい。あと首の後ろに発疹ができていた」
(*・∀・)「左わき腹の痛み、吐血、発疹・・・と」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:06:45.60 ID:1+mbPv2QO
( ^ω^)「何の病気か分かるかお?」
( ・∀・)「一応な。でも薬は待ってくれ、薬草が手に入らない。すいません頑張りますからお願いします待って下さい」
_
(;゚∀゚)(本当に気持ち悪いくらい腰が低い・・・)
('A`)「な?パシリって言ったろ?」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:09:55.88 ID:cH/CgVTtO
しえしえ
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:11:19.56 ID:1+mbPv2QO
('A`)「どれ位かかる?」
( ・∀・)「早くて二週間くらいだと思う」
('A`)「そうか。薬は式尼の村に運んでくれ」
( ・∀・)「分かった」
('A`)「頼んだぞ」
少しばかり埃のつひた戸を押し、一人と二匹が外へ出ました。
************************
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:14:35.93 ID:1+mbPv2QO
_
( ゜∀゜)「・・・」
山を下りる道すがら、河童は一言も喋ろうとは致しませんでした。
森には川のせせらぐ音や葉の擦れる音、一人と二匹の歩む音以外は聞こゑません。
('A`)「・・・」
_
( ゜∀゜)「・・・」
('A`)「おい」
_
( ゚∀゚)「・・・」
山を下りる道すがら、河童は一言も喋ろうとは致しませんでした。
森には川のせせらぐ音や葉の擦れる音、一人と二匹の歩む音以外は聞こゑません。
('A`)「・・・」
_
( ゚∀゚)「・・・」
('A`)「おい」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:18:10.53 ID:1+mbPv2QO
_
(;゚∀゚)「な、何だよ」
('A`)「何つうか、その、気にすんなよ」
_
( ゚∀゚)「・・・」
('A`)「気にすんなって言うのも無理だと思うけど・・・その、元」
( ^ω^)「元気出すお!」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:20:59.64 ID:Vd0iIRI3O
しえん
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:22:54.26 ID:1+mbPv2QO
_
( ゚∀゚)「え・・・」
( ^ω^)「ブーン達がついてるお!きっと、いや絶対お母さんの病気は治るお!」
( ^ω^)「・・・だから元気出すお」
_
( A )「う・・・」
_
( ;A;)「うん・・・」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:26:41.72 ID:1+mbPv2QO
_
( ;A;)「元気になるんだよな?か、母ちゃん、大丈夫だよな?」
( ^ω^)「もちろんだお!」
('A`)「・・・」
_
( ;A;)「ありがどお・・・」
( ^ω^)「涙をふくお!泣くと体が疲れちゃうお!」
_
( ;A;)「あう・・・ひっく」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:27:11.00 ID:pHSDcCzQO
しえ
ドクオが泣いてるかと思った支援
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:30:24.72 ID:1+mbPv2QO
( ^ω^)「お?ドクオ何か言いたそうな顔してるお。どうしたんだお」
('A`)「いや・・・何でもねえ」
***********************
薬が届くまでの間坊達は魚を釣ったりなどして過ごしてをりました。
言っても、河童や化け猫は魚を食うことはできません。
なのでそれらの大半は生きたまま川に流し、他は坊が食ふのでありました。
('A`)「この魚は?」
_
( ゚∀゚)「これは・・・食えねえな」
( *^ω^)「おっおっお!お魚が沢山だお!」
_
( ゚∀゚)「・・・」
('A`)「どうした」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:34:48.42 ID:1+mbPv2QO
_
( ゚∀゚)「・・・もうすぐ二週間だから」
('A`)「・・・」
竿を置ひた男の手は、そのまま河童の頭を撫でました。
撫で方こそ乱暴ではありました。
しかしそれは温かくやわらかかったので、誰も何も言をふとは致しませんでした。
そんな時です。
「ドクオ!」
どこか嬉しそうなその声は、あの山奥に住む医者の物でありました。
( ・∀・)「薬!できたぞ!」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:38:15.77 ID:1+mbPv2QO
***********************
( ・∀・)「ゆっくり飲んで」
「はい・・・」
欠けた茶碗には灰色に濁った水。
医者の作った薬でござります。
河童の母親はせき込みながらも、必死に飲もうとしてをりました。
時たま茶碗の端からこぼれる水が、地面の土を色濃くしてゆきます。
( ・∀・)「・・・飲み切れましたか?」
「はい、ありがとうございます」
( ・∀・)「この薬でわき腹の痛みはある程度引くでしょう。問題は吐血ですが・・・」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:39:41.66 ID:CiI0aRS70
これ支援しとこう
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:40:32.12 ID:2indPsR8O
支援
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:42:07.50 ID:1+mbPv2QO
河童はづっと穴蔵の入り口からその様子を見つめてをりました。
中から医者が出てきますと、焦るやうに、しかしそれを恐れるやうに母の様子を聞ひたのです。
_
(;゚∀゚)「母ちゃんは大丈夫なんですか!?」
( ・∀・)「あの薬を飲んで、ちゃんと栄養のあるものを食べれば大丈夫だろう」
_
( ゚∀゚)「あ・・・」
_
( ∀ )「あ、あり」
_
( ;∀;)「ありがとうございます!!」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:49:26.78 ID:1+mbPv2QO
はたりはたりとこぼれた涙が、足元の草に粒を作りました。
************************
/ ,' 3「この度は私共の村の者に御世話をしていただいたと・・・」
('A`)「そう大それた事はしていません」
/ ,' 3「いえいえ。この村であの病にかかった者は一人として助からなかった。あなた様は神様のようです」
真っ白で長ひ髭をたくわえた男は長と呼ばれる者でござります。
坊は村の長の家へと呼ばれたのでありました。
木目の広がる床からは、木の香りが漂ひます。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:53:20.99 ID:1+mbPv2QO
/ ,' 3「そこで少なくはありますが、これを」
長の差し出した籠には、山のやうに野菜が積まれてをりました。
どうやら式尼と呼ばれるこの村で作った野菜のやうです。
('A`)「俺達が勝手にやった事です。それにやった事と言えば医者を紹介しただけ・・・戴くわけには」
/ ,' 3「しかし、こちらの気がおさまりませぬ」
('A`)「・・・それなら、」
************************
( *^ω^)「あっドクオ!お帰りなさいだお」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 21:59:13.46 ID:1+mbPv2QO
('A`)「おう」
式尼の村から出る道の始め、そこで化け猫は待ってをりました。
春の穏やかな風が草木を揺らします。
男の髪や猫の毛も同様にふわりと浮き、髪はうなじへ、毛は背へと戻るのでありました。
( ^ω^)「何の話してたんだお?」
('A`)「ああ・・・」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 22:03:35.00 ID:1+mbPv2QO
('A`)『・・・それなら、何か困っている妖怪はいませんかね』
/ ,' 3『困っている?』
('A`)『ええ。人助けをしながら旅をしているんです』
/ ,' 3『・・・噂で聞いたんですがね』
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 22:07:47.53 ID:CiI0aRS70
支援
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 22:08:50.55 ID:1+mbPv2QO
('A`)「話はあんましなかったなあ」
( ^ω^)「そっかお」
小川では小魚の群れがはねてをりました。
平和な日でござひます。
( ^ω^)「あのお母さん、病気なおってよかったおね」
('A`)「ああ」
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 22:14:23.96 ID:1+mbPv2QO
( ^ω^)「・・・ドクオ」
('A`)「何だ」
( ^ω^)「モララーにお薬代払わなくて良かったのかお?」
('A`)「いんだよ、あいつ気付いてなかったし」
( ^ω^)「お・・・」
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 22:18:19.81 ID:CiI0aRS70
支援
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 22:18:37.36 ID:1+mbPv2QO
('A`)「そうだ、次行くとこ決まったぞ」
( *^ω^)「本当かお!どこどこ?どこだお?」
('A`)「吉原」
( ^ω^)「よしわら?」
('A`)「ああ、知らねえならいいけど」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 22:20:33.37 ID:1+mbPv2QO
( ^ω^)「よしわら・・・よしわらかお。分かんないけど、楽しみだお!」
('A`)「・・・まあ期待を持つのは自由だからな」
( ^ω^)「お?」
一幕 終わり。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 22:24:16.14 ID:CiI0aRS70
乙
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 22:25:43.24 ID:1+mbPv2QO
一応投下は終了です。
支援、指摘などありがとうございました。
今度はもっとちゃんと学んでからにしようと思います。すいませんでした。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 22:31:28.37 ID:aaJXstZvO
乙
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 22:33:04.71 ID:0lalhVklO
乙
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 22:56:02.19 ID:yVmHkKjSO
乙
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 23:18:01.68 ID:eiA68KOF0
乙
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 23:36:13.60 ID:GIu4D+sAO
続き待ってるよ
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 23:58:45.26 ID:vNBUeXhuO
乙
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙