1 :
代理:
今日は月がきれいだ・・・・・・。
では、作者さんお願いします。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:19:14.65 ID:+pXmm5pZO
ではでは投下します
ブーン系初チャレンジでwktk
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:21:26.89 ID:+pXmm5pZO
終わりは突然に訪れた。
いや、考えてみれば所々に種々様々の綻びは出ていたし、第一あんな自堕落な生活を送っていれば自然と終わりも見えてくる。
現に僕は家を出るために必要な物を全て揃えていた。
頭から爪先までド底辺の両親達は今頃は解体されて内臓を取り出されている頃だろうか。
良い気味だ。
( ゚∀゚)「ほら、泣くなって」
妹は顔を汗と涙と鼻水でしとどに濡らして嗚咽を洩らしている。
从 ;∀从「だって、だって」
阿呆の様に同じ言葉を繰り返しながら、しゃくりあげながら、哀れな妹は反論をしようと躍起になっている。
世話をされなかったが為にボサボサに伸びきった色素の薄い髪はゆさゆさと揺れ、その哀れさを助長しているようであった。
( ゚∀゚)「戻ったら殺されるか、薬物の臨床用に飼われるんだぜ?」
从 ;−从「…」
( ゚∀゚)「おっと、殺されるにしても、体から臓器をゆっくりと取り出しながらだな」
从 ;Д从「ああぁぁ…!」
妹は更に顔を崩した。
涙も汗も、相変わらず滂沱の如く妹の顔を流れ落ちている。
( ゚∀゚)「そう悲観するな、大丈夫さ」
気休めではなく、僕は言った。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:26:06.05 ID:+pXmm5pZO
( ゚∀゚)「目を閉じてごらん」
从 ;∀从「?」
( ゚∀゚)「ほら、良いからさ」
从 -∀从「うん…」
妹が瞼を閉じたのを確認すると、僕は先ほど持ち出したバッグに手を突っ込んだ。
そうして一センチほどに膨らんだ封筒を取り出した。
( ゚∀゚)「目を開けて」
从 ゚∀从「うん」
妹は封筒が何なのかが分からないようだった。
( ゚∀゚)「よっと」
此処は雰囲気で普通分かるものだが、無知な妹は少しも察する事が出来なかったらしい。
なので、僕は一万円の束を封筒から取り出した。
从*゚∀从「わぁ、凄い!」
( ゚∀゚)「ふふふ、先ずはホテルで体を綺麗にしようぜ」
妹は無垢に笑っている。
どうして、僕がこのお金を持っているのかも考えずに。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:27:06.41 ID:nZBWk2OlO
支援
支援
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:29:33.82 ID:+pXmm5pZO
お金を盗むのは簡単だった。
駅ってのは逃げてしまえば捕まらないし、祭りに財布を気にしている奴も居なかった。
それに、仮に犯人として割り出されたとしても家には大量の借金があった。
僕が嘘を吐けば捕まるのは両親だ。
そう言った言わば捨て身の覚悟で集めたお金がこの封筒の中身なのだ。
从*^∀从「ふふふ」
決して笑えたものではないお金である訳なのだが、妹はそこまで頭が回らない。
( ゚∀゚)「ほら、そろそろ行くぞ」
僕はそう言って掌を差し出し、そこに重ねられた掌を感じると真っ直ぐに歩き始めた。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:31:51.92 ID:+pXmm5pZO
「あんた馬鹿じゃないの!」
「うるせぇ!」
「うるせぇとは何よ、ほんとの事じゃない!」
「てめぇだってブランド品買い漁ってんだろが!」
「あんたと違って、きちんと形に残るものを買ってるわ!」
「黙れよクソアマ!」
「あんたこそ黙んなさいよ、この甲斐性無しのクズオが!」
またか。
そう思い目を瞑る。
これが終われば父は僕を殴りに、母は妹を殴りに来る。
産まれてから一度として親からの愛を感じたことはない。
赤子の時は母方の実家で祖母に育てられた。
むしろ、愛と言うものを僕はそこでしか感じたことが無いかもしれない。
一体僕は何のために生きているのだろうか。
誰か答えられるならさっさと答えて欲しい。
そんな事を考えていると、早くも喧嘩が終わったようであった。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:33:49.66 ID:+pXmm5pZO
从 ;Д从「やぁ!やめて!」
鈍い音が谺する。
妹への暴力が一足先に始まった。
「…」
ゆらゆらと、まるで夢遊病者か何かの様に父が近づいてくる。
既に習慣となったそれに警戒して身構える。
( ゚∀゚)「あ?」
ところが父は僕には一瞥もくれずにそのまま通りすぎてしまった。
こんな事は初めてであった。
( ゚∀゚)「殴らねぇのかよ!」
「せぇな、殴られたいのか?」
振り返った父の顔には精気がまるで無かった。
脂汗もかいているし、目も気だるそうに落ち窪んでいて、そうとう切羽詰まっているようだった。
そして父は少し僕を睨むとすぐにまた歩き出してしまった。
( ゚∀゚)「どういう事だ?」
聞こえた鈍い音にハッとする。
僕は、向こうで虐待されているであろう妹の身を案じてすぐに動き出した。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:35:20.70 ID:+pXmm5pZO
「この…!この…!」
息を荒げながら母が拳を振るっている。
虐げられているのは妹だと言うのに、何故だか余裕が無いのは母の方に思えた。
父と言い、母と言い、今日は何処かおかしい。
( ゚∀゚)「ん?」
聞き覚えの無いエンジンの音に僕は窓の外を覗いた。
その時黒塗りのベンツを見た。
それからは無我夢中だった。
後ろから母を思いきり殴り付け、そのまま妹の手を取るとバッグを担いで勝手口から外へと飛び出した。
(,,゚Д゚)「…」
その時に一人のヤクザと目があった。
しかし、哀れに思ったのか、或いはどうでも良かったのか、彼が僕らを追うことは無かった。
その代わりに父と母の恐ろしい悲鳴が僕らの耳に追い付いたのだった。
それに合わせて悲鳴をあげようとした妹の口を塞ぎ、また駆け出した。
そうして今に至ったのだ。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:37:41.87 ID:/FHvHxkkO
支援
支援
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:40:18.79 ID:VfA+t/FaO
支援致す
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:40:23.26 ID:+pXmm5pZO
指の間に溜まった垢を落としていく。
風呂の付いていないボロアパートに住んでいた僕たちの体はとてもじゃ無いが綺麗とは言えなかった。
よくまぁ、ホテルに入れたと思う。
だって、シャワーが体に当たる度に水は淀んで流れていくんだもの。
( ゚∀゚)「ふぅ…」
溜め息を漏らしたところで何も変わりはしない
そんな事は分かりきっていた
( ゚∀゚)「…」
百万で一体何時まで生活を続けられるだろうか。
一年?
いや、そんな長く続けるのは不可能だろう。
近いうちに生活は終わりを迎えるのは日を見るより明らかなんだ。
その時に僕は妹を守れるだろうか。
从 ゚∀从「お兄ちゃん早くあがって〜」
( ゚∀゚)「はいはい」
どうか。
どうか妹は汚れてしまいませんように。
しえん
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:46:49.48 ID:+pXmm5pZO
*−−−*
ガキを見た。
けれども不思議と足は動かなかった。
何故、問いかけても答えは無い。
多分、俺はガキの悲鳴が悲鳴をあげるほどに嫌いだからだ。
(,,゚Д゚)「ヤキが回ったかな」
仕事ではこの事を割り切れていると、そう思っていた。
いや、違う。
俺は昔の自分をあのガキの必死な姿に見たからだ。
割り切れているとかそう言う事じゃあ無いんだ、きっと奴等は俺の生ける追憶だったからだ。
(,,゚Д゚)「ま、別に良いだろ」
俺はガキどもが自分と違う結末を迎えたことを満足に思い、全てどうでも良くなった。
なに、問題はない。
最初から外出していた事にすれば良いのだ。
(,,゚Д゚)「そう、問題なんざないさ」
ジャケットの内ポケットからキャメルとジッポーを取り出す。
ジッポーの鋼色の表面に写る俺の顔はやつれていた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:49:38.76 ID:Jgl+wTqI0
支援
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:49:38.88 ID:+pXmm5pZO
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
( ゚д゚ )「たく、お前だから許すけどよ、若人どもだったら指ぃ詰めさせるぜ」
(,,゚Д゚)「ほんとすまねぇ、ミルナの兄貴」
( ゚д゚ )「ま、良いさ
次はきちんとやれよ?」
(,,゚Д゚)「うっす!」
( ゚д゚ )「よし、もう良いぞ」
(,,゚Д゚)「失礼しやした!」
俺もこの稼業を初めてからはそれなりに長い。
故に信頼を勝ち得ているのだ。
等と考えていたら、後ろから話しかけられた。
( ^ω^)「ギコ、羨ましいお」
後ろに居る時点で気付いていた。
内藤だ。
居るだけで暑苦しい、なんというか、デブだ。
しえーん
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:53:13.36 ID:+pXmm5pZO
(,,゚Д゚)「…ホライゾンの旦那、何のようだ」
凄みを効かせて言葉を吐く。
俺は強面だから相当な、そう、堅気の人間ならきっと土下座するような顔で睨んだのだ。
が、しかし、ホライゾンはただ平気そうな顔で平然と答えるだけだ。
( ^ω^)「いやいや、本当におじきから信頼を勝ち得てるなぁ、と」
ミルナの兄貴はコイツの実の叔父だ。
叔父を実と言うのは少し変かも知れないが、ヤクザにとってそれは重要な事なのだ。
( ^ω^)「こないだ僕が失敗した時は『もうお前、腕詰めろよ』なんて言われたお」
(,,゚Д゚)「兄貴なりの愛情表現じゃ無いですか?」
適当に相槌を打つ。
漫才みたいなもんだ、彼も適当なツッコミを求めている。
( ^ω^)「過激だお、まるでアメリカ人の様に大袈裟だお!」
(,,゚Д゚)「そりゃ、旦那の勝手な思い込みじゃあ…」
( ^ω^)「いーや、アメリカ人は確かに大袈裟だお!」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:54:17.61 ID:/V6mf06nO
支援
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:54:50.94 ID:+pXmm5pZO
(,,゚Д゚)「…アメリカ人みたいなのは旦那の腹じゃないすか?」
( ^ω^)「それこそ勝手な思い込みだお…」
俺のジョークが効いたのだろう、ホライゾンは俯きがちになっている。
まぁ、メタボリックなお腹を抱えてアメリカの話題を振るのがいけないのだ。
自業自得だ。
(,,゚Д゚)「んで、用はそれだけですか?」
( ´ω`)「そうだお…つか今お前メタボリックとか思ったろ?」
(,,゚Д゚)「じゃ、俺はこれで」
( ´ω`)「流すなお〜、僕はギリギリBMI値はクリアだお〜」
(,,゚Д゚)「はいはい」
適当に相槌を打つと、その場を去る。
コイツは所謂ふざけた野郎なので対応する必要なし。
俺は面目を保つためにも、新しい仕事が必要なのだ。
だがその直後に知らされたのは最悪の仕事だった。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/01(火) 23:58:39.54 ID:+pXmm5pZO
*−−−*
( ゚∀゚)「ふう」
僕も妹もシャワーを浴び終わり、今はホテルのリビングでテレビを見ている。
僕達にとって、まさにこれは晴天の霹靂と言った所で、どこか落ち着かずソワソワと忙しなく視線を動かしている。
从 ゚∀从「お兄ちゃん、お兄ちゃん」
( ゚∀゚)「なんだよ…」
从 ゚∀从「これあけていいの?」
妹が指差したのは冷蔵庫だった。
( ゚∀゚)「そんなの…」
当たり前だろの言葉はどうしても続かなかった。
忘れていたけれども、彼女はまともな常識など無いのだった。
从 ゚∀从「そんなの?」
( ゚∀゚)「いや、なんでもない
開けて良いぞ、うん」
从*^∀从「やった!」
ただただ僕は彼女に、この異常な正常を植え付けたもの全てを憎んでいる。
自覚するには十分だった。
支援
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:00:13.10 ID:/V6mf06nO
ふむふむ支援
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:01:26.13 ID:lPJxVE1HO
ぎゃあああああああああああああああ!!
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:04:50.94 ID:lPJxVE1HO
書き溜めが!
三十レス分が!
ああああああ!
もうやだ死にたい…
ブーン系読み専になろう…
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:07:47.93 ID:I2Mf0wVAO
なんだと
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:08:29.11 ID:GIu4D+sAO
続きはどうなるの?
諦めるな
過去に100レス近く消えながら戻ってきた現行もちもいるんだ!
お前、
>>1じゃないよな?
投下中にかきため消えたとかじゃないよな?
>>1はさるった?
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:12:13.61 ID:lPJxVE1HO
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:13:33.74 ID:GIu4D+sAO
ドントマインド
待ってるよ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:14:26.52 ID:lPJxVE1HO
とりあえずここまでで感想と批評を頂きたいです…
それを励みに頑張ります…
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:24:42.95 ID:biDxjp/zO
うーんビッツサンド
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:30:07.49 ID:hvDeGOSLP
語りがくどい。無駄に厚すぎ
そしてわかりにくい。読者おいてけぼり
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:33:54.31 ID:lPJxVE1HO
>>36 ありがとうございます…
くどいですよね…
地の文書いてみたかったんで頑張ってみたんですけど、下手ですね
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:37:56.55 ID:uFgcU63N0
こういう雰囲気の作品は好きだから続き読んでみたい、頑張って書いてくれ
39 :
◆SsC0zR0FLA :2009/12/02(水) 00:44:08.26 ID:lPJxVE1HO
>>38 ありがとうございます
この作品を書き直すので同じ雰囲気で進むかは分かりませんが、きっと書こうと思います
タイトル変えるかも…
酉付けときますんで参考にして下さい
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:44:44.07 ID:1yC0Bs+z0
ちょっと誤字が多めかな…
例としては
>>14の12行目とか。
あと
>>20に二重表現が一箇所。
投下前に一文一文をきちんと検証してみると
こういうのが減ると思うよ。
でも雰囲気は出てたし
自分には幼女ハインが新鮮だったな。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 00:53:05.61 ID:lPJxVE1HO
>>40 ありがとうございます
雰囲気が出せていたならば嬉しいです
これからは推敲をちゃんとします
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/02(水) 01:05:46.10 ID:lPJxVE1HO
見てくださった方々はありがとうございました
それでは睡眠と書き溜めを始めます
おやすみなさい
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙!