ゲームソフトを1本作るのって、実際どれほどのお金や時間がかかるものなんでしょう?
『鉄拳シリーズ』を制作した、バンダイナムコゲームスの原田勝弘さんと米盛祐一さんに聞きました。
「開発予算、期間に関しては本当にピンキリですね。例えばDSのソフトですと数千万〜1億円で作るものも
ありますが、PS3やXbox360のソフトでは、数億円単位の開発費がかかるのが当たり前の世界です。人数も、
ファミコンのころは5〜6人で作るゲームが多かったのですが、今では小さい開発チームでも 20〜30人、
『鉄拳』チームの場合、常時40人いて、人手が必要な開発の最盛期になってくると、100人を超える体制になりますね」
「そのゲームのジャンルによっても開発費は変わってきますね。例えばパズルゲームではそんなに予算・期間はかからず、
逆にRPGは予算も期間もたくさんかかります」
制作期間に関しても、大作ソフトの場合、数年かかることも珍しくないのだとか。そんな時間のかかるゲーム開発の
なかでは、大変なことも多いのでは?
「大変なのは、テストプレイを兼ねたデバッグ作業ですね。作業自体が単純でつらいということもあるのですが、
反省点がいくつも見えてくる作業ですから。最初に考えていた仕様をゲームに入れ込めず、泣く泣くゲーム
モードなどを切らなければいけない時も悔しいですね。そして家に帰れないこと! 昔、私は1カ月で1日しか家に
帰らなかったこともあります(笑)。最近はそういった開発現場も少なくなってきていますが…。そうなると彼女や
友達がいなくなるんですよね…(遠い目で)」
開発期間が長いだけに壮絶ですね…。では逆に、一番うれしい時というのは?
「自分が開発に携わったゲームが製品になり、店頭に並んだ時は格別ですね。ショップに売れ行きを眺めに行きましたもん(笑)。
あと『鉄拳』などのアーケードゲームの場合、家庭用ゲームと違って、遊んでいるお客さんの反応がじかに見られますから、
お客さんが熱中してプレイしてくださっているのを見ると、『苦労して制作した甲斐があったな』と思います」
http://www.excite.co.jp/News/entertainment/20091128/R25_110000007896_part_2.html