>>157 民主党が公約の目玉に掲げた教育支援策は、大学生の子どもを持つ家庭には届かない。
1人あたり月額2万6000円を支給する「子ども手当」は中学生以下、「授業料無償化」は高校生が対象。2人とも通り過ぎた。
さらに、その財源と目される「特定扶養控除」の縮小が検討されている。現行は16歳以上23歳未満の子どもがいる場合、
1人あたり63万円が所得の課税対象から外される。支援が受けられないうえに扶養控除もなくなれば「泣きっ面にハチです」と、女性は嘆く。
大学などの高等教育費の貧弱さは他国と比較しても際立つ。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、
06年の公的財源から高等教育への支出は、対国内総生産(GDP)比でわずか0・5%。加盟28カ国中最下位だ。
逆に保護者による私費負担の割合は67・8%で、OECD平均(27・4%)を大幅に上回る。
ノルウェーはわずか3%だ。
東京大大学総合教育研究センターの小林雅之教授(教育社会学)によると、ヨーロッパ、
特に北欧では大学の授業料は無償で、生活費のための奨学金制度も充実しているという。
文部科学省によると、08年度の全国の大学、短大、高等専門学校の中退者のうち「経済的な理由」で退学した割合は15・6%。
小林教授は「返済しなくていい給付型奨学金と授業料減免の拡充策を早急に検討すべきだ」と話す。=おわり ◇ この連載は井崎憲、井上俊樹、三木陽介、田中博子が担当しました。
http://mainichi.jp/life/edu/news/20091125ddm002010030000c.html