大人と子供の境界のようです

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38 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 13:55:37.17 ID:WuQ7gEbjO

渋澤君の呟きに、ギッ、と反応する流石君。
そういえば、二人はとても仲が悪い。正に犬猿の仲。

ペロッこれはヤバいムード!

  _,
(#´_ゝ`)「テメー…今なんつった?」
_、_
( ,_ノ` )「阿呆が阿呆な事言ってんなーって思っただけよ」

(;*゚ー゚)「ちょ、ちょっと!喧嘩は(#´_ゝ`)「上等だァ!表出ろや!」
_、_
(#,_ノ` )「ハッ、返り討ちにしてや…」



(#゚ー゚)



39 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 13:58:07.04 ID:WuQ7gEbjO








( ´Д`)<※諸事情により音声のみでお送りします



<オラオラオラオラァ!テメーラノチハナニイロダァア!
<アーッ!
<OK.シィ,トキニオチツkギャァア!!
<ホァタタタタタタタタタァ!!
<アベシアベシアベシアベシアベシ!
<ラメェエ!ネジレル!ネジレチャウノォオ!
<キィィィヤァァァアアア!!
<アアマドニ!マドニ!!



40 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:03:10.73 ID:WuQ7gEbjO


10分後。



( ゚゙_ゞ゚)「こいつを見てくれ。どう思う?」

川д川「凄く……屍です……」


(メメギ)_ゝ(キ) チーン
 _、_
(キメメ゙)_ノ(キメ) チーン


o川;*゚ー゚)o「これは酷い…」

(#゚ー゚)「フン!」



多少トラブル(?)はあったものの、素尚さんや流石君の影響か、皆夏の合宿に参加する事が確定した。
指揮者として、喜ばしいことだ、うん。


41 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:06:38.64 ID:WuQ7gEbjO

(*゚ー゚)「しかし、あの流石君がねえ…」

放課後、コンクールの為の選曲をしている最中(さなか)、しぃがポツリと呟いた。

(*゚ー゚)「流石君て、ああいうつまらない行事に興味なさそうじゃない?
大体、体育祭も文化祭もサボるような人だし」


そうなのか。それは初めて知った。
血の気が多いから、てっきり祭りの類いとか好きなんだと思っていた。


川;д川「血の気が多いのと、祭り好きは関係無いと思うんだけど…」

(;゚゙_ゞ゚)「うーん…僕の偏見なのかなあ…?」


心の声が口に出たのにも気づかず、小森さんのささやかなツッコミに、僕は無意識に首を傾げた。


(;*゚ー゚)「…っていうか、選曲がロックて…」

(;゚゙_ゞ゚)「ア、アグレッシブだね…小森さんて…」

川д川 +

42 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:08:32.28 ID:WuQ7gEbjO

翌朝。


ジリジリと照りつける日差しのせいか、ローファーが必要以上に熱を吸収する。足が火傷するのではないだろうか。

太陽、有給とれよ。なんなら無断欠勤でも良いから。地球が滅ばない程度に。


そんな下らない事を考えつつ、僕は足を早める。最近、近所に出没するという不審者に遭遇したくないという思いからの行動だ。





「だーれだっ!」

「…素尚だろ」

「せーかーいっ!」
43 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:10:10.77 ID:WuQ7gEbjO


(;゚゙_ゞ゚)「ん……?」


聞き慣れた声がした気がして、ふと顔を上げる。
すると、意外な二人が仲良く登校しているのを見て、僕は些か驚きを隠せなかった。


( ´_ゝ`)o(゚ー゚*川o


意外だ。実に意外だ。
マドンナと不良。どこの少女漫画だ。

二人は僕に気づく様子はなく、首に回された素尚さんの腕を掴み、流石君はグルグルと回転し始めた。


o川*>∀<)o「キャー!早いはやーい!」


キャッキャッとはしゃぐ素尚さんの笑い声が、通学路に響く。
流石君も、なるべく振り落とさないように加減しているのだろう、尚も素尚さんを振り回し続ける。

44 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:12:41.05 ID:WuQ7gEbjO

( ´,_ゝ`)「おーりーろー」

o川*>∀<)o「きゃー!」


まるで兄妹だなあ、と密かに思い、僕は人知れずクスリと笑った。

少し疲れたのか、ようやく流石君は素尚さんを降ろして歩きだした。

うーん、実に意外なカップルだ。



_、_
( ,_ノ`#)「死ねばいいのに」

(;゚゙дゞ゚)そ「うひゃあああああああ!?」


45 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:13:31.67 ID:WuQ7gEbjO
耳に息がかかる位の至近距離で囁かれたら、恐らく誰だってビビるだろう。僕だってビビる。


(;゚゙_ゞ゚)「あー吃驚した…悪趣味だよ、今の」
_、_
( ,_ノ` )「あーwww今の顔おもしれーwww」


カッカッカ、と親父臭い笑い声を上げる渋澤君を鞄で殴った。

避けられた。

46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:14:08.92 ID:7NCwJLbh0
いいニートは今就寝時間なんだよ
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:15:45.69 ID:jcV+BrE/O
渋澤直せよー
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:17:42.98 ID:At5cZ3m+0
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/21(土) 13:48:45.48 ID:At5cZ3m+0
NGしたら何のスレかわからなくなった

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/11/21(土) 14:14:08.92 ID:7NCwJLbh0
いいニートは今就寝時間なんだよ


凄いオナニースレだということはわかった
49 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:18:24.91 ID:WuQ7gEbjO


o川*゚ー゚)o「だーれだっ!」

(; ゙_ゞ )て「ぐぇえッ!」


突然、背中が衝撃と重みを訴えてきた。
同時に首が閉まり、視界も真っ暗になる。
少し汗ばんだ背中に、柔らかい何かが押し当てられている。

あ、なんか良い香りが。

 _、_
( ,_ノ` )「素尚、その辺にしとけ、オサム窒息死する」

o川*゚ー゚)o「(゜д゜@」


背中の重みが消える。
少し残念だ、と思った自分が憎らしい。
50 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:20:21.59 ID:WuQ7gEbjO
  _,
o川*゚3゚)o「ちぇーっ、折角驚かそうと思ったのに」

( ´_ゝ`)「女がそういう顔すんな、男に逃げられっぞ」


素尚さんの頬っぺたをびろーんと引っ張る流石君。
どっから現れるんだ、皆して。


( ´_ゝ`)「お、棺桶死と老け顔か」

_、_
( ,_ノ`#)「誰が老け顔だ【自主規制】が」

(#´_ゝ`)「ああ?んだとこの【 自主規制 】!」

_、_
( ,_ノ`#)「【 自主規ry 】にゃ言われたかねえな、【 自主ry 】にh」

(;゚゙_ゞ゚)「ストップストップストップ!
朝から、しかもこんな住宅街でそんな話しない!」

o川*゚ー゚)o「ねー棺桶死クン、タンショーホーケーって(;゚゙_ゞ゚)「女の子がそんな事言っちゃ駄目ェェエエエエ!!」

51 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:21:48.76 ID:WuQ7gEbjO

…天g、もとい外国の両親へ。


明日から始まる夏休みが、凄く……不安です…………。



(#´_ゝ`)「お前なんか【 自主ryピー】だ!」

(;゚゙_ゞ゚)「だからそういう話は止めてええええ!」




川д川「へー、そんな事が…」

(;-゙_ゞ-)「結局二人共喧嘩は止めないし、素尚さんの質問攻撃は止まないしで、もう散々だよ…」


終業式が終わった音楽室に、僕と小森さんは居た。
明日から伴奏もつけての練習なので、その音合わせだ。

52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:23:00.91 ID:jcV+BrE/O
まーたズレてっぞー
 _、_
( ,_ノ` )
53 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:24:24.56 ID:WuQ7gEbjO

朝の愚痴を聞いていた小森さんは、不意にクスリと笑う。
僕にはその笑顔の意図が分からず、首を傾げた。


川ー川「皆、仲が良いよね。羨ましい」

(;゚゙_ゞ゚)「アレ、仲が良いっていうのかな…」


渋澤君と流石君を思い浮かべる。
あれは喧嘩する程仲が良いなんてものではないと思う。


川ヮ川「人はね、本当にその人が嫌いなら、絶対に近寄らないと思うの。

きっと、素直になれないだけなのよ」

(;゚゙_ゞ゚)「…そうだと良いけど…」


54 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:26:53.49 ID:WuQ7gEbjO




 _、_
( ,_ノ` )「覚えてるか、オサム?」

( ゚゙_ゞ゚)「何が?」


学校の食堂に取り付けられた自動販売機に小銭を入れ、少し迷ってアクエリアスを選ぶ。

隣の彼は、迷わず烏龍茶のボタンを押し、出てきたペットボトルを掴んで、うなじ辺りに押し付けていた。

気持ち良さそうだ、と思い、僕もそれにならった。
暑さでペットボトルの表面から湧き出た水滴が、肌に心地良い。

夏合宿が始まって、1週間が経った。
やっぱり、旅行等の諸々の関係で、来れない人もいる。

が、それでも、来てくれている人がいる事は、きっと喜ぶべき事なのだろう。


55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:28:02.44 ID:jcV+BrE/O
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:28:08.52 ID:oPY1Fqdr0
最初からNGになっててびっくりした
57 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:29:03.71 ID:WuQ7gEbjO

 _、_
( ,_ノ` )「小学校の夏休み、俺達が何してたか、覚えてるか?」

( ゚゙_ゞ゚)「……ううん、余り」


そっか、と言って、烏龍茶をガブ飲みする渋澤君。
そんなに飲むと、トイレが早くなっちゃうよ。

 _、_
(*,_ノ` )「ッ…プハーッ!」

( ゚゙_ゞ゚)「親父臭っ!」
 _、_
( ,_ノ` )「煩ェ」

ゴシゴシと口を拭い、あっという間に空になったペットボトルが捨てられる。

見上げれば、青空がとても眩しい。
厚ぼったい小さな雲が、ふよふよと自由気ままに流れていく。



( ゚゙_ゞ゚)「…小学校、か」

58 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:34:34.52 ID:WuQ7gEbjO




夏祭り。
親とはぐれて、たった一人。

『…おとーさぁーん、おかあさーん』

涙声で呼ぶけれど、小さな声では、誰も気づかない。

『…あれ、==?』

終業式以来に聞こえた声に振り向くと、同じように一人きりの君がいて。


『迷子?』

『…………うん』

『…ほら、一緒に探すからさ、泣くなよ』

『…うん』


すすり泣いた顔を見られたくなくて、袖でひたすら顔を隠して。
呆れられながらも、手を繋いで一緒に探してくれた。


59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:40:39.12 ID:40YDD6abO
まとめられてから読む
支援
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:43:08.14 ID:ksDUc8gj0
空気合作にはろくなのないな
61 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:44:44.72 ID:WuQ7gEbjO


『見つからないね』

『…そうだね』


疲れた足を休める為に、石段に腰を下ろす。
もうすぐ、花火が上がる時間だ。

『===、引っ越すんでしょう?』

『……うん』


夜空に一瞬だけ咲く、音と光で出来た夏の花。


『…ねえ、===』

『なに?』

音で掻き消される声。
口の動きがたどたどしくて、何を言っているかは聞こえない。

『==、===が』

『==』
62 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:46:39.31 ID:WuQ7gEbjO




( ゚゙_ゞ゚)「進路かー。何も決めてなかったな」

(,,゚Д゚)「そういえば、俺達何だかんだで高校2年生だもんなー」

(;*゚ー゚)「ギコ君は自覚足りなさすぎ!」


皆プリントを手に、思い思いの言葉を口にする。


(;゚゙_ゞ゚)「(…どうしよう、何も決めてないのに…)」

ボリボリと頭を掻く。
中学生時代、似たような事を書かされて、かなり悩んだ時期があったのを思い出した。

あの時は、何て書いたっけか。
ああ駄目だ、やっぱり思い出せない。


63 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:48:52.62 ID:WuQ7gEbjO

o川*゚ー゚)o「小森さんは、進路相談、何て書いたの?」

川д川「へ?」


素尚さんの質問に、伴奏を弾いていた小森さんの手が、ピタッと止まった。
小森さんは暫く言うのを渋っていたみたいだけれども、か細い声で言った。


川д川「ま…まだ何も……」

o川*゚ー゚)o「なーんだ、小森さんの事だから、ピアニストって書くのかと思ったわ」


素尚さんの言葉に、小森さんはただ困ったようにはにかんでいた。


64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 14:49:35.47 ID:bF3dbWYNO
支援
65 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:52:16.35 ID:WuQ7gEbjO
様々な夢を語るクラスメート達が、とても羨ましく思える。


( ゚゙_ゞ゚)「(良いなあ、夢がある人って)」

いや、今まで夢を見つけようとしなかった自分が悪いのだろうか。


(;゚゙_ゞ゚)「………何て書こう……」



…結局、何も書かずに提出してしまったのは、また別のお話。






川д川「私ね、本当はピアニストになりたいの。
…でもね、なれる訳なんかないの」


皆が帰ってしまった後、小森さんは悲しそうにそう言った。


( ゚゙_ゞ゚)「そんな事ないよ。
実際、小森さんはとてもじょu川#д川「嘘よッ!」

66 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:53:15.09 ID:WuQ7gEbjO

小森さんが大声を張り上げた。
僕は驚いて、口をつぐんでしまう。


川#д川「私みたいな、大して上手くもない女の子が、ピアニストなんてなれる訳ないじゃない!
棺桶死君だって、聞いていたんでしょう、私のあの酷い演奏を!
指差して笑ってたんでしょう!?」


ヒステリックな大声を出して、小森さんは怒っている。


川#;д;川「そうよ!
私はどうせ下手クソで、魅力もへったくれも無いわよ!

ねえ貴方、皆が私の事、何て呼んでるか知ってる!?
『コウモリ』よ!コウモリ!!
そりゃあ指差して笑いたくなるでしょうよ!
でもね!私にだって、人並みに夢くらい有るわよ!
馬鹿にしないでよ!」

67 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:56:27.39 ID:WuQ7gEbjO


彼女は泣き喚き、髪を振り乱し、脇目も振らずに走り去っていく。

彼女を知らず知らずの内に傷つけていたという事実が悲しくて、僕は彼女を追いかける事が出来なかった。


 _、_
( ,_ノ` )「痴話喧嘩でもしたか?」

(;゚゙_ゞ゚)「…もう慣れたよ、その登場の仕方」


何だ、つまらんと僕の目の前に移動する渋澤君。


(;゚゙_ゞ゚)「っていうか、痴話喧嘩って…」
 _、_
( ,_ノ` )「あ?お前と小森、付き合ってんだろ?」

(;゚゙_ゞ゚)「いやいやいやいや」

68 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:57:20.58 ID:WuQ7gEbjO

慌てて手を横に振った。
確かに僕等は喧嘩をしたが(いや、あれは喧嘩なのか?)、付き合ってなぞいない。
 _、_
( ,_ノ` )「あれま、てっきり俺ァ…」

(;゚゙_ゞ゚)「べ、別に僕らはそういうやましい仲では…」
 _、_
( ,_ノ` )「バーカ、付き合う事のドコがやましいんだよ」


パコン、とデコピンされた。
ジンジンと痛む。渋澤君はニヤニヤ笑っている。

 _、_
( ,_ノ` )「お前さ、小森が好きなんだろ?」

(; ゙_ゞ )「ブフッ!?」

69 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 14:59:23.84 ID:WuQ7gEbjO

何も無いのに噴き出してしまった。

 _、_
( ,_ノ` )「バレバレなんだよ、お前。
チラチラ見たり溜め息ついたり、見てるこっちが恥ずかしいわ。このヘタレめ」

(;゚゙_ゞ゚)「ヘタレ言うな!」

お返しに、彼の頭をはたく。良い音がした。
 _、_
( ,_ノ` )「どうだ、ちったあ元気出たか」

( ゚゙_ゞ゚)「……うん」

そうか、と肩に手を置かれる。

 _、_
( ,_ノ` )「…俺は詳しい事情は知らん。
が、今やる事は1つ。だろ?」

( ゚゙_ゞ゚)「…ああ!」


有り難う、と礼を言い、僕は小森さんが走っていった方へと向かう。


目指すは、屋上だ。
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 15:00:01.12 ID:tCPoDL+P0
4円
71 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 15:01:04.00 ID:WuQ7gEbjO



熱をもったドアノブを握り、ゆっくりと回す。
開けると同時に、熱を孕んだ風が頬に叩きつけられ、思わず眉間に皺を寄せる。

そういえば、今日は風が強いと、天気予報で言っていた気がする。


( ゚゙_ゞ゚)「…小森、さん」

川川川「……………」


前方5メートル先のクラスメートに、僕は何と問いかければ良いのだろうか。

背を向けている彼女は、僕の呼び掛けにも答えずに、ただ髪をなびかせて空を仰ぐ。

72 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 15:01:51.17 ID:WuQ7gEbjO


川д川「…私ね、小学校のとき、好きな人が居たの。
その人ね、よく授業をサボって、屋上で歌を歌ってたわ。

とっても上手だった。羨ましかったわ」

淡々と、彼女は語る。
僕は、それを聞いている。


川ー川「その子は屋上が好きでね、立ち入り禁止にも関わらず、度々忍びこんでは先生に怒られていたわ。
反省文を沢山書かされても、親に叱られても、やりたい事をやる。
そんな自由な彼が、私は好きだったの」


フフフ、と笑う小森さん。
僕はゆっくりと、彼女の元へと歩みよる。
73 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 15:03:40.15 ID:WuQ7gEbjO

川д川「でもね、その子、転校しちゃったの。夏休みが終わって、すぐに」

( ゚゙_ゞ゚)「…手紙とか、書かなかったの?」

そんな度胸は無かったわ、と小森さんは悲しそうに首を横に振った。

川д川「好かれている自信は無かったし、気持ち悪がられるのが嫌だったの。
…根性無しでしょう?」


そんな事はない、と僕は返す。
無理しなくていいわよ、と小森さんはクスクス笑った。


川ー川「後悔はしてないよ。
私が彼を覚えているから、それでいいの。

今回の選曲も、わざわざ彼が好きだった曲を選んだのよ」


ああ、そうか、彼女は。

彼女の笑顔が、とても眩しい。
それは、果たして逆光のせいか、はたまた。


74 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 15:05:04.88 ID:WuQ7gEbjO

( ゚゙_ゞ゚)「…僕はこう見えて昔は悪戯っ子でね、とても捻れていたんだ」

えー、意外と彼女はまた笑う。
僕も笑う。


( ゚゙_ゞ゚)「僕にも、好きな子が居たんだ。大人しくって、目立たない女の子。
その子は学級委員でね、とても真面目だったんだ。
…好きだったんだけどね、僕には告白する勇気が無かった。
だから、気を引くために、わざわざ授業までサボった位さ」


彼女は黙っている。
僕も、黙っている。

川ー川「…その子の事、今も好き?」

( ゚゙_ゞ゚)「…ああ、好きだよ」


フフ、と彼女は笑った。
僕も、ハハ、と笑った。


僕らの笑い声と蝉の声が、夏の空に響いていた。

75 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 15:06:08.42 ID:WuQ7gEbjO















76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 15:06:52.59 ID:bF3dbWYNO
ん?
77 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 15:07:35.47 ID:WuQ7gEbjO









(ー@∀@)「……さん、小森さん?」

川д川「へっ?ああ、ごめんなさい。
何かしら?」


ドアップで映ったマネージャーの顔に少々驚きつつ、私は慌てて姿勢を正す。
いつの間にやら、うたた寝をしていたらしい。

危ない危ない、…涎、垂れてないわよね?

(ー@∀@)「いや、棺桶死さんという方から御電話が…」


そう言って差し出された彼の手の中の電話をひったくる。

恨みがましいといった表情を見せるマネージャーを投げ飛ばして追い出し、私は電話を耳に押し当てる。
78 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 15:10:16.46 ID:WuQ7gEbjO


川*ヮ川「お、オサム君!?」

『…い、今なんか凄い音したけど…』

川*ヮ川「ああ気にしないで、マネージャーさんが鬱陶しかったから巴投げしただけだから」

『…へ、へえー』


三ヶ月ぶりに聞く声に、私の声と気持ちは思わず高ぶる。


川*ヮ川「見ててね!絶対演奏見ててね!」

『うん、最前列で並んでるよ。渋澤君も楽しみだって』


なんだ、渋澤も居るのか。あの腰巾着もどきめ。空気嫁。

思わず舌打ちが出そうになったが、乙女としてそれは堪えた。

79 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 15:11:56.54 ID:WuQ7gEbjO


川*ヮ川「でも、合唱の伴奏なんて10年振りだわ。
何だか緊張しちゃう」

『あー、懐かしいねー』


ははは、と笑うオサム君の声に、10年前の高校生合唱コンクールで優勝したあの時を思い出す。


川ヮ川「……あれから、もう10年なのねー」

『…そうだね』


お互いに笑う。
あの時から、私達は色々と変わった。

80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 15:13:04.96 ID:bF3dbWYNO
急展開だな
81 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 15:14:43.42 ID:WuQ7gEbjO


川ヮ川「……ありがとうね」

『何がだい?』


フフフ、とまた笑う。
彼には、感謝してもしきれない。

オサム君は、夢を叶える勇気をくれた。
オサム君がいたから、今の私がある。


川ヮ川「…何でもない!」

『?』


恐らくクエスチョンマークを頭に浮かべている彼を想像した。


(メー@∀ギ)「小森さん!時間です」

川ヮ川「はぁーい!…それじゃ、会場でね」

『ああ、頑張れよ』

82 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 15:19:37.66 ID:WuQ7gEbjO

電源ボタンを切り、楽屋を出る。

舞台裏に到着した時、既に司会者が、プログラムを読み終えていた。


『…それでは、お待たせ致しました!

登場して頂きましょう!

世界的ピアニスト、小森貞子さんです!』

一歩、踏み出した途端、物凄い歓声がホールを包み込んだ。
目の前に立ち、一礼する。
オサム君と渋澤君が、小さく手を振っている。
私はそれを笑顔とアイコンタクトで答えた。

指揮者が腕を上げ、私はピアノ盤へと指を置いた。



私の夢は、まだ始まったばかり。



83 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 15:22:05.99 ID:WuQ7gEbjO












川ー川大人と子供の境界のようです









84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 15:22:34.36 ID:bF3dbWYNO
おつ
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 15:23:33.36 ID:4aDczRH9O
こういうの好きだ乙
86 ◆jPpg5.obl6 :2009/11/21(土) 15:24:05.48 ID:WuQ7gEbjO


これにて、大人と子供の境界のようですは終わりです。


正直色々とすまんかった。
特に渋澤はすまんかった。

原案者様、支援して下さった方々、そしてここまで読んで下さった方々。

本当にありがとうございました。


それでは!ノシ


87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
いいふいんきryだった乙